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府 県 別 デ ー タ に よ る貨 幣 需 要 の 分 析

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府 県 別 デ ー タ に よ る貨 幣 需 要 の 分 析

Regional,AnalysisoftheDemandforMoney

釜 国 男*

KunioKAMA

1.は じめ に

2・ ク ロ ス セ ク シ ョ ン分 析 3.時 系 列 分 析

4 PO nb

プ ー リ ン グ ・デ ー タ 分 析 部 門 別 貨 幣 需 要

む す び

1.は じ め に

貨 幣 需 要 は 金 融 政 策 の効 果 を 左 右 す る 重 要 な フ ァ クタ ーで あ り,し か も物 価 に甚 大 な影 響 を 与 え る こ とか ら,マ ク ロ経 済 学 の 重 要 な 研 究 テ ー マ と な って い る.特 に わ が 国 で は

「過 剰 流 動 性 」 との 関 連 で,貨 幣 需 要 関 数 に 対 す る関 心 が 高 ま っ て い る.本 稿 の 目的 は,

こ う した 貨 幣 需 要 の 性 質 を 実 証 的 に 明 らか に す る こ とで あ るが,従 来 の 研 究 と異 な る 点 は ク ロス セ ク シ ョ ン ・デ ー タ を 用 い た こ とで あ る.こ れ ま で わ が 国 で 試 み られ た 実 証 研 究 は す べ て マ ク ロ時 系 列 デ ー タを 用 い て い る が1), マ ク ロデ ー タ で は 内 部 相 関 の 関 係 上 ,説 明変 数 を ご く少 数 の変 数 に しぼ ら ざ る を え な い.

こ の た め 通 常 の分 析 で は,金 融 機 関 店 舗 数,産 業 構 造,地 域 性,年 齢 構 造,世 帯 人 員,教 育 水 準 そ の 他 の要 因 を 無 視 す る こ とに な る.貨 幣 需 要 の 分 析 で 特 に 関 心 の 持 た れ る所 得 弾 力 性 の 串 本 研 究 は 「 貨 幣 経 済 研 究会 」 研 究 プ ロ ジ ェ ク

トの 一 部 とし て 行 わ れ た も の で あ る.研 究 会 メ ソパ ー の方 々か らの有 益 な コ メ ン トに 感 謝 し ま す.

1)例 えば 江 口=佐 和 〔2〕,筒井=畠 中 〔5〕,石田

〔1〕,古川 〔7〕 な ど.

推 計 値 は,こ う し た 変 数 をomitす る こ と に よ りバ イ ア ス を 持 つ 可 能 性 が あ る.他 方 ク ロ ス セ ク シ ョ ソ 分 析 で は,こ れ ら の 要 因 を コ ソ ト ロ ー 一ル で き る の で,正 確 な 所 得 弾 力 性 が 得 ら れ る.ー ま た,内 部 相 関 に 加 え て デ ー タ 集 計 の 問 題 も あ る.す な わ ち 貨 幣 需 要 の 理 論 は 家 計 や 企 業 な ど の ミ ク ロ レ ベ ル の 行 動 を モ デ ル 化 し た も の で あ る の に,そ の 検 証 に マ ク ロ デ ー タ を 用 い る の は 不 合 理 で あ る と い う批 判 が あ る,も ち ろ ん 何 ら か の 集 計 仮 説 を 仮 定 し て ミ ク ロ か ら マ ク ロ の 関 係 が 導 か れ る わ け で あ る が,推 計 段 階 で 集 計 仮 説 が 考 慮 さ れ る こ と は 稀 で あ る.さ ら に,集 計 す る こ と で ミ ク ロ デ ー タ の も つ 情 報 が 失 わ れ る 可 能 性 が あ る.

以 上 の よ うな 事 情 か ら,欧 米 諸 国 で は マ ク ロ 時 系 列 デ ー タ と並 ん で 個 表 デ ー タ や 国 別 デ ー タ が 用 い ら れ て い る2).し か し わ が 国 で は デ ー タ 面 の 制 約 か ら パ ネ ル デ ー タ や グ ル ー プ デ ー タ に よ る 分 析 は 困 難 で あ る .そ こで これ に 代 わ る も の と し て,こ こ で は 日 銀 『都 道 府 県 別 経 済 統 計 』 を 利 用 す る こ と に し た.こ れ は

2)例 え ば 米 国 の 貨 幣 需 要 を分 析 した グ レ ー ブ ス

〔8〕,〔9〕 の研 究 が あ る.

(2)

70 季刊 創 価 経 済 論 集 表1個 人預金 とその他預金の 割合(昭 和60年度)

Vol.XVIII,No.2

(単 位:%)

〔A〕

〔B〕

CC)

〔D〕

個 人 預 金

57.4 65.2 64.5 53.6 64.1 65.3 64.8 66.2 63.7 63.0 64.9 .:

30.0 61.6

63.4 S・

60.3 62.8

… 61.2

64.2 58.4 52.1 63.0

そ の他 預 金

42.6 34.8 35.5 46.4 35.9 34.7 35.2 33.8 36.3 37.0 35.1 31.9 70.a

.,

36.6 41.4 39.7 37.2 30.4

..

35.8 41.6 47.9 37.0

個 人 預 金

GO.2

42.5

62.1

56.7

そ の他 預 金

・ ・

57.5

37.9

43.3

(E)

〔F〕

〔G〕

滋 賀 京 都 大 阪 兵 庫 奈 良 和 歌山

鹿

個 人 預 金

61..7 59.2 45.0 59.4 70.0

・'1

64.5 60.2 60.1 57.1 61.0

58.1 56.9 64,4

54.0 62.4 62.4 64.2 67.0 65.2 65.1

その他 預 金

38.3 40.8 55.0 40.6 so.0 31.0

35.5 39.8 39.9 42.9 39.0 32.2 41.9 43.1 35.6

46.0 37.6 37.6 35.8 33.0

34.9

個 人 預 金

52.9

59.9

60.2

そ の他 預 金

47.1

40.1

39.8

(注)元 に な る預 金 は 昭 和59年 度 末 と60年 度 末 の平 均 値 で あ る。 地 区別 の 割 合 は 個 人 預 金 とそ の 他 預 金 の 地 区合 計 の 割 合 を 表 わ す 。

府 県 レベ ル の 集 計 デ ー タで ミク ロデ ー タ とは い え な い が,現 時 点 で は 止 む を 得 な い選 択 で あ ろ う.

