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(1)JacksonMartindell,The Abbratsalof Managemeni,1965,p.112.以下著者 および書名を“Martindell,A♪♪rαわαJ〃と略す。

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(1)

資   料  

A.Ⅰ.M.の経営評価方式について(4)  

鈴  木  勝  美  

ほ じ め に 

Ⅰ 評価方法と評価カテゴリL− 

ⅠⅠ評価カテゴリ−の内容  

1経済的機能 2 企索構造 3 利益の健全性 4 株主へのサーービス   

(以上 当論茂第42巻3号掲載)  5 研究・開発湾動  6 取締役会分析   

(以上 当論叢第43巻1・2・3合併号掲載)  7 財務政策  8 製造能率  

(以上 当論叢第44巻2号掲載)  

g 販売力(sales vigor)   

このカテゴリ−・に.おける評価目標としてつぎのような点があげられている。  

(1)   

「会社が,積極的,倫理的,かつ効果的紅販売している証拠とは何か。」   

このような評価目標に.もとづく評価上の直接的な展開ほなされていない。しかしなが   ら,他面において,「たとえ峠,市場の創造ほ,財務・製造および販売管理という諸手段に  よる調整された努力である。先導する影響体ならぴ紅履行する組織体は販売部門でなけれ  

(2) はならない。」とも,あるいは「進取的経営者ほ,その市場を拡げるための全社的な諸プロ  

(8)  

グラムを示すことができなければならない。」ともいわれる。そしてさらにまた,「単一・の職   能で,販売はど企業の全活動と密接に関係する他の職能ほない。利益(eaI■nings),配当,  

(4)  

製造,さらに.ほ研究活動でさえ,販売努力とは密接に.結びついている。」とも述べられてい  

(1)JacksonMartindell,The Abbratsalof Managemeni,1965,p.112.以下著者   および書名を Martindell,A♪♪rαわαJ〃と略す。  

(2)Martindell,Al・♪raisal,pp‖112ql13 

(3)MaI・tindell,4如けの−ぶαJ,pい113 

(4)(5)、MaI・tindell,A少か′αj15αJ,p・・8 

(2)

A.Ⅰ.M.の経営評価方式紅ついて(4)   ー93 −−  

93  

る。換言すれば,「市場の創造」と「 拡張」のためにとられる金蔵能との関連に.おける販売   努力こそが,このカテゴリ−・の評価目標における「積庵的に」の内容をなすものと理解す  

ることができよう。ただこのさい「積極的に」に関しては,販売活動の実施そのものとい   うよりも,むしろその基礎となる企業の意図や態度や姿勢をより強く問題とするものとい   えよう。このような「積極的に」に.対して,その実施上の過程や結果の有効性を問題とす  

るものが「効果的に.」であると考えられる。そしでま・た,「販売力は,商品もしくはサーゼ   スが利益に.変換することによって手段を提供することになるので,それは,全企業活動の  

(さ)  

基礎をなす。同時に.,これが行なわれる方法はある一・定の倫理的社会的な制約を受ける。」  

といわれるように,「帯極的紅」遂行するさいに倫理性が問題となる場合には,それが「■積   極的に.」遂行することへの制約要因となるが,両者の調和のとれた遂行そのものがまた  

「効果的に.」の内容をなす∈とに.なるものと理解される。   

マL−ティンデルは,このカテゴリーでほ,このような観点から主要な評価対象につい   て,最適評価値に対するパ−−セントで集約されるような,相対的な達成度合を評価しよう  

としているものと考えられる。マーティンデルほ.,そのような主たる評価対象として,販   売組織,販売割当,販売報軌販売訓練,広隻活動,価格政策などをあげている。そこで,  

上記の評価目標を配慮しながら,これらの点についで以下考察していくことに.したい。  

(1)販売組織   

販売親機に対するマ−デイソデルの態度は,「すべ七の管理領域に.おけると同様に状況が  

し6)  

事例を変える」という言葉によって代表される。すなわち,「販売組織の妥当性ほ,理想よ  

りもむしろその会社固有の問題の点から評価されなけれげならない。組織の形態は,絶版  

(ア)  

売努力のような,販売紅.割り当てられた使命に依存する。」とされる。したがって,部門か   地理的に分けられようと,製品別紅分けられようと,あるいほ全マ−ケッチイング活動が  

1人の職員に.よって指揮されていようと,そのこと自体は問題紅ならない。問題となるの   は販売組織の現実に対する妥当性である。したがって評価の上からは,第1に「販売のた  

(6)(7)(8)M由・tindell,A♪♪′■〃∠・ざβJ,p.113.このように.,状況粧応じで販売組織が形    成されなければならないということは,旧版におヤ、て,SylvaniaElectI icPI■Oducts,  

1nc・およびPhilipCareyManufacturingCol・の例に・よって詳細K・述べられている。   

すなわち,Sylvania社は販売地域別分権化の組織形態をとった例であり,その反対    に,Pbilip社牲集権組織をとって成功した例としてあげられる。Cf・MaI・t享ndell,   

rカe∫(抽摘草c Aク♪rαわαJo/■朗血相甘紺は扉,19馳,pp.238−242(以下書名を   

ぶdg乃fよノ;c A如′・αよ\s〃J〃とする)b   

(3)

第47巻 発1号  

一夕4・−   94  

め紅,この独特の組織形態をなぜ開発したか,そして第2に,それが販売稽動に対して効  

t8)  

呆的な骨組みを与えているかどうか」が問題とされることになる。いわば,当該会社の過   去から現在に.いたる販売組織匿対する要請と,そのような要請に対する販売組織の適合   性ないし妥当性が問題とされるわけである。そこにおいて,このカテゴリ−の評価目標申   紅あげられている,「積極的に.」なされたかどうかという会社の態度と,それに基づいて  

「効果的に.」行なわれたかどうかという方法の適切さとが,評価されることになると考え   られる。   

他面において,販売組織に関して,その状況への適応ということが藍祝されるかぎりに   おいて,また同時に,,fE[場や販売業老(dealer)や配給業者(distributor)との関係のあ  

り方が問われることになる。すなわち,会社の販売組織への要請ほ,たえずマ」−ケッチ■イ   ング活動そのものの再整理を必要とすることとなり,その結果,市場や販売業者や配給業   者との間に,永続性と弾力性という二つの矛眉する関係が要求せられることになり,これ   らの調和ということから「倫理的に」の問題がまた遍過されなければならないことになる  

(9)  

わけである。  

(2)販売割当   

マーティンデルは,旧版において,たとえある会社の販売高が高い水準にあったとして   も,その販売組織が必ずしも良いことを意味しない。むしろ,それが計画通りあげられた  

(10)  

かどうかが重要である,と主張している。このような主旨からいって,販売割当紅関して   も,割当の計画的側面ないし封画されたものの達成可能性という側面が強調されることに   なる。すなわち,マ−ティンデルは「公正な割当額(faiIquOta)」を藍祝して,「単に一・定   期閣内に商品の一定豊を売らなければならないとされている販売員は,必ずしも分担額を   割り当てられていることにはならない。彼ほ不可能な仕事を与えられていることにな・つて   いるのかもしれない。あるいは,彼は,心からの努力をすることもなく,自己の分担額を  

(11)  

達成できるかもしれない。」と述べている。ここで示唆された「本来の分担観」ないし「公  

(9)この点ほ,旧版におゃ、て「歴史的一貫性の重要さ」(Martindell,∫c轟邪わノわ ■勾坤・・  

れ扇 5〃J,pp.242−248)の項目もとに説明されている。すなわち,そこに率いて,会    社の態度ないし方針の歴史的−・貫性は顧客ないし販売業者の支持を得るためにほ是非   

とも必要である,という:j:.旨が述べられ,それを実行t,たNationalGypsumCo.   

