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再発について 寺 山 百合子 須 藤 美穂子

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弘 前 医 学 59:65‑70,2008

原 著

透析患者の二次性副甲状腺機能元進症 に対す る副甲状腺摘出術後の 再発について

寺 山 百合子 須 藤 美穂子 山 谷 金 光 昭 志 舟 生 富 寿

抄録 透析患 者 の進行 した二次性 副 甲状腺機 能克進症 (SHPT)に対 して副 甲状腺全摘 出術 後 自家移植術 (PTx・AT) が行 われてい る,副 甲状腺 の局在部位 は一定せず,4腺 以上存在す る例 もあ るので,最初 の手術 で全摘 出で きない こ と

もあ る. 時 にPTx・AT後 残存 腺 や移植腺 か らのPTH分泌 克進 に よ りSHPTが再発 す る. われ われ はPTx・AT の再発率 を検討 した.対 象 は92例,101回のPTxで あ る.摘 出腺 数 と手術 翌 日の血清PTHに よ り5群 に分 けた.捕 出 腺 数 とpTH (pg/ml) は 平 均 値 で そ れ ぞ れ,A4.1,15,B4.1,280,C2.8.29,D2.8,371お よ びE 秤 (再 手術 例 )1.4,28で あ った. 再発 の基準 はPTH>300pg/mlと した.手術 翌 日PTH<60pg/mlA,Cお よび E群 の再 発率 はそ れぞ れ11.9,20.0,16.6% と低 く, 手術 翌 日PTH≧60pg/mlBお よびD群 で は再 発 率 は約70%

と高か った.再発 時 のPTH産生 はA,C群 お よびE群 で は ほ とん どが移植 腺,Bお よびD群 で は残存 腺 で あ った. 弘前 医学 59:65‑70,2008 キー ワー ド :透析患者 ;副 甲状腺 ホルモ ン ;二次性副 甲状腺機能克進症 ;副 甲状腺摘 出術 ;再発率.

ORIGINALARTICLE

RECURRENCEAFTERPARATtIYROIDECTOMYINDIALISISPATIENTS WITHSECONDARYHYPERPARATHYROIDISM

YurikoTerayama,MihokoSuto,MegumiTsushima,KanemitsuYamaya, HisaoSaito,AkishiMomose,andTomihisaFunyu

Abstract Totalparathyroidectomywithautotransplantation (PTx・AT)isperformedindialysispatientswith advancedsecondaryhyperparathyroidism (SHPT).Thelocationofglandsisnotdefinite,some,patientshave morethan4,andsoallparathyroidglandsarenotalwaysremovedduringinitialPTx.Occasionally.SHPT after PTxrecursbecausePTH oversecretionfrom remnantglandsorautograft.Weexaminedrecurrenceafter PTx・AT.Subjectswere92patientswithSHPT,101PTxwereperformed.Thepatientsweresubdivided into5groupsaccordingtonumberofremovedglandsandserum PTH onthenextdayaftersurgery,mean numberofremovedglandsandserum PTH (pg/ml)ineachgroup,respectively,groupA;4.1,15,groupB;

4.2,280,groupC;2.8,29,groupD;2.8,371andgroupE (casesofreoperation);1.4,28.Criterionforrecurrence wasdefinedasPTH>300pg/ml.Recurrenceratewaslow inserum PTH<60pg/mlonthenextdayafter PTx,ingroupA(ll.9%),groupC (20.0%)andgroupE (16.6%). ontheotherhand,recurrenceratewas highingroupB andgroupD almost70% inthesegroupofserum PTH≧60pg/mlonthenextdayafter PTx.PTH almostsecretedfrom autograftingroupA,C andE,andfrom remnantglandsingroupB andD.

HirdsakiMed.J.59:65‑70,2008 Keywords:Dialysispatients;Parathyroidhormone;Secondaryhyperparathyroidism;

Parathyroidectomy;Recurrencerate.

OyokyoKidneyResearchInstitute Correspondence:Y.Terayama

Receivedforpublication,October23,2007 Acceptedforpublication,December4,2007

財 団法 人鷹揚 郷 腎研 究所 弘前病 院 別刷請求先 :寺 山百合子

平成191023日受付 平成19124日受理

(2)

は じめ に

慢性 腎不全 による透析患者では透析期 間が長 く なるにつ れ二 次性 副 甲状 腺 機 能克 進症 (SHPT) の発症率が高 くな り,内科 的治療 に抵抗性 となっ た場合 には副 甲状腺摘 出術 (PTx)が行 われ る.

