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平成16年度

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(1)

平成16年度

人間共存・協調ロボットの安全基準策定 に関する調査研究報告書

平成17年3月

社団法人 日本機械工業連合会 社団法人 日本ロボット工業会

日機連16標準化−2

(2)

 

   

 我が国では、標準化の重要性は以前から十分認識されており、特に機械工業におい てはきわめて精巧な規格が制定されてきています。経済の国際化に伴い、世界的規模 で規格の国際共通化が進められております。 

 しかし、我が国規格の中には、我が国独自で制定した規格もあり、国際化の視点で の見直しを行う必要が高まっています。このため、弊会では通商産業省(現経済産業 省)の委託を受けて、機械工業に係わる国内規格の国際規格との整合化事業に取り組 んで参りました。 

 近年、国際標準にも新しい動きが起こり、製品を中心とした規格に加え、品質や環 境などをはじめとするマネジメントに係わる規格が制定されるようになってきており ます。弊会においてもこの動きに対応し、機械安全、環境保全など機械工業における マネジメントにかかわる規格や、機械工業横断的な規格についての取り組みを強化し ているところであります。 

 具体的には、国内規格と世界標準との整合を目指した諸活動、機械安全規格整備と リスクアセスメント実施のガイド作成、各専門分野の機関・団体の協力における機種 別・課題別標準化の推進などであります。これらの事業成果は、日本発の国際規格へ の提案や国際規格と整合した日本工業規格(JIS)、団体規格の早期制定などとなって実 を結ぶものであります。 

 こうした背景に鑑み、弊会では機械工業の標準化推進のテーマの一つとして 社団 法人日本ロボット工業会に「人間共存・協調ロボットの安全基準策定に関する調査研 究」を調査委託いたしました。本報告書は、この研究成果であり、関係各位のご参考 に寄与すれば幸甚であります。 

 

平成17年3月   

社団法人 日本機械工業連合会  会 長  金 井  務    

 

(3)

はじめに

 近年、産業用分野のみならず、非産業分野においても、公共の場や家庭内などで使用 されるロボットの実用化が進んでおり、今後、このような人間共存・協調ロボットが急 速に普及することが予想されております。

 しかしながら、現在のところ、人間共存・協調ロボットに関する安全対策や規格など は整備されておらず、また、こうしたロボットの安全対策は、従来の産業用ロボットと は明らかに異なるため、現行の産業用ロボットに関する安全規格類を適用した安全対策 では、不十分であります。

 このような状況において、すでに実用化されている人間共存・協調ロボットの安全性 確保及び今後の普及促進のために、こうしたロボットの安全基準の策定は急務であると 共に、世界に先駆けてロボット大国である我が国から国際規格提案を行い、国際的にも 未着手である人間共存・協調ロボット分野での国際規格策定のイニシアティブをとるこ とは、今後の我が国の国際規格戦略としても非常に重要であります。

 本事業は、人間共存・協調ロボットに関する安全性標準化のための調査研究に基づく 安全基準策定を目的としており、策定された安全基準を国際規格提案するこにより、当 該分野における我が国の国際標準化戦略を推進するものであると確信しております。

 最後に、本事業の遂行にあたり、経済産業省及び関係機関のご指導と本事業を当会に 委託された社団法人日本機械工業連合会のご高配に深謝すると共に、本事業にご協力い ただいた人間共存・協調ロボット安全性標準化調査専門委員会(委員長 杉本旭 北九 州市立大学教授)の委員各位のご尽力に対し、衷心より厚く御礼申し上げる次第であり ます。

 平成17年3月

      社団法人  日本ロボット工業会 会  長 稲  葉  善  治

(4)

人間共存・協調ロボット安全性標準化調査専門委員会委員名簿

本委員会

      氏  名       機関名・所属・役職

委 員 長 杉本  旭 北九州市立大学 国際環境工学部環境機械システム工学科教授 委  員 高橋 浩爾  上智大学 名誉教授

  〃   大久保堯夫  日本大学 生産工学部管理工学科教授   〃 安藤 嘉則  群馬大学 工学部機械システム工学科講師   〃 稲垣 荘司 愛知工科大学 非常勤講師

  〃 三上優美子 経済産業省 産業技術環境局情報電気標準化推進室   〃 山田 陽滋 独立行政法人産業技術総合研究所 知能システム研究部門       安全知能研究グループグループリーダー   〃 池田 博康  独立行政法人産業安全研究所 機械システム安全研究グループ主任研究官   〃  大築 康生  川崎重工業㈱ 技術開発本部システム技術開発センター

      第二開発部先進メカトログループ長   〃 橋本 秀一 ㈱デンソーウェーブ FA事業部営業部市場開発グループ室長   〃  村上 弘記  石川島播磨重工業㈱ 技術開発本部システム総合開発センター        機械システム開発部ロボティクスグループ課長 〃 松日楽信人 ㈱東芝 研究開発センターヒューマンセントリックラボラトリー研究主幹

〃 中村  久 ㈱豊田工機 システムエンジニアリング室主担当員

  〃  榊原 伸介 ファナック㈱ ロボット研究所名誉所長   〃 青山 元 富士重工業㈱ クリーン事業部事業部長

〃 三谷 宏一 松下電工㈱ 生産技術研究所ヒューマンロボット事業化グループ主査技師

  〃  大西  献 三菱重工業㈱ 新製品宇宙部ロボット事業グループ主席技師   〃 田中 雅人  ㈱安川電機 ロボティクスオートメーション事業部技術開発部開発担当部長   〃  村瀬 有一 ㈱富士通研究所 ペリフェラルシステム研究所自律システム研究部主任研究員

〃 蟹谷  清 ㈱不二越 ロボット事業部シニアチーフエンジニア

〃 加藤 隆明 三菱電機㈱ 情報技術総合研究所表示システム技術部ビジュアル技術チーム

〃 嶋地 直広 北陽電機㈱ 経営企画室課長

〃 井野 重秋 ㈱テムザック 研究所課長

〃 安藤 晃二 KUKA Robter GmbH 東京代表   〃  黒澤 豊樹 黒澤R&D技術事務所 所長

  〃 山下 智輝 ㈱前川製作所 技術研究所ロボットテクノロジーG課長

〃  大西 正紀 アシスト シンコー㈱ 生産本部開発部開発グループ主任研究員

  〃 佐藤 公治 (社)日本ロボット工業会 技術部部長

(5)

移動ロボット安全性検討ワーキンググループ

      氏  名     機関名・所属・役職

主  査 池田 博康 独立行政法人産業安全研究所 機械システム安全研究グループ主任研究官 委  員 安藤 嘉則 群馬大学 工学部機械システム工学科講師

  〃   大久保堯夫 日本大学 生産工学部管理工学科教授

〃  三上優美子 経済産業省 産業技術環境局情報電気標準化推進室

  〃 山田 陽滋 独立行政法人産業技術総合研究所 知能システム研究部門       安全知能研究グループグループリーダー   〃  大築 康生 川崎重工業㈱ 技術開発本部システム技術開発センター

      第二開発部先進メカトログループ長   〃  橋本 秀一 ㈱デンソーウェーブ FA事業部営業部市場開発グループ室長   〃  村上 弘記 石川島播磨重工業㈱ 技術開発本部システム総合開発センター        機械システム開発部ロボティクスグループ課長

