極小剛なBody-Hingeグラフの列挙(2013年4月15日版)
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(2) Vol.2013-AL-144 No.13 2013/5/17. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. (a). 図 1. (b). (c). (a). (a) body-bar, (b) body-hinge 及び (c) panel-hinge フレー. 図 2. (b). (a)splitting off (b)contraction. ムワーク. 繹的な生成方法や, 多項式時間 (出力 1 つあたり) 列挙アル. eが ワークとして実現可能であるための必要十分条件は, G. ゴリズムはこれまで知られていない.. D 個の辺素な全域木をもつことである, ということを意味. 一般に, グラフ G の k 本の並列な辺の複製によって各辺 が置き換えられたグラフを kG と記述するが, 本論文では e と記述する. (D − 1)G を G 命題 1. [1], [7], [9] 多重グラフ G が R に剛な bodyd. hinge 及び, panel-hinge フレームワークとして実現可能で e が D 個の辺素な全域木をも あるための必要十分条件は, G つことである.. している. 極小剛な Body-Hinge グラフに関する性質: 極小剛な body-hinge グラフ G = (V, E) が与えられたと き, より小さなサイズの body-hinge グラフを生成する2つ の操作が知られている [1].. 1 つは剛な真部分グラフを縮約する操作 contraction(図 2(a)) である (G0 = (V 0 , E 0 ) が G の剛な部分グラフで. body-bar グラフと異なり, 命題 1 を満たす body-hinge. 1 < |V 0 | < |V | を満たすとき剛な真部分グラフとよばれ. グラフに対するマトロイド的な特性は存在しないので,. る). もうひとつの操作は splitting off と呼ばれる操作 (図. body-hinge グラフを多項式時間で列挙するアルゴリズムを. 2(b)) が知られている. ここでグラフ G の頂点 v について,. 容易に構築することはできない.. v に隣接する頂点集合を NG (v) とする. splitting off とは,. 研究の成果: 単純グラフである極小剛な body-hinge グラ. 次数 2 の頂点 v に対して NG (v) = {a, b} とするとき, G よ. フを演繹的に生成する 4 つの操作を明らかにし, 多項式時. り v(及び v に接続する辺) を取り除き, 新たな辺 ab を追加 ab する操作のことである. 得られたグラフを Gab v とする. Gv. 間で列挙するアルゴリズムを開発した.. は G において va または vb のどちらかを縮約することと. 2. 準備. 同等である.. G = (V, E) を 自 己 ル ー プ を 含 ま な い グ ラ フ と す る.. splitting off は, 一般には極小性は保証されていない [1]. し. X ⊆ V のとき, G[X] を X によって誘導されるグラフ. かし剛な真部分グラフを持たないグラフに限定した場合,. とする. X ⊆ V のとき, δG (X) = {uv ∈ E|u ∈ X, v 6∈ X}. splitting off による極小性は保証される.. とする. X = v のとき, δG ({v}) を δG (v) と記す. V の分. 以下の 5 つの補題が示されている [1].. 割 P とは, 頂点集合の部分集合の族 {V1 , V2 , . . . , Vm }(Vi 6=. 補題 1. ∅(1 ≤ i ≤ m), Vi ∩ Vj = ∅(1 ≤ i, 1 ≤ j, i 6= j), ∪m i=1 Vi = V ) のことである. m = 2 のときは P = {V1 , V2 } であり, 特 に, P の異なる集合をつなぐ G の辺集合を δG (P) とする. e = (D − 1)G の辺集合を E e とし, ある辺 e ∈ E に対し G. e = (V, E) e としたとき, て e˜ = {e1 , e2 , . . . , eD−1 } とする. G e e e E のマトロイドを M(G) とし, M(G) の基底を B とする. e のランクが D(|V | − 1) と等しいことは, G eにD個 M(G) の辺素な全域木を詰込むことができることの必要十分条件 であることが知られている.. [1] グラフ G を剛な body-hinge グラフとしたと. き, G は二辺連結グラフである. 