Kyushu University Institutional Repository
細円管および狭い長方形管内垂直上昇気液二相流の 流動現象に関する研究
井手, 英夫
https://doi.org/10.11501/3147903
出版情報:Kyushu University, 1998, 博士(工学), 論文博士 バージョン:
権利関係:
4.2 細円管および長方形細管内垂直上昇気液二相流の摩擦 圧力損失
4.2.1 緒
小型熱交換器では細円管ならびに長方形細管が多く使われており, さらに安全 で高効率の ものを設計し開発するためには狭い管路における気液二相流動現象,
すなわち圧力損失, ボイド率, r夜膜厚さならびに液体スラグやじよう乱波などの速 度特性等の基本ノマラメータに関する情報を十分把握しておく必要がある.
これまでに, 管径6mmからO..5mmの鉛直な細円管内および短辺が約l.Omn1で長 辺が1 -- 10rnnlの鉛直な長方形細管内における気液二相流の流動様式とその遷移 現象を解明するために, 第2章では液体塊の速度特性を, 第3章では流動様式を検 討した. その結果, 細円管および長方形細管内の流れの特徴が明確にされた. す なわち, 細円管の場合約2mm以上の管径では速度と波高が共に大きいじよう乱波 が支配的な流れであり, 約2lnm以下の管径では表面張力および粘性が速度にも影 響を与え, 基底波が支配的な流れであった. また, 長方形細管の場合アスペクト比 が小さく なると, 管コーナ部に液体を保持し易く, 液体ホールドアップが大きいな
どの特徴を示した.
一方, 第 3 章や前節で述べたように相当直径が約10mm より 小さい場合でもア
スペクト比が大きい管路における二相流の流動現象は細円管内の流動現象とはか なり異なる. すなわち, 流動様式が気ほう流からスラグ流に遷移する領域におい ては気体スラグが長辺方向に蛇行しながら上昇する流れや気体スラグ後端で小気 ほうを多く含む液体 の渦運動などが生じ, 摩擦圧力損失が極大値をとることなど アスペクト比が大きい狭い長方形管に特有な流れが存在することが明らかにされ た. これらの結果に基づけば狭い長方形管内の流れでは, 短辺と長辺を構成する 各側面と気液各相の流れとの干渉が相分布にも影響を与え, 結果として二相流の 摩擦圧力損失および平均ホールドアップなどの基本パラメータも細円管の場合と は異なる可能性がある.
以上のことから, 前節で取り扱った管路より もさらに断面積が小さい, 長方形細 管内における二相流の摩擦圧力損失の解明が重要と思われる. 本節では, 第2早
で取り扱っている短辺が1.0mm, 長辺が1.0, 2.0および5.0 mm, すなわちアスペ
クト比が1.0から5.0の鉛直な長方形細管を用いて, 二相流の摩擦圧力損失と流動 様式の関係をより 詳細に検討した. その結果, 二相流の摩擦圧力損失に対するア
スペクト比, 相当直径並びに気体および液体のみかけ速度等の影響を明確にする ことができた.
なお, 長方形細管におけるこ相流の摩擦圧力損失の実験結果は, 前節と同様に
Lockha.rt - Ma.rtlnelliらが提案する整理法( L - M法) (3)によって整理され, これま
でに収得している管径2.0mmおよび0.9mmの細円管の結果並びに本実験の場合よ り断面積やアスペクト比など幾分大きい管路であるが, 他の研究者が報告してい る狭い長方形管の実験結果とも比較検討している. さらに細円管におけるこ相流 の摩擦圧力損失の整理式として, 従来広範に用いられている深野らの提案式(36)を 本研究で得た長方形細管の実験結果に拡張適用し, それを修正することによって 長方形細管内の二相流の摩擦圧力損失を精度よく推定できる式を得た.
4.2.2 実験装置および方法
本実験で使用した供試管, 装置および方法は, 圧力損失を測定する以外は第2章 で用いたものと同じである.
圧力損失を測定する場合の供試管および比較に用いた細円管の長さや図4.18に 示した各部の長さなどの詳細は表4.2に示すとお り である. 表4.2のDは細円管の 内径, Lは供試管全長, Leは気液混合部から管出口までの距離, LDは気液混合部 から系内圧測定部までの距離, Lsは差圧測定区間, .ecは気液混合部から定電流プ ロ ーブまでの距離, .epは上流と下流のプロ ーブ聞の距離を表す. これらの定電流 プロ ーブによって液体ホールドアップηを測定し, その下流位置において流動様式 を観察した.
本実験における系内圧力は, 気水分離器上部に設置したリリーフパルプを調節 して第2章の場合と同様, 0.2MPa土1.5%以内に保った. 本実験での流量範囲はJLと Jcで表せば, JLは0.1から2.0m
/
s,j
cは0.5から30.0m/
sであり, 温度は18 ""' 24 ocであった.
Gas
Liq叫γ
Te
...fl凶
cらぬstu
Holdup probe Pro be dista.nce Air - water mixer : Sepa.ra.tor
Electric source terminal Gas
hfxLiquid
図4.18 実験装置の概略
表4.2 供試管, 定電流プロープおよび圧力損失測定区間等の詳細
(
mm)
AxB T Dh L Le fc fp ft LD Ls 1.0x 1.0 1.0 1.0 1042 797 315 6.6 0.3 1.0 350 130 2.0 x 1.0 2.0 1.33 1254 1089 397 6.6 0.3 1.0 460 130 5.0 x 1.0 5.0 1.67 1543 1333 516 6.6 0.3 1.0 580 305 9.9x1.1 9.0 1.98 1890 1780 751 7.0 0.3 1.3 698 450
D T L Le fc fp ft LD Ls
0.9 830 700 460 3.3 0.1 0.3 400 177
2.0 1330 1100 650 6.5 0.1 1.0 620 386
t : Thickness of blass pla.te( for anode and cathod probes ) of a wall conductance probe
ん: Distance between blass plates in a wall conductance probe T : Aspect ratio (== A / B )
4.2.3 実験結果および考察
(1)
水単相流の摩擦圧力損失次節に述べるこ相流の摩擦圧力損失のLod王hart - Martinelliによる整理法(L- M 法)の基準になるものとして, 水単相流における摩擦圧力損失を測定した. 水の密 度ρL, 粘度μL, 代表速度}L, 代表長さとして相当直径を用いた液体レイノルズ数 ReL(=ρLjLDh/μL )の範囲は, 本実験範囲においては層流域であった. ReLと実測 した管摩擦係数入Lの関係は図4.19 に示すとおり である. 層流の場合ReLと入Lの関
係は理論的に求まり, 次式で与えられる.