〃 中村  久 ㈱豊田工機 システムエンジニアリング室主担当員

〃 松日楽信人 ㈱東芝 研究開発センターヒューマンセントリックラボラトリー研究主幹

〃 榊原 伸介 ファナック㈱ ロボット研究所名誉所長

〃 青山 元 富士重工業㈱ クリーン事業部事業部長

〃 村瀬 有一 ㈱富士通研究所 ペリフェラルシステム研究所自律システム研究部主任研究員

〃 嶋地 直広 北陽電機㈱ 経営企画室課長

〃 三谷 宏一 松下電工㈱ 生産技術研究所ヒューマンロボット事業化グループ主査技師

〃 大西  献 三菱重工業㈱ 新製品宇宙部ロボット事業グループ主席技師

〃 田中 雅人 ㈱安川電機 ロボティクスオートメーション事業部技術開発部開発担当部長

〃 加藤 隆明 三菱電機㈱ 情報技術総合研究所表示システム技術部ビジュアル技術チーム

〃 井野 重秋 ㈱テムザック 研究所課長

〃 山下 智輝 ㈱前川製作所 技術研究所ロボットテクノロジーG課長

〃 大西 正紀 アシスト シンコー㈱ 生産本部開発部開発グループ主任研究員

〃 佐藤 公治 (社)日本ロボット工業会 技術部部長

(6)

安全性検討ワーキンググループ

      氏  名     機関名・所属・役職 主 査 高橋 浩爾 上智大学 名誉教授

委 員 杉本  旭 北九州市立大学 国際環境工学部環境機械システム工学科教授   〃   安藤 嘉則 群馬大学 工学部機械システム工学科講師

  〃   三上優美子 経済産業省 産業技術環境局情報電気標準化推進室   〃 山田 陽滋 独立行政法人産業技術総合研究所 知能システム研究部門       安全知能研究グループグループリーダー   〃   池田 博康 独立行政法人産業安全研究所 機械システム安全研究グループ主任研究官 〃 土肥 正男 和泉電気㈱ ネットワーク・PLC開発部開発プロジェクト

  〃 十川 修一 川崎重工業㈱ 汎用機カンパニーロボットビジネスセンター       設計部制御設計グループ長

〃 岡部 真司 ㈱ダイヘン 溶接メカトロカンパニー技術部主事

  〃 橋本 秀一 ㈱デンソーウェーブ FA事業部営業部市場開発グループ室長   〃 伊藤 孝幸 ファナック㈱ ロボット研究所技師長

  〃 覚田 善徳 ㈱不二越 ロボット製造所開発部要素開発リーダー   〃 荻野 英司 富士重工業㈱ 第1生産技術部第2ボディ技術課課長   〃 北村 篤史 三菱電機㈱ 名古屋製作所ドライブシステム部ロボット開発課専任

〃 永田  学 ㈱神戸製鋼所 溶接カンパニー技術開発部主任研究員

〃 松尾 健治 ㈱安川電機 ロボティクスオートメーション事業部制御技術部課長 〃 安藤 晃二 KUKA Robter GmbH 東京代表

  〃 中村 尚範 トヨタ自動車㈱ 部長

〃 川島  興 オリエンタルモーター㈱  VEXTA商品統括部LS第1技術部主任   〃 黒澤 豊樹 黒澤R&D技術事務所 所長

  〃   大西 正紀 アシスト シンコー㈱ 生産本部開発部開発グループ主任研究員   〃   佐藤 公治 日本ロボット工業会 技術部部長

(7)

目  次

・序

・はじめに

・人間共存・協調ロボット安全性標準化調査専門委員会名簿

1.調査研究の概要 ……… 1

  1.1 調査研究の目的 ……… 1

  1.2 調査研究の概要 ……… 1

  1.3 調査研究の体制 ……… 1

2.人間共存・協調ロボットの安全性標準化に関する検討 ……… 3

  2.1 概要 ……… 3

  2.2 ワーキンググループでの審議経過 ……… 3

  2.3 人間共存・協調ロボットの安全上の分類とその表現方法の提案 ……… 4

  2.4 人間共存・協調ロボットに適用されるリスク低減の手段 ……… 15

  2.5 まとめ ……… 35

3.ISOにおける標準化動向 ……… 36

  3.1 ISO/TC184/SC2の活動状況 ……… 36

  3.2 国際規格回答状況 ……… 39

  3.3 ISOの国際会議報告 ……… 43

  3.4 ロボットの安全性に関する国際調査報告 ……… 60

4.今後の進め方 ……… 63

付属資料 ……… 64

(8)

1.調査研究の概要 1.1 調査研究の目的

 近年、産業用分野のみならず、非産業分野においても、公共の場や家庭内などで使用さ れるロボットの実用化が進んでおり、人間と共存・協調環境で使用されるロボットという ものが現実のものとなってきた。今後は、このようなロボットが急速に普及することが予 想される。

 しかしながら、現在のところ、このようなロボットに関する安全対策や規格などは整備 されておらず、ISOやJIS、労働安全衛生規則等ではこのようなロボットについては適用 範囲外としている。

 このような人間と共存する移動ロボットの安全対策は、非定常時のみに人が接近する従 来の固定式の産業用ロボットとは明らかに異なり、現行の産業用ロボットに関する安全規 格類をそのまま適用しようとしても無理があるなど、これまでの安全対策では、当然不十 分であり、人間と共存するロボットの安全基準策定は急務である。

 本調査研究では、すでに実用化されている人間共存・協調ロボットの安全性確保及び今 後のこれらのロボットの普及促進のために、人間と共存するロボットの安全基準の策定を 目的とし、その成果については、積極的に国際標準提案を行うこととする。

1.2 調査研究の概要

 本年度は以下の調査検討に基づき、人間共存・協調ロボットの安全基準の策定に関する 検討を行った。

 (1)人間共存・協調ロボットの安全性に関する体系化

   ・安全基準で対象とする人間共存・協調ロボットの範囲を明確にするため、現在ど     のようなものがあるかを把握し、それらを分類し、その体系化について検討する。

(2)機械に関する安全規格及び産業用ロボットの安全規格の人間共存・協調ロボッ      トのへ適用についての検討

   ・機械に関する安全規格及び産業用ロボットの安全規格に定められた手法により、    

人間共存・協調ロボットの危険源分析を行い、リスクアセスメントに基づくリスク低減方 策について検討する。

 (3)人間共存・協調ロボットの安全基準案の策定

   ・人間共存・協調ロボットの安全基準案の策定に向けて、安全基準項目及びそれら     の内容について検討する。

1.3 調査研究の体制

 ロボットメーカ、ユーザ及び学識経験者によって構成される人間共存・協調ロボット安 全性標準化調査専門委員会を当工業会内に設置し、本委員会と2つのワーキンググループ

(9)

(移動ロボット安全性検討ワーキンググループ及び安全性検討ワーキンググループ)によ って調査研究を行った。

 本委員会は、調査研究の方針を決定し、事業の進展を統括すると共に、各ワーキンググ ループの作業内容の審議、承認を行った。

 移動ロボット安全性検討ワーキンググループは、人間共存・協調ロボットの安全基準策 定に向けて、人間共存・協調ロボットの安全性に関する体系化、機械に関する安全規格及 び産業用ロボットの安全規格の人間共存・協調ロボットのへ適用についての検討、人間共 存・協調ロボットの安全基準案の策定等を行った。

