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Webセーフカラーを用いた一対比較による視認性の年代別比較

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第67回全国大会. 2H-5. Web セーフカラーを用いた一対比較による視認性の年代別比較 齋藤大輔,斎藤恵一,納富一宏†,斎藤正男 東京電機大学先端工学研究所,神奈川工科大学工学部情報工学科†. 1. はじめに 情報通信端末が普及し,日常でインターネッ トを利用する機会が増えている.さらに高齢社 会となり,高齢者が Web サイトを閲覧する機会 も増加した.視覚機能は加齢とともに衰えるこ とから,高齢者が若年者の作成した Web サイト を閲覧することで,情報弱者となる可能性があ る.そこで,誰にでも視認性の高い Web サイト を 作 成 す る 必 要 が あ る . W3C(World Wide Web Consortium)や JIS 規格などでも視認性に関する 項目を設けその注意を促しているが,例えば 「背景色と文字色のコントラストを大きく付け ること」のように表現されているだけで,具体 的にどのような色を組み合わせたら良いのかは 示されていない.そこで視認性に関する視覚特 性データを取得し,具体的にどのような配色に したら視認性が高くなるのかを Web 作成者に示 す 必 要 が あ る . 本 発 表 で は , 若 年 者 ( 21 ~ 27 歳),高齢者予備群(55~64 歳),高齢者(65 歳以上)に分け,加齢による白色背景における Web セーフカラーの視認性を比較したので報告す る.. 図1. 課題の呈示方法. 輝度の異なる無彩色 3 色(#CC,#99,#00 を基 準)と Web セーフカラーの色相環上にある 6 つ の 基 準 色 ( Blue , Red , Magenta , Green , Cyan , Yellow ) ご と に , 輝 度 の 異 な る 3 色 (#FF,#CC,#99 を基準)の合計 21 色を用い た.呈示する文字の組合せは,左右の呈示位置 の違いも考慮した 420(=21×20)組である.刺 激の呈示順序は無作為とした.若年者には実験 を 3 回行い,高齢者予備群,高齢者には身体的 負担を考慮して 1 回行った.. 3.実験結果および考察 若年者 7560 組,高齢者予備群 3570 組,高齢者 2310 組の一対比較結果をもとに,まず,各文字 色の視認性に関する得点をサーストンの方法に より求めた.得点とコントラストの関係を図 2 に示す.縦軸は得点で,高いほど視認性が高い. 2. 実験方法 横軸はコントラストで,背景輝度を文字色の輝 図1のように,CRT 画面(sRGB モード,17 イ 度で除した値の対数値である.図 2 によると, ンチ)に異なる 2 色の縦文字列を横並びに呈示 高齢者だけでなく高齢者予備群でも得点変化の する.被験者(若年者 12 名(平均年齢 23.4 幅が若年者に比べて小さくなった.これは異な 歳),高齢者予備群 17 名(平均年齢 59.6 歳), る文字色どうしの視認性の差が,若年者に比べ 高齢者 11 名(平均年齢 67.6 歳))は座位にて て小さくなったことを示している.また,若年 画面を注視し,より見やすい方の文字列をマウ 者では,コントラストがほぼ同じでありながら スの左右のクリックボタンにより選択する.両 得点差が大きい色が存在するが,高齢者と高齢 文字列の間隔は 10 mm,被験者と画面の距離は 者予備群ではこれらの得点差は顕著に小さくな った.これは,加齢にともなう水晶体の白濁化 800 mm,フォントは MS ゴシック,サイズは若 年者で 11 pt,高齢者では可能な限り 11 pt とし, により,視認性に対する色度の影響が小さくな ったためと考えられる.また,高齢者予備群と 11 pt で判読できない場合は,呈示文字列が判読 高齢者を比較すると,高齢者では高齢者予備群 できる最小のフォントサイズを用いた.画面上 よりも図 2 の横軸値が 0.5 以下の低コントラス の照度は 100 lx,選択時の時間制限は設けなか トの場合に得点が低下する傾向がみられた.こ った.背景色は白色(#FFFFFF),文字色は れは,高齢になるほど眼球内での光の散乱が起 こりやすくなり,まぶしさを感じやすくなる[1]こ Age-related comparison of Web-safe color visibility using paired comparison とから低コントラストでは得点が低下したと考 Daisuke SAITO, Keiichi SAITO, Masao SAITO, えられる. Re s e a r c h Ce n te r f o r A d v a n c e d T e c h n o lo g ie s , 次に,一対比較の結果に三すくみのような矛 Tokyo Denki University †Kazuhiro NOTOMI, Department of Information and 盾がないか調べるため Kendall の一貫性係数を Computer Science, Kanagawa Institute of Technology. 4−17.

(2) 求め図 3 に示した.この値が 1 に近づくとは,一 対比較の結果に一貫性があることから,一対比 較に用いた色どうしの視認性の違いがはっきり していると考えられる.逆に 0 に近づくと比較 している色どうしの視認性の違いが小さくなる と解釈できる.図3によると,all colors(比 較に用いた色は 21 色)では,若年者の 0.75 に. (a) 若年者. (b) 高齢者予備群. (c) 高齢者 図 2 視認性とコントラストの関係 (背景色(#FFFFFF)輝度:71.1cd/m2). 図 3 Kendall の一貫性係数. 対して,高齢者予備群と高齢者では 0.55,0.62 と値が小さくなり,比較している文字色どうし の視認性の差が,若年者に比べて小さくなった ことがわかり,図 2 の結果と一致した. Achromatics(無彩色:比較に用いた色は 3 色) では,どの被験者群でも高い値を示しており, 比較している色どうしの視認性にはっきりした 違いがあり,加齢による視認性順序の変化は見 られなかった[2].6 つの基準色(比較にも用いた 色は基準色ごとに 3 色ずつ)のうち Blue,Red, Magenta では,どの被験者群でも 0.2 以下と値が 低くなり比較している色どうしの視認性にあま り違いがないことがわかる.すなわち,これら の色はコントラストに差があっても視認性に変 化がないといえる.Green,Cyan,Yellow では, どの被験者群でも 0.6 以上と値が高く,比較し ている色どうしの視認性に違いがあることがわ かった.すなわち,これらの色ではコントラス トが視認性に大きく影響することがわかった. 以上のことから,高齢者予備群と高齢者では, 視認性に対する色度の影響が小さくなることが わかった.さらに,水晶体の白濁が進むと,コ ントラストが小さくなったときに,視認性が急 激に低下する傾向があることがわかった.. 4. おわりに 白色背景における Web セーフカラーの視認性 の年代別変化を検討した.その結果,若年者で は,コントラストおよび色度が影響し,高齢者 予備群と高齢者では色度の影響が小さくなり, コントラストに強く依存することがわかった. また,高齢者は低コントラストの場合に急激に 視認性が悪くなる傾向もみられたことから,高 齢者にとって低コントラストの背景色と文字色 を用いることは視認性の低下につながることが 示された. 謝辞 本研究を進めるにあたり,高齢者予備群およ び高齢者の一対比較実験にご協力いただいたユ ニベールボランティア東京の皆さんに感謝いた します. 参考文献 [1] 金谷末子:高齢者のための照明,人間生活 工学,Vol.4 No.3,pp.26-29,2003 [2]斎藤恵一,齋藤大輔,他:無彩色ウェブセー フカラーの視認性順序に関する加齢変化,第 17 回バイオメディカルファジィシステム学会, pp.75-76,2004. 4−18.

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