補題 2 0. [1] G = (V, E) を極小剛な body-hinge グラフ, 0. G = (V , E 0 ) を G の剛な部分グラフとするとき, G から E 0 を縮約してえられるグラフは極小剛な body-hinge グラ フである. 補題 3. [1] 剛な真部分グラフをもたない, 多重グラフを. 含んだ極小剛な body-hinge グラフ G = (V, E) について考 える. このとき, 以下の式が成り立つ.. (D − 1)|E| < D(|V | − 1) + D − 1. 辺素な全域木: 以下の定理が Tutte および Nash-williams によって示さ. 補題 4. (2). [1] 剛な真部分グラフをもたない 2 辺連結であ. る極小剛な body-hinge グラフ G = (V, E) について考え. れている [4][8]. あるグラフ G =. る. このとき, G は頂点数が高々 D のサイクルグラフであ. (V, E) が k 個の辺素な全域木を含んでいることの必要. るか, 0 ≤ i ≤ d − 1 の vi vi+1 ∈ E かつ 0 ≤ i ≤ d − 1 の. 十分条件は, 頂点集合 V の任意の分割 P に対して以下の式. dG (vi ) = 2 であるような長さ d の点列 v0 v1 . . . vd をもつ.. 定理 1 (Tutte, Nash-Williams). 補題 5. が成り立つことである.. |δ(P)| ≥ k(|P| − 1). hinge グ ラ フ G = (V, E) に つ い て 考 え る. こ の と き, (1). 定理 1 は body-hinge グラフが剛な body-hinge フレーム ⓒ 2013 Information Processing Society of Japan. [1] 剛な真部分グラフをもたない極小剛な body-. NG (v) = a, b である任意の次数 2 の頂点 v にたいして, splitting off の操作をおこなったとき, Gab v は極小剛な 2.
(3) Vol.2013-AL-144 No.13 2013/5/17. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report G. body-hinge グラフである.. a. 3. 単純グラフである極小剛な Body-Hinge グ ラフを演繹的に生成する操作 H. 本章では, はじめにより大きな単純グラフである極小剛. v. a. b. な body-hinge グラフを演繹的に生成する操作を示す. 4.1 の極小性と剛性が保証されていることを示す. 4.2 では, 導. b. v. H. a. では, それらの操作によって生成される body-hinge グラフ. a. b. G. G. G. x. દ˺. y. દ˺. a. H b. a. b. v. v. H. a. ‣. v. a. b દ˺. ․. દ˺. 図 3 極小剛な panel-hinge グラフを演繹的に生成する操作. 入した操作を繰り返し用いることで任意の単純グラフであ る極小剛な body-hinge グラフが生成可能であることを証. G. v. H. 明する. 単純グラフである頂点数 n(n ≥ 3) の極小剛な body-hinge. a. a. b. b. グラフ G = (V, E) について考える. ここで, 以下の 4 つの 操作を定義する.. ⁰ ab. ⁰ G. 操 作 1(edge split).. あ る 辺 e ∈ E に 対 し て e˜ =. {e1 , e2 , . . . , eD−1 } としたとき, |B ∩ e˜| ≤ D − 2 である e の基底 B が存在する場合. (図 3(1)) ような M(G) ( 1 ) 新しく頂点 v を加える. ( 2 ) 辺 e ∈ E の端点 a, b ∈ V に対して v から辺 va, vb を 引く.. k. a. b. vb ⁰. va ⁰. ⁰ H a. b. 66-k Tj (a). 