入L=CL/ReL ( 4.36)
ここに, CLは円管の場合64.0, 長方形管のアスペクト比が1, 2および5の場合そ れぞれ, 56.9, 62. 2および76.3である(37) 本実験範囲での入Lは, ReLが約1500以下 の領域で層流解と比較的良好に一致しており, 次節ではCLとして円管で 64.0, 長 方形管1x1, 2x1, 5x1mmに対し, 55.9, 58. 8および80. 0の実験値を用いた.
吋
ぜ〈
0.2
0.1 0.08 0.06
宅xperimel1tal,
TI日O陀t.ical(3)
. CL二64.0, 64.0
for circulartube
-"_1'_,一 :
CL二80.0, 76.3
5 x 1 111111--" _._.-._. :
C L二58.8ぅ 62.2 2
xl 1TIITI-、 l --7-1・ CL二55.9, 56.9
1xl mrnぅ、"-
I I p
1\i JLZLEq・( 4.36)
2y-"
46 8103
Ke A、 L
図4.19 水単相流の管摩擦係数
•
2 3
(2)
垂直な長方形細管内二相流の摩擦圧力損失(a)
L- fvI法による整理本実験範囲では加速圧力損失は, 全圧力損失のたかだか1%以下であり, 無視で きるので, 摩擦圧力損失は全圧力損失から位置損失を差引いて算定した. この位 置損失はホールドアップの測定値から算定したが, その全圧力損失に対す る割合 は, スラグ流領域で最大で約40%で、あり, 環状流領域では約2%と小さく, 本実験
範囲では一般には全圧力損失のほとんどが摩擦圧力損失であると考えてよい.
図4.20は, 二相流の摩擦圧力損失の実験結果をL-M法によって整理した結果で ある. 図4.20には, 比較のために管径D=0.9mmの細円管の結果も示した. ここ に, 縦軸のゆLは, 前節の式(4.1)で定義した二相流と水単相流の摩擦圧力損失の比 の平方根である. 横軸のχは, マルチネリ・ パラメータで, 管内を水のみおよび空 気のみが流れると仮定した水単相流と空気単相流の摩擦圧力損失比の平方根であ り, 前節では式(4.2)の気相および液相が共に乱流の場合を表す χ ttを用いたが, こ こでは, 気相および液相が, それぞれ層流あるいは乱流である4通り の場合を区
別し, 式(4.37)のχで定義した.
χ=J(ムPj/ムL)L/(ムPj/ムL)c
=
\1 (入L去fzj印
( 4.37)式(4.37)における空気単相流の管摩擦係数は, 層流から乱流への遷移レイノルズ数 を2400として, 層流の場合式(4.36), 乱流の場合ブラジウスの式, 前節の式(4.4),
により求めた.
図4.20中の一点鎖線は前述した式(4.6)を表す.
4
ぜ3 1,., I Eq.( 4.6) 九��
I A�� ・
2 十句=
1 +C/X+1/X 2ー一一一 : c = 21
-一一一 : c = 10
c = 5
1 7
4
ぜ3 1 I Eq.( 4.6) "同い
2 �ø�と1+C/川/X2_ "
1 7 4 ぜ3
c = L.l
-一一一 : C = 10
c = 5
I Eq.( 4.6)
2十ぐ=1ぼ/x廿/x2_
C = L.l
-一一一 : C = 10 C = 5
1 7 4
ぜ3 IEq.( 4.6) 可尚、
2 トØL�1+C/川 /x1___J
ー._.-.ー : C = L.l
- 一一一 : C = 10 C =5
(a) 1
xlm)l1 Dh=1.0mm
(b)�X 1�w Dh=1.33mm
(c)5×1mm
Dh一1.67mm
1 0.2 0.6 1 2 4 6 10 20 r
図4.20 L - M法による整理
。 0.1
@ 0.2
• 0.3
① 0.5 () 0.7 θ 1.0
@ 1.5
Wambsganssら(38),Aliら(39)および三島ら(21)は表4.3に示す長方形管で得られた 実験結果と式(4.6)のCの値との関係を検討している. Cの値に対し,Aliらは短辺 幅すなわち間隙の影響およびJLの影響について, Wambsga.nssらはゆLに与える質量 速度の影響を調べ,JLが小さくなるとCが20から5までの範囲に整理されること を示している. 一方,三島らは, 相当直径が約10,...., 2mmの管で実験を行い, 相当 直径が約10mmのSadatomiら(20)の非円形断面管の結果や森山ら(40)の管路幅301nm,
間隙 7,...., 98μmの狭あい管の結果も引用し, 相当直径が約10mmからO.lmlnまでの 管路に対し,Cが20からOまで変化する次のCの整理式を提案している.
c = 21{1
- exp(
-0.27 Dh)} ( 4.38)これらを参照して,図4.20にはCが21のほか 10.0および5.0の場合もそれぞれ,一
点鎖線および破線で示した.
図4.20からわかるように, 本実験で得られたゆLは,JLおよび、χが大きい場合Cは 21に,JLおよび、χが小さい場合5に近づく傾向を示している. また,Wa.mbsga.nssら およびAliらの結果と同様に,ゆLに対してJLの影響が見られる. これは特にアスペ クト比が大なるほど著しく,狭い長方形管の特徴といえよう. 式(4.38)から得られ るC の値は,本実験での 1x1,2x1および5x1mmの場合それぞれ,5.0, 6.3およ
び 7.6となる. このことから, 本実験結果のゆLは,JLが小さい場合に式(4.38)と一 致する傾向があるが,JLが大きくなるとCの値は大きくなり,式(4.38)のCの値と は一致しなくなっている.
