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中華 人民 共和 国 の 「宗 教 団体」 に関す る一 考察

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中華 人民 共和 国 の 「宗 教 団体」 に関す る一 考察

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中華人民 共和 国 の 「 宗教 団体 」 に関す る一考察

一 イ ス ラー ム教 協 会 の事 例 一

澤 井 充 生

1は じめ に一 問題 の所 在

中 華 人 民 共 和 国(以 下 「現 代 中 国 」)に お け る 「結 社 の 自 由 」 の 碍 題 は1949 年 の建 国 以 来 、 ジ ャー ナ リズ ム や ア カ デ ミズ ム の 世 界 で ず っ と議 論 され て きた。

2008年 の 「チ ベ ッ ト騒 乱 」 や 「08憲 章 」、2009年 の 「ウ ル ム チ 騒 乱 」 な どに 関 す る 一 連 の メ デ ィア報 道 を み る と、 「結 社 の 自 由」 の 問 題 が 「少 数 民 族 」、 「宗 教 信 仰 」、 「民 主 化 」 な どの 問題 と直接 ・間接 的 に 関 連 して お り、 中 国 人 の 日常 生 活 と は切 り離 せ な い、 ふ る くて新 しい 問題 の ひ とつ だ とい え る。 本 稿 は、 中 国 ム ス リ ム1)の 伊 斯 蘭 教 協 会 」(イ ス ラ ー ム 教 協 会)の 事 例 を と りあ げ、 現 代 中 国 に お け る 「宗 教 団体2)」 を個 別 実 証 的 に分 析 す る論 考 で あ る。

まず 、 本 稿 の分 析 枠 組 み につ い て簡 単 に 説 明 して お こ う。 本 稿 の 事 例 分 析 で は 中 国研 究 に お け る 「国 家 ・社 会 関 係 」(state‑societyrelations)論 の ア プ ロ ー チ を援 用 す る。 こ れ ま で の 申 国研 究 で は 、 お もに 経 済 自由 化 政 策 導 入 後 の 社 会 変 動 に焦 点 を あ わ せ 、 「党 国 家 」 と 「社 会 」 との動 態 的 な力 関係 が 調 査 ・研 究 され て き た。 本 稿 に お け る 「党 国 家 」 とは 「中 国 共 産 党 が 主 導 す る 国家 体 制 」 を、 「 会 」 と は 「党 国家 か ら相 対 的 に独 立 した領 域 」 を 指 す もの と して さ しあ た り定 義 し てお く。 詳 細 に つ い て は後 述 す る が 、1990年 代 以 降 の 中 国研 究 で は、 「村 民 委 員 会 」の選 挙 、社 区 」(∫加 卿,行 政 主 導 の コ ミュ ニ テ ィ)の 建 設 、労 働 組 合 の組 織 、 宗 教 復 興 の 発 生 な どが 「国家 ・社 会 関係 」 論 に よっ て 議 論 され て きた 。 一 般 に メ デ ィ ア 報 道 で は、 「党 国家 」VS「 社 会 」(一 般 市 民 、 少 数 民 族 、 宗 教 勢 力 、 民 主 活 動 家 な ど)と い っ た二 項 対 立 の 図式 が現 在 で も根 強 い が 、 「党 国家 」 と 「社 会 」 の あ い だ に は相 互 交 渉 の余 地 が あ る とい う見 解 が 「国 家 ・社 会 関 係 」 論 で は提 示 され て い る。 個 別 事 例 の詳 細 かつ 実 証 的 な調 査 ・研 究 に も とつ く 「国 家 ・社 会 関 係 」 論 は現 代 中国 にお け る 「党 国家 」 と 「社 会 」 との 力 関係 を考 察 す る うえ で は 現 時 点 で は有 効 な ア プ ロ ーチ で は な い か と考 え られ る 。

本 稿 で は 、 「国家 ・社 会 関 係 」 論 の ア プ ロ ー チ を参 照 しな が ら 中 国 の イ ス ラー ム 教 協 会 につ い て の事 例 分 析 をお こ な う。 中 国 の イ ス ラ ー ム教 協 会 は そ の 規 約 で は 「宗 教 団体 」(20π8加otuanti)と 定 義 さ れ て お り、 一 般 的 な理 解 と して は、

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中華 人民 共和 国 の 「宗教 団体 」 に関す る一 考察

中 国 ム ス リム に よ って 自発 的 に組 織 され た 「結 社 」(association)と さ れ て い る 。 しか しな が ら、 イ ス ラー ム教 協 会 の実 状 に つ い て 調 査 地(寧 夏 回族 自治 区3))の 清 真 寺(モ ス ク4))で 話 を うか が った と こ ろ、 イ ス ラ ー ム教 協 会 と行 政 機 関 との 結 び つ き を指 摘 し、 「イ ス ラ ー ム教 協 会 は官 製 の 宗 教 団体 に す ぎ な い」 と断 言 す る 人 た ちが 多 く、 そ の様 子 が非 常 に 印象 深 か っ た 。 お な じよ う な発 言 は清 真 寺 に か ぎ らず 、 他 の とこ ろ で も耳 にす る機 会 が多 く、 イ ス ラー ム 教協 会 の 存 在 お よび 内実 が フ ィー ル ドワ ー ク終 了後 もず っ と気 に な っ て い た 。 こ う した 疑 問 を出 発 点 と して 、本稿 で は、中 央 ・地 方 の イ ス ラ ー ム教 協 会 の現 在 的状 況 をお もに イ ス ラー ム教協 会 の 機 関 誌 を参 照 しなが ら記 述 ・整 理 し、 現 代 中 国 お け る 「宗 教 団体 」 の あ りか た を検 討 す る こ と をお も な 目 的 とす る。

こ こで 、 本 稿 の構 成 を説 明 して お こ う。 は じめ に 、 中 国研 究 に お け る 「国 家 ・ 社 会 関係 」 論 の ア プ ロー チ を ご く簡 単 に紹 介 し、 本 稿 の研 究 視 点 お よ び議 論 の方

向性 を具 体 的 に提 示 す る 。 そ の 後 、 調 査 地 にお け る 中 国共 産 党 主 導 の宗 教 政 策 の 歴 史 的変 遷 お よび現 状 を概 説 し、イス ラー ム を信 仰 す る少 数 民 族 の ひ とつ 、回族5) を と り ま く歴 史 的 ・政 治 的環 境 の特 徴 を把 握 す る。 そ し て、 調 査 地 で収 集 した文 献 資 料 や イス ラ ー ム教 協 会 関係 者 に対 す る イ ン タ ビ ュー 調 査 で え られ た一 次 資 料 に もとづ き、 中央 ・地 方 の イ ス ラ ー ム教 協 会 の設 立趣 意 ・活 動 内 容 ・組 織構 成 な どの 諸 特 徴 を記 述 ・分 析 す る。 最 後 に、 調 査 地 の清 真 寺 で観 察 した 行 事 を例 に挙 げ 、 そ の 場 にい る中 央 ・地 方 の イス ラ ー ム教 協 会 、 党 ・行 政 関係 者 、 一 般 の聴 衆 の 発 言 内 容 や 態 度 を手 が か りと して、 共 産 党 、 行 政 機 関、 「宗 教 団 体 」、 清 真 寺 の 力 関 係 お よび そ こ に うか び あ が る問 題 点 を明 らか に した い。

国家 ・社 会 関 係」 論

そ れ で は、 本 稿 の分 析 枠 組 み とす る 「国家 ・社 会 関 係 」 論 の研 究 動 向 を ご く簡 単 に整 理 してお きた い。 近 年 、 現 代 中 国 に お け る 「国 家 ・社 会 関 係 」 を積 極 的 に と りあ げ る代 表 的 な研 究 者 に政 治 学 者 の菱 田雅 晴 が い る 。 菱 田 は お も に欧 米 の 中 国研 究 の 成 果 をふ ま え て 「国 家 ・社 会 関係 」 に 関 す る 論 集 をか つ て 企 画 ・出 版 し た こ とが あ る[菱 田2000]。 そ の論 集 の なか で菱 田 は 「国家 ・社 会 関 係 」 論 の 研 究 動 向 を簡 単 に整 理 して い るの で 、 以 下 、 簡 単 に概 観 して お こ う。

菱 田 の定 義 に よ る と、 「国 家 ・社 会 関 係 」 と は 第 一 義 的 に は 「一 つ の 政 体 に お け る支 配者 と被 支 配者 との 問 の 力 の 配 分 関 係 を指 す も の」[菱 田2000:5]で る が、 具 体 的 に は次 の よ うに 説 明 され て い る。

