• 検索結果がありません。

奄美群島における風化残積土(赤土等)の土質特性(その1)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "奄美群島における風化残積土(赤土等)の土質特性(その1)"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

(その1)

著者

北村 良介, 中野 裕二郎, 深見 健一

雑誌名

奄美ニューズレター

10

ページ

1-5

URL

http://hdl.handle.net/10232/17665

(2)

1.まえがき 南西諸島には風化残積士(火山岩,堆積岩, サンゴ石灰岩などが風化した士)が地盤表面 を広く覆っており,これらの土が降雨時等に 河川や河口に流出して,環境問題(赤土等流 出問題)が生じている。赤土等流出問題は第 二次世界大戦直後の沖縄県で最初に顕在化し た')。沖縄本島では中南部の優良な農地を米 軍基地に奪われてしまった県民は新たな農地 を得るために沖縄本島北部や離島の山地を開 墾した。1955年頃から米軍が持ち込んだブ ルドーザー等の重機による大規模土地造成 (パイナップル畑等)が赤土の流出の始まり であった。本土復帰を果たした1972年頃か ら急速な社会資本整備が進み,赤土等流出問 題が本格的になった。そして,1995年に「赤 土等流出防止条例」が制定され,現在に至っ ている。 鹿児島県では1954年に奄美群島の本土復 帰に伴って制定された奄美群島振興開発特別 措置法(奄振法)に基づく社会資本整備が進 められ,1980年頃から沖縄県の後を追うよ うに赤土等流出問題が顕在化した。 本稿では,2004年5月27-29曰に徳之島, 奄美大島,加計呂麻島で採取した赤土等の土 質特』性を明らかにすることを目的とした試料 採取の概要と土質試験結果の一部を紹介する。 て,その場所に残存している士のことである。 移動することなく岩石が風化して士となった ものと地盤工学では定義されている3)。日本 で代表的な風化残積士は西日本に広く分布し ている花崗岩が風化したまさ土である。奄美 群島に分布する士も風化残積士に分類され, 次のようなものがある。 国頭マージ:古生層千枚岩,頁岩,火山岩類 の風化残積土及び洪積層に由来 する赤黄色士,奄美大島,徳之 島に分布。 島尻マージ:サンゴ石灰岩を母材とする暗赤 色士,喜界島,徳之島南西部, 与論島,沖永良部島に分布。 ジャーガル:島尻泥岩を母材とする灰色士, 喜界島東部の一部にみられる。 南西諸島に分布する風化残積士の色は ジャーガルのように赤色ではないものも含ま れており,「赤土等」という語を用いることに よって南西諸島に分布する風化残積士を総称 している。 3.奄美大島,加計呂麻島,徳之島での試料 採取地点 図-1は奄美大島,加計呂麻島,図-2は 徳之島での試料採取地点を示している。図- 1に示すように加計呂麻島で2ヶ所(西阿室 川上流,河口),奄美大島の瀬戸内町で1ヶ所 (大当原ダム),宇検村で2ケ所(生勝川上流, 河口),住用村で2ヶ所(役勝川,川内川), 大和村で1ヶ所(三田川),名瀬市で3ケ所 (有屋川,知名瀬川,小宿大川),竜郷町で 2.地質学・地盤工学の視点からみた風化残 積土(赤土等) 地質学的に残積士とは「ある場所で移動せ ず風化を受けた母岩が,さらにその場で土壌 化を受けて生成した土壌の総称」である2)。 地盤工学的に風化残積士とは,岩石が風化し 1

(3)

(f蕊辮iii;iiiiiii 鋲■nm 図-1奄美大島,加計呂麻島での試料採取地点 1ヶ所(大美川),笠利町で1ケ所(宮久田川), 計13ヶ所の試料を採取した。徳之島では図 -2に示すように天城町の3ケ所(新川上流・ 中流・下流)で試料を採取した。 写真-1,2は加計呂麻島の西阿室砂防ダ ム右岸(上流部),西阿室川河口部の採Ⅲ取地点 を示している。写真-3は瀬戸内町高丘の大 当原ダム付近の道路斜面を示している。この 斜面の崩士を採取した。写真-4,5は宇検 村生勝川上流部右岸(生勝川砂防堰堤直下), 生勝川河口部の試料採取地点を示している。 写真-6は住用村役勝川の左岸を通る県道 85号沿い斜面の試料採取地点を示している。 写真-7は住用村川内川中流部右岸の試料採 取地点を示している。写真-8は大和村の大 和ダム直上部の試料採取地点(三田川の河床) を示している。写真-9は名瀬市の有屋川中 流部左岸の試料採取地点を示している。写真 一10は名瀬市の知名瀬川中流部左岸に造成 された圃場(試料採取地点)を示している。写 真-11は名瀬市の小宿大川中流部右岸の試 料採取斜面を示している。写真-12は竜郷 町大美川中流部の試料採取地点(河床)を示 している。写真-13は笠利町宮久田川上流 部右岸の試料採取地点(河床)を示している。 写真-14,15,16は徳之島天城町新川の上流, 図-2徳之島での試料採取地点 中流,河口の試料採取地点を示している。 4.粒度試験,液性・塑性試験,土粒子密度 試験 図-3は奄美大島,加計呂麻島で採取した 試料(-部)の粒度試験結果を示している。西 阿室川河口部,生勝川河口部の試料は分級が 進み,粒径が揃っていること,その他の試料 は広い範囲の粒径を有する士粒子から成り 立っており,細粒分も多く有していることが わかる。 図-4は液`性・塑'性試験より得られた塑』性 図を示している。図中のA線は無機質粘土・ シルトと有機質粘土・シルトを分類する直線 である。B線は高液』性限界と低液性限界試料 を分ける直線である4)。これに従えば,小宿 大川の試料を除くと低液性限界の粘土・シル トに分類される。 表-1は土粒子密度試験より得られた士粒 子密度を示している。通常の土粒子密度は 2.6-2.79/clli程度である。得られた士粒子 密度は2.79/c㎡を越えており通常の士に比 べると大きな値を示している。 2

