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博 士 ( 工 学 ) 楮 松 竹 学位論文題名 Local Deposition of Ni-P and Cu on Aluminum by Anodizing,Laser Irradiation,and Electroless Plating

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Academic year: 2021

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博 士 ( 工 学 ) 楮    松 竹

     学位論文題名

    Local Deposition of Ni‑P and Cu on Aluminum by Anodizing , Laser Irradiation ,and Electroless Plating

( ア ノ ー ド 酸 化 / レ ー ザ ー 照 射 / 無 電 解 め っ き に よ る Al上 へ のNiー PとCuの 局 部 析 出 に 関 す る 研 究 )

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

  近年、工レクトロニク ス製品、あるいは機械製品の軽少短薄化が進行し、それらに用い るプリント配線基板など のデバイスもその小型化が強く望まれている。これらデバイス製造 における先端技術の中で 、金属の局部めっきの手法が、要素技術のーっとして数多く用いら れている。この目的のた め最近では、LIGAと呼ばれる光リソグラフイーおよび局部めっき の技術が利用されている が、この手法は、複雑で数多くののブ口セスを含み、有機レジスト の薬品によるダメージな どの問題を有している。また、最近開発されたレーザ一加速めっき の技術は、めっきパター ンの厚膜化などに難点がある。

  本研究は、上記の方法 とは異なる方法でアルミニウム上ヘ金属パターンを描く方法を提 案したものである。すな わち、アルミニウムをアノード酸化して表面にアノード酸化皮膜を 形成したのち、金属イオ ンを含む溶液中に浸漬してレーザーを照射すると、照射部のアノー ド酸化皮膜が除去され、 その後無電解めっきを施すことにより局部的な金属析出が可能にな る。本研究の特徴は、ア ルミニウムアノード酸化皮膜が¨型 として作用するともに、レー ザ一照射のさいに析出す る金属微粒子が無電解めっきのさいに金属の析出 核 として作用 することである。すなわ ち、この方法によルジンケート処理などの中間処理を施すことなく きわめて簡便なプロセス により、アルミニウム上に任意の金属パ夕一ンを描くことができ、

本研究の成果は新しい表 面処理基盤技術として利用されることが期待される。本研究は六章 からなっている。

  第一章は序論であり、 従来の金属パ夕一ンの形成法の概略を述べるとともに、本研究の 着想および目的にっいて 述べている。

  第二章においては、ア ノード酸化、レーザー照射および無電解めっきの連続プ口セスに よ りNi一Pを局 部的に析出させる ためのめっき条件を検討している。まず、アルミニウム 上に多孔質アノード酸化 皮膜を形成したのち、熱水封孔処理を施し、これをNj2十/H2P02― イ オン を含 む溶 液中 に浸 漬し てNd一YAGパル スレ ーザ 一二 次高 調波 を照射することによ り、アノード酸化皮膜を 破壊・除去した。その後、Nj2+/ HzP〇2−イオンを合む溶液中で、

温度および溶液中のPb2イオン濃度を種々変化させて 無電解めっきを行い、その最適条件に

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(2)

ついて検討し て次のことを明らかにした。Ni−Pの析出速度は、温度とともに増大するが、

Pb2+イ オン 濃度 の増 大と と もに 減少 する 。Pb2+イオン濃度が低い場合には、 レーザ一照 射 部の みな らず 、レーザー照射部周辺のアノード 酸化皮膜上にNi一Pが析出す るが、高濃 度になると、 レーザー照射部の一部のみに析出するようになる。すなわち、Ni―Pがレーザ ー 照射 部全 体に 均・ 一に 析 出す る条 件と しては、温度85〜95℃、Pb2+濃度0.5〜1.5 ppm が 妥当 であ るこ とを明らかにするとともに、Pb2+イオンは、NiーPめっき層表 面の凹凸を 低 減 し 、 層 中 の P濃 度 を 若 干 減 少 さ せ る 作 用 を 有 す る こ と を 見 出 し た 。   第三 章に おい ては、レーザー照射のさいの金属 微粒子の析出挙動および無電解Ni一Pめ っきのさいの析出金属微粒子の触媒作用にっいて述べている。すなわち、Ni2+,Ni2+/ H2P02→ Pd2+お よびCu2+溶液 中に ア ノー ド酸 化試 料を保持し、レーザー照射のさいの 試料の浸漬 電 位変 化を 観察 するとともに、X線光電子分光分析、EPMA、透過電子顕微鏡観 察および質 量分析を行っ て次のことを明らかにした。いずれの溶液中においてもNi,Ni―P,Pdおよび Cu微粒 子が それ ぞれ 析出 し 、そ れら の大 きさ は3〜5 nmであ る。 レーザ一照 射のさいに 析 出し たNi,Ni−Pお よびPdは 無電 解Ni−Pめっきのさい触媒核として作用す るが、Cuは 触 媒核 とし ての 作用を有しない。Ni,Ni−PおよびPdのうち、Pdがもっとも強 い触媒作用 を 示す が、 レー ザー照射部の周辺部分にもNiーPの析出を引き起こす。また、Ni粒子の触 媒 作用 は弱 く、 レーザー照射部の一部のみにNi―Pの析出を引き起こす。すな わち、レー ザ ー照 射部 全体 にNi―Pを均一に析出させるためには、Ni2+/ H2P〇2ー溶液中 でレーザー 照射をすることが最も適当であることを見出した。

