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直交磁界形脱磁装置の構成を図

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Academic year: 2021

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(1)

磁化 または磁束変動を利用 した ものについて述べ られている.

それに対 して,直交磁界形脱磁装置は, 1 回の強力なパルス電流によって形成 され る直交 磁界に よって,磁心に非可逆的な磁化の変化を生 じさせて,脱磁をおこな うものである

(4).

直交磁界を利用 した脱磁は,脱磁 しようとす る残留磁気の方向 と,脱磁用磁界の方向 とが 直交 している点において,従来の脱磁法とは磁気的な構成が まった く異なってい る.

本論文では,直交磁界形脱磁装置について,直交磁界を加えることに よって,残留磁気が 減少す る様子を解析 し,また,実験 との比較をおこなってい る.直交磁界は被脱磁体の一部 分に加えるだけであ り,その結果生 じる磁気的境界の形成す る反磁界が脱磁状態を決定す る 重要な因子 となることを明 らかに している.

2.直交磁界の作用

直交磁界形脱磁装置の構成を図

1

に示す.解析を簡単にす るために,被脱磁体

M

は一軸異 方性環状テ‑プ巻磁心 とし.円柱座標系

(

T

,0,36)

を考える.

直交磁界

Hz

は励磁巻線

W

に流れ る電流 tに よって形成 され,直交磁界発生用磁極

P,PI

に よって被脱磁体に加え られる.電流 ‡は,直交磁界発生回路の コ ソデ ソサ

C

を放電す るこ とに よって得 られ るパルス電流であ り,巻線の温度上昇の制限を受けずに,強力な直交磁界 を発生できる.被脱磁体の磁束変化は,さ く ・りコイル

W

タ に よって検出され,衝撃検流計 BG

または積分回路を用いて測定 される.

直交磁界

Hz

の大 きさは次式で定義する.

Hz‑?i ‑・‑(1)

ここに

,W :

励磁巻線の巻数, I:直交磁界が通過す る磁路の長 さ

計算値 と実測値 との比較をお こな うため,(

1)

式の誤差が小 さくなるよ うに,磁極

P,P

Jと 環状磁心 との間のギ ャップは極力小さくしてい る.

★ 昭和

50

2

月 電気学会磁気応用研究会において発表

電気工学科助教授

原稿受付 昭和

50

9月30

(2)

60 長野工業 高等 専門学校紀要 ・第6

1

脱磁装置の構成

2

直交磁界の作用

環状磁心の 0方向に,磁界

H

を加え,最大磁束密度

Bmまで磁化 した後,磁界H

を取去 る.

その結果,初期残留磁気

B

n . が形成される.

つ ぎに,環状磁心の一部に直交磁界

H

lを加える.直交磁界が環状磁心に直接影響を与え る部分を領域

(

)

,その他の部分を領域

(

)

とし,それぞれの領域の磁路の長 さを l l , l 丑とす る.領域

(I)

と(

Ⅱ)

は,直交磁界の有無によって磁化状態に差を生 じるため,領域間に磁気的 な境界面を生 じる.境界面は図

2

に示 した ように, β方向に付 して垂直 とみなせるものとす

る.

磁気的境界面の形成に よって,領域

()に生 じる反磁界H edと,領域(

)

の磁界

H o

lと の関係は,

H

o

lll‑Hodl2 ‑ ・‑ ‑ ・‑(2)

と表わせる.

領域

(

),(

)

の磁化

Jl,J2

は直交磁界の作用によって,それぞれ 3 6方向とpl ,P2をなす 方向に向け られるとして,J

l,J

空の

0

方向成分

Jel,JC2

は次式で表わされ る.

Jc,‑J,・sing.1

・ ・

‑ ・・・・・・‑・(3)

ここに,i‑1,2

この場合,磁心の個個の磁区の磁化容易方向は完全に一致 しているわけでな く,磁区構造 等に よって定 まる一定の分布を示すはずであるが,ここでは, このような分布を無視 してい

る.

