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記憶機構のネットワークモデルに関する研究 学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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     博士(工学)芳澤 学位論文題名

記憶機構のネットワークモデルに関する研究 学位論文内容の要旨

  小lJ徽によりて′ |t体のf j:Ji)jに比IIi交的 ↓ミく蛾く変 化が起こる場合、この変化が起こることをイ:習 といい、変化を起こすJ鹹il)‑Jの過雛をiitl'1,13jU程という。

  近イIこ、このiiClij:Jil:'4+'riをI:´';よ的なモデルとしてとらえ、脳のirなう高次機能を解明し、次Iii:ft コ ン ビ ュ ー タ と し て の イ ン テ リ ジ ェ ン ト マ シ ン の 開 発 に 役 ザ た せ よ う と す る 試 み が 注 目 を あ び て き て い る : 代 火l'I{JなIJltみ に 、 ニ ュ ー ラ ル ネ ッ ト ヮ ー ク 内 の シ ナ プ ス の 荷 重変 化 によ って 学 習 をオrう逆fニ寸蚤fよや仰!嚀t的′;とiWを ォ′うボルツマ ンマシンがあ る。これらニ ューラルネッ トワーク に よ るI淡 み . よ 膿 械 制 衞J等 のlnfでそ れ なり の 成果 を 挙げ た が、 巻ら 多 変置 角 年析 的 子法 の延 長 上 に あ る た め : こ1製 界 が あpJ、 人 川 の 行 な っ て い る 学 淵 を シ ミ ュ レ ー ト す る 点 で は 不 十 分 で あ る 。 他 ルで 、 人川 のAlll'CJiiTiIJJJjを摸する試 みにオートマ トン等の人,I:知能モデル があり、記; 1111Jの

;f、ットリークf艀i:'iとして火肌し、如1識の尖脱、nt‑iilffl+s;を行な′」ている。しかし、従来の人,1・.知 能 モ デ ル はLiiiiikと し て の | 氾 サ と 、 災 際 に 繊 測 さ れ て い る シ ナ プ ス 荷 重 の 変 化 の 関 係 を う ま く f瑚J也 づ ける こ とがI*IiVで あ る| | 、ネッ トリークの発 ′Iこから艇I荊へのアルゴリ ズムは単―・ の,1‑体 二ニL一『J冫のi 1し荊眦能丿丿をぢえると、JJ尚にとってIN雛なものである。

  以I| の1fおtか ら 、 ホ 論 丈 で はiiじ憶 逝'ftを 動 的な シ ステ ム とし て把H繕 す る立 場 で、 脳 のォC憶 儀 f艀 を1: ´.t|1:j: こ模 倣 する こ とを 試 み、 ニュ ー ロン レベルで実 現可能と思わ れる情報処理 の艤本的 な44qILを捉′亅 ミするとともに 、fltFl!´ ゛詐的あるいは 心FflrJ,的災 験との対応を 考慮しつつ、 記サlmの

| 刈 係 お よ び そ の 川 のIIお 系 列 | 的 な1刈 係 を 学Wす る こ との で きる ネッ ト ワー ク モデ ル を提 案す る 。 特 に、 .j| 象ま た は lliiiXをiidり とと ら え、 シナ プ スのr| 汀m変 化に よ り知識l瑚の関係を記 述する記

I立ネットリークモデルのf艀築とti慚をそ亅ニっている。

  イ¥iimi史のf捧成は以ト・の迎いである。

  第1′ ;tで ; よ 、A〈 糾 究 の マ テ £tを 述べ て いる 。 特に 従 来法 によ る 知的 活 動実 現 への 問 題Aと 各 々 の)ijよのJ与雛と,l:.IIII´. 湖Jな11ib己と のずれを指摘 するとともに 、,t.Ti)f'iの 目的と、その ために必 熨な4JtL荊[を′亅ミしている。