SHPTに対 す るPTx施行 例 の割 合 は透析 期 間2 年末満 の1.7%か ら透析期 間が長 くなる とともに 漸増 し,10年以上 で9.4%,25年以上では33.7%

に達 し, 全 期 間 で み る と, 透 析 患 者 の5.4% に pTxが施行 されているL).

SHPTに よるPTxで は術 後 の再発予 防のため 副 甲状腺の全摘 出が原則であ り,術後 の副 甲状腺 機 能低 下症 を防 ぐため に,摘 出腺 の一部 を前腕 に 自家移植 す るのが一般 的である2).副 甲状腺 は 通常4腺存在す るが,SHPTに よる過形成副 甲状 腺 は5腺以上存在す る場合や,胸腺 内や縦 隔内な ど異所性 に存在す ることがあ り3・4),1回の手術 で 全腺 を摘 出す るのは必ず しも容易 ではない.PTx

に際 して全摘 出す る予定で始 めて も4腺以上摘 出 で きず,亜全摘 出術 になる場合や, 自家移植 され た副 甲状腺 が過形 成 とな り,再 びSHPTとな る 場合 も散見 される25)

われ われ はPTxが行 われた症例 につ いて術前 お よび術後 には手術翌 日か ら定期 的に血清副 甲状 腺 ホ ルモ ン (PTH)を測 定 してい るので,全摘 出で きたか,亜 全摘 出 に終 わ ったか,経 過 中 に SHPTが再発 したか を確認で きる.そ こで,PTx 時の摘 出腺 数 と手術 翌 日の血清PTHレベ ルに よ

り群別 し,SHPTの再発率 について検討 した.

対象と方法

対 象 は19964〜20077月 に 高 度 の SHPTの た めPTxを施 行 され た20‑78 (52.9± ll.9)歳,透析 期 間1‑293 (120±56)ヵ月の維 持 透 析 治療 中 の患 者92例 で あ る. 透 析 方 法 は 血 液透析84例,腹 膜透析8例 であ る.SHPT 診 断基準 はK/DOQIガイ ドラ イ ン6'に よるPTH 300pg/ml以 上 と した. また,PTxの適 応 基 準

は 日本透析 医学会のガイ ドライン7)に従 ってPTH 500pg/ml以 上,6.0mg/dl以 上 の 高 リ ン血 症, 10mg/dl以上 の高 カル シウム血症 が存在 し,骨 関節痛,痛 棒 な どの 臨床症 状 を有 し,且 つ超 音

波 検 査,CT画 像 お よ び99mTcmethoxyisobutyl isonitrileシ ンチ グ ラム に よる副 甲状 腺 の画像 診 断で2腺 以上 の腫大 を認 め た場合 と した.89 1回 目のPTxが行 われ,89例 中9例 に2回 目 PTxが行 われた. さ らに過去 に亜全摘 出術 が 行 われた1例 と過去 に甲状 腺半切 除術 が行 われ, 片側の副 甲状腺が摘 出 された と思 われる2例の計 101PTxが行 われ た.手術 時 に摘 出 され た副 甲状腺 はそれぞれの重量 を測定 し,病理組織学 的 に副 甲状腺であることを確認 した.摘 出 された副 甲状腺 の中か ら原則 として最 も小 さい腺 を1.5× 1.5×1.5mm程 度に細切 した切片5‑20個 を前腕 に 自家移植 した.術後PTH300pg/mlを超 え た時期 をSHPTの再発 とした.

術 前, 手 術 翌 日, 術 後1カ月,3カ月,6 月,以後6カ月毎 に最長120カ月 まで採血 し,血 PTHを測 定 した.PTHは,1996〜2002 にはア レグロIntactPTH (日本 メジフ ィジ ック ス) にて,2003年 か らはエ クルー シス イ ン タク トPTH (ロ シュ ・ダイアグ ノシス) にて測定 さ れた.

結果 は平均値±SDで示 した.群 問の比較 はⅩ 2

検 定,Kruska1Wallis検 定 お よ びKaplan‑Meier 法 によ り,p<0.05を有意 とした.

