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ミズナラ外樹皮由来の抗トキソプラズマ活性化合物の 単離・構造決定

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2018 年 2 月 8 日

ミズナラ外樹皮由来の抗トキソプラズマ活性化合物の 単離・構造決定

応用生物科学専攻 生命分子化学講座 木質生命化学 遠藤 麻理奈

1.背景

トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)は恒温動物に寄生する偏性細胞内寄生性原虫で ある。妊婦が T. gondiiに感染した場合には流産や死産の恐れがあり、AIDS患者など の免疫不全 患者が 感染 した場合に はトキ ソプ ラズマ脳症 を引き 起こ して最悪の 場合 死に至る。トキソプラズマ症の治療薬は高額であり、治療のために多額の費用が必要 とされる。しかしながら、年間患者数が少ないために新規治療薬開発は進んでおらず、

ア メ リ カ 疾 病 管 理 予 防 セ ン タ ー (CDC) に よ っ て 「 Neglected Parasitic Infections(NPIs)」に指定されている。

当研究室では先行研究において樹皮抽出成分の多様性に着目し、北海道に自生する 樹種の樹皮抽出成分より抗 T. gondii 活性を探索した。その結果、ミズナラ(Quercus

crispula Blume)外樹皮抽出物が強い抗 T. gondii活性を持つことが見出された。これ

らを背景として、本研究ではミズナラ外樹皮由来の抗 T. gondii 活性化合物の単離・

構造決定を目的とした。

2.実験部

乾燥させたミズナラ外樹皮を chloroform抽出、silica gel column chromatography、

HPLC に供し、抗 T. gondii 活性化合物を単離した。得られた化合物の絶対立体配置 を決定するため、入手容易な既知化合物を用いて化学合成を行った。さらに化学合成 によって得られた化合物を用いて抗 T. gondii活性評価を行った。

3.結果・考察

ミズナラ外樹皮から抗 T. gondii 活性を有する化合物を単離してスペクトル解析を 行った結果、それらを 29-norlupan-3,20-dione(1)、oleanolic acid acetate(2)および ursolic acid acetate(3)と同定した。化学合成およびスペクトル解析によ ってこれらの 化合物の絶対立体配置まで決定した。29-Norlupan-3,20-dione の絶対立体配置は過去 に報告がなく、本研究で初めて明らかとなった。抗 T. gondii活性評価を行った結果、

全ての化合物が強い抗 T. gondii 活性を持ち、さらに宿主細胞と比較した場合に明確 な選択性を持つことが明らかとなった。

Table. 3

種の化合物の抗

T. gondii

活性および細胞毒性

参照

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