原 著
初等教育段 階にお ける科学 にかかわ る職業のガイダ ンスの取 り扱 い
‑アメ リカの教科書
「Discovel・theWonder」 を手がか りに して 一
田中 賢二 ( 岡山大学教育学部)
本 (平成12)年度 の講義 「初 等理 科教 育学A (理科 授 業研 究 )」 で は、 ア メ リカ の初 等理科 教科 書 「Dis‑ coverthe wonderJに基 づ き、授業研 究の試 み を行 わせ る とともに、 この教科 書 で扱 われ て い るPeople at work侶Ⅹ‑ploring Careersを参 考 に して 、課題 [科 学 にか かわ る職 業 ・仕事 につ いて のガイダ ンス]な どに
よって、初等教 育段 階 にお け る科 学 にかか わ る職 業 (仕 事 ) のガイ ダ ンスの取 り扱 い を検 討 させ て きた 。本 稿 は、 この実践報 告で あ る。
様 々な特徴 や工 夫 を見 出 し、教科 「理科 」や 「総合 的な学 習 の時 間」 にお け る科 学 にか かわ る職業 の ガイ ダ ンスの授 業 実践 な どに向 けて、指 導案 を作 る こ とがで き、 さ らに受講 結果 につ いて の総 括 的な 自己評価や 講義全体 につ いて の評価 か らも、 はば所定 の成 果 を得 た と考 えて い る。
キー ワー ド :初等教 育段 階 ,職 業 ,ガイダ ンス ,ア メ リカ ,教 科 書
Ⅰ.は じめ に
社 会 にお け る情 報 化 ・複 雑化 そ して 規制緩 和 だ け でな く、 学校 教 育 にお いて も大綱 化 ・弾 力化 ・選 択 幅 の拡 大 な どか ら、 ガイ ダ ンスの 重要性 が認 識 され て きた。例 えば、 平成10/11年 に告示 され た 中学校 /高等 学校 新 学習指 導要領 で は 、新 た に、 「ガイ ダ ンス の機 能 の充実 」 が 明記 され 、 平成10年 に告示 さ れた 小学校 新 学習指 導要領 で も 「各教 科等 の指 導 に 当た って は , ・・ ・, 自 らの将 来 につ いて 考 えた り す る機 会 を設 け るな ど工 夫 す る こ と」 と述 べ られ て い る。で は、 小学校 つ ま り初 等 教 育段 階 にお いて 、 科学 にか かわ る職 業 (仕 事 )の ガ イダ ンスは どの よ
うに実践 可能 なのだ ろ うか .
本 (平成12)年度 の講 義 「初等 理科 教 育 学A (理 科授 業研 究)」で は、 そ の手 が か りを求 めて 、 ア メ リカの教科 書 に注 目 し、 どの よ うな内容や指 導 が な されて い るか 明 らか に し、 実践 に移 す可能 性 の追 求 を一つ の 目的 と した。
本稿 で は、 まず、手 が か りと して選 ん だ教 科 書 と、
そ こで扱 われ て い る科 学 にかか わ る職 業 (仕 事 ) の ガイダ ンスの取 り扱 いの概 要 を紹 介 す る。 次 に、授 業実践 へ の可能 性 の検 討結 果 な どに触 れ る。最後 に、
受講 生 の評価 な どか ら、今 回の講 義 につ いて の総 括 を行 う。
Ⅱ.教 科書 「DiscovertheWonder」
既 に、 この教科 書 「Discover the Wonder」 につ いて は、石原 .高瀬 に よ り、我 が 国の理科 教 育 の現
状 を知 り、教 科 書 の 改 善 に資 す るた め に も、 日本 の 理科教 科 書 との比較 検 討 を通 じて 、 まず、 ア メ リカ の この教科 書 の特徴 、 次 に、環境 教 育の 内容 につ い て の特 徴 が 明 らか に され て きた日 。 そ して、 この 教 科 書 にお いて 準備 されて い る特徴 的な 内容項 目に は、Exploring Careers卑 どが あ る こ とも指摘 され て い る。
今 回検討 資料2)に して きた この書誌事項 を示 せ ば、
表1とな る。
表1 検 討 資料 の書 誌事 項
編 著者 DaVidHeil(SeriesConsulting Author) et.al.,
書名 DiscovertheWonder Grade1‑6 出版社 SeottForesman&Co
真数 2597(6冊96章合 計 ) 出版 年 1994
ア メ リカ にお いて この教 科 書 を使 って理科 の授 業 を進 めて い くとす れ ば 、小学校 の 第1学 年つ ま り初 等 教 育 段 階 の 最 初 か ら、 科 学 に か か わ る職 業 (仕 辛 ) のガイ ダ ンス を行 うこ とにな る。