表4.3 Cの値
Researchers Dimension Aspect Hydraulic C Shapes Orientation
m口1 ratio diameter, rnm
40 x 1.07 37.4 2.08
Mishima. et al_(7) 40 x 2.45 16.3 4.62 Eq.(4.38) rectang叫ar vertical
40 x 5.00 8.0 8.89
80 x 0.778 102.8 1.54 vertical,
Ali et al.(6) 80 x 1.465 54.6 2.88 20 - 5 rectangular horizontal etc.
Wambsganss et al. (5) 19.05 x 3.18 6.0,0.17 5.45 20 -5 rectangular horizontal
口。 日日一マ
【判hvoh
.,..司
日)区(VE
'ky
、i m n 、i n
ρ … GMUF以 L凱
Fげ幻刈I1
44zqL
F}今J Ti
EにO×tt つd11
}2 09
10 3m
74 1 cuβ× tt QOつu ,〉2 1 B Mob× (7 1
14 1
kuo
× J(61
一一一一 一一 D
A ι× ・ 比χ B
図4.21 流動現象写真
(b)
負性抵抗特性赤川・小沢ら(41)----(43)は, 管径D=3.18および1.99mmの細円管内の圧力損失の静特 性として, 圧力損失の負性抵抗特性, すなわち気体流量の増加(χの減少に対応)に 対して,ゆLが減少する現象が生じ, この現象が小気ほうが規則的に並んで流れる 細管気ほう流とかなり長い気ほうが規則的に流れる細管スラグ流との遷移域にお いてみられると報告している. そして,大矢(44)の管径D=6,3および2mmの細い 鉛直管の場合および井上ら(1)の管径D=19mm程度の比較的管径が大きい鉛直管の 場合にも生じていることを指摘している.
これらの細円管と同様の傾向は本実験においてもアスペクト比が小さくχが約3 -...5より大きい範囲において, 長方形細管の場合 の図4.20(a)と(b), さらに は(d) の細円管の場合にも認められる.
そこで図4.20においてゆLが極値を示す条件
(
図中A--D点)
での流動現象の特徴を検討しよう. 図4.21A--Dは図4.20のゆLが極大値をとる例であり, E--GはゆLが 極小値もしく は特に低い値をとる条件の点に対応する. これらの条件での流動隊 式はいずれもスラグ流である. E--G の場合, 気体スラグ長さは長辺幅に比べか なり 長いことや気流により貫通される液体スラグも出現し, 気流に対する液膜の 相対速度が小さく なり 摩擦圧力損失 が低い値を示すものと思われる. 一方, A-
Dの流動条件近傍の気体スラグ長さは比較的短く, 長辺幅と同程度の気ほうも存 在する. 気体スラグ後端での管壁近傍の気液界面形状は写真に示すように管壁側 に出張っているのが特徴的である. 写真観察によれば, このような場合気ほう後端 と管壁の距離は非常に小さく, このことが摩擦損失すなわちゅLを大きくする原因 と考えられる.
この条件よりJcが増加すると, 図4.21EおよびFで示すように気体スラグ長さは 長く, スラグ周囲液膜との相対速度差により スラグ後端部は球形状ではなく なる.
このため摩擦損失が低下するものと恩われる.
一方, 前述したように図4.20
(
c)
のアスペクト比が大きい場合の結果には, 上述 の負性抵抗特性がみられない. この場合, 図4.21Gの写真例で示すように後端が出 張った形状を有する気ほうがほとんど存在しない. このように負性抵抗特性は細 い管路特有 のものでは必ずしもないが, 細円管の場合の負性抵抗特性が気ほう後 端形状と密接な関係にあることが指摘できる.4.2.4 ア ス ペク ト比の影響を考慮したこ相流の摩擦圧力損失 の整理式
(1)
深野らの整理式の適用深野ら(36)は, JLを代表速度とする水単相流のレイノルズ数と, (jC+jL)を代表速 度とするこ相レイノルズ数により, 管径D=1--5mm程度 の細円管内の二相間欠流 ( スラグ流およびフロ ス流) の流れをそれぞれ, 層流(V )あるいは 乱流(T)で特徴付
けている. たとえば, 水単相流が層流(V )で, 二相流が 乱流(T)である場合 の流れ はVTと 表記される. 層流から乱流への臨界レイノルズ数を2400として, この定 義を用いると本実験範囲はVV およびVT の二領域にはいる. この液体レイノルズ 数の影響を考慮した深野らの細円管lこ対する整理法が本実験結果に適用可能か否
かを以下に検討した.
図4.22( a.)は長方形管lxlmm の場合である. 図中の白丸はVV 領域, 黒丸はVT 領域を示す. 図中の太い実線および一点、鎖線は, 深野らの細円管のスラグ流領域 に対する式( 4.39)および環状流のじよう乱波領域に対する式( 4.40)を表す.
ゆL2 = 0.007{(jc + jL)/jL}o.8S ReL3/4 ゆL2 = 0.0011{(jc + jL)/jL}1.2 ReL3/4
( 4.39)
( 4.40)
図4.22(a) から本実験結果は, 流路幅の数倍程度 の比較的短い長さの気体スラグ が 数多くみられるスラグ流の流動様式に該当するVV 領域(図4.21A, B参照)におい ては, JL の影響 が残る が, VT領域では式( 4.39)と比較的良く一致していること が
わかる.
