• 検索結果がありません。

不溶性高分子物質の研究序論

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "不溶性高分子物質の研究序論"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

U.D.C.d78.7

物 質

究 序

Some

Remarks ofthe

Study

on theIn$01uble

High Polymers

郎*

内 容 梗 概 有機絶縁材料にほ,不溶性の三次元構造を持つ高分子物質が多い。最近10年,高分子化学ほ長足の進 歩をとげたが,不溶性物質の研究方法は未だ確立されていない。 本篇でほ,現在われわれが持っている三次元構造の概念を述べることによって,そうした問題点を指 持するとともに,多年 老の研究室で行ってきた研究のうち,不溶性物質の研究に適していると思われ るもの三つを紹介する。すなわち(1)フェノール樹脂,グリセリソ・フタル酸樹脂_などの熱硬化性樹 脂の不溶化反応,(2)尿素樹脂,アニリン樹脂など合壁素樹脂の組成傾討法および(3)本多式熱天 秤による折合樹脂の熱分解反応。 この仕 を成し逐げるだろうかと考えることさえある

〔Ⅰ〕緒

有機化学者は従来, 物質を 酎臥:甘結晶などの方法を依って 製し,その分子量を測ったり,分析したりして 化学構造を決定してきた。この ,まづ必要なことは, その物質を溶かす溶剤を見つけるということである。さ いわいなことに一般の有機物ほ分子量が′J\さいので,溶 剤が見当らないという場合はごく少く,溶剤がないとい うことはむしろ研究者の努力不足のように恩われがちで あった。ところが合成樹脂のように,分子量が大きい物 質になると,溶けないのが普通で,加工後絶対に溶けな いという性質こそ,われわれが実 利点なのである。 問題に利用している さて最近合成樹脂,合成繊維,合成ゴムなどの合成材 料が非常に発達し,それらの基礎学である高分子化学も 長足の進歩をとげた。大ざつばにいって,高分子化学の 進歩は生成論, 二二‖H A周 液 溶 ,物性諭のうちに見出される。生 成諭ほ高分子の生成反はを組蘭化して,今口の"プラス チックス時代"を招来し,溶液諭は過去一世紀の理論化 学の成果を高分子物質に移すことによって,われわれに 大分子量(あるいほ高分丁量)の概念を植えつけた。物 性論は高分子物質の実用上の諸特性と物理学の物性諭と ようとしている。 しかし,われわれが実際使用している不溶性高分子の 化学ほ,思ったより進歩していない。現在,われわれは 不溶性高分子ほ三次元構造(あるいほ網目構造)を持つ ために溶けぬと考えているが,これほ生成諭の面から下 された推論(次節参照)であって,直接的な証明ほ殆ど ない。溶液論では不溶性物質を扱わないし,物性諭は生 成論が下した推論を依っているに過ぎない現状と思われ る。 不溶性物質の化学。この間題ほ科学のうちでも最も困 な部類に属すと思われる。 老は時々,果して人類が * 日立製作所日立研究所 理博 が,今までにこの方面の化事が皆無というわけではない し,鼓近は赤外線スペクトルなどという強力な手段が現 われたので,あと20年もすれば立派な体系ができ上るか もしれぬとも考える。 ほこの間題を特に専攻してい るわけではないが,応用上の必要に迫られて行った研究 のうちに, ●● した実験があるので,本報でほそれらを 纏めて紹介することゝした。

〔ⅠⅠ〕

次元構造

筆者らの実験に入る前に,本節で,上 十分の点を補っておきたいと思う。 緒言で説明不 まづ不溶性高分子の研究が余り進んでいないという事 実を歴史の中から拾ってみよう。1891年Hernmelmayr(1) という人が,今でいう 末状筋合物を分析して

coく::〉cH2・

をし,合成した粉 .‥(1) のような構造を考えた。そしてこの物質が甚だしく溶け にくいという事実を指摘した後,"この物質が(1)式の ような構造であるかあるいはその重合体であるかは,今 のところわからない。しかしガス体にもならず,溶液にも ならぬ物質の分子量を測定できる日の来るまで,その解 決は延ばされるであろう"と告いている。60年後の1954 年Staudinger氏(2)(1952年度ノーベル賞受賞者)ほ同 じく尿素樹脂に関する論文を発表,Hemmelmayr氏が 不溶性と考えた物質に対して特殊の溶剤を見出し, 合 度の測定を行って,ある程度60年前の夢を破った。しか しガラス状の尿 樹脂(現在合成材料として使われてい るもの)については,いかんともなし難く,その難溶性 をあつさり樹脂の三次元構造に帰している。三次元構造 の概念が確立されたことほ,たLかにHemmelmayr氏 の時代より進歩した。しかし具体的な化学構造がわから