  第2f;tで は、 モ デル をilc4&う 数川lrI′ 、J丁法 とし て のシグナル ・フロー・グラ フの概要、お よぴI記 1屯に| 刈する′ltFl!´丶ニぇI的 あるいは心pt!学的知1↓亠、およびモデル化を行う際に重要な機構について 述 べて い る: 特 に、 よujWI;じ 憶 とKjW|jC憶の |瑚 係 やI;C憶過 程 にI刈す る海馬 の機能に関し て述べ、

イく研究がfI|発,IIとする′ltp|!′仁n′、Jあるいは心FI!ヤ「研究に関する魅礎的な鉗I兇をまとめている。

  第3r;tで は 、 グ ラ フpI!1淪 を 川 い た 从 本 的 な モ デ ル を 僻 築 し て い る 。 記 . 噛 は 過 程 で あ る と の 繊,lJ、(にヽ.′.ち、lW引|iC憶の繰返しがある|淵付(を超えたとき、にj洲ふC憶に転化するとし、グラフ災 Jnに よる釦fI象モ デルをf艀成し ている。この |繋、IlIlj|IJn′、Jな減 衰をぢ憊して 、短!Jl氾は パス利得 に 、↓ ミjW|iC億は ルー ブ 利f讐で 犬 脱し て いる 。こ れ によ りliじ 憶I′J体 は非 接触 ル ープ の みに 関ケす ニ こ と に な る 。Iiじ 憶 の 想t起 は 人 丿 丿fliり ・ に 含 ま れ る竹 撒 をグ ラフ が 侖め ば 非零 を 、含 まな け れ

: ご* をfIt丿丿 す るシ ステ ム をf捧築 し てい る 。こ のシ ス テムでは海 ,I.§を短期iiじ憶の繰返 しに必要 なフイード′くック索「.に児ヽ・′.てて、よ剛WIi!憶から長期IiじtなへIlむミイヒさせる機能を|ギたせている。

―726 ‑

(2)

I|d II1に 、かI麗 羽 | がf!ir:ij{Tiiと地 なせ る場 合にiidtUのilii:fヒ、シ ナプ スのIiJ. 嚠性 に対 [ビ させて いる 。 こjLに は ‖ 暑 | ; ‖ 避 れ や 繰 返 し のJ|Id!9亅 あ る い は り ズ ム を 仮 定 す る こ と か ら、qこF| ! 学 的 観 点 から の 遅 延 ニ ュ ー 口 ン の 竹 ´I三 や シ ー 夕 . リ ズ ム な ど 各 種 ル ズ ム と の 関 池 性 を 示 唆 し て い る 。   第4や で は 、tiじ 憶 の ふ 川 を 第3や とit様 に グ ラ フ を 構 成 す る 最 小 構 造 に 当 て は め 、 能 動 的 にI 1し 艇i荊 す るiilltネ ッ ト リ ー ク をf艀 築 し て い る 。 ま ず 、 ′t理 学 的 な 知 見 か ら 記 憶 ネ ッ ト ワ ー シ に お け る ;j1L,1.13ユ ニ ッ ト の 機 能 を |J. え 、 こ の シ ス テ ムI勺 で の ↑ 占 撒 表 現 に 定 義 を 与 え て い る 。 こ れ に よ :Jシ ス テ ム ヘ の 人 丿 丿 は バ リ ー の,rilitを 持 つIJ J:I[:Iバ ル ス で 表 現 で き る こ と を 示 し て い る 。 次 に 、 オ 丶 .yト リ ー クI´ 、Jで のi1CI:3:索r. を 定 義 し 、 符 々 の 索 ・ 丁 へ の 入 カ に 対 し て 真 か 偽 かを 判 りIJす る マ ッ チ 冫 グ の 機 能 を |J. え て い る 。 こ の マ ッ チ ン グ は 各 索r. へ のiiIIIJP! パ ル ス で オrい 、 入)Jtli雛 とi,dlij:し て い る 悄 撒 と ぉI; ′ ´J、n'に し か ゜ 故 し な い 場 合 で も 、 人 丿 丿 パ ワ ー の レ ベ ル に よっ て は 典 を j堪 す こ と が あ る 。 こ の 符 々 の 索r. で オrう マ ッ チ ン グ を 魅 雛 に し て ネ ッ ト リ ー ク の 展 開 をjrう ア ル ゴ ル ズ ム を |J. え 、 さ ら に 、 ネ ッ ト リ ー ク に 人 丿 丿 し た 論 理 パ ル ス に 対 す る 時 系 列 に よ るiD臆 の 剋t起 とj止 包l、 カ ぞ ‖J. 能 な こ と を 川 ; し て い る 。 そ のI祭 、 ネ ッ ト ワ ー ク 展 開 は マ ッチ ン グ に よ る 各 記 憶 索r. の 局 | 幵 的 な 独 立 し た 機 能 と 、 海 馬 ユ ニ ッ ト に よ る ネ ッ ト ワ ー ク へ の 統 合 的 な 機 能 の 相 互 作 JlJに よ り 災 班 し て い る。

