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不登校傾向にある児童生徒に対する、学校の対応に関する研究 一小学校から中学校への接続に着目して一 学 校 教 育 専 攻 学 校 改 善 コ ー ス 古 谷 亨 仁 1 研究の目的 本研究は,小学校から中学校になると不登校 数はおよそ3倍に増加することに着目し,この ような増加の背景には小学校段階から不登校傾 向を持っている子どもが多いことがあると考え た。そのため,不登校の未然防止としての不登 校傾向対策研究を行った。特に不登校傾向対策 の中でも小中連携が十分に行われていないこと が問題であると考えた。ここから不登校未然防 止の観点である,不登校傾向の兆候の発見や教 職員の意識による対応の違い,不登校傾向に対 する学校の組織体制,小学校と中学校の不登校 傾向に対応するための連携についての現状を把 握し,小中連携の実態と問題点@今後の課題を 明確にし,不登校の未然予防の可能性の検討を 行うことを目的とした。 2 研究の課題と方法 本研究では以下の3つの課題を設定した。 1.不主主校傾向児童@生徒の発見の重要性認識の 確認 2.不登校傾向に対応する組織体制の有無の確認 3.不登校傾向児童の進学時における,小・中学 校の情報共有及び連携の確認 3つの課題を明確にすることにより,現状で 指 導 教 員 岩 永 定 の不登校傾向対応及び小中連携の問題点と課題 を明確にする。 研究方法として,z
県Y郡X町A小学校と同 じ校区にあるB中学校でのインタビュー調査を 行った。インタピュ}対象はA小学校の生活指 導担当教諭,養護教諭, B中学校の生徒指導担 当教諭,養護教諭,校長の計5人に行った。 インタビュー内容はA小学校, B中学校とも に以下の4点である。 1.不登校傾向の意識及び対応について 2.不登校傾向についての情報共有 3.不登校傾向に対する組織体制 4.不登校傾向に対する小中連携の程度及び小 中連携協議会について このインタビュー結果をもとに,不登校傾向 に対する意識,不登校傾向に対する学校系団裁, 不登校傾向に関する小中連携についての分析を 行った。3
研究の結果と考察 A小学校においては,学年団での対応とイン フォーマルな情報共有を行うことによって不登 校傾向に対応している状態である。また,養護 教諭は学年団等に参加することもなく,養護教 諭が必要だと考えた場合のみ担任とのインフオ-44-ーマルな情報共有を行っていた。このような対 応の背景としては,現状として不登校児童がい ないこともあり,不登校傾向に対する意識の低 さ,危機惑の低さがある。このような原因があ り,不登校傾向発見・対応ともに十分なレベル には達していないことが問題点であると考えら れる。具体的に不登校傾向の発見については, 不登校傾向を発見しやすい立場である養護教諭 が不登校傾向の発見に積極的ではなく,十分に その役割を果たしているとは言えない。加えて, 学校全体としても養護教諭の専門性を有効活用 して不登校傾向を発見しようとは考えていない ことも問題である。このように養護教諭が学校 組織の中に入ることはなく,有効に働くことが できる組織体制ではないことも大きな問題であ ると考察できる。 B中学校における不登校傾向対策の実態とし ては,不登校に対して対処療法的な対応をして おり,情報共有は学年団で行っているという状 況で、あった。しかし,不登校の未然防止という 意識は乏しく,不登校傾向に対する意識はほと んどないことがわかった。だが,特例として別 室登校を行う子どもがいる場合のみ職員会議で の全体への周知がおこなわれている。このよう な全体での周知は行われているが,全校での不 登校傾向対策組織はない。そのため,不登校傾 向及び別室登校への対応は主に学年団が行って いる。養護教諭に関しては,インフォーマルな 担任との情報共有は行っているが,全体での組 織に参加することはない。現在は保健室登校児 がいないため,個人的に不登校傾向対応を行っ ている。以上のような系邸哉的対応の欠如が事例 校における問題であると考察できる。 小中連携の実態としては,小学校の卒業式後 に行われる中学校のクラス編制時に行われる 情報伝達と学期に1回行われる小中連携協議 会があることがわかった。主な小中連携はクラ ス編制時の情報伝達時に行われており,小中連 携協議会は教員同士のインフォーマルな関係 を築くことに使われている。しかし,不登校傾 向について議論されることはない。さらに小学 校の教員と中学校の教員の意識にずれがあり, 主な小中連携の場であるクラス編制時におい ても十分な連携をとれていないという問題点 が明確になった。 4 今後の課題 1)学校内における課題 現状として事例校には,教員に不登校が表面 化する前に不登校傾向を早期発見@早期対応し ていくとしづ意識を持たせる必要性,不登校傾 向への車蹄哉体制を構築し,全校で不登校傾向の 子どもを把握した上でチーム支援などの対応し やすい形で対応,全校縦哉に養護教諭を組み込 むことによって,不登校傾向の早期発見に役立 てるという 3点の課題があると考えられる。 2)小中連携の課題 現状として事例校における小中連携には,小 学校教員と中学校教員の意識のずれをなくす必 要性,中学校のクラス編制時に行われている情 報共有の広範囲化及び深化,小中連携協議会を 小学校と中学校が連携して不登校の未然防止を 考える場とすることの3点の課題があると考え られる。 ただし,事例小学校において現在不登校がい ないとしづ安定した状況や,事例中学校におい てインタビュー録音ができなかったことなどの 問題があり,対象校が適切で、あったのか,また 事例校数等の課題が残っている。 F 0 4