 安全性検討ワーキンググループは、人間共存・協調ロボットの安全性検討に密接に関連

する ISO 10218(産業用マニピュレーティングロボット−安全性)の改訂作業に関して、

日本提案及びISOから回付される国際投票に対する日本回答の作成、各国提案の検討及び 関係主要国の現状等の調査を行った。

     

(10)

2.人間共存・協調ロボットの安全性標準化に関する検討 2.1 概要

 近年、産業用分野のみならず、非産業分野においても、公共の場や家庭内などで使用さ れる移動ロボットの実用化が進んでおり、人間と共存する移動ロボットというものが現実 のものとなってきており、今後、このようなロボットが急速に普及することが予想される。

 しかしながら、現在のところ、このような人間共存・協調ロボットに関する安全対策や 規格などは整備されておらず、ISOやJIS、労働安全衛生規則等ではこのようなロボット については適用範囲外としている。

 このようなロボットの安全対策は、非定常時のみに人が接近する従来の固定式の産業用 ロボットとは明らかに異なり、現行の産業用ロボットに関する安全規格類をそのまま適用 しようとしても無理があるなど、これまでの安全対策では、当然不十分である。

 このような状況において、すでに実用化されている人間共存・協調ロボットの安全性確 保及び今後の普及促進のために、人間共存・協調ロボットの安全基準の策定は急務である といえる。

 そこで、本調査研究では、これまでになされてきた機械に関する安全規格及び産業用ロ ボットの安全規格の人間共存・協調ロボットのへ適用についての検討に基づき、安全基準 案の策定に向けた検討を開始した。

 3カ年計画の2年度目である今年度は、まず、人間共存・協調ロボットの安全基準策定 に際して、次のような調査検討を実施した。それらの詳細については、2.3 以降に具体的 に述べることとする。

・人間共存・協調ロボットの安全基準を検討するためには、対象とするロボットの範囲 を明確にする必要がある。そのために、現在ロボットにはどのようなものがあるか、

具体的事例調査を実施した。

 ・ロボットの分類については、単純な分類ではなく、安全性に着目した切り口で分類を 行うことを検討した。

 ・昨年度作成したロボットの危険源リストに基づき、各危険源に対するリスク低減方策 について検討した。

 なお、来年度の調査研究計画は次のとおりである。

 ・人間共存・協調ロボットの体系化についてのまとめを行う。

 ・これまでの調査研究結果に基づき、人間共存・協調ロボットの安全基準策定を行う。

2.2 ワーキンググループでの審議経過

 今年度は、移動ロボット安全性検討ワーキンググループにおいて5回の審議を行った。

 第1回目は、今年度の進め方の検討及び人間共存・協調ロボットの分類とリスク低減方 策に関する具体的検討方法について審議を行った。

(11)

 第2回目は、移動ロボット分類のための切り口及びロボットメーカが実施しているリス ク低減方策についての検討を行った。

 第3回目は、ロボットのリスク低減方策の参考となる規格の調査報告及び愛知博で実証 運用されるロボットの安全設計の考え方等について検討を行った。

 第4回目は、ロボットの分類とその図示方法について検討を行った。

 第5回目は、ロボットの分類の図示方法の検討及びリスク低減方策に用いられる検知・

認識技術の具体的検討を行った。また、報告書の内容についても検討を行った。

2.3 人間共存・協調ロボットの安全上の分類とその表現方法の提案

 ワーキンググループでは,前年度に移動ロボットの分類基準に安全の観点を導入して、

既存のあるいは研究開発中の移動ロボットを含めた分類表を作成してきた。ここでの分 類項目は、先ず移動ロボットの動作環境(周囲の対人環境を含む)に着目し、次に細分 化するためにロボットの安全機能や能力を採り上げた。この分類作業によって、移動ロ ボットのアプリケーショングループを位置付けすることができたが、安全の観点からの 体系化という点からは、各移動ロボットの安全上の位置付けが明確ではなかった。

 そこで、本年度は、様々な移動ロボットの相対的な安全上の位置付けを図るため、リ スクアセスメントで用いられるリスク要素に着目して、これらのリスク要素によって対 称移動ロボットがどの程度の危険性を有するかといった総合的な分析を試みた。また、

一般にリスクアセスメント作業では、個々の危険源に対して独立したリスク要素の定性 的あるいは定量的分析を行い、リスクの大きさを見積もることになるが、異なる対象、

危険源に対して、リスク要素の共通の目盛りを想定していない。相対的な比較をするた めには、移動ロボットに共通するリスク要素を抽出し、各々のリスク要素に共通のスケ ールを導入することが必要になる。さらに、従来アセスメント作業で利用されているリ スクグラフやリスクマトリックスといった表現方法ではなく、各種移動ロボットの相対 的なリスクの位置付けと、その根拠となる各リスク要素の見積もり結果が一見して分か るような表現方法として、次の分類グラフを提案した。

 移動ロボットの安全の観点からの最終分類結果は、対象移動ロボットが通常想定される 利用環境下で見積もられるリスクの大きさにより分類され、最終的には危害の発生確率と 想定される危害の程度の組み合わせ(積)により位置付けるものとした。図2.3.1 に示す 右グラフ上にプロットされるマークが最終的な分類位置を表すが、この位置が右上になる ほどリスクが高く、左下になるほどリスクが低いと見積もられ、また、そのリスクの支配 的要因が横軸に近ければ「危害発生確率」となり、縦軸に近ければ「想定危害程度」とな ることを意味する。リスク要素は様々な項目が想定されるが、ここでは機械設備のリスク

(12)

  図2.3.1の中央グラフは、リスク要素「想定危害程度」の副要素から構成されており、「表 面危険度」と「パワー」の組み合わせで見積もられた位置が右隣の方向の新たなグラフ軸

(想定危害程度)の位置へ引き継ぐ。同様に、左グラフは「速度」と「力出力」の組み合 わせで見積もられた結果が、「パワー」を規定することになる。同図の左および中央グラフ は、「想定危害程度」を見積もるためのロボットの機能、能力を示す指標を意味する。なお、

各種移動ロボットの見積結果をこれらのグラフ上に集約してプロットするため、以下のグ ラフスケールを想定している。

(1) 力出力(アクチュエータ推力と本体質量を含めて判断):アクチュエータ推力最大

1000N、本体質量最大1t

(2) 速度(移動機構の最高速度):6m/s

(3) 表面危険度(人間との接触面積が大きく、柔軟性があれば小さいと判断):人体への点 接触のように人体への応力集中が想定される場合に最大、ロボット側表面が金属の剛性 で最大

 なお、移動ロボットと人体との関係における想定危害は、運動エネルギを持つロボット 本体と人体との接触、衝突事象で生じるが、表面危険度は接触しても危害とはならない(人 体へ伝達されるエネルギ、力が小さい)という状況を含んでいる。

 一方、リスク要素「危害発生確率」の副要素は、図2.3.2に示すように、「暴露頻度」と

「回避失敗の可能性」の組み合わせで見積もられた結果であり、さらに「暴露頻度」は「人 密度」と「稼働頻度」の組み合わせで見積もられた結果となる。つまり、同図のグラフで は対象ロボットの(移動)環境を示す指標を示しており、図2.3.1ではロボット(設計者・

製造者)側向けの指標であったのに対して、ここではロボット(ユーザ)運用時の指標と なっている。ここで想定した各グラフのスケールは以下の通りである。

(1) 回避失敗の可能性(人がロボットとの接触・衝突を回避できない、あるいは接触中に 過大な挟圧を回避できない等):ロボットを視認不可能で最大、対象の人の特質(素人、

