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論文内容要旨 論文題名

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Academic year: 2021

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論文内容要旨

論文題名

Application of an intraoral scanner to make mucosal impressions

(粘膜の印象採得における口腔内スキャナーの応用)

掲載雑誌名

Clinical Oral Investigations(投稿中)

歯科補綴学 中澤 飛鳥

内容要旨

(両端揃え)

目的

口腔内スキャナー(Intra Oral Scanner,以下IOS)の普及により,補綴 治療のワークフローは大きく変化した.可撤性有床義歯についてデジタ ル印象法で可撤性有床義歯を製作した報告があるが,採得された印象の 形態について検証を行った報告は少なく,特に,床縁形態を設定するた めの辺縁形成について検証した報告はない.本研究では,欠損部顎堤に おけるデジタル印象法の有効性を検証することを目的として,健常有歯 顎者の臼歯部頬側軟組織を対象として,従来法およびデジタル印象法に よる辺縁形成で得られた三次元形態データを比較検討した.

方法

被験者9名に対し,下顎右側第一小臼歯近心から下顎右側第二大臼歯遠心 までの歯冠および頬側軟組織を対象として,従来法およびデジタル印象 法で辺縁形成を行った.従来法では,通法に従って製作した作業用模型 から非接触式三次元スキャナー(D810, 3Shape)でStereolithography

(STL)データを取得した.デジタル印象法では,辺縁形成様の粘膜牽引 操作を行いながら対象部位をIOS(TRIOS3,3Shape)でスキャンしSTLデ ータを取得した.これらを術者2名で,印象法ごとに5回繰り返し,STL データを採得した.得られたSTLデータについて,各対象歯の歯頚線から 歯肉頬移行部最深点までの距離と,頬側軟組織の面積を3D測定ソフトウ ェア(PolyWorks, InnovMetric Software)を用いて測定した.距離の評 価については,各術者,印象法について級内相関係数ICC(1, 5)を算出 した.また,印象方法・術者・部位を因子として多変量分散分析で統計

解析後, Tukeyの多重比較検定を行った.面積の評価については,印象方

(2)

法・術者を因子として二元配置分散分析で統計解析後, Tukeyの多重比較 検定を行った.なお,すべての統計解析において有意水準は5%とした.

結果と結論

歯頚線から歯肉頬移行部最深点までの距離の級内相関係数ICC (1, 5)は,

術者や印象法によらず83±5.5%から92±4.3%であり,高い値を示した.

また,距離について多変量分散分析を行った結果,印象方法(F=54.58,

p<0.01)と部位(F=138.37,p<0.01)について統計的な有意差を認めた が,術者については統計的な有意差を認めなかった(F=0.061, p=0.80).

また, Tukeyの多重比較検定では,従来法はデジタル印象法より有意に小

さい値を示し,下顎右側第二小臼歯は他部位と比較し有意に大きい値を 示した.面積の評価については,印象方法(F=6.57, p=0.013)について,

統計的な有意差を認めたが,術者については統計的な有意差は認めなか った(F=1.37,p=0.25).

本研究の結果より, IOSを使用したデジタル印象法を臼歯部頬側軟組

織の印象に適用可能で,デジタル印象法は従来法に匹敵する精度を有す

る可能性が示唆された.しかしながら,デジタル印象法でスキャンした

三次元形態データから抽出された歯肉頬移行部最深点は,従来法により

も深くなることが示唆された.そのため, IOSでスキャンした三次元形態

データを用いて可撤性有床義歯を製作する際には,義歯床縁設定位置に

留意する必要があることが示唆された.

参照

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