中 央 」対 「地 方 」、「公 」対 「私 」、「官 」対 「民 」あ る い は 「政 治 」対 「経 済 」、「

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市 」 対 「農 村 」 等 の 二 項 対 立(dichotomy)に 分 解 す る こ と と し 、然 る の ち に 、

「国 家 」 と は 直 裁 的 に は 中 央 政 府 に 代 表 さ れ る 各 二 項 対 立 の 第 一 項 を 意 味 す る も の の 、 そ れ の み に と ど ま ら ず 、 公 的 権 威 世 界 か ら発 せ さ れ る す べ て の もの を

「国 家 」 と規 定 す る 。 他 方 、 「社 会 」 と は 、 組 織 的(organizational)/未 組 織 的(unorganizationaDな い し 制 度 的(institutiona1)/「 非 制 度 的(uninstitutiona1)

と を 問 わ ず 、 あ ら ゆ る 社 会 関 係 、 利 害 構 造 の ス ペ ク トル の 総 和 と簡 単 に 押 さ え て お こ う[菱 田2000:5‑6]。

「国家 」 とは、中 国 共 産 党 が 主 導 権 を掌 握 す る 中央 政 府 を基 本 的 に は指 す が、「公 」 や 「官 」の よ う 「国家 」か ら派 生 した もの を もふ くむ。 そ れ に対 して、「社 会 」は 「国 家 」 とは相 対 的 に独 立 した もの を指 す 。 も ち ろん 中 国 社 会 で は 「公 」・「私 」 の 区 別 そ れ 自体 が 困 難 で あ る と よ く指 摘 さ れ る よ う に、 「国 家 」・「社 会 」 の 区 別 は必 ず し も容 易 で は な い が 、 あ くまで も分析 概 念 と して 両 者 を分 類 して使 用 す る こ と は 可 能 で あ ろ う。

菱 田 は 「国家 ・社 会 関 係 」 に対 す る研 究 視 座 を、 ① レー ニ ン主 義 ア プ ロ ー チ 、

② 儒 教 伝 統 ア プ ロ ー チ 、③ 改 革 ア プ ロー チ 、 ④ 市 民 社 会(論)に 分 類 して簡 単 に 説 明 して い る 。① は現 代 中 国 の社 会 主 義 期 に発 生 した(す る)諸 問 題 を党=国 家 体 制 の成 立 や 変 革 そ の もの の うち に 見 出 す 立 場 で あ る。 ② は改 革 開放 期 にみ られ る新 しい変 化 が プ レ社 会 主 義期 以 来 の儒 教 的 伝 統 の 所 産 で あ る と考 え、 中国 固 有 の政 治 文化 の伝 統 に そ の 変 革 の 源 泉 を求 め る立 場 で あ る。 ③ は現 代 中国 にお け る 変 化 の過 程 を改 革措 置 そ の もの の な か に見 出 し、 改 革 を新 旧 の 価 値 意 識 の 交 替 過 程 と して描 き、 そ う した価 値 の転 換 の 速 度 に既 存 の 集 団 や 組 織 や 制 度 が 不 整 合 と な る とこ ろ か ら党 二国家 体 制 そ の もの の 揺 ら ぎ を示 す 立 場 で あ る。 ④ は現 代 中国 に お け る 「市 民 社 会 」 の 自律 性 の 強 弱 か ら党=国 家 体 制 の 変 質(統 制 機 能 の 低 下)を 読 み とろ う とす る 立場 で あ り、 ア メ リ カの 中 国 研 究 に もっ と も特 徴 的 な ア

プ ロ ー チ で あ る 。

こ こ で補 足 して お く と、 菱 田 は 「国 家 」 と 「社 会 」 の 関 係 をた ん な る対 立 関 係 と して設 定 して い る わ け で は な く、 む しろ 二 項 対 立 の 図 式 に よ る一 面 的 な理 解 に 対 して 警 鐘 を 鳴 ら して お り、 「国家 ・社 会 関 係 」 を 「共棲 ・両 棲 関係 」 と して 捉 え な お して い る。 菱 田 の 理 解 で は 、 「改 革 ・開 放 プ ロ グ ラ ム に よ っ て 、 現 代 申 国 に は 「国家 と社 会 との共 棲 関係(symbiosis)」 、あ る い は よ り素 直 には 「怪 しげ な 、 胡 散 臭 い両 棲 関係 」 が もた ら され て い る 」[菱 田2000:12]。 こ こで い う 「怪 し

げ な胡 散 臭 い 関係 」 とは 、 「国 家 」 と 「社 会 」 の 間 の領 域 自体 が 曖 昧 で あ る こ と、

両 者 間 に相 互浸 透(丘ltration)が み られ る こ と、 個 別 の事 例 に お う じて 不 確 定 で あ る こ とに特 徴 づ け られ る もの で あ る 。 実 際 、 党=国 家 体 制 が か な りの 程 度 確 立

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され た時 期(例 えば 文 化 大 革 命 期)に お い て で す らそ の 制 度 的 間 隙 をぬ って 「社 会 」 の側 の 自律 性 が 蓄 積 さ れつ づ け て きた し、また 、現 代 中 国 の社 会 変 動 の現 状 は 「 家 」 に対 す る 「社 会 」 の 自律 性 の高 ま り と して描 く こ とが 可 能 で は あ るが 、 そ れ で もなお 党=国 家 体 制 の権 力 メ カ ニ ズ ム が厳 然 と存 在 して い るの も依 然 と して た しか な事 実 で あ る[菱 田2000:12‑15]。 こ の よ うな 「国家 」 と 「社 会 」 の 間 に み られ る両 義 的 な関 係 性 を菱 田 は多 角 的 に検 討 す る必 要 が あ る と論 じて い る 。

筆 者 は、 菱 田 の 整 理 したい くつ もの ア プ ロ ー チ は そ れ ぞ れ が排 他 的 な 関係 に あ るわ け で は な く、 個 別 事 例 にお う じて 研 究 者 が 取 捨 選 択 す る もの で あ る と考 え て い る。 また 、 菱 田 の 立 場 に共 感 して お り、 現 代 中 国 の 「国家 ・社 会 関係 」 を検 討 す る にあ た って は、「党 国 家 」と 「社 会 」とが 特 定 の場 面 に お い て展 開す る ポ リテ ィ クス(利 害 関係 をめ ぐる せ め ぎあ い)を 慎 重 にみ きわめ る必 要 が あ る と考 え て い る 。

とこ ろ で 、本 稿 で は 中 国 の イ ス ラー ム 教 協 会 の 事 例 を と りあ げ るが 、 中 国 の宗 教 に 関 す る研 究 の な か で 「国家 ・社 会 関係 」 が どの よ う に把 握 され て い るの か と い う こ とに つ い て も紹 介 して お こ う。 中 国 宗 教 の研 究 に つ い て い え ば、 お も に 1980年 代 か ら1990年 代 に か け て 欧 米 人 研 究 者 を中 心 と して人 類 学 的 な フ ィー ル ドワ ー クが 実 施 さ れ、 中 国各 地 の 「宗 教 復 興 」 の 具体 的 な様 子 が 詳細 に 報 告 され て きた。 例 え ば、 文 化 人 類 学 者 の足 羽 與 志 子 は 中 国 東 南 部 の福 建 省 に お け る仏教 復 興 につ い て報 告 した論 文 の な か で 「国家 ・社 会 関係 」 に 関 す る 従 来 の 分析 枠 組 み を簡 単 に整 理 してい る。 足 羽 は、 従 来 の分 析 枠 組 み が支 配者(党 国家)と 被 支 配 者(社 会)の 上 下 関係 と い う二 項 対 立 的相 互 関係 を前 提 と して い る た め 、 そ の ほ か の外 的 な要 素 を射 程 に入 れ て い な い と指 摘 す る。 ま た、 中 国東 南 部 で発 生 し て い るめ ざ ま しい 仏教 復 興 の なか に仏 教 徒 の 自律 性 を安 易 に読 み取 ろ う とす る一 面 的 な解 釈 を痛 烈 に批 判 し、 調 査 地 の 仏 教 復 興 が 「党 国家 」 のヘ ゲ モ ニ ー を形 成 す る側 面 に留 意 す る必 要性 を強 調 す る[足 羽2000:270コ 。 お な じ く福 建 省 ア モ イ市 で フ ィ ー ル ドワ ー ク を実 施 した デ イ ヴ ィ ッ ド ・L・ ワ ンク は、 共 産 党 ・宗 教 事 務 局 ・仏 教 協 会 ・仏 教 寺 院 が く りひ ろげ るポ リ テ ィ クス を具 体 的 か つ 緻 密 に分 析 してお り、そ の な か で ワ ン クの 言 葉 を借 用 す れ ば、「群 衆 団体6)」、す なわ ち 「 会 団体 」(こ の場 合 は仏 教 団体)の 両 義 的 な役 割 を見 事 に解 明 して い る[ワ ン ク