(2)

日 立 評 論

別冊第13号 ず,研究方法の体系化が行われていない点では昔も今も 大した変りはない。 Staudinger氏はその論文の緒言に"1922年から1924 年にかけてポリオキシメチレン(ホルムアルデヒドの重 合体)の研究が終ったが,その時私は当時の工業界に新 たな関心をよぴつゝあった尿素樹脂に心を惹かれた。尿 素樹脂のワニスが高い粘度を持ち,それがやがて不溶化 する現象を研究しようと思ったが,いろいろ考えた未申 止した。もしわたしがその研究に突入していたら,今日 の高分子化学の基本概念ほ得られなかったろうと思う。 中止したのほ幸いであった。"というようなことを書い ている。一生を二次元構造の高分子研究に没頭し,高分 子化学創立の功績でノーベル賞を授けられた彼が,70才 を越えて高分子化学の第二目標である三次元構造の物質 の研究に入り出したということほ,興味あることゝいわ ねばならない。 さて二次元あるいは三次元構造とはどういうことか。 この間題を最初に,わかり易く解説したKienle氏(3)の実 験結果(舞1表)について 明しよう。この実験は2塩基 酸であるフクル酸と価数の異るアルコールとのエステル 化反応であって,弟1表3列目の反応型式とは,フクル 酸の反応基(すなわちCOOH)の数とアルコールの反応 基(すなわちOH)の数を括弧内に示したもので,この 場合前者は常に2,後者は1,2,3,6 と変化している。 反応生成物を検討した結果,(弟1表4列),No.1の (2,1)反応の生成物だけが樹脂性を持たない,低分子化 合物であることがわかった。ついでそれらを加熱してみ た結果(弟1表5列),No.2∼No.4の(2,2)反応に よる生成物ほ変化なかったが,No.5の(2,3)反応, No・6の(2,6)反応の生成物ほ,さらに硬化して不溶化 することを認めた。すなわち反応成分の反応基の数が, 生成物の性質を左右することが明かとなったわけで,ま た一方反応基の数を考えながら机上で模型図を作ってみ ると弟1図のようになる。(2,1)反応ほ高分子化せず, (2,2)反応は長鎖状あるいほ二次元構造の高分子を作 り,(2,3)反応あるいほそれ以上複雑な反応になると網 状あるいほ三次元構造の高分子を作るという予想がた つ0 われわれほ現在,三次元構造になるような反応を沢Ⅰ_l._l 知っているし,また二次元構造のものを三次元構造にす る方法(例えばゴムの加硫)も知っている。三次元高分 子を作るような反応には,熱硬化,ゲル化,不溶化など の現象が必ずともなっていて,いろいろの点から不溶性 高分子が三次元構 を持っていることが推論される。緒 言で"高分子生成諭が三次元構造を推定しだ,と書いた のほこのような理由からであるが,筆者が注意したいの タ ル 酸 アル コ ール類の反応

Reactions ofPhthalicAcid and AIcohoIs

ア ル コ ー ル

厚応型式

生 成物

L加

熱 メタノール, CH80H エチレンダリ=トール, HOH鷲CCH20H プロピレングリコール, CH3CH(OH)CH20H ヂエチレングリコール, HOCH彗CH520CH2CH℡OH グリセリン, HOCli2(CHOH)CH号OH マニトール, HOCH2(CHOH)4CH望0Ii 「∼./) 反応 ーZ.?) 反応 (?.∫) 反応 (2,1) (2,2) (2,2) (2,2) (2,3) (2,6) 低分子化合物 硬ガラス状樹脂 硬い樹脂 バルサム様樹脂 硬ガラス状樹脂 硬い不透明樹脂 ○ ● 0 非硬化性 硬化性 (●ブタル酸′ ○アルコールノ 第1図 反応成分の反応基の数から考えられる 生成物の構造 Fig.1.Number of FunctionalGroupsin

