奈良教育大学学術リポジトリNEAR
キクガシラコウモリに寄生する Hymenolepis rashomonensis Sawadaの発育史
著者 沢田 勇
雑誌名 奈良教育大学紀要. 自然科学
巻 28
号 2
ページ 61‑69
発行年 1979‑11‑15
その他のタイトル On the Life History of the Tapeworm,
Hymenolepis rashomonensis Sawada, Parasitic in
the Cave Bat, Rhinolophus ferrumequinum nippon
URL http://hdl.handle.net/10105/2460
奈良教再入学紀要 第28巻 第2v (自然)昭和5約二 Bull. Nara Univ. Educ, Vol.28, No.2 (Nat.),1979
キクガシラコウモリに寄生するHymenolepis rashomonensis Sawadaの発育史*
沢 目 ・蝣!) (奈良教育大学生物学教室)
(昭和54年4月1日受理)
On the Life History of the Tapeworm, Hymenolepis rashomonensis Sawada, Parasitic in the Cave Bat, Rhinolophus ferrumequinum nippon
Isamu SAWADA
{Biological Laboratory, Nara University of Education, Nara 630, Japan) (Received April 1, 1979)
(1) A number of the small insects belonging to Phoridae, harboring the mature cys‑
ticercoid of Hymenole〆s rashomonensis, were found in the small intestine of the cave bat, Rhinolophus ferrumequinum, captured on November 2, 1975, in Ja‑no‑ana located at Yoshi‑
icho, Kozukトgun, Okayama Prefecture.
(2) The smallinsect is about2mm in length, and its body is pretty digested by diges‑
tive enzyme of a bat, so the idenHication of species is impossible.
(3) The cysticercoid is 0.280 to 0.315 mm in length and 0.210 to 0.301 mm in width.
The broader end in front has a conspicuous invaginated groove, extending into the cen‑
tral cavity of the pouch body. A number of calcareous corpsucle are scattered on the surfaceof outcyst. The cysticercoid is entirely encapsulated by a thin transparent mem‑
brane. The invaginated larval scolex has four suckers and two pairs of glandular por‑
tion, harboring viscid droplets.
(4) The life history of H. rashomonensis is summarized as follows ; R. ferru桝equinum, just before hibernating and just after hibernating, eats the small insect belonging to Phoridae (cysticercoid‑infected intermediate host), swarming on bat's guano in a cave, as a result, the bat is infected with H. rashomonensis.
During an inactive period of a bat, a number of minute larval tapeworms which eva‑
ginated from cysts survived in the intestinal mucosa of a bat. Late in March, when an eating action of a bat out of a cave become active, nutriments, flowing in a bats small intestine, gradually increase. The minute larval tapeworm absorbs the nutriments and grow into the mature tapeworm by May or June. Since then, till the latter partof Octo‑
ber the mature tapeworm continues to release several senile segments, harboring a num‑
ber of mature onchospheres.
串本研究の一部は文部省科学研究交付金によった.
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沢Ill m地球上には約1000種にもおよぶ多数のコウモリが生息している.これらのコウモリの分布範囲 は極めて広く,多くは熱帯に生息しているが,寒地の森林限界まで分布するものもある.このうち 日本には約33種のコウモリが生息している.コウモリは歴史の古い動物で,今から5500万年以上も 前に地球上に現われたようである.しかして黄を有する唯一のほ乳類であって,種によっては可な りの遠距離を移動するものもある.かかる特色をもったコウモリには条虫類,線虫類および吸虫類 など極めて多数の内部寄生虫が寄生している.これらの内部寄生虫の中で,主として条虫類につい て著者は1965年以来今日までの15年間にわたって日本各地の洞穴棲コウモリを捕獲して,その寄生 状態ならびに寄生条虫種の分類学的研究をおこなってきた(沢田, 1976a, 1976b, 1978a, 1978 b, 1978c ;沢田・片谷1977;沢田・梶浦, 1977).コウモリ条虫の分類学的研究については,莱 だ緒についたのみで,日本は勿論,海外においてもその報告は極めて少ない.一般に条虫類の分類 に際しては,虫体の形態学的研究の外に発育史の解明を行わない限り,正確な種の同定は困難であ る.しかるにコウモリ条虫の発育史の研究についてはKochseder (1969)がMyotis myotisおよ びBarbastella barbastellus の小腸内にHymenolepis grisea の擬嚢尾虫を発見し H. grisea の発育は中間宿主を必要としない直接感染であると述べている以外報告はみあたらない.こうした 事情のもとに著者は数年来,日本産洞穴棲コウモリの一種であるキクガシラコウモ'JRhinolophus ferrumequinum nipponに寄生するHymenolepis rashomonensis Sawada, 1972の寄生状態の 調査をおこない,その発育史の概要を明らかにしたので報告する.