2000:275‑304]o

中 国 東 南 部 の 仏 教 が お か れ た現 状 を考 察 す る に あ た っ て 「宗 教 団体 」 に 注 目 し た 足 羽 や ワ ン クの研 究 は、 ほか の 中 国研 究 者(と くに 人類 学 者)が どち らか とい え ば 「宗 教 」(20〃£加0)、 す な わ ち 公 認 宗 教7)よ り もむ し ろそ れ 以 外 の民 間信 仰 の研 究 に 重 点 をお く傾 向 に鑑 み る と、 研 究 視 点 が 斬 新 かつ 示 唆 的 で あ る 。 なぜ な ら、 現代 中 国 の 宗教 に まつ わ る問 題 を 「党 国家 」 の存 在 を念 頭 に お い て考 察 す る

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場 合 、 共 産 党 か ら 「お 墨 付 き」 を も らっ た公 認 宗 教 を正 面 か ら と りあ げ る作 業 は ま さ に 「正 攻 法 」 だ か らで あ る。 ま た、 も う ひ とつ の理 由 と して は、 「党 国 家 」 の なか に組 み 込 まれ た 結 果 、 宗 教 政 策 の支 持 を表 明す る立 場 に あ る公 認宗 教 を個 別 実 証 的 に分析 し ない か ぎ り、 現 代 中 国 の宗 教 が 直 面 して い る諸 問題 を 十分 に は 解 明 す る こ とが で き ない はず で あ り、 ま た、 そ の た め に は 「党 国家 」 と宗 教 を信 仰 す る人 た ち の 「橋 渡 し」 と な りう る 「宗 教 団体 」 の位 置 づ け を み きわ め る作 業 が 必 要 だ か らで あ る。

皿 中国共産党の宗教政策 寧夏回族自治区の場合

本 節 で は、 中央 ・地 方 の イ ス ラー ム教 協 会 の 個 別 事 例 を紹 介 す る前 に、 調 査 地 の寧 夏 回族 自治 区 に お け る 中 国 共 産 党 の 宗教 政 策 の 歴 史 的 変 遷 お よ び宗 教 管 理 機 構 の状 況 を通 時 的 に記 述 して お きた い 。 調査 地 にお い て 中 国共 産 党 が ムス リ ム と どの よ うに接 触 し、 社 会 主 義 諸 政 策 を施行 して きた の か 、 経 済 自 由化 政 策 導 入 後 の宗 教 政 策 が どの よ うに施 行 され て い る の か 、 とい う点 に焦 点 をあ わせ て概 観 す る。

まず 、 寧 夏 は、 清 朝 期 に 「回 民 蜂 起 」(ム ス リム の 大 規 模 な 武 装 蜂 起)が 発 生 した こ とが あ り、 近 現 代 史 上 、 中 国 の 国 内政 治 の安 定化 を実 現 す る にあ た って 軽 視 で きない 地 域 の ひ とつ で あ る。 中華 民 国期 に は 軍事 力 を背 景 に台 頭 した 「回 民 軍 閥 」 が 西 北 部 の 青 海 ・甘 粛 ・寧 夏 を実 質 的 に支 配 し、 お も に共 産 党 や 日本 軍 と しの ぎ を けず っ て い た。 共 産 党 が 当 時 の 回民 の 多 い地 域 に進 出 した 時 期 は1930 年 代 で あ り、 騎 兵 隊 を有 す る 「回民 軍 閥」 は共 産 党 に とっ て お お きな脅 威 で(例 えば 、 「紅 軍 」 の部 隊 の ひ とつ が 馬姓 軍 閥 に壊 滅 され た こ とが あ る)、 共 産 党 は 陳 西 省 延 安 を活 動 拠 点 と して 回民 を熱 心 に リク ル ー トし よ う と して い た 。 また 、 当 時 、 共 産 党 の 支 配 地 域 で は イス ラー ムの 伝 統 や 慣 習 を尊 重 す る政 策 が積 極 的 に採 用 され て い た 。

と こ ろ が 、1949年 中 華 人 民 共 和 国が 成 立 す る と事 態 は 一 変 した。 中 国 各 地 で は1950年 に公 布 さ れ た 「土 地 改 革 法 」 が伝 統 的 な コ ミ ュニ テ ィ の社 会 経 済 的基 盤 を破 壊 した こ とは よ く知 られ る が、1957年 の 「反 右 派 闘争 」 や1958年 の 「 教 制 度民 主 改 革 」 も住 民 た ち の 生 活 世 界 の あ りか た に大 きな衝 撃 を与 え た。 例 え ば 、寧 夏 で は他 省(自 治 区)と お な じ く清 真 寺 や 聖 者 廟 が 閉鎖 さ れ て し まい、 ム ス リム の共 有 財 産 が 没 収 され た 。 これ は土 地 の 国 有 化 政 策 の一 環 と して強 行 さ れ た わ け で あ る 。伝 統 的 な イ ス ラー ム 教 育 に従 事 して い た宗 教 指 導 者 や 寄 宿 学 生 は 清 真 寺 や聖 者 廟 か ら追放 され 、 管 理 責 任 者 を務 め て い た 地 元 有 力 者(豪 商 や 地 主 が 多 か っ た)が 打 倒 され た8)。

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1966年 に 「文 化 大 革 命 」 が は じ ま る と、 少 数 民 族 を と りま く状 況 が 一 層 悪 化 した 。 こ の 時 期 、 少 数 民 族 の エ リ ー ト層 だ け で な く、 一 般 民 衆 も政 治 運 動 に積 極 的 に動 員 さ れ た か らで あ る。 例 え ば、 清 真 寺 や 聖 者 廟 の 大 部 分 が 破 壊9)さ れ 、 清 真 寺 や 聖 者 廟 の宗 教 指 導 者 や 管理 責 任者 は 「紅 衛 兵 」 を急 先 鋒 とす る 「造 反 派」

に攻 撃 され た。 被 害 者 の な か に は収 容 所 で の 労働 を強 制 され た 者 もい た。 そ の ほ か の一 般 民 衆 は1日5回 の礼 拝 は い う まで も な く、伝 統 的 な民 族 衣 装(ム ス リ ム の礼 拝 帽 や ベ ー ル な ど)の 着 用 まで もが 禁 止 され た 。 清 真 寺 の ムス リ ム共 同墓 地 は破 壊 され て 更 地 とな り、 イ ス ラー ム の土 葬 が 公 然 とは 実 施 で き な くな っ たlo)。

そ れ 以 前 は清 真 寺 の 周 囲 に は 回族 が 集 住 して い た が 、 清 真 寺 が 破 壊 さ れ て 、 「 民 公 社 」 が 建 設 さ れ る と、 漢 族 が徐 々 に移 り住 む よ う に な り、 回 族 ・漢 族 の混 住 化 が 進 む よ うに な っ た。

この よ う に して実 質 的 に はお よそ20年 も継 続 し た宗 教 弾 圧 が 幕 を と じる の は 1978年 の こ とで あ る。 「改 革 開 放 」 政 策 の導 入 後 、 宗 教 政 策 が 再 開 され る よ う に な っ た。 そ の きっか け は、 中 国共 産 党 の 中央 委 員 会 が1982年3月31日 公 布 した

関 於 我 国社 会 主 義 時 期 宗 教 問 題 的 基 本 観 点 和 基 本 政 策 」(第19号 文 件)で あ る。

こ れ は1957年 以 来 の 「左 」 の 政 策 上 の 誤 りを修 正 し、 宗 教 信 仰 の 自 由 を保 障 す る政 策 を提 唱 した 共 産 党 の公 式 見 解 で あ るll)。そ の 後 、1980年 代 なか ば 頃 か ら 寧 夏 各 地 で 清 真 寺 や 聖 者 廟 が ム ス リム に よっ て 自発 的 に修復 され は じめ た 。 そ れ と は別 に新 築 され た もの もあ る。 宗 教 指 導 者 や寄 宿 学 生 が 清真 寺 や 聖 者廟 に帰 っ て くる と、 伝 統 的 な イ ス ラー ム教 育 が再 開 さ れ る こ と に な っ た。 また 、 「寧 夏 伊 斯 蘭 教 経 学 院 」(寧 夏 イス ラ ー ム教 経 学 院)が 政 府 機 関 に よっ て 設 立 され 、新 し い 人 材 育 成 が 積 極 的 に実 施 され た。 そ れ よ り も まず、 日々 の礼 拝 や 断 食 、 喜 捨 や 巡 礼 な ど を公 然 と実 施 で きる よ うに な っ た こ とが新 た な宗 教 政 策 の 目覚 しい 成 果 で あ る。 この 点 は正 当 に評 価 さ れ るべ きで あ ろ う。