府 県 別 統 計 を 用 い る と,金 融 の 地 域 構 造 と い う問 題 が 当 然 浮 か び 上 が っ て く る.従 来,

この 問 題 は 資 金 偏 在,つ ま り都 市 銀 行 の資 金 不 足 と地 方 銀 行 そ の 他 の 地 方 金 融 機 関 の資 金 余 剰 とい う観 点 か ら把 え られ て き た.資 金 偏 在 の 背 景 に は 産 業 の 特 定 工 業 地 域 へ の 集 中 が あ るが,他 方 い っ た ん 成 立 した 金 融 構 造 が 逆 に 実 体 経 済 の 地 域 格 差 を拡 大 して い る面 が あ る と され る3).篠 原 三 代 平 〔4〕 は,資 金 偏 在 の

裏 返 え しで あ る預 貸率 の 地 域 差 に 注 目 しな が ら,預 貯 金 行 動 の 地 域 分 析 を 行 な っ て い る.

対 象 期 間 が 昭 和25〜35年 とや や 古 い もの の, 篠 原 論 文 は 大 い に 参 考 に な った.

2.ク ロ ス セ ク シ ョ ン 分 析

通 常,わ が 国 で は マ ネ ー サ プ ラ イ はM1又 はM2+CZ)を 意 味 す る が,現 金 残 高 を 府 県 別 に 推 計 し た 統 計 は 存 在 し な い.こ の た め 以

3)資 金 偏 在 にっ い て は,金 融 制 度 調 査 会 答 申

「オ ー バ ー ・ロー ンの 是 正 」(貝 塚 編 『 金 融 政

策 』 所 収)や 川 口 〔3〕,外山 〔6〕 等 を 参 照.

(3)

September1988釜 国 男:府 県 別 デ ー タ に よ る貨 幣 需 要 の 分 析

71

図1一 人 当 り所 得 と 貨 幣 残 高 の 関 係 (昭 和40‑60年 度 平 均)

GO万 円)

1'

21qO万 円)

1人 当 り所 得

下 で は 『都 道 府 県 別 経 済 統 計 』YT掲 載 され て い る民 間 金 融 機 関 の預 金 を マ ネ ー サ プ ラ イ と み な す こ とに す る.す な わ ち全 国 銀 行,相 互 銀 行,信 用 金 庫,商 工 中 金,信 用 組 合,労 働 金 庫,信 農 連,農 協,信 漁 連,漁 協 の預 貯 金 が これ で あ る.こ れ ら の預 金 は広 義 マ ネ ーサ プ ライM3十CDに 含 まれ る の で,現 金 通 貨 と郵 貯 を 除 い たM3+CZ)を マ ネ ー と定 義 す る こ とに な る4).上 記 の 預 金 は 「個 人預 金 」,

「法 人 預 金 」,お よび 「そ の 他 預 金 」 か ら成 る が,個 人 預 金 と企 業 性 預 金 が 大 半 を 占 め る.

表1は 預 金 残 高 の 保 有 者 別 構 成 を 示 し て い

4)郵 貯 の マ ニ ネ ス は 民 間 金 融 機 関 の預 金 と変 わ らな い が1預 金 の 保 有 者 別 構 成 が 民 間 預 金 と異 な る こ とか ら除 外 した.

る.企 業 性 預 金 が 半 分 以 上 を 占め る の は 東 京 と大 阪 の み で,他 は す べ て個 人 預 金 の 方 が 多 い.東 京 で は 企 業 性 預 金 が7割 を 占 め る が,

これ は 各 企 業 が 東 京 に 財 務 部 門 を 移 して,資 金 の 効 率 的 な運 用 を 図 っ て い るた め で る.個 人 預 金 と企 業 性 預 金 の 比 率 を 地 域 別 に み る

と,関 東 で は4対6,近 畿 で は5対5,そ の 他 の地 域 で は6対4で あ る.但 し東 京,大 阪 を 除 く と,全 地 域6対4の 割 合 と な る.

図1は 沖 縄 を 除 く46府 県 に つ い て,県 民1

人 当 り所 得(正 確 に は 県 内純 生 産)と 預 金 残

高 を プ 揖 ッ トした も の で あ る.全 国 平 均 の預

金 残 高 は130万 円 で,東 京 ・富 山 ・福 井 ・愛

知 ・京 都 ・大 阪 ・和 歌 山 ・香 川 で は150万 円

を 超 え る.一 方,熊 本 ・宮 崎 ・鹿 児 島 で は80

(4)

72季 刊 創 価 万 円 に 達 しな い.所 得 の 全 国 平 均 は107万 円

で,東 京 ・大 阪 ・愛 知 な ど25都 道 府 県 で100 万 円 を オ ーバ ー した.図 か ら明 らか な よ うに

1人 当 り所 得 と預 金 残 高 の 間 に は 強 い 正 の相 関 が あ り,所 得 は貨 幣 需 要 の 重 要 な 決 定 要 因 で あ る こ とが 確 認 で き る.

預 金 需 要 に 影 響 を与 え る所 得 以 外 の 変 数 と して 金 融 機 関 の 店 舗 数 が あ る.人 口1人 当 り の店 舗 数 が 多 い ほ ど低 コ ス トで 預 金 サ ー ビス を享 受 で き る し,預 金 獲 得 競 争 も激 化 す る.

この た め 他 の 条 件 が 同 じで あ れ ば,店 舗 の 多 い県 ほ ど預 金 残 高 は 高 くな る で あ ろ う.次 に 考}ら れ る の は産 業 構 造 で あ る.1入 当 り所 得 は 同 じで も,工 業 県 ほ ど手 形 取 引,し た が っ て企 業 性 預 金 は 多 くな る とみ られ る.以 上 の 要 因 の 外 に も都 市 化 の 度 合,世 帯 人 員 数, 教 育水 準,平 均 年 令 な どが 考Z..られ る.し か

し都 市 化 を 除 い て府 県 間 で顕 著 な 格 差 が み ら れ な い.こ の た め 以 下 の 回 帰 分 析 で は都 市 化 現 象 の影 響 だ け を 取 りあ げ る こ とに した.最 後 に 貨 幣 保 有 コス トを 表 わ す 金 利 で あ る が, 金 利 は 全 国 共 通 と仮 定 し て,ク ロス セ ク シ ョ

ン分 析 で は 定 数 とみ な した.も ち ろ ん 時 系 列 デ ー タを 分 析 す る 際 に は 金利 は 重 要 な 説 明 変 数 とな る.