の例如あげられている。  

(10)MaI・tindell,ぶcね矧けカc A♪♪′・扇・ざ〃J,pU、255.  

(11)MaI・tinde11,ぶ(さβ〝f≠ノまc A♪♪rαまぶαJ,pり258.   

(4)

A.Ⅰ.M.の経営評価方式について(4)   一 夕5 −−  

95  

正な割当額」ほ,経済状態・販売員の地域的な競争環境・会社の能力などをまず考慮し,  

その配慮された特定条件のもとに,特定地域で販売するため紅必要な技術的訓練・進取の   気性・知識などについて平均的水準にある販売員が,平均的努力を行なって達成↓うるも  

(12)  

のをいう。そこ.で,このような考え方から,阪売割当に関してつぎのような主たる評価点  

(ユ3)  

が示されることになる。  

1.割当額は,経済状態,会社の過去の達成額,および割当額を達成するための販売能力,   

を詳細に.考慮し,現実の状態を無視することなく,設定されなければならない。  

2.割当額は,販売員ならび紅地域マネ汐ヤ−が自己の仕事(task)を知り,それを達成    できるように手配されなければならない。  

3.割当額は,適度に首尾一・賞性があり,かつ関連するすべてに・対して公平でなければな    らない。   

ただし,注意すべきことば.,個人の分担額が,たとえ同山地域内で公平匿割り当てられ   ようとも,異なる地域間においては不公平が生ずることもある。そこで,マーティンデル   は,このような不公平を発見するためのテストの例としでつぎのような点をあげでいる。  

その一つは,「過去の達成額によっで平均的であると知られている平均的販売員が,与えら   れた地域において,終始異常に.高い売上高もしくは.異常に低い売上高をあげているなら  

(14) ぼ,その地域的配分額が誤っている」とされる。また,その二つにほ,「版売職員間におけ  

る高い労働回転率は,販売員の扱い方,製品,その価格,もしくは地域的割当額,のいず   れか紅ついて何か惑い点があることを示して」おり,そのうちとくに.地域的割当額を原因  

(15)  

とすることが多いことを指摘している。   

このような販売部当の芸当性は,販売見積り,統制(contr■01),報酬などの前提をなす   ものであり,効果的な販売の基礎をなすものとして,評価のさい,このカテ■プリ−の評価   目標に.おける「効果的に.」の面が強調されることになると考えられ声。  

(3)販売報酬   

販売報酬の形態について,一・般的に.どのようなものがよいかという,固有の形態をあげ   ることは困難である。しかし,「販売員に要求される個人的売り込みが大きければ大きいほ  

ぶcよ 川東カc4A如αよ\sαJ,ppい256−261.  

劫ゆ吻ぶ〃Jpp.114−115.  

ぶd闘病ソgc A♪♪γαよぶαJ,p.259.  

封鯨油坊cA♪♪′α∠\ざ〃J,p.261. 

■ノ︐  ll  

e e 

n n・n n  

●l ・l ・l −1  t t t ・−し  

r T一 小▲ r a a a a  

M M M M  

︶ ヽノ ︶ ︶  2 3 4 5  1 1 1 1  ︵ ノー\・′.\ ′l\  

(5)

第47巻 界1号   96   ー 9β −  

ど,彼の報酬部分は手数料(comission)の面庭.おいてより大きくならなければならない。  

彼が,型昼の代りに・,全塾を売れば売るはど,彼の収入部分は給料面に・おいてより大きく   ならなければならない。彼が,販売の代りに,より多くの修理サ・・−ビスをすればするは  

ど,彼は給与礎業員(salaried employee)k.より近くなる。このような原則ほ,明らか  

(16)  

にはされていないであろうが,−・般に認められているものである。」とされている。つま  

り,販売報酬の評価に関する問題は,それが特定の形態をとっているかどうかということ   よりも,むしろこのような原則にあてほまるかどうか紅あると↓ 

ところで,製品そのものを販売したという実績は売上高となって表現されるから,それ   を基準にして個人の販売報酬へ反映せしめることは容易であり,また一・般に行なわれてい  

るところでもある。しかしながら,「会社を売る」そのことを販売員の報酬ぺ反映せしめる   ことは,そのための測定基準や測定方法のみを考えるにしても多くの困難が想定される。  

そこで,一このような点を避け,さらに.は,「会社を売る」ことは給与所得者の職務活動と同   じような機能をもつと解釈しうるところから,マーティンデルは,この側面に対する報酬   を規則的な給与の形で支払うべきものと考えているようである。そして,そのうえ.で手数  

料ないし貨与を認めることとなる。したがっでマ−ティンデルは,販売員の仕事をまたつ   ぎのように.も解釈し,これら二つの側面を上手に調和せしめるように要請している。すな  

わち,「要する紅,布教奉仕者(missiona工ylqSerViceman)および説得者(persuader)と同   じような役割をもつ者として販売員を表現することができる。説得者として,彼ほ,自己   の成功に比例した報酬を受けるべきである。布教ならびに奉仕者として,彼は,1人しか   いない広告ならび紅原料取扱部門(one−man advertising and materials−handling   department)に似ており,それら部門の構成員のように,規則的な給与を受けるべきで   ある。給与と手数料との割り合いほ,各種の仕事に振り当てられる自己の時間の割り合い  

(17)  

による。」と。  

(4)販売訓練   

販売訓練は,その中に,このカテゴリーの目標にある「税極的に」という販売に対する   会社の姿勢が示されると同時に,またそれは,販売清動を「効果的に」かつ「倫理的に」  

遂行するための前提をなすものともいえよう。  

(16)Martindell,Abbraisal,p.115.下線部分は,原文中イタリック体で書かれている   語を示す。  

(17)(18)(19)Martindell,Ab♪raiscl,p.116.   

