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昭和医学会雑誌 第75巻 第2号 2015年 掲載予定

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Academic year: 2021

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論文内容要旨  

一過性仝健忘の病態機序一12例の画像所見からの検討−  

昭和医学会雑誌 第75巻 第2号 2015年 掲載予定  

昭和大学大学院医学研究科   内科系内科学神経内科学分野専攻 水間啓太  

【目的】一過性全健忘(Transient GlobalAmnesia:TGA)は急性発症の前   向性健忘と逆向性健忘を主徴とし,見当識や自己認識は比較的保たれる疾   患である.発作中は質問を繰り返し,記憶障害は一過性で多くは24時間   以内に消失する.また∴随伴する神経学的徴侯は認めないことが特徴であ  

る.近年,TGA症例は発症から時間おいて撮像した頭部MRI拡散強調画像   にて,海馬CAl領域の異常を呈することが報告されているが,発症機序は   不明である,今回我々はTGA患者12症例の画像所見を検討し,病態につ   いて考察した.  

【方法】2009年1月から2014年7月までに昭和大学病院及び関連病院に   TGAの診断で入院した患者を対象とした.Hodgesらの診断基準に基づいて   外傷やてんかんによる健忘発作を除外し,TGAと診断した症例のうち頭部   MRIを撮像しえた症例で検討を行った.頭部脈Ⅰ拡散強調画像は発症から   撮像までの経過時間(発症から24時間未満,24時間以上72時間未満,  

72時間以降)ごとに分類し,病変の有無や所見の経時的な変化を検討し  

た.  

【結果】TGAの診断で入院した33症例のうち頭部MRIでの検討を行えた   12例について検討した.頭部MRI拡散強調画像で海馬CAl領域の高信号   域を発症から24時間未満に撮像した8例のうち1例(左側病変),発症   24時間以上72時間未満に撮像した10例のうち8例(左側病変3例,右   側病変2例,両側病変3例),72時間以降に裸像した9例のうち1例(右   側病変)で認めた.経時的に2回以上頭部MRIを撮像しえた7例では全例   で72時間以降に病変の消失を認めた.また,頭部肥Ⅰ拡散強調画像で高   信号を認めた全例で,ADC値は低下していた.病変側の相違による臨床症   状の違いはみられなかった.  

【結論】TGAを診断するための頭部MRI検査は発症から24時間以上72時  

間未満での評価が特に検出頻度が高い.遅れて病変が描出されることや頭  

部MRI拡散強調画像ADCmapで低信号となることから,TGAの病態につい   

(2)

て局所の細胞障害性浮腫が病態に関与している可能性がある.そして,画  

像所見の経時的な変化より皮質拡延性抑制(CorticalSpreading  

Depression:CSD)の関与が示唆された.CSDは両側海馬周辺に波及し,解  

剖学的に脆弱な海馬CAl領域に遅発性に異常として捉えられると考えら  

れた.TGAの病変側の相違による臨床症状に違いはなく,海馬CAl領域の  

病変は点状で微小であるため,MRIでは片側でしか捉えられていない可能  

性がある.   

参照

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