• 検索結果がありません。

学 位 論 文 要 旨

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "学 位 論 文 要 旨"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

【 歯 学 系 (Dentistry) 】

指 導 教 授 氏 名 指 導 役 割

佐々木 朗 印 研究の統括,総合的指導

印 印

学 位 論 文 要 旨

岡 山 大 学 大 学 院 医 歯 薬 学 総 合 研 究 科 専 攻 分 野 病態制御科学専攻

口腔顎顔面外科学 身 分 大 学 院 生 氏 名

廣瀬 泰良

論 文 題 名 Terreinの悪性黒色腫に対する抗腫瘍効果に関する研究

論 文 内 容 の 要 旨 (2000字 程 度 )

【 緒 言 】

悪性黒色腫はメラノサイトを由来とする悪性腫瘍で皮膚に好発し,早期にリンパ行性転移,

血行性転移をきたす予後不良の腫瘍である.悪性黒色腫は放射線感受性が低いため,治療の中 心は手術療法と薬物療法であるが,手術療法においては原発巣の広範囲切除術が強く推奨され ており,広範囲切除術後には機能障害および整容的問題が起こる.近年,免疫チェックポイン ト阻害薬およびBRAF阻害薬などの分子標的薬の登場により,悪性黒色腫の治療は大きく変化し つつあるが,未だ十分な根治性が得られないのが現状である.

Angiogenin(ANG)はヒト大腸癌細胞株HT-29の培養上清から発見された血管新生因子である.

近年,癌細胞の産生する ANG はオートクライン的に癌細胞にも作用し,癌細胞の増殖を促進す ることが明らかとなった.また悪性黒色腫細胞においても,ANGは血管新生に加え,腫瘍細胞増 殖にも直接関与しており,さらに内因性 ANG の発現が線維芽細胞成長因子の発現を増加させる ことが報告されている.したがって,ANGの選択的阻害により血管新生と腫瘍細胞増殖を同時に 制御できる可能性が示唆されている.

アスペルギルス属真菌の代謝産物であるterreinは前立腺癌細胞のANG産生を抑制すること が報告されているが,天然型 terrein は大量の菌塊から微量しか抽出できないため,薬理作用 の解明は進んでいなかった.萬代らの研究グループは terrein を完全化学合成する経路を確立 した.本研究では,萬代らの研究グループから供与を受けた合成 terrein を用いて ANG産生抑 制による悪性黒色腫細胞に対する抗腫瘍効果とその機序について検討を行った.

【材料および方法】

1. Terreinが悪性黒色腫細胞およびメラノサイト,歯肉上皮前駆細胞に与える影響

ヒト悪性黒色腫細胞株(A375),マウス悪性黒色腫細胞株(B16)をterrein 20μM存在下で培養 し,増殖能を検討した.またヒトメラノサイト(NHEM-Ad),ヒト歯肉上皮前駆細胞(HGEPp)を terrein 20μM 存在下で培養し,MTT アッセイにて細胞毒性を検討した.さらにA375 について は運動能,遊走能,浸潤能を検討した.

2. TerreinがA375のANG発現およびリボソーム生合成に与える影響

TerreinのA375におけるANG発現に与える影響についてはWestern Blotting法(WB法),お よびELISA法にて評価した. ANG受容体であるPlexin-B2(PLXNB2)発現はWB法にて評価した.

ま た リ ボ ソ ー ム 生 合 成 に 与 え る 影 響 に つ い て は Argyrophilic nucleolar organizer region(AgNOR)染色を施行し,評価した.

様 式 甲 - 3

(2)

論 文 内 容 の 要 旨 (2000字 程 度 )

3. Terreinが悪性黒色腫皮下移植動物モデルに与える影響

5週齢雄BALB/c-nu/nuヌードマウスの背 部 皮 下 に A375 を 1×106個 ず つ 移 植 し , 悪 性 黒 色 腫 皮 下 移 植 動 物 モ デ ル を 作 製 し た . 移 植 か ら 2 週 よ り 週 2 回 ,terrein を 30mg/kg, 腹 腔 内 投 与 し , 腫 瘍 体 積 を 経 時 的 に 計 測 し た . 移 植 後 5 週 で マ ウ ス を 屠 殺 し , 腫 瘍 周 囲 血 管 を 解 析 し た . ま た 摘 出 し た 腫 瘍 か ら 組 織 切 片 を 作 製 し , 抗 ANG 抗 体 に よ る 免 疫 染 色 お よ び TUNELア ッ セ イ に よ る ア ポ ト ー シ ス の 検 出 を 行 っ た . 4. TerreinがA375のアポトーシス誘導に与える影響

A375をterrein 20μM存在下で培養,タンパクを回収し,Bcl-2発現,Nf-κB発現,Caspase3 発現,Cleaved-caspase3発現をWB法にて評価した.