材 料 お よ び 方 法
1975年11月2日,岡山県後月郡芳井町にある"蛇の穴= (鍾乳洞)内にて冬眠に入った直後のキ クガシラコウモリを捕獲し,その場で消化管をとり出して切開後,ホルマリンで固定した.研究室 にて双眼実体顕微鏡を使用して12指腸部を詳しく検鏡し,コウモリが食べた昆虫類を探索すると同 時に小腸壁の柔毛内に宿る微小虫体についても調査した.さらに発見された小昆虫類の腹部をおし つぶして六鈎幼虫ならびに擬嚢尾虫の存在を確かめた.
ついで,本調査で明らかにされた微小虫体の発育状態を1973年11月初旬,南九州各地で調査した 冬眠直前あるいは冬眠初期のキクガシラコウモリに寄生していたH. rashomonensisの発育状態な
らびに1975年3月下旬,福岡県の"光水洞"および"青龍窟"のキクガシラコウモリ,さらに1977 年4月17日,冬眠から覚めて活動期に入った直後の大分県南海部郡宇目町にある"コウモリ穴"の
キクガシラコウモリにそれぞれ寄生していたH. rashomonensisの発育状態とを比較した.
結 果
1975年11月2日, "蛇の穴日で捕獲した3頭のキクガシラコウモリに寄生していたH. rashomon‑
ensisの寄生状態は著者(1978c)が明らかにした如く,成条虫および幼条虫とも100^寄生して おり,幼条虫の寄生数はコウモリ1頭について33‑185条であった.このうち1頭のコウモリの胃 の幽門から後方約20mmの問には多数のノミバェ科Phoridaeに属する小昆虫(写真4)およびヒメ アリ Monomonum nip♪onense (写真6, 7)が認められた.ノミバエ科の小昆虫は体長が1.5
‑1.8mmの極めて微小であるうえにコウモリの胃を通過してきたため消化が進み,いづれも完全
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な虫体ではなく,種の同定が不可能であった.これらのノミバエのうち5匹の腹腔内には H. ra‑
shomonensisの六鈎幼虫(写真3, 5,矢印),脱殻中の六鈎幼虫(写真8. 9)ならびに成熟擬 嚢尾虫(写真10, ll)が多数寄生しており,さらにノミバエの認められたコウモリの12指腸後端部 の小腸壁の柔毛内にも多数の成熟擬嚢尾虫が宿っていた.擬嚢尾虫は長径が0.280‑0.315mm,短 径が0.210‑0.301mmの楕円形を呈し,前端部には幼頭節が外嚢体内へ陥入した陥入孔が認められ る(写真12,矢印).陥入孔の後端部に位置する外嚢体と幼頭節との間隙の表層部には多数の石灰 頼粒が認められる(写真12,矢印).幼頑節には4個の吸盤ならびに鶏条虫の一種である有輪条虫 Raillietma (5.) cesticillusの擬嚢尾虫の幼頭節に認められた(沢田, 3973)と同様な粘液を貯え た嚢状体が2対(写真10,矢印)認められた.
ヒメアリは体長が約2mmで,外形的にはノミバエのような消化による著しい変化は認められな かった.多数のヒメアリの腹部をつぶして検鏡したがH. rashomonensis の六鈎幼虫ないしは擬 嚢尾虫は全く認められなかった.
コウモリの消化管(全長120‑130mm)のうちで空腸の柔毛内には脱嚢直後の微小幼頭節(写真 13, 14, 15, 16)およびわずかに発育した幼弱虫体(写真17, 18, 19, 20)が多数寄生していた.