しか し、 そ れ と並 行 して 、1990年 代 以 降、 中央 ・地 方 の宗 教 政 策 が 軌 道 に の っ て くる につ れ て 宗 教 管 理 機 構 が あ らた め て再 編 され始 め る よ うに な っ た 。例 え ば、

文 革 期 に廃 止 され た 行 政 機 関 の 宗 教 事 務 局 が 活 動 を再 開 し、 寧 夏 回 族 自治 区 内 の 宗 教 活 動 を管 理 す る よ う に な った 。 ま た、 文 革 前 に は廃 止 され た 「寧 夏 回族 自治 区 伊 斯 蘭 教 協 会 」(寧 夏 イ ス ラー ム教 協 会12))も 活 動 を再 開 した。 ま た、1991年 ご ろか ら宗 教 政 策 に関 す る通 知 ・規 定 ・条 例 ・意 見 な どが 共 産 党 や 国務 院(日 本 の 「内 閣 」 に相 当 す る)な どか らか ず お お く発 布 さ れ る よ うに な っ た。 代 表 的 な もの と して は 、1991年2月5日 共 産 党 の 中央 委 員 会 お よび 国務 院 の通 達 した 「関 於 進 一 歩 倣 好 宗 教 工 作 若 干 問 題 的通 知 」(第6号 文 件)、 同 年1月28日 共 産 党 の 中 央組 織 部 の 通 達 した 「関 於 妥 善 解 決 共 産 党 信 仰 宗 教 問題 的通 知 」 が あ る。 これ らの 通 知 が 出 さ れ た 背 景 に は 、1980年 代 の 宗 教 政 策 の 再 開 に と もな い 、 お もに

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少 数 民 族 地 域 で 宗 教 を信 仰 す る 共 産 党 員 が 増 加 した こ とが あ る。 こ の ほ か に も 1991年5月6日 に 国 務 院 の 宗 教 事 務 局 お よび 民 政 部 が 「宗 教 社 会 団体=登記 管 理 実 施 弁 法 」 を通 達 した が 、 これ は、 中 国各 地 で 「宗 教 復 興 」 が発 生 した結 果 、合 法 ・非合 法 の 「宗 教 団 体 」 が 形 成 され る こ とが 警 戒 さ れ た か らで あ ろ う。 い ず れ に し て も、 宗 教 政 策 の 法 制 化 は1990年 代 以 降 に加 速 化 さ れ た わ け で あ る。2001 年9月11日 以 降 は イ ス ラ ー ム政 策 が全 体 的 に 引 き締 め られ て い る。

lV中 国 イ ス ラ ー ム 教 協 会

中 国共 産 党 主 導 の 宗 教 政 策 を通 時 的 に整 理 して み た が 、1950年 代 な か ば 以 降 か ら1970年 代 末 頃 にか け て お よそ20年 もの 問 、 中 国 国 内 の 宗 教 政 策 が 停 滞 し て い た こ とが わ か る。1980年 代 前 半 に 経 済 自 由化 政 策 が 本 格 的 に 導 入 さ れ た 後 、 中 国各 地 で 「宗 教 復 興 」 が 開 花 し、1989年 の 「天安 門 事 件 」 ま で継 続 した 。 1990年 代 に は い る と、 そ れ ま で の 一 部 の加 熱 しす ぎた 「宗 教 復 興 」 が 党 員 の 信 仰 問題 とい う事 態 を まね き、 共 産 党 に よ っ て 問 題 視 さ れ る よ う に な っ た。 結 果 、 中央 ・地 方 を とわず 、 宗 教 政 策 の 法 制化 が加 速 され た わ けで あ る。

この よ うな 政 策 の 転 換 は 当 然 の こ と な が ら清 真 寺 を 中心 とす る ム ス リム ・コ ミュ ニ テ ィに も波 及 した。 例 え ば、1993年12月17日 清 真 寺 民 主管 理 試行 弁 法 」 が 中 国 イス ラ ー ム教 協 会 の 「第6回 全 国代 表 大会 」 で採 択 され 、 中国 各 地 の 清 真 寺 に対 す る管 理 運 営 方 法 が 制 度 化 され る こ と にな った 。 この 弁 法 は現 在 で は本格 的 に施 行 され てお り、 そ こ で 中心 的 な役 割 を担 っ て い るの が 、 中 央 ・地 方 の イス ラ ー ム教 協 会 で あ る。 そ れ で は、 イ ス ラー ム教 協 会 と は どの よ う な 「宗 教 団体 」 なの だ ろ うか 。 本 節 で は、イス ラー ム教 協 会 の総 本 山 と もい うべ き「中 国 イス ラー ム教 協 会 」 の 事 例 を紹 介 し、 そ の設 立 趣 意 ・活 動 内 容 ・人事 異 動 な ど を具 体 的 に 把 握 して み た い 。 以 下 、 中 国 イス ラ ー ム教 協 会 の発 行 す る機 関誌 『中 国 穆 斯 林 』 を参 照 しなが ら要 点 を確 認 しよ う。

1設 立 趣 意 と任 務

まず 、1993年12月18日 中 国 イ ス ラ ー ム 教 協 会 の 「第6回 全 国 代 表 会 議 」 で 採 択 され た 規 約 をみ て み よ う。 中 国 イ ス ラ ー ム教 協 会 は 「中 国 の ム ス リム 諸民 族 の 全 国 的 な宗 教 団 体 」 と定 義 され てお り、 設 立 趣 意 と任 務 は 次 の よ うに規 定 され て い る[『 中 国穆 斯 林 』 編 集 部(編)1994:32]。

1切 助人 民政府貫初宗教信仰 自由政策;

2笈 搦伊 斯当教仇 良俸 銃,代 表伊斯 当教界 人士和 穆斯林 的合法 板益 ・本着

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中華人 民共和 国の 「宗教 団体 」 に関 す る一考 察

独 立 自主 自 亦原 則 力好 教 劣;

3団 結 各 族 穆 斯 林 ・愛 国愛 教,捕 炉 社 会 主 文;

4捕 炉"一 ・中心 ・丙 企 基 本 点"的 基 本路 銭 ・推 劫 穆 斯 林 枳 扱 投 入 改 革 升 放, 笈 展 経 済 ・力 建 没 有 中 国特 色 的社 会 主文 服 劣;

5加 強 民族 団皓 ・教 派 団結 ・推折 国家 和 社 会 穂 定 ・促 送 祖 国 銃 一 大 並;

6麦 展 和 加 強 同各 国穆 斯 林 的友 好 朕 系和 団 多吉合 作 ・推 炉 世 界 和 平 ・

中国 語(漢 語)の 逐 語 訳 はす こ しわ か りづ らい が 、 念 の た め 翻 訳 す る と、① 人 民 政 府 の 宗 教 信 仰 自 由政 策 に対 す る助 力 、② イス ラー ムの 素 晴 ら しい 伝 統 の発 揚 、

イ ス ラー ム界 の 人 士 と民 衆 の合 法 的権 益 を代 表 して の保 護 、 自主独 立 の 原 則 に よ る教 務 、 ③ ムス リ ム各 民 族 の 団結 、 愛 国愛 教 、社 会 主 義 の擁 護 、④ 「ひ とつ の 中 心 、 ふ たつ の基 本 点 」 の基 本 路 線 の擁 護 、 改 革 開放 に対 す る ム ス リム の 積 極 的 参 加 の推 進 、 経 済 発 展 、 中 国 の特 色 を もつ 社 会 主 義建 設 の た め の 服 務 、⑤ 民 族 団 結 お よ び教 派 団結 の強 化 、 国家 ・社 会 安 定 の保 持 、祖 国 統 一 の促 進 、 ⑥ 各 国 ム ス リ

