一147一 (東京女医大誌 第22巻 第4号頁147−153 昭和27年11月)
減食動物におけろ血液燐酸各分劃の消長について
緒 東京女子医科大学内科教室 (主任 三神美和教授) 国立公衆衛生院栄養生化学部 (主任 平出順吉郎技官)助 手 内
ナd 言 忌 トウ 7こ (受付 昭和27年3月1H) 減食実験の際の血液燐の変化については,血液 中当量の減少を認めているもの (Gutma皿U. Kneeland,高木) と,血液中の燐量には変化を .与えないと云うもの(J.Mund,吉川,越山)が あり,その成績は一定していない。 以上の研究成績は主として全血中の無機燐或は 燐各々劃についてみナニものである。更に叉血清或 血漿中の燐測定を行ったものでは無機燐について の研究が多く何れも断片的な検索に止まるものの みである。血液申燐移動にρいて特に重大な地位 を占めていると考えられる血球中の有機燐の変動 についての文献は未だ少ないように考えられる。 私はこの点に充分考慮:して血液を全血,血漿,血 球に分離し各々につき夫々総燐酸,有機燐酸,同 .=7」〈テル,無機燐酸,可溶性燐を測定し若干の知 見を得たので,これをつぎに記述する。 実 験 :方 法 実験動物として体重1.5・一2.5kgの家兎計10匹を 用いた。 金田は家兎の雌雄につき血球数の相異のある 事を認め従って血中燐量に差のある事を述べ,Hess u みGutmann, Hess & Lundagen, Harvard & Reavy,
Brum,田中, Willia=n等は血液中の燐量は採取時期盤 びに季節の影響により変動のある事を認めている,私の 実験では12月末より2月始,2月末より3月末の時期 (概ね低温時)に行ったので季節の影響についてあまり 考慮する必要はない。薦血の影響又採血時期の生理的変 動をみるために,通常食対照として10巨乃至15日目間 隔をおき2回心臓穿刺により採血測定した。次に減食期 /聞に入り食餌の質と量をその儘i60∼50%に減らし体1重 の減少を目標として大体3∼4週聞に再び採血し減食後 の影響をみた。心臓穿刺により採血した血液は予め血液 1.Occに0.05ccの割合に二重藩酸を入れて乾燥させた スピィッグラスに取り,遠心分離して血漿を分け,全血, 血漿につき夫々三燐酸無機燐酸,酸可溶性燐を測定し有 機憐酸は総燐酸より無機燐酸を差引いたものである。 血球申の燐酸は全血,血漿燐,ヘマトクリット値より算 定した。測定はDenigさs二丁従い行った。
実 験成績
家兎に於ける体重の1日の生理的変動は20・v50 9,1.1%N2.3%である。略一定食餌を与えずこ場 合の逐日変動ぱ60 一v 370 9 ,2。8・》17%でこれは 外界の温度の差よりもむしろ食餌摂取時刻の差に よるためと思われる。家兎血液燐正常量ぱ従来の表1 家兎血液申燐酸量正常値(mg/d!)