一方,冬眠直前あるいは冬眠初期にあたる11月1日から18日までの間に調査した宮崎県の"祇園 の穴"および熊本県の"新地の穴"のキクガシラコウモリには少数の H. rashomonensis の成条 虫に交って肉眼では見えない微小虫体が多数寄生し(沢田, 1975),その大部分の虫体の発育状態 が"蛇の穴"のキクガシラコウモリに寄生していた虫体のそれに類似していた.
さらに冬眠最中の1月11日捕獲した"青龍窟日のキクガシラコウモリには前述の如き肉眼では認 め難い微小虫体のみが寄生していた(沢田1976a).しかるに冬眠明け直前の3月22日に"青龍窟'' で採集したキクガシラコウモリには肉眼では認め難い微小虫体に交って,小腸壁の柔毛内には少数 の片節をつけた未成熟虫体の寄生が認められた(写真21, 22).これらの幼虫体は長さが0.9‑1.7 mmで肉眼で認め得る程度にまで発育していたが成熟片節の形成は未だ認められなかった.
つぎに冬眠から覚めて活動を開始した1977年4月17日,大分県の"コウモリ穴日で捕獲したキク ガシラコウモリには第1表に示すごときかなり発育した虫体(写真23)が寄生していた.
Table 1. Number of H. rashomonensis obtained from R. ferrumequin〟桝 collected in Komorトana, on April 17, 1977
Bat No. Number Length (mm)
0. 5‑21. 3 0.4‑ 5.2 3.6 37. 1
2.6‑ 8.1
これらの条虫の長さは0.4‑37mmで,その人部分は末だ受胎片節をつけていなかったが,中に は虫卵をもった受胎片節をつけた虫体も寄生していた.しかし,この虫卵は未成熟で六鈎幼虫を包 む最外部の卵殻膜の形成が不十分であった(写真24).ついで8月31口にHコウモリ穴"で捕獲した キクガシラコウモリには第2表に示すごとく老熟片節をつけた成熟虫体が寄生していた.
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沢 m 勇Table 2. Infection state of H. rashomonensis from R. ferrumeqmnum collected in Komori‑ana, on August 31, 1977
Number of tapeworm
0
N
t a M
7 ‑ H C ^ 3 C O
‑ ^
<
L f 5
< D O C
< 1 i
‑ 1 O
HU
0 0
2 *'(0.3‑0.5mm) 3 (3.8‑5.2mm) 6*2
*'Length of tapeworm measured in parenthese.
*2 Minute larval scoleces just after evagination in villi.
以上を総括すると H. rashomonensis の発育史は次のようになる. 10月下旬から11月初句にか けての冬眠開始直前のキクガシラコウモリは,洞穴内にてグアノに集まり,コウモリの糞便に交っ て落下した老熟片節(写真1, 2)を食べて擬嚢尾虫を宿したノミバエ科の小昆虫を採食する.コ ウモリの消化管内に入った擬嚢尾虫を宿したノミバエはコウモリの胃の内部で消化され,大部分の 擬嚢尾虫はノミバエの腹部からコウモリの胃の内部に出される.ついで12指腸に送られてきた擬嚢 尾虫は消化酵素の働きで(沢乱1959),幼頭節を外嚢体から脱出して柔毛内に宿る.その後コウ モリは冬眠に入り,殆んど食物を摂取しないので,小腸内は空に近い状態となる.したがって柔毛 内に寄生した条虫の発育が阻止されて微小虫体のままで越冬する. 3月中旬から4月上旬にかけて 気温が上昇し,コウモリの洞外での採食活動が旺盛になる.その結果コウモリの小腸内に十分な栄 養分が満たされ,それを吸収して微小条虫体の発育が開始される. 6月上旬から7月上旬にかけて 多数の老熟片節をつけた成熟虫体に発育し,六鈎幼虫(写真3)を入れた老熟片節(写頁1)を盛 んに離脱する.
考 察
1974年広島県比婆郡東城町帝沢にある"鬼の岩屋"内に生息するキクガシラコウモリに寄生する Hymenolepis subrostellataの1年間にわたる寄生状態の季節的変遷を調査した結果(沢田・片
令,未発表)によると,微小条虫の寄生数は洞外気温が低下する10月頃から増加し初め, 2月に最 高に達し,それ以後徐々に減少し, 7, 8, 9月の夏井]の候には著しく減少する.一方,老熟片節
をつけた成熟虫体は5月から10月にかけての6カ月間にのみ寄生が認められた.こうしたコウモリ の消化管内におけるH. subrostellataの寄生状態の季節的変遷は今回調査したH. rashomonensis にも明らかに認められた.