第1‑ 6学 年 用 の この理 科 教科 書 にお いて 考 え ら れ た主題 と単 元 (モ ジ ュー ル ) を ま とめて 示せ ば、
表2とな る。 6つの 主題、 3‑ 6つ の単 元 (モ ジ ュ ール ) に よ って、 スパ イ ラル に学 習 を深 め拡 大 す る よ うにな って い る。
表′2 主題 と単元 (モ ジュール )の配置
第1主題 系 と相互作 用 ]系 と相互作 用 f系 と相互作 用 l
第2主題 多様性
第3主題 エネルキL l エネルキ中一 エネルキ〇一
第4主題 l変化 の)1○ターン
第5主題 進化
第6主題 モ
デル 化
第1単元 植物 生 き物 生息地 地球 と他 の惑星 も つ と近 くで見 よ う 天体観察
第2単元 成 長 と変化 時代 を越 えた変化 那 ‑デニンクや 水 上 り坂 を 自転 車のへ○タ○ルを こいで い く 生 きてい る惑星
第3単元 音 と光 動 く物 の作 成 シェルター 火 山 と地震 面 白い運動 手がか りを探求す る 第5単元
第6単元
身の回 りの音 天気予報 電気 ハイテク、ロウテク
また、 内容 の構 成概 念 (要素 )は、 我 が 国の
AB
C (生物 とその環境 、物 質 とェ ネル ギー 、地球 と宇 宙 )や、第1と第2分 野 、 あ るいは、物 ・化 ・生 ・ 地 な どを考 えて は いな い 。規つ か の単 元 とその構成 概 念 との対 応 を例 示 すれ ば、 表3とな る。健康 / 人 表3 単元 (モ ジュール )の関連構成概念 の対応例
体 、技 術 /社 会 、科 学 の プ ロセ ス/歴 史 を含 み、 い わ ゆ る
STS
(科 学 ・技 術 ・社 会 )の構想 に従 って い る。 この構 想 、技 術 や社 会 の 文脈 にお け る科 学 や そ の意 味 を重視 す る こ とか ら、科 学 にかか わ る職 業(仕 事 ) を扱 う余地 が大 きい もの とな って い る。
構成概 念
i 学年 第第2 1単元 生 き物 物理科 学 地球科 学 生命科 学 技術/社会 /科 学の歴史
フ ○ ロ セ ス
6 第2単元 時代 を越 えた変化 物理科学 地 球科 学 生命科学 技術/社会 科学 の/歴史 7○ロセス
7 第3単元 動 く物 の作成 物理科学 健康/人体 技術/社会 科 学の/歴史
7 0 ロ セ ス
8 第4単元 地球 と空 物理 地球 生命 健康/ 技術/ 科学の70ロセス 科 学 科 学 科 学 人体 社会 /歴史
2223第学年 第5第21単元単元 上が り坂 を 自転 車 のへ○タもつ と近 くで見 よ う○ルを こいでい く 物理科学 地球物理科学 科 学 生命科 学 技術/社会 科学 の/科学 の/歴史歴 史
7 フ 0 o ロ p セ セ ス ス
24 第3単元 面 白い運動 科 学 地球物理 科 学 健康/人体
25 第4単元 太 陽 につ いて 物理科 学 地 球科 学 生命科学 健康/人体
26 第5単元 電気 物理科 学 地球科 学 健康/人体 技術/社会
い 32の科 学 にかかわ る職業 (仕事 )のガイダ ンス
Ⅲ.
科 学 にかかわる職業 のガイダ ンス が配置 されて い る。科 学 にかかわ る職業 (仕事 )の 1‑ 6学年は計 32の単元か ら構成 されて お り、 ガイダ ンスを扱 った コーナー (頁)の次頁 には関連 単元束 に1‑ 2学年は働 く人 々 (PeopleatWork)、 した活動 ・道具な ど (How does・・・work?/ How3‑ 6学 年は職業調 べ (Exploring Careers)とい things work)の コー ナー (戻 )が あ る。一 覧表 に うコー ナー (貞)が あ り、単元の学習 内容 に相応 し して 、 ま とめて示せば、表4とな る。
表4 科学 にかかわ る職業 (仕事)のガイダ ンス、及びその次責の 内容
Noコーナ一名 (ガイダ ンス) 取 り上げ られた職名 次頁 (関連 した活動 .道具 な ど)
1 温室見学 温室作業 員 温室は どのようになってい るの ? 第学年1
2 病院見学 看護婦 秤 は どのようにな っているの ?
3 フォ トスタジオ見学 写真家 カメラは どのようなに働 くの ? 4 測候所見学 天気予報 士 風見は どのように働 くの ?
5 ペ ッ トショップ見学 ペ ッ トシ ョップ従業 員 水槽 は どのように働 くの ? 第学年2
6 博物館見学 博物館員 ドリルは どのように働 くの ?