図4.22(b), (c)はVT領域で の長方形細管(アスペクト比1 -- 5 )および細円管 (管径D=0.9, 2.01nm)の結果を示したものである. 図4.22から, 横軸の値が約100
以上のじよう乱波領域に相当する本結果は, 式( 4.40)と一致する傾向が見られる が, 管径0.9mmおよび 2.0mm の細円管の結果を始め全体としては式( 4.39)と良く 一致している. し かし, 詳細にみると長方形細管の場合にアスペクト比Tの影響
が若干みられるため次節で, この影響について検討した.
e l- n hF m m 市 m rk噌i r x a1
σ0 ・ l u
目 V v u n
R : ) o
qノ臼噌i ハU ハunu - a
、しv~、ふwu
hqJA
三 0.1 Y
0.01 0.00
2.0,
ï:üt (b) Rectan � ular Chann � ls
OllXlm EBI2Xlm
・15Xlm
e: VT
Eq.( 4.39)
……'-Eq.(4.40)
KGA
三 0.1 Y
0.01 0.00
2.0,
ï:õl( c) Circular tubes
①ID=DO.9mm
⑩ID=D2.0mm V_T � egion
Eq.( 4.39)
…・…-Eq.(4.40)
Eq.( 4.39)
・・…・…Eq.(4.40) 0.01
0.00
1.0 10 100 1000
UJjb/jL
図4.22 深野らの整理法の適用性
(2)
アス ペクト比の影響本実験において得られた長方形細管内の摩擦圧力損失の整理は, 細円管に対す る整理式(4.39)と一致しているが, アスペクト比Tの影響がみられる. このため,
式(4.39)における係数0.007に相当する係数をf2として, その平方根fに以下のよ うにTの影響を考慮した. 図4.23 はその結果を示したものである.
図 4.23からfにはJLの影響によるぱらつきがみられるが, fがTと直線関係で与 えられるとして, 最小二乗法によって求めた直線を図中に実線で示した.
VV領域についても同様の整理を試みた. VV領域の結果は図4.22(a)の検討か ら, 式(4.39)の右辺の速度比すなわち流量比{(ja + jL)/ jL}より, JLとDhで、表され るフルード数{jL /vg瓦}の方が良好な整理が得られた. それを考慮してVT領域 の場合と同様にTの影響を考慮した.
したがって, アスペクト比を考慮した以下のゆLの整理式が得られた.
VV領域について,
ゆL = 0.090T-O.23{jL /
{;瓦
}一0吋eL3/8 ( 4. 41)VT領i或について,
ゆL = 0 .0823T-o.08{(ja + jL)/jL}OωReL3/8 ( 4.42)
0.1 0.07 0.05
、0.03 j
L,m/s
OI
0.1@I
0.2・I
0.3①I
0.5{�
I
0.7θI
1.0�
I
1.50.01 1.0
no nu nU T 弓コ つんnxU ill11 ハU ハU 一一 f
2.0 5.0 7.0 10.0 Aspect Ratio T
図4.23
アスペクト比の影響(3)
計算 値と実 験 値 の比 較図 4.24は式(4.41)および式(4.42)による二相流の摩擦圧力損失の計算値と本実験
における全実験値との比較を示す. この結果からアスペクト比を異にする長方形 細管の摩擦圧力損失は式(4.41 )および式(4.42)により土15%以内の精度で推定でき ることがわかる. これらは式(4.6)より良い精度の推定値を与える.
7.0
6.0 5.0
吋
4.0
、♂3 3.0
2.0ト _ ."/ ,
vvη口 o
I1Xl
1.0卜dグ Lð
@2Xl
•
f5Xl O�O
0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0
, LE.'-P
図4.24 二相摩擦圧力損失の実験値と計算値の比較
本章において, 前半の節では断面 が比較的大きい長方形管を用いて, 水平から 鉛直までの傾斜管内二相流の摩擦圧力損失について, 断面の幾何学的形状, 管路 姿勢と液体レイノルズ数の影響などを明らかにし, これらの影響を考慮にいれた 二相流の摩擦圧力損失の整理式を提案した. 後半の節では, 細円管を含む長方形 細管を用いて, 鉛直二相流の流動様式と摩擦圧力損失を調べ, これらに対する管 径, アスペクト比, 相当直径などの影響と液体レイノルズ数の影響等を明確にし た. さらに, 細円管および長方形細管の摩擦圧力損失に対しては, 従来, 細円管に 対する整理式として広範に用いられている深野らの式を本実験結果に拡張適用す ることによって, アスペクトの影響を考慮した長方形細管に対する新しい整理式 を提案した. これらに関して以下の結論を得た.
(
1)
Lockha.rt - Ma.rtinelliおよび赤川らの整理法では, 断面が比較的大きい長方形管における二相流の摩擦圧力損失の本実験結果を精度良く整理できなかった こ の場合, 特に管壁近傍の液体の一部が逆流現象を引き起こす傾斜角が大きく液体 のみかけ速度が低い場合に実験結果のばらつきが大きかった. 傾斜角が小さい場 合であってもχttが小さく液体のみかけ速度が低い場合, アスペクト比や管路の設 置方法の違い(横長と縦長)によって二相流の摩擦圧力損失に差異が生じた. 特に 大きいアスペクト比をもっ横長の管路における二相流の摩擦圧力損失は, 全実験 範囲において他の管路よりも大きかった.
(
2)
相当直径が約10lnmより小さくアスペクト比が大きい偏平な狭い管路の 場 合, 二相流の摩擦圧力損失は流動様式が気ほう流から気ほうスラグ流への遷移域 付近で極大から極小となる傾向を示した. この場合液体レイノルズ数の影響も認 められた.(
3)
長方形管内の水平分離流モデルに基づき, これに傾斜角を考慮して補正する ことによって以下に示すように管路断面の幾何学的形状と管路の傾斜角。および液 体レイノルズ数の影響を考慮し, 断面が比較的大きい長方形管に対するこ相流の 摩擦圧力損失の整理式を提案した.-m
r (T+l)(T+â) ー 0. 6 25
。L二C(0)ReL Xtt{ } { 《 2 }1 5
[T +
2(
1 -â)]
J l(1 -α)
ここで, 相当直径が約10mmより大きい管路に対して,
m = 0.3 , c(e)
=
0.57 + 2. 07x 10-2.e - 1.818 x 10-4.e2相当直径が約10mmより小さく, アスペクト比が大きく狭い管路に対して,
m = 1.0, c(e)
=
170 + 11.18・e - 9.63x 10-2.e2上式によって, 相当直径が約5mm以上の断面が比較的大きい長方形管内における こ相流の摩擦圧力損失の実験結果は約士30 %の精度で 整理された.