結 果

92101回のPTxを手術 時の摘 由腺数 と,辛 術 翌 日の血清PTHに よ りA〜E5群 に分類 し

.A群 は摘 出腺 数4以上 で翌 日PTH<60pg/

ml42例,B群 は摘 出腺 数4以上 であ るが翌 日 PTH≧60pg/ml13例,C群 は摘 出腺数3以下 で翌 日PTH<60pg/ml10例,D群 は摘 出腺 3以 下 で翌 日PTH≧60pg/ml24例 お よび E群 は2回 目のPTx施行例 で,A群 とC群 の再 発各1例,D群 の7例お よび1回 目の結果が な く 2回 目のみの3例 の12例 であ る (表 1).A群 と C群 は全摘 出 され た群,B群 とD群 は亜 全摘 出 に終 わった群 とみなせ る. これ ら5群 において年 齢,透析期 間に差が な く,PTx前 のPTHは平均 値が全群 1000pg/mlを超 え,差が なか った.翌 日のPTHは当然A群,C群,E群がB群,D よ り低値 であった (表 1).

A〜Eの各群 における摘 出腺数,摘 出腺 の重量

(3)

透析患者 にお ける副 甲状腺摘 出術 後の再発 表 1.AE背景

67

(男 /女) 齢 (読) 透析期 間 () PTx前PTH (pg/ml) PTx翌 日PTH (pg/ml) A 群 42(22/20 )

B 群 13(6/7) C 群 10(3/7) D 群 24(15/9) E 群 12(7/5) p 値 (0.499)

51.2±11.5 58.2±13.4 50.3±10.1 54.3±ll.4 48.8±9.2

0.125

1148 1032 137±79 127±65 164±55

0.097

121600 1416±586 1179±414 1284±793 1165±436

0.759

15± 9

2

80±213

2

9±18

3

71±369

2

8±25

<

0.00 1

結果 :平均±SD,A:4腺以上摘 翌 日PTH

<6

0pg/ml,B:4

以上摘 出,PTH60pg/ml,C群:3 摘 出, 翌 日PTH< 60pg/ml.D群 :3以下摘 出 ,翌 日PTH≧60pg/ml,E

:2PTx.

2.A〜E群 にお ける摘 出副 甲状腺 量 と自家移植切 片数

摘 出腺数 総重量 (g) 最大腺 (g) 最小腺 (g) 移植切 片数 A 4.1±0.3

B 4.2±0.4 C 群 2.8±1.0 D 2.8±0.6 E 1.4±0.6

p <0.001

2.93±1.87 2.68±1.89 2.41±1.14 1.85±1.58 2.31±1.52

0.085

1.49±1,08 1.69±1.73 1.40±0.88 1.01±1.07 1.98±1.32

0.061

0.25±0.29 0.15±0.09 0.35±0.13 0.29±0.21 0.51±0.22

0.016

7.4±4.4 6.8±4.5 7.5.2 5.3±3.1 8.3±4.7 0.433 結果 :平均値±SD.

3.A〜E群 にお け る術後 のPTHの推 移

術後期 間 1カ月 6カ月 1 2 3

A B C群 D E

12±14 (38) 374±395

(13) 77±77

(10) 314±446

(23) 20±14

(12) p <0.001

21±26 (36) 416±414

(ll) 109±128

(10) 412±619

(20) 37±37

(12)

<0.001

23±19 (33) 405±534

(9) 161±281

(9) 230±449

(16) 56±60

(ll)

<0.001

48±71 (27) 408±436

(6) 445±544

(4) 356±321

(ll) 137±164

(9)

<0.001

96±154 (26) 401±213

(4) 147± 45

(3) 534±344

(6) 278±324

(7)

<0.003 結果 :平均値±SD, (n):測 定 例 数

お よび 自家移植 に用 いた切片数 を見る と (2), A群 とB群では ともに4‑5腺摘 出 されたに もか かわ らず,B群 では手術翌 日のPTHの低下が不 十分 なので残存腺の存在が疑われた.C群ではB 群 とは逆 に3腺以下の摘 出にとどまったのに,翌

日のPTHレベルか らは全摘 出 といえる.D群 は 明 らかに残存腺があ り,E群では全摘 出 とみなせ た.各群の摘 出組織の総重量 と最大腺の重量 には 差がなかった.最小腺の重量 に有意差がみ られた が,総重量 に占める割合が低 いので, この差 は臨 床的にあ まり意味がない と思われる.移植切片数 には5群で差がなかった.

A〜E群の各例で術後の観察期 間は種 々であ るが,PTHを測 定で きた例 につ いて術後3年 ま での平均PTHの変化 を見た (3).A群が最 も

低値域 を推移,ついでE群,C群の順 とな り,B 群 とD群では高値であった.

