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細則様式第1-2号

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Academic year: 2021

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細則様式第1-2号

学位請求論文の内容の要旨

領 域 医療生命科学領域 分 野 放射線生命科学分野

氏 名 小原 秀樹

(論文題目)

小児 X 線 CT 検査における実効線量の評価

主 査 細川 洋一郎

副 査 工藤 幸清

副 査 工藤 せい子

副 査 柏倉 幾郎

【序論】

X線コンピュータ断層撮影(CT)は,X線投影により人体の特定領域における断面画 像をコンピュータ処理にて作成する医用画像技術である.日本の厚生労働省の報告によ ると,2005年で診断CT装置を所有する施設数およびCT台数, CT検査数はそれぞ れ8,149施設(9月),8,903台(10月1日),1,634,056件(9月)であった.2014年に なると,それぞれ11,777施設(9月),13,116台(10月1日),2,606,717件(9月)と なり, 2005年に比してそれぞれ1.4,1.5,1.6倍増加している. Tsushimaらは,放射線 検査による放射線被ばくの半分以上はCT検査であると指摘している(Tsushima et al., BMC Med Imaging, 2010).国際放射線防護委員会(ICRP)は放射線被ばくを最小 にするという概念の“合理的に達成可能な限り低く”するas low as reasonably achievab leを啓発した.低線量被ばくの影響は明らかになっていないが,被ばくによる発がん性 についての報告が幾つかある.小児患者は放射線に高感受性で平均余命も長いため,と りわけ医療被ばくに注意すべきである.それゆえ,CT検査における実際の小児医療被 ばく量の把握は重要である.本研究は,2011年から2015年までに弘前大学医学部附属 病院で行った0, 1, 5歳児の様々な部位におけるCT検査件数や実効線量を求め,実際の 被ばく線量を明らかにすることを目的とした.

【方法】

1.CT検査の解析

(注)論文題目が外国語の場合は,和訳を付すこと.

(2)

【細則様式第1-2号続き】

2011年から2015年まで弘前大学医学部附属病院で行われたCT検査データは病院の 放射線情報システムから抽出し, DICOM参照端末で解析した.抽出したデータは患者 年齢,検査部位,撮影プロトコル, CTDI

vol

やDLPである.撮影対象部位は頭部,頸部,

胸部,腹部,骨盤部,冠動脈,四肢に分類した.例えば,ある患者が頭部,腹部,骨 盤の撮影をしたならば,患者数と部位数はそれぞれ1人(件),3部位とした.弘前大 学医学部附属病院は診断用CT装置として,LightSpeed QX/i (GE Healthcare, Milwa ukee, WI, USA),Discovery CT750 HD (GE Healthcare),SOMATOM Definition (S IEMENS AG, Munich, Germany),SOMATOM Definition AS (SIEMENS AG),Aq uilion PREMIUM (Toshiba Medical Systems Corporation, Tochigi Prefecture, Japa n)の5機種所有している.尚,本研究は弘前大学大学院医学研究科倫理委員会により承 認を得て行った(整理番号:2015-229).

2.実効線量の評価

実効線量は,ICRP Publication 102による年齢別部位別の換算係数を用いて算出し た.実効線量(mSv)はその換算係数とDLPを乗じて算出される.本研究は0歳から5 歳までの小児に焦点を当てたが,ICRP Publication 102の換算係数は0, 1, 5歳のみ与 えられている.それゆえ,実効線量評価は0歳児(出生から11カ月まで),1歳児(12 カ月から1年11カ月まで), 5歳児(4年12カ月から5年11カ月まで)を対象とした.評 価した部位は頭部,頸部,胸部,腹部,骨盤部とした.冠動脈や四肢CT撮影は,

Publication 102において換算係数が与えられていないため,評価対象から外した.表 示CTDI

vol

とDLPの正確性を確認するために, CTDI

vol

および DLPとを測定および Publication 102に準拠して算出した.表示CTDI

vol

とDLPと測定CTDI

vol

とDLPの差 が2.4 %以内であったことから,実効線量の推定にはDiscovery CT750 HDから得られ たデータのみ使用した.

【結果】

1.CT検査の件数

2 0 1 1 年 か ら 2 0 1 5 年 ま で の そ れ ぞ れ C T 検 査 数 は 1 6 , 6 6 2 , 17,491,17,649,18,242,18,206件であり,5年間における合計件数は88,250件であ った.合計で0-5歳の小児は1,052件(1.2 %)であった.

2.小児における実効線量推定

(3)

【細則様式第1-2号続き】

実効線量評価はDiscovery CT750 H Dで検査を行った300例の患者に対し て行った.Figureに0-5歳までの小児 が受けた実効線量を示した.検査毎の 実効線量は0.66~28.8 mSvの範囲を 示し,平均値は5.0 ± 3.8 mSvとなっ た.頭部の実効線量(4.0 ± 2.3 mSv)

は頸部(0.7 ± 1.4 mSv),胸部(1.1 ± 0.6

mSv),腹部(2.1 ± 2.3 mSv),骨盤部(1. 5 ± 1.5 mSv)より高くなった.

【考察】

本研究の結果,0歳児群のCT検査割合は1,5歳児群よりも高くなり,また0,1,5 歳児の検査ごとの平均実効線量は5.0 ± 3.8 mSvであった.さらには,頭部,胸部およ び腹部の実効線量はそれぞれ4.0 mSv,1.1 mSv,2.1 mSvであった.Thomasらは,0 歳の頭部CTの1検査における1回撮影にて受ける平均実効線量は4.2 mSvであり, 1検査 における2回撮影では9.1 mSvになると報告した(Thomas et al., Pediatr Radiol, 2008).日本の小児CTガイドラインの乳児においては,基準となるCTプロトコルで の実効線量は胸部で3.4 mSv (男), 3.9 mSv (女)であり,腹部では8.8 mSv (男), 11.9 mSv(女)であった(管電圧100 kVで撮影時は0.63を乗ずる).小児においては,基 準となるCTプロトコルでの実効線量は胸部で2.1 mSv(男),2.5 mSv(女)であり,

腹部では7.0 mSv(男),8.7 mSv(女)であった(管電圧100 kVで撮影時は0.63を乗 ずる).本研究において頭部と胸部,腹部の平均実効線量は他の報告と比して同等も しくはそれ以下であった.

日本には,CT検査と患者の放射線被ばくの品質管理に対する公式システムはない.

しかし,この推定方法は重要な基準値として役立ち,特別な機器やアプリケーション

ツール,および専門知識がない施設においても,小児CT実効線量の推定に対し迅速に

利用可能であるという利点がある.本研究は,医療スタッフに実効線量推定の認識と

理解を促し,各患児の被ばく線量管理システムの必要性と導入に対する一助となる。

(4)

【細則様式第1-2号続き】

学位論文のもととなる研究成果としての筆頭著者原著

論 文 題 目 Estimation of effective doses in pediatrics examined X-ray computed tomography

著 者 名 Hideki Obara

掲載学術誌名 Experimental and Therapeutic Medicine

巻,号,項 -

掲載年月日 In press

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