報 告 者 全部血
itlitli血 球i.総羅.磯麟轍麟麟酬磯回織燐
総爆離蝦織三
三臨,副…sgl
Stanford Wealthy i 24.261 Brain, Kay MarschaH’@1 ’一’l
Bloor, i,
高 木】53.44
内 藤 29。8 24.43 21.20 49.78 24.9 3.161 3.06i 3.3 3.66 5.2 1 3.97 3.12 3.2 9.41 9.7 O.27L 3.7 O.22 O.5 6.01 5.1 2・9 3.9P
2.7: 3.4 [ 4.7i 1 48.エ5 60.9 1 106.9 58.6 46.05翻
2.1Z4
5.9 5.1 5.3 一 15 一一一 148 一 諸塚の唱えている正常限界と私の実測値は(表1) に示す如くで,即ち私の実測値ぱ高木,森宗以外 の測定値を除いては一般に高値を示している。こ れらの相異については測定した季節の影響,家兎 成長の程度,食餌の影響などが原因をなしてヒ
「る
と老えられる。次に薦血の影響をみるために採血 時期による変動限界ぱ表∬に示す如くである。次 に減食に基く体重減少は175∼5459で対照時に於 ける体重の8∼26%減少に相当する。 全」血.中の三燐酸及び有機燐酸は(表3)に示す如 く減食前後に於ける差はみられないが,無機燐酸 表∬. 潟血による変動限界(mg/d!)\\\総燐劇徽燐酸鰍難
全i変動限界劃平均値
O.6一一4.工 i.,・gti1.{o s・sl O−vl.6 2..4 3.2 O.6血変動限界 ee. i・一一一〇.3i O.5一一1.9
漿平均値. O.6 O.9 血麺限界]・2∼・.・ 球平均値 2.2・ 1 . 4 一li一・7 . 8 3.7 O.8・vl .2 O.85 O.1e−4.5 1.9 は減食前後かなり著明に減少し統計的にも5%以 下の危険率を以て有意の差を示しナ:。血漿中の燐 表皿 減食薗後に於ける全血中燐酸各分劃 (mg!d1) 回 数 1 2 3 4 5 総’燐… 酸 前 後 20.3 25.2 21.4 20.3 36.5 61 32.7 20.6 25.7 25.7 23.3 32.6 32.0
有機燐酸
前1後
14.31 16.6 19.21 22.7 14.31 23.0 14.31 20.1 31.9L 27.8 26.51 26.9 有瀧燐酸エステル 前 後無機燐酸酸可溶性燐
ト前 後i前 後
Nucl.P.Lip.P.前1後
. 8.5j 12.611
s.8P
21.9i i?・li 16.679
2,.11 5.5 6.0 6.1 6.0 4.6 20.81 21.21 5.2 4剖 3.0 14.5 3.7 3.2 4.8 5.1 翌:! 26・5P
26.01 一1 22.,1 ,6.,1 1L1ト 26.9 26.3 11.7 2,7 8.5 10.0 6.7 73.61 ; 5.4 12.2 5.7 E 5.71 平均値26・126・・1・。・。i22・813・・i17・・1・・53・・19・・12・・1…1・・Sl標軸…d・…1・…±…1…31…41’±・ 土L・1…il…8[…il…iP
表1V 減食前後に於ける血漿申燐酸可分劃 (mg!dl) 例 数 総 燐 酸 前 後 i1 2幽 7.91 7.4有機旧劇繍酸エー陛麟酬酸一点N・・1・・P・・Llp・・P・
前i後 前
.錘 前後r前信1司後
?1 4i s.1 司 4.8 2.2 8.41 8.71. 5.2i , 5.6 6.8 ,;lil ・g.11 ,.gP
2.9 6,21/ 3.01/ 10.5 8.2 5.4 2.4 6.3t 5.8 4.Oi 3.2 1.7 4.0 1.7 2.8 3.3 1.4 一i l’ 2.9v
2.7v