PTH300pg/mlを超 えた時期 をSHPTの再 発 として,各群 における再発例数 とPTH産生源 についてみた (4).再発率 はA群で最 も低 く ll.9%, つ い でE16.6%,C20.0%とな り, B群 とD群 で はほぼ70%の再発 であった.再発

時 のPTH産生源 はB群 お よびD群 で はいず れ も残存腺,A群 の4例 とC群 の1例 で は移植腺 であ った.残 るA群 の1例 で1回 目に5腺摘 出 されたに もかかわ らず,39カ月後 に頚部 に残 存腺が見つか り2回 目のPTxが行 われたので残 存腺 由来の再発であ り,C群の1例では1回 目に 3腺摘 出 され,73カ月後 に頚部の残存1腺 と 縦隔内の1腺の計2腺の摘 出が行われ,やは り残

(4)

4.A〜E群 における再発例数 とPTH産生源

PTH産生源

例数 再発例数 (%) 残存腺 移植腺

ABCDE

42 5(ll.9) 13 9 (69.2) 10 2 (20.0) 24 17(70.8) 12 2 (16.6)

1.0 0.9 0.8 0.7 0.6 a

# 0.5

牡 00.000....43201 ●■I:II●■■ ■.:B群D群 C群 A

. E群

l l

0 20 40 60 80 100 120 140

4A㌫ TIE農 主講 豊 AKa離 nBM Hが高値 であったB群で再発率が高 く (<..0..1),3腺以 下摘 出 されたC群 とD群 で も手術 翌 日PTHが高値 であったD群 の再発率が高か った (p‑0.0054).A,C

群お よびE群では再発率 に差が なかった.

存腺 による再発 であった.

最後 に, 各群 にお け る再発率 をKaplanMeier

法 にてみた (図).B群お よびD群では手術 直後 か らほぼ同程度の再発率,C群 で は50カ月頃 ま で はA群 と同様であったが, その後上昇,A 群

E群では100カ月頃 までほぼ同 じであった.4

線 以上摘 出 されたA群 とB群,3腺 以下摘 出 さ れ たC群 とD群 で は と もに手術 翌 日のPTH 高値であったB(p<0.0001)D(p‑0.0054)

の再発 率 が有意 に高 か った.A群 とC群,B D群 とには再発 率 に差が な く,A群 とC群 お よびE群 とで も再発率 に差 はみ られなかった.

考 察

透 析 患 者 のPTHレベ ル に 関 して は,intact PTHの測 定 が普 及 した1995年 に180‑360pg/ mlnormoPTHと して 全 国 調 査 が 行 わ れ8',

2003年 には K/DOQIガイ ドライ ン6)が作成 され,

PTH150‑300pg/mlにコン トロールす るべ き とされた. これ ら二つのガイ ドライ ンは骨代謝回 転 を正常 に維持す るためのPTHレベル として設 定 された. しか し,活性型 ビ タ ミンDの経 口投 与 による治療 に加 えて静注用製剤が用い られるよ

うに な った2000年 以後150‑200pg/mlを 目標 に治療 されるようになって きた9).2006年の 日本

(5)

透析患者 における副 甲状腺摘 出術後の再発

透析 医学会の 「透析患者の二次性副 甲状腺機能克 進症 治療 ガイ ドライ ン

」 7 )

で は骨代謝 よ りも生 命 予 後 を優 先 す る レベ ル と して60‑180pg/ml 設定 した とされている.

透析患者で は ビタ ミンDの活性化 に障害が あ るので活性型 ビタ ミンDの経 口投与 は補充療法 で もあ り,多 くの例 に投与 されている. しか し, 経 口投与でPTHレベルの コン トロールが困難 に なる と静注 に よるパ ルス療法が行 われ,投与 開 始基準 となるPTHレベ ルの 目安が300pg/ml あ る10).今 回はSHPTの再発 をK/DOQIガイ ド ライ ンの上 限の300pg/mlとパ ルス療法 開始 の 目安 である300pg/mlを便宜的にPTx後の再発 基準 とした.PTxの適応基準 は 「透析患 者の二 次性副 甲状腺機能克進症治療 ガイ ドライン

」 7 )

で, 内科 的治療 に抵 抗 す る高pTH血 症 (イ ンタ ク

PTH500pg/ml以上 ),高 リン血症 (≧6.0 mg/dl) また は高 カル シウム血症 (≧lomg/dl) が存在 し, さらに自覚症状や骨 回転の克進 などを 認め,超音波検査で2腺以上腫大 している例 に施 行す るべ きとしている.今 回は全例 この基準 を満 た していた.