気温が低下して冬眠が近づいたキクガシラコウモリは洞外での採食活動が不可能になるので洞内 での採金活動の回数が増加する(沢田, 1976a).こうしたことから今回の調査で認められたキク ガシテコウモリの12指腸内のノミバエおよびヒメアリはグアノ上に群がっていてコウモリに採食さ れたものであろう.とくにヒメアリは麹をもたないので空中あるいは洞内を飛期中にコウモリに食 べられたとは考えられない H. rashomonensisを宿したキクガシラコウモリのB:.息する洞穴では コウモリの糞と共に排せつされた離脱片節がグアノ上に落下し,それをノミバエが食べてその腹腔 内で六鈎幼虫が擬嚢尾虫に発育したのであろう.
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しかして, "蛇の穴"のキクガシラコウモリの小腸内にて発見されたノミバエ科の小昆虫の腹腔 内にのみH. rashomonensisの脱殻直前あるいは脱殻中の六鈎幼虫ならびに成熟擬嚢尾虫が宿り,さらにそのコウモリの12指腸部の柔毛内に多数の成熟擬嚢尾虫が宿っていたことから考えてノミバ エ科の小昆虫が H. rashomonensis の中間宿主と断定してもよい.ただ,この小昆虫がコウモリ
の12指腸内で発見されたため,部分的に消化が進み,細部の形態が不明確であったので種の同定が 不可能であった.今後は H. rashomonensis を宿したキクガシラコウモリが生息している洞穴の 洞底を調べ,生存しているノミバエを採集して正確な種名を決定すると同時に,ノミバエを人工飼 育して H. rashomonensis の老熟片節を食わせ,その腹腔内で六鈎幼虫から擬嚢尾虫までの発育 形態を調べる必要がある.
キクガシラコウモリの活発な洞外での採食活動期間中である5月〜10月にかけてのみ成熟虫体が 宿り, 11月〜4月までの冬眠期間「恒こは微小虫体ないしは幼弱虫体のみが宿っている理由について は次のように考えられる.キクガシラコウモリの活動リズムは船越(1978)によれば浅い冬眠時期 には24時間リズムと平均54分の活動期間が記録されたが,深い眠りに入れば,約3日に1度のリズ ムがみられる程度となり,活動期間も平均14分に短縮され,採食活動は極めてまれになる.そのた めキクガシラコウモリのねぐらの真下には新らしい糞や昆虫の残骸はみられない.こうしたことか ら深い眠りに入る12月‑2月頃のキクガシラコウモリの消化管内は殆んど空に近い状態であろう.
したがって.擬嚢尾虫を宿したノミバエを採食して.終宿主の小腸壁の柔毛内に微小虫体が宿った としても,条虫の発育を促進するのに必要な栄養分が著しく不足するために微小虫体のままでコウ モリの冬眠期間中を過ごす.しかし,コウモリの採食活動が旺盛になるにつれて小腸内を流動する 栄養分が豊富になり,微小虫体の発育が促進されて成熟条虫の寄生がみられるようになるのであろ う.
Kochseder (1969)はHymenolepis griseaの擬嚢尾虫がMyotis myotisおよびBarbastella barbastellusの幼獣の小腸壁で発見されたことから H. gnsea は中間宿主を必要としない直接感 染であると述べている.今回の調査において…蛇の穴日 のキクガシラコウモリの小腸内に H. ra‑
shomonensisの擬嚢尾虫を宿したノミバエ科の小昆虫が発見され,さらにそのコウモリの12指腸部 の柔毛内に多数の擬嚢尾虫および脱糞直後の微小虫体が認められた.そこで若し,これらの擬嚢尾 虫がキクガシラコウモリの小腸内で番接六鈎幼虫から発育したものであるとすると,洞外活動の盛 んな5月〜10月の候におけるキクガシラコウモリの小眼内にも多数の擬嚢尾虫が認められる筈であ る.しかるに著者が現在まで調査してきた5月〜9月の問におけるキクガシラコウモリの小腸内に は時々極めて少数の擬嚢尾虫しか確認できなかったし,脱嚢直後の微小虫体の数も冬眠期間中のそ れに比して極端に少なかった.なお,活動期間中にみられた少数の擬嚢尾虫および微少虫体の存在 は洞外採食を主とする夏期の候においても時々洞内で採食活動をおこなうことを物語っている.