【 結 果 】

1. 悪性黒色腫細胞およびメラノサイト,歯肉上皮前駆細胞への影響

Terrein存在下で培養したA375,B16 では経時的に細胞増殖が減少しており,対照群に比べ

増殖能が有意に抑制されていた.NHEM-AdおよびHGEPpのMTTアッセイでは生存率に有意差はな く,terreinによる毒性は認めなかった.またA375にterreinを添加することで,運動能,遊 走能,浸潤能のすべてが有意に抑制されていた.

2. ANG発現およびリボソーム生合成への影響

ANG発現についてはWB法,ELISA法ともにterrein添加群で有意に抑制されていた.WB法に

おける PLXNB2 発現については有意差を認めなかった.またリボソーム生合成への影響につい

ては,terrein添加群で染色されたAgNOR陽性数が減少しており,リボソーム生合成を有意に抑

制していた.

3. 悪性黒色腫皮下移植動物モデルへの影響

Terrein投与後から徐々に腫瘍体積を抑制しており,17日目で有意差が認められた.摘出腫

瘍周囲の血管数,血管長,血管面積はすべて terrein 投与群で有意に抑制されていた.抗 ANG 抗体による免疫染色ではANG の染色性がterrein投与群で抑制されていた.またTUNEL アッセ イにて検出されたアポトーシスを示す細胞数はterrein投与群で有意に増加していた.

4. アポトーシス誘導への影響

Bcl-2発現およびNf-κBについてはterrein添加群で有意に抑制されていた.またCaspase3 発現では有意差を認めなかったが,Cleaved-Caspase3発現では terrein添加群で有意に増加が 認められた.

【 考 察 】

ANG は 癌 細 胞 に 対 し て も オ ー ト ク ラ イ ン 的 に 作 用 し rRNA 転 写 と 細 胞 増 殖 を 亢 進 さ せ る . 蛋 白 質 の 合 成 は リ ボ ソ ー ム 生 合 成 に よ っ て 厳 密 に 制 御 さ れ て お り , リ ボ ソ ー ム 生 合 成 の 律 速 段 階 と な っ て い る の が rRNA 転 写 で あ る .ANGの 細 胞 増 殖 促 進 作 用 は ,こ の rRNA 転 写 を 促 進 す る こ と に よ る .Terreinに よ る 悪 性 黒 色 腫 細 胞 の 細 胞 活 性 の 抑 制 は ,ANG 発 現 抑 制 と そ れ に 伴 う リ ボ ソ ー ム 生 合 成 の 低 下 に 起 因 す る と 考 え ら れ た .

Terrein は 悪 性 黒 色 腫 の ア ポ ト ー シ ス に 影 響 を 与 え て い る と 考 え ら れ た . Caspase3 は 抗 ア ポ ト ー シ ス 性 に 働 く Bcl-2 を 切 断 し , ア ポ ト ー シ ス を 促 進 す る . Terrein は 抗 ア ポ ト ー シ ス 性 タ ン パ ク 質 で あ る Bcl-2発 現 を 抑 制 し ,Caspase3を 活 性 化 さ せ , ア ポ ト ー シ ス を 誘 導 し て い た .ANG は 抗 ア ポ ト ー シ ス 性 因 子 の 発 現 を 上 昇 さ せ る が ,terrein は ANG を 抑 制 す る こ と で ,ANG の 抗 ア ポ ト ー シ ス 作 用 を 阻 害 し , ア ポ ト ー シ ス を 誘 導 し て い る と 考 え ら れ た .

【 結 語 】

本 研 究 で は ,terrein は ANG を 阻 害 す る こ と で , 血 管 新 生 阻 害 と 腫 瘍 細 胞 の ア ポ ト ー シ ス 誘 導 に よ り , 悪 性 黒 色 腫 に 対 す る 新 規 治 療 法 と な る 可 能 性 を 見 出 し た .

様 式 甲 - 3

参照

関連したドキュメント

抑制されたが、その他の味覚では有意な差は認めなかった。この結果をふまえ、甘味およ

Fbg は DAY7 、 14 で有意 に上昇、 DAY28 には前値に回復した。 PIC は DAY7 以降に有意 な増加を認めたが軽度であった。 TAT

  SC 群お よび IS 群 のい ずれ においても肝転移が有意に抑制されたが、 2 っの治療群

[r]

siRNA を用いた細胞実験では TRIM44 のノックダウンにより MCF-7 及び MDA-MB-231 細胞 の増殖が有意に抑制され、また MDA-MB-231

9 %,後者 3.5% と低率であった.両者間 において性,年齢,喫煙歴および飲酒歴に有意差は認め られなかった CTable4

術後累積生存率に差は認めなかったものの術後無再発生存率では Klotho 陽性群