ム と の友 好 関係 お よ び共 同事 業 の発 展 ・強化 、世 界 平 和 の維 持 、 とな る 。 な お 、1993年 の 「第6回 全 国代 表 会 議 」 に よ れ ば 、 こ の 設 立 趣 意 の 文 面 は そ れ以 前 の設 立 趣 意 の一 部 を修 正 した もの で あ る 。例 え ば 、そ れ以 前 の 「愛 護 祖 国」

とい う文 言 が 「愛 国愛 教 」 に変 更 さ れ 、 「中 国 の 特 色 を もつ社 会 主 義 建 設 の た め の服 務 」 とい う表 現 が 追 加 さ れ て い る 。 また 、 そ れ 以 前 の 「団 結 各 族 穆 斯 林 」 が

加 強 民 族 団 結 、 教 派 団 結,維 護 国 家 和 社 会穏 定,促 進 祖 国 統 一 大 業 」 に 変 更 さ れ て い る13)。詳細 につ い て は 後 述 す るが 、 「民 族 団結 」 や 「教 派 団結 」 とい う文 言 が 追 加 さ れ た背 景 に は、1992年 に寧 夏 で発 生 した ス ー フ ィー 教 団 、 ジ ャ フ リー ヤ 派 内 部 の武 力 衝 突 が あ る14)。い ず れ に して も、 中 国 イ ス ラー ム教 協 会 の 設 立 趣 意 を仔 細 に検 討 す る と、中 国 イス ラー ム教 協 会 は 「宗 教 団体 」 で あ る け れ ど も、

共 産 党 の宗 教 政 策 に助 力 す る こ とを前 提 と して 活 動 を定 め て い る こ とが わ か る。

2主 な活 動 内 容

ひ きつ づ き、 中 国 イ ス ラ ー ム教 協 会 の お もな 活 動 内 容 を確 認 す る。 以 下 、 中 国 イ ス ラ ー ム教 協 会 の規 約 か ら活 動 内容 に か か わ る箇 所 を抜 粋 し、 簡 単 に翻 訳 して み た い。

1在 究 法 ・法 律 ・法 規 和 政 策 規定 的 萢 囹 内升 展 伊 斯 当 教 劣 活 劫;

2挙 力伊 斯 当 教 育,培 界 伊 斯 当教 教 取 人 オ;

3友 掘 ・整 理 伊 斯 当教 的仇 良厨 史 文 化 遺 序,弄 展 伊 斯 当 学 木 文 化 研 究 ・翻 澤 ・ 出版 多至籍 わ 刊;

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中華 人民 共和 国 の 「宗教 団体 」 に関 す る一 考 察

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4建 立 ・健全伊斯当教 内部的各項管理規章制度;

5指 尋各地伊斯当教†亦会的教劣工作,交 流 経験;

6促 遊 各地伊斯 当教切会 和清真 寺共 亦利国利 民 ・服 劣社会 的公益和 自界事 並;

7升 展 同各 国穆斯林和伊斯当教 組銀的友好往 来 ・増遊交流与合作 ・

お も な活 動 内 容 は、 ① 法 律 の範 囲 内 で の イ ス ラ ー ム の教 務 活 動 、② イ ス ラー ム 教 育 お よび宗 教 指 導 者 の 育 成 、 ③ イ ス ラ ー ム の 素 晴 ら しい歴 史文 化 遺 産 の発 掘 ・ 整 理 、 イス ラー ムの 学 術 文 化 研 究 の発 展 、 イ ス ラー ム の教 義 書 の翻 訳 ・出版 、④ イス ラー ム 内部 の 管 理 規 則 の確 立 、 ⑤ 各 地 の イ ス ラー ム教 協 会 の教 務 に対 す る指 導 、 相 互 の 意 見 交 換 、 ⑥ 各 地 の イ ス ラ ー ム教 協 会 や清 真 寺 に よる公 益 事 業 な どの 促 進 、 ⑦ 各 国 の ムス リムや イ ス ラ ー ム組 織 との相 互 訪 問 、交 流 お よび 共 同事 業 の 強 化 、で あ る[『中 国穆 斯 林 』編 集部(編)2000:31]。 ポ イ ン トのみ を指 摘 す る と、

中 国 イス ラ ー ム教 協 会 が 中華 人 民 共 和 国 の法 律 の範 囲 内 に お い て イ ス ラー ム の教 育 ・文 化 活 動 や 対 外 交 流 を促 進 し よ う と して い る こ とが わ か る。 また 、 中 央 の イ ス ラ ー ム教 協 会 と して各 地 の イ ス ラ ー ム教 協 会 や清 真 寺 に対 して 指 導 的 な 立場 に あ る こ と もわ か る。

こ こ で 、2000年1月27日 か ら30日 ま で 開 催 さ れ た 「第7回 全 国 代 表 会 議 」 に お け る活 動 報 告 を 参 照 し、 活 動 内容 を も う少 し具 体 的 に把 握 して み よ う。 「 7回 全 国代 表 会 議 」で は過 去6年 間の 業 務 内容 が 総 括 さ れ た。 以 下 、中 国 イス ラー ム教 協 会 の秘 書 長(宛 耀 賓)が 報 告 した 内 容 の 一 部 を引 用 す る。 宛 耀 賓 秘 書 長 は 1986年 か ら1993年 ま で の活 動 報 告 を つ ぎの よ うに 整 理 して い る 。

1加 強愛 国主文宣 俸教育 ・跡 助政府 貫初落実 民族宗 教政策 ・枳扱 雄炉社会 穏定和穆斯林 的合法板益

2杁 真升展教劣活劫 ・枳扱引尋伊斯当教与社会主文社会相這庫 3加 強伊斯 当教育和学木文化研究 ・力好 《中国穆斯林 》奈志

4枳 扱升展 対タト友 好往来和 文化交 流活劫 ・加 強朝観 組須管理 工作 ・提高 服 劣廣量

5加 強 自身 建没,完 善組須机 杓 ・提 高工作敷 益 ・全心 全意力穆 斯林群ゑ 服

この報 告 内容 を和 訳 す る と、① 愛 国 主 義 宣伝 教 育 の 強 化 、 民 族 宗 教 政 策 の施 行 へ の助 力 、社 会 安 定 の維 持 お よび ム ス リ ムの 合 法 的 権 益 の保 護 、 ② 真 摯 な教 務 活 動 の展 開 、 イ ス ラ ー ム と社 会 主 義社 会 の相 互 適 応 へ の積 極 的 な指 導(牽 引)、 ③

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中華 人民共 和 国の 「宗教 団体 」 に 関す る一考 察

イ ス ラー ム 教 育 お よび 学 術 文 化 研 究 の 強 化 、 『中 国 ム ス リム」 誌 の刊 行 、 ④ 友 好 的 な対 外 交 流 の積 極 的 な展 開、 メ ッカ 巡礼 の管 理 の 強化 お よび服 務 の 充 実 化 、⑤ 自己建 設 の 強化 、 組 織 機 構 の整 備 、業 績 向 上 、 ム ス リム に 対 す る 誠 心 誠 意 の 服 務 とな る[『 中 国穆 斯 林 』 編 集 部(編)2000:11‑14]。 以 上 の 内 容 か ら、 共 産 党 お よび行 政 機 関 の推 進 す る政 策(と くに愛 国 主 義 教 育)に 対 す る 助 力 が 中 国 イ ス ラー ム教 協 会 に 強 く期 待 さ れ て お り、 そ れ と同 時 に 、 中 国 イ ス ラー ム教 協 会 もそ の任 務 を 自覚 して い る こ とが読 み取 れ る 。

3組 織 構 成

そ れ で は、 中 国 イ ス ラ ー ム教 協 会 の組 織 構 成 を確 認 して い こ う。 中 国 イ ス ラー ム教 協 会 の最 高 機 関 ば 「全 国代 表 会 議 」で あ る。 こ の会 議 は4年 に1度 開催 さ れ、

全 国 各 地 の 「代 表 」 が 参 加 す る 。 例 え ば、1993年 の 「第6回 全 国代 表 会 議 」 に は全 国各 地 か ら代 表(309名)が 出席 して い る 。代 表 の 定 員 数 や 人選 は 「常務 委 員 会 」(後 述)の 会 議 に よ っ て 決 定 さ れ る。 全 国 代 表 会 議 に お い て 協 会 の活 動 内 容 の確 認 ・審 査 、 規 約 改 定 、 「委 員 会 」(後 述)の 改 選 な どが お こな わ れ る。