第三者、幼児、高齢者、身体障害者等で最大)

図2.3.1 移動ロボットの分類(能力指標)

力出力

( 慣

性力含む

)

危害発生確率

想定危害程度

表面危険度(接触 面積・柔軟性)

パワー

速度

リス ク

力出力

( 慣

性力含む

)

危害発生確率

想定危害程度

表面危険度(接触 面積・柔軟性)

パワー

速度

力出力

( 慣

性力含む

)

危害発生確率

想定危害程度

表面危険度(接触 面積・柔軟性)

パワー

速度

リス ク リス

(13)

(2) 人密度:駅の雑踏(1 名/m程度)の混雑で最 大

(3) 稼働頻度:1 日換算の稼働時間で常時となると き最大

 なお、上述したように、人がロボットに晒される

「暴露頻度」は、副要素である「人密度」と「稼働 頻度」の組み合わせから決められるが、これらの副 要素の見積が小さくても、ロボットが人と常時接す るような形態においては「暴露時間」は長くなるこ とに留意する必要がある。また、「回避失敗の可能性」

は人がロボットの危険事象(例えば、衝撃、挟圧)

に遭遇した場合に、それを回避することができない と想定されるときに可能性は大きいと見積もられる ため、人の能力に加えてロボットの能力(速度等)

にも依存する要素であるが、ここでは能力とは独立 した要素として扱っている。

 以降、7 種類の移動ロボットを対象とした分類結 果を示す。

図2.3.2 移動ロボットの分 類(環境指標)

曝露頻度(時間)

人密度

稼働頻度回避失敗の可能性

危害発生確率

想定危害程度

リスク

曝露頻度(時間)

人密度

稼働頻度回避失敗の可能性

危害発生確率

想定危害程度

リスク

危害発生確率

想定危害程度

リスク

(14)

産業用移動ロボットの安全性に関する分類

想定移動ロボットの 名称

産業用移動ロボット

想定した主な仕様 寸法    幅708mm 長さ1270mm 高さ2215mm(アーム最大伸張時)

質量、   380kg

台車移動速度 最大1.4m/s

機能 工場内でのワークなどの工程間搬送、ワークの着脱など

特徴 磁気誘導方式により移動(台車部は前進、後退、旋回、横行、スピンターン走 行が可能)

アーム部は6軸垂直多関節構造。

力出力(慣性力含む)

危害 発生 確率

曝露 頻度

(時間)

人密 度 稼

働 頻 度 回避 失敗 の可 能性

想定危 害程度

表面危険度(接触 面積・柔軟性) パワー

速度

(15)

病院内搬送ロボットの安全性に関する分類

想定移動ロボットの 名称

病院内搬送ロボット

想定した主な仕様 寸法:600(W)×940(D)×1300(H)

質量:約200kg +可搬質量50kg、

移動速度:60cm/秒

機能 装置内に地図を内蔵し、指定された目的地へ自律的に移動する自走装置であ り、移動経路内の障害物等をセンシングし衝突を回避することができる。

特徴 目的地までの最適な経路を計画して走行し、走行中はセンサで周囲の環境を認 識して進路上の障害物を避ける。無軌道で、非接触障害物センサ・接触停止ス 力出力(慣性力含む)

危害 発生 確率

曝露 頻度

(時間)

人密 度 稼

働 頻 度 回避 失敗 の可 能性

想定危 害程度

表面危険度(接触 面積・柔軟性) パワー

速度

病 院 内搬 送ロ ボ ッ

(16)

病院内自律搬送ロボットの安全性に関する分類

想定移動ロボットの 名称

病院内自律搬送ロボット HOSPI(ホスピー)

想定した主な仕様 寸法  :高さ1300mm×幅600mm×奥行800mm 質量  :120kg       駆動モータ :250W×2個 移動速度:最大3.6km/h   連続稼働時間:7時間以上

機能 病院内で検体、薬剤、レントゲンフィルムなどの物品の搬送業務を行う。

特徴 走行経路ガイドが不要で、事前に入力された地図情報をもとに、適切な走行経 路を自分で判断して走行します。レーザーレーダーや超音波センサを使って人 や車椅子、点滴棒などのパイプ構造物などに遭遇しても、確実に検出・回避し て目的地に向います。ロボットは、バンパーセンサに接触すると非常停止しま す。 また、エレベーターと無線通信することにより、ロボットが自律的にエ レベーターに乗って各階に移動します。

力出力(慣性力含む)

危害 発生 確率

曝露 頻度

(時間)

人密 度 稼

働 頻 度 回避 失敗 の可 能性

想定危 害程度

表面危険度(接触 面積・柔軟性) パワー

速度

(17)

ホームロボットの安全性に関する分類

想定移動ロボットの 名称

ホームロボット

想定した主な仕様 寸法 (接地面) φ0.5 以下×(高さ) 0.3m〜1.0m 質量  5kg 〜30kg

移動速度 30cm/s

機能 留守番、対人コミュニケーション、スケジューラ、自律移動、遠隔操作移動、

自動充電 等

特徴 一般家庭内で、カメラ等のセンサを使って、人の出入りを検知し、伝言・通 報などの留守番を行う。またをマイク、音声を使った音声認識、音声合成機能 も有する。カメラの他に距離センサ、衝突検知センサ等も用いて周囲環境の情 力出力(慣性力含む)

危害 発生 確率

曝露 頻度

(時間)

人密 度 稼

働 頻 度 回避 失敗 の可 能性

想定危 害程度

表面危険度(接触 面積・柔軟性) パワー

速度

(18)

留守番・コミュニケーションロボットの安全性に関する分類

想定移動ロボットの 名称

留守番・コミュニケーションロボット 想定した主な仕様 寸法: φ400mm – H600mm

質量:30kg

移動速度:0.5m/s(車輪移動)

アーム:可搬重量0.5kg(オプション)

機能 留守中の家の中の見回り・異常通報や、家族と会話によるコミュニケーション、

ネットワーク機器の操作など。

特徴 家の概略の地図情報を元に決められた位置を巡回し画像を記録し、異常があれ ば通報などを行う。家族の顔を認識し、音声認識により家電の操作やニュース などインターネット情報を音声合成で応える。

車輪で低速自律走行し、障害物をカメラや超音波センサ等で検出して回避、ア ームがあればコミュニケーションの動作を行う。

力出力(慣性力含む)

危害 発生 確率

曝露 頻度

(時間)

人密 度 稼

働 頻 度 回避 失敗 の可 能性

想定危 害程度

表面危険度(接触 面積・柔軟性) パワー

速度

(19)

冷蔵倉庫内搬送ロボットの安全性に関する分類

想定移動ロボットの 名称

冷蔵倉庫内搬送ロボット 想定した主な仕様 寸法

質量、

移動速度、など

機能 病院内で来訪者を認識して案内情報を提供し、目的場所まで先導する、など

特徴 来訪者を画像認識、来訪者が指定した目的場所へ車輪で低速自律走行する、障 害物や人間を超音波センサ等で早期検出して回避、アームで方向指示など 力出力(慣性力含む)

危害 発生 確率

曝露 頻度

(時間)

人密 度 稼

働 頻 度 回避 失敗 の可 能性

想定危 害程度

表面危険度(接触 面積・柔軟性) パワー

速度

(20)

