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金融資産 の蓄積 と経済 の不安定性,循環

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Academic year: 2022

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(1)金 融資産 の蓄積 と経済 の不安定性 ,循 環 二 宮健 史郎 Ⅲl 滋賀 大 学経 済学部 2008年 2月. Ⅲl 本 は 稿 , 平 成 1 9 年 度 石 井記 念証 券研 究振 興財 団研 究 助成 に よる研 究成果 の 一 部 で あ る。記 して感 謝 申 し上 げ る. 滋 賀 大学経 済学部教授 ( 〒5 2 2 ‐ 8 5 2 2 彦 根 市馬場 1 ‐ 1‑1,tel:. 0749‐ 1158,e‐ 27‐ mail k― nino@biwako,shiga‐ u.acjp).

(2) 1 は じめに 金 融 資産 の 蓄積 は,経 済 の 安定性 に どの よ うな影響 を及 ぼ す の であろ うか。バ ブル 経 済 とそ の後 の長 期不況 を経験 した 日本 経済 に とつては 言 うまで もな く,投 機 的 な国際資 本移 動 に さ らされ て い る発展途 上 国 に とつ て も重大 な 関 心 事 で あろ う,ま た,サ ブプ ラ イ ム 問題 に端 を発 した金融 市場 の 混乱 に直面 して い る欧米 諸国 に もに とつて も無視 で き な い 問題 であ る。 Minsky(1986)は ,複 雑 な金 融構造 を持 つ 資本 主義経済 は不 安定 である とす る金 融不安 Ⅲ 定性仮説 を提示 した l,そ して ,Taylor and O'Comell(1985)の 研 究以降,Mi血 野 の議論 は様 々 な観 点か ら数理 モ デ ル に展開 され て い る。Chiarella,Flaschel,and Se―lerK2001), Asada(2006)(2007),二 宮 (2007,a)等,非 線形経済動学 の手法等 を用 い た近年 の金 融不安 定性 の マ ク ロ動学 の研 究 では,企 業 の負 債荷 重 の動態 が 導入 され ,金 融 の 不安 定性 ,循 環 が検討 され て い る。 これ とは別 に,Berllanke and Gertler(1989),Bemanke,Gertler and Qlechrist(1999)等 は,資 産価 値 とマ ク ロ経 済活 動 の 関連 を強調 した フ ィナ ンシ ャル ・ア クセ レー ター 仮 説 を提示 して い るまた,小 川 ・北坂 (1998)は ,担 保 と して の 資産価値 を考 慮 した マ ク ロ 経 済 モ デ ル を構 築 して 日本 の バ ブル 経 済,金 融政策 の 有効性 を検討 して い る,さ らに, Nakatani and Skott(2007)は,ハ ロ ツ ド的 モ デ ル で 日本経済 の長期低迷 を検討 してい る. 植 田 (2006)は ,金 融不安定性仮説 とフ ィナ ン シ ャル ・ア クセ レー ター 仮説 を比 較検討 し,Uchida(1987)等 で提 示 され た相 対的危 険回避度 の議論 を足 立 (1994)に 導入 して金 融 資産 の 蓄積 とい う観 点 か ら興 味深 い 議論 を展開 してい る.し か しなが ら,植 田 (2006) は,マ ク ロ動 学 モ デ ル ヘ の 展 開 が 十 分 で あ る とは言 い 難 い。これ に 対 して,Chiarella, Flaschel,and Semder(2001)等. で は,企 業 の負債 荷重 の 動態 は 考慮 され て い る ものの,. 金 融 資産 の 蓄積 とい う観 点 は殆 ど考慮 され ていない よ うに思 われ る。また,小 川 ・北坂 (1998)で は企 業 の負債荷重 は考慮 されてお らず ,Nakattti and Sko性 (2007)で は金 融的側 面は殆 ど考慮 され て い な い, 本稿 の 目的 は,Ucm働 (1987),植 田 (2006)等 の相対的危険回避度 の議論 を考慮 した簡 単 な寡 占経 済 (短期 )に お ける金 融不安定性 の マ ク ロ動学 モ デ ル を構 築 し,金 融資産 の 蓄 積 に よる経済 の 不安 定性 ,循 環 を検 討す る こ とにある。本稿 のモ デ ル は,所 得 ,負 債荷 重 に加 えて,金 融 資産 の 動態 が 考慮 され て い る と ころに特 徴 がある。本稿 の 主た る結論 は, 1)相 対的危 険回避度減少 でそ の程度 が 大 き い場合 には,経 済 が 不安 定 とな る,2)相 対的. Ⅲl サ ブプライ ム問題 に端 を発 した世. 界的な金融市場 の混乱 によ り, ウォール街 において も金融不安定性仮 い 説 は注 目されて る ( L a h 配( 2 0 0 7 ) ) ,.