7 自転車工場見学 工場労働者 自転車は どの ように働 くの ? 8 プラネタ リウム見学 天文学者 望遠鏡 は どのように働 くの ?
9 森林監視 員 森林監視 員 寒暖計 罪学年3
10 まず種か ら始 まる 園芸家 植物 の薬 :ハ ッカ ll 動物 と屋外で 動物 園飼育係 太陽暖房 :建築 12 自助 を援助する 物理治療 家 飛ぶ列 車
13 人々を繋 <. 手話通訳 伸縮で ピッチ替 え 14 環境助 け 化学エ ンジニア ゴ ミ収集車 :日々の需要
15宇宙での技術 宇宙飛行 士 宇宙服 :強耐久 第学年4 16 オ夕マジヤクシが大魚を導 く 水族館長助手 深海調査 :遠隔操作車両
17 地震予測 地震学者 採鉱 :鉄の選鉱
18 旅客 ジェッ ト機 の飛行 航空機機長 ヘ リコプター :どの方 向へ も飛ぶ
19 雲が天気を変える 気象学者 下降突風 と飛行機
20 熱帯雨林 の科学者 熱帯雨林 の科学者 熱帯雨林 のパー トナー
21綿棒 で何 を知 ることがで きるか 医療技術 者 顕微鏡 :調べ る道具 第学年5 22手がか り探 し 考古学者 ネジジャッキ :重い物の持 ち上げ 23健康セ ンター セ ンター長 自動操縦装置 :慣性の利用 24未来の家 太 陽電池建設業者 太陽電池 :光 による発電 25テ レビ技師のイ ンタビュー テ レビ技師 電池 :庖源
26宇宙 のサ ツマイモ 農業微生物学者 生物圏 2:ガ ラスの中での農業
27星の研究 天体物理 学者 券光器 :光の分解 第学年6
28冷凍の動物 園 動物飼育家 DNA鑑定 :犯罪検挙
29 科学探偵 先史生態学者 放射性 炭素 による年代測定
30水 中のデザイナ 水 中写真家&デザイナ 複眼 :デー ジー を見 る
31医学テ クノロジー 生医学技師 電気温水器
関連 して計 33名 (男 16女 17、Dr9)の人物 が Remember4、 目標 Goal3、 最 近 の プ ロ ジ ェ ク ト 取 り上 げ られてい る。第3学年以 上 に登場 させて い CurrentPrqject3、 な ど)が加 え られてい る。
る計 24名 の人物 について は、延べ 35の コメン ト 想定 されて い る指 導 を ま とめ る と、そのバ ター ン (趣 味 Hob・bies14、 記 憶 に 残 る 言 葉 Words to がわか る.その例 を挙 げ る と表5とな る。
表5 想定されている指導例 (2学年&5学年)
Noコーナ一名 職名 単元 関連 した活動 .道具など 6 博物館見学 館員 時代を越えた変化 ドリルは どのように働 くの ? 点検 (EXamine):博物館貝が必要 とする資質を考えるように、児童に尋ねる.
発展 (EXplore Further):博物館での仕事に興味を持った児童には、クラスで話をして貰 うよう地域の 悼
物館か ら人を招 くこともで きるoおそ らく、化石の入った石を持 って きた り、化石 を取 り出す方法の演
示
もした りして くれる.
討論 (Discussion):も し可能な らば、児童に ドリル、 ブラシ、メス、ピンセ ットな どのような道具を示 す.道具を何の為 に使い、使 ったときにどのようなことが起 こるかを児童に尋ねるo
チ ェックポイン ト (Checkpoint):大昔の動植物 を調べ るときに、 ドリルは どの ように手助 けをする か ?