以 上 の事 情 を 考 慮 して,次 の よ うな 貨 幣 需 要 関 数 を 推 計 す る こ とに した.

1灰魚 一as+alln(N)+aZln

z(魚+a31nFi +α ・GnPDi+a・DMi(1)

こ こ で,D:民 間 金 融 機 関 預 金,2V:総 人 口,Y:県 内 純 生 産,B;全 国 銀 行 店 舗 数, F:県 内 純 生 産 に 占 め る 第1次 産 業 の シ ェ ア,PZ):人 口 密 度,ヱ)M:東 京1,他 は ゼ ロ の ダ ミ ー 変 数 で あ る5>.預 金 残 高 は3月 末

経 済 論 集Vo1.XVIII,No.2

の 値 しか な い の で,年 度 表 示 の 所 得 に 合 わ せ て 前 年 度 と 当 年 度 の 平 均 値 を 使 用 し た.係 数 の 符 号 条 件 はa、,a2,a4,a5>0,a3<0で あ る.東 京 に は 大 企 業 の 財 務 部 門 が 集 中 し て 巨 額 の 企 業 性 預 金 が 蓄 積 され て い る 関 係 か ら,

ダ ミー 変 数 の 符 号 は プ ラ ス と な る で あ ろ う.

人 口密 度 は 都 市 化 の 程 度 を 表 わ し,大 都 市 を か か え る 県 ほ ど 人 口 密 度 は 高 く な る.一 般 に ク ロ ス セ ク シ ョ ン ・デ ー タ で は 誤 差 項 が 不 均 一・ 分 散 と な る 場 合 が 多 い の で

,係 数 の 共 分 散 行 列 の 推 定 に は ホ ワ イ ト〔12〕 の 推 定 法 を 用 い る こ と に した.

表2は,昭 和40年 度 か ら60年 度 ま で の 平 均 値 を 用 い て(1)式 を 推 定 した 結 果 で あ る.R2 は 最 低 で も0.67で,ク ロ ス セ ク シ ョ ソ の 式 と

し て は フ ィ ッ トは 良 好 で あ る.所 得 の 係 数 は 常 に 有 意 で1に 近 い 値 で あ る.a、=1をt検 定 す る と,(2)で は5%水 準 で,(2)以 外 の 式 で は10%水 準 で 棄 却 で き な い.し た が っ て 貨 幣 需 要 の 所 得 弾 力 性 は1で,規 模 の 経 済 は 作 用 し な い と言 え よ う.店 舗 数 の 係 数 も プ ラ ス で 有 意 で あ り,店 舗 の 増 廃 が 直 接 預 金 に 結 び つ く こ と が 分 か る.産 業 構 造 は(3)で は 有 意 で な い が,他 の 式 で は 有 意 か つ マ イ ナ ス で,農 業 県 ほ ど預 金 が 少 な い こ と を 示 唆 し て い る.他 方,人 口 密 度 の 係 数 は 通 常 の 水 準 で は 統 計 的 に 有 意 で は な い.人 口 密 度 は 都 市 化 の バ ロ メ ー タ ー と も い え る の で,都 市 へ の 人 口 集 中 は そ れ 自 体 貨 幣 需 要 を 高 め る わ け で は な い.日 本 と は 逆 に,グ レ ー ブ ス 〔9〕 に よ る と 米 国 で は 都 市 化 の 進 展 が 貨 幣 需 要 を 高 め て い る.日 米 間 の こ う した 違 い が ど う い う理

5)県 内純 生 産 と第1次 産 業 の シ ェ ア は 経 企 庁

r県 民 経 済 計 算 年 報 』 か ら と り,他 は す べ てr都

道 府 県 別 経 済 統 計 』 各 号 に よ る.

(5)

September

1988釜 国 男:府 県 別 デ ー タに よる貨 幣 需 要 の分 析 表2全 期 間 の平 均 デー タ に よ る推 定 結 果

73

式番号

)1( )2(

) 3 (

)4( )5( )6( )7( )8(

定 数 項

一 〇 .450 (‑1.07)

0.328 (o.79) 4.529 (0.75)

‑0 .414 (‐i.aa)

1.579 (2.57) 0.441 (1.06) 1.383 (1.64) 0.204 (3.25)

ZnY

N

1.258 (7.04) 1.292

..,

0.912 (3.54) 1.210 (6.27)

/1

(4.20) 1.181 (7,09) 0.835 (3.32) 0.812 (3.93)

InB

N

0.322 (4.67)

0.342 (5.22)

0.334 (4.85)

0.332 (4.95)

InF

一 〇.0827 (‑1.45)

一 〇.102 (‑2.15)

4 ) ■ ⊥ ヘ ノ 7 . 9 Q 7 . Q α ‑ 幽 4 1 占 0 4

0 9 θ 0 9 臼

((

InPD

0.0134 (0.36)

0.0316 (o.97>

‑0 .0852 (‑1.63)

‑0 .0656 (一一 一1.57)

dummy

0.324 (2.76)

..

..

(2.03) 0.305 (2.74)

0.316 (2.54)

0.156 (1.ss)

0.164 (1.76)

0.334 (3.04)

a.1s3 (2.06)

R2 (S.E)

0.665 (0.172)

0.735 (0.153)

0.676 (0.169)

1・

(0.174) 0.757 (0.146)

0.734 (0.ユ53) 1・.

Co.zs7) 0.760 (0.145) (注)係 数 推 定 値 の下 の カ ッ コ内 は ホ ワ イ トの一 致 性 の あ る 共 分 散 行 列 推 定 値 に も とつ くt値 で あ る。

図2貨 幣 需 要 の 実 績 値 と 予 測 値

(co万 円)

40

30

20

io

1is20304046位

(注)預 金 残 高 の 順 位 は 以 下 の 通 り。

東 京 、 大 阪 、 香 川 、 京 都 、 愛 知 、 和 歌 山 、 富 山 、 福 井 、 石 川 、 岐 阜 、 兵 庫 、 奈 良 、 滋 賀 、 劉 珂、

広 島 、 愛 媛 、 徳 島 、 置 重 、 群 馬 、 高 知 、 長 野 、 岡 山 、 山 梨 、 山 口、 新 潟 、 栃 木 、 神 奈 川 、1㌻取 、 福 岡 、 埼 玉 、 宮 城 、 北 海 道 、 千 葉 、佐 賀 、 茨 城 、 山 形 、 大 分 、 島 根 、 福 島 、 長 崎 、 居 手 、 青 森 、 秋 川 、 宮 崎 、 鹿 児 島 、 熊 本 。

(6)

74

季刊 創 価 経 済 論 集 表3年 度別 デー タによる推 定結 果

Vol.XVIII,No.2

年 度

40

42

44

46 48

50

52 54

56 58

60

定 数 項 1.129 (2.38) 1.051 (2.18) 1.341 (2.36) 1.258 (1.84) 1.248 (1.39) 1.407 (2.00)

..