(6)

A・Ⅰ・M・・の経営評価方式について(4)   ・− 97−  

97  

(18)   

マーティンデルによれば,「販売訓練粗 大部分計画設定の問題である。」とされる。そし   てまた,それ紅関する理想的な威売訓練プログラムほ,つぎのような点を満すべきものと  

(王9)  

されている。  

1.それは,新しい販売員をその会社の特質・製品および方針紅適応させる。  

2.それほ.,販売技術を啓発する。  

3.それは,助長しうる人の実行能力を鋭敏にする。   

しかしながら,このような訓練ほ,それを利用しうる能力(ability)をすでに持つもの   に対して初めて有効に.なるという。したがって,訓練を受ける者ないし受けた者が,訓練  

を受ける能力を持っているかどうか,あるいほ持っていたかどうか,がまず評価の対象に   なるものと思われる。ついで問題紅なるのは,訓練プログラムそのものの内容である。そ  

(20)  

の内容は,「会社の訓練紅対する実際上の要請を調査した一研究の成熟」でなければなら   ないものとされている。つまり,このような,それぞれの会社において望まれる訓練への   要請と,上記の理想的な販売訓練プログラムの条件とが,具体的なプログラムの申でどの  

ように調和してこいるかどうかが,評価の対象になるものと考えられる。   

なお,販売訓練にほ,このような主として討画設定の段階と,さら紅その.封画を実施す   る段階が考えられる。しかし後者の段階紅関しては,「あらゆる教育方法の適切な利用をな  

(2ユ)  

すべきである。.」と述べられているのみで,計画遂行の結果に関する評価に.づいては,何ら   ふれられていない。  

(5)広告沼動   

広告活動や促進活動は,■直接的な販売努力紅対して補助的なものであるという。したが   ってそれらほ,販売に対する影響すなわち販売するための望ましい情況(dimate)を作   り出すところにその意義が認められることになる。そこで,広告活動の評価にさいして   は,まずこの望ましい情況と広告活動との結びつきが問題となる。これに.ついて,マーーテ   ィンデルほ,「ある会社の広告プログラムを評価する紅は,そのプログラムがどのように売   上をあげようと意図しているか,その日標を達成するさいの成功度,および茸任ある実施  

(22)  

者が記憶している広告相談機関と関係をもつ態度,紅ついての研究を必要とする。」と述べ   ている。換言すれば,マ−ティンデルほ,販売紅対する望ま、しい情況の達成を,広篭プロ  

グラムに示された意図およびその成功度との関連から,まず評価しようとしているものと  

(20)(21)Mar′tiT】dell,A♪♪′〃よ・ざ〃J,p.117.  

(22)(23)MaItindell,4如けの∫〃J,p..118.   

(7)

第47巻 第1弓  

一・9β −−   98  

考えられる。   

さら紅,上の文中に.も示されて.いるように,第2に.,広告相談機関に.対する態度が問題   とされる。この点は,広告活動実施上の関連から重視されているものと思われる。それに  ついてはまたつぎのように.指摘されて:いる。すなわち,「広彗政策に.対する最良のガイド   は,多大な浪費とみるか資産の一つとみるかという企業広告の扱いであり,そしてこ当該会  

(23)  

社の広告代理店との関係である。」と。マ−デインデルは,企業広隻そのものを,浪費とも   資産とも断定していないが,−・般にほそれを資産の−・つとみる傾向があり,マーーティソデ   ルもまたそのように考えているもののように理解される。というのは,そのように.考える  

からこそ,すくなくとも広告代理店との関係もまた重視すべきものとすることになると思   われるからである。広普代理店は,会社にとって,法律顧問・銀行・監査人とならんで外   部的な助言と助力を行なう四つの基本的な源泉の−・つであるから,重視すべきものとされ  

る。会社が代理店をたえ.ず変え.たり,あるいは固定的であったりする場合に,その関係の   内容を調べ,その広告政策の妥当性を検討すべきものとされて:いる。企業広告を資産と見   る態度は,このように.,会社と広告代理店との関係の中に.も,その慎重な判断ないし行為   となって,現われてくるものと考えられる。   

ここでほ,つぎの「価格政策」の項目とともに.カテゴリ−の評価目標中の三つの点のす   ぺてが,評価1上関達してくるこ.とに.なると思われる。  

(6)価格政策   

この項目において説明されている内容から,マ−ケインデルが,価格政策の実情ならび   にそれによる乳最もしくはサ−ゼスの価格の変化を通じて,被評価会社の「販売力」を評   価しようとしていることは容易に推測しうるところである。しかしながら,そのような評   価紅も二つの異なる意味があることは注意されなければならない。   

ところで,K.R.デュイヴイスによれば,価格政策の内容に・も三つの側面があるもの   とされる。すなわら,差別価格(pIice−differentials)と製品等級価格(product−1ine   prices)の問題を含む価格構成(price structure)の側面と,:費用条件や需要の刺戟の問   題を含む価格水準の側面と,これら両側面を同時紅.問題とする競争価格(price competi−  

(24)  

tion)の側面とがそれである。マ−ティンデルは,一方紅おいて,価格の決定とその変化   ならびにその変化の原因と程度の検討を通じて,とれらの側面の価格政策としての妥当性  

(24)Cf。Kenneth R.Daivis,Marketing Management,2nd ed・,Ronald Press  

Co..,New York,1966,pp.734−43    

(8)

A.Ⅰ.M.の経営評価方式について(4)   ー 99 −   99  

を評価しようとしたものと理解される。マーティンデルが,再販価格の維持は「流通費の  

(25) 近代的能率化を遅らせ,能率上の進歩を妨げる。.」とか,「おとり商品」としての値下げは,  

(2¢)  

「倫理的紅疑問であり,かつ不確実な効果をもつ……」とし,あるいは「会社が価格を変   え,その後期待外れの消費者反応のゆえに,早急に価格を元に.もどさなければならない場  

(27) 合に.は,それは褒詞な判断の傲候である。」と指摘した意図も,そのような側面に.関する具  

体的な評価点を示そうとしたものと理解される。いわば,ある会社の販売活動紅おける価  格政策の現われとみなされる側面をとりあげることによって,当該会社の優秀性を問題と  

している。したがってそれは,全評価カテゴリ−中の一部としての「販売力」の側面のみ   紅かかわる評価を意図しているという意味紅おいて,その評価ほ部分的であるといえよ  

う。このような,鱒格政策紅対する部分的評価としての意味が,上記の「二つの異なる意   味」のうちの一つなのである。   

ところが,価格の他社へ及ばす影響の側面より評価しようとする場合,その影響が当該   会社全体の優秀性そ・のものを示すとも考えられるところから,第2の意味が生ずる?すな   わち,マ−ティソデルは「たいていの場合,価格決定におけるり」−ダーシップは,強力な  

(28)  

競争上の地位と経営上の勇気を示している。」と述べている。もしこのような点がこの項目   における評価点に.なりうるとすれば,それはむしろ第2の意味の評価をすることになると   考えられる。というのは,一見したのみでは,このような表現は,当該会社の価格決定に   おけるリーダーシップを検討すること紅よって,その会社の価格政策に対する砲金社の反   応からみた「販売力」を評価しようとしているもののように理解される。しかし,価格政   策による価格め変化の他社へ及ぼす影響,すなわち「価格決定におけるり・−ダー・ジップ」  

は,−・づの評価カテゴリ−としての「販売力」との関係というよりも,むしろ会社全体の   継続的優秀性が生み出した結果としての会社のカないしマーケット・シ㌧.アーの影響とし   て理解することができよう。したがって,表現せ逆に.して,たとえば特定市場における自   社製品の占める割り合いが大であれはあるほど,その市場の価格決定に.おけるり−ダーシ  

ップは強くなる,ともいえるわけである。このようにマ−ケツト・シェア・−を大きく,し   かもそれを維持・拡大していくカそのものを評価することこそが全評価カテゴリ−の課題  

(29) であって,単なる一部価カテゴリーの問題ではないとする解釈もなりたつ。いわば,全体  

(25)(26)Martindell,Apbrairsal,p..119こ  

(27)(28)Martindell,Abbraisal,p.120.  