一1 3.61 1.9 5.1 3.2 4.9 3.8 i 3.1 3.1 3,5 3.8 5.81 4.7 5.ll 5.0 6.8F 一 7.2 6.6 6.6 9.1 6.5 6.0 6.2 8.3 6.9 L1 1.2 O.2 O.2 3.0 2.6 2.7 2.7 2.2 1.3平均値i…】・・31…1・・12・52・71…i・・…ii・・911・4i…
騨騨.・1・・±1・・1・,…1・…[…85・±。・881士1・15±。・2…±1・1±・・31…/…66 酸各分国については減食前後1こおける差異はみと められない。血掌中の総燐酸は体重減少の最も強 度を示し7: 3例は大体対照時の1.5∼2.0倍内外 増加して居り,平均値に於てもかなりの増加をみ とめたが統計的にぽ有意性を認めるに至らない。 しかし血球中の有機燐酸の減食後に於ける減少ぱ ともに統計的に5’%以下の危険率を以て有意の差 を示す。更に叉酸可溶性燐の増加も前二者を凌ぐ ほどに著明で統計的にも5%以下の危険率を以て 有意の差を示している。一16一
一 149 一 例 数 表V 減食前後に於ける血球中燐酸各分劃 (mg!dl) 総 燐
1前i後
酸響劇響÷讐讐讐停響
翻:1二1翻::■泌
・1朔68掴謂姻
iぼi溌i灘ii:li{1葱1
iS i1161t−i/gl i i’一ii li ?・91 2・Ol i8.9i 4.91 47.11 9・9i 5.2i 53.41s.3i引
74・91i 55.21 一1 } 18.71 ’ 7.91 へvトクリツト細意
工8.9. 54.5’ 17.41 58.3’ lo.I1 17.3i 34.8 48.5 13.01 34.81
1 42.2 8.51 45.51,i
13.41 40.6 32.5 23.1 28.3 34.0 40.2 37.5 平網5…1・…!・4・7i…11・…156・・[…i・・。;…516σ・7114・6113・214L・}32・6 騨網・11・・1±12・・ト13・21±12・・i士15’・1・9・・}…11±1・21・13・gl・…1・・・・・…1…81…6考 察
以上の実験成績によりSemi・starvation lこ基 因することは論を侯たないが,更にこれを支持す る事実は,これらの変化が体:重減少乃至低アルブ ミン血乏の間1二,ある程度の平行関係が推定され る事実であるδ換言すれば蛋白代謝の障碍に結び ついて誘起された所の燐酸代謝異常であると見な す;事が出来ると思われる。 ・次に燐酸代謝異常を反映し†こ主要所見である所 の血球中無機燐酸の減少並びに有機燐酸特に酸可 溶性燐の増加について述べたい。 先づ赤血球中無機燐酸の減少について第1に, 従来種々論議された赤血球中無機燐酸の存在の有 無について考察しナこい○翻って従来の交厭をみる に,赤血.球中無機燐酸の存在については,血.球中 には,血漿中より高濃度存在するというもの,(Bloor, Mckellips, de Young&Bloor, Jones
&Nye Zamorani, Sokolovitch,)血球中と血漿 中と大体同一一ue度存在するというもの,(Zucker
&Gutman, Migglesworth&Woodrow),更k:
血球中にぱ血漿中より低濃度にしか存在しないと
いうもの,(Barrencheen, Dolescha11&Popper
Stanford&Wealthy, Brain, Kay&Marshall
Ferranti&Giannetti),極端になると』血球申に 全然存在しないというものさえある。(Richter. Quitter, Bnell)この様な不揃な実験成績を示し た原因として恐らく実験方法に検討すべき点があ らう。例えば全血より血漿を分離する際に暫く放 置或は遠心沈澱を行う間に,フォスファターゼの 作用により,燐酸エステルが分解し血漿中に移行 するか,或ぱ」血球を純粋に:取出すために食塩水で 洗源する際に,燐酸エステルが抽出又は破壊され るといつナこ諸事惜が考えられる。私は乙れらの点 に充分の注意を払ひつS血漿を分離し,さらに血 ’球面の燐酸については,へ∀トクリットを正確に 測定し計算値:として算定したもので,矢張り赤血 球中の無機燐酸の存在を肯定したいと思う。第2 に減食に基く食餌量の相対的な不足ということが 老えられる。即ちJ,Mund,吉川のいうように 短時日の断食でぱ血液中の燐酸保持のナニめに尿中 燐排出量ぱ減少するが,血.液中の無機燐にぱ変化 ぼみられないというもの(越山)もあるが,一方