漏れ磁束がないものとして, e方向の磁束密度 Bu磁束の連続性か ら

B‑FEoHol+Jo1

‑‑FLoHod+Joe ‑ ‑ ・‑ ・‑・(4)

(3)

N‑17fT2 ‑‑‑‑・(7)

が得 られ る.

( 7 ) 式は環状磁路の一部にエアギ ャップを設け,漏れ磁束を無祝 して計算 した場合 の 反磁 界係数 と同 じ結果である

(5

) .したが って,磁化

J

lが完全に 3 6方向に向け られた と仮定 した場 合は

,J♂1

0 とな り,領域 ( I ) の作用はエアギ ャップと等価であるといえる.

つぎに,磁化

J

lには,直交磁界

H

L ,磁界

Ho

lお よび環状磁心の異方性磁界

Hao

が作 用 してお り, これ らに より,磁化

J

lに作用するモーメン ト

T

T‑Jl(Hol+Hao)cospl‑JIHZSinpl ‑‑‑‑

‑( 8) である.

磁化

J

lは常にモーメソ トの平衡が とれ る方向に向 くものとみなせるな らば,

7‑

0 とし て,J

1

について整理すると

H od+Haer+Hz2

が得 られ る.

直交磁界を増加す るにつれて,領域

(

I

)

と(

)

との磁化 状態の差は大 きくなるか ら,それ と共に,反磁界

Hed

は 増加 してい く. したが って,磁心の磁気的状態は,図

3

の矢印のように, ヒステ 1 )シスループの減磁曲線上を移 動する.

減磁 曲線を次式で近似す る

(6).

β=‑H

o d+Hc

H

c H o d

Bl

E Bm

‑‑‑‑(10)

ここに

,Hc:

保持力

以上の式を整理 して,次式が得 られ る.

‑‑‑‑‑(9)

‑Ilc ‑fled

3 減 磁 曲 線

(4)

62

長野工業高等専門学校紀要 ・第

6

0.5 1.0

〃rHT)

1.5 0.5 1.0 βrHT)

1.5

4 Bm‑Br''特性 5 Lh‑Bri特性

H z‑(

(

)2‑(Hao

)21%

‑ ‑・ ‑ ・ ‑

‑(ll) (l

l

)

式は,直交磁界

Hz

と磁束密度

B

との関係を示す式であ り,両者の関係は,磁心の磁 気的特性,初期残留磁気,領域 の,(

Ⅱ)

の磁路の長 さに よって決定ずけ られている.

(ll)

式に含 まれている磁心の特性について考察 してみると,初期残留磁気

B

, . ・ は最大磁束 密度

Bm

と磁心の特性に よって決定され るが,図

4

にその特性の一例 として,方向性けい素 鋼磁心の場合について示す.また,初期残留磁気 と保持力 との関係の一例は図

5

であ り, こ れ らの関係は, ここで示 した範囲では,それぞれ次式で表わせ る.

Bm‑bmB,ia

Hc‑hcBr‑・0

ここに,b m,hc

,β:磁心の特性に より定 まる定数

このような特性を

(ll)

式に代入 し

,FLoHed<SB

とみなせ るな らば

Hl‑b‑H%B;[β2

bmB'

一 票

i‑r

‑J (

)2‑B2yi

ここに,

γ‑B/B'.

に よって,直交磁界

H

lと磁束密度B との関係を表わせる.

さ らに

,B≪B,

. 1お よび

α̲β=1とみなせ るな らば B

芝 J

l

‑ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

(12)

‑ ‑‑ ‑・

‑(13)

・ ‑ ‑・ ‑ ・ ・

‑(14)

‑‑‑(

1 5 ) で近似できる.

直交磁界

Hz

と磁束密度

Bとの関係は図6

である.計算値は(

14)

式を用いてお り,磁化 Jl

は直交磁界が大 きいことか ら飽和磁化

Js

を採用 している.Js は,最大磁束密度

Bm

が飽和

磁束密度

Bs

になるような磁界

Hs

を加えた とき,次式で決定 した。

(5)

2 4 6 8 10 flz(KA/m)

6 Hz‑B特性 (静特吐)

2 4

JJ(KA/ml

図7 パルス直交磁界の作用

Js‑Bs‑FLoHs (

1 6) 磁束密度の変化は非可逆的であ り,図

6

は直交磁界を零か ら次第に増加させた場合につい て実測をお こな っている.