(4) 細円管および長方形細管内の二相流の摩擦圧力損失に対する式(4.6)のCの値 は, 細円管の場合一般に大口径 管の場合の21より小さく, 5に近づく傾向をもつ が, 長方形細管の場合アスペクト比が小さく, かっJLおよび、χ が小さい範囲では 5 に近づく傾向 がある. アスペクト比が大となるとχの広い範囲で, Cの値はJLに依
存し, JL が大なるほど21に近づく .
(5) 管径0.9mmおよび2.01umの細円管におけるこ相流の摩擦圧力損失の本実験結 果は, 深野らの提案式lこかなり良く一致した. 長方形細管内 二相流の摩擦圧力損 失の整理式 として, 深野らの提案式にアスペクト比の影響を考慮した式(4.41)お よび 式(4.42)を得た. これらの式を用いると長方形細管内におけるこ相流の摩擦
圧力損失は土15%以内の精度で推定され る.
文 献
(1)井上晃および青木成文, 管内二相流の圧力損失に関する基礎的研究(第2報),
機論, 32 - 238, ( 1966 ), 940 - 917.
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第5章 長方形管内垂直上昇気液二相流における ホールドア ッ プの整理式とその予測法
5.1 緒 一言
小型熱交換器の性能向上のためには, 管内径が数 mm以下の細円管ならびに狭 い管路における気液二相流の流動様式, 圧力損失, ボイド率および液膜厚さ等の 基本パラメータの特性 を精度よく把握する必要がある. これまで に, 細円管 につ いては, Suo とGriffith (1) , 深野ら(2) , 仮屋崎ら(3) , 三島と日引(4)45) , 井手 ら(6)・(7) および土方ら(8)により , 狭い管路については飯田と高橋(9), Wilmart-hと Ishii(lO), LowryとKawaji(ll), Ali ら(12), IdeとMatsumura(13)およびWa mbsga.nssら (14)など の研究により上述の基本ノマラメータに関する多くの知見が得 られている.
し かしながら平均ホールドアップの整理式として, 管径が約5mm以上の円管 や比較的大きい非円形断面管 を対象とした整理式は, 従来数多く提案されている (15)吋24)にも関わらず, 円管とは異なった流動現象 を呈する狭い長方形管(7).( 13) に対
しては, 著者ら の知る限りまだ提案されていない.
以上のことから, 本章では, 短辺が約lmmで長辺が1 -- 9.9mm (相当直径1 -- 2mm, アスペクト比1 -- 9 )の4種類の鉛直長方形細管(7)のホールドアップについ て, その精度良い整理式 を得ることを試みた. 同時に過去に収得 し, 第3章および
第4章で取り扱った 短辺が4 -- 16mmで長辺が14 -- 160mm (相当直径7 -- 21 mm , アスペクト比1 -- 40 )の断面が比較的大きい10種類の鉛直長方形管(13)の平均ホー ルドアップの実験結果iこ対しでもできるだけ統一的に適用することのできる整理
式 を検討した.
これら狭い長方形管内 における平均ホールドアップの特徴を 表す因子として, 粘 性と表面張力の影響 を考慮することのできるエトパス数, ウェバー数および牛ャピ ラリー数 を考慮 した. その際, これら無次元数 を定義する代表長さとして何を採 用する か(相当直径, 等価直径, 長辺および短辺など), またアスペクト比など管
路形状の影響と絶対速度 の影響等についても検討した.
5.2 実験装置および方法
本章で取り扱った供試管の種類とそれらの断面寸法の詳細を表5.1に示す. 供試 管は透明アクリル樹脂製の長方形断面管であり, 表5.1に示す 断面積Fが約10mrn2 以下の4種類の長方形細管と断面積が比較的大きい10種類の長方形管を使用した.
これらの管路に対する平均ホールドアップ今は, 長方形細管の場合深野の定電流法 (26)によって求めた時々刻々の値を時間平均した値から, 断面が大きい長方形管の場 合締切法(13)によって求めた. その測定のための実験装置と方法については, それ ぞれ第2章および第4章にて詳述した.
表5.1のAおよびBは管路断面の長辺と短辺の長さ, Dhは相当直径{=
2ABj(A+
B)
}
, Deは後出(第5.4節)のSadatomiら(25)が定義した等価直径{=2(A + B)jπ},
Tはアスペクト比(=
AjB)
, Lは供試管全長である.供試流体と して空気と水を使用した. 表5.2にそれ ぞ れの供試管における実験範 囲, すなわち液体と気体のそれぞれのみかけ速度JLとJcを記したほか, 系内圧力 および空気と水の温度範囲を示した. 流動様式は長方形細管の場合スラグ流, フ ロ ス流および環状流が, 断面の大きい長方形管の場合気ほう流, 気ほうスラグ流,
スラグ流, フロ ス流および環状流が観察された(第3章参照) .
表5.1 供試管のす法詳細
No. Fig.
AxB F Dh De T Lmけ1 mm2 mm けìm =
A/B
け7,灯1( a)
l.0 x l.0 1.0 1.0 1.27 1.0 10422
(b)
2.0 x l.0 2.0 1.33 1.91 2.0 1254 3(
c)
5.0 x l.0 5.0 1.67 3.82 5.0 15434
(d)
9.9x l.1 10.9 1.98 7.0 9.0 18905
(e)
14.6 x 14.6 213.2 14.60 18.6 1.0 25006
(f)
2l.8x10.8 235.4 14.44 20.8 2.0 25007
(g)
29.0 x 9.7 281.3 14.54 24.6 3.0 2500 8(h)
36.4 x 9.3 338.5 14.81 29.1 3.9 2500 9(i)
14.0x 6.9 96.6 9.24 13.3 2.0 1000 10(j)
32.3 x 16.0 516.8 21.40 30.8 2.0 180011
(k)
80.0 x 7.9 632.0 14.38 56.0 10.1 430012
(1)
40.0 x 4.0 160.0 7.27 28.0 10.0 250013
(m)
80.0 x 4.0 320.0 7.62 53.5 20.0 2500 14(n)
160.0 x 4.0 640.0 7.80 104.4 40.0 2500表5.2 実験範囲
No. Fig.