全 国代 表 会 議 に お け る選 挙 に よっ て委 員 会 の メ ンバ ー が 選 出 ・決 定 され る。 委 員 会 の任 期 は次 回 の全 国代 表 会 議 まで と され て い る 。任 期 は お よそ6年 。 委 員 会 の会 議 は2年 に1度 開催 さ れ、 イ ス ラ ー ム教 協 会 の 活動 内 容 が 検 討 され る。1993 年 の 「第6回 全 国 代 表 会 議 」 で は委 員(211名)が 選 出 され て い る。 こ の 委 員 の

な か か ら 「常 務 委 員 会 」 が選 出 され る 。常 務 委 員 会 は全 国代 表 会 議 や 委 員 会 の 決 議 を執 行 し、 重 大 な事 項 を検 討 ・決議 す る役 割 を担 う。 常 務 委 員 会 の 会 議 は 毎 年 1度 開 催 さ れ る 。1993年 の 「第6回 全 国代 表 会 議 」 で は 常 務 委 員(57名)が 出 さ れ て い る。

全 国代 表 会 議 で選 出 さ れ た委 員 会 お よび常 務 委 員 会 の な か か ら 「会 長 」(1名)、

副 会 長 」(若 干 名)、 「秘 書 長 」(1名)が 選 出 され る。 これ らの役 職 の 人 事 異 動 は委 員 会 の協 議 お よ び選 挙 に よっ て 決 定 され る 。 会 長 と副 会 長 は 常 務 委 員 会 の 委 託 を受 け、 日常 の業 務 活 動 の組 織 や指 導 を担 当 す る 。 秘 書 長 は 会 長 や 副 会 長 の 業 務 を補 助 す る。 秘 書 長 の補 佐 役 に 「副 秘 書 長 」(若 干 名)が い るが 、 副 秘 書 長 は 秘 書 長 に指 名 さ れ た後 、 常 務 委 員 会 の承 認 を得 て 決 定 され る。 この ほ か 、 「顧 問」

は 委 員 会 で の協 議 お よび 推 薦 に よ っ て 決 定 さ れ る 。1993年 の 「第6回 全 国代 表 会 議 」 で は、 会 長(1名)、 副 会 長(15名)、 秘 書 長(1名)、 副 秘 書 長(4名)、

顧 問(4名)が 選 出 され て い る[『 中 国 穆 斯 林 』 編 集 部(編)1994:39‑47]。 下 の表1は 第6回 全 国代 表 会 議 」 の主 要 な役 職 の メ ンバ ー 一 覧 で あ る。

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中華人 民共和 国の 「宗教 団体 」 に 関す る一考 察

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表1中 国 イ ス ラ ーム 教 協 会 の 組 織 構 成(1993年 第6回 全 国代 表 会 議)

役職 姓 名

会長(1名) 安 士偉(北 京)

副 会 長(15名)

P

阿 布 都 拉 大 毛*(新 彊)、宛 耀 賓(在 京 単 位)、玉 奏 因 阿 吉*榊(新 彊)、

馬 進 成**辮(甘 粛)、 馬 賢(在 京 単 位)、 韓 麦 掃 日**(青 海)、

阿 吉 亜 克 巴 爾 辮(新 彊)、 馬 人 斌(上 海)、 蓋 世 明(河 南)、

阿 伊 明*(在 京 単 位)、 馬 良 験(陳 西)、 謝 生 林(寧 夏)、

買 買 提 ・奏 来*(新 彊)、 馬 雲 福(北 京?※ 名 簿 に 氏 名 な し)、

夏 木 西 丁*(在 京 単 位)

顧 問(4名) 溶 遽 煕(在 京 単 位)、 白 寿 鼻(在 京 単 位)、 張 乗 鐸(在 京 単 位)、

丈 買 提 ・瓦 吉 地*(在 京 単 位) 秘 書 長(1名) 宛 耀賓(在 京 単位)※ 兼副 会長

副秘 書長(4名) 馬 忠 傑(在 京 単 位)、 馬善 義(在 京単 位)、 楊 特 立(在 京単 位)、

馬 立克(名 簿 に氏名 な し) 常 務 委員(57名) ※省略

委 員(211名) ※省略

全 国代 表(309名) 中 国 イ ス ラ ー ム 教 協 会 お よ び 在 京 単 位(27名)

北 京 市(8名)、 天 津 市(7名)、 河 北 省(10名)、 新 彊(74名)、

寧 夏(22名)、 内 モ ン ゴ ル(8名)、 甘 粛 省(21名)、 チ ベ ッ ト(3名)、

陳 西 省(6名)、 青 海 省(13名)、 山 西 省(4名)、 河 南 省(14名)、

山 東 省(10名)、 安 徽 省(6名)、 黒 竜 江 省(6名)、 吉 林 省(4名)、

遼 寧 省(7名)、 上 海(6名)、 江 蘇 省(6名)、 漸 江 省(4名)、

湖 南 省(3名)、 湖 北 省(5名)、 江 西 省(2名)、 海 南(2名)、

雲 南 省(12名)、 福 建 省(3名)、 広 東 省(3名)、 広 西(3名)、

四 川 省(5名)、 貴 州 省(5名)

※ ほ か の 情 報 は省 略

出 典:『 中 国 穆 斯 林 』(1994年 第2期)か ら抜 粋 し た デ ー タ を 整 理 し た 。 注 記:氏 名(代 表 を 務 め る 地 域)

氏 名*:ウ イ グ ル 族 、 氏 名**:サ ラ ー ル 族 、 氏 名***:カ ザ フ 族 、 氏 名 繍:ク ル グ ズ 族 、 氏 名**辮:東 郷 族 、 氏 名:回 族(マ ー ク な し)

こ こ ま で の情 報 を整 理 して み よ う。 まず 、 北 京 お よび 地 方 の イ ス ラー ム 教協 会 の なか か ら代 表 が 選 出 さ れ る。 そ の代 表 た ち が全 国代 表 会 議 に出 席 し、 そ の な か か ら委 員 が 選 出 さ れ て委 員 会 が 組 織 さ れ る 。 この 委 員 会 の な か か ら常 務 委 員 が 選 出 され 、 常 務 委 員 か ら構 成 さ れ る常 務 委 員会 が 中 国 イ ス ラー ム 教協 会 を実 質 的 に 運 営 す る。 会 長 、 副 会 長 、 秘 書 長 、 副 秘 書 長 、 顧 問 は 委 員 会 に お け る協 議 に よっ て 全 国 の代 表 の なか か ら選 出 さ れ る。 この よ う な人 事 制 度 の 特 徴 を概 観 す る と、

中 国 の イス ラー ム教 協 会 の組 織 構 成 が 中 国 の近 代 的 な 政 治組 織(例 え ば 、 中 国共 産 党 や 全 国 人 民 代 表 大 会)の そ れ と非 常 に似 通 っ て い る こ とが よ くわ か る 。

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中華 人民 共和 国 の 「宗 教 団体 」 に関す る一 考察

とこ ろ で、 中 国 イ ス ラ ー ム教 協 会 の メ ンバ ー の 民 族構 成 に 目 を 向 け る と、 中 国 イ ス ラー ム教 協 会 は全 国各 地 に あ る イ ス ラー ム教 協 会 の 本 部 に相 当 す るた め 、 中 国 の ム ス リ ム少 数 民 族(10の 少 数 民 族)の 人 々 が 代 表 と して 参 加 で き る よ う に な っ てい る。 表1か らは ムス リム の人 口 が多 い新 彊 ウイ グ ル 自治 区 、 寧 夏 回 族 自 治 区 、 甘 粛 省 な どの 代 表 の 定 員 数 が 多 い こ とが わ か る 。 な お 、 イ ス ラー ム の ジ ェ ン ダー 規 範 が根 強 い せ い か 、イ ス ラー ム教 協 会 の 会 員 の 圧 倒 的 多 数 は男 性 で あ る。

一 部 女性 の代 表 も選 出 され て い るが、 きわ め て少 な い。

V寧 夏 回族 自治 区 イス ラ ーム 教 協 会

本 節 で は、 調 査 地 の 寧 夏 イ ス ラー ム教 協 会 の 事 例 を 紹 介 す る。 筆 者 が2000年 か ら2001年 にか け て 調 査 地 で フ ィー ル ドワ ・ク を実 施 した期 間 中 、寧 夏 イス ラー ム教 協 会 を訪 問 し、 イ ンタ ビュ ー調 査 を実 施 させ て も らえ た 。 そ の 際 、 寧 夏 イス ラ ー ム教 協 会 の 関係 者 か ら同協 会 の活 動 内容 を具体 的 に説 明 して も らい 、 一 次 資 料 を整 理 した。 以 下 、 寧 夏 イ ス ラ ー ム教 協 会 の概 況 を簡 単 に 記 述 す る。 な お 、 寧 夏 イス ラー ム教協 会 の 設 立 趣 意 ・活 動 内容 ・組 織 構 成 に は 中 国 イ ス ラー ム教 協 会 の 事 例 とあ い だ にお お き な違 い はあ ま りみ られ な い た め、 本 節 で は 、 中 国 語(漢 語)の 文 言 の す べ て を和 訳 す る こ と はせ ず 、 相 違 点 の み を指 摘 して お きた い 。