(29)ポL−・モルは売上高の長期極大化が企業の目的であるとしている(好一モル著福場庸   

訳「経済分析とOR(下)」丸番昭和41年)。   

(9)

第47巻 第1弓   100  

−・ヱ0クー  

的な「優れた経営」そのものの直接的評価の一・つとみるのが第2の意味にほかならない。  

マ−ティンデルの評価方式は,このような第2の意味の評価をも,関連すると思われるカ   テゴリ−で同時に扱おうとしているところに・また特徴があると考えられる。   

これらの評価項目のはかに,新版では.「市場調査」という項目があげられてこいる。しか   しながら,そこに述べられている内容からは,販売嗜勒との関連における市場調査の性格を  

(30)  

指摘している点を除けは,特筆すべき評価点も見いだすことはできない。そこで旧版を参   考にすると,そこでほ,市場調査そのものというよりは,むしろ市場調査を利用してたて   られる販売政策に関する評価点が重視されている。そこで,旧版にあげられている販売政   策上の主たる評価点と思われるところの要旨を示すと,それほ,つぎのような3点である  

と考えられる。  

1.販売政策の理念として二,会社がその消費者へ提供すべきものは何かを明白に・しなけれ    ばならない。−たとえば「包装されたパンほ,家庭で焼かれたパンよりも量にせよ真    にせよ高くつくものである。ここで売られているものほパンではなくて便益である0」と    される。つまり,主婦へのよりよい便益を売るという点から販売製品の種類・販売方法    なども検討されなければならないわけである。また,そめ反対に・,より大きな便益を犠   

牲にして経済性を売る場合もある。したがって,消費者へ売るものは何であるかを明確    にすることが重要であって,このような販売政策上の選択の良否は.,対象とする人々の  

(31)   

購入習慣や購買心理などをいかによく分析し把握しているかにかかわるものとされる。  

2.油断のない会社は,競争相手より先に,本質的・永続的変化がその市場の人口統計に    生じてきていることを認識し利用する。一−そのような市場調査結果への着眼ととも    に,組織をそれへ適応せしめたものとしてSylvania ElectricProducts社の例があげ  

(30)市場調査の性格としてつぎのような点が指摘されている(M加tindell,A妙・扇・Sαエ,  

pp.117−8)。  

(1)販売がもつぱら販売力(㌍11ingfoICe)の指揮と管理(diI■eCtion and admini●  

str・ation)であると考えられるならば,市場間査のすぺてを販売に従属させてはな   らない。市場調査は全般管理にとってまさしく独立した価値をもつ。すなわち,市   場調査・販売促進的広告・販売活動の3のつすべて−の活動を計画し統制し調整する  

ところの全般的マ−ケッチイング管理者の開発に対する最も説得力のある塵由の1   つとなる。  

(2)セーールスマンからの報告は主観的な情報と解釈されなければならない。  

(3)市場調査によって見いだされる事実は,部門の勧告を伴なう時であっても,単な   る意思決定の道具(tooIs)にすぎない。  

(31)Cf。Martindell,Scieniific AbPraisal,pp.261−6and p・278 

(10)

・A.Ⅰ.M..の経常評価方式に.ついて(4)   −Jク才一   101  

(32)  

られている。  

3.配給費用の管理は,経営の資を示す基産的な指針の一つである。・一大口販売犯する    か′トロ販売紅するかで配給費用も異なってくる。大口販売は大意生産のような生産方式    と結びつくから,配給費用の管理そのものも生産形態に.結びついて考えられなければな   

らない占 したがって,どのような生産形態をとるぺきかということも,また市場調査の    分析結果に.よることになる。同様紅,広告費や販売員の人傑費や貸倒損失などの問題も,  

(88)  

そのような生産形態に.対応した販売政策との関連で生じて:くるともいえよう。   

このような旧版における評価点が,新版を中心とする経営評価に.おいて,どの程度まで   重視されるぺきこ.とになるのか不明である。しかしながら他面濫.おいて,10ケの全評価カ   テゴリ−ヰ「販売力」のカテゴリー・紅配された最適評価値は第2位の高さに、あり,したが  

ってまた,寛2位に.亀祝されるぺきでありながら,新版では,その説明紅あてられた紙数   が最もすくない。このようなこ.とから,かなりの部分が,旧版匿おける説明によって−補な  

われるべきもののように.理解される。  

10 経営管理老の評価(executive evaluation)  

このカテゴリ−・の評価目標としてつぎのような諸点があげられている。   

「会社が,現在第1・第2・第3階層脾.おいて,良い経営管理職員を持っている証拠と   は何か。会社が,誠実な,技能のある,そして勤勉な人物を配置し,さらに.彼等を雇用し,  

訓練し;啓発し,進歩せしめるあらゆる碇全な方法を利用している証拠とほ何か。会社が,  

現在の社長の在任期間を越えて永続しうる命令の統一後を築き上げてきている証拠とほ何   

(84)  

か。」   

マ一夕インデルほ,この「経営管理者の評価」をまた「経営管理者の質(executive   quality)」の評価とも呼んでいる。そして,このような経営管理者そのものを評価するカテ  

ゴリー・を独立して設けた理由としでつぎのように/表現している。すなわち「こ.の運営評価   方式における他のカテ・ゴリ、−・は,それらがそれぞれの儀営職能紅おける経営管理者の思考  

と行為の或果を評価しているので,ある程度まで,同様に当該組織の経営管理者を評価し   ていることになる。しかし,さきの九つのカテゴリ・−でほ,経営管理者それ自身の属性,  

(32)Cf.Martindell,Scientijic Ab?r ailSal,pp.238−・9and pp.276−7 

(33)Cf。Martindell,Scientijic Ab?raisal,pp.251−4and p.277.  