(3) 危険 回避度 一 定, 或 い は減少 で もそ の程度 が小 さい場合 , 経 済 の循環 が生 じる, と い うこ とである. 本稿 の様 成 は, 以 下 の よ うな もので ある. ま ず , 第 2 節 では, 本稿 の 主た る特 徴 で あ る 金融 資産 を考慮 した利 子率 の決定 を論 じる. 第 3 節 では, 従来 の所得 , 負 債荷重 の動態 に 加 えて金 融資産 の動態 を定式 化 し, 第 2 節 の議論 を踏 まえた マ ク ロ動学 モ デ ル を構築 し て動 学体系 の安定性 , 循環 を論 じる。第 4 節 はま とめである.. 2 金 融資産 の蓄積 と利子率 の決定 第 2節 で は,金 融 資産 の 蓄積 と利 子 率 の決 定 に つ い て 検討 しよ う.利 子率 ,は , Rose(1969),二 宙 (2006),Ninottya(2007,b)等 に従 い,債 券市場 の均衡, どβ主 一(どX+魁 M)=―. (C+r̲y十. 肋″一〃S)=o. (1). で決定 され ると想定す る。ここで,どβ:債券 の超過需要,どXi財 の超過需要,ど〃:貨幣 の超 2, 過需要,C:消費,た投資,y:所 得,〃″:貨幣需要,MF:貨 幣供給,で ある・ 我 々 は寡 占経済 (短期)を 想定 してい るので,物 価水準 Pが マー クア ップ原理で決定 さ れ ると考えれば, P=(1+τ. )WN/y. (2). であ り,τ:マー クア ップ率,7:名 目賃金,「:雇用量,で ある。 (2)を 考慮すれ ば,実 質賃金 所得 怖 ,実 質利潤 正 は,それぞれ,. N=丁 y 却̲ げ 助= 挙 ア キ. 0. N = 丁 y = ρy (4) 幸ァ 挙 である。ここで,p:利 潤分配率,である。さらに,利潤の一定割合 βが資産家家計の所得 晩 ,残余の1‑βが企業の内部留保 yに なると想定すれば, 始 = βH t tρy β (5) = ( 1 ‑ β y=(1‑β y (6) )Π )ρ H=y一. である。 労働者家計はその所得 の全て, 資産家家計 はそ の一定割合を消費す ると仮定すれば, 労 働者家計の消費 働y , 資産 家家計の消費 c たは, それぞれ, 鈴 =(1‑ρ. )y. CR=C(ω)'比 R‐C(ω ρy ど >0 )β Ⅲ 2こ の よ うな定式化 につい ての詳細な議論は ,二 宮 (20rD6),NinoI斌 y玉2007.b)を 参照.. (7). (8).