(4)

る。また,7月28-30日に喜界島,沖永良部 島を訪問し,試料を採取した。それらの試料 に対しても同様な土質試験を行う予定である。 試験結果は次の機会に報告したい。 今回の一連の試料採取に際し,鹿児島県大 島支庁河川港湾課の高橋史雄氏には試料採取 工程の計画立案,名瀬市周辺での試料採取現 場案内,試料送付などに関わっていただきま した。徳之島では宇田隆氏,瀬戸内町では福 重博之氏,高畦博氏のお世話になりました。 ’性と沖縄県の実態(平成14年度赤土等流 出防止対策技術講習会資料),鹿児島県大 島支庁,2002. 2)永塚鎮男,田村憲司:地学事典,平凡社, p、508,1996. 3)西田一彦:風化残積士,地盤工学ハンド ブック,、338-343,1999. 4)地盤工学会編:土質試験の方法と解説一 第一回改訂版一,pp、214-237,2000. 表-1採取試料の土粒子密度 00000000000 0987654321 1 50

1I10IdId10000000■10Ⅱ00日Ⅱ■ⅡIⅡ04日Ⅱ■0□00 9Ⅱヨニ蕊、 40 (ま)繍余皿咽瓢鬮鋼 (CH) 30 。『熱聖起劉 小宿大川 (MH)

鏑fli1ililfh

20 10 OL:粘土(低液性限界) CH:粘土(高液性限界) ML:シルト(低液性限界 MH:シルト(高液性限界 0 O10203040506O7O8O9O’00 液性限界WL lE-30.01 0.1 粒径(m、) 10 図-4地盤材料の細粒±の工学的分類 図-3採取試料の粒径加積曲線 3 。■ ̄ ̄ ̄ ̄U ̄ ̄ ̄ママ゛・U・・。□・・▽・・U・ロ、▽ 奄美群島2日目 奄美群島3日目 採取場所 士粒子密度(g/cni) 採取場所 士粒子密度(g/cni) 西阿室砂防ダム 2.74 大和ダム 2.76 西阿室海岸 2.74 知名瀬川 2.74 高丘地区大当原ダム 2.75 小宿大川 2.78 生勝川上流 2.73 宮久田川 2.68 生勝川河口 2.73 大美)|’ 2.75 役勝川 2.74 有屋川 2.75 ・西阿室砂防ダム 。西阿室海岸 灸高丘地区大当原ダム ▼生勝川上流 轤生勝川河ロ 劃役勝川 小宿大川 。宮久田川 *知名瀬川 。有屋川 ・大美川 ★ ★★ 区 ロ 脅I晤呂鑓 鍋⑰ ▼ ★ ★ ★ ■ ■鰯 ▼ ★ $ ■ ■_⑭ 笘鍾I葱 蝿●》 ▼評 『▼零 ℃ ● ■ ● :i課1 我 ▼白 F▼| 電I 尋ロ や電 色 鍵 ■ § ■電 '4J篭 =。 ̄ 蕊二三○W F 蟻、 ■UF ● ● 鱒 § 鯵  ̄HDB. ̄… 麹 .■  ̄  ̄.. ̄■ 思い#  ̄ ★ ● 鱒▼: ★-Q鰯 ‘(風 剣 鍵L

(5)

写真-2加計呂麻島西阿室川河ロ 写真一1加計呂麻島西阿室砂防ダム右岸斜面 写真-4宇検村生勝川上流部の斜面 写真-3瀬戸内町高丘の大当原ダム付近の斜面 写真-6住用村役勝川中流部付近の斜面 写真-5字検村生勝川河口 写真-8大和町大和ダム直上部の写真 写真-7住用村川内」||中流部右岸 4

(6)

写真-9名瀬市有屋川中流部左岸 写真-10名瀬市知名瀬川中流部左岸に造成された圃場

写真-11名瀬市小宿大川中流部左岸の試料採取斜面 写真-12龍郷町大美川中流部

写真-13笠利町宮久田川上流部右岸 写真-14天城町南川上流部左岸畦畔

写真-15天城町南111中流部 写真-16天城町南川河ロ

参照

関連したドキュメント

1 

1. 東京都における土壌汚染対策の課題と取組み 2. 東京都土壌汚染対策アドバイザー派遣制度 3.

1地点当たり数箇所から採取した 試料を混合し、さらに、その試料か ら均等に分取している。(インクリメ

試用期間 1週間 1ヶ月間 1回/週 10 分間. 使用場所 通常学級

当法人は、40 年以上の任意団体での活動を経て 2019 年に NPO 法人となりました。島根県大田市大 森町に所在しており、この町は

本     所:小美玉市上玉里 1122  ☎ 0299-37-1551 小 川 支 所:小美玉市小川 2-1 ☎ 0299-58-5102 美 野 里 支 所:小美玉市部室 1106  

   縮尺は100分の1から3,000分の1とする。この場合において、ダム事業等であって起業地

2013年3月29日 第3回原子力改革監視委員会 参考資料 1.