(34)(35)(36)M之f・tindell,カタ♪′汐わ〃J,p.122 

(11)

滞47巻 第1号   102  

−JO2→  

彼等の経営上の考え方,および当該組織が設けられた諸目的に対する個々人と考え方の適   合性,を論議しないで残してきている。これら諸要因の直接的評価によってのみ,、経営の  

(35)  

貿は明らかにされうる。」と。換言すれば,当該組織において活動する経営管理者そのもの  

の属性を中心とする評価が,このカテゴリーの狙いであるといえよう。したがって,この   カテゴリーIの評価目標中にあげられている「誠実さ(integIity)」「技能(ability)」「勤勉  

さ(industIy).」などはもとより,「命令の統一性(unityof command)」でさえも,一児考   えられるような責任・権限の委譲関係を中心とするものを意味するのではなく,能力とか   意欲とかの側面をも含んだ経営管理者個々人の状態を問題とする。いわば,職務(わb)  

とか職位(position)とかを直接問題とするのでほなく,それを担当する人としての能力   的精神的な面を評価しようとするのがこのカテゴリ−なのである。企業の構造は,それを   動かす者のいかんによって,現実には良くも悪くもなる。ましてさらに「事業の成功をめ   ざして協力して働く経営管理者チ−ムの効果は,経営管理者個々人の員献の算術的合計を  

(3¢)  

ほ.るか紅越える。」ともいわれる。ここに・,「企業構鱒」というカテゴリ−・とは別に,しかも,  

全評価カテゴリ一中第1位の最適評価値をもつものとして,「経営管理者の評価」が独立し   て存在する理由をみいだすことができる。   

キのカテゴリ−の説明の対象は,他の評価カテゴリ−の場合と異なって,評価目療中か   ら抽出できる主たる項目とはぼ丁・致している。したがって,以下説明の箇所に・おいてあげ   られている項目の順序にしたがって,それらの主たる評価点を考察していくことにする。  

(1)=技能   

マーティンデルによれば,各経営管理者は,つかみにくいが絶対必要ないくつかの特賓   を持たなけれはならないものとされる。その一つが「技能」である。この「技能」は,経   営管理者を評価するさい,しばしば唯一・の判断基準であるかのように見られがちであるが,  

「このことは,たぷんその−L半ほ,勤勉さのより表面的な側面はどではないにしても,誠  

しこ1て\  

実さよりもより簡単に理解され,かつ確認されうるからであろう。」といわれる。このよう  

な「技能」には,専門知識や技術,知能,その分野に応じた創造的才能,および人々と共   に,かつ人々を通じて働くための洞察力と技術などが含まれる。マ−テ・インデルは,これ  

らをまた,職業的技術(professionalskill),知能(intelligence),ならびに.リーダーVッ   プの資質(leadership qualities),とも表現し,これらが「技能」の三つの構成要素である  

(37)(38)MaI・tindell,A♪♪′α ・Sα/,p.123.なお,下線部分は,原審申イタリック文字  

で裔かれている箇所である。以下のぺ・−・ジにおいても同様である。   

(12)

A.Ⅰ.M−.の経営評価方式についで(4)   −j〃β−  

103  

としている。  

1¶ 職業的技術 各経営管理者が自己に割当てられた仕事を処理できるかどうかは,当然    重要なことであって,その意味において,与えられた職務を遂行するための職業的技術    は,経営管理者にとって不可欠のものとして重視されなければならない。したがってその    ようなことから,「技能」の三つの構成要素中,とくにとの職業的技術が,しばしば強調さ    れすぎる傾向がある。これについてマ−ティンデルほつぎのように.批判している。すなわ    ち「技術の評価は,経営管理者が自己の義務を果すのにふさわしい技術的基礎(technical    base)を持っていることのみを立証するものであることを記憶しなければならない。あ.   

る経営管理者の職務上の知識は,彼が現に眉己の激務を垂生ぇごと,ないしは.,彼が組    織の中で仕事をすることができ,組織へ貢献することができることを,必ずしも保証す   

るものではない。たしかに.,それは,より後の進歩ないしは当該会社の成長に.よって,   

彼に・課されることになるかもしれない軍任の増加紅見合う潜在能力を,彼が持って:いる  

($8)   

ことを立証するものでほない。」と。このうち,「経営管理者の職務上の知識」が「現に自    己の職務を行なうこと」を「保証するものではない」という点は,つぎに説明する「勤    勉さ」や「誠実さ」との関連から述べているものと考えられる。したがっていまこれら    への配慮を無視し,かつ上記の主張を換言すると,その内容は,経営管理者がすくなく   

とも当面の職務を果すための技術的基鍵ほ,聴業的技術の側面から評価できるにしても,   

将来にかかわる経営管理者の潜在能力は,「技能」を構成する他の要素の評価に.またなけ    ばれならないことを意味する。いわば,「知能とり∫−ダーシツプは,経営管理者の現在の  

(39)   

技能と同じく,潜在能力についての判断を与え・る。」のである。  

2.知能 マ−ティンデルによれば,「知能ほ,すべての経営管理者の個人的特性につい    て,最もしばしばテストされ,たしかに最もはっきりと明らかにされている。歴史的    に,企業の経営管理者は,一・つの集団として,さまざまな知能テ・ストで非常に高く位置  

(40)   

づけられてきてい卑。」とし,「このような理由から,多くの会社では,知能テストが職員    選抜,とくに訓練を受ける経営管理者および下級経営管理者の選考に.おいて,その鍵を  

(41)   

なしている。」と述べている。いわば,知能テストによる評価は経営管理者の将来の判定    にあり,しかもその将来性は,下層より中層へ進む段階において意義があるものとして   

いる。さらにまた,マ−ティンデルは,業務担当管理者(operatizlgeXeCutive)の階層  

(39)(40)(41)(42)(43)(胡)MaI・tindell,A九炉α査\s〃J,p.124ハ   

(13)

籍47巻 発1号   104   

−JO・≠−  

および中間層の経営管理者にほ億とんどその価値がない,としながらも,それに関する    積極的な理由を指摘してはいない。  

3.9−タrVツプリ・−・r1−・Vツプほ,「最も個人的な資質(individualquality)であ    り,最も分析困難であり,そして経営管理者−、とくに旦4∠の経営管理者−の成功  

(42)   

か失敗かを支配する点で,多分最も重要である。」といわれるはど重視されている。しか    しながら,「リ−ダー・レップを判定するための判断基準のいくつかは,誠実さをもまた    侵害する。イ.エス・メソで取り巻かせる経営管理者は,リーダー・レップ能力の欠如もし   

くはとまかしからそうするのかもしれない。何も委譲しないで自分自身の能力にたよる  

(43)   

経営管理者は,(その能力がいかに大であるかを無視すれほ)決してり・−ダーではない。」   

と述べられてはいるが,「誠実さの侵害」そ・のものを無視してよいのかどうか,あるし1    は,それら以外具体的にどのような範囲まで評価すべきなのか,など紅ついては言及さ    れていない。   

マ・−ケインデルほ,これら三つの特餐を持つヅ−ダーは,組織にとって潜在的に多大な   価値をもつものとしている。しかし,このような技能咋,あくまでも「勤勉さ」や「誠実  

さ」との結びつきにおいて,現実の活動の上に発揮される。したがって,「勤勉さもしくは  

(44)  

誠実さの欠如ほ,最も偉大な才能でさえ香草することができる。」のである。  

(2)勤勉さ   

「勤勉さ」とは,「自己の諸技能を有効に使いたいとする欲求」であって,以下のような   二つの構成要素から成るものとされる。  

1.入念さ(diligence) 低い階層の従業員の勤勉さほ,主としてこの入念さそのものを    意味する。しかしそれは,勤勉さの第1の構成要素として経営管理者紅も必要であると   

いう。いわばそれによって,「会社にとって生産的である真に.有意義な仕事に時間を使う  

(45)   

こと」を可能ならしめるからであって,入念さがなけれ峠生ずる「重要でないことに没   

頚すること,副次的な戯務を委譲することへの無能力さ,あるいほその他の誤った方向  

(絹)   

紅向けられた努力,ほ全くの怠惰と同じ効果をもつ」こと紅なるわけである。  

2.率先性(initiative) 率先性ほ,その人自身の仕事を案出するととから成り,リ・−ダ  

−シップ同様,純粋紅経営管理者の特質である,といわれる。   

このような「勤勉さ」のみについて具体的な評価方法ほ示されていないが,経営管理者  

(45)(46)(47)MartiIlde牲,4動けの膚αJ,p..125.   