(4) と定式化 され る, こ こで, α 金融資産であ り, その増加 によつて資産家家計の限界消費性 り, 消費関数 C は , 向 c は 増加す ると仮定す る。( 7 ) ( 8 ) よ. =ω ( 1 ̲ ρ) y t t ) Cβ C = C w + て 及= ( 1 ‑ ρ) y t t ) Cr (孫 ρ (yω. (9). と定式 化 され る。 金融 資産 ω の選択 は, U c t t d a ( 1 9 8 7 ) , 植 田 ( 2 0 0 6 ) 等に従 い,. 〃″=δ(ω 毛β,す )ズ )ω メ =ζ(ω y,β ,'))ω )(1‑ズ. (10) (11). ′)≧0 竹妻0 竹>0 初<O δ′ (ω )≦O ζ (ω. を仮定する. ここで, 〃″: 貨幣需要, ノ : 債券需要, 及 利子率, である, つまり, 資産家家計は, 所得 y , 負債荷重 β, 利子率 ' , 相対的危険回避度に依存 して貨幣及び債券を保有するとい ′=0,ζ′=0は 相対的危険回避 うことである。δ′>0,̀′<0は 相対的危険回避度減少,δ 3.相対的危険回避度減少のケースは,金融資産 ωが増加 度一定のケースを表 しているⅢ す るほ ど安全 資産 で ある貨幣 の保 有割合 は低 下 ,危 険資産 の保 有割合 が 増 加 す る とい う こ とを表 してい る. 次 に,貨 幣供給 関数 〃ざは,二 宮 (2007.a)等 に従 い, Stt μ 勉「 (y,β,す )〃 μ r>Oμ. 』<0的. >0. (12). 4, を仮 定す る.こ こで,μ:貨幣乗数 ,〃:ハイ パ ワー ド ・マ ネ ー ,で ある岸 投資関数 rは ,. r=r(Lβ ,サ ) 十/ o r / > o ぁ. <oん <0. (13). を仮定す る。ここで, β: 負債荷重, である。 ( 9 ) ( 1 0 ) ( 1 2 ) ( 1 3()1を ) に代入すれば, どβ= 一 [ ( 1 ‑ ρ) y t t r ( y , ω β, ′ ) 十F o 一y. (14). 一μ(Lβ 十δ(ω 毛β,')ω ,')ダ )ズ l=0. が得 られ る。そ して, ( 1 4 ) を和J 子率 J で解 けば, '王'(y,β , ω, ガ) 一 を 三. =φ 一 ち 十 δ協 あ rt,力. 確 一. =?謹. (15) 妻. °. あ. =. 0務 =. る. キ δ祈 ぁ ̲ μ f ガ. =わ. 妻. 0. <0. Ⅲ 3相対的危険回避度増加のケースはδ′ >0,̀′ <0で あるが,このケースは一般的ではない。 , 4 本 では 稿 , ハイパ ワー ドマネー ″ は一 定であると仮定す る..

(5) が 得 られ る。ここで,. ―ル″妻0 秘y = δ ttω. (16). 初コ=δ 抑ら 一掬 ″ >0. (17). で あ り,経 済 の金 融的側 面 を表 して い る。 ら の符 号 の符 号は ,る,″どに依存す る。す なわち, あ 十物 垂 0 ( 初」妻 │ あ│ ) →わ 妻 0 修. 号同順 ). (18). で ある。但 し, こ では ' β> 0 を 仮定す る。 ここで重要 なの は, ? ( 主 ' ω ) の 符号 である。( 1 7 ) を見れ ば 分 か るよ うに,. 】( ωルゆ 十δγ 0 → ? 妻 0 修 妻. 号同順). (19). ′王 である. も し, 相対的危険回避度一 定 ( δ 9 ) で あるな らば, 9 ( と' o ) > 0 と なる. つ ま り, 金融資産 ω の増加 は, 利子率 サを上昇 させ るとい うこ とである。しか しなが ら, 相対 ′ 的危険回避度減少 でその程度 が大きい場合, つ ま り, δ < 0 か つ そ の絶対値 が十分大 き くなれば ? ( = あ ) < 0 と なる。これは, 資産 ω の増加がよ り安全資産である貨幣 の保有 を減少 させ るので, 利子率 , が下落す る可能性があるとい うこ とを示 してい る.. 3 モ デル 第 3節 では,所得 y,負 債荷重 β,金融 資産 ω の動態 を定式 化 し,第 2節 の議論 も考慮 した マ ク ロ動学 モ デ ル を構 築 して ,金 融 の 不安定性 ,循 環 を検討 しよ う。まず ,所 得 yの 動 態 は, 才=α (Cttr̲y) α. >o. (20). と定式 化す る。ここで ,α:財市場 の調 整 パ ラメー タ,で ある.我 々 は寡 占経 済 (短期 )を 想 定 して い るの で ,財 市場 の 不均衡 は数 量で調整 され る と想定す る。こでは,カ ル ドア型 循 環 モ デ ル と同様 の 定式化である, 次 に,負 債荷重 どの動態 は,企 業 は内部留保 yを 全 て投資 し,残 余 を負債 の増 加 で フ ァ イナ ンスす る と想 定すれ ば, 3=r̲y=r(Lβ. ,F)十rO―(1‑β )ρy. (21). と定式 化 され る。 最後 に,資 産家 家 計 の貯 蓄 が金 融 資産 と して 蓄積 され る と想 定すれ ば,金 融 資産 ω の 動態 は,. 十. め= ( 1 ‑ c ( ω ρy ))β. (22).