PTxに際 して,副 甲状腺 が全摘 出 されたか ど うかの判断基準 として冨永 は手術翌 日のPTH 正常上限の60pg/ml以下になっていることとし, 60pg/ml以下 にな らない例 を持続性SHPTとし ている11).pTx後の適正 なPTHレベ ルについて PTxを行 わない患者 と同 じで よい とし,その PTHの再上昇 に よ り再 度PTxを施行 した例 を再発PTx例 と定 義 し, そ の割 合 は1156例 中 19例 1.6%であった としている.

PTx・AT後の再発 は残存腺 または移植腺か ら PTH分泌克進 に よるが,移植腺 の場合 は移植 に用いた切片数 と元の副 甲状腺の組織像す なわち 結節性過形成かぴまん性過形成かが関係す る.今 回検討 した5群 で は移植切 片数 には差 が なか っ .PTxで摘 出 された腺 の重量 と病理組織像 に ついて腺重量が500mg以上では大部分が結節性 で,200‑500mgで も約1/4しかびまん性でない との報告12)がある.我 々は移植 には摘 出 した腺 の 小 さい ものを用 いるように しているが,摘 出腺の 重量か ら推測 して大部分結節性部分が移植 されて いると思われる.

69

PTH 300pg/ml以上 を再発 の基準 とす る と手 術 翌 日のPTH 60pg/ml未満 を示 したA群,C 群お よびE群 では再発率が低 く,再発 時のPTH 産生源 はA群 お よびC群 の各1例 を除 き移植腺 であった.A群 とB群の比較か ら,摘 出腺数が4 腺以上で も全摘 出されているとは限 らず,手術翌

日のPTH60pg/ml以下 との基準 を併用す るとよ り診 断率が高 くなる と思 われ る.現在 ではPTH の迅速測定 も可能 になっているので,手術 中特 に 副 甲状腺摘 出後 に血清PTHを測定 し,PTHの低 下が十分 であることを確認 して1回 目のPTx 終了すればよ り確実 になる と思われる13).しか し, 手術 中のPTH測定で残存腺 が疑 われて も,B には過剰副 甲状腺の存在が,D群 には縦隔内など の異所性副 甲状腺の存在が考 えられ,小 さい臓器 のため摘 出 しきれない場合 もある.

PTx後のPTH低値 については,全摘 出後 自家 移植 を しない14)とか,PTH 180pg/ml未満群 が 360pg/ml以上群 よ り生存率が高い15'との報告 も

あ り,PTHは低 レベ ルで も生命予後 に影響 はな い ように も思 える.骨代謝 について も,われわれ PTHが低値 で も骨代謝マー カーの オステオカ ルシンがそれほ ど低下 しない例 も存在す ることを み てい る16)ので,PTHが低値 で も骨代謝が正常 の場合 もあることを示唆 している.

PTx後 には移植腺 機能 を低 下症 または克進症 に な らない よ うPTHレベ ル を コ ン トロー ルす るのが大切 であ る.活性型 ビタ ミンDのパ ルス 療 法前後で副 甲状腺体積 を測定 した報告17)では, PTHは平均値で865pg/mlか ら409pg/mlまで 低下 したが ,副 甲状腺体積 は増加 した. しか し.

その一方 で,安 定 して200pg/ml以下 に維持 で きた例 で は副 甲状腺 は縮小傾 向 を認 めた として いる.機能克進 してい る副 甲状腺 の腫大抑制の面 か らも透析 医学会のガイ ドライン60‑180pg/ml は適切 であることになる. このPTHレベ ルを維 持 す るため には注意深 い活性型 ビタ ミンDに よ

る治療 を行 うべ きであるが,移植腺が強い結節性 過形成由来であれば術後経過期 間が長 くなるにつ PTHの コン トロールは困難 になって くる.そ の際は局所麻酔で手術可能な腫大移植腺の摘 出術 を速やかに施行すべ きと考 える.

(6)

ま と め

SHPTの透析患者92例 に対 して101PTxを 施行,摘 出腺数 と手術翌 日の血清PTHによ りA 〜E群の5群 に分けて,術後の再発率 を検討 し た.再発 の基 準 はPTH>300pg/mlと した.捕 出腺数 に関係 な く,手術翌 日のPTH<60pg/ml A粁,C群 お よびE群 で再発 率が低 く,再発 時のPTH産生源 は移植腺が多 かった.手術翌 日 PTH≧60pg/mlB群 お よびD群 で は再 発 率が高 く,PTH産生源は残存腺であった.

文 献

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表 4 .A〜E 群 における再発例数 と PTH 産生源 PTH 産生源 例数 再発例数 ( %) 残存腺 移植腺 群 群 群 群 群ABCD E 4 2 5 ( l l

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