(14)

A.ⅠゆM,.の経営評価方式について(4)   −JO5−  

105  

に不可欠な三つの特性のすぺてを評価する方法紅ついて,マ−ティンデルほつぎのように   述べている。すなわち,「勤勉さにかかわる一つの質問は,また技能および誠実さにも適用  

される。その質問は独得の客観的な方法で三つのすべてをテストする。もし,ある経営管   痙者を評価するために,一つの質問のみが許されるならば,この一つほつぎのようなもの  

で十分であろう。すなわち,彼自身の職務嘩皇呈上艮史旦_乏_型z   である。こ.の質問への答ほ,彼の昇進したいとする欲求(勤勉さ)を明らかにするし,当  

該会社の将来に対する彼の関心(誠実さ)を明らかにし,そして人々を選び訓練する彼の   技髄を明らかにする。また同様にそれほ,彼の経営についての考え方(philosopby)の特  

(47)  

盟を明らかにすることもあろう。」と。  

(3)誠実さ   

「誠実さ」の評価は,困難であるが会社にとって最も致命的なものとされる。そして現   実にも,マ・−ティンデルは,「勤勉さ」もしくは「技能」を欠く以上に,「誠実さ」を欠く経   営管理者によって,アメリカの実美界や大衆は損害を受けている,と考えている0  

「誠実さ」は,「経済的機能」のカタづり一−,すなわち,「われわれの経済における会社の  

(48)  

役割を評価する」側面と大いに関係する。というのは,それが,マ−デインデルの「優れ   た経営および会社の成功は,長い目で見れば,会社がせいいっぱいの価値を与え,全般的  

(49)  

な福祉に積極的に責献することがないならば,得られるはずがない。」という評価上の基本  

的態度から必要とせられる特性であると考えられるからである。そして,そのように会社   がありうることは,会社の「誠実さ」に依存し,その会社の「誠実さ」は完全に職員(officeI■S   aTld pe王・SOnmel)紅依存する。したがって,「不幸にして,さ婚と重要でない地位において  

さえ,一つの悪いリンゴは共通の樽をだいなしにし,彼が影響をあたえるすづての人々に  

(50)  

よって会社の評判をだめにすることができる。」し,また,「会社自身の精神的健喪をあやう  

(51) くし,長期的紅ほ,事業そのものに対する公衆の尊敬をあやうくする。」ことになる。ここ  

にマ・ニチインデルが最も致命的と解する理由が存在する。   

ここでいう「誠実さ」は,正直さ(honesty)・安住感(responsibility)および私的自  

(48)Martinde11,AbPraisal,p.126.r この場合の「役割」を判断するための主たる要    因集団は,第1に,会社が提供する商品ならびにサービスの効用・必要性および質で    あり,貨2に,会社の義務の履行において創造された価値の純剰余(net su叩1us).で   ある,とされる。  

(49)(50)Martinde11,APPraiSal,p.126.  

(51)Ma叫nde11,AAかⅥわ〃J,p‖127 

(15)

第47巻一簡1号   106  

ーヱク6一  

専心(personalhonor)から成るものとされる。  

1い 正直さ ここで使われている意味には,肇なる信頗できることおよび欺きたくないこ    と以上のものが含まれるものとされ,具体的にほ,つぎのような内容が指摘されてい    る。すなわら,「一つのより重要な要素ほ.,人が道徳的な判断を行なうようにしむけ,そ    して,結果が自分に不愉快またほ不利な影響を与えようとも,正しい推論の結果を適用   

するようにしむけるところの理知的純粋さ(intellectualsincerity)である。それは,独    立の思考,かたよらない推論と判断,および意見の自由な表現を期待しかつ用いる心の  

(52)   

広さ,に帰着する。」と。  

2小 責任感 会社への忠誠心以上のものを意味し,その内容についてほつぎのように述べ    られている。すなわち,「もとより,それほ,経営管理者に割り当てられた領域内で進ん    で意思決定をなすこと,および誤りを認め,手早く誤りを訂正するとともに,誤り紅対   

し費任を負う道義心を含んでいる。それほ.また,情況の本質を把握する能力と意志を含    み,さら紅,正しいことをなす道徳的な強さとともに.,どのような行動方剥があたえら    れようとも,実践と倫理の両者の閑適を現実的に考えぬく,そのような能力と意志,を  

(53)   

含んでいる。」と。  

3。私的自尊心 これは,「地位・職業および他人との関係における最高規準(bigbest・  

(51)   

Stan申Ⅰ・ds)の習慣的,ほとんど本能的使鳳」を意味するものとされる。   

このような「誠実さ」について−の重要な評価要因として,マ−ティンデルほ,「経営管理   者の社会責任の受け入れ」をあげている。多くの会社は,都市や州や国の仕事にその職長   をふりあでてノいる。しかし,「 誠実さ」の評価との関連からほ,こゐような単なる公民的仕   事への参加そのものが問題となるのではない。その場合,会社もしくほ.経営管理者の参加   が,現紅社会に役立っているかどうか,他方からいえ鱒,公共の利益が私的利益の犠牲に  なっていないかどうか,が評価上重要であるとされる。  

(4)主要経営管理者   

すでに考察してきたところによれば,主要経営管理者(Chief executive)とほ,社長お  

(55)  

よび取締役会議長(prsidentsand boardchairman)を指すもの≒された。しかしここ  

(52)Martindeil,APPraisal,p…1261・−  

(53)MaI・tindell,′A♪βγαよ,SαJ,pp..126【7.  

(54)MaItindell,4如け由SαJ,p…127・  

(55)MaI・tindell,AAか■扇SβJ,p…79い   

(16)

A.Ⅰ.M.・の経営評価方式について(4)   ーJ♂7−  

107  

では,社長のみを対象としている。それは,マ−ティンデルが,取締役会議長ほ「取締役   会分析」のカテゴリーの中で評価されることになって−いると考えているからである,と推  

定される。   

ところで,すで紅あげた経営管理者の三つの特質に加えて,このように.主要経営管理者   たる社長を,ここでとく紅とりあげよたとするのほ,その役割が「単に・唾壁咋かりでな  

(56)  

く,堕里においても,会社の他の経営管理者のそれとは異なる」からであるという。すな   わち,その部下である他の経営管理者が,仮の決定のみをなし,部分的にしか代表しない   のに対し,社長ほ,取締役会の方針に従うにしても,運営上の最終的な決定をなし,会社   全体を代表し,かつその持つり−ダーシップという無形の特性は.,全組織を将来に向って  