クやルザ 学習 (Collaborative Le ami ng) :3人グループを作 り、博物館貝が岩か らデイノサウルスの骨を
Noコーナ一名 職名 単元 関連
26宇宙のサツマイモ 農業微生物学者 大地 に頼 り暮 らす Biosphere2
自分で見つけよう(FindOutonYourOwn):Biosphere2の実験の進展について書いてある最近の科学雑 誌を調べなさい○定期刊行物ガイ ドを使って、図書館で雑誌記事を見つけなさい。
点検 (EXamine):微生物学者が必要な能力を、児童に尋ねる○
発展 (EXploreFurther):微生物学の仕事についてもつと知 りたい児童には、アメ リカ微生物学会事務局 に手紙を書かせる○
討論 (Discussion):実験か ら学んだことを児童達 と話 し合 う。そのような実験 に参加 した くないかどう か尋ねるo
クやル‑70学習 (Collaborative Le ami ng):このような隔離された場所で長期に生活 しな くてはな らない と
Ⅳ.授業共成の可能性
Ⅳ‑ 1.講義の概要
教職専門科 目 「初等理科教育学A&B (理科授業 研究)」は、3年次以上の学生を対象 とし、理科教 育学教官2名が担 当 して きた。バランス良 く履修で きるように、 また、受講生の数 を適正 (上限 30名 程度)にし、受講のチ ャンスを増やすために、四半 期 (7‑8回)・1単位の講義を、それぞれ年間5
回開講 している。 この履修組分 けは、年度始めに希 望を取 り、履修時期の割 り当てを瀧 定 している04
年次生の希望を優先 しているので、例年、履修時期 が早い四半期 には4年次生が集 中することになって いる。
科 目 「初等理科教育学
A
(理科授業研究)」のね らいは、将来、小学校で理科の授業 を行 う時、かつ て受けて きた理科の授業の体験 だけを手がか りに、授業を行 うことのない よう、内外で試み られそ して
歴史上、実験 されて きた苦悩 に充ちた初等理科教育 を、 自ら考え、経験 し、検討す る中か ら、幅広い基 盤を培わせることである。
その為 に、初等理科教育の授業研究 と諸問題の検 討 との2つの部分 を有機 的 に構成 させているが、受 講生の人数及び構成 に応 じて、弾力的 に変更 してい
る。
一方で、初等理科教育の授業研 究 として、内外の 基礎的文献 に基づいて、HandsonActivity(学校教 育 において行われ る簡単な実験 ・観察)を取 り入れ た模擬授業をグループ毎 に行わせ、全員で質疑 ・討 論させている。他方で、初等教育段階の理科教育 に おける諸問題の 中か ら学生の興味 ・関心や時代の要 請に合 った問題 を概説 し、内外の基本資料 を参考 に 調査/課題 を行わせ、相互評価 と取 りまとめを経て、
全員で質疑 ・討論させてい る。
進 め方 としては、グルー プ単位で模擬授業の実施 と全 員での批評 ・討論、グループ単位で調査 /蘇
題の取 りまとめの報告 と全員で質疑 ・討論、最後 に コメン トを加 えてい る。つ ま り、考え、経験 し、 ま とめ、発表 し、討議 し、思考 ・経験の変容を経 るな ど、受講生の主体的で能動的な受講態度を求めてい る。
最終的な評価は、出欠、内外の基礎的資料の検討、
宿題 として課す調査/課題 の レポー ト、グループ毎 に行 う模擬授業の実施 ・レポー トの相互評価 ・取 り まとめな どか ら、総合的に判断 している。
本 (平成 12)年度受講届 けを出 してい る学生は、
既に、終わってい る第1四半期 (月3限、4限)、
第2四半期 (月4限)の計3回について、34、27、 27の計 88名で あ り、履修が始 まった第4四半期
(月3限、 4限)では、30、24名である。
しか し、実際に履修 した学生は、第1四半期 (月 3限、 4限)、第2四半期 (月4限)の計3回につ いて、29、27、10名で ある。 と りわけ、第2四半 期 (月4限)では、履修辞退者が 17名を数 え、養 護学校 と幼稚 園教 員、養護教諭養成課程の3年次生 全員 (9名)が、履修 を辞退 している。そ こで、受 講者が激減 した第2四半期 (月4限)は、授業研 究 をせず課題演習 による諸問題の検討のみに変更 した。
計 56名を対象 として行 った本 (平成 12)年度第 1四半期 (4/1‑6/5)の講義 「初等理科教育学A (理 科授業研究)」の概要を示せば、表6となる。表6 でわかるように、一方で、授業研究はガイダ ンスの 取 り扱いを検討する資料 として選んだ教科書 「Dis一
・cover the Wonder」 の6学年の最後の2単元に基 づ き、他方で、演習課題 として としてカ リキュラム、
ガイダンス、Hands‑on Activityな どの初等教育段 階の理科教育における諸問題を扱 った。
表6平成 12年度第1四半期 (4/1‑6/5)の講義