(3.09) 2.062 (3.44) 1.580 (2.69) 2.234 (3.48) 2.215 (3.34)

InYN

1.075 (3.82) 1.137 (5.09) 0.921 (4.09) 0.957 (3.56) o.9a7 (2.72) 0.877 (3.69) 0.703 {3.49) 0.677 (3.52) 1・

(4.68}

0.649 (3.24) 0.639 (2.93)

InB N 0.373 (4.19) 0.394 (4.84) Q.393 (4.89) 0.353 (4.55)

0.313 (4.30)

0.319 (4.57)

0.300 (4,67)

0.331 (4.89)

0.307 (4.29}

11:

(4.02) 0.274 {3.03)

ZnF

一 〇 .0147 (‑2.82)

‐a .oso2 (‑1.41)

‑0 .102 (‑1.87)

‑0 .116 (‑1.89)

‑0 .124 (‐i.gsj

‐a .122 (‑2.74)

‑0 .131 C‑3.oa)

‑0 .114 (‑2.62)

‑0 .0879 (‑2.20)

‑0 .115 (‑2.72)

‑0 .110 (‑3.01)

dummy

0.249 (1.74) 0.0949 (0.81) 0.105 (0.98}

0.128 (1.z7) 0.151 (1.47) 0.165 (1.86) 0.270 (3.34) 0.296 (3.86) 0.204 (2.51) 0.227 (3.37) 0.310 (2.63)

R2 (S.E)

1 (0.158)

0.842 (0.151)

0.827 (0.151)

1.

(0.154) 0.796 (0.154)

o.77s (0.144)

0.722 (0.ユ52) o.701 (0.151)

a.718 (0.146)

0.671 (0.160)

0.630 (0.178)

由 に よ る の か,今 の と ころ は っ き り しな い.

最 後 に ダ ミー変 数 で あ るが,こ れ は総 じて有 意 で,同 一 条 件 の下 で は 東 京 の 貨 幣 需 要 が 他 の 府 県 よ り大 き い こ とを 裏 づ け て い る.

(8)式 を 用 い て予 測 値 を 計 算 し,実 際 の 預 金 残 高 と比 較 す る と図2の よ うに な る.和 歌 山 ・奈 良 ・高 知 で は 実 績 値 が 予 測 値 を 大 幅 に 上 回 り,逆 に 神 奈 川 と秋 田 で は 過 大 予 測 とな る.こ の うち 和 歌 山 県 に つ い て は 篠 原 が 早 く か ら預 金 行 動 の特 異 性 を 指 摘 して い る が,昭 和40年 以 降 も同 県 の 特 異 性 は 解 消 して い な い の で あ る.神 奈 川 県 で過 大 予 測 とな る の は, 企 業 性 預 金 が 隣 の 東 京 に 流 れ るた め か も しれ な い.地 域 別 に は 中国 全 県,佐 賀 を 除 く九 州 全 県,東 北 ・北 海 道 全 県 で は過 大 予 測,四 国 四 県 と栃 木 ・神 奈 川 を 除 く関 東 全 県 で は 過 小 予 測 とな る.こ うした 結 果 は,貨 幣 需 要 に 地 域 的 な特 質 が あ る こ とを 物 語 っ て い る.

次 に,表3は 表2の(5)式 を 単 年 度 ご とに 推 定 した 結 果 で あ る.定 数 項 は 時 間 と と もに 増 大 し て い るが,こ れ は物 価 の上 昇 を反 映 し て い る.所 得 の 係 数 は 逆 に 低 下 気 味 で あ る が,こ の 原 因 と して 一 応,企 業 に お け る 資 金 管 理 の効 率 化,貨 幣 か ら ニ ア ー ・マ ネ ー へ の シ フ トな どが 考 え られ る.ま た 所 得 の 係 数 は 表2に 比 べ 低 くな っ て い るが,こ れ は 集 計 デ ー タ と単 年 度 デ ー タ の違 い を 反 映 して い る.

つ ま り全 期 間 の 平 均 を とる と変 動 所 得 部 分 が

あ る程 度 相 殺 され る が,単 年 度 で は 変 動 所 得

の 影 響 が 強 く出 て,真 の所 得 弾 力 性 を 過 小 推

定 す る傾 向 が あ る.店 舗 数 の 係 数 もや や 低 下

気 味 で あ り,最 近 で は 店 舗 を増 設 して も 以 前

ほ ど預 金 は 増 加 しな い.こ の こ とは,全 国 オ

ン ライ ン化 を 進 め て きた 郵 貯 との 競 合 が 一 段

と強 ま っ て い る こ と と無 関 係 で は な い で あ ろ

う.R2は 時 間 と と もに 減 少 して い る が,推

(7)

September1988釜

1.6

1.5

1.3

i.o

0.9

0.8

0.7

0.6

0.5 0.4

0.3

国 男:府 県別 デ ー タ に よ る貨 幣 需 要 の 分 析 図3貨 幣 流 通 速 度(昭 和40‑60年 度)

75

●ノr4、 ℃

声!気

!■」、

一 ・ 戦

\k}一 九州

\=東 北

(注)地 域 割 につ い て は 表1参 照

定 式 の 標 準 誤 差 に は シ ス テ マ テ ィ ッ ク な 変 化 は み ら れ な い.以 上 の よ う に 各 年 度 の 推 定 係 数 を 時 系 列 的 に な が め る と,所 得 弾 力 性 の 着 実 な 低 下 が 目 立 つ.こ う した 変 化 が マ ク ロ の 貨 幣 需 要 関 数 の シ フ ト と ど う関 係 し て い る の か,今 後 究 明 す る 必 要 が あ る.

化 して い る が,仔 細 に検 討 す る と地 域 性 が 窺 え る.例 え ば,全 般 的 に 流 通 速 度 が 低 下 して い る 中 に あ って,東 海 は1割 しか 低 下 して い な い た め に60年 度 で は 中 ・四 国 や 中 部 よ り流 通 速 度 が 高 くな っ て い る.

こ う した 貨 幣 需 要 の地 域 性 を 念 頭 に 置 い て,次 式 を 推 定 す る.