動かさなけれほならない。そのさいの社長によって■果たされる機能を以前のよう紅あから   さま紅示すととはできないが,その会社を指揮する方法は,独裁的ではなくなり,より禎   稚かつ巧妙紅なり,またその決定ほ私的確信よりも調査結果に基礎を置くようになってき 

ており,さら紅いくつかの分野,そのうらとくに公共に対する会社の代表者ならびに経営   管理者の育成者,としての権限と責任ほ,以前にも増してはっきりしたものになってきて   いるからである,といわれる。   

マーサインデル紅よれは,このような社長の機能は,結局,組織内外に対する「セ−ル   スマン」であるという。すなわち,「主要経営管理者ほ,ますます自分自身を,新しい方針  

を取締役会や部下へ売り,それから新しい考え(ideas)をひきだすところの,自己の組  

(57)  

織内のセ−ルスマンとして理解する。」とし,また企業体の公共関係のすぺてについても同   じようにいえる,ものとしている。そしてさらにまた,後者の役割ほ,政治的規制の増大,  

株式所有の拡大,実務界蔽おける公共的賓任感の全般的な進展,の結果,重要性が増大し   てきているものとされる。換言すれば,この項目との関連においては,このような内容を   もった「セ−ルスマン」としての評価が,とくに主要経営管理者に適用されるべきものと   理解される。  

(5)経営管理者の選抜   

理想的には,会社によって異なる用語で表現されることがあっても,内容的にほ,技能・  

勤勉さおよび誠実さの評価によって,経営管理者を選抜すべきものとされる。しかし現実   紅は,類族関係・大学・宗教・社会的身分・政党などの関係から選抜されることがある。  

(56)(57)Martindell,AP♪raisal,p.128日   

(17)

第47巻 第1号   108  

−Jクβ−  

(58)  

このような「えこひきと派閥心が,多くの会社の大部分の問題をひきおこしてきている」  

と.される。そのなかでも,マ−ティンデルがとくに問題とするところほ同族登用について   である。彼は,彼の協会が調査した結果から,「経営管理者集団内に同族登用をする会社の  

総てが,必ずしも最終的に失敗するわけでほないし,ある期間中,優れて経営されて小る  

とも思われない。結局,事業の成功と失敗に寄与する多くの要因が存在ナる。しかし,常   習的同族登用ほ事業の失敗の原因となって旦‡薫旦,多くの事業鱒成長を妨げてきてお  

(59)  

り,そしてさらにその他のことをも遅らせ邪魔してきている。」と述べている。このような   同族登用を悪いものとする具体的な理由ほ,つぎのような三点であるという。  

1.技能・勤勉さおよび誠実さと関係のない判断基準で選抜される場合,その経営管理者    ほ任務を不正確に.遂行し,会社に.損害を与えることとなる。  

2.会社の経営管理者育成プログラムを挫折させる。近親者もしくほ派閥の一・見でない者    は,その進歩に対する重要な動機である昇進を否定される。  

3.公費で支え.られた会社では,同族登用は真の事業の所有者の権利を破壊する。その組    織の全く公共的な性格ほ,ある家族の私的利益のために否定される。  

(6)経営管理者の育成(executive development)   

経営管理者を育成するさい,その籍1の必要条件は,可能なときはいつでも会社内部か   ら経営管理者をひきあげることである,という。それは,自己の技能をすでに証明してき   ているし,忠誠心やサ1−ビスによって−その勤勉さや誠実さを示してきており,会社の新し   い方針や人々に対する個人的適応の期間も必要としない,という理由からである。また,  

それについで必要なことは,会社がその運営管理者紅自分自身を啓発する機会を提供しな   ければならないこと,であるという。マ・−ナインデルは,この点をさらに強調して,つぎ  

(¢0)  

のような箇条書を述べている。  

1.すべての経営管理者ほ,自己の直接の部下を訓練するという基本的な務めを持つ。そ    の務めを避けるような職員は,無能力であり,怠惰であり,あるいは勤勉さに欠けてい    る。  

2w すべての会社は,その特定の経営管理者の欲求(needs)が,将来の2年,5年およ   

び10年にとのようなものになりそうかを知らなければならない。  

(58)Martindell,AbbraiSal,pl・129l  

(59)Martindell,APPraisal,p 130‖  

(60)MaI・tindell,A♪♪rαilSαJ,p.132    

(18)

A.Ⅰ.・M.の経営評価方式について(4)   →Jク9−  

109  

3.すべての会社は,商品やサ−ビスを生産するのと同じように,その経営管理者の育成    についても,何ぢかの墾螢堕方法を持たなければならない。   

マー・ダインデルは,学校教育的プログラムほ,あくまでも各会社の育成努力に対する補   助的なもの,と考えている。しかしながら,「最近」調査の155の会社中,自己のフか・−マ   ルな育成プログラムをもつ会社ほ,そのうちわずか8パ−セントしかなく,大部分の会社   が大学のセミナーを頼って−いる,としてその実情を欺いてち、る。いずれ紅せよ,どのよう   な会社であろうと,経営管理者の育成ほ,優れた経営を達成する紅は致命的なものであ   る。したがってそれほ,公正に取り上げ,現実的に組織化し,最大の成果をあげるよう絶   えず追求されなければならない。そしてまたそれと同時に,他面において,経営管理者の   支持も必要であるとともに.,経営管理者の選抜との関連も重視されなければならないも   の,とされる。  

(7)命令の統一・性   

これまで,このカタコリーにおいてあげてきた項目のすぺておよび内容の大部分は,新   版紅j己載されていたものである。しかし,それらほ,旧版でほ異なる項目名に属する説明   のなかに,その内容との関連という形で,すくなくとも分散的に少しつづつふれられてい   たにすぎない。とくに,経営管理者の三つの特質としての技能・勤勉さ・誠実さ紅ついて   ほ,項目ばかりでなく内容についても,旧版ではほとんど直接にほふれられていない。こ   のような,これまであげてきた項目とは異なり,それらとはちょうど反対に,旧版でほ1   章を設けて述べられていたに.もかかわらず,新版においてははとんど説明されでいないの   が,この「命令の統一性」である。したがって,この項目ほむしろ旧版を通じて一考察する  

ことにな去が,これまでの項目の説明と内容的に重複すると思われるところも多い。した   がって,マ−・ティンデルが「命令の統一・性」の名のもと把持檎したかったであろうと推定   される他の項目と異なる点を,以下考察するのみ紅とどめたい。   

マ−・ティンデルは,企業が法律的なものであると同時に人間的存在(humanentities)  

でもあるとする。前者の立場からは,企業を達成された成果で判断しようとするの紅対し   て,後者からは,経営管理者間,とく紅上下の階層間における理解と尊敬ないし愛の存在   に.よって企業を判定しようとする,ものと理解される。そして,この項目との関係におい  

ては,後者がとくに重視されるべきものとなる。いわば,「単なる自己の利益からではな  

く,リ−タ・一に対する愛(love)から,リーダーに意識的に従う人々の集団は,奮いたつ軍   

(19)

第47巻 貸1号   110  

−・ヱヱクー  

(81)  