1設 立趣 意 と任 務

まず 、 寧 夏 イ ス ラ ー ム教 協 会 の 設 立趣 意 は以 下 の とお りで あ る。

1捕 折中国共序党的領尋和社会主文制度 ・麦搦伊斯藍教仇 良侍銃 ・愛 国愛教;

2代 表伊斯当教人士和穆斯林 的合法板益 ・力好教劣;

3加 強民族 団結和伊斯 当 内部 団皓 ・堆 炉社会稔 定,推 劫全 区穆斯 林枳板参 加社会主文物廣文 明和精神文 明建 没 ・促 送祖国銃一大並;

4加 強 同兄弟 省区穆斯林的朕系 ・麦展 同世界各 国穆斯林的友好 朕系和往来, 堆炉世界和平 ・

寧 夏 イ ス ラ ー ム教 協 会 の 設 立趣 意 をみ る と、 中 国 イス ラー ム教 協 会 の設 立 趣 意 の文 言 を参 考 に して作 成 した よ うに 考 え られ る 。 た だ し、 寧 夏 イス ラ ー ム教 協 会 の設 立 趣 意 に は、 中 国 イ ス ラ ー ム教 協 会 の 文 面 で は使 用 され て い な い語 彙 、 す な わ ち 、 「伊 斯 蘭 内 部 団 結 」(イ ス ラ ー ム 内 部 の 団結)が 盛 り込 まれ て い る。 「イス ラ ー ム 内部 の 団結 」とい う文 言 が 加 筆 され て い るお もな理 由 は、寧 夏 に は イス ラー ム の 「教 派 」 が 多 い こ とを念 頭 に お い た か らで あ ろ う。 詳 細 につ い て は後 述 す る

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中 華人民 共和 国 の 「宗 教 団体 」 に関す る 一考察

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が 、 寧 夏 にか ぎ らず 、西 北 部 で は 、 イス ラー ム の 「教 派 」 間関 係 や 「教 派 」 内 関 係 は非 常 に複 雑 で あ り、 共 産 党 が宗 教 政 策 を効 果 的 に施 行 す る う えで 無 視 で き な い フ ァク ター とな っ て い る。

写 真1寧 夏 回族 自治 区 イ ス ラ ー ム教 協 会

2主 な活 動 内容

ひ きつ づ き、寧 夏 イス ラ ー ム 教協 会 の 活 動 内 容 をみ て み よ う。

1† 亦助 人 民 政 府 宣 俸 ・賃1切宗 教 信 仰 自由 政 策 和 宗 教 法 規 ・升 展 吋 伊 斯 量 教 界 人士 和 穆 斯 林 群 森 的 愛 園 主 文 和 社 会 主 文教 育 ・団 結 他 伯 枳 扱 力 社 会 主 文 現 代 化 建 没服 劣 ・

2指 尋 帯助 清 真 寺 摘好 民 主 管 理 ・送 行 正 常 的 宗 教 活 劫;培 洲 ・考 核 ・管 理 阿 飼 ・ 提 高他 伯 的 素 順 ・

3推 炉 伊 斯 並 教 界 人 士 和 穆 斯 林 的 合 法 叔 益 ・反 映 他 伯 的 意 児 和 要 求 ・向 政 府 提 出 枳扱 有 益 的 建 以 ・

4牧 集 ・整 理 伊 斯 賛教 史料 ・升 展 有 尖 宗 教 経 典 和 宗 教 学 木 的 研 究 ・ 5根 据 国 家 的 対 タト升 放 政 策 ・枳 扱 丹 展 同 国 外 和 港 ・漢 ・台 伊 斯 差 教 界 人 士

和 穆 斯 林 的 友 好 往来 ・

活 動 内 容 も設 立趣 意 とお な じよ う に、 中 国 イ ス ラ ー ム 教協 会 と寧 夏 イス ラー ム 教協 会 の 文 言 に は大 差 はみ られ な い、,両者 と もに 、 中 華 人民 共 和 国 の 法 律 の 範 囲

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中華 人民共和 国の 「宗教 団体 」 に関 す る一考 察

内で の 「正 常 」 な宗 教 活 動 、 宗 教 教 育 、 宗 教 指 導 者 養 成 に対 す る指 導 が 強 調 され て い る。 た だ し、 寧 夏 イ ス ラ ー ム教 協 会 の場 合 、清 真 寺 の 「民 主 管 理 」 や 宗教 指 導 者 の養 成 ・管 理 にす こ し具 体 的 に言 及 して い る 点 が特 徴 的 で あ る。 これ は、 中 央 の北 京 とは異 な り、 寧 夏 に は ム ス リム が集 住 し、宗 教 指 導 者 が 多 い こ と と関 係 して い る。 と こ ろで 、1995年8月21日 の 「第5回 代 表 会 議 」 で は寧 夏 イ ス ラー ム教 協 会 の 会 長(謝 生 林)が 過 去5年 来 の 活 動 内容 を次 の よ うに 報 告 して い る。

以 下 、 ポ イ ン トを列 挙 し、 同協 会 の活 動 内容 を具体 的 に把 握 して お こ う。

1杁 真 学 Σ1・宣侍 貫 初 党 和 政府 的 宗 教 信 仰 自由 政 策 2参 政 以政 ・切助 政 府 堆 炉 社 会 穏 定 ・増 違 了 民族 団 結

3枳 板 引 尋伊 斯 差教 界 人 士 和 穆 斯 林 群 森 力 社 会 主 文 丙Al文 明 建'没服 劣 4堅 持 阿旬 考 核 ・提 高教 取 人 員 的 素 廣

5杁 真 倣 好 朝 観 服 劣工 作

6堅 持 編輯 《守 夏穆 斯 林 筒 凪 》・交 流 了 情 況 ・増 違 了 了解 7配 合 政 府 有 尖 部 口,完 成 了 夕卜事 接 待 任 劣

そ れぞ れ の テ ーマ ご とに どの よ うな活 動 が 実 際 にお こ なわ れ た の か を補 足 して お く。 ① 寧 夏 各 地 の イ ス ラ ー ム教 協 会15)関 係 者 の 召 集 、 清 真 寺 の 宗 教 指 導 者 や 管 理 責 任 者 の座 談 会 の 開催 、 党 ・行 政 の政 策 の 宣伝 な ど を実 施 した 。 党 の 統 一 戦 線 工 作 部 は イ ス ラ ー ム界 の人 士 と と もに 党 中央 の 統 一 戦 線 工作 部 、 国 家 民 族 事 務 委 員 会 、 国家 宗 教 事 務 局 の 関係 者 に接 見 した 。 ② 寧 夏 イ ス ラー ム 教 協 会 の 会 長 ・ 副 会 長 は 人 民 代 表 大 会 や 政 治 協 商 会 議 の 会 議 や 視 察 に積 極 的 に 参 加 した。 ま た、

寧 夏 にお け るハ ラ ー ル食 品 の管 理 方 法 に 関 す る意 見 交換 、 イス ラー ム を侮 辱 す る 事 件 に 関す る座 談 会 な どを 開催 した。 ③ 清 真 寺 で の 金 曜 説教 で 「愛 国愛 教 」 を宣 伝 させ 、 社 会 安 定 を維 持 させ る よ う努 め た 。清 真 寺 や 宗 教 指 導 者 を表 彰 す る行 事 を企 画 し、 貧 困地 域 へ の寄 付 を お こな っ た 。④ 宗教 指 導 者 の 水 準 を向 上 させ る た め に宗 教 指 導 者 の資 格 審 査 試 験 を実 施 し、「ア ホ ン証 」(宗 教 指 導 者 の 資格 証 明書) を合 格 者 に発 行 した。 ⑤ 寧 夏 で は メ ッカ 巡礼 者 が 毎 年 増 加 して い るが 、 メ ッカ巡 礼 団 を組 織 した。 ⑥ 寧 夏 の イ ス ラー ム界 の 関係 者 に機 関 誌 を配 布 し、 イス ラ ー ム 教 協 会 の活 動 内容 を紹 介 した。 ⑦ 政 府 関 連 部 門 と中 国 イス ラー ム教 教 会 の指 示 と 支 援 の下 、 寧 夏 イ ス ラ ー ム教 協 会 は外 国 人 ム ス リム の 訪 問 団 を接 待 し、 寧 夏 ムス リム の生 活 状 況 を紹 介 した。 また、 他 省 ・自治 区 の イス ラー ム教 協 会 の 訪 問 を受 け入 れ で 晴報 交 換 をお こ な っ た。