「初等理科教育学A (理科授業研究)」
月日 内容/調査課題の取 りまとめ/授業研究 1 4/17講義のガイダンス
理科教育の動向概説
24/24調 査 Ⅰ (4/17提 出 ) &調 査
Ⅹ
Ⅴ (2/7捷出)
授業研究第一次資料回収 課題CXLⅠⅩ (149)
[初等理科カ リキュラムの比較/ 日中]
4 5/8 (4/24提 出) 授業研究.Ⅰ
Discovert,heWonderGrade6 教科書の概要
課題CL (150)
[義務教育における科学教育の一貫性 5 5/15/アメ リカ] (5/1捷 出)
授業研究ⅠⅠ
DiscovertheWonderGrade6 ModuleE‑1& F‑1
課題CXLV ⅠⅠ(147) [科学/理科のガイダンス1]
6 5/22 (5/8提 出) 授業研究Ⅲ
DiscoVortheWonderGrade6 ModuleE‑2&F̲2
課題CXLVⅠ(146)
[科学にかかわる職業 .仕事 についての 75/29ガイダンス1] (5/15提 出)
授業研究Ⅳ
DiscovertheWonderGrade6 ModuleE‑3
課題CXV Ⅰ (116) (5/22提出) [理科教育におけるHands‑onAotiVity/3]
調査XV 講義 に対する評価 (5/29提
Ⅳ‑2.検討 一課題
ガイダ ンスに関連させた課題の一つは、表7であ り、その課題の意図の説明 (4/17 & 5/8)/レポー トの提 出 (5/15)/担 当グループによる課題 レポー トの相互評価 ・取 りまとめ/報告 ・討論 (5/22)と 進 めてい った。 レポー トの出 し放 しで終わ らない、
聞 き/考え/ まとめ/聞 き/考え/ まとめるという フィー ドバ ックを行 うことで、深 く考えることがで きる工夫を している。
表7 課題CXLV I (146) [科学にかかわる職業 ・仕事 についてのガイダンス1]
1.別紙を翻訳する。
PeopleatWork/ExploringCareers/HowThingsWork
2.児童になった積も りで、 (可能な限 り)別紙において準備されている活動を行 う。
例えば、Discussion、ExploreFurther,CollaborativeLe arning,FindoutonYourOwnな どのど
れかに基づ く。
なお、基づいた指示内容は明記のこと。
3.別紙の学習活動は、我が国の小学校の何年生に対 して可能であるかを、示す。
なお、学習指導要領、教科書な どを参考 にした場合 には、その書誌事項 (編著者、書名、出版 社、出版年/検定年、参考部分の頁など)を明記する。
ここでの別紙 とは、 この教科書の 32種類 各2頁 (
衷4
) と、その位置づけを知 るための単元の 目次 であ り、学生毎 に違 っている。この課題の報告 と取 りまとめ、模擬授業 (授業研 究)、そ してそれぞれ についての質疑や討論な どか
ら、受講生は、アメ リカの教科書 「Diseoverthe Wonder」 において、様 々な特徴 や工夫
(9我が国の小学校理科の
ABC
区分では とらえ られ ない内容をカバー している②卒業前にまとめてガイダ ンスするのでな く、単元 毎に準備 している
③身近な職業か ら新 しい職業な ど多様 なものを取 り 上げている
④仮名でな く特定人物 を取 り上げ、具体性が高い
⑤関連 した活動や道具な どを隣接 させ、包括的で、
単元の最後だけでな く独立 した学習が可能である
⑥ その ことによって、点検 ・発展 ・討論 ・個別学習
・グループ学習な どを準備 し、 自主的な活動を求 めている
⑦教科 「理科」だけでな く、新設 された 「総合的な 学習の時間」 においても実施可能である
を兄い出 した。
ちなみに、 この課題の手順2において実際に活動 を行 った受講生は、50名 中29名であった。また、
手順3において、我が国での可能な学年は想定され ているアメ リカの学年に比べて、多 くがよ り高学年 であるとしていた。
Ⅳ‑3.指導案作成 一追加課題
表8は、例年、最終講義 に提 出させている調査Ⅹ
Ⅴ (15)、講義に対する評価 (問 1‑8)に加えて、
講義に対 するまとめ として追加的に課 した課題 (間 9, 10)である。
表 8 調査/課題
ⅩⅤ
(15)追加 [講義に対するまとめとして]問9 【意義の学習指導要領などによる再確認】
中等教育段階 と初等教育段階 との違い、科学技術や理科教育の現状なども考慮 して、初等教育段階 における科学にかかわる職業 .仕事についてのガイダンスの意義を述べるo
間 10 【実践可能性のアメ リカ教科書な どによる再検討】
初等教育段階における科学にかかわるある仕事 .賎業についてのガイダ ンスの指導案を作成する○
指導案 (1授業時間分)の形式は 自由とするが、対象学年 .時期 (学年) .扱 う仕事や職業 .目標 .