3.時 系 列 分 析

本 節 で は 府 県 別 時 系 列 デ ー タを 用 い て 需 要 関 数 を 推 定 す る が,最 初 に 貨 幣 の所 得 流 通 速 度 を 検 討 して お こ う.図3は,名 目県 内純 生 産 を 民 間預 金 で 割 った 預 金 の所 得 流 通 速 度 を 示 して い る.全 期 間 を通 して 流 通 速 度 が 最 も 高 い の は 九 州 で(平 均1.14),東 北 ・北 海 道 が これ に続 き,近 畿(0.72)が 最 低 で あ る.

流 通 速 度 は ど の地 域 も ほ ぼ 同 じパ タ ー ンで 変

1%G勧 一洗+畷 齢 伽(寿 】

十b31nFt‑1‑b41nRt(2)

Pは 物 価 水 準,Rは 利 付 電h債 利 回 りで,他 6)物 価 は 昭 和49年 度 まで はGNPデ フ レー タ

ー ,50年 度 以 降 は 県 内 総 支 出 デ フ レ ー タ ー で あ

る.GNPデ フ レー タ ー は経 企 庁r国 民 経 済 計

算 年 報 』 昭 和62年 版,県 民 総 支 出 デ フ レー タ ー

は 同庁r県 民 経 済 計 算 年 報 』 昭 和63年 版 に よ

る.利 付 電 々債 利 回 りは 日銀 『 経 済 統 計 月報 』

お よび東 洋 経 済r統 計 月 報 』 各 号 に よ る.

(8)

76

季 刊 創 価 経 済 論 集

表4地 域 別 タ イ ム シ リー ズ ・デ ー タ に よ る推 定 結 果

Vcl.XVIII,No.2

地 域

CA]

〔B〕

〔C〕

〔D〕

CE)

〔F〕

〔G〕

全 国

定 数 項 2.003 (8.64) 2.025 (2.04) 2.891 (6.55) 2.067 (3.61) 2.026 (3.09)

3.411 (6.03)

1.482 (4.95) 2.341 (4.52)

ZnY̲̲

PN

1.ao3 (23.53)

0.622 (3.41) 1・:

(15.15) 1・

(8.oo) 1:1 (6.58)

1":

(10.s7) 1.028 (8.26)

0.844 ....1

InB

N

0.450 (3.62) 0.450 (1.06}

0,834 (4,09) a.ss7 (3.00) 0.415 (エ.91) 0.923 (3.72) 0.301 (2.01)

0.525 (2.28)

InF

一 〇 .197 (‑3.28)

‑0 .275 (‑2.09)

‑0 .127 {‑2.23)

‑0 .251 (‑3.88)

‑0 .178 (‑2.52)

‑0 .194 (‑2.36)

‑0 .116 (‐o.7s>

一 〇.221 (一一2.39)

InR

一 〇 .138 (‑3.66)

一一 〇 .340 (‑5.21)

‑0 .201 (‑5.42)

‐o .182 (‑4.85)

‑0 .329 (‑7.s7>

‑0 .260 {‑5.62}

‑0 .]96

← ・・)1

一 〇 .266 (‑6.00)

Rz (S.E)

1・':

(0.0186) 0.984 (0.0341)

0.997 (0.0197)

0.996 (0.0193)

0.995 (0.0228)

0.992 (0.0265)

0.992 (0.0280)

0.995 (0.0230)

(D.W) P 0.277 (1.67)

0.638 (1.62)

0.645 (1.44)

a.579 (1.63)

o.067 (1.92)

0.838 (1.53) 0.845 (1.aa) 0.557 (1.57) (注)ρ は誤 差 項 の1階 自己 回 帰 係 数,計 測 期 間 は 昭 和40年 度 〜60年 度 。

〔A〕〜 〔G〕は 表1の 地 域 割 と同 じで あ る.

の変 数 は(1)と 同 じで あ る6).bx〜b3の 符 号 も(1)と 同 じで,∂4〈0.通 常 貨 幣 ス トッ クの 部 分 調 整 メ カ ニ ズ ムを 仮 定 して 前 期 の貨 幣 残 高 を説 明 変 数 に 加 え るが,(1)式 と の整 合 性 を 保 つ た め前 期 の貨 幣 残 高 は 省 略 した.年 次 モ デ ル で は貨 幣 需 要 は 常 に 長 期 均 衡 値 に 等 し い と仮 定 して もか まわ な い で あ ろ う.

全 国及 び 地 域 別 の 推 定 結 果 は 表4の 通 りで あ る.全 国 合 計 で は 説 明変 数 は す べ て有 意 で 符 号 条 件 を満 た し 決 定 係 数 も高 い.マ ク ロ デ ー タ に よる 貨 幣 需 要 の 分 析 で は,金 融 機 関 店 舗 数 や産 業 構 造 は 考 慮 され な いが,そ れ ら

の 変 数 は マ ク ロの 貨 幣 需 要 に 有 意 な 影 響 を 及 ぼ して い るの で あ る.地 域 別 に み る と,関 東 の店 舗 数 と九 州 の 農 業 比 率 を 除 い て,他 は す べ て 有 意 で 符 号 条 件 を満 た して い る .関 東 の R2は 他 の地 域 よ りや や 低 い が,こ れ は 関 東 で は企 業 性 預 金 の シ ェア が 高 く,こ の た め 預 金 全 体 の 循 環 的 変 動 が 激 しい か らで あ る.所 得 弾 力 性 は 関 東 と九 州 で は 相 当 の 開 き が あ

り,地 域 差 が み られ る.し か し表2に 比 べ 全

般 的 に 所 得 係 数 は 小 さ く な っ て い る.一 般 に ク ロ ス セ ク シ ョ ン ・デ ー タ が 長 期 的 関 係 を 表 わ す の に 対 し て,タ イ ム シ リー ズ ・デ ー タ は 短 期 的 関 係 を 表 わ す 傾 向 が あ る が,所 得 係 数 の 差 異 は こ う した 傾 向 を 反 映 し て い る.店 舗 数 の 係 数 も 九 州 と 中 ・四 国 で は3倍 の 開 き が あ る.金 利 弾 力 性 は 関 東 お よ び 近 畿 で 高 い が,こ れ ら の 地 域 が 金 融 セ ン タ ー と 近 い こ と と 無 関 係 で は な い で あ ろ う.な お,地 理 的 な 地 域 割 と は 別 に 県 民1人 当 り預 金 残 高 に 応 じ て 全 国 を7地 域 に 分 割 し て 推 定 し て も結 果 は 大 し て 変 わ ら な い こ と を 付 け 加}て お く.