AxB JL JoPressure Temp. Data
mm MPα 。 C
poínts
(a)
1.0 x l.0 0.1 --1.5 0.5 --30.0 642
(b)
2.0 x l.0 0.1 --1.5 0.5 --30.0 0.2 18 64 3(
c)
5.0 x l.0 0.1 --1.5 0.5 --20.0 ::t2% ,、、, 614
(d)
9.9x l.1 0.1 --0.7 0.5 --20.0 24 525
(e)
14.6x14.6 0.8 --3.6 0.4 --7.0 Air 1066
(f)
2l.8 x 10.8 0.8 --3.1 0.5 --5.5temp.
637
(g)
29.0x 9.7 0.8 --3.1 0.3 --5.6 15 638
(h)
36.4x 9.3 0.8 --3.1 0.3 --4.4 ,、、J 679
(i)
14.0x 6.9 l.7 --3.4 0.7 --4.7 0.11 27 3710
(j)
32.3 x 16.0 0.5 --1.9 0.2 --2.5 ,、、,Water
9711
(k)
80.0x 7.9 0.3 --1.6 0.1 --2.6 0.18temp.
7512
(1)
40.0x 4.0 0.6--2.7 0.7 --5.1 18 4313
(
m)
80.0 x 4.0 0.3--2.1 0.4 --3.0 ,、、, 6414
(n)
160.0x 4.0 0.3 --1.6 0.2 --1.3 24 57Total d
ata
= 913points
5.3 実験結果の整理と考察
5.3.1 気体および液体のみかけ速度によるホールドア ッ プ の整理
図5.1に平均ホールドアップ命のJcに対する変化をJLをパラメータとして示す. 図 5.1(J\)(a) � (d)は長方形細管のアスペクト比1から9の場合, 図5.1(B)(e)� (n)は
断面が大きい 長方形管の場合である.
図5.1から今に対するJLの影響がみられるほか, 一般的傾向として流路断面積が 大きい 場合Jcの増加に対して今は減少するが, 長方形細管ではアスペクト比が小さ くなるほどJcが増加しでも今は必ずしも減少しな い ことがわかる. 相当直径が同程 度の円管 (D=2.0およびO.9mm)の結果(6).(7) と比較すれば, 長方形細管でJcが大な る場合の今は, 円管の場合より 約l.3 ..._ 2.2倍程度大きい .
この今が大きい傾向は, 表面張力および液粘性によって管コーナ部に液体が保持 され易い (7)こと, すな わち液体の占める面積割合が大きくなることに依っており,
その分管中央部を流れる気流が増速され , 第5.5節に述べるように, すべ り 比Sが 大きくなることに表れてくる.
また, 図5.1(a)..._ (d)でJLが小さくJcが約3m/s以下のスラグ流領域の一部で, η がJcの増加に対し 増加する傾向がみられる. 仮屋崎ら(3)の細円管内の結果におい ても同様な傾向が認められるが, この場合流動写真の観察(7)から細円管(6)および
長方形細管内の液体スラグ長さが管径より かな り短く, 気体スラグ周囲の液膜が 厚くな っていることが共通していることが判った.
_00.8 .6 く 与:- 0.5
0.4 0.3 0.2
0.1 0.1 0.2 0.4 0.60.8 1
ウ& ・唱EJ G A守 W
6QU 00 ou t- nU ゥ,H nu 司3
(a) 1.0x 1.0mm
1.0 0.8 _0.6
〈ぶご0.5 0.4 0.3
0.2
0.1 0.1 0.2 0.4 0.6 0.8 1 2 4 6 8 10 20 30
JG m/s
(b) 2.0 x 1.0 mm
1.0 0.8 _0.6
〈手:- 0.5 0.4 0.3
0.2
0.1 0.1 0.2 0.4 0.60.8 1 2 4 6 8 10 20 30
JG m/s
m m nu
x nU
FO 086543
2
、河け,
1i nunu nunu nu
nU L C ィ、
0.1 0.1 0.2 0.4 0.60.8 1
ヴ& .唱EJ G A守 W
6。δ 。。 AU 4,i nu ヴIM AU 弓J (d) 9.9 x 1.1 mm
(A)長方形細管
図5.1平均ホ ー ルドア ッ プ今とJGの関係
0.8 _0.6
〈 ぷ:- Ö�5 0.4 0.3 0.2
0.1
0.1 0.2 0.4 0.60.81
ウ& .,EJ G A斗・ 帥
600 AU 41
20 30
(e)14.6
x14.6
mm1.0 0.8 _0.6
〈ぶ:- Ö.5 0.4 0.3 0.2
h_lJ!Lsj -
。ヰBυ・� {匡弘正三三
/、
ぃ、F、。 0.79
�で @ 1.261-
�受Pげ可,
一
• 1.73① 2.20
() 2.67 e 3.14
0.1 0.1 0.2 0.4 0.60.81 2 4 6 8 10
JG m/s
20 30
(り21.8
x10.8
mm1.0 0.8 _0.6 く 手ご0.5
0.4
0.3 0.2
0.1 0.1 0.2 0.4 0.60.81 2 4 6 8 10 20 30
j G m/s (g)29.0
x9.7
mm1.0 0.8 _0.6
〈忌:- Ö�5 0.4 0.3 0.2
「三 、J-Ot伊ぬ5隆弘 jL mJs
。 0.791-
ヲミ:f'l)峰‘且邑
い炊Jl旬斡 @ • 1.26 1.73
① 2.20
() 2.67
θ 3.14
0.1
0.1 0.2 0.4 0.60.81
勺ん .,EJ G A斗・ 帥
600 nu 噌aA nu ヴ& AU 弓J
(h)36.4
x9.3
mm(B)断面の大きい長方形管
図5.1平均ホ ー ルドアッ プカとJGの関係
_0.6 くドご 0.5
0.4 0.3 0.2
0.1
0.1 0.2 0.4 0.60.81
(i) 14.0
x6.9
mm2 4 6 8 10 20 30
JG m/s
1.0 0.8 _0.6
〈ぷア0.5 0.4
0.3
円時間
0.2
0.1
0.1 0.2 0.40.60.81