意義の確認 (間 9)については、様 々な回答か ら 2例 を示せば、表9となる。
表9 ガイダンスの意義の確認例 (3限受講者番号2&4限受講者番号13回答)
科学に関する職業 についてのガイダンスを初等教育段階で実施することは次の2つの意義があると思 う。
・自分の身のまわ りのことすべてを支えて くれているという人がいることに気付 き感謝の気持ちを持つ ことが で きるようにする。
・科学に関する職業 に興味を持ち、 自分の夢を持 った りその仕事 について調べた りすることがで きるようにな る。
・・・特に科学にかかわる職業 ・仕事 においては、現在の科学技術の進歩によ り、数がかな り多 くな り自分 で探すことが難 しいのが現状である。教育の場で援助する事が望まれる。 ・・・
指導案の作成 (問 10)については、ほ とん どが 計 53の指導案の中か ら、綿密な計画であ り実施 現行の小学理科が始 まる3学年以上を対象 とし、関 可能性 の高い2つの案 を、示せば、表 10、11とな 連テーマが扱われる時期 に実施す る案 となっていた。 る。それぞれ、今回参考 に したアメ リカの初等理科
教科書 「Disc。verthe Wonder」 にお けるガイダ ン (表4)を参考 に してお り、アメ リカで想定 されて ス:5ペ ッ トショップ見学& 8プラネタ リウム見学 い る学年 と比べ高学年で扱 う案 となってい るo
表10 指導実例1 (4限受講者番号6作成) 第3学年1学期 理科学習指導案
1.ペ ットショップで働 く人達 2.指導の立場
本単元ではペ ットショップで働 く人達について とりあげる。ペ ットショップでは どんな仕事をするのかを調 べ、話 し合い、動物の世話をするにはどんなものが必要かを知 ることがで きるようにする。
ペ ッ トショップにも、学校にも、家にもよくある身近なもの として水そうを とりあげ、そのはた らきについ て、実際に魚を育て観察 しなが ら話 しあい、生 きてい くためにどのようなことが必要かを知 ることがで きるよ うにする。これ らのことを意欲的に取 りくみ、調べ、話 し合 う活動を通 して、生命を尊重する態度が育つよう にするとともに、仕事の大切さな どについても学ぶことがで きるようにする。
3.目標
(1)ペ ットショップで働 く人達の仕事 について調べ、話 し合 う活動を通 してよ り深 く学ぶ ことができるよう にする。
(2)水そうのはた らきを知 り、、魚を育てるということについて理解 し、その生命 について考えることがで きるようにする。
4.指導計画
第1次1時 ペッ トショップで働 く人達) (本時) 2時 水そうのはた らき
本時案<第1次1時>
○準備するもの
動物たちの絵、かご、水そうの絵、ワークシー ト 学習の展開
学習活動 教師の支援 予想される児童の活動
1.ペ ッ トショップ T.みんな、今、ペ ッ トシ ョップに ・ペ ッ トショップにいそうな生 き物をどんど には どんな生 き物 が や って来 た よ○想 像 して み ま しよ 表する○
いるかを話 しあう.2. どんな仕事 をす う.何が見えますか.板書 し、声をかけなが ら、児童の想像力をかきたてる.の発表 にあわせて、黒板 にはつてい童が想像 しやすいようにするo
T.
く.どの必要なものは何かoT.り、黒板 をいつはいにすることで児・あ らか じめ用意 していた絵 を児童・絵 を用意 していないものも黒板 に・用 意 して お い た それ らの絵 をはペ ッ トショップには こんなにたこの生 き物達の住 んでいる家な ・ペ ットショップにある道具や用品を発表す・ベ ットの世話をすることを発表する.イヌ、ネコ、鳥、魚、昆虫、は虫類かご、水そう、巣、鎖 るか話 しあう○ くさんのものや生 き物がい ることが えさをあげる、そうじをする、健康状態をみ3. どんな人 があ う か話 しあう。
4.身近 な生 き物 に ついて考える。
・児 童 の発 言 にあ わせ て絵 を動 か す。
T.
ペ ッ トの世話以外 にす ることは 何か。・黒板に板書する。
T.
お客さんの相談 にの るには、動 物の ことに くわ しくて、病気 につい ても くわ しいはずだね。T.では、 どんな人がいいか。
T.ペ ッ トショップについてた くさ んの ことが分 かったね。近 くにペ ッ トショップがある人は家の人 と一緒 にいって質問 して、みんなに報告 し ましよう。
・ワー クシー トを配 り、聞 きたい こ とをか くようにいう。
・質問が うかぶ ように、何個 かいっ てみる。
T.さっき、ペ ッ トショップの人は 動物の世話をするっていったけどみ んなも動物 の世話で きるね。家にも 学校 にも近所 にもた くさんいるね。
どんなことするのか。
T.
この クラス に も生 き物 が い る ね。・水そうの魚に注 目させる。
T.