レスキューロボットの安全性に関する分類

想定移動ロボットの 名称

レスキューロボット

想定した主な仕様 寸法:全高約3,45m、全幅約2,4m(左右腕部全開長約10m)

   全長約3,5m 質量:約5t

移動速度:最高約3Km/h クローラ仕様 駆動方式:油圧駆動方式

機能 1)2 本の腕を有する上半身などの制御は、本格的な力を出せるよう油圧駆動を採用。 

2)危険で力の必要な作業を代行できるよう、全高約 3.45 メートル、全幅約 2.4 メー トル(左右腕部全開長約 10 メートル)の双腕を有する。

力出力(慣性力含む)

危害 発生 確率

曝露 頻度

(時間)

人密 度 稼

働 頻 度 回避 失敗 の可 能性

想定危 害程度

表面危険度(接触 面積・柔軟性) パワー

速度

レスキューロボット

(21)

特徴 1)災害現場での復旧作業に適した双腕を有する自走油圧駆動型ロボット。

2)頭部カメラ部2ヶ所、胴部 1 ヶ所、腕部分7ヶ所、手部1ヶ所の関節を持ち、人  間の腕と同じ程度の動作ができる。 

3)状況に応じ選択可能な世界初の乗用操作+遠隔操作両用機能。 

4)頭部、腕部、胴部の前後左右に計7つのカメラを搭載。操縦席、または遠隔操作  装置からモニターできる。 

5)運転席前方にブームがないため視野が広く、直前の作業性が良好。 

6)上半身の制御、走行部等、各稼動部の動力源はディーゼルエンジンを搭載し、発  電も行うため燃料がなくなるまで稼動可能。 

7)屋外での作業が可能な全天候性。 

 以上の7種類の移動ロボットについて、最終分類結果をまとめたグラフを図2.3.3 に示 す。リスクが低めに見積もられたロボットが多い中、産業用移動(搬送)ロボットはパワ ーの大きさから高めとなった。グラフ上の○印の大きさ(丸数字)には意味付けはしてい ないが、ロボットをより大きなグループに括るとグラフ上の分布を考慮する必要があるか もしれない。産業用移動ロボットで図示した矢印はその可能性を示唆するものである。

 今回の分類の考え方とその記述により、各ロボットのリスクの大きさとその主要因の内 容について、相対的な関係が明らかとなり、リスクという観点から位置付けした分類が可 能となった。このような分類の考え方は、多種のロボットを安全上統一した指標で比較で きるとともに、対象ロボットのリスクアセスメント後に必要となる安全方策を適用する場 合に、適切でかつ効果的な方策の選択を可能とする。今後、リスク低減手段を抽出・選択 する段階で、今回の分類結果が有用となると考える。

図2.3.3 移動ロボットの安全性に関する分類結果

危害発生確率

想 定 危 害 程 度

1 2 3 4 5 6

7

○凡例

1:レスキューロボット 2:病院内搬送ロボット 3:ホームロボット

4:病院内自律搬送ロボット 5:冷蔵倉庫内搬送ロボット

6:留守番・コミュニケーションロボット 7:産業用移動ロボット

危害発生確率

想 定 危 害 程 度

1 2 3 4 5 6

7

○凡例

1:レスキューロボット 2:病院内搬送ロボット 3:ホームロボット

4:病院内自律搬送ロボット 5:冷蔵倉庫内搬送ロボット

6:留守番・コミュニケーションロボット 7:産業用移動ロボット

(22)

2.4 人間共存・協調ロボットに適用されるリスク低減の手段

 現在、実用化されている移動ロボットは多くはないが、研究開発中のものを含めると多 種多様な形態が見られる。特に、非産業用途の移動ロボットは多様であるが、比較的小型 のロボット以外は実用化されているものは少ない。近年、ロボット設計段階におけるリス クアセスメントの重要性が認識されつつあり、より厳密にアセスメントを行うほど危険と 評価されて実用化に躊躇するというジレンマが生じている。これは、見積もられた危険性

(リスク)の大きさに対して、適切なリスク低減手段の選択とその低減効果の評価が十分 行われていないことも原因の一つである。

 そこで、ワーキンググループでは、移動ロボットに適用されている、あるいは適用可能 と思われるリスク低減手段について抽出し、以下の項目について検討を行った。なお、今 回のリスク低減手段は主にセンサ関連に限定した範囲から選択している。

(1) リスク低減の目的:人(あるいは障害物)の存在検知、人との接触検知、移動環境の認 識、ロボット内部の自己状態監視、その他、から分類する。

(2) 手段の名称:リスク低減手段あるいは手法の名称。

(3) 原理・機能:手段の検出原理、動作原理、構造、機能等。

(4) リスク低減効果:定量的な判定は難しいため、検出機能や安全性能を総合的に判断して、

高い、かなり高い、やや高い、低い、ほとんどない、の5段階から選択する。

(5) 安全要件・問題点:リスク低減手段に求められる要件や安全機能と共に、ロボット適用 時の問題点、あるいは実用化への課題を記述。

 今回のリスク低減手段の抽出と分類は、独立した個別の手段としての評価であるが、実 際の設計時においては複数の手段による階層化構成やシステム的な手法によって、異なる 要件、もしくは新たな問題点が生じる可能性がある。それについては、今後標準化を検討 する際に留意を要する。

以降、抽出した手段毎に上記項目をまとめた結果を示す。

(23)

表2.4.1 移動ロボットに適用されるリスク低減手段(1)

リスク低減

の目的 手段の名称 原理・機能 リスク低減効果 安全要件・問題点 存在検知 RFID(ICタグ) 人間にアンテナ付きICチッ

プを持たせて、その情報を ロボット本体上のリーダー で読み取ることにより、ロ ボット近傍の人間の存在 を検知し、ロボットの接近 や接触を防止する。

複数の人間を同時にかつ 個別に認識できる。

低い

(ロボット周囲の空間 内の複数の人間を検 知できるが、タグの ない第三者は検知で きないため、効果は 低い。また、リーダー から発生する電波に よりタグから送信さ れるため、リーダー やタグの故障により 未検知状態が生じ易 く、安全性能は低 い。)

不特定多数の第三者の 存在検知には不適。複 数要員のロボットへの過 剰な近接状態を監視す る補助手段として利用が 可能。もしくは、ロボット 周囲の安全地帯内の要 員存在検知(人数確認)

に利用可能。

電波の届く範囲が狭い 上に、タグの装着状態や 環境(水分等)によりリー ダー受信感度が影響を 受けるため、使用条件 が限定される。

(24)

移動ロボットに適用されるリスク低減手段(2)

リスク低減 の目的

手段の名称 原理・機能 リスク低減効果 安全要件・問題点

接 触 検 知

モ ー タ 電 流 検出

ロボットの移動用モータ やアームの駆動モータの 電 流 値 を 常 時 モ ニ タ す る。

想定された電流値と異な る場合、何らかの外部物 体 と 接 触 し た と 判 断 す る。

やや低い

(外部負荷がモ ータをバックド ライブしようと するのを検出す るものであり、

静的もしくは低 速の状況では有 効である。しか し、予測機能は ないので、接触 してからの検出 となり、相手と ロボット双方に ダメージの出る 可能性がある。

また、機械効率 や摩擦の影響で 感度が低く精度 や 信 頼 性 が 低 い。外部力のか かる方向によっ ては電流変換の ゲインが低い、

または電流負荷 とならず、検出 できない場合が ある。)