(6) と定式化 され る。 (20)(21)(22)に ( 1 5 ) を考慮すれ ば, 負 債荷 重 β, 金 融資産 ω の動態 を考慮 した動 学体. 系(め, ば は (最. ,1) 2) 3). よ. 夢. コ. 晰勧. (23) l l ρ. 一印. ル 働 一. 働 < 中 ・. α 抑角. α lヽ 十 r よ 一 一 一 r ﹂ ヤ 一 一 一. α ろ 一 一 革. 九 ゑ. 十 角 > 角 ρ. α 一 十. 九. 咽解抑. 備れめ0 ︒郊控M る. カ. 帥鞠 た. ン=α[(1‑ρ rO一yl pyttr(y,β ,'(y,β ,ω ,力 )y ttC(ω )β ))十 '=r(y,ど,'(y,β rO一[(1‑β y] ,ω ,ヵ ))十 )ρ め軍( 1 ‑ C )( )ω y ρ β. であ り, そ の 特性 方程式 は, 九3 + α l ぇ2 + α2 允十α3 = 0. (24). である。ここで,. αl=―/11‑/22 ぬ 3 五一α y) ち,一(1‑C(ω )β )ρ lr/十 l一ん2 ( どβρ α 2=/11め2 /12/21+/11ぬ 3 ぬ3/31+め 2ぬ3. (25) (26). 一 =α '玲 ,十 一 1 ‑)C)β (1β ω ( 1 ‑)lβ ρ / 2め 22 tα l r y。 +一(み. C′ 十α[//十 るひ (1‑C(ω)β βρy) )ρ l(一 一α(C′ βρy十ん?)(1‑C)βρ十ゑ2( C′ βρy) α 3ま 一冴αy=― (九1/22 /21/12)/33+(九 2/23 九3め2)ゑ1 =一 α(1‑C(ω))β ρ/221[C′ βρ/1‑αC′ βρめ21(1 C)β ρ>0. (27). である。 まず,我々はどが十分小さい場合,つまり,金融資産 ωの増加により消費 Cが 増加し な い場 合 を検討 しよ う。この場合 ,. 一 α a=一 ん 2 0‑律 ゑ く りβ 卜十 刈― α 2= α (メ ど 2+ん?)(1‑C)β ρ妻0. 像. め (29).