(2)式 を46府 県 ご と に 個 別 に 推 定 す る と, 表5に 示 した 結 果 が 得 られ る.RZは 最 低 で

も0.93(岡 山)で,0.99以 上 が 全 府 県 中29府 県 に 達 す る.所 得 の 係 数 は 全 部 有 意 で,高 知 の1.44か ら 神 奈 川 の0.36ま で 幅 が あ る が ,大 部 分 の 県 は1の 近 傍 に あ る.埼 玉 や 神 奈 川 の

よ うに 東 京 に 隣 接 し て い る と こ ろ で は ,所 得

の 係 数 が 低 い の が 注 目 され る .店 舗 数 は 山 梨

を 除 く他 の 府 県 で は プ ラ ス で あ る が ,1/3の 県

(9)

September

1988釜 国 男:府 県 別 デ ー タ に よ る貨 幣需 要 の分 析 7ア

表5府 県 別 タ イ ム シ リー ズ ・デー タ に よ る推 定 結 果

InR R2 InF

0.993 0.997 0.996 0.999 1・'・

0.996 1・' 一 〇.].83

‑0 .0576*

‑0 .0864*

‑0 .145

‐o .2si

‑0 .157

‑0 .171 一 〇 .172

‑0 .166

‑0 .252

‑0 .03].6*

‑0 .277

‑0 .118

‐a .200

InB

N

0.266*

0.0473*

!..,..

0.731 0.469 i1:

0.425

Iny

P/V 定 数 項

1.143 1.209 0.857 1.017 1.036 0.993 1・1:

isl 1.092 2.790 2.424 2.295 1.971 1.809  

〔A〕

0.993 0.993

!:・

1・'1 1':

0.979 0.988 一 〇.174

‑0 .0945*

‑0 .234

‑一 一 一〇.293

‑0 .372

‑0 .374 1:' 一 〇.212

‑0 .226

‑0 .00414*

‑0 .205

‑0 .162

‑0 .0963

‑一一〇.452

0.475 0.995 0.379"

1.283 0.490 0.230*

0.568 0.948

0.668 1.186 0.410 1:1 1.063 a.362 2.038

2.830 2.071 3.399 2.025 1.901 0.644*

 

〔B〕

0.999 0.994 0.992 0.997 0.995 0.968

一 〇.158

‑0 .301

‑0 .137

‑0 .179

‑0 .100*

‑O .218 一 〇 .0328*

‑0 .111

‑0 .134

‑0 .163

‑0 .217

‑0 .ユ61*

/ 0.977 1.099 1.083 0.556 0,154*

1.056 0,889 0.951 0.757 1.231 1.015 2.907

3.125 2.970 2.779 0.171.*

1.438  

〔C〕

1・:

0.99].

0.987 0.996 一 〇 .156

‑‑0 .172

‑‑0 .179

‑0 .182 一 〇.109

11:1:

‑0 .230

‑0 .322

Q.872 a.76a O.513*

1 0.911

1'.:

0.549 0.877 2,974

2.499 1.381.

Z.100  

〔D〕

a.992 a.97s /':

0.981 0.993 0.976

一 〇 .‑‑7 ..1 ..

‑0 .299

‑0 .234

‑0 .119

‑0 .477 一 〇 .266

‑0 .153*

一一〇,00641*

!1::1

‑0 .163

‑0 .261 0.229*

0.582*

1・ ・1

0.715*

0.220*

ユ.120*

o.77s 1'.1 1 1.124 0.843 1.055 0.925*

2.327 3.269 3.144 1.193 5.004  

〔E〕

0,998 0.992 0.926 1・:1 0.959 0.993 0.990 0.979 0.991 1・:

‑0 .136

‑0 .230

‑0 .140

‑0 .307

‑0 .339

‑0 .383

‑0 .427

‑0 .268 一 〇 ,0142*

‑0 .233

‑一一〇.166*

‑0 .0738*

一一〇.160

‑0 .158

‑0 .0942*

‑0 .536

‑0 .131*

0.901 1.122 0.798*

0.862 0.260*

1.247 1.084 0.640 0.646 1.085

0.852 0.781 0.918 0.910 1.048 0.971 0.966 1.445 2.525

3.317 2.380 2.613 1.483 4.256 3.817 3.907 3.842  

〔F〕

0.985 0.987 0・987 0・994 0・993996 0'996 0 一 〇 .220

‑‑0 .201

‑0 .239

‑0 .202

‑0 .0925*

‐o .17s

‑0 .155 一 〇 .124*

‐o .io5x O,00361*

‐a .141*

a.0662'

‑0 .433

‑0 .129*

0.104*

0.354*

0.719 0.792 0.645 0.280 0.456 0.879

1.121 1.099 0.883 0.939 1::

1.027

0.617 1.914 2.418 2.643 :・:

2.288 1.993  

鹿

CG)

(注)*は10%水 準 で有 意 で な い こ とを 示 す 。 計 測 期 間 は 昭 和40〜60年 度 で,誤 差 項 の 一・ 階 系 列 相 関 を 仮 定 。

で は 有 意 で は な い.特 に 近 畿 で は大 阪 の み 有 意 で あ る.農 業 比 率 は 東 日本 で は 有 意 で あ る が,西 日本 で は 有 意 で な い 県 が 多 い.金 利 の 係 数 は 予 想通 りす べ て マ イ ナ ス で あ る が,青 森 ・岩 手 ・栃 木 ・山梨 ・大 分 で は 有 意 で な

い.最 後 に 和 歌 山 に 注 目す る と,定 数 項 は最 も大 き く,金 利 弾 力 性 も最 大 で あ る.従 って 和 歌 山 の 特 異 性 は 数 値 的 に も裏 付 け られ て い

る.

(10)

78 季 刊 創 価 経 済 論 集 表6プ ー リン グ ・デ ー タ に よ る 推 定 結 果

Vo1.XVIII,No.2

地 域

ABCD

︺ ﹁ ノ E F ♂1 ﹂ ︹ ︺ G ︹

In■ 二PN 1.021 (8.01)

1:1 {g.10)

0.744 (4.87) 0.813 (6.18}

1.038 (4.17) 1.177 (8.33)

1:1

(5.54)

InBN

1:・

(5.48) 0.941 (7.50) 1・:

(6.59) 1.071 {8.51) 0.474 (2.60) 1.