  第四章にお いては、アノード酸化、レーザー照射および無電解めっ きの連続プ口セスに よ り、 レー ザー 照射 部の み にCuを析 出さ せる方法について述べており、次の ことを明ら か にし た。 レー ザー 照射 の さい に析 出す る金属微粒子は、無電解Cuめっきの ごく初期に おいてのみ触 媒核として作用し、金属微粒子をさせなくても、ある誘導期間を経たの皮膜除 去 部にCuの 析出 がお こる 。 無電 解め っき の溶 液にPb2十 イオ ンあ るいはチオ 尿素を添加 剤 とし て加 える と、 析出Cu層は 緻密 とな り、 表面 の凹 凸が 減少 する 。また、H2P02−イ オ ン を 還 元 剤と して 用い る無 電解Cuめっ きに おけ るNi2+イ オン の作 用機 構に つい て実 験データーをもとに議論している。

  第五 章に おい ては、二および三章で述ぺたNi−Pの局部無電解めっき法を各 種のアルミ ニウム合金に 適用するとともにレーザ照射のさいの温度の効果について検討し、次のことを 明らかにした 。高純度Al,市販純A1,Al一Mg,Al一Cu,Al一Si合金いずれにおいても、局部 Ni−Pめ っき が可能で あり、合金試料上のメッキ速度は、高純度Al上のそれに 比べて大き い。後者の理 由として、試料表面に露出した合金元素が、無電解めっきのさい触媒核として 作用するため と推測した。また、レーザー照射のさいの溶液の温度を高くすると、析出金属 微 粒 子 の 量 は 増 大 し 、 無 電 解 メ ッ キ 速 度 を 増 加 さ せ る こ と を 見 出 し た 。   第六章は結論である。

  以上、本論 文においては、アノード酸化、レーザー照射および無電 解めっきの連続プ口 セ スに より 、ア ルミ ニウ ム およ びそ の合 金上 にNi一Pお よびCuを 局部的に析 出させる方 法 を 開 発 し 、 こ の 方 法 の 工 業 的 応 用 の 可 能 性 に っ い て も 言 及 し て い る 。

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学 位 論 文 審 査 の 要旨

     学位論文題名

    Local Deposition of Ni‑P and Cu on Aluminum by Anodizing ,Laser Irradiation ,and Electroless Plating

( ア ノ ー ド 酸 化 / レ ー ザ ー 照 射 / 無 電 解 め っ き に よ る Al上 へ の Ni― Pと Cuの 局 部 析 出 に 関 す る 研 究 )

  近年、 エレクト口二クス製品、あるいは機械製品の軽少短薄化が進行し、それらに用い るプリント配線基板などのデバイスもその小型化が強く望まれている。これらデバイス製造 における先端技術の中で、金属の局部めっきの手法が、要素技術のーっとして数多く用いら れている。この目的のため最近では、光リソグラフイーおよび局部めっきの技術が利用され ているが、この手法は、複雑で数多くのプ口セスを含み、有機レジストの薬品によるダヌー ジなどの問題を有している。また、最近開発されたレーザー加速めっきの技術は、めっきパ ターンの厚膜化などに難点がある。

  本研究 は、上記の方法とは異なる方法でアルミニウム上ヘ金属パターンを描く方法を提 案したものである。すなわち、アルミニウムをアノード酸化して表面にアノード酸化皮膜を 形成したのち、金属イオンを含む溶液中に浸漬してレーザーを照射すると、照射部のアノー ド酸化皮膜が除去され、その後無電解めっきを施すことにより局部的な金属析出が可能にな る。すなわち、この方法によルジンケート処理などの中間処理を施すことなくきわめて簡便 に、アルミニウム上に金属微細パターンを描くことができる。本研究は六章からなっている。