(7) である. この とき, 以下の命題 1 , 2 が得 られる. 命題 ユ】 【 一α つ め2 + ち? < 0 な れ ― t r y 十 ψ ( 1 ‑ C β) ρ l ―/ 2 2 > 0 か に安定 となる。. らば, 動学イ 本系 ( D は 局所的. (証明). 一α る。 らば 免 > 0 で : あ 2 + 4 ? < 0 な らば α2 > 0 洗 ― メと t r y 十φ ( 1 ‑ C β) p l 一/ 2 2 > 0 な である。α3>0で あり,rjrが 十分小さいならば α3も 十分小さいので,α lα 2 α3>0で あ Hurwitzの条件が満たされている。Q.E.D, る。故 に,この場合,Rollth― 命題 2】 【. 一α たはめ2 + る? > 0 な らば, 動学体系( めは局所 る0 ‑ ( 1 ‑ C β )ρ [//十 l ―め2 < 0 ま 的 に不安定 となる。 (証明). 一 ,ず a 2<0と α ら ば負<0、 贅 ら な れ /22<0な / 22+み ,一 ?>0ブ (1‑Cβ )ρ l一 try十 H urwitzの条件 は満 たされない。 り ,Routh―. Q.E.D.. 命題 1 , 2 を 経済学的 に解釈 しよ う。/ 2 2 + み? < 0 と. なるの は, ? ( = ' o ) > 0 か , 戎い は. あるとしてもその絶対値 が十分小 さい場合 である, つ ま り, 命題 1 は , 相対的危 険回避度 一定か, 相対的危険回避度減少 であつてもその程度 が小 さい場合には, 動学体系 ?<0で. (ざ ) は 安定 となることを示 している. 逆に, / 2 2 + ん? > 0 と. なるのは, ? ( = j o ) < 0 か つそ の絶対値 が十分大きい場合である。. つ ま り, 命題 2 は , 相対的危険回避度減少でそ の程度 が大 きい場合に動学体系 ( めは不安 定 となるとい うことを示 してい る. こ の不安定化 の メカニズムは, 次 の よ うなものであ る。ここで, 経済が好況局面にあるとしよ う。この とき, 所得 y は 増加す るが, 同時に金融 資産 ω も増加す る。相対的危険回避度減少 でその程度 が大 きい場合, 金融資産 ω の増加 によ り利 子率 ' が下落す る。そ の結果, 投資 r が 促進 され, 所得 / は さらに増加す るとい 5. うこ とであるネ ここで, 以下の仮定を置 く, ( 仮定 1 ). ry十 >0 みφ一( 1 ‑ C )( β ω )ρ. Ⅲ 5こ れは ,αl>0の 場合にも起 こりうる経済の不安定性である。初y<0か つその絶対値 が大 きい場合, ゆ(=すy)<0と なる。このよ うな効果が大きい場合,ol<0と なり動学体系 (Dほ 不安定となる可能性が ある。このような金融的要因による経済の不安定化メカニズムについては,二宮 (2006)を参照..

(8) ( 仮定 2 ) ん2 + る ? < 0 →. α2 > 0. 仮定 1 は , カル ドア型 循環 モデル特有の仮定 であるが, 均衡点 にお いて利子率を通 じた. 闘接的な効果を含む限界投資性向(ry十 みφ)が限界貯蓄性向((1‑c(ω )を上回ると )β )ρ い うこ とを意 味 してい る.仮 定 2は ,上 述 した よ うに相 対的危険回避度 が 一 定,或 い は, 減少 の場合 で もそ の程度 が小 さい場合 に満 た され る。この仮定 1,仮定 2が 満 た され る場 合 ,以 下 の命題 3が 得 られ る.. 命題 3】 【 仮定 1,仮定 2が 満 た され るとす る。この とき,α を分岐 パ ラメー ター に選べ ば,α=的 で Hopf分 岐 が発生 し,的 の近傍 の α のある範囲 において動学体系 (ざ )の 非定常的な周 期解 が存在す る, (証明)Appendix参. 照,. 命題 3は ,負債荷重 β,金融資産 ω の動態を含む金融的な経済の循環を表 してい る。そ の循環 の メカニズムは,次 のよ うなものである。ここで,経 済 は所得 yが 上昇す る好況局 面にある と想定 しよ う。この とき,企 業 の負債荷重 』は増加す るが,同 時 に金 融資産 ω も増加す る。負債荷重 βの増加は直接的 に,ま た,利 子率 'の 上昇を通 じて間接的 に投資 rを 抑制す る。金融資産 ω の増加 も利子率 Jを 上昇 させ るか,或 いは下落 させ るとしても そ の程度は大 きくない。従 つて,負 債荷重 βの増加 による投資 rの 抑制効果 の方が上回 り,所得 rは 下落に転 じるとい うことである。. 胡胡. 次に,ど が大 きい場合,つ ま り,金融資産 ω の増加 によつて資産家家計の限界消費性 向. 十. C. ル. β 一. れ い 一. 抑. 一. 降 ⁚α. 一. α. の. 市 〆 十 伊. ︲ ρ. > β 一. l. 一. 抑. ︐ 呼 コ ︶ 一 エ. 身 t lα. 一. α. 一 一. 約牢. が上昇す る場合 を検討 しよ う。この場合,(25)(26)(27)を整理すれば,. である, 故に, ど が十分大きい場合, 一αt r y 十 るゆ―( 1 ‑ β) p l 一め2 > 0 な らば, 動学体系 ( 働は 不安定 となる。つ ま り, 金融資産 の増加が消費を促進す るとい う効果 が十分大きくなれ ば, 命題 2 で 示 した金融的要因 に関 わ らず動学体系 ( S ) は不安定 となるとい うことで あ る. 勿論, この符号は, ゅ( = 力 ) に 依存 してい るので, ひ< 0 か つその絶対値 が大きい場合, 動学体系 ( めは不安定 となる。これは, 金融的要因 による経済 の不安定性である。しか し な が ら , ど が 十 分 に 小 さ い 場 合 に お い て も , 一 αt r y 十れ, 一 ( 1 ‑ C β ) ρl 一 ゑ 2 > 0 な. らば 動. 学体系 ( 働は不安定 となる. 言い換 えれば, 金融資産 の増加が消費 を促進す るとい う効果.