Reactants and Dimensional Structure

of Reaction Products ほ,不溶性物質の研究 方法が確立されていないために, 未だ三次元構造を"この目で見だ'人がいないという点 なのである。

〔ⅠⅠⅠ〕不溶化反応

硬化したフェノール樹脂は典型的な三次元高分子と考 えられている。フェノールとホルムアルデヒドを塩基触 媒で縮合させた初期縮合物(A状態樹脂)は,たゞ加熱 するだけで不溶化して月状態の樹脂になり,逐次C状態 へと硬化してゆく。この不溶化反応についてはSほger 氏(1931年),Megson氏(1939年)等の報告があったが, 静性的なものだったので, 老ら(4)ほ1940年頃から組織 的な実験に着手した。A状態の樹脂は厳密にいうと,作 る度に成分がちがうので,当初ほ余り期待をかけなかつ たが,実験してみると予想以上に再現性ある結果が得ら れたので いた。弟2図a図ほ,A状態の樹脂を1g宛, 800,90q,1000c にいろいろの時間加熱し,アセトンで 溶解度の減少を求めたものである。ほじめしばらくは 100%可溶であるが,(この間をA期間と名付ける),あ る時期に急に不溶化がはじまる(この時期をA・→月転

(3)

へ空 転褒肯∧エロト (ql、)\句 1こ、、 a財 t須財 .JV 刀口熱 昭 問 (加7) 第2図 フェノール樹脂の加熱硬化にともなうアセ トンへの溶解度減少(a図)とその不溶化反応が 2次式に従うことの証明国(b) Fig.2.CuringExperimentsofPhenolicResins.

Solubility Decreasein Acetone(a)and

De-monstration of second Order Rule(b)

第 2 フェノール樹脂硬化反応の諸特数

Table2.Hardening Reaction Constants

of PbenoIResin (註)樹脂No.は工業化学雑誌発表のものと同じ。一4,たは1000C の価。(∋Aはエタノールもアセトンも同じ0 移点と名付ける〕。弟2図b図は,不溶分を∬とし,可溶 分1一∬との比の変化を示したもので,これが直線とな るのは不溶化が2次反応に従って起ることを示す∩直線 の傾斜から不溶化速度恒数(ゐ)を求める。A期間の長 さ(A)やかは樹脂ごとに う価を示すが,それぞれを 違う温度で測定し,活性化熱(Aに関するものを¢d,ゐ に関するものを Qぉ とする)を求めてみると Qd=24 Kcal,Qヒはアセトンで25Kcal,エタノールで34Kcal となる。これらの数値を弟2表に纏めてみた。()dから, 例えば100ロCでA期間が30,弧70分ある樹脂ほ,室 温でそれぞれ60,115,160日の保存期間があるというこ とがわかるのである。 次に筆者ら(5)ほ,同様な実験をグリセリソ・フタル酸 樹脂(弟1表No.5の組合せ)に応用した。この樹脂の 硬化温度は高いので,1900,2008,210D,2200Cとし,エタ 1 ¢埜FJ「-\阜H 、武) 伝伽ご用ハエ刃L 卯 〃 、 ■ ∴ ノ挽7 カ口熱8苛.問 r搬7) 、J、こ' 虎汐 第3図 グリセリソ・フタル酸樹脂の加熱硬化 にともなうエタノール(a図)とアセトソ (b図)への溶解度減少

Fig.3.Curing Experiments of GlyceroI

Phthalic AcidResins.SolubilityDecrease

in Ethanol(a)andin Acetone(b)

第 3 グリセリソ・7タル酸樹脂の不溶

化開始時間(A期間,min)