5月〜10月の候におけるキクガシラコウモリ1頭あたりの H. rashomonensis の成条虫の寄生 数は多くはない(沢田, 1975, 1978a,第2表).これは冬眠初期ないしは冬眠期間中に感染した 多数の微小虫休のすべてが宿主の洞外採食に平行して発育を開始するのではなく,宿主の冬眠期間 中に微小虫体の多くが宿主の小腸壁の柔毛内で死滅し,一部の微少虫体が成条虫に発育する結果で あろう.
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摘 要
(1) 1975年11月2日,岡山県後月郡芳井町にある日蛇の穴日で捕獲したキクガシラコウモリの12 指腸内に多数のH. rashomonensisの擬嚢尾虫を宿したノミバエ科Phoridae に属する小昆虫が 発見された.
(2)小昆虫の長さは約2mmで,コウモリの消化液によって可なり消化が進んでいたので種の同 定は不可能であった.
(3)振嚢尾虫は長径0.280‑0.315mm,短径0.210‑0.301mmの楕円形を呈し,前端には幼頚飾 が外嚢体内‑陥入した陥入孔が認められる.
(4) H. rashomonensisの発育史は次のようである.冬眠直前あるいは冬眠直後のキクガシラコ ウモリが洞穴の洞底に堆積するグアノに集まるノミバエ科の小昆虫を食べて条虫に感染し.冬眠親 間中は微小虫体のままで宿主の小腸壁の柔毛内に宿る. 3月下旬になってコウモリの洞外での採食 活動が旺盛になるにつれて,小腸内を流動する栄養分が豊富になる.それを摂取して微小虫体は発 育を開始し, 5月〜6月の候に成条虫となる.それ以後10月下旬まで六鈎幼虫で満たされた老熟片 節を一定のリズムに従って離脱する.
謝 辞
コウモリ採集に御協力下さった入江照雄,荒井秋晴,岡本 忠,久木義一,片谷直治,沢田高志 の諸氏およびノミバエの同定をして下さった東京医科歯科大学の加納六郎博士,ヒメアリの同定を して下さった久保田政雄氏に対して厚く謝意を表する.
文 献 船越公威, 1978 食虫性コウモリの冬眠,アニマ, 681 37‑41
Kochseder.G., 1969 Untersuchungen an Hymenolepis grisea (van Beneden, 1873) (Hymenolepididae)
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Sawada, I., 1959 Experimental Studies on the Evagination of the Cysticercoids of Raillietina kaskiwarensis. Exp. Parasitol. 8 : 325‑335,
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Sawada, I., 1978a Helminth Fauna of Bats in Japan X IX. Annot. zool. Japon. 51 I 155‑163 沢田 勇, 1978b 琉球諸島における洞穴棲コウモリの寄生虫相.動物分類学誌14:5‑9
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沢田 勇・片谷直治, 1977 四国カルストに生息するキクガシラコウモリ科コウモリの内部寄生虫相 姦数人 紀要26:ト5
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Explanation of Photographs
Photo. 1 Seceded segments of Hymenole♪is rashomonensis which were fallen over bats guano.
Photo. 2 Senile segments harboring a number of mature onchospheres.
Photo. 3 Mature onchosphere.
Photo. 4 Small insect belonging to Phoridae found in the duodenum of a bat at the beginning of hibernation.
Photo. 5 0nchosphere found in the abdorminal cavity of a small insect.
Photos. 6‑7 Monomorium nipponense found in the doudenum of a bat at the beginning of hiber‑
nation.
Photos. 8‑9 0nchospheres in the midst of escaping from egg‑shell membrane.
Photos. 10‑ll Mature cysticercoid of H. rashomonensis.
Photo. 12 Calcareous corpsule scattering on the surface of outer cyst.
Photos. 13‑15 Larval scoleces just after evaginating from outer cyst.
Photos. 17‑20 Minute larval tapeworms surviving in the intestinal mucosa of a bat during an inactive period.
Photos. 2ト22 Small larval tapeworms attaching to the intestinal mucosa of a bat just before