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中 井 由 希

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Academic year: 2021

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大学での教職課程に関する研究

一初期教員期に注目して現職教員インタビューから捉える一

学 校 教 育 専 攻 学校改善コース 中 井 由 希

1 .研究の目的

本研究は,大学の教職課程を受けた現職教員 の採用以前の養成教育,大学時代の経験(大学 教育,キャンパスライフ等)の違い,初期教員 期及び新規採用後の初任者研修に関しての期待 の違い,学校現場が望む初期教員像等を調査し,

現場における出身大学の差は現れるのか,教員 養成段階での教師教育はどこまで可能であり,

どこまで必要な準備とされるべきかといった

「基盤jについて考え,教員養成系大学・学部と 一般大学・学部のそれぞれの大学の利点を生か した,養成段階での教師教育の原型を明らかに するものである。

この目的を踏まえ,以下を研究課題とする0

・大学以前に得られたと感じる教職に必要な資 質・能力の存在

・大学の環境の差による,教職に必要な資質能力 及び教職に対する意識の差異

‑新規採用後の初任者研修における期待

‑学校現場で望まれる教員像と教職課程制度が 期待する教員の力量形成の差異

2.研究方法

本研究における研究方法は インタビュー調 査を採用し,以下のように進める。

①現職教員を対象にインタビュー調査を行う。

インタビュー内容が大学生活など過去の内容 が含まれるため,事前に思い出す契機として調 査票を配布し,その調査票をもとにインタピ、ユ

指導教官 石 村 雅 雄

一内容を展開する。

②インタビュー結果と,これまでの先行研究か ら研究課題について考察する。

個人的な展開と,特に大学期と初期教員期 における全体的な展開の両面から考察する。イ ンタビューの考察に基づき,今日の教職課程の 意義について再考する。

なお,調査対象者はT県の公立中学校に在職 中の教諭及び助教諭計12名である。

3.調査結果及び考察

①教職を志した経緯

実際に関わった教師からの影響で,教職や部 活動顧問としての教師を目指したとしづ調査対 象者がいた白子どもからみる教師の教育活動が 子ども自身の興味・関心に近いところで形成さ れているということがいえる。

志望動機において教わった教員からの影響が 見られた調査対象者には,各学校種の主となる 役割に沿って影響を受けたということが分かつ た。

②大学での教職課程について

全般的に,教職課程に対して肯定的な感想、を 言吾ったのは,教員養成系大学出身者と,一般大 学でも教職課程に特に力をいれて取り組んでい

る大学の出身者であった。

また,教職課程を教職専門・教科専門・教育 実習の3つに分けて考え,特に教育実習に関し てよい印象を持っていたのは,主に一般大学・

U

(2)

学部出身者で、あったD特に,一般大学・学部出身 者の回答としては,子どもとの関わりから教職 に関する実践まで幅広く印象が語られた。

③初任者研修について

初任者研修に対しての期待では,臨時を経験 することで自分の力不足を明確に認識し,

r

何と かしなければ」という必要にせまられた,という 思いが調査対象者から感じることができたD

実際に初任者研修を受けてみての感想として,

良かったとしづ研修内容は,同期での人脈形成 が主で、あった。

④教育に関するf観Jとその契機要因

「観」の変化時期として初期教員期と考えられ るのは,教育実習ではなかなか経験できない実 際の教職活動に関わる人間関係や指導に関する 内容について多く回答された。

「観jの 変 化 要 因 と し て は 子 ど も と の 関 わ り」と「教員との関わりjが多く 続いて「子ども の家庭との関わりjで、あったO

⑤現職として感じる教員の力量について 調査対象者が今後教員に必要と感じる資質・

能力は,全体結果から「豊かな人間性J

r

広い視 野」といった,学習指導要領に基づく方向性を現 場の教師自身がその資質能力として必要を感じ ているということがわかる。

大学時代にやっておけばよかった,と感じる 内容については,調査対象者の回答から「勉強J, 特に教科専門分野における項目での共通性が見

られた。

大学時代にやっていてよかったと思われる内 容では,幅広い人間関係の構築のための活動・

経験を理由として挙げることができるものが多 い点に特徴があるといえる。

4. まとめ

①個人の受け取り方や個人の興味・関心,学ぶ意

欲や力量によって同ーの資質・能力を持った教 員を輩出するということはない。一方で,教職 課程により教員志望への意欲向上が見られる個 人もあるとしづ事実は否めない。それらを踏ま えると,教職志望学生全員が共通して身につけ るべき資質・力量

L

教員志望学生個人が個人と して身につけるべき「個性」的資質・力量とを分 ける必要があると考えられる。

②大学教育,特に一般大学・学部での教職課程で は 今 , そ の 時Jの学校現場の状況が把握しに くく,机上の空論的な内容に陥りやすい。また 初任者研修は,当該地区で一括研修という形で あり,臨時教員経験者と大学卒業すぐの初任者 との,教職に関する知識や能力の差を考慮した 研修が行われていない地域もある。そのため大 学での教職課程→教員採用試験→初任者研修の つながりのより一層の強化が必要である。

③本研究の調査で見えてきた教職課程のあり方 は,

r

自ら学ぶJことを土台として,

r

教職につい ての知識Jと「人間観・世界観・文化観を育成す るJことの2項目を基盤とし,その上で,教員養 成系大学・学部でしか学べない特徴的内容及び 一般大学・学部でしか学べない特徴的内容を加 える形である。しかし教員の基盤こそ必要不可 欠な資質・能力であり,教職に就く以前に身に付

けることが可能であると 考えるのである。

5.今後の課題

本研究では,現職教員を対象としたインタビ ューから,大学で、の教職課程について調査・研究 してきた。その結果,過去の記憶の唆昧性,初 任者研修や教員の資質能力に関する個人の認識 の違いなどが問題となったO 今後の課題として は,インタビュー項目のより詳細な考察,およ び教職志望学生から新任教師,初期教員期へと 時代を追って行う研究方法が挙げられる。

AA

参照

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