Gutmann&Kneelandぱ食物中の燐酸の欠乏に
基く低血燐を認め,高木は家兎につき食餌をV/3t: 減じ一週間飼育し血液中の無機燐の減少をみとめ ている。叉吉川は低栄養時には血液中の燐脂質が 減少すると云っている。更に又栄養失調症患者に ’は極端な低土脂血が観察されたと云う。以上の文 献並びに私の実験成績から減食時に於ける赤血球 中の無機燐減少についてぼ,各種の食餌成分即ち 燐を含む蛋白質,リポイドPの欠乏1こ基因してい る事:が推定されよう。 第3に,私の実験で赤血球申の無機燐酸の減少 がみられるのに,血漿中の無機燐酸が減食時に普 通食時に比べ殆ど変化がみられない事実について は,無機燐酸が赤血球及血漿の聞で:互に移行が行 われているが,この移行は低温時には抑翻される が体温程度の温度環境に於ては,絶えず交換して いるという文献があるがそれ以上の事はつかめな 一 17 一一一 150 一 い。 第41こ,赤血球中の有機燐酸ぱ血漿申無機燐酸 を一定に保つアこめに,無機燐酸を絶えず供給する 貯蔵庫として存在している事(高木)も老えられ る。 第5に,フォスファターゼの作用ぱ血液中のpH に最も密接な開係のある事(Freudenberg)が知 られているが,血球中の有機燐酸の分解,合成が 単に.血液中のpHによるのみでなく,血球中と血 漿中の陰イオン交換即ち血漿中のCヱと血球中の HPO4の交換(吉川,高木)と,血球中の有機燐酸 が緩衝系として重要な地位を占めている事(Van Slyke)等を考慮に入れる必要がある。次に,赤 血球中の有機燐酸が減食後に増加する事について は,斯様な低栄養時1こは有機燐酸を分解するフォ スファターゼの作用が弱まる(吉川)と云われてい るから,私の場合このフォスファターーゼ作用の変 動が重要な因子の一つではないかと考えられる。 次に,赤血球中酸可溶性燐量の減食後1こ於ける 増加については,到底無機手討の減少(犠牲)だ けでは説明出来ない程度のものではあるが,私の 場合酸可溶性燐の分劃について測定していないの で,この点本質的に非常に不利であろ事ぱ否定出 来ない。然し乍ら此の顕著な観察が如何なる機序 に依って惹起し7:かを説明するのは容易ではない が,私の成績だけでも文献に見出される関係諸知 見を参照し7:上で或程度の推察は可能で喬らう。 Rapoport等(1941)の成績に依ると脊椎動物 46種類にわたって血液中の燐酸分明を測定しナこ所’ これらの動物では大した種類差はみとめられない 様である。現在大体承認されている赤血球の酸可 溶性燐の分野の数字をGranik(1949)の論説か ら引用すると,赤血球の特異的な存在とされてい る2,3一二燐グリセリン酸は全分野の50%を 超えう大量を占めて居う,1,3t二燐グリセリ ン酸(不安定)とは全然趣を異にする極めて安定 なエステルであ.り,Rapoport&Guestに依ると Acidosis lこ著しく消失してこれの犠牲によってア デ=・・一ル酸の:再燐酸化を行ひ,:叉Pylorus obst・ ration lこ際して血球よりのC1逸散に対して対象 的に増量してイオンバランスの保持に役立ってい る。(Rapoport等1939)以外に,一般代謝関係 ・(糖,蛋白)の直接の影響には鈍感のように考え られているから,私の場合でも,この増量ぱ比較 的考えにくいように思われる。