論文内容要旨
一過性仝健忘の病態機序一12例の画像所見からの検討−
昭和医学会雑誌 第75巻 第2号 2015年 掲載予定
昭和大学大学院医学研究科 内科系内科学神経内科学分野専攻 水間啓太
【目的】一過性全健忘(Transient GlobalAmnesia:TGA)は急性発症の前 向性健忘と逆向性健忘を主徴とし,見当識や自己認識は比較的保たれる疾 患である.発作中は質問を繰り返し,記憶障害は一過性で多くは24時間 以内に消失する.また∴随伴する神経学的徴侯は認めないことが特徴であ
る.近年,TGA症例は発症から時間おいて撮像した頭部MRI拡散強調画像 にて,海馬CAl領域の異常を呈することが報告されているが,発症機序は 不明である,今回我々はTGA患者12症例の画像所見を検討し,病態につ いて考察した.
【方法】2009年1月から2014年7月までに昭和大学病院及び関連病院に TGAの診断で入院した患者を対象とした.Hodgesらの診断基準に基づいて 外傷やてんかんによる健忘発作を除外し,TGAと診断した症例のうち頭部 MRIを撮像しえた症例で検討を行った.頭部脈Ⅰ拡散強調画像は発症から 撮像までの経過時間(発症から24時間未満,24時間以上72時間未満,
72時間以降)ごとに分類し,病変の有無や所見の経時的な変化を検討し
た.