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学 位 論 文 内 容 の 要 旨

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Academic year: 2021

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学 位 論 文 内 容 の 要 旨

論 文 提 出 者 葛島 康平

論 文 審 査 委 員

(主 査)朝日大学歯学部 教授 北井 則行

(副 査)朝日大学歯学部 教授 江㞍 貞一

(副 査)朝日大学歯学部 教授 田沼 順一 論 文 題 目

軟骨石灰化不全ラットにおける下顎頭軟骨の形態学的ならびに分子生物学的検索

論文内容の要旨

【目的】下顎頭軟骨は軟骨表層部に特有の線維層を有し,長管骨の関節頭軟骨や頭蓋底軟骨の形 態学的な特徴とは異なる.軟骨細胞の成熟は,Indian hedgehog (Ihh)-Parathyroid hormone-related

protein (PTHrP)シグナルのネガティブフィードバック機構により軟骨細胞の増殖と肥大化が制御

されている.全身における未熟な軟骨や低身長を示す

SD

ラット由来の自然発症型軟骨石灰化不全

(CCI)ラットが

Tanaka

らにより確立された.これまでの兄妹交配より

CCI

ラットが約

25%の頻

度で誕生することから,相同染色体のホモ接合により形質発現を示す常染色体劣性遺伝性様式を とると予測されている.また,胎生致死ではないため生後の変化を観察できる.そこで本研究で は,生後2週齢の

SD

ラットと

CCI

ラットを用い,下顎頭軟骨の形態的発育異常とこれに関連す る分子を明らかにすることを目的とした.

【材料と方法】生後2週齢の雌

SD

ラットと

CCI

ラット(各

20

匹)を

10%

ホルマリンで灌流固 定後,下顎頭を含む顎関節領域を摘出し,10%EDTA脱灰液を用い,4℃で

10

日間脱灰した.そ の後,矢状断方向で厚さ4μmのパラフィン切片を作製し,一部は

NucleoSpin® total RNA FFPE

を 用いて

total RNA

を抽出した.形態学的検索は,Hematoxylin-Eosin (H-E) 染色と

Safranin O/Fast Green(SOFG)染色にて,下顎頭軟骨における軟骨組織や軟骨細胞の成熟について観察を行った.

軟骨内骨化における破骨細胞数は,

TRAP

染色にて計測した.また,軟骨細胞の増殖活性は,予め 腹腔内投与した

5-bromo-2'-deoxyuridine(BrdU)の免疫染色と染色体ヌクレオソーム構成タンパク

をエンコードする

histone4C(H4C)mRNA

の

in situ hybridization(ISH)にて検索した.下顎頭軟

骨の成熟は,Ihh-PTHrPシグナルに関与する

Ihh

と

GLI family zinc finger 1(Gli1)mRNA

の発現を

ISH

にて組織学的に検索し,Real time PCRを行った.

【結果】H-E染色と

SOFG

染色において,SDラットと比較して,CCIラットでは,軟骨長径と幅 径の増加,細胞の配列異常ならびに軟骨基質の分布異常が認められた.TRAP 染色陽性の破骨細 胞数は,石灰化した軟骨直下部において

SD

ラットと

CCI

ラット間で有意差は認められなかった.

BrdU

免疫染色と

H4C mRNA

の

ISH

において,広範囲の増殖軟骨細胞層に

BrdU

陽性細胞と

H4C

mRNA

の局在が認められた.

(2)

2

また, Ihhと

Gli1 mRNA

の

ISH

において,Ihh mRNAの局在は,SDラットでは前肥大軟骨細胞層 に認められたのに対し,

CCI

ラットでは,前肥大軟骨細胞層から線維層にかけて認められた.一方,

Gli1 mRNA

の局在は,SDラットでは肥大軟骨細胞層から前肥大軟骨細胞層にかけて認められたの

に対し,

CCI

ラットでは肥大軟骨細胞層から線維層にかけて認められ,特に増殖軟骨細胞層におい て強い局在が認められた.Ihhと

Gli1 mRNA

の

Real time PCR

においては,CCIラットではいずれ の分子も有意に高い発現量が認められた.

【考察】CCIラットにおける形態学的検索から,軟骨幅の増大,軟骨細胞の配列異常および軟骨基 質の分布異常を示すことが考えられる.TRAP 染色の結果から,SD ラット,CCI ラットともに破 骨細胞による吸収は同等に行われていると考えられる.BrdU免疫染色と

H4C mRNA ISH

の結果か ら,下顎頭軟骨における軟骨細胞の過剰増殖が起きていることが考えられる.また,CCIラットに

おける

Ihh

と

Gli1 mRNA

の検索から,両分子の過剰発現と発現局在の異常が考えられる.特に,前

肥大軟骨細胞層から線維層における両

mRNA

の過剰発現は,増殖軟骨細胞が過剰増殖して,軟骨 細胞の供給源が増しただけでなく,その後の成熟が

Ihh-PTHrP

シグナルのネガティブフィードバッ ク機構によって抑制された結果であり,Real time PCRによる発現量からもこれを裏付けることが できると考えられる.

【結論】CCIラットの下顎頭軟骨は,軟骨細胞の過剰増殖により下顎頭軟骨が増大し,一方で軟骨 細胞の成熟が遅延することで下顎頭軟骨の成長が遅延すると考えられる.この発症機序に

Ihh

mRNA

と

Gli1 mRNA

の過剰発現と分布異常が関係していると考えられる.

参照

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