(9) は, 動学体系 ( めの安定性 にとつてはさほど重要な要素であるとは言 えない とい うこと 6 である。Ⅲ. 4 お わ りに 本稿では,Uchida(1987),植 田 (2006)等の相対的危険回速度 の議論 を考慮 した簡 単な 寡 占経済 (短期)に おける金融不安定性 のマ クロ動学 モデル を構 築 し,金融資産 の蓄積 に よる経済 の不安定性 ,循環 を検討 した。本稿 のモデルの特徴は,所得、負債荷重に加 えて, 金融資産 の動態 が考慮 されてい るところにある。これまでの金融不安定性 のマ ク ロ動学 モデル では,企業 の負債荷重は重視 されてい るものの,金融資産 の蓄積 とい う観点は殆 ど 考慮 されてい ない よ うに思 われる。 本稿 で得 られた結論 は,め 相対的危険回避度減少 でその程度 が大 きい場合,動 学体系 一 (〕 は不安定 とな る,2)相 対的危険回避度 定,或 い は減少で もそ の程度 が小 さい場合 , 動学体系 (Dに 非定常的な周期解 が存在す る,とい うものである。後者 は,金融 資産 の動 態 を含 む金融的な経 済 の循環 を示 してい る。景気 の 上昇は金 融資産 を増加 させ るが,そ の増加 が利子率 をあま り減少 させ ない,そ の結果,負債荷重の増加 による投資 の抑制効 果 の方が上回 り,所得 は減少に転 じるとい うことで ある。しか しなが ら,相対的危険回避 度減少 でそ の程度 が大 きい場合,金融資産 の増加 によつて利子率は大き く減少す る,利 子率 の下落は投資を促進 し,そ れは負債荷重 の増加 による投資 の抑制効果 を上回 る.そ の結果 ,経済 はさらに過熱す るとい うことで ある. 最後 に今後 の検討課題 を述 べ る。まず,金融政策 の効果 の検討 である。相対的危険回避 度 を考慮 した場合 の金融政策 の有効性 の検討 は,既 に植 田 (2006)でも検討 されてい る。 しか しなが ら,植 田 (2006)は比較静学 モデル による検討である。利子率 目標 とした金融 政策は,相対的危険回避度減少 でその程度が大きい場合 の金融 の不安定性 を抑制す る効 果 があると推祭 され る。また,本稿 のモデル では,資産 の担保 としての役割 が考慮 されて い ない.さ らに,グ ローバ リゼー シ ョンが進展 じ国際的 な金融危機 が頻発 している中で, 開放体系へ の拡張は必要不可欠 であろ う。以上の諸点 は今後の検討課題 としたい。 Appendix】 命題 3の 証明 【 l正 一/22>0で ある。仮定 2よ り,α (28)よ り,α が十分小 さい場合 (α→ 0),α 2>0で Ⅲ6. 一め21 A喜 一αlry十 比φ―(1‑β)ρ 。̲(1̲ごβ)ρ 〕 l一ゑ2 [ α lry+る =一α(1‑Clβ ρ<0.