隊と同様に,企業内での完全な統一・の表現である。」とされる。また,マーデインデルは,  

つぎのようへにも表現している。すなわち,単に人の言いなりになる専門技術家ではなく,人   間としで人間に興味を持つ人々に.リ−ドされた会社は;「なしうる最も豊かな自己表現を仕  

(¢2)  

事の申に見いだすような有能な人々を,その組織からはとんど失うことがない.」。このこと   は,「これらり−ダー・逮が退職しあるいは死去した後でさえ.も,会社が永続的成功を享受す  

(88) る原因」になる。というのは,「会社は,個人とちょうど同じ様に,一つの性格を表わす。  

その性格ほ特定の方法で成長し,習慣を持ち,条件反射をみせる。特定タイプの人々は,  

らようど個人に,ひきつけられるように,その特別な性格(qualities)によって,会社に  

(鋸)  

きつけられる。その雰囲気(atmosphe王e)は,それを創造する者よりも生き延びる。」と。  

換言すれは,「命令の統一性」とほ,このような命令を統一↓うる「雰囲気」ならびにチー  

ムワ]−クないしチ−㌧ムワークの精神(spirit ofteamwozk)を直接に問題とする項目であ   るといえる。マ」−ティンデルほ,新版にいたって,このような「雰囲気」は,技能・勤勉  

さ・誠実さの三つの樽質な持つ経営管理者に.よって,醸成されると考えるに.いたっていた   ものと思われる。したがって,基本的にほ.,「命令の統一・性」に関する評価ほ,.それら経営   管理者に関する各特貿を評価する項目に依存するものといえよう。ただ,この項目に.おい  

て中心とすべき評価の対象ほ,個々の経営管理者ないしその特質ではなくして,あくまで   もそれらの総体としての「雰囲気」でなけれはならない。もし,経営管理者それぞれの特   質がそのままイ雰囲気」を形成するものとすれば,経営管理者の個々人の特質の評価の総   計が,「雰囲気」としての総体の評価に,そのままつながるものと理解しうるであろう。し  

かしまた逆紅,「雰囲気」の永続性を乱す要因が考えられるとすれば,それら二つの評価は1   このような妨害するもの紅よって,必ずしも同じものとほいえないことになる。そこでま   た,総体として,ないしチ−ムワ−クとしての観点から,このようなもともとありうぺき   ものないしその永続性を連接妨害する条件を確認し,経営管理者の特質の評価とは別紅,  

「命令の統一催」として評価する必要が生じてくることになる。マーティンデルが,新版   において,「命令の統一健」についての説明を何も行なわなかった員意ほ,必ずしも明らか  

(61)Martindell,Scientijic AbP7・・aisal,p。105.  

(62)(63)Martindell,Scieniific APP7J・ailSal,pい106 

(64)MaI・tindell,∫d♂〝J∠ノZ■√A♪♪′−〃∠1∫〃J,ppり106−7 

(20)

A.J.M.の経営評価方式について(4)   −エ‖㌧−  

ユ11  

(¢5)  

ではないが,彼が旧版においてあげた諸点も,このような妨害するものないし直接妨害す   るこ.とになる影響要因を,評価の対象として,「命令の統一・性.」の名のもとに行なおうとす   る意図があったのでほないかと推定される。   

このカテゴリーでほ結局,経営管理者の三つの特質とその育成ならびにそれらな基礎と   しでつくられる「雰囲気」に.かかわる判定,が評価の中心をなす,ということができよ   う。ただ,新版の「優れた経営の監査」の章における「経営管理者の質」の説明のしめく   くりの部分で,「現在の経営管理者グル叫プは,最近二の過去の結果が確証しているように,  

優秀でるあ。A.Ⅰ.M.が10年以上にわたって判断基準としてご通常使用しているのである   が,当該グループが経営の優秀性紅寄与している特質(characteristics)・見解(outlook)  

および動機づけ(motivations)を持続しかつ改善するであろう,ところのあらゆる見込が  

〈印)  

存在する。」と述べられている。つまり,経営管理者個々の特質に.しても,最終的に.ほ,グ   ループ全体として評価されることになるものと理解される。  

(65)旧版の「命令の統一一性」の塞の項目にほ,①「統一・性の崩壊(bIeakdownof unity)」   

⑧「不統一・の原因としての同族登用(nepotismasacauseofdisunity)」⑧「有能    な経営管理者の不足(thes?arCityofexecutivematerial)」④「チ・・−ムワ・−ク者と    個人主義者(teamworkers andindividualists)」などがあげられている。このうち   

①では.内部的対立(internal conflict)ないし内部政略(internalpolitics)が主と   してとりあげられており,それがとくに上部の階層匿おいて\重大な問題に.なっている    場合は,当該企業の過渡期とみなされるので,「経営の質」について−の判断ほ中止され   

るぺきものとしている。㊥では,或る企業の主要経営管理者である社長の隠退と,そ    の息子の後継にかかわる副社長との関係,などの実例をあげ,とくに社長への同族登    用は,企業全体の雰囲気やムードを破壊するおそれがあることを指摘している。また   

⑧では,少壮の経営管理者は金高ばかりではなく学ぶことができる高い能力のある人    と交わることができることによっても企業にひきつけられること,およぴ,有能な経    営管理者の需要ほ供給をうわまわるので,経営の質の維持に関心のある会社は,この    限られた人材の供給に対して−,望ましい雇用方針やチームワークの精神を確立するよ  

うにしで,競争に対応できるような準備がなされなければならないこと,などが強調   されている。さらに.④では,よく経営された小規模企業でも,「横暴で,異常な肉体的    エネルギーを持ら,他人の欠点はがまんできないで自分自身にはしばしば蓄である」   

リ−ダー・達が多くみられる。その場合,「活力,大胆さ,想像力および個人的権勢が,競    争的レースにおいでは非常に遠くまで企業を駆りたてることができる」が,彼らが辞    職もしくほ死去すると,かなり多くの盃要な経営問題を残す。とくにワン・マン会社   紅おいてほ.,その者が会社を去ると,「残されたものはまさに空の券。」となる,という   

ような点が指摘されている。これらのうち,①⑧④ほ,命令を統一↓うる雰囲気ない   しチ−ムワークの精神,の永続性を妨害する要因としても理解するこ.とができるであ   ろう、。Cf.Martindell,Scientific APPraisal,pp.PlO2−120 

(66)Martindell,Apbraisal,p。192.   

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く︑極あて具体的に︑できうるかぎり客観的に把握することに

− 174 − 証している。この組織社会化(組織固有の文化を 受け入れ、決まったものの見方を身につける)を

(全国社会福祉協議会( 2008 )「社会福祉施設の 人材確保・育成に関する調査 報告書」 p.17 /以 下「全社協調査」( 2008 )とする

と言えよう。従って、当然小学校での既習箇所と重複する部分も出てくる。では、中学校

が認められる範囲も広げる必要があるとする見解 39) 、③商号以外の譲渡当事者間の密接な関 係性・同一性を持ち込むことは会社法 22

おく必要があろう︒ れらは﹁少年のニ l ズ﹂と﹁社会のニ l