(8.25) 0.560 (7.73)

InF

一 〇.214 (‑5.34)

‑0 .103 (‑3.12)

‑0 .252 (‑5.56)

‑0 .148 (‑2.83)

‑0 .116 (‑1.73)

‐o .a15 (‑4.09}

1 (‑5.44)

InR

一 〇 .li7 (‑2.70)

‑0 .128

←3.28)

‑0 .192 (一一3.84)

‑0 .100 (‑2.57)

‑0 .309 (‑3.85)

‑0 .215 (一一 一4.90)

‑o .17z (‑3.94)

R2 (S.E)

0.965 (0.0365)

0.995 (0.0324)

0.978 (0.0348)

1・:

(0.0251) 0.931 (0.0690) 0.971 (0.0430) 0.978 (0.0369)

D.F (D.tiの

72 (2.30)

72 {1.43}

61 (1.19)

39 (].42)

61 (2.16)

94 (1.84)

72 (ユ.38)

(注鷹 数推定値 の下の カ ・コ内の数値 は係数 推定値 蝉 近的聯 差 で割 った値で あ

4.プ ー リ ン グ ・デ ー タ 分 析

本 節 で は 昭 和50年 度 か ら60年 度 ま で の 府 県 間 ク ロ ス セ ク シ ョ ン ・デ ー タ を プ ー ル し て, 次 の(3)式 を 推 定 す る.

1ηG紅 一醐(毒 九+岨 凱

十cslnF乞̀十 〇41多z1〜 ε十Eic(3)

こ こ で

Eitニz5乞 十wit(4)

殆 とwitは 次 の 条 件 を 満 た す

Eui=0,Eu←6u2,E'%%ゴ=0(Z≒ ブ)

Ewit=0,Ewit2=6u,2,Ewitw;s.‐0

σ ≒ブ,拝s) E%〃 覚=0

従 っ て,誤 差 項 は EEit=O

Eε 、̀εゴ,=6u2+d・w2c2=ブ ,t=S)

=6u2(i=ブ

,持s)

=0σ ≒ ノ)

と な る.誤 差 項 が 上 の 条 件 を 満 た す 場 合 , (3)式 は 二 要 素 のError‑Componentモ デ ル

と よ ば れ る7).こ の モ デ ル の 誤 差 項 は 不 均 一 分 散 と な る の で,OLSに よ る パ ラ メ ー タ 推 定 は 効 率 的 で な い.こ の た め(3)式 を 適 当 に 変 換 し て 最 尤 推 定 法 で パ ラ メ ー タ と変 換 係 数 を 同 時 推 定 した,表6は 推 定 結 果 を 示 し て い る.係 数 推 定 値 は す べ て 符 号 条 件 を 満 足 し統 計 的 に 有 意 で あ る.所 得 弾 力 性 は 北 陸 の0.74 か ら 中 ・四 国 の1.18ま で 多 少 の バ ラ ツ キ が み ら れ る.店 舗 数 の 係 数 も地 域 に よ っ て 異 な り,店 舗 増 設 の 効 果 が 最 も 大 き い の は 東 海 地 区 で あ る.金 利 弾 力 性 は10%か ら30%の 範 囲 内 に あ る.表4と は 対 照 的 に.R2は 関 東 が 最 高 で あ る が,ど の 地 域 も 推 定 式 の フ ィ ッ トは 良 好 で あ る.但 し 東 北 ・近 畿 以 外 で は 誤 差 項 に 正 の 系 列 相 関 が 認 め ら れ る の で,上 述 の 条 件 が 完 全 に 満 た さ れ て い る わ け で は な い 、

5.部 門 別 貨 幣 需 要

以 上,総 預 金 に対 す る需 要 を 分 析 した の で あ る が,総 預 金 を構 成 す る個 人 預 金 と企 業 性

7)こ の モ デ ル 及 び 推 定 法 に っ い て は ク メ ソ タ

〔10〕又 は マ ダ ラ 〔11〕を 参 照.

(11)

September1988釜

預 金 は相 当 内容 が 異 な るの で,両 者 を 分 離 し て 別hに 検 討 す る の が 望 ま しい.以 下 で は 個 人 及 び法 人 企 業 部 門 の 貨 幣 需 要 を 分 析 す る.

(1)個 人 預 金

昭 和60年 度 末T個 人 預 金 は 全 国 預 金 総 額 の 51%の シ ェア を 占 め て い る.個 人 預 金 は 勤 労 者 預 金,農 家 預 金 お よび 個 人 業 主 預 金 を 含 み,ほ と ん どが 定 期 性 預 金 で あ る.日 銀 『都 道 府 県 別 経 済 統 計 』 に は昭 和54年 度 末 か ら全 国 銀 行 そ の 他 の個 人 預 金 残 高 が示 され て い る の で,預 金 デ ー タ と して これ を 使 用 した,自

由 度 の関 係 で 全 国 の デ ー タ を プ ー ル して(3) 式 を 推 定 す る と

to(DhP

cN)o.・551n(C10.PcN/・ ・721n(BN)

(3.09)(‑o.54)

国 男:府 県 別 デ ー タに よ る貨 幣 需 要 の 分 析

一一 〇.04881nF‐0.7251nR(5) (‑3.30)(‑26.06)

R2=0.996,S.E=0.0152,L).F=271, D,W=0.95

こ こ で 新 た な 変 数 は,Dh:個 人 預 金,Pc:

民 間 最 終 消 費 支 出 デ フ レ ー タ ー,C:名 目民 間 最 終 消 費 支 出 で あ る8).個 人 預 金 の 消 費 弾 力 性 は0.16で 相 当 低 い.個 人 の 定 期 性 預 金 は も っ ぱ ら住 宅 や 老 後 の 生 活 な ど の 将 来 財 購 入 を 目 的 と し て い る の で,消 費 支 出 と の 相 関 は 弱 い の か も しれ な い.店 舗 数 の 係 数 は マ イ ナ ス で あ る が,統 計 的 に 有 意 で な い.金 利 弾 力 性 は0.73と 非 常 に 大 き く,預 金 者 の 金 利 意 識 が 強 い こ と を 物 語 っ て い る.

(2)企 業 性 預 金

総 預 金 か ら個 人 預 金 を 差 し引 く と 企 業 性 預 金 が 得 ら れ る が,正 確 に は 企 業 預 金 の 外 に 公 8)『 県 民 経 済 計 算 年 報 』 に は 消 費 支 出 デ フ レ ー

タ ー は載 って い な い が,名 目消 費 支 出 を 実 質 消 費 支 出 で 割 れ ば計 算 で き る.