みんな もペ ッ トショップの人達 と同 じようにい ろい とな生 き物の世 話をしたことがあるんだね。T.では、今度 の時間は この水そ う の働 きについての話をします。
・お客さん との仕事について発表する。
ベ ット用品を売る、お客さんの相談 にのる、病 気のチェックをする
動物好 き、動物 にくわ しい、 しつけを理解する、
そうじが好 き、 ・ワークシー トに質問 したいこと を書 きこむ。
・自分のベ ットの世話を していることを話す。
えさをあげる、一緒 にあそぶ、散歩する、ブラ シをかける
・自分達が世話を していることを話す。
えさをあげる、そうじをする
表11 指 導案例2 (4限受講者番 号9作成) 対象学年 6年
時期 2学期始め (夏〜秋 にかけて)
星の動 き一天文学者 (新版理科6年上教科書よ り)で扱 う。
*次時にプラネタ リウムを訪問することを前提 に作成する。
目標
準備物 教 師 :望遠鏡 の仕組 みを説 明す るた めの図、子 ども :天文学者 について各 自調べて くる。
学習活動 指導 の要点 と留意事項 1.本 時 の活 動 の め あ
て を知 る。
2.各 自調 べ て きた こ とについて話 し合 う。
3.発 見 した こ と、話 し 合 った こ と、 ま とめた こ とにつ い て 紹 介 し合 う。
4.天 文 学 者 と 自分 の 生酒 の 関係 につ い て 考 え、天文学者 とい う職業 につ いて の理 解 を深 め る。
5. 本 時 の ま と め を し、 次 時 の 学 習 を確 認 する。
1
.前 回 まで の学習 をふ り返 り、前時 の学習 を想起 させ る と ともに 「星 や惑星 を研究 す る人 々 一天文学者 について調べ よう」 とい う本 時の活動 の めあて をつか ませ る。めあて :天文学者 につ いて調べ よ う。
2. ・自分 が調 べて きた こ とだ けで な く、もっ と深 め るた め に、 まず、班 ごとに話 し 合 い、お互い調 べて きた情報 を交換 し合 う。
・後 で班 の一人が発表で きるよう、 ま とめてお く。
予想 され る活 動 :・星 を発 見す る こ とを仕事 に して い る。・プ ラネ タ リウムで働 いて い る。 ・大学で研 究 して い る人 もい る。 ・望遠 鏡 で星や 惑星 を観察 して い る。・パ ソ コ ンを使 う人 もい る。
・机 間指 導 (机 間巡視 ) して話 し合 いが 円滑 に行 われ ない時 には、質 問な どを投 げか け、それ について話 し合 わせ る。
「天文学者は どんな仕事 をす るんだ ろう?
」
「天文学者は どんな ところで仕事 をす る んだろ う?」3.・各班 の代 表 者 (4、5名程度 )が、 自分 た ちの班 で ま とめた天文学者 について の情報 や知識 を紹介 し合 う。
予想 され る括動 :・2.でで きた 内容 、さ らに ま とまった 内容 を発 表す る。・あま りま とまって いない班 もある。
・全部紹 介 して ほ しい ところだが、時 間がかか るため、前班 、 あ るいはすで に述べ ら れ た内容 を省略 して発表 され る。
・まとめた内容 をは っ き りととらえや す くするため、 ご く簡単 な板書 をする。
板 轟 く天 文学 者 > ・仕 事 の内容 :星や 惑星 の観察 、崖 の発 見、研 究 ・仕事 の場所 :プ ラネタ リウム、大学、研 究所 ・仕事の道具 :望遠鏡、パ ソコン
4(1)・3の活 動で ま とめて きた中か ら天文学者 に とって必需 品で あ る望遠鏡 の仕 組 み についての理解 を深め る。
・望遠鏡 を使 う理 由、望遠鏡 を使 うとどうな るか、 どの よ うに見 えるか につ いて 話 し 合 う。
予想 され る活動 :・月 が大 き く見 える。・星 が見 え る。・肉眼 だけでは見え ない星 も見 える。・以前、スイ星 を見た。 ・星 が動いてい るのが よ く分 か るな ど
(2)・なぜ、 大 き く見 えた り、 肉眼で みえなか った ものが見 え るのか とい うことに つ いて、望遠鏡 の仕組 み を理解 す るた めの図 を提 示 し、話 し合 うことで、望遠鏡 の仕 組 み について理解 を深 める。
・イタ リアの科 学者ガ リレオ の話 を と り上 げ、望遠鏡 を使 うことによって、天動説 を は じめ、様 々な発 見 を し、それ までの考 えを変えた こ とにつ いて話す。そ うす る こと で 、天文 学者 の研 究発見 が 自分 た ちの生活 に影響 を及 ぼ した り、 関わ って い るこ とを 理解 し、天文学者 とい う職業 について の理解 を深 めることがで きるよ うにす る。
・本 時 の ま とめをす る 中で、次時 の プ ラネ タ リウムへ の訪 問 につ いて説 明 し、意欲 を 高 める。
・プラネ タ リウムを訪 問す るにあた って、天文学 者の方 に尋 ねたい こ とを ノー トにか かせ、 次時の プラネタ リウムへの訪問 につ いて意欲 をもっ ことがで きるようにす る。
初 等教 育 段階 にお け る科 学 にかか わ る職業 (仕 事 )
Ⅴ.