(10) が十分小 さい な らば, α り, c ′ ある。( 2 7 ) よ 3 も 十分小 さくなる。故 に, αが十分小 さいな らば, α 2 α3 > 0 と なる中また, lα. 2+… ω) β 十んφ―( 1 ‑ 式 角α 2 α 3 主一[ ル ρα ルi t / 2 2 + (珂1 O β 2の であ り, 仮定 1 , 仮定 2 よ り, α lα 2 α3 の α 係数は負である. 故に, αが十分大きくな れば, α l の一α3 < 0 と なる。. αlα 2 α3は αの滑らかな連続関数だから,αlα 2 α3=0か つ ∂ (α lα 2 α3)/∂ 一 αlα =鈍≠0となるようなαの値,的 が少なくとも つ存在する. 2+α2先+α3=0が 組 の純虚根土妨 ('=炉 、た 0) 3変数の特性方程式,几3+αlぇ ≠ を持つための必要十分条件は,α 2>0,及 びαlα 2 α3=0が 同時に成立することである。 この時,特性根は具体的に,九二一αl,± 故に,Hopfの分岐定理の条件 7筋2'と表される。 の 一 つ は, α2 > 0 , α l α 2 α3 = 0 が. 同時 に成 立す る こと と同値 である。そ して, 動 学体 系. ,α=的 で一組の純虚根え 1=y石 ,,れ=̲yttJを持つ. (ざ )の特性方程式(24)は Orlandoの 公 式 よ り, αlα 2 α 3= (え 1+れ )(れ 十 れ )(れ 十 九1)五 ‑2んlυ嗜 +2ん 1名 十 イ 十 ん2). で あ る。こ こ で ,ん1は 複 素 根 几 の 実 部 ,乃2は 虚 部 の 絶 対 値 で あ る。こ れ を α で 微 分 す れ. ば. ,. 砕. a = ‑ 2 t 粋 ば 十娩 十イ十ん 生 埜 土 盈 土 ユ 埜 二 重 埜 勧十れ! 玉 導 名 戸 々 ☆ 斜 1. となる.これに,ん 1=0,乃2=乃 を代入すれば, 砕. 句 締. ほ= 鈍. = 一 勢碑音十九幼 ‖苦伊ほ= 胡. が得 られる。故に,. 砕密 のほ 0な ば諮ほ ら ≠ =が0 =的. である.よつて,α=的 で HOpf分 岐が発生するための全ての条件が全て満たされてい る。 Q.EoD.. 参考文献 マクロ動学の理論』有斐閣. [ 1 1 足立英之 ( 1 9 9 4 ) 『 ' I n n a t i o n T a F g e t a g cP o Kl ei yc ny e sh i aa n D My on d施e l [ 2 ] A s a d( a2 ,0 ■ 0 6 ) ず Debt Accxlmulttiont A Japanese perspectivef'飢 arella,C.,RFlaschel,R.Franke. w i t h.

