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ラット視神経挫滅の網膜に及ぼす影響に関する電気生理学的, 組織学的検討

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Academic year: 2021

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Title

ラット視神経挫滅の網膜に及ぼす影響に関する電気生理学

的, 組織学的検討( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

川上, 秀昭

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)甲 第441号

Issue Date

2000-03-24

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/14684

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏 名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 川 上 秀 昭(愛知県) 博 士(医学) 甲第 441 号 平成12 年 3 月 24 日 学位規則第4条第1項該当 ラット視神経挫滅の網膜に及ぼす影響に関する電気生理学軋 組織学的検討 (主査)教授 北 澤 克 明 (副査)教授 松 波 謙 一 教授 犬 塚 論 文 内 容 の 要 旨 慢性緑内障における祝機能障害は,網膜神経節細胞の消失に起因している。最近になり緑内障の網膜神経節細 胞死についても,CNSの虚血,外傷後に引き続いて起こる細胞死として注目されているapoptosisの関与が示唆 されている。網膜神経節細胞のapoptosisを防ぐ事が緑内障の新しい治療法の開発につながると期待される0そ こでさらなる緑内障の病態を究明するには,共通の手技による適切な実験動物モデルが必要である0 現在,網膜神経節細胞死を誘導する実験モデルとして,眼圧上昇による網膜虚血,視神経の部分的挫滅や視神 経切断,N-methyl-D-aSPartate(NMDA)あるいはグルタミン酸の硝子体内注入など数多くの方法が用いられ ている。こうした実験モデルの中でもラット視神経挫滅モデルでは,挫滅後2日∼34週の観察期間中に約20∼70 %の網膜神経節細胞が消失することより,確実な網膜神経節細胞障害モデルであると思われる0しかしながらこ れまでin,iv。で視神経挫滅後に生ずる網膜機能変化については,網膜の生理機能を評価するとされている electroretinogram(ERG)を用いた報告は見られない0視神経の挫滅により,網膜神経節細胞障害や視神経障 害が生じるのは明かであるが,その他の網膜機能の障害の有軌こついては詳しく報告されておらず・この点に関 して検討の余地が多く残されている。 今回我々は,2種類の強度が異なる定量化された脳動脈瘡用クリップを用い,ラット視神経挫滅後に網膜に及 ぼす影響をERGとvisualevokedpotential(VEP)ならびに組織学的検査法を指標として比較検討した。 対象と方法 1渓験動物には,15匹の雄性のWistar系白色ラット,9∼12週齢体重250∼300gを用いたo視神経挫滅は全て右 眼にのみ施行し,左眼をコントロールとし,視神経挫滅は把持力130gのクリップでは8匹に,把持力40gのクリッ プでは7匹にそれぞれ施行した。 2.視神経挫滅は腹腔内麻酔乳まず耳側結膜を角膜輪部で約90度切開し,血管や筋肉などを傷つけないよう鈍 的に組織を剥離しながら球後に到達し,視神経を十分に露出した後に眼球後部約2mmの所に施行された0クリッ プ除去後に検眼鏡的に網膜血流の途絶がないことを確認し,左眼には視神経挫滅を除いた右眼と同様の処置を施 行した。 3.実験に先立ちVEP記録用電極としてネジ電極を,ラットを腹腔内投与による麻酔で不動化させ,脳定位固定 装置に固定した衡脳硬膜表面に接触するように頭蓋骨内に埋め込んだ。電極は頭蓋骨内に留置後,1つのソケッ トに接続され,歯科用セメントで頭蓋骨表面に接着固定された。 ERG用関電極にはコンタクトレンズ型閃電極を用い,不関電極は脳波用針電極を鼻腔皮下に,接地電極として 同電極を尾の先端皮下に刺入し留置した。 4.ERGの測定は両眼瞳孔を十分散大し,1時間の暗順応後に腹腔内麻酔により不動化させた後に施行された0 角膜前方約10cmより20ジュールの白色フラッシュ光で光刺激し,a波とb波を記録した後,さらに5分間の暗順応 後に再度光刺激を施行し律動様′ト波(oscillatorypotential,OP)を記録した。ERG記録後約1時間の暗順応後 にVEPを記録した。光刺激は,1ジュールのERGと同様の白色フラッシュ光を用い,角膜前方約10cmより刺激頻