予測が必要とな るような安全対 策には不適。

精度が低いので、

接触物の位置、方 向、対象の判別等 は困難。

検出漏れの可能 性がある。

(25)

移動ロボットに適用されるリスク低減手段(3)

リスク低減 の目的

手段の名称 原理・機能 リスク低減効果 安全要件・問題点

自 己 状 況監視

自己診断 各種信号を入力し、その 状況におけるロボットの あるべき状態と総合的に 比較判断して、異常を判 断する。

高い

(ロボットの内 部情報と外部情 報から判断をす るが、情報量が 十分にあれば多 様で信頼性の高 い異常検知がで きる。

また、異常が起 きてからだけで はなく、機能・性 能の劣化も検知 できるので、異 常が起こる前の 対策も可能とな る。)

状況を判断する ために、どれほど の情報が取れる かが問題。

情報量が多く、判 断基準が明確で あれば安全性を 高く確保できる。

逆に、情報量が少 ないと信頼性が 低下する。

(26)

移動ロボットに適用されるリスク低減手段(4)

リスク低減 の目的

手段の名称 原理・機能 リスク低減効果 安全要件・問題点

自 己 状 況監視

内界センサ ロボットの変位をモニタ し、計画された位置との 偏差で異常の存否を判断 する。異常の種類は、想 定外の場所にいると言う 移動指令生成異常と、指 令どおりに動作しないサ ーボ偏差異常の2種類が ある。

変位信号を微分して速度 を得ることで、速度の異 常検知も可能となる。

高い

(サーボ動作に 関しては基本的 かつ重要な項目 である。)

変位信号の精度 や信頼性が本方 式の効果に大き く影響する。

変位センサを複 数にすることや、

他の情報と総合 的に判断するシ ステムが望まし い。

(27)

移動ロボットに適用されるリスク低減手段(5)

リスク低減 の目的

手段の名称 原理・機能 リスク低減効果 安全要件・問題点

自 己 状 態監視

ジ ャ イ ロ セ ンサ

慣性の法則を利用するこ とによって,自身の角度 や角速度を計測できるセ ンサ.機構で大別すると こまの慣性と歳差運動を 利用して角度を検出する 姿勢ジャイロ,圧電振動 子にかかるコリオリ力や ループ状の光ファイバに 生じるザグナック効果を 利用して角速度を検出す るレートジャイロに分け られる.また,後者から はデータを積算すれば方 位角が算出できる.ただ し,いずれも検出角は相 対方位となる.

図.レートジャイロの原 理の一例(振動ジャイロ)

やや高い

 ロボット本体 を外部から何ら かの手段で監視 することが困難 な状況で,自律 移動時に目標に 対する自身の移 動方向のずれや 姿勢を検知する ことができるの で,軌道修正や 姿勢修正を行う ことができ,こ れによって転倒 防止や暴走防止

(軌道から大き く外れる),間接 的には衝突防止

(軌道外にある 障 害 物 へ の 衝 突)に貢献でき る.特に,二足 歩行ロボットや 不整地移動ロボ ットのような,

動作中不安定な 状況(転倒しや すい,凸凹が多 いため頻繁に方 向修正を強いら れる)で稼働す るロボットへの 効果は高い.

姿勢ジャイロは 小型化が困難,構 造も複雑でかつ 高価なため,ロボ ットにはレート ジャイロが搭載 される事例がほ とんどである.し かしながらレー トジャイロは角 速度を積算して 自身の方位を算 出するため,方位 角検知に際して 使用時間が長け れば長いほど積 算誤差(ドリフ ト)を起こしてし まう.したがっ て,利用にあたっ てはドリフトを キャンセルする ような工夫(例:

他のセンサとの 併用+得られた データに対する 何らかの処理)が 必要である.

(28)

移動ロボットに適用されるリスク低減手段(6)

リスク低減 の目的

手段の名称 原理・機能 リスク低減効果 安全要件・問題点

障 害 物 の検知

ロ ボ ッ ト 接 近 を 知 ら せる

接 触 時 に ロ ボ ッ ト を 停止

人 の ロ ボ ッ ト へ の 接 近 の 防 止

赤 外 線 セ ン サ

シ グ ナ ル ホ ーン

バンパー

ラ イ ト カ ー テン

装置から発信した赤外線 の反射を検出することに より、物体の有無を検知 する

音楽、チャイムなどを鳴 らす

バンパへの障害物接触で ロ ボ ッ ト を 停 止 さ せ る

(パワーオフ)

ロボット動作・走行領域 の境界に設けたライトカ ーテンで人の侵入を検知 し、その検知信号を無線 などの手段を用いてロボ ットに伝送し、ロボット はその信号により動作を 停止、またはパワーオフ する。

かなり高い

〜かなり低い

(システムの構 成による)

低い

高い

高い〜低い

機器故障が事前 検知できない。

検出できない箇 所がどこかわか らない。

人が音に気づか なければ、接触を 回避できない。

全てのロボット 動作領域に対し バンパー設置す ることは物理的 に困難。

ライトカーテン の設置方法によ り、安全レベルが 異なる

(29)

移動ロボットに適用されるリスク低減手段(7)

リ ス ク 低 減 の 目 的

手段の名称 原理・機能 リスク低減 効果

安全要件・問題点

存 在 検 知 環 境 認 識 自 己 状 態監視

測域センサ

( レ ー ザ レ ン ジ ス キャナ)

レーザ光を投光し、検出体から の反射光との時間差により、検 出体までの距離を測定する光学 式距離計で、光学スキャナによ り2次元に走査して、周辺の詳 細な空間地図データを得ること ができる。

障害物回避を含め、ロボットに とって移動可能な安全エリアを リアルタイムで把握できる。

高い

・本質的に検 出 体 の 材 質 や 色 の 影 響 を 受 け な い ので、近くに 居 る 不 特 定 多 数 の 人 を 確 実 に 検 出 できる。

・ 視 野 が 広 い。

・方位( θ)

と距離(r)

を 取 得 で き るので、人や 物体の位置、

大きさ、形状 を 容 易 に 認 識できる。

・屋内などの 閉 環 境 で あ れば、背景地 図 と の 照 合 により、安全 確 認 型 シ ス テ ム の 実 現 も 可 能 で あ る。

・2次元走査型が一 般的なので、3次元 空間の安全確認に は複数台を必要と する。

・透明ガラスや鏡面 は検出できないの で、接触によりガラ スを割ってしまい、

間接的に人に危害 を加える可能性が ある。

・静止している人物 と他の物体との区 別ができない。

・光を利用している ので、激しい降雨や 濃い霧などで視野 が遮られると検出 できない。

・検出体の硬さは判 らない。

・測定レンジも比較 的広く(4m、10m)、

ノイズ耐性や使用 温度、外乱光などの 耐環境性について も実用的に問題の ないレベルである。

(30)

移動ロボットに適用されるリスク低減手段(8)