Table3.Time(in minute)after which

Glyceroland Phthalic Acid Resins

BecomeInsoluble 溶 剤 190OC 2000C 琴 2100Cl2200C ノールへの不溶化(二第3図a岡〕,アセトンへの不溶化(弟 3図)b図を測定した。フェノール樹脂では,A期間の長 さがエタノールでもアセトンでも殆ど同じに出るが,こ の樹脂では弟3表のように判つきり分かれて観測される。 従来グリセリン・フタル俊樹脂では,酸価あるいは鹸 化価とゲル化時間の測定が行われ,フェノール樹脂 に くらべるとずつと研究方法に恵まれていた。それにもか かわらず故近この樹脂の研究が行詰っていたのは,溶剤 を依って分別する実放をしなかったゝめとノ且われる。 老らの実験で明らかにされたように,アルコールに不溶 だがアセトンに溶けるという樹脂について硬化,三次元 化の研究をすべきと考える。

なお筆者の研究室でほ,不溶化の

鹸を珪 プラ ン樹脂,二次元の飽和および不飽和ポリエステル,尿 およびメラミソ樹脂 について行い,特にフェノール樹 脂とフラン樹脂では単一な11問体の硬化特性を研究しつ つある。

(4)

日 立

〔ⅠⅤ〕縮合型高分子組成論

冒頭に述べたように有機化学者の今も昔も変らぬ研 究手段の一つは,元素分析によって物質の組成を決め ることである。60年前のHeInmelmayr氏も,今日の Staudinger氏も,尿 樹脂を元素分析して構造を決めよ うと努力していることに変りはない。物質が溶けようと、 溶けまいと,有機物である限りこの方法ほ適用できる。 筆者は1936年頃から尿 樹脂,アニリソ樹脂等の含窒 素高分子の研究に入り,この方法を高分子物質の研究に 役立たせようと考えた。それには物質の組成と分子量と を個々の合成物について検討することを止め,なるべく 組成の違った樹脂を数多く合成して分析し,組成線とい うものを作って,樹脂全体の組成変化を観察するという 方法を提案したのである(6)。 組成線を作る原理を(1)式で は尿 明しよう。この物質 (NH2C*ONH2)とホルムアルデヒド(C** H20)から合成されたもので,元素分析すると炭素は C*とC**の和として出てくる。しかし一方の炭素C* ほもともと尿 を構成していたのだから,尿 中の窒 とは2N:C*の比になっている筈である。それ故窒素 の分析をすれば C*が で出てくるというわけで, まり,したがってC**も計算 局2N:C*が結合した尿 とホルムアルデヒドの比になる。(1)式の場合はこれ が1:1と出てくる。縦軸にこのような比をとり,横軸 にホルムアルデヒド結合量(CH20%として)をとる と尿素樹脂の場合には第4図のような図が得られる。○ 印は粉末状樹脂,●印はガラス状樹脂で,この結果から 策4表のような組成の区別をつけることができた。 筆者らは引続いて,チオ尿 樹脂,アニリン樹脂,フ ェニレンジアミン樹脂,ナフチラミン樹脂,ベンチジン 樹脂等の組成線を求めたが,これらからいろいろ面白い 考案をすることができることを知った。詳細は省くが, これらの組成線を理論値と比較したり,異る樹脂のもの と比較したりすることができる。第5図にアニリソ樹脂 の組成線を示しておく。

〔Ⅴ〕熱分解反応

われわれ絶縁材料を研究する者にとっては,よい材料 を適所に採用するとともに,その材料の劣化特性を十分 検討することが必要である。このような理由から,筆者 の研究室では戦前から本多式熱天秤を使用して,多くの 高分子物質の熱分解性を検討してきた。この方法も元素 分析と同じく・物質の溶,不溶にかゝわらず適用でき る。筆者が熱天秤の研究に着手する頃ほ,我国でほ清 水,稲井両氏(7)の報文あるのみであった。戦後世界的に

(皇)

当¢化淡Gユ刃帖」「トJミ特刃椎塔 別冊第13号 j汐 〃 、、、、 弼♂見 げ) 〝 第4図 尿素樹脂の組成疎,すなほち尿素とホルム アルデヒドの結合モル比と CH20 としてのホル ムアルデヒド含率との関係

Fig.4.Compositions of Urea Resins.Relation

BetweentheRatioofUrea to Formaldehyde

and Formaldehyde Content Calculated as

CH20 (O Powdery Resins and O Glassy

Resins)