磁化 Jlの大 きさに近似を用いた こと, 異方性磁界を無祝 した こと, お よび直交磁界を求 め る

(1)

式に誤差が予想され ることなどか ら計算値 と実測値 との間には相違が左 られ るが, 全般的な傾向は( 1 4) 式によって, じゅうぶん説明されているものと考え られ る.

3.

パ ル ス直 交 磁 界 に よ る脱 磁

磁心の磁束密度を相当広い範囲にわた って非可逆的な変化をさせ るためには励磁巻線

W

に 相当大 きな電流を流す必要がある. これは, コソデ ソサ放電に よって流れ る電流を利用すれ ば よく,その結果パルス直交磁界が形成 される.

パルス直交磁界を加えた場合の磁束密度変化を図

7

に示す.直交磁界の増加 と共に磁束密 度は図

7

の点

R

か ら次節に減少をは じめ,H2‑H I M

,(i‑tm)

では点

S

に達す る. この瞬間 か ら直交磁界は減少をは じめ,磁心に対す る直交磁界の影響が減少す るため磁束密度は曲線

ST

に沿 ってゆ るやかに増加 し

T

点に達する.

最大直交磁界が

H zmであるようなパルス直交磁界を加えた場合,磁心に最終的に残 って

いる残留磁気 ふ との関係を図 8に 示 す.残留磁気の計算には( 1 4) 式をそのまま用いた.

Hzm>20kA/

m では,磁極 P

, P

Iが飽和に達 し,実際上残留磁気を減少させ る効果はそ

れ以上増加 しないため,それ以上の範囲では一定になるもの として計算結果を示 した.

(6)

長野工業高等 専門学校紀要 ・第

6号

20 40 60 80 JJ爪rKA/m)

8 Hzm‑Br

特性

Hz^!P\VOS「̲̲ト十0^!pJ^otsa

胚 賢

≡ ATJ陀同国

02

4

681t(ms)012

9

シロ

ラム

9

のオシ ログラムは直交磁界 を形成す る コンデ ンサ

C

の放電電流の波形 と,環 状磁心 に巻かれたさ く ・りコイル

Ws

に 生 じる誘起電 圧 e sの時間的変化であ る.磁束変化は

es

の 時間積分値で与え られ る.最大直交磁界を大 き くとってい るため

,es

の極性は一方に偏 し てお り,磁束 のもどり現象はみ られていない.

4.

本論文では一軸異方性を持 った磁心 の一部分に加え られ る直交磁界の非可逆的作用につい て解析 し,直交磁界 と磁束密度 との関係を求め, さらに実験的な検討 をお こな ってい る.

筆者は直交脱磁法の応用 として,環状磁心や電磁石の脱滋 のほかに,零相変流器な どの よ うに初透磁率付近で用い られ る装置の試験特性の再現性の向上や,変圧器の励磁突入電流防 止な どに も適用できるもの と考えて検討中である.

おわ りにあた り, 日頃 ご指導いただいてい る信州大学 山田‑ 助教授,お よび, ご討論 いただいた本校電気工学科談話会のメンバー諸氏に謝意を表す る次第である.

( 1 ) M.A. Po3e H6J l aT:州a rHI t TH王 J e3J L eMeHTh laBTOMaTHKH H Bm H

CJtHT

e刀hHOf iTeXHHKZ l

.CTp

4

7

7.( 1 966)爪oez く J i a

( 2 ) 竹内,市岡他 :電気学会論文誌 vol .9 3 ‑ C ,No.2,P 27 ( 1 973) ( 3 ) 大島,渡辺他 :昭 45 電気四学会連合大会 No.2465

( 4 ) 山本,山田 :電気学会磁気応用研究会資料 AM‑73‑ll( 1 973) ( 5 ) 竹山 :電磁気学現象理論 P292 ( 昭 37)丸善

( 6 ) 茂木 :磁気回路 P57

(

37)共立 出版

参照

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