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カンキツ類のゲノム機能解析にむけた遺伝子導入モデルに関する研究

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Academic year: 2021

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Title

カンキツ類のゲノム機能解析にむけた遺伝子導入モデルに

関する研究( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

遠藤, 朋子

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 乙第117号

Issue Date

2007-03-13

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/21346

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

名(本(国)籍)

の 種

記 番 号

学位授与年月

学位授与の要件

学 位

論 文 題 目

査 委

朋 子

(神奈川県)

博士(農学)

農博乙第117号

平成19年3月13日

学位規則第3条第2項該当

カンキツ類のゲノム機能解析にむけた遺伝子導入モ

デルに関する研究 主査

静岡大学

授 副査

静岡大学

助教授

副査

岐阜大学

教 授 副査

信州大学

男 子

夫 三

橋 井 大 本 向

文 の

の 要 旨 カンキツ類の果実には,糖,酸,ビタミン類に加えて,テルペノド、フラボノイド,ク マリン類等,様々な代謝成分を含有し,複合的高含有果実の育種面からも,これらの代謝 成分の制御機構解明が期待されている.カンキツゲノム解析で進められている発現遺伝子 カタログなどの研究資源を利用することで,果実における有用成分の代謝制御機構解明に むけて分子生物学的な取り組み基盤が整ってきた.しかしながら,カンキツ類は長い幼若 期間もつため,形質転換技術を利用して果実における遺伝子機能を解析するまでには非常 に長期間を要し,実質的な解析に困♯があり,遺伝子導入を用いたゲノ'ム機能解析のため の実験系開発が必要とされた. 本論文では,カンキツ類果実における遺伝子機能検定モデルを作成し,検証するため, 一連の開発研究を行った.そのため,まずカンキツ類における早期開花結実技術の確立に むけて花成関連遺伝子を単離解析し,遺伝子導入による開花促進技術を確立した.次に果 実における遺伝子発現制御のためのプロモーター開発を行った.さらに,本研究で開発し たモデル実験系を用いて,カンキツ果実の苦味や香りに関わる二次代謝成分の制御を解析 し,実験系の有効性を検証した. 1カンキツ類における花成関連遺伝子の単離・解析と早期開花性の誘導

5種類のMADS-box cDNAをウンシュウミカン(atms uDSLjz)Marc.)から単離し, 遺伝子構造や発現パターンを調査した結果,カンキツ類ではこれらの遺伝子が花成制御以

外の果実の発育過程においても機能をもつと推察され,シロイヌナズナとは異なる,独自 の遺伝子相互作用が存在すると考えられた.

(3)

を異所発現する形質転換系統では1年程度で早期開花・結実した.また,その早期開花表 現型は導入遺伝子と共に後代へ伝達されたことから,(コアアの異所発現により世代期間が 劇的に短縮されることが示された. 2 カンキツ遺伝子のプロモーター構造の解析と果実における遺伝子発現制御 果実で高い活性を示すカンキツ由来プロモーターを獲得するため,果実のEST解析の中 で最も高い重複度で検出された,タイプ3メタロチオネイン(MT)様遺伝子α班別Jのゲ ノム領域を単離し,ボンバードメント法によりカンキツ組織へ直接導入して,トランジェ ントアッセイによるプロモーター活性検定を行った.その結果,α〟仇Jの5,上流領域に は,さじょうで高い遺伝子発現を誘導するシスエレメントが存在すると考えられた.さら に,シロイヌナズナへの遺伝子導入により,このプロモーターはシロイヌナズナの果実に おいても優先的な遺伝子発現を誘導することが示された. 次に,果実・種子などでの器官・組織特異的なプロモーターメニュの作成を目指して, 種子特異的な発現を示すダm∫相同性遺伝子VS2Ml,果実特異的発現を示すバレンセ ン合成酵素遺伝子 αf∫m,果皮特異的発現を示すリモネン合成酵素遺伝子 α〟耽 についてそれぞれの5'上流域の解析を行った.トランジュントアッセイによるプロモータ ー活性検定の結果から,VS2Ml及びCTf∫r㍊の5,上流域はそれぞれ,種子及び果皮で高 い発現誘導を示し,これらの解析から果実特異的プロモーターの候補が得られた. 3 遺伝子導入によるリモノイド配糖体及びモノテルペン生成の制御の解析 まず,カンキツ果実の苦味に関与するリモノイドの代謝を,カルス培養系において解析 した.その結果,カルスは培地中に添加されたノミリンを代謝し,主要なリモノイドと共 に品種に特異的なリモノイドを生成した.また,果実中での自然の脱苦味現象に関わる糖 転移酵素遺伝子α比Grをカンキッカルスに導入して異所発現させたところ,培地中のリ モニンを配糖化したことから,この遺伝子が培養細胞中で機能することを確認した. 次に,(芳ダア遺伝子と標的となる遺伝子を共発現させるαFr共発現ベクターを開発し, このベクターを用いてC止んGr遺伝子を導入した,.遺伝子導入から2年程度でC托エロr遺 伝子を過剰発現するカラタチ果実が獲得され,果実の生育過程におけるLG蓄積の遺伝子 制御を解析する材料として有用であると考えられた. さらに,カンキツ類の主要な香気性成分リモネンの合成酵素遺伝子α土mJによるモ ノテルペン代謝の制御を解析するため,CぴT共発現ベクターを利用してCf肌βノアン チセンス遺伝子を導入した.遺伝子導入から2年程度で花におけるα班耶β∫の発現が抑 制されたカラタチが獲得され,花及び成熟果実における香気性成分を分析したところ,対 照と比較してモノテルペン中のリモネン含有割合が低下していたことから,α初犯笠別の 発現抑制によるリモネン生成抑制が明らかとなった. これらの一連の研究により,C拝丁遺伝子による早期開花誘導を行うカラタチ形質転換 モデルでは、果実における遺伝子機能が検定できることが示され,ゲノム解析における遺 伝子機能解析に利用されるものと期待される.