図4. T. j (b). (a) 極小剛な body-hinge グラフ G 及び G を D − 1 重化した グラフ (b) 操作 1 によりできるグラフ H 及び H を D − 1 重 e ただし, D = 6) 化したグラフ H(. ( 3 ) 辺 e ∈ E を取り除く. 操 作 2(edge split plus 1-addition).. ある P に対して. はじめに, 極小剛な body-hinge グラフ G = (V, E) に操作. 5|δG (P)| = 6(|P| − 1) を満たす場合. (図 3(2)). 1(edge split) を行ったグラフ H = (V 0 , E 0 ) が, 剛であるこ. ( 1 ) 新しく頂点 v を加える. ( 3 ) 辺 e を取り除く.. とを示す. e に詰込むことのできる, D 個の辺素な全域木を Tj (1 ≤ G e における辺素な全域木 T 0 , . . . , T 0 を, j ≤ D) とする. H. ( 4 ) 頂点分割 P より v からなる頂点集合を加えたも. 各々 T1 , . . . , TD から構成できることを以下に示す.. ( 2 ) 辺 e の端点 a, b ∈ V に対して v から辺 vb, va を引く.. 1. の を 頂 点 分 割 P 0 と す る と き, 異 な る 2 つ の 頂 点 0. 0. 集 合 Vx ∈ P ,Vy ∈ P に そ れ ぞ れ 含 ま れ る 頂 点. D. 操作 1 の条件より辺 abi (1 ≤ i ≤ D − 1) を使用する全域木. x ∈ Vx , y ∈ Vy を端点とする辺 xy を加える. この. は高々 D − 2 本で, それらを T1 , . . . , Tk (k ≤ D − 2) とした e を使用しない全域木 Tk+1 , . . . , TD は, (D − k) 個 とき, ab. とき, xy を加えてできるグラフが剛となるように追加. となる (図 4(a)).. する.. 辺 abi (1 ≤ i ≤ D − 1) を使用していた全域木 Tj (1 ≤. 操作 3(vertex 2-addition). 以下の操作を行ってできるグラ. j ≤ k) に 対 し て Tj0 は vai , vbi を 使 用 す る こ と と し,. フもまた, 極小剛な body-hinge グラフの場合.(図 3(3)). Tj0 = Tj \ ab ∪ {vai , vbi }(1 ≤ j ≤ k) とする. このと. ( 1 ) 新しく頂点 v を加える.. 0 0 き D − k 個の全域木 Tk+1 , . . . , TD が v に到達するため e には, vf a, vb の残りの辺を使用する必要がある. すなわ. ( 2 ) a, b ∈ V (a, b 6= v) を任意に選び v から辺を引く. 操作 4(triangle-addition). (図 3(4)). ち 2(D − 1 − k) ≥ D − k を満たす必要があるが, これは. ( 1 ) 新しく頂点 v1 , v2 および辺 v1 v2 を加える.. k ≤ D−2 より満たされており, グラフ H は剛な body-hinge. ( 2 ) 頂点 a ∈ V を任意に選び v1 および v2 から辺 v1 a, v2 a. グラフである.. を引く. 操作 2 の条件を満たすような P をみつけることは, [5] よ り多項式時間で実行可能である.. 次に H が極小であることを背理法により示す.. H が極小ではないと仮定し, 矛盾を示す. すなわち E 0 に取 り除いても H が剛であるような冗長な辺が存在している ことである. ここで, H の頂点 v に splitting off を行った. 3.1 各操作の正当性について 定理 2 0. 定義した 4 つの操作によってできるグラフ 0. H = (V , E ) もまた極小剛な body-hinge グラフである. 証明. 1. edge split(図 3(1)). ⓒ 2013 Information Processing Society of Japan. グラフを Hvab = (V, E) とし, 冗長な辺を辺 st とする. こ のとき, 頂点 v の次数は 2 で, 辺 va, vb を取り除くことは できないので取り除くことが可能な辺 st は st ∈ E となる. ここで, グラフ H より辺 st を取り除き, さらに頂点 v に 対して, 操作 1 の逆操作 (splitting off) を行ったグラフを. 3.