尿素樹脂の組成(第4図参照)

Composition of Urea Resins

粉末状樹脂 U/F (縦軸) f% (横軸) 0.65∼1.75 25∼45 ガラス状樹脂 0.35∼0.65 35∼65 熱分解の研究が盛となり専門書も多数現われるようにな ったことは,この方面の仕事が如何に工業的に重要であ り,また高分子化学者の興味の的となっているかを示す ものといえよう。 本多式熱天秤は,1915年碩学本多光太郎博士(8)によっ て創案され,金属,鉱物,無機物の研究に広く使用され ている。それを有機材料に利用したのが,清水,稲井両 氏である。筆者らは,材料を吟味し,加熱速度を一応 100C/5minと規定することによって,熱分解曲線(横 軸は温度,縦軸ほ減量%)に細かい相違の現われること を見出した。弟る図のフェノール・ノポラック樹脂(塩 酸触媒)の例でほ(9),フェノールに対しホルムアルデヒ

(5)

ゴや岬竃⊥刃h⇒トJJ「長刃ハ「∩ト ■、・、 ∴' .十、‥: 〟第5図 アニリソ樹脂の組成緑, すなわちアニリンとホルムアル デヒドの結合モル比とCH20と してのホルムアルデヒド含率と の関係 Fig.5.CompositionsofAnilin

Resins.Relation Between the

Ratio of Anilin to

Formalde-hyde and Formaldehyde

Content Calculated as CH20. ?♂β :豆 ‡、J .J、J 第6図 フェノール・ノボラック 樹脂の熱分解曲線フェノール1 モルに対するホルムアルデヒド のモル数はそれぞれ0.2(No.1), 0.3(No.2),0.6(No.3),0.ア (No.4). Fig.6.ThermalDegradation Curves of PhenoINo-VOlak

Resins. Ratio of

Formal-dehyde to Phenolbeing O,2

(No.1),0.3(No.2),0.6(No・3) and O.7(No.4)Respectively・ ドが少い樹脂と多い樹脂で,ほつきり相違が現われてい るし,第7図の尿 樹脂でほ(10),粉ぷ状樹脂とガラス状 樹脂の差が低温部に現われている。 このような研究を塩化ビニル樹脂忙移したところ(11), このような方法でほ,重合度(P〕と 求められないので, 分解性 の 関係が 天秤を一定温度に保つような工夫 をしてみた。例えば室温から200Ucまでを25Oc/5min, 200O∼210Dc間を100c/5minの割合で上げ,210bcで 恒温に保つようにすると弟8図(次頁参照)のような減 量曲線が描け,重合度の相違がはつきり現われてきた。 舞8図の曲線の立上りは,ほゞ直紀とみなせるのでその 傾斜(国中の点線)から熱分解速度(10分間当りの減量 %)を求め,重合度との 係を調べてみたところ,弟9 図(次貢参照)のように簡単な直線関係のあることがわ かった(弟9図には220DCの結果もホした)。これを契 機として,ビニル樹脂に関する熱天秤的研究が急速に展 閲したまっけである(その一部は本別為 した)。 の別論文で紹介 .ご、、 度 (℃) 第7国 展素樹脂の熱分解曲線 Fig.7.ThermalDegradation Curves of Urea-For-malde-hyde Resins((a)Powdery Resinsand(b)GlassyRiesins). その後酪酸ビニル樹脂(12〉について研究した結果から いうと,ビニル樹脂でほ,重合するときの触媒是,溶剤 昆等によっても熱分解性が微妙に変化する。従来溶液論 の側からだけ論じられていたどこル樹脂の性質が,この 種の研究によって一層はつきり記録されるであろうと考 えられる。

〔ⅤⅠ〕結

l:::コ 材料には三次元構造の高分子物質が多い。われわ れはその化学的柄造を推論でなく,具体的に知りたいの であるが,高分子化学が進歩した今日でも,それが達成 される日の予想は全然たゝない。 以上ほこのような問題点と,筆者らが従来多少この目 標に向って進んでいると思われる研究を纏めてみたので あるが,三次元構造の化学を富士山にたとえるなら,我 々の は裾野をさまよっているのに似ている。しかし 将来,不溶化反応の前後において,組成や熱分解性の変 化を比較検討する方向に研究を進め,なんとか富士登r-Ⅰ--l