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-45-度1Hzで50回加算平均した。ERGおよびVEPの記録を,視神経挫滅前と挫滅後1,2,3および4週目に施行した。 5.視神経挫滅後の網膜内層に及ぶ変化を組織学的に検討するため,40g猟130g群のそれぞれにおいて3匹ずつ を,視神経挫滅後4過日のVEP測定後に眼球を摘出し,組織を固定後,HE染色を施行し光学顕微鏡で観察した0 結果 デp夕解析は,視神経挫滅前のERG検査でb波振幅が左右眼で20%以上の差を認めたものを除外し,把持力40g と130gのクリップで各々6匹ずつを用いて行ったoERGおよびVEPの変化については同一個体における挫滅眼と コントロール眼との百分率を用い比較検討した。振幅および頂点潜時の視神経挫滅前後の変化をWilcoxon signedTrankstestを剛、検定し,危険率5%未満を有意差ありと判定した。 1.ERG上40g群では,挫威後第2週のb波振幅以外は経過中に明らかな変化はなかった0130g群では挫滅後4週 で挫滅前値に対し,a波振幅は72.1±22.8%,b波振幅は51・1±22・1%,OP振幅は61・3±21・1%と有意な減弱(そ れぞれP=0.0464,0.0277,0.0277)がみられた。a波頂点溶暗では挫滅後3週で113・7±11・4%・b波頂点潜時では 挫滅後2週で124.4±20.8%の有意な延長(それぞれP=0・0394,0・0431)がみられた00P頂点潜時は,明らかな 変化はみられなかった。以上130g群では,ERGの変化は挫滅後4週でも回復しなかった0 2.VEPのPl_Nl振幅は,視神経挫滅後より両群共に有意に低下し,挫滅前値と比較して挫滅後4週で40gは71・7 ±10.8%,130g群は15.5±8.7%(ともにP=0・0277)であったoPlの頂点潜時は40g群では変化はなく,130g群 では挫滅後3週で114.6±16.8%の有意な延長(P=0・0273)がみられた0両群共にNl彼の頂点潜時に有意な変化 はみられなかった。 3.組織標本では,網膜神経節細胞が40g群では軽度消失し,130g群では網膜神経節細胞ははぼ消失していた。 しかしながら,両群とも網膜内層には明らかな変化は見られなかった○ 結論 本研究で用いた把持力40gのクリップによる視神経挫滅モデルでは,ERGとVEPおよび組織の結果より・網膜 内層に影響を及ぼさずに選択的に網膜神経節細胞および視神経を障害する事が可能である事が示唆された。 把持力130gのクリップによる視神経挫滅モデルでは,網膜の生理機能状態を示すERGが大きく変動し,VEP の振幅の極端な低下や組織標本での極度な網膜神経節細胞の消失がみられた事より,緑内障を想定した神経保護 薬などの薬理効果を調べる諸実験に用いるのは適切ではないと考えられた。 緑内障では網膜神経節細胞の減少や視神経の萎縮が見られ,他の網膜機能は維持される事より,把持力40gの クリップによる視神経挫滅モデルは,緑内障性視神経症に類似した実験モデルになり得ると思われた。 把持力40gの脳動脈瘡用クリップを用いてラットの視神経を挫滅したモデルは,NMDA受容体括抗阻害剤など 今後神経保護薬開発の上で視覚毒性試験を行う非常に有用なモデルであると思われた0 論文審査の結果の要旨 申請者 川上秀昭は,ラットの視神経挫滅後に網膜に及ぼす影響を,2種類の強度の違う脳動脈癖用クリップを 剛、,電気生理学的におよび組織学的に検討した○その結果,把持力40gのクリップで視神経挫滅を施行したモ デルでは,網膜内層は影響されずに網膜神経節細胞のみが選択的に障害される事が判明した。この状態は・臨床 における緑内障の病態に似ており,今後の緑内障の病態解明に有用な実験モデルと思われた。本研究の成果は, 眼科学とくに緑内障治療学の進歩に寄与するところが大であると認められる0 [主論文公表誌] ラット視神経挫滅の網膜に及ぼす影響に関する電気生理学的,組織学的検討 平成12年3月発行予定 岐阜大医紀48(2)

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