(4) Vol.2013-AL-144 No.13 2013/5/17. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report G. v. H. a. G. a. b. a. b. v. H. a. b. b. c. ⁰ G. v. ⁰ H a. b. ⁰ G. a. T6. a. b. (a). a. b. c ‚⁓‛. (b). 図 5 (a) 極小剛な body-hinge グラフ G 及び G を (D − 1) 重化 e (b) 操作 2 によりできるグラフ H 及び H を したグラフ G. 図6. Tj. T'j ‚⁔‛. (a) 極小剛な body-hinge グラフ G 及び G を D − 1 重化した e (b) 操作 3 によりできるグラフ H 及び H を (D − 1) グラフ G e 重化したグラフ H. e (ただし, D = 6) (D − 1) 重化したグラフ H ab {H \ st}ab v とする. {H \ st}v もまた剛となるが, これは. グラフ. b. T'6 c. Hvab. v. ⁰ H. に冗長な辺が存在したこととなり, グラフ. Hvab. が極小であることに矛盾.. (D − 1)|δH\f (P 0 )| − D(|P 0 | − 1) = (D − 1)(|δG (P)| + 1) − D|P| = −1 < 0. (6). となり矛盾. よって H は極小剛な body-hinge グラフであ. よって H は極小剛な body-hinge グラフである. 2. る.. 2. edge split plus 1-addition(図 3(2)). 2. はじめに, グラフ H が剛な body-hinge グラフであること. 3. vertex 2-addition(図 3(3)). を示す. e に詰込むことのできる, D 個の辺素な全域木を Tj (1 ≤ G. はじめに, グラフ H が剛な body-hinge グラフであること e に詰込むことのできる, D 個の辺素な全域木を を示す. G. j ≤ D) とする. 辺 abi (1 ≤ i ≤ D − 1) を使用する全域木 e を使用しない全域木を TD とする を T1 , . . . , TD−1 とし, ab. Tj (1 ≤ j ≤ 6) とする. e を追加したグラフとする (図 e をG e に, 頂点 v 及び vf H a, vb. (図 5(a)). e の D 個の辺素な全域木を T 0 (1 ≤ j ≤ D) とし, 辺 H j. e の D 個の辺素な全域木を T 0 (1 ≤ j ≤ D) とし, 6(b)). H j. abi (1 ≤ i ≤ D − 1) を使用していた全域木は vai , vbi を使. Tj0 = Tj ∪{vai , vbi }(1 ≤ j ≤ k) とする. このとき Tj0 が頂点 e は v に到達するためには, D 本の辺が必要であるが, vf a, vb. 用することとし, Tj0 = Tj \ ab ∪ {vai , vbi }(1 ≤ j ≤ k) とす. 合わせて 2(D −1) 本あるので, グラフ H は剛な body-hinge. る. このとき. 0 TD. が頂点 v に到達するためには, 辺 vc e を使. グラフである.. 用すればよいので, グラフ H は剛な body-hinge グラフで. このように, vertex 2-addition を行ってできるグラフ H も. ある.. また剛ではあるが, 極小であるとは限らない. そのため, 操. 次に H が極小であることを示す. H に冗長な辺 f が存在. 作後のグラフが極小であるかどうかをペブルゲームを用い. すると仮定し, 背理法を用いて示す.. てテストし, 極小である場合にのみ, この操作を実行する.. G の各頂点をそれぞれ一つの頂点の部分集合とするような e の辺 頂点分割 P を考える. 操作 2 を行う際の条件より, G. 4. triangle-addition(図 3(4)). の本数と D 個の辺素な全域木が必要とする辺の本数が一 致することから,. はじめに, H が剛な body-hinge グラフであることを示す. eに グラフ G は極小剛な body-hinge グラフであるので, G. D 個の辺素な全域木を詰め込むことが可能である. 追加す る三角形グラフを F としたとき, Fe もまた D 個の辺素な. (D − 1)|δG (P)| = D(|P| − 1). (3). 全域木を詰め込むことが可能である. 全域木同士を 1 つの 頂点を共有してできるグラフもまた全域木となることから,. が成立している.. H もまた剛な body-hinge グラフである.. P に新たに加えた頂点 v を単独の集合として加えた, H\f. H が極小であることは G と F が極小であることから明ら. の頂点分割を P 0 としたとき, P と P 0 の関係は. かである. 以上より H は極小剛な body-hinge グラフである.. |δH\f (P 0 )| = (|δG (P)| + 1) 0. |P | = |P| + 1. (4) (5). 2. 3.2 任意の単純グラフである極小剛な body-hinge グラ フの生成 定義した 4 つの操作の操作列により, 任意の単純グラフで. である. 0. 定理 1 より P に対して冗長であることを仮定している. ある極小剛な body-hinge グラフを生成することが可能で. ので,. あることを示すために, 以下の補題を示す.. ⓒ 2013 Information Processing Society of Japan. 4.