リスク低減 の目的

手段の名称 原理・機能 リスク低減効果 安全要件・問題点

存在検知 超音波 センサ

送信側のマイクから超 音波を発射し,受信側の マイクまで超音波が戻 ってくるまでの時間を 計測することにより物 体までの距離を計測。

ロボットに超音波セン サを取付、障害物との距 離を測定することによ り、ロボット近傍の障害 物の存在を検知し、ロボ ットの接近や接触を防 止する。

やや高い

(指向性、分解 能、応答性を配 慮した上で、ロ ボット周辺の死 角をなくし、不 特定多数の人間 及び物の検出が 可能である。

また、センサの 異 常 検 出 を 行 い、異常時は動 作を停止させる ことが可能。)

安全要件:ロボッ ト近傍の障害物の 存在検知として利 用が可能。(以下の 問題点に対する配 慮が必要。)

問題点:吸音物質 や正対しない物体 の認識が出来ない ため、環境把握と 整備が重要。

センサの精度的な 異常検出が出来な い(安全確認型セ ンサでない)ため、

安全性を配慮する と単体での使用は 不向き。

屋外での気象(風、

霧、温度等)の変 化に対応出来るか 課題有。

(31)

移動ロボットに適用されるリスク低減手段(9)

リスク低減 の目的

手段の名称 原理・機能 リスク低減効果 安全要件・問題点

存 在 検 知

レ ー ザ ー 反 射 形 エ リ ア センサ

赤外レーザ光をパルス光 として投光し、物体から の反射光をセンサで受光 する。投光から受光の時 間間隔から検出物体の距 離を算出する。レーザー 光をセンサ平面内でスキ ャンすることで、センサ を中心とする半円形の検 知領域が形成される。

・スキャン間隔:0.5°

・防護範囲:最大4m

・警告範囲:最大15m

・応答時間:80ms

・ 出力安全機能:  2 チャンネル出力+安全リ レーによる接点溶着 検出。

やや高い

(スキャン平面 の高さを適切に 設定すれば、そ の面内での人の 侵入は防護可能 である。

 二つの独立し たセーフティモ ニターで、機能 監視、データ処 理、相互監視等 を行い、フェイ ルセーフ性が高 められている。

カテゴリー3の 認定。)

平面のみである ので、人の脚部の 高さでスキャン する場合には上 半身の動く範囲 を考慮して防護 範囲を設定する ことが必要であ る。

(32)

リスク低減 の目的

手段の名称 原理・機能 リスク低減効果 安全要件・問題点

環 境 認 識

レ ー ザ ー 式 3 次 元 ス キ ャナ

レーザースポット光を対 象物に照射し、その反射 光をラインCCDで受光 して三角測量の原理で距 離を計測する。レーザ投 光部と受光部の光軸をガ ルバノミラーで高速に走 査する。

 視野角、視野分割数に よって走査時間が変わり

・視野角約15°、

 視野分割数256×200  => 6.5秒

・視野角約30°、

 視野分割数440×280  => 15.0秒

である。

 測定距離:1〜3m  分解能:約1〜5mm

低い

(スキャンする 空間内の距離デ ータより、主と して対象物の認 識、環境認識を 行うセンサであ り、処理速度の 点からも安全性 能は低い。)

走査時間がかか るので、動きのあ る対象物には使 用できず、また安 全性能について も考慮されてい ないと思われる。

(33)

リスク低減 の目的

手段の名称 原理・機能 リスク低減効果 安全要件・問題点

環 境 認 識

レ ー ザ ー 式 3 次 元 ス キ ャンセンサ

傾動する回転ミラーでレ ーザースポット光をパル ス状に照射し、同ミラー で反射光を集光する。発 振周期のカウント数に要 する時間を基に距離デー タを算出する方式。

 計測範囲:0.5〜3m   上 下 方 向 走 査 :0〜 45°

 水平方向走査:180°

 走査分解能:1°

 スキャン時間:1.0秒

低い

(スキャンする 空間内の距離デ ータより環境認 識を行い、回避 動作等を行うセ ンサであり安全 性能は低い。)

(34)

移動ロボットに適用されるリスク低減手段(10)

リスク低減 の目的

手段の名称 原理・機能 リスク低減効果 安全要件・問題点

接 触 検 知

感 圧 等 の セ ンサ

ゴム等のシート内に多数 配置されている導電性粒 子間の抵抗が押し圧によ って変化し,この変化を 検出するタイプが多い。

ロボットのエンドエフェ クタやアームにこのセン サを埋め込むことで,人 間やモノなどがロボット に接触したこと,および その接触の状態を直接検 知することができる。

やや低い

(ロボットに直 接接触して検知 するため検出精 度は高いが,ロ ボットが動作中 である場合は,

非常停止をして も,リスクを完 全になくすこと は難しい)

安全要件:

・瞬時停止

・低速動作

・接触場所が予想 されている場合

問題点:センサの 故障により重大 な事態を招く恐 れがあるため,複 数のセンサを併 用して安全性を 高める必要があ る。

不特定多数の第 三者の存在検知 には不適。

(35)

移動ロボットに適用されるリスク低減手段(11)

リスク低減 の目的

手段の名称 原理・機能 リスク低減効果 安全要件・問題点

接 触 検 知

テ ー プ ス イ ッチ

1 対の電極に長さを持た せ た テ ー プ 状 の ス イ ッ チ。外皮のバンパ弾性体 を介し、外力によってス イッチが閉じることで接 触、衝突を検出する。作 用力は用途に応じて選定 も可能。

 やや高い メカニカルなス イッチで、単体 としての動作の 信 頼 性 は 高 い が、速度が速い ロボットでは、

衝突から停止ま での時間に発生 する衝撃力を緩 和することがで きないためリス ク低減効果は低 下する。衝突後 の 2 次障害を防 ぐには有効な手 段といえる。

速度が数十セン チcm/s程度 以下のロボット で有効。人の退避 スペースが確保 できない場合は 質量も十分小さ いことが要件と なる。最大外形の ボディ周囲に固 定するのが一般 的であり、検出箇 所が限定される。

脚型ロボット等 への適用は適切 な検出箇所を確 保するのが困難 であり。

(36)

リスク低減 の目的

手段の名称 原理・機能 リスク低減効果 安全要件・問題点

接 触 検 知

タ ッ チ ス イ ッチ

( 導 電 ゴ ム スイッチ)

導電材料を混ぜて導電性 を持たせた弾性ゴムが外 力で変形することで電極 を短絡させるスイッチで 接触を判定する。

やや高い

速度が速いロ ボットでは、衝 突から停止まで の時間に発生す る衝撃力を緩和 することができ ないためリスク 低減効果は低下 する。衝突後の2 次障害を防ぐに は有効な手段と いえる。

ゴムの形状と電 極の配置によっ て接触検知位置 を比較的自由に 選定可能。

速度が数十セン チcm/s程度 以下のロボット で有効。人の退避 スペースが確保 できない場合は 質量も十分小さ いことが要件と なる。テープ スイッチに比較 して形状は多様 な設定が可能で あるが無負荷に てゴムと電極間 のギャップを確 保するためのリ ブまたはスペー サの位置では感 応しないことに 注意を有する。

基板 端子電極

導電ゴム

(37)

リスク低減 の目的

手段の名称 原理・機能 リスク低減効果 安全要件・問題点

接 触 検 知

タ ッ チ ス イ ッチ

( 感 圧 イ ン ク)

フィルム状で紙のように 薄く、柔軟性に富み、耐 久性も優れている。上下 2層のポリエステルフィ ルム層の上に導電材料の 層があり、その上の感圧 インク層で構成される。