。) 32.3
x16.0
mm1.0 0.8 _0.6
〈ぷご0.5 0.4 0.3 0.2
0.1
0.1 0.2 0.4 0.60.81
(k) 80.0
x7.9
mm1.0 0.8 _0.6 く忌ご0.5
0.4 0.3 0.2
0.1
0.1 0.2 0.4 0.60.81
(1) 40.0
x4.0
mm2 4 6 8 10
JG m/s
2 4 6 8 10 20 30
JG m/s
()._・凶畠
三明記事
2 4 6 8 10 20 30
iG m/s
(B)断面の大きい長方形管, つづき 図5.1平均ホ ールドアッ プ今とJGの関係
1.0 0.8 _0.6
〈 ぷご 0.5 0.4 0.3 0.2
bFよ
0.1 0.1 0.2 0.4 0.60.81 6
00 4EA nU 司L .,EJ G 』品T i
A20 30
(m) 80.0
x4.0 mm
1.0 0.8 _0.6
〈 ぶご 0.5 0.4 0.3 0.2
jL mJs一
ρ-.A'l:>. 」利、 h作
。 0.271ドー『
甲、ノ @ 0.54
• 0.801ー
① 1.061_
0.1 0.1 0.2 0.4 0.60.81 2 4 6 8 10 20 30
j n m/s (n) 160.0
x4.0 mm
., U(B)断面の大きい長方形管, つづき 図5.1平均ホ ー ルドアッ プ。とJGの関係
5.3.2 平均ボイ ド率と気体体積流量比との関係
図5.2は本実験で得られた平均ボイド率&と気体体積流量比ß{三jc/(jc+ jL)}との 関係を示したもので, (a) --( d)は長方形細管のアスペクト比1 から 9の場合,い)
--(n)は断面の大きい長方形管の例である.
細円管および長方形細管内の垂直上昇スラグ流における液体スラグの上昇速度 は, 第2章で議論したようにスラグ流領域のUmvに等しく, 気体スラグの上昇速度 ( =Uc )とも等しいので, いわゆるNicklin の式 (27)のドリフト項を無視した次式 が
与えられる(6) ,(7)
Uc
=
jc/êx=
Co・(jc+ jL)FHU /11 市,A 、、‘.,,J
この関係から, Q'とFの関係式(5.2) が得られる.
êx= l/Co・{jc/(jc+ jL)} = (l/Co). ß (5.2)
式(5.2)で分布バラメータCoが1.0の場合は, 気 液の相対速度 がない, いわゆる 均質流のボイド率Q'Hを表す. この関係を図5.2中に太い実線で示す. 図中の破線で 示す直線はCoが1 .2の場合すなわち, 円管に対するArmandの式(5.3)となる(28)
êx = 0.833.ß (5. 3)
この式ではF→1 のとき&は1に近づかないため環状流領域の実験結果を十分表し 得ない . このことを考慮してChisholnl(29)はl/Coとなるflow par ameter, kを用い た式(5.4)(図中の一点鎖線)を, 井上と青木(30)は式(5.5)(二点鎖線)を提案して いる.
l/k = ß /êx = ß + (1- ß )/[l- ß(l - pc/ ρL)](l/2) ß = êx/{l一êx+ êx2}
(5.4) (5.5)
ここにρGおよび、ρLは, それぞれ気体および 液体の密度(kg /m3)である.
図5.2(B)から, 断面の大きい長方形管(図(e)--図(n))の場合&は円管の式(5.2)
~式(5.5)と比較的一致する傾向がある. しか し, 詳細にみると, 表5.1に示す管 8, 管11 --管14などアスペクト比が大きく狭い長方形管の場合JLの大と小の両領 域で一致性が悪くなり, 例えば, 管1 1で得られた&の実験値は, JLが0.3m/sの場合
Anuandの式による計算値より 約30 %程度小さく, JLが 1. 6m
/
sの場合約30 %程度 大きい.一方, 図5.2(A
)(
a,)
--(
d)
の長方形細管の場合, 特にアスペクト比が小さくJcが 大きい場合, aは式(
5.2)
--式(
5.5)
の関係よりかなり下回り, 図5.1の関係で述べた ホールドアッ フの特徴がこの図にも表れている.なお, 式
(
5.1)
に関して長方形細管のスラグ流領域でCoの値を実測し, 検討した 結果, Coはアスペクト比1 および2の場合1 .04 , アスペクト比5および9の場合そ れぞれ1 .20および1.26となり, Usは実験値との誤差::t 10 %以内で整理された. そ の値を用いれば, 式(
5.3)
の0.833 に対応するl/
Coが長方形細管の場合0.96 --0.8 と なる. 比較的断面が大きい管路のスラグ流やフロ ス流においては平均ボイド率を Nicklinの式を用いて精度よく推定できるが, 本実験の長方形細管を含む狭い長方 形管にはその方法が適用できないことを意味している.また, 図
(
a)
--図(
d)
の長方形細管のスラグ流領域の&は, 図中の実線と一致する(& = ß)結果がみられる. 図5.2
(
B)(
l)
--(
n)
の断面が大きく アスペクト比も大きい狭い長方形管でも同様な結果を示しているが, この場合の流動様式は気ほう流で ある. これに対して図
(
a)
--図(
d)
の長方形細管の場合気ほう流は観察されていな い. このことは長方形細管の場合, スラグ流の領域でも気液の相対速度がないこ とを意味しており, 細い円管で仮屋崎ら(3)が指摘したことと同様, 長方形細管の特 徴とも云える.0.9 1.0 0.8 0.7
<ö?�
- 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0
1.0 0.9 0.8 0.7 くち0.6
- 0.5 0.4 0.3 0.2
0.1 0
o
0.2 0.4 0.6 0.8 1.0
o0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 (a)
1.0x 1・0 mmp (b)
2.0 x 1・0 mmp
1.0 0.9 0.8 0.7
〈白0.6 - 0.5