79

金 預 金 や 金 融 機 関預 金 が 含 まれ る.し か しそ の大 部 分 は 法 人 企 業 が 事 業 目的 の た め に 保 有 す る預 金 で あ る.企 業 性 預 金 の 相 当 部 分 は 当 座 性 預 金 で あ り,収 入 と支 出 の 時 間 的 ズ レを 埋 め 合 わ せ る た め に保 有 され て い る.そ こで 先 ず 法 人 所 得 と金 利 を 説 明 変 数 と した 式 を 推 定 す る と

In(Df¥PN」J‑0.8851n(YfPNf)‑0.65・lnRf (5.99)C‑8.15)C6) R2=0.600,S.E=0.242,D.F=273, D.W=0.23

こ こ で,Df:企 業 倥 預 金,Nf:法 人 数,Yf;

法 人 所 得,Rf:公 社 債 現 先 レ ー ト で あ る9).

RZは 個 人 預 金 の 場 合 よ りか な り 低 く,法 人 所 得 と 現 先 レ ー トで は 預 金 の 変 動 の6割 し か 説 明 で き な い.ま たZ).W比 も 極 端 に 低 い.

(6)式 に 金 融 機 関 店 舗 数 を 加 え る と

In(f)=0.6811n(Nf)+0.268Zn(Nf)

(5.04)(1.91)

一 〇.6141nRfC7) (‑7.61)

R2=0.602,S.五L=0.242,L).F=272, D.W=0.18

店 舗 数 は か ろ う じ て 有 意 で あ る が,推 計 式 の 統 計 的 パ フ ォ ー マ ン ス は 改 善 さ れ な い.企 業 性 預 金 は も と も と 貸 出 に よ っ て 創 出 さ れ る の で,供 給 側 の 要 因,例 え ば 銀 行 の 預 貸 率 や 日 銀 の 窓 口指 導 な ど を 考 慮 に 入 れ る 必 要 が あ る の か も し れ な い.

9)法 人 数 と法 人 所 得 は 国税 庁r国 税 庁 統 計 年 報

書 』 各 年 版 か ら と った.現 先 レ ー トは 日銀 『 経

済 統 計 月報 』 各 号 に よる.

(12)

So 季刊 創 価 経 済 論 集

Vol.XVIII,No.2

6.む す び

標 準 的 な 貨 幣 需 要 の 理 論 に よ る と,貨 幣 需 要 を 決 定 す る の は 所 得 や 金 利 水 準 で あ る.し か し都 道 府 県 デ ー タ を用 い て 分 析 した 結 果, そ の 他 に金 融 機 関 店 舗 数 や 産 業 構 造 が 貨 幣 需 要 と有 意 な 関 係 を 有 す る こ とが 判 明 した.と

りわ け 預 金 残 高 と店 舗 数 との 間 に は 強 い正 の 相 関 が 認 め られ る.金 融 機 関 が 店 舗 の 増 設 に 熱 心 な の も当 然 とい}よ う.

と こ ろ で,府 県 単 位 の 分 析 を 行 な っ た の は,家 計 や 企 業 の ミ ク ロデ ー タが 利 用 で きな い た め で あ るが,副 産 物 と し て 各 府 県 や 各 地 域 の 特 色 を 浮 き彫 りに す る こ とが で きた.

預 金 の 所 得 流 通 速 度 は 九 州 や 東 北 ・北 海 道 で 高 く,逆 に 関 東 や 近 畿 で は 低 い.し た が っ て,同 額 の預 金 で も地 域 に よっ て そ の所 得 に 及 ぼ す 効 果 は 異 な る.貨 幣 政 策 の 実 施 に 当 っ て は この 点 を 考 慮 す べ き で あ ろ う.預 貯 金 行 動 の県 民 性 とい う点 で 最 も特 徴 の あ る の は 和 歌 山 県 で あ る.な ぜ 同 県 が 特 異 な預 貯 金 行 動

を 示 す の か,興 味 あ る問 題 で あ る.

第5節 で は 家 計 と企 業 の貨 幣 需 要 を分 析 し た が,家 計 に比 べ る と企 業 の 貨 幣 需 要 は 変 動 が 激 し く,満 足 の い く結 果 が 得 ら れ な か っ た.推 定 法 を含 め て,今 後 さ ら に検 討 して い

きた い.

参 考 文 献

〔1〕 石 田 和 彦rDivisiaMonetryAggregates に っ い て 」,『 金 融 研 究 』 第3巻1号,1984 年.

〔2〕 江 口 英 一,佐 和 良 作 「わ が 国 に お け る 通 貨 需 要 関 数 の 計 測 」,r金 融 研 究 資 料 』 第1号, 1979年.

〔3〕 川 口 弘 「金 融 の 地 域 構 造 」,『 金 融 ジ ャ ー ナ ル 』1961年5月 号.

〔4〕 篠 原 三 代 平 編r地 域 経 済 構 造 の 計 量 的 分 析 』 岩 波 書 店,1965年.

〔5〕 筒 井 義 郎,畠 中 道 雄 「日 米 両 国 に お け る 通 貨 需 要 関 数 の 安 定 性 に っ い て 」,r季 刊 現 代 経 済 』Autumn1982年.

〔6〕 外 山 茂r金 融 問 題21の 誤 解 』 東 洋 経 済 新 報 社,1980年.

〔7〕 古 川 顕 『現 代 日 本 の 金 融 分 析 』 東 洋 経 済 新 報 社,1985年,

〔8〕Graves,P.E.,"WealthandCashAsset Proportions,"ノouynalofMoney,Cyedit, andBanking,Vo1.13(NovemberI976).

〔9〕,"NewEvidenceonIncomeand

theVelocityofMoney,"E60ηo癬oInqui‑

Yy,Vol.16(January1978).

〔10〕Kmenta,J.,ElementsofEconometyics, NewYork:Macmillan,1971.

〔11〕Maddala,G.S.,Econornetrics,NewYork:

McGraw‑Hi11,1977.

(12)White,H.,"AHeteroskedasticity‑Con‑

sistentCovarianceMatrixEstimatorand aDirectTestforHeteroskedasticity,"

EconometYica,Vol.48(May1980).

(経 済 学 部 助 教 授)

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(1988) Financial Structure and Aggregate Economic Activity ; An Overview, Journal of Money, Credit and Banking, Vol.. (1990) Non Monetary Effects of Financial Crisis,

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