Title
コンクリート打継ぎ部の付着性状と評価方法に関する研究(
内容の要旨(Summary) )
Author(s)
林, 承燦
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(工学) 甲第189号
Issue Date
2003-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/1910
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。氏名(本籍) 学 位 の 種 類 学位記号番号 学位授与年月日 専 攻 学位論文鳥 目 林 承 燦(大韓民国) 博 士(工学) 甲 第189 号 平成15年 3月25日 生産開発システム工学専攻 コンクリート打線ぎ部の付着性状と評価方法に関する研究 (StudYOnbondpropertie$&ndeY&1Ⅶ止ion齢tbdof ¢∝虻rOtO jointさ) 学位論文審査委貞 (主査) 教 授 六 郷 恵 哲 (副査) 教 授 森 本 博 昭 教 授 奈 良 敬 助教授 鎌 田 敏 郎
論文内容の要旨
構造物の補修・補強ならびに土木構造物の大規模化や高機能化に伴う新旧コンクリート の打継ぎ部は力学的な弱点であるともに,水や有害物質の進入による中性化の早期進行や 鉄筋腐食等,部材の耐久性に関しても弱点となりやすい. この論文では,構造物の新設あるいは補修・補強の際に生じるコンクリートの打継ぎ部 を取り上げ,打継ぎ部の付着性状に及ぼす各種因子の影響について検討するとともに,破 壊力学的ならびに非破壊的な評価手法を用いて,付着性状の評価を行った. この論文の内容と成果は,次の6項目に大別される. (1)打継ぎ部の表面租さと曲げ付着性状 表面処理方法や表面処理程度を変えたコンクリート表面について,表面粗さの定量化を 行うとともに,表面粗さの定量化指標と曲げ付着性状との関係について検討を行った. 表面処理深さが同程度の場合,表面形状が複雑(表面積比が大)であるほど曲げ強度が大きく,ひび割れ抵抗に優れているが,表面積が同程度の場合は,表面処理深さが深い(中心線
平均粗さが大)方の曲げ強度が大きくなった.空気たまりなどの打継ぎ部欠陥は突出してい る骨材の周辺に多く形成されており,打継ぎ面から突出している骨材の突出部と突出部を 結びながらひび割れが進行する傾向が認められた. (2)打継ぎ部のせん断付着性状と破壊性状 打継ぎ部の表面処理程度がせん断付着性状に与える影響について簡易的な試験方法を用 いて検討を行った・載荷試験時に発生するAE(AcousticEmission)を計測し,表面処理程度が 異なる場合のA王の発生位置や破壊特性について検討した. 表面処理を行った打継ぎ部めせん断付着性状を評価するためには,切欠きが無く,打継ぎ部の傾斜角度が60度の角柱供試体を用いて傾斜せん断試験を行い,最大荷重だけでなく, 最大荷重点以降も含む荷重一変位曲線の形状,曲線下の面積ならびに破壊位置を総合して 用いることが有効であった. (3)PCF合成RCはりの曲げ破壊性状 小型PCF(Pre-CastForm)合成RCはりの曲げ破壊性状と付着面の表面処理程度と関係につ いて実験的に検討するとともに,Rigid-Body-SpringNetworks(RBSN)によりPCF合成RC はりの曲げ破壊の解析を行った. 一体供試体のひび割れ性状の解析結果は,実験結果とよく対応していたことから,解析 手法としてのRBSNの妥当性を確認できた.PCF合成RCはりの解析の結果,界面部の引張 強度や破壊エネルギーが′J、さいほど,界面部の剥離長さが長くなり,PCF版と新コンクリ ートの剛性の差が,ひび割れ発生範囲を小さくしている可能性が示された. (4)コンクリート打継ぎ面の乾湿状態および養生方法と打継ぎ部の付着性状 旧コンクリートの養生方法,打継ぎ面の乾湿状態,および打継ぎ後の養生方法が打継ぎ 部の付着性状に及ぼす影響について,曲げ試験,水分移動特性の計測ならびに電子顕微鏡 (SEM)により,多角的に検討した. 旧コンクリートや打継ぎ面を乾燥状態とし,新コンクリート側の余分な水を旧コンクリ ート側に吸水させることで,打継ぎ面でのセメント水和物の結晶の寸法がノJ、さく,空隙部 分の割合が少なくなり,曲げ強度も大きくなることを確認した.これらの傾向は,打継ぎ 後の養生方法が水中養生の場合より気中養生の場合において顕著であった. (5)コンクリート打継ぎ部の材齢及び打継ぎ方向と水中付着破壊性状 静的および繰返し曲げ載荷試験における水の存在が打継ぎ部の付着性状に及ぼす影響に ついて検討を行った.また,打継ぎ後の材齢および打継ぎ方向と付着性状との関係につい ても検討を行った. 鉛直供試体の場合は,下部に比べ上部は打継ぎ部の付着強度および新コンクリートの引 張強度がともに小さくなり,その低下の程度は,新コンクリート部の引張強度に比べ打継 ぎ部の付着強度で大きくなった.また,新コンクリートのブリーディング量が多いほど鉛 直打継ぎ部の下部に比べ上部の付着強度の低下が大きくなった. (6)超音波による打継ぎ部の付着性状の評価 打継ぎ部の欠陥の性状(大きさや分布状況)の評価へ超音波を適用した.さらに,鋼繊維補 強モルタルを吹付けて補強したRC桁を対象として,補修面の付着性状の評価へ超音波法を 適用した. 最大振幅値と周波数分布の両方を併用することにより,欠陥の状況を把握できる可能性 が認められた.また,欠陥面積率の評価については,探触子の半径程度の間隔で測定を行 い,得られた最大振幅値比の分布図を作成することによりI欠陥の分布堺況を相対的に判 断することが可能であった.