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2016 年 年報巻頭言
白梅学園大学・短期大学 教育・福祉研究センター研究年報 No.21 1(2016)
教育・福祉研究センターの年報も、号数を重ねて 21 号となった。この間の白梅の教育や福祉に関する取 り組みの成果をあらわす証人と言えるものだろう。この 20 年強の間、私たちの教育や福祉に関する取り組 みはどうだったのだろうか。ともすれば目の前の課題に追われるばかりということも多かったのではないだ ろうか。少子高齢社会という前例のない時代にあって、これまでの常識では対応できない課題がいたるとこ ろであらわれている。
介護保険ひとつを取っても、サービスの提供に必要とされる財源を十分に確保することができず、サービ ス内容の切り下げといった事態も起きている。また、教育の場を作る学校の教師は、多忙さのゆえか、健康 をそこねる人が非常に多い職種となっている。問題を解決しようとするときに、その問題に対応するための 仕事や書類は増えるばかりで、仕事内容の精査・統合が追いついていないように思える。個別の問題に対し て真面目に取り組んでいても、総体としては無理な仕組みを作ってしまっているのではないだろうか。
問題に対する多様な視点を提供しつつ、解決の糸口を大胆に示していくことが求められている。現在の社 会の中心世代は、若い頃に受けた教育が「詰め込み教育」と言われるものだった。既成の答えを短時間に大 量にこなす力が求められていた。しかし、現実の問題を解決する力にはなっていないように見える。新しい 切り口が切実に求められている。研究センターの研究交流を通して、新しい学力観が確立され、誰もが希望 をもって生きる社会を作り上げる一歩を踏み出すことができればと願う。
白梅学園大学・短期大学 教育・福祉研究センター長 多喜乃 亮介