次にATP, ADP 及その外の(Mono)Nucleotide類こ対しての文 献をみると,Rapoport等(1941)の未発表の業 績中にPhenylhydroaginを家兎に注射して貧」血 に陥らせ,赤血球中の酸可溶性燐を測定した所, ATPが2倍以上の激増を示した事を述べている。 (そしてこれには赤血球前段階における核の異常 崩壊が指摘されている)これをこの儘私の場合に 適用させるのば貧血に加えてSemistrvation時 には全般的にフォスファタPゼの活性が減弱する と云われて居り,現在も養素の欠乏1こ結び付いた 燃焼の低下が結局ATPの合成を強化してその結 果High Energy phgsph, Bandの蓄積を招い
たのではないかと思われる。 要 約 減食家兎に於ける血液中の燐酸三分劃の消長を 観察し次の結果を得た。 減食時に於ては,全血中の無機燐酸の減少は体 重15・)20%減少のものに著しく,統計的にも5 %以下の危険率を以て有意の差を示しtこ。血漿中 の燐酸各分劃についてぱ減食による変化ぱみとめ られない。血球中の無機燐酸は減少し,有機燐酸 エステルは増加を示し,夫々5%以下の危険率を 以て有意の差を示した。酸可溶性燐も同様に有意 の増量を示した。この薪事実に対する考察を加え たO (本論文の要旨は,昭和25年11月日本内科学会関東 地方会,第37回例会,昭和26年4月第13回日本生化 学会総会で発表した。) 丈 献
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J. biol. chem. 143, 671, 1942,
飢餓鼠の肝P:Nの清長に関する再検討
緒 言 肝臓内燐酸化合物は動物成長不可欠の要素とし 叉生体内で糖質,脂質,蛋白質の中間代謝とし, 叉肝臓組織の構成成分として重要な役割をなして いる。然し乍ら肝中指測定を行ったものは僅かにLohm,an, Gruzewski&Roussel, Buchwald,
Fiandanca&Capizzi,三好,西田,孝久等が あり,飢餓実験につき肝臓内燐酸量の減少をみた ものは越山があるに過ぎない。一方Addis及其他 は雨中P:Nを測定し飢餓時に増加する事を認 めているが,遺憾乍ら夫々の文献の間に一定し江 傾向はみられない。私は前記の諸研究に於ける飢 餓時の肝中P:Nを再精試する目的を兼ねて,白 鼠を用ひ肝中三燐酸,総窒素を測定し,これが如 何なる変化を示すかを観察し1こ。
実験成.
ム
一週間飢餓の鼠でぱ薄照例の肝臓粉末全量1.48 ∼2.62g平均1.92gl二比し0.99∼2.96g平均表1 鼠肝臓全量(9)
[対 照 飢 磯 1 2 3 4 5 6 7 8 1.677g 1 2.623s 1 1.5970 2.1765 1.4s7g l I16,>b I I・ 1.0712 1.1511 1.2185 1.1363 1.0491 0.9943 2・ .9599 i.6120平均値i
1.9互60 1.3990実 験 方 法
実験動物として体重200g前後の白鼠計13匹を用いこ の申通常食の対照群として6匹,残りの8匹は一週聞に 亘り全然食餌を禁じて水のみを与えた○(一部5∼6臼 で死ぬものを含む)肝臓を捌出して85。Cで乾燥させ 粉末にしてその一定量を取り,総燐酸,総窒素を測定し たQ総燐酸測定に当って綜,肝臓粉末10rngを2∼3回 耳融こ測嘱茄縢数滴を加え・温火を当て褐色の煙の 消えるのを侯って更に60%の過塩素酸数滴を加え強く 加熱して黒褐色から無色となる迄湿性灰化する。 終っ て水を加えて6・Occとなし,以下Denigさs法により燐測 定を行った。総窒素は肝臓椅末0.5gを正確に測定し, Par血asのミクロ.キェ.・一ルダール法により測定した。 1.39g即ち約35%減少を示し7こ。 総燐酸ぱ飢餓例では対照例に比し減少が著明で 濃度に於ても,絶対量(略半減)についても見ら れ,統計的にも5%以下の危険率で有意の差を示 しずこ。総窒素は濃度に於てば飢餓例ではむしろや S濃縮しiこ値を示し7こが,絶対量では矢張り減少 して(平均30%減)統計的にも5%以下の危険率を 以て有意の差を示しiこ。従って問題のN/Pは丁 度Addis(1936)Mrentwyler(1950)と反対にむ 謬 しろ若干上昇を見せているが,しかしこれには勿 論有意の限界に達レていない。これに対してN/S ぱ2倍を超える顕著な増加だが,平均値だけで標 準偏差が分らないから有意性ぱ算定出来ない。 ’一一 19一一152一