(11) and恥. え Semmler(edS,),0ル. を α々ガ筋 rか 夕 秘 が あ 切 Tttα ″ム れα秒 ざな げ 拘 れ″ れ 夕αrつ y,切 ″ た. Mac】り秘θ姥な,Elsevie■ lSignincance Of the Keynettan Legacy from a Theoretictt Viewh [31 Asada,T.(2007)ず and■. point A Htth Dimensional MacrodynaEltt Approach,Asada,■. Ishikawa. 娩 θれθ確施 Sttnger― Verlag. (edS.),研 秘θ解 ガ静 αCC li角. 'Output,dle Stock Market and lnterest Rateダ ム解 ガ餌乃だoθ― [4]BlallChard,0.J,(1981)ず 乃θ′ 〃71,pp.132‑143. 初CRの 'ル ' [5]Bernanke,B.S.and A.S.Blinder(1988),"Credit,Money and Aggregate Demandず A″ ガc船 ガご θれθれたRaガタ〃78,pp.435‑439, 'Agency Costs,Collateral and Budttess Fluc的 16]Bemanke,BoS.and M.GeFder(1989)ず れ』cοれθ〃ガcRの イ ationsr'A初タガcα タ″79,pp.14‑31. 'lme Fhttcial Accelerater tt a [71 Berllanke,BoS.,M.Gerder and S.GilcMst(1999)ず Qtantitatve Business Framworkず. '協. 湾冴みθθた 2メ 財 aC″ CCθれθ″デ岱 vol,1,pp.1341‑. 1393. l a S C h e l , a n d W S e m M t t r ( 2'0T0h1e) デM a c r o d y n a m i c s o f D e b t D e n a ― cF。 [ 8 1 軌 a r e l l a,,ユ B e l 1 0 n o r e , R . a n d R角 Fαれ eCt'′ tα S競 .αれ ) ,I 用 FKreadg伊 s″筋れで r れ C 響‐ t O n'ず ガ t t eを J r aな″ ′旅 θれθり f 駒 夕盈 θれ切 , c と a r d 錯 αリ ゲ 抑 閉 力筋 招的 , V O l . 2 ,w 配. E l g 拡. 27. 金融経済研究』第 9号 ,pp.10‐ 金融政策 とクレジ ッ ト・ビュー」『 [9]古川 顕 (1995)「 'In Tirne of Tumult Obscllre Econo皿 10]Lahart,J.(2007)ず St Gains Curency戸 7挽 θW筋 こ Sr脅 夕″挽拘筋触〃 oれ あ れを,http財 /online.w弱 ,COm/publicれ. s,. み'佐'れ θ″y,Yale University Press,(吉 野・ 111]M血 的 ,H.R(1986),Srα g伊 材 υ施勉み姥どcoれ 浅田 ・内田訳 『金融不安定性 の経済学』多賀出版 ,1989.) [12]Nakatad,■ and nSkott,(2007),''Japanese Growth and Stagnation:A Keynesian Per― '説 spectveず 物 C 筋 陶 ″C 物 免g c α″冴 届θθれθれ , c , y ″ αれ ' C S 1 8 , p p . 3 0 6 ‑ 3 3 2 .. 金融恐慌 のマクロ経済学』中央経済社, [ 1 3 ] 二営健史郎 ( 2 0 0 6 ) 『 「 金融 寡占経済における金融の不安定性、循環 と所得分配」『 [ 1 4 ] 二宮健史郎 ( 2 0 0 7 . つ 12‐ 24. 経済研究』第 24巻 ,pp。 'Open Economy nnancを出InStability!"比 材駒α″げ ″ れを貫 し解αれ [15]Ninomiya,K。(2007,b)ず どcθ れθ々メ8(2),pp.329,355. 小川一夫 ・北坂真一 (1998)『 資産市場 と景気変動 :現代 日本経済の実証分析』日本 [16〕 . 経済新PH3社 [17]Rose,H.(1969),"Real and Monetary Factors tt the Business Cycleず. 'ブ b 秘α″Qガ. 舟″θれqル こンセ冴r artt β αれたれgl,pp.138‑152.. 金融不安定性の経済分析』晃洋書房. [181植田宏文 (2006)『 'Risk Avertton and the Minsky's '駒 Cttsis Modelデ た ″ 冴 あ'返 移θ れ'c "θ [19]UChida K.(1987)「 10.

(12) 免?夕 符 17,pp,35‑38..

(13)

参照

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