以 上 の寧 夏 イ ス ラ ー ム教 協 会 の活 動 内容 を概 観 し、 中 国 イス ラー ム教 協 会 のそ れ と比 較 す る と、 当時 、 党 ・行 政 に よっ て 宣伝 され て い た 社 会 主 義 建 設 の必 要 性

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中 醒入民 共和1klの 「宗 教団体 」に関 す る 考 察

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が 強 調 され て い る点 はお な じで あ るが 、 寧 夏 イス ラ ー ム教 協 会 の場 合 、地 域 的特 性 をふ まえ 、 「民 族 団結 」、 「愛 国愛 教 」、 宗 教 指 導 者 の 資格 審 査 な どが 具 体 的 に 明 記 され て い る 点 が 特 徴 的 だ とわ か る。

写 真2寧 夏 イス ラ ーム 教 協 会 に掲 示 さ れ て い た宗 教 団体 に 関 す る 法規 定

3組 織 構 成

そ れ で は 、 ひ き つ づ き 、 寧 夏 イ ス ラ ー ム 教 協 会 の 紅 織 構 成 を 以 下 の 表2で 確 認 し た い 。 表2の デ ー タ は1995年 「第51}il代 表 会 議 」 で 選 出 さ れ たL要 メ ン バ ー の 一 覧 表 で あ る が 、 寧 夏 イ ス ラ ー ム 教 協 会 の 関 係 者 の 話 に よ る と 、2000年 の 調 査 時 点 で も ほ ぼ 同 じ メ ン バ ー で あ る 。 お よ そ1995年 か ら2000年 に か け て 会 長

(1名)、 副 会 長(12名)、 秘 ・il.1:長(1名)、副 秘 脅 長(2名)、 常 務 委 員 会(46名)、

委 員 会(175名)と い う 内 訳 に な っ て い た,、中 国 イ ス ラ ー ム 教 協 会 に 代 表 と し て 参 加 し た 寧 夏 の 代 表 は1993年 の 時 点 で22名(こ の う ち 女性2名)、2000年 の 時 点24名(こ の う ち 女性3名)で あ る 。 寧 夏 の 代 表 の 多 くが 寧 夏 イ ス ラ ー ム 教 協 会 の メ ンバ ー で あ る が 、 寧 夏 の ほ か の 市 や 県 の イ ス ラ ー ム 教 協 会 の メ ン バ ー も ふ

く ま れ る 。

寧 夏 イ ス ラ ー ム 教 協 会 の メ ンバ ー は 、 中 国 イ ス ラ ー ム 教 協 会 と お な じ く 、 基 本 的 に は 全 員 が 回 族 で あ る 。 寧 夏liil族1'1治区 内 は5つ の 地 域 に 分 類 さ れ 、 そ れ ぞ れ の 地 域 か ら メ ン バ ー が 選 出 さ れ て い る が 、 寧 夏 中 南 部 の よ う に ム ス リ ム が 集 住 す る 地 域 の 定 員 数 が 多 め に 設 定 さ れ て い る,、寧 夏 イ ス ラ ー ム 教 協 会 の メ ン バ ー の 多 く は 、清 真 寺 の 宗 教 指 導 者 や 管 理 責 任 者 で あ る 。こ の よ う な 地 元 出 身 の 宗 教 エ リ ー ト屑 の 動 員 は 中 国 イ ス ラ ー ム 教 協 会 の 場 合 と ま っ た く 同 じ も の で あ る 。

と こ ろ で 、 寧 夏 イ ス ラ ー ム 教 協 会 の 秘il}:長 ・副 秘pii:長 も ほ か の 役 職 とお な じ く

(16)

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中華 人民 共和 国 の 「宗教 団体 」 に関す る一 考察

表2寧 夏 回 族 自治 区 イ ス ラ ー一ム教 協 会 の組 織構 成(1995年 第5回 代 表 会 議)

役職 姓名

会長(1名) 謝 生 林(73歳 、 平 羅 県 出 身 、 小 学 卒 、 中 国 イ ス ラ ー ム 教 協 会 副 会 長 、Y)

副会 長(12名) 冶 正 剛(80歳 、 平 羅 県 出 身 、 大 学 卒 、 共 産 党 員 、Y) 洪 維 宗(同 心 県 出 身 、 高 校 卒 、Kh)

馬 智 仁(63歳 、 同 心 県 出 身 、 大 学 卒 、 共 産 党 員 、Q) 金 仲 華(60歳 〜70歳 、 呉 忠 市 出 身 、 小 学 卒 、J) 呉 清 芳(60歳 、 海 原 県 出 身 、 小 学 卒 、Q)

鮮 培 礼(70歳 、西 吉 県 出 身 、小 学 卒 、 固 原 地 区 政 治 協 商 会 議 主 席 、 Kh)

李 徳 貴(62歳 、 海 原 県 出 身 、 小 学 卒 、Q) 桓(60歳 、 浬 源 県 出 身 、 小 学 卒 、J) 馬 廷 秀(65歳 、 固 原 県 出 身 、 小 学 卒?、Q)

厳 正 清(57歳 、 銀 川 市 出 身 、 大 学 卒 、 共 産 党 員 、 寧 夏 イ ス ラ ー ム 教 経 学 院 副 院 長)

馬 子 安(61歳 、 霊 武 市 出 身 、 小 学 卒 、Y) 王 明 貴(60歳 、 平 羅 県 出 身 、 小 学 卒 、Q) 顧 問(1名) 馬 成 才(年 齢?、 同心 県 出身)

秘 書長(1名) 馬 智 仁(63歳 、 同 心 県 出 身 、 大 学 卒 、 共 産 党 員 、Q) 副 秘書 長(2名) 文(54歳 、 賀 蘭 県 出 身 、 中 学 卒 、 共 産 党 員 、Y) 馬 成 才(37歳 、 海 原 県 出 身 、 大 学 卒 、 共 産 党 員 、Kh) 常 務委 員(46名) ※省略

委 員(175名) ① 自 治 区 直 轄 機 関(22名)、

② 銀 川 地 区(23名)(銀 川 市 三 区(10名)、 賀 蘭 県(7名)、 永 寧 県(6 名))、

③ 石 階 山 地 区(32名)(石 階 山 市 三 区(7名)、 平 羅 県(19名)、

恵 農 県(5名)、 陶 楽 県(1名))

④ 銀 南 地 区(74名)(呉 忠 市(23名)、 霊 武 県(17名)、 青 銅 峡 市(6 名)、中衛 県(1名)、 中 寧 県(1名)、 塩 池 県(2名)、 同心 県(24名))、

⑤ 固 原 地 区(94名)(固 原 県(24名)、 浬 源 県(12名)、 彰 陽 県(8 名)、 海 原 県(24名)、 西 吉 県(23名)、 隆 徳 県(3名))※ 省 略

出 典:2000年10月 か ら2001年3月 ま で の フ ィ ー ル ド ワ ー ク で え ら れ た 一 次 資 料 。 注 記:(1)「 教 派 」 を 示 す 略 号:

Q(カ デ イ ー ム 派)、Kh(フ フ イー ヤ 派)、J(ジ ャ フ リ ー ヤ 派)、Y(イ フ ワ ー ン派) (2)寧 夏 イ ス ラ ー ム 教 協 会 の 主 要 メ ンバ ー は 全 員 が 回 族 で あ る 。

回族 で あ るが 、 原 則 、 共 産 党 員 が 担 当す る こ とに な っ て い る ら しい 。 この 点 は中 国 イ ス ラ ー ム教 協 会 の事 例 とお な じで あ る 。 回 族 の 共 産 党 員 は 、 党 ・行 政 の 方 針 にそ って イス ラー ム教 協 会 の実 務 を取 り仕 切 る が 、 ほ か の メ ンバ ー と違 い 、 イス ラー ムの 「教 派 」 間の 力 関係 に左 右 さ れ る可 能性 が低 く、 どち らか とい えば 中 立

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