  ま た 、 こ の ネ ッ ト リ ー ク 巖rjHの 動 作 を 訓 べ る た め に 次 の 旧 柿 頻 の 実 験 を 行 っ て い る 。 ま ず 、 lIdじ 惜 渊i詐 の な か か ら い く っ か の 入 丿 丿 系 列 を 作 り 、 こ れ に よ ル ネ ッ ト ワ ー ク の 腱 開 に 差 興 が 発

′ltす る か ど う か を 訓 べ 、 轟 マ 米 と し て ネ ッ ト リ ー ク は 人 丿 丿 系 列 のII薯 系 ダl』 関 係 を 保 存 す る こ と を 示 し て い る : 次 に 、 們 々 の |iじ 憶 素 「 . で オrう マ ッ チ ン グ の 閥 値 を 変 え て ネ ッ ト ワ ー ク 展 開 の 述 い を 愉I;I: し 、 比l皎 リ ミ 験 の 耕 果 、1蝴 他 の 変 動 に よ り 、 あ る 私 度 ネ ッ ト リ ー ク の 展 開 を 制 御 で き る こ と を |9Jら か に し て い る 。 さ ら に 、 シ ス テ ム へ の 人 丿 丿 を ‖ ふ 系 列 的 にj坐 統 な 場 合 と 単 ‥ . な 場 合 に 分 け て 、 剋t起 とj也 魁 のflj丿 丿 系01Jの 述 い を | 弸 べ 、 ル ー プf艀 辻 を と っ て い る 者15分 の 記 憶 を 収 りHiす こ と に 成 功 し て い る 。 他 ん で 、 ‖ お 系 列 的 に 祈 し く 、 ル ー プf雑 造 を と ′ 」 て い な い 記 憶 は 想 起 や 連 剋tを iJ. う 雛 キ ミ が 慨 い こ と をJ己fIiし て い る 。 巌 後 に 、 人 カ パr′ ー の 初JW他 を 変 え て 想 起 や 連 想 の 系 列 の 迎 い を 検 証 し 、 パ リ ー の 慨 いI淪 川 ! パ ル ス に 対 し て は 、fn丿 丿 と し てi斗 ら れ る 系 列 は バ ワ ー の 高 い 場 合 に 比 べ て ‖ 書 系 刈I的 に ず れ る1. . . 、fu丿 丿 数 も 慨1. す る 傾mが あ る こ と を 示 し て い る 。 こ れ ら の り ミ 験 よ ;j、 ネ ッ ト リ ー ク の 定 ´rlt的 な 特 性 と 海 ! 巧 ユ ニ ッ ト の 機 能 に 関 し てq三 理 学 的 な 知 児 と 矛 Jnし な い こ と を 珊 !I忍し た 。