感圧インク部は圧力に応 じて抵抗が変化する、こ の変化を電圧に変換して 接触圧を捕らえるセンサ として用いることができ る。

やや高い

速度が速いロ ボットでは、衝 突から停止まで の時間に発生す る衝撃力を緩和 することができ ないためリスク 低減効果は低下 する。衝突後の2 次障害を防ぐに は有効な手段と いえる。圧力の 大きさに応じて 動作を選定する ことで、実用的 なロボット機能 を生かした上で の安全確保が可 能となる。複数 セグメントに分 割したシートで 接触分布を捕ら え る こ と も 可 能。

速度が数十セン チcm/s程度 以下のロボット で有効。人の退避 スペースが確保 できない場合は 質量も十分小さ いことが要件と なる。3次元の自 由曲面への取り 付けは困難。

感圧部

リード端子

(38)

リスク低減 の目的

手段の名称 原理・機能 リスク低減効果 安全要件・問題点

接 触 検 知

タ ッ チ ス イ ッチ

(感圧ゴム)

主 に 絶 縁 性 の ゴ ム 材 料 と、導電性粒子の2つの 材 料 か ら 成 り 立 っ て お り、絶縁性のゴム材料中 に導電性粒子がほぼ均等 に分散された状態で成形 されたものである。そし て、無加圧時は導電性粒 子は互いに接触しておら ず(導電経路を形成して いない状態)、体積抵抗、

表面抵抗ともに、107Ω 以上の非常に高い電気抵 抗値を示すが、これに加 圧すると導電粒子が次第 に接触し始め、導電経路 が形成され、3 次元的に 導電経路が増えてF-R特 性は滑らかに変化してい くことになる。この抵抗 値を計測して接触力を検 知する。

やや高い

ゴムの形状によ って接触検知位 置を比較的自由 に選定可能。速 度が速いロボッ トでは、衝突か ら停止までの時 間に発生する衝 撃力を緩和する ことができない ためリスク低減 効 果 は 低 下 す る。衝突後の 2 次障害を防ぐに は有効な手段と いえる。圧力の 大きさに応じて 動作を選定する ことで、実用的 なロボット機能 を生かした上で の安全確保が可 能となる。

速度が数十セン チcm/s程度 以下のロボット で有効。人の退避 スペースが確保 できない場合は 質量も十分小さ いことが要件と なる。自由曲面に 配置する場合は センサが正常に 感応するように ゴム材に対する ベース構造が必 要.

導電粒子 絶縁ポリマー

(39)

リスク低減 の目的

手段の名称 原理・機能 リスク低減効果 安全要件・問題点

接 触 検 知

タ ッ チ ス イ ッチ

( 静 電 容 量 型)

人の皮膚が接触した際の 静電容量の変化によって 接触を検知する。接点が な い た め 接 触 不 良 が な く、長寿命。

やや低い

皮膚の直接的な 接触のみを捕ら えたい場合、速 度が遅い移動ロ ボットに対して 有効。衝突後の2 次障害を防ぐに は有効な手段で ある。ただし、

速度が速いロボ ットでは、衝突 から停止までの 時間に発生する 衝撃力を緩和す ることができな い。手袋や衣類 の接触には感応 しない点で確実 性に劣る。

速度が数十セン チcm/s程度 以下のロボット で有効。人の退避 スペースが確保 できない場合は 質量も十分小さ いことが要件と なる。周囲に金属 がある場合、感度 が変化する。また 手袋や衣類の接 触には感応しな い。

(40)

清掃ロボットに適用されるリスク低減手段(12)

リスク低減 の目的

手段の名称 原理・機能 リスク低減効果 安全要件・問題点 存在検知 ・測距式

超 音 波 セ ンサ

・反射式 光センサ

人間などの障害物 との距離を非接触 で検出し、2.0m以 内で減速、0.3m以 内で停止する。

高い

(非接触で検出できる ため、相手やロボッ トにダメージを生じ る可能性を軽減でき る。バンパ・センサ との組み合わせで、2 種類のセンサ信号に 基づくロボットの速 度制御に関する 2 重 系を構成している。)

信号の精度や信頼 性が本方式の効果 に 大 き く 影 響 す る。他の情報と総 合的に判断するシ ス テ ム が 望 ま し い。

接触検知 バンパ・

センサ

整形されたウレタ ンの中にテープ・

スイッチが二重に 内 蔵 さ れ た バ ン パ・センサを備え、

障害物に接触する と 一 時 減 速 停 止 し、安全性を確保 する。

やや低い

(外部負荷がセンサに 作用するものを検出 するものであり、予 測機能はない。した がって接触してから の検出となり、相手 とロボット双方にダ メージを生じる可能 性がある。)

予測が必要となる ような安全対策に は不適

接触物の位置、方 向、対象の判別は 困難

自己状態 監視

低電圧検出 制御システム回路 内に低電圧検出回 路を設け、バッテ リ電圧が一定電圧 以下になった場合 に、CPUにリセッ ト信号を出力し、

各リレーを解放す る。

高い

(バッテリ電圧が一 定電圧以下になった 場合、各コントロー ラの安定化電源の出 力が低下し誤作動の 恐れがある。本ロボ ットは、低電圧検出 回路をメインコント ローラ、駆動モータ コントローラ、操作 パネル、ジャイロに 各 々 設 け て い る た め、バッテリ電圧が 一定電圧以下になっ た場合、即座にロボ ットが停止するよう になっている。)

電圧低下によるロ ボットの誤動作防 止に有用

低電圧検出回路を 複数のコントロー ラに設けることで 信頼性が向上

(41)

自己状態 監視

制 御 シ ス テ ム異常検出

制御システム回路 内に異常検出回路 を設け、タイマ設 定時間内にCPUが ウォッチドグタイ マをリセットしな ければ、CPUに何 らかの異常が発生 し た も の と み な し、CPUに対して リ セ ッ ト を か け る。これにより、

駆動モータへのリ レーが解放され、

電源供給が遮断さ れることにより、

ロボットが停止す る。

高い

(常時 CPU を監視 す る こ と に よ り 、 CPUに異常が発生し た場合のロボットの 暴走を防ぐことがで きる。)

CPU の 異 常 に よ るロボットの暴走 防止に有用

自己状態 監視

過電流検出 ノンヒューズブレ ー カ を 制 御 装 置 系、駆動モータ系、

モータ系と機能別 に設ける。駆動車 輪が乗り越えられ ない段差等に突き 当たり回転が拘束 されることによっ て、規定以上のト ルクが発生して過 電流が回路内に流 れた場合、供給電 源を遮断する。

やや高い

(駆動モータに高負 荷がかかった場合、

駆動モータまたは制 御回路がダメージを 受ける前に供給電源 を遮断することによ って、ロボットの故 障のリスクを低減す る。)

予測が必要となる ような安全対策に は不適、ロボット 自身へのダメージ を防ぐための手法 である。

自己状態 監視

内界センサ ジャイロによって 得られる角度デー タの変位により、

ロボットの姿勢を 制御し、与えられ た経路上を直進走 行する。このデー タを微分した角速 度の急激なデータ 変動を監視するこ とによって、ジャ

高い

(ジャイロを用いる ことにより、与えら れた経路上を精度良 く直進走行すること が可能である。これ により、経路から外 れ る こ と が 原 因 で の、静的障害物への 衝突を防止すること ができる。)

動的障害物(人な ど)の衝突回避に は不適

与えられた経路場 を直進走行させる 手法として有用

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