表皿 鼠肝臓中総燐酸,総窒素
例 総 燐 酸 総 窒 素 1σσ9中mg 全 :量mg100g中mg
全対 照1凱鰻対 .三山饒
量 数 1 2 3 4 5 6 7 8 2.73 ii 3.7g 1 :iZZ I 2[g9, li 5.88 1 6.71 4.63 1 3.93 11. s.ss 1 3.41 1, 1 4.s2j li 4.88 1i ii ”’V1 4.6 12.9 9.3 12.8 7.0 10.8 4.1 5.1 6.0 7.6 4.1 3.4 14.3 7.9対剛飢鯛対論飢簸
ll.2 1 10.3 j n.21 9.3 11.6 10.7 11.4 12.9 11.2 12.6 1t.5 12.8 11.5 11.6 173 i’ 244 i 17g 1 244 173 207i
t
138 i 129 154 (45 140 114 187 lll
平均倒
・列・訓
9.4 lI
5.5 1 10.8 i 12.0 i 203 1 i4i,u 町回偏差…エ21・…95 i・…}±1・9d・。・・41・・…1
±9.71 ±20.1 ト 表 皿: 一週間飢磯鼠の肝中窒素,燐酸及硫黄の相対的減少 通. 常 食 群 飢灘咄蒲隆量m・1灘m、!、心添全
群 量nユ9 (1)と(■)と の差の有意度 例劉
7 (1) 7 (ll) FoN
P (P,Oi) s JO8士7.4 4.92土O.12 15.6 203土9.7 9.4±2.90 ) 120土8.9 144±20.1 コ 3。。ol 「 4.61士0。095 i i 5.50±二1曹90 6.0 1一 7.9 NIP ,.7 1 L’1 21.9=ヒ6.4 26.0±5.7 N/S 6.92 15.0 O.2 1考 、察
Kossel (ISS2), Seitz (1986), Wehlgemuth
(1914), Grund (1910), Tichmeneff (1914),
Cahn(1927), Falcher(1933)等1ま肝臓内に於
けるP:Nの値が飢餓時に増加し,蛋白食を与え ると減少して旧に復する事を認めている。叉一方
Add量s, Poo, Lew(1936)は飢餓時に於てもヵゼ
■ン食を与え忙場合に於てもNIPは増加を示すと 云っている。これについては飢餓時にば蛋白質が 肝臓内から動員される際,所謂浮動性肝臓蛋白と 共に失われる燐酸量が極めて少なく,反対に蛋白 質が肝臓に貯蔵される際1こは燐酸含量の少ない蛋 白質が肝臓に財蔵されるナこめと云っている。然し これらの成績ぱ何れも不揃で一定の傾向はみとめ にくい。私の実験成績でぱ朱張りN/Pが上る様な 乃至は少くとも従来のように減少しないような事 実が存在したというべきである。これに対してぱ 次の諸因子が考えられる0 1)飢餓動物の食糧事情の相違,即ち同じく通 常食といっても,幼若動物がどう1こか成長出来る 様な貧弱なものである。これに対してアメリカの Sむock d{e亡ぼ優秀な完全食で,叉最近のMunt− wy工erなどぱヵゼ・fン24%の無蛋白完全食であ る○従て彼我(対照)動物の栄養状態特にlabile (主にProt)Storagelの量に無視出来ない程度の 差のある事ぱ充分考えられる。’その結果一週間飢 餓に依ってアメリカの鼠よりも強度のDepletion をおこす事になり,これがアこめにNlossに匹敵 する程度のPlossとなって表現されたのではな いかと思われる。これを支持するデ・一 S一として Rapoport, Guest等(1943)は48時間飢餓の鼠 一 20 一一一