  第一章 は序論であり、従来の金属パターンの形成法の概略を述べるとともに、本研究の 着想および目的にっいて述ぺている。

  第二章 においては、アノード酸化、レーザー照射および無電解めっきの連続プ口セスに よりNi一Pを局 部的に 析出させ るため のめっき条件を検討している。まず、アルミニウム 上に多孔質アノード酸化皮膜を形成したのち、熱水封孔処理を施し、これをNi2+/ H2P02― イ オン を含む 溶液中に 浸潰し てNd−YAGパルス レーザ一 二次高 調波を照 射する ことによ り、ア ノード酸化皮膜を破壊・除去した。その後、Ni2+/ H2P〇2−イオンを含む溶液中で 温度お よび溶液中のPb2+イオン濃度を種々変化させて無電解めっきを行い、次の三点を明     ―659―

浩 夫

眞 敏

橋 尾

田 塚

高 瀬

成 大

授 授

授 授

教 教

教 教

査 査

査 査

主 副

副 副

(4)

らかにしてぼる。すなわち、1) Ni−Pの析出速度は、温度とともに増大するが、Pb2+イ矛 ン濃度の増大とーともに減少する。2) Pb2+イオン濃度が低い場合には、レーザー照射部のみ な らず、レ ーザー 照射部周 辺のアノ ード酸 化皮膜上にNi―Pが析出するが、高濃度になる と 、レーザ ー照射 部の一部 のみに析 出する ようにな る。Pb2+イ オンは、Ni‑Pめっき層表 面 の凹凸を 低減し 、層中のP濃度 を若干 減少させる作用を有する。3)無電解局部Ni―Pめ っ き の 最 適 条 件 と し て は 、 温 度85〜95℃ 、Pb2+濃 度0.5〜1.5 ppmが妥 当 で ある 。   第 三章にお いては 、Ni2+,Ni2+/ H2P02−,Pd2+およびCu2+溶液中にアノード酸化試料 を保持してレーザー照射したさいののさいの試料の金属微粒子の析出挙動および析出金属粒 子 の無電解Ni―Pめっきの さいの触 媒作用 について調べ、次の三点を明らかにしている。

す なわち、1)い ずれの溶液中においてもNi,Ni―P,PdあるいはCu微粒子がそれぞれ析出 し 、それら の大き さは3〜5 nmであ る。2)レーザー照射のさいに析出したNi, Ni−Pおよ びPd粒子 は 無 電解Ni―Pめ っ きの さ い 触媒 核 と し て作 用 す るが 、Cuは触媒 核とし ての 作 用を有し ない。3) Ni,Ni―Pおよ びPdのうち、Pdがもっとも強い触媒作用を示すが、

レ ーザ一照 射部の 周辺部分 にもNi一Pの析 出を引き起こし、局部無電解めっきのもくてき に は 、Ni2+/ H2P02一 溶 液 中 で レ ー ザ 一 照 射 を す る こ と が 最 も 適 当 で あ る 。   第 四章にお いては 、アノード酸化、レーザ一照射および無電解めっきの連続プ口セスに よ る局部Cu析 出につ いて検討 してお り、次の 点を明らかにしている。すなわち、1)レー ザ ー照射の さいに 析出する 金属微粒 子は、 無電解Cuめ っきの ごく初期 においてのみ触媒 核 として作 用する 。2)無電解めっきの溶液にPb2十イオンあるいはチオ尿素を添加剤とし て加えると、析出Cu層は緻密となり、表面の凹凸が滅少する。

  第 五章にお いては 、二およ び三章 で述べたNi−Pの局部無電解めっき法を各種のアルミ ニウム合金に適用するとともにレーザ照射のさいの温度の効果について検討し、次のことを 明らかにした。すなわち、1)高純度Al,市販純Al,Al―Mg,Al一Cu,Al一Si合金いずれにお い ても、局 部Ni−Pめっき が可能で あり、 合金試料上のメッキ速度は、高純度Al上のそれ に比べて大きい。後者の理由として、試料表面に露出した合金元素が、無電解めっきのさい 触媒核として作用するためである。2)レーザー照射のさいの溶液の温度を高くすると、析 出金属微粒子の量は増大し、無電解メッキ速度が増加する。

  第六章は結論である。

  こ れを要す るに、 著者は、アノード酸化、レーザー照射および無電解めっきの連続プ口 セ ス に より 、ア ルミニウ ムおよ びその合 金上にNi一Pあ るいはCuを局部的 に析出 させる 新しい方法を開発したものであり、金属表面処理工学および微細デバイス工学の発展に貢献 するとところ大なるものがある。

  よ って著者 は、北 海道大学博士(工学)の学位を授与される資格あるものと認める。、

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参照

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