0.4 0.3
0.2 0.1
0
o0.2 0.4 0.6 0.8 1.0
。
0.9 1.0 0.8 0.7 くち0.6
- 0.5 0.4 0.3
0.2 0.1
0
o0.2 0.4 0.6 0.8 1.0
(c)
5.0 x 1.0 mm(d)
9.9x 1.1 mm。 Eq.(5.2) â == ß (三合H)
Eq.(5.3) δ== 0.833・p
Eq.(5.4)
1/k = ß/êx = ß+ (1- ß)/[1- ß(1- PG/PL)](1/2)Eq.(5.5) ß ==δj{l-â+ô?}
(A)長方形細管
図5.2平均ボイ ド率δとグの関係
1.0 0.9 0.8 0.7 く ち 0 .6
- 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1
04 2 6 08 10 0 0 02 04 j 6 08 10
(i) 14.0
x6.9 mm U) 32.3
x16.0 mm
Eq.(5.2) δ== ß (三âH)
_
Eq.(5.3)
â== 0.833・p
申
Eq与以.(5.4) 1ν/k=ß/êx=ß+(ο1ト一イpめ州)ν川/八[1 一 4作1ト 一 PG/ιω)が]ド(仰1り中lρ2
由
Eq与以.(5.5) ß
==â/パ{1
一δ + âゲ乙}
(B)断面の大きい長方形管 図5.2平均ボイド率δとグの関係
0.9 1.0 0.8 0.7
< ö � . � - 0.5 0.4 0.1 0.2
0
o0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 (e) 14.6
x14.6 mm P
1.0 0.9 0.8 0.7
くむ0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1
。 。
0.2
fOnu oo 噌i nu内1
opm
4 7'
oa x nu Q以内ζGV
1.0 0.9 0.8 0.7
くむ0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1
。 。
0.2
0.9 1.0 0.7 0.8
< � 0 .6
- 0.5 0.4 0.3 0.1 0.2
0
o0.2 0.4 0.6 0.8 1.0
(f)218X108 L
1.0 0.9 0.8 0.7
〈 巴 0 .6 - 0.5
0.4 0.3 0.2 0.1
0
o0. 2 0.4 0.6 0.8 1.0
(同364X93 J m 間
レ / / w1 ヂ
/ \
v � 議
揺 f曇 置 T
レ4
世ゲ係 \ 符
レ〆 �
0.9
<Ö�:�
0.4
0.2 0
1.0 0.9 0.8 0.7
〈 とう 0.6 - 0.5
0.4 0.3 0.2 0.1 0
o
0.2 0.4 0.6 0.8 1.0
o0.2 0.4 0.6 0.8 1.0
(k) 80.0 x
7.9mm 。 (l)400x 4O J m
1.0 0.9 0.8 0.7 ( � 0 .6 - 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0
o
0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 P
1.0 0.9 0.8 0.7
〈 ち 0.6 - 0.5
0.4 0.3 0.2 0.1 0
o
0.2 0.4 0.6 0.8 1.0
(m)80.0 x 4.0 mm (n)1600x4 0 1 m
Eq.(5.2) δ==ß(三âH)
_
Eq.(5.3) â
==0.833・p
_ Eq.(5.4)
1/k = ß/ô: = ß + (1- ß)/[1 - ß(1- PG/PL)](1!2)- Eq.(5.5) ß ==δ/{1-δ+â?}
(B)断面の大きい長方形管, つづき 図5.2平均ポイ ド率&とグの関係
ーーーーーーーーー・ーーーーー
a ・・・ -i
J1
5.4 従来の整理式の適用
従来提案されている平均ホールドアップの整理式(15)...(24)を本実験結果に適用し,
その妥当性を検討した. その結果これらの整理式は , Hughma.rkら(23) , Premoli ら(24)の提案式を除き絶対速度等の影響を考慮していないことおよび狭い長方形
管でのアスペクト比の影響(アスペクト比が大きくな るとホールドアップが減少 すること)などが整理式中に考慮されていないことのために, いずれも満足でき
るものではなかった. なお, 整理式の評価に平均ホールドアップの実験値rJEX Pは 正しいものとして 整理式の計算値17cALとの比較から以下に定義する平均誤差εと rms値を使用した. これらの値を表5.3にまとめている.
ε=
(�)
LYi rms =Jm
Ly;2ここで仏=(命CAL - �EXP)/�EXPである.
表5.3 従来の整理式と提案式による本実験値の推定誤差の比較
Correlations Wallis(16)
Chisholm et al.(17) Hewitt(18)
Fukano et al. (19) Smith(20)
Inoue et al.(21) Yagi et al.(22) Premoli et al.(24) Proposed correlations Eqs.(5.13),(5.14) Fig.5.8
Eqs.(5.13),(5.14)
Fig.5.12( a
)
; capillary channels Fig.5.12(b) ; relatively large channels(
for all data)
Eq.(5.13)
Fig.5.13 ; relatively large channels
ε% rms % -5.0 18.4
-17.1 27.0
4.0 23.0 27.7 38.0 -11.1 25.3 -10.6 22.6 11.7 27.9 5.7 18.7 ε% rms %
0.4 4.6
0.2 11.1 -2.0 8.8 (-1.4) (9.5) 3.2 9.3