  第5や で は 、 ホ |iJf究 の 春llf論 の 災 約 と 今 後 の 課 題 、 お よ び 艇 望 に つ い て 述 べ て い る 。 牝 に 今 後 のJJせ 嶼 で : よ 、 本 研 究 でf謦 た 釦I! 亠 よ り 、 ッ ミ 際 に |iD隠 素fと し て 災 現 |iJ. 能 な 系 に つ い て 検 討し て い る 。

ー 727 ‑

(3)

学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

記憶機構のネットワークモデルに関する研究

   コンピュータはデータの処理や管理、科学計算などで優れた能カを 途に有意義に活用されている。しかし、人間の脳がもっパターン認識 習、思考とぃった柔軟な情報処理機能の工学的実現には不向きである てきた。そのため、工学の立場からは、神経生理学や情報科学、心理 を考慮に入れた、新しい情報処理の枠組に関する研究を必要としてい    本論文は、脳の高次機能の中で、特に記憶機構を工学的に模倣する あり、記憶過程を動的なシステムとして把握し、ニューロンレベルで の基本的な枠組を提示している。また、神経生理学的あるいは心理学 に、記号間の関係や時系列的な関係が学習可能で、想起や忘却の機能 ワークモデルを提案するとともに、基本的性質について考察し、その る。主要な成果は次の点に要約される。

持ち、そのような用 や 高 度 な 記 憶 、学 ことが明らかになっ 学の脳に関する知見 る。

ことを試みたもので 実現可能な情報処理 的 実 験 結 果 を 背景 を 持 つ 記 憶 ネ ット 有 用 性 を 示 し てい   1 .記憶はプロセスであるとの観点に立ち、短期記憶の繰返しがある閾値を超えたとき、

     長期記憶に転化するとし、記憶の想起も可能なグラフ表現による抽象モデルを構成      し てい る。 この モデ ルは 脳内 で記 憶に 関わ る海馬 を短 期記 憶の 繰返 しに 必要な      フイードバック素子に見立てて、短期記憶から長期記憶へ転化させる機能を持たせ      ていることから、記憶に関係する神経回路の推定や記憶障害の原因解明の手がかり      を示唆するものになっている。また、時間遅れや繰返しの周期を仮定することから、

     神経生理学的観点からの遅延ニューロンの存在を予測し、シー夕.リズムなどの生      体リズムが持つ役割を説明可能にしている。

  2 .記憶の表現をグラフで構成する最小構造に当てはめ、神経細胞とそのシナプス結合      での長期増強を考慮し、能動的に自己展開する記憶ネットワークを構築している。

     入カはパワーの情報を持つ論理パルスで表現し、入カした論理パルスに対する時系      列による記憶の想起と連想が可能なことを示している。また、このネットワーク展      開の動作を調べるために、計算機実験を行い、ネットワークの定性的な特性と生理      学的な知見との対応を確認している。

  3 .類似度が定義できる記号の集合を対象とする記憶ネットワークの縮退を可能にし、

     記憶領域を有効に利用するために、ネットワークの素子間の結合に時定数による減      衰因子を導入し、忘却の機構を実現している。この減衰因子の導入により記憶の活      性化を表現できることから、脳内の記憶活動で先行刺激が後続刺激の処理に影響を      与 え る プ ラ イ ミ ン グ 現 象 を ネ ッ ト ワ ー ク 上 で 実 現 可 能 に し て い る 。    これを要するに、著者は、記憶情報処理の基本的な枠組に関して新しい展開とその実現 を試み、脳の記憶モデルの計算論的研究上、有益な知見を得たものであり、数理情報工学

惇 昇

   

   

侑 楯

達 数

伊 嘉

授 授

教 教

査 査

副 副

(4)

の進歩に寄与するところ大である。

   よって著者は、北海道大学博士(工学)の学位を授与される資格あるものと認める。

参照

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