の肝臓でリポイド(alc. soi. P.)やATPを含 む色ftの有機燐酸エステルが大体2/3に分解減少 し,無機燐が約9.5倍に著しく増加を示したが全 休として総Pは明かに減少(13%)を示し7こ○又 Munt曽yler等(1950)は無蛋白食力u’iJ e其他充 分完全食3週聞で鼠肝N(濃度)20%減に対しP (濃度)7∼8%減でN/Pの下降となった故全体と してのP減ぱ著しくないが,ミクロゾーム中でP 或はリボ核酸の著減をみ、とめたと去ひ,Koster1− itz. レ飢餓時にリボ核酸の減少を主張している。
換言するとIabile Iiver cytoPlasmaの動員が強 い飢餓に際しておこると考えられる。 2)私の動物の飢餓が強度のため1二 Hunger acldosもこれに比例して顕著となる。即ちAc・ idosis の為に「層燐酸血,燐酸尿を招き一暦P lossに拍車をかけるものと考えちれる0 3)飢餓時にフォスファターゼの活性が高まる と云われるが,飢餓の度の強い私の実験では一二 フォスファターゼ活性昂進となり,為にPIossを 招いた事も老えられる。 ;要 約 飢餓時に於ける肝臓中総燐酸量の減少ぱ著明で 統計的に1%以下の危険率を以て有意の差を示し Xo又総窒素の二三も統計的に5%以下の危険率 で有意の差を示し7こ。肝中NIPは飢餓による影響 は著明でなく少くとも増加傾向を示さない。 (本論文の要旨は,昭和26年4月,第13回H本生化学 会総会で発表した。) 御指導及御校閲を給わった前東京女子医大内科教授 岩崎秀之先生,公衆衛生院生化学主任平出順吉郎先生, 東京女子医大生化学松村義寛教授並びに新潟医大生化 学島薗順雄教授,又種々御配慮を頂いた東京女子医大内 科三神美和教授に厚謝す。 :交= 献 1) Lohmann:Biochem. Z. 203, 172, 1928 2)
Gruzewski et Roussel : Cr. Soc. Biol. Paris 115, 951, 1934 3) Buchwald:J. canc. Res. 14, 136, 536, 1930:Zit nach Ber. Physiol. 59, 353, 1931
4)Fiandaca u Capizzi:Boll. soc. ita1.ユ0,185,
19355)三婦・西田:京都府医大誌7,615,昭11,
6)麦久:同誌,17,615,昭11 7)越山:大阪医学会 雑誌 33,1117,昭10 8)Addis. Poo and Lew:
J. biol. chem. 115, 1937 9) Addis:J. biol. chem. 114, 1936 10) Kossel. A:Z. physiol. chem. 7, 7, 1882 11) Seitz, W.,’: Arch ges physiot. 11,
309, 1906 12) Wohlgemuth:J. Biochem. Z. 1,
.161,1906 13)Grund.Gり:Z. Biol.54,173,1910
14) Tichmenett, N.,:Biochem. Z. 59, 326, 1914 15) Cahn. T., and Bonat. A.,: Cempt. rend. Acad 185, 1212, 1917 16) Falcher,’OH.,:」. Lab and. Clin. med ’8, 1144, 1931 17) Rapoport. S.,
Leva, Ernst, and Guest, George Martin;The
journal ot Biological chemistry 149, 57, 1943 18)
Kosterlitz:Nat.154,1944:平出,蛋白奉失の本態
と臨床 昭25,・