お わ りに の ガイ ダ ンスの取 り扱 い を検討 して きた 。本 (平 成 12)年 度 の 講 義 「初 等 理 科 教 育 学A 初等 教 育段 階 で す ら、教 科 「理 科 」や 「総 合 的 な (理 科授業研 究 )」 で は、授 業研 究 を行 う と ともに、 学 習 の 時 間」 にお け る科 学 にかか わ る職 業 (仕事 )
のガイダ ンスの授業実践 な どに向けて、幾つかの ヒ ン トを得て、授業実践の可能性 の換討 をす る ととも に、実際、指導案を作成 す ることがで きて いる。
最後 に、全体的な総括 として、最終講義 で行 った 調査/課題ⅩⅤ (15) [講義 に対す る評価 ]の 自 己評価、講義 に対 す る評価 (問6,7)、及び教官 による最終評価 に注 目す る。 これ ら3つの評価 があ る 46名 について、それぞれの最大値、標準偏差、
中位点 (平均値)、最小値 の4つのパ ラメー タを箱 ひげ図で示す と、図1のよ うになる。
全体 としては、受講結果 についての 自己評価や講 義全体 についての評価、教官 による最終 評価 か ら、
ほぼ所定の成果 を得 た と考 え られ る。
自己評価 計
頼 評 価 最 終 評 価
図1 自己評価、講義 に対 する評価、及び教官か ら の最終評価
学生か らの二つの評価は、そ もそも可か ら優の間 (60‑100)で判断 し、平均 と標 準偏差 (ば らつ き) はほぼ 同 じで あ り、それ らと比べ ると、教官 か らの 最終評価 は平均 が上 が り、標準偏差 (ば らつ き)が 小さ くなっていることがわかる。
更 に、学生の 自己評価 を中心 と して、講義 に対 す る評価、教官か らの最終 評価の対応 をグラフに示 し てみれば、図2とな る。図 には、 それ らの間の対応 関係 を (線形)近似 した場合の直線 を、加 えてい るC
学生の 自己評価 と教官か らの最終評価 とはいわば 弱い順相 関 とな り、学生達のそれぞれの 自己評価は、
少な くとも相対的な点か らは信頼 して良い ことを意 味 してい る。 しか し、 自己評価 と講義 に対 す る評価 とはほ とん ど関係 がない ことがわか る。学生 自身の
◆講義評価 ・最終評価‑ 線形(計載評価)・一一繰形(毛終評価)
100
90
tき た bO 虫
=\ 芸 70
10
50
y=‑0046x+89.605
● ‑
一一r◆ I ‑
‑‑:■
I . ● T
◆ ●⊥
y=0.321x+02.946
◆◆ ■ + +
◆;
50 80 70 80 90 100
自己評価
図2 自己評価、講義 に対す る評価、及び教官か ら の最終評価 の対応 関係
努力や 関与が、講義全体 の成否 に関わってい るとい う意識 が、全体 として は見 られない 。 これは、例 え ば、受講生の感想 の中にも指摘が多い、討論な どに 積極 的 に加わ る主体 的で能動的な受講態度の不足 を 示 してい る と、 とれないわけではない。
付記 :本稿 は、 日本科学教育学会第24回年会 (辛 成12年7月29日、静 岡市)において 口頭発表 した
「初等教育段階 にお ける科 学 にかかわる職業 のガイ ダ ンス ーアメ リカ の教科 書 『Discover the Won‑
der』の場合 ‑」 に、加筆修正 したものである。
引用文献
1)石 原 敦 子 ・高 瀬 一 男 、米 国理 科 教 科 書 「Dis‑ cover the Wonder(K〜 6)」の分析 一内容構成 の特徴 一、.日本科学教育学会第 18回年会論文集
(1994)P.261‑ 262
2)Daid Heil(Series Consulting Author)et.al., DiseovertheWonderGradel・6,ScottForesman
&C0.,1994
(平成12年12月15日原稿 受理 )
Title:ATeachingResearchoftheSciencerelatedCareersintheElementarySchoolScience,basedbythe AmericanTextbooksDiscovertheWonder
KenjiTANAKA (Facult,yofEdllCat,ion,OkayamaUniversity)
Abstract:Thisdocumentreportson lesson‑activitiesaboutateachingresearch ofthesciencerelated careers・Thefirstpartdealswith abriefreview oftheamerican elementaryschoolsciencetextbooks DiscovertheWonder.Thecontentofthesciencerelat,edcareerswasidentified,andcategorizedint,he second part.The third partdealswith discussions and lesson‑plan making.The study 丘ndingspart concludeswith an alysesofthislesson‑activities.
Keywords:TeachingResearch,ElementarySchoolScience,SciencerelatedCareers,AmericanTextbooks.