(6)

口H (求-抑 、紗 さヽこJ 力D熱時間 価巾) ∬ 第8図 21げC における塩化ビニル樹脂の熱分 解速度 Fig.8.Velocity of ThermalDegradation Of Polyvinylchloride at 2100c(P= Polymerization Degree) を試みたい熱意だけは持っているのである。紙数の都合 で他所研究者の業績を紹介できなかったことは追憾であ るが,本篇を筆者の覚え喜として御覧頂けは幸と思う。 参 鳶 文 献 (1)Hemmelmayr,Monatsh,Chem.,12,89(1891) (2)Staudiger,Wagner,Makromol,Chemり12′168 (1954) (3)Kienle,Ind,Eng,Chem.22,590(1930):J. Soc.Chem,Ind.55,229T(1936) (4)鶴田,桜井,工化,5△′462,509(1953):鶴田, 飯島,工化,57′644(1954):鶴田,古賀,工 EPU-2型

日立分光光電光度計

Type EPU-2HitachiPhotoelectric Spectrophotometer 木器は吸光度測定用としての器体を主体としこれに反 自. l 用の附属装置をつけてプラスチック,合成樹脂 などの色の測定に用いられている。プラスチックなどに 限らずつぎのような用途に盛んに用いられている。 (1)織物,妖などの色の測定 (2)塗料,顔料,化粧品,染料,印刷インクなどの 色の測定 (3)陶磁器,製紙,製粉工 などの自さの測定 (4)天然色映画,色彩心理学への応用 号 3 1 第 冊 .‖一 口万 (9) (10) (11) (12)

∠勿 手合度 「′) 、 第9図 塩化ビニル樹脂の重合度と熱分解速度 との関係

Fig.9.Relation between Polymerization

Degree and Degradation Velocity of

Polyvinylchloride 化,57,647(1954);鶴田,飯島,工化,58′ 530(1955);横山高分子化学,12′271(1955) 鶴田,飯島,工化,58′534(1955) 鶴田,工化,」5.504(1942);43′815(1940); 44′195(1941);日立評論論文集1′52(1948); 高谷,工化,54′380(1950);鶴田,口化,72. 101,104,224(1951);高谷,鶴田,日化,75′55, 57(1954) 清水,稲井,東京工大学報,7′383(1938) 本多,Sci,Rep,Tohoku Univ.,4′97(1915); 金属の研究,1′543(1924) 鶴臥 中戸川,工化,5」′577(1951) 鶴乱 小林,大森,工化,54′525(1951) 鶴田,宇佐美,井上,工化,55′397(1952) 鶴臥 井上,工化,57′408(1954);鶴田,井 上,津久井,工化58′69(1955) 第1図 EPtト2型 日立分光光電光度計(反射率測 定装置付)

Fig・1.Type EPU.2 Hitachi Photoelectric

Spectrophotometer(for SpectralRenectance)

(5〕上記各方面の研究および品質管理

写真はR-3型反射率測定装置を附けたEPU-2型日 立分光光電光度計である。

参照

関連したドキュメント

転倒評価の研究として,堀川らは高齢者の易転倒性の評価 (17) を,今本らは高 齢者の身体的転倒リスクの評価 (18)

名の下に、アプリオリとアポステリオリの対を分析性と綜合性の対に解消しようとする論理実証主義の  

 回報に述べた実験成績より,カタラーゼの不 能働化過程は少なくともその一部は可三等であ

 この論文の構成は次のようになっている。第2章では銅酸化物超伝導体に対する今までの研

これは基礎論的研究に端を発しつつ、計算機科学寄りの論理学の中で発展してきたもので ある。広義の構成主義者は、哲学思想や基礎論的な立場に縛られず、それどころかいわゆ

Maurer )は,ゴルダンと私が以前 に証明した不変式論の有限性定理を,普通の不変式論

Maurer )は,ゴルダンと私が以前 に証明した不変式論の有限性定理を,普通の不変式論

実習と共に教材教具論のような実践的分野の重要性は高い。教材開発という実践的な形で、教員養