論文内容要旨
論文題名
Three-dimensional analysis of tooth movements including root using intraoral scanner and Cone Beam Computed Tomography
(口腔内スキャナーと CBCT を使った歯根を含めた歯の三次元的移動様態 解析)
掲載雑誌名
International Journal of Computerized Dentistry(投稿中)
歯科矯正学 佐久間 優弥
内容要旨
【目的】矯正治療の主要な目的は不正咬合の状態から、審美的、機能的そ して歯周組織も含めて安定した咬合に歯冠及び歯根を排列することであ る。しかしながら、矯正医は歯冠の移動のみを重視してしまう。そこで本 研究の目的は、治療開始前の Cone Beam Computed Tomography(CBCT) scan と治療中の intraoral Scanner による口腔内撮影データを用いて、歯が歯 根を含めてどのような移動を示すかを検討することである。
【方法】治療開始前の CBCT 撮影し、犬歯遠心移動中の歯列状態を TRIOS pod(3shape,Copenhagen,Denmark) にて記録した。治療開始前の CBCT デー タより犬歯だけを抽出し、intraoral scanner で撮影した歯列データに重 ねあわせを行った。こうして得られた crown-root fused model を犬歯遠 心移動前後で重ねあわせ、歯冠と歯根の動きを三次元計測し、移動様態を 観察した。
【結果】歯根の移動様態は歯冠からは予想できない複雑な移動様態を示し ていた。歯根長と犬歯の遠心移動時の歯冠に対する歯根の移動量には相関 が見られた r=0.87(p<0.05)。それに対して、本研究では、頬舌的な移動 には規則性は認められなかった。
【結論】歯根は歯槽骨内で歯冠から推測できないような移動様態を示して いると考えられる。そのため、歯周組織の健康及び矯正治療の成功を達成 するには、実際に歯根の移動様態をモニターしながら矯正治療を進めてい く必要があることが示唆された。