(4)

果 の 要

本論文の公開学位論文発表会は,審査委員全員を含む関連教員や学生の出席者のもと,

平成19年1月25日(木)午後1時30分より静岡大学農学部B棟206号室において

実施された.

本論文は,結実まで長年月を要するカンキツ類において,形質転換実験による果実での

遺伝子機能解析の困難さを克服するため,花成誘導遺伝子を利用した早期開花・結実を行

うモデル系を作出することで,痍能ゲノム解析を進展させるシステムを構築するため,以

下の一連の開発研究を行ったものである.

カンキツ類における早期開花結実技術の確立にむけて花成関連遺伝子を単離し,それら

の遺伝子構造や発現パターンを解析するとともに,シロイヌナズナの花成制御遺伝子ダr

のカンキツホモログα乃▼をカラタチ(勉dねβお鮎由L.Raカに導入することで,早

期開花・結実を実現した.また,この早期開花表現型は導入遺伝子と共に後代へ伝達され

たことから,世代期間が劇的に短縮されることを示した.

次に,果実における遺伝子発現制御のシステムを作るため,果実において特に強く発現

するタイプ3メタロチオネイン(M汀)様遺伝子,種子特異的な発現を示すⅧJ相同性

遺伝子VS2Ml,果実特異的発現を示すバレンセン合成酵素遺伝子α珊果皮特異的

発現を示すリモネン合成酵素遺伝子C比如け苫近憲の4種遺伝子についてのプロモーター解

析を行い,ボンバードメント法による発現特異性を確認した.

さらに,本研究で開発したモデル実験系を用いて,カンキツ果実の苦味に関わるリモノ

イド糖転移酵素遺伝子αエGr及び香りに関わるリモネン合成酵素遺伝子α班〝泡餌の

センス及びアンチセンス導入を行い,これらの関与する二次代謝成分の制御を解析し,実

験系の有効性を検証した.

これらの一連の研究により,C折7一連伝子による早期開花誘導を行うカラタチ形質転換モ

デルでは,果実における遺伝子機能が検定できることが示したもので,今後のゲノム解析

における遺伝子機能解析や,育種における世代間隔の短縮など多面にわたる利用形態を提

案するものと期待される.

以上について,審査員全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合農学研究科の博士(農学)

の学位論文として十分価値あるものと認めた.

基礎となる学術論文

1.END0,Tbmokn,Masayukim

Thkehiko

SHIMA%ThknyaMORIGUCHI,

TbtsushiHIDAKA,RyqjiMATSUMOTO,SlmHASEGAWAandMitsuoOMm.

2002.Modihtionoflimonoidmetabolisminsuspension∝剋cultureof伽

PlantBioteclm0logy19:397・403.

2.END0,Tbmokn,Thkehiko SHIMADA,HiroshiFUJII,%sushiKOBA¥AぷHI, TbkashiARAHandMitsuoOMURA2005.EctqpicexpressionofanHhomolog

(5)

3.END0,Tbmoko,ThkehikoSHIMAI)A,H血shiFUJII,andMitsuoOMUm.2006. Clomingandchamcteri2ationof5MADS・boxcDNAsisolatedfromcitruSfruit tissue.ScientiaHorticulturaelO9:315・321.

既発表学術論文

1.EITA,Masayuki,%takn m,Thkaya MORIGUCHI,Tbmoko

END0-Ⅰ2nGAfⅢ,RydiMATSUMOTO,Shin

HASEGAWA,Charles G.

SURAYDAandMitsuoOMURA.2000.MolecularCloningandcharacterizationof

anovelgeneencodinglimonoidUI)P・glucosyltransferase正=n勉7はFEBSLetters

469:173・178. 2・KITA,Masayuki,TbmokoEND0,ThkehikoSHIMADA,ThknyaMORIGUCHI, %takaHIRATA,ShinMEGAWAandMitsuoOMURA.2003.Auelic$truCtureS

OfUDP・glucose:1imonoidgluco野1tranSferasea飴ctlimonoidbitterneSSin

ZLaSbjhandC血eL2由Euphytica132:87・94.

3.SHIMADA,Thkehiko,Tbmoko END0,HiroshiFUJII,Masaknzu

二EARA

ThknnoriUEDA,MasayukiEITA,andMitsuoOMURA.2004.Molecularcloming andfunctionalcharacterizationoffourmonoterpenesynthasegenesfrom伽

zLaSbibMarC.PlantScience166:49・58.

4・SHIMADA,1もkehiko,Tbmoko END0,HiroshiFUJII,Masaknzu

m1月Aand

MitsuoOMURA.2005.Isolationandchamcterizationof(β・beta・OCimeneandl,8

Cineole野nthasesin伽uD血MarC.PlantScience168:987・995. 5.SHIMAm,Thkehiko,H.FUJII,TIEND0,J.YAZAH,N.EISHMOTO,K,

SHIMBO,S.EIEUCHI,and M.OMm.2005.Tbward comprehensive expressionprDfilmgbymicroa汀ayanalysisincitruS:monitoringtheexpression

profi1esof2213genesduring仕血develqpment.PlantScience168:1383・1385. 6.SIⅡMADA,Thkehiko,TbmokoEND0,HiroshiFUJII,andMitsuoOMURA.2005.

IsolationandcharaCterizationofanewdlimonenesynthasegenewithadi飴托nt expressionpatterninαわ拶ZLt2血Marc.ScientiaHorticulturaelO5:507・512.

参照

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