(5) Vol.2013-AL-144 No.13 2013/5/17. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. 補題 6. 頂点数 3 以上の単純グラフである極小剛な bodyv. hinge グラフには, 次数 2 の頂点が少なくとも 1 つ存在する. 証明. 背理法を用いて, 次数 2 の頂点が存在することを. 示す. すべての頂点の次数が 3 以上の単純グラフである極. a. b. 小剛な body-hinge グラフの存在を仮定する. 以下では, 剛 図 7. な真部分グラフを持たない場合と持つ場合の, 2 つの場合 にわけて考える.. 二重辺を縮約して再び二重辺ができる場合. |V 0 | ≥ 3 より次数 2 の頂点が (11) より 3 個以上存在する. 2. Case 1. 剛な真部分グラフを持たない場合.. G は次数 2 の頂点をもたないという仮定より, |δ(V 0 )| ≥ 3. 剛な真部分グラフをもたないグラフ G について考える.. であるので, V 0 の各頂点は G において次数が 3 以上となっ. 補題 4 から以下の条件を満たしている.. ていることに注意しておく. 以下では G0 を縮約して出来 るグラフを G00 とし, G00 が多重辺をもつ場合と持たない場. (D − 1)|E| < D(|V | − 1) + (D − 1). (7). 合の 2 つの場合にわけて考える.. Subcase 2A. G00 が多重辺をもたない場合.. このとき頂点数と辺の関係は, すべての頂点次数が 3 以上. このとき, G00 はすべての頂点の次数が 3 以上の単純グラ. なので,. フである極小剛なグラフであり, G よりも頂点数が少ない. よって矛盾.. 3|V | ≤ 2|E|. (8). Subcase 2B. G00 が多重辺を 1 つ以上もつ場合. ここで, 以下の主張を示す.. が成り立つ. (7)(8) より、. 主張 2. G = (V, E) を極小剛な body-hinge グラフとす. る. G が多重辺をもつとき, それは二重辺であり, 二重辺を. 3(D−1)|V | ≤ 2(D−1)|E| ≤ 2D(|V |−1)+2(D−1) (9) を得る. これより, (D − 3)|V | ≤ −2 となるが |V | ≥ 3 に反 する. よって, 次数が 2 の頂点が存在する.. 縮約することにより, あらたな多重辺は生じない. 証明. G が多重辺をもつとき, 三重辺以上の場合はその. うちの 1 辺が冗長であるので極小性に反する. なぜならば,. G0 は極小剛な body-hinge フレームワークであることから,. Case 2. 剛な真部分グラフを持つ場合.. G0 と G \ G0 の間の 2 辺が 1 つの頂点 v ∈ G \ G0 を共有す. 剛な真部分グラフを持つグラフの中で頂点数の最も少な. る場合もまた剛であるので, 3 辺のうち 1 辺は冗長である.. いものを G とする. G における極小剛な真部分グラフの. 二重辺は剛な真部分グラフであるので, 補題 2 より二重辺. 0. 0. 0. うち, 頂点数の最もすくないものを G = (V , E ) とする.. を縮約しても極小性は失われない.. |V 0 | ≥ 3 より V 0 により誘導された G の部分グラフ G[V 0 ]. 二重辺を縮約して再び二重辺ができる場合があると仮定. を考える.. する. そのような場合は, 頂点 a, b ∈ V があいだに二重辺. ここで以下の主張を示す. 主張 1. ab1 , ab2 をもち, さらに共有点 v をもつときである (図 7).. 頂点数 3 以上の単純グラフである極小剛な body-. このとき, 辺 ab1 は冗長となっており, 補題 2 に反する. し. hinge グラフが, 剛な真部分グラフを持つ場合, その誘導部. たがって, 二重辺を縮約することにより, 多重辺は生じな. 分グラフには次数 2 の頂点が 3 個以上存在する.. い.. 証明. 2. 0. G[V ] の次数が 2 の頂点が k 個あるとき, 次数が. 3 以上の頂点は |V 0 | − k 個存在することとなる. このとき 頂点数と辺の関係は, すべての頂点次数が 3 以上なので,. 主張 3. G00 において G0 を縮約した頂点を s としたとき,. s に隣接する頂点が 3 つ以上ある場合は, s を端点にもつす べての多重辺を縮約した場合にも, 次数 2 の頂点が生じる. 2k + 3(|V 0 | − k) ≤ 2|E|. (10). (7)(10) より,. ことはない. 証明. 頂点 s に隣接する頂点が l 個存在するとし, 各頂. 点を v1 . . . vl とする. そこで二重辺が存在する場合につい て考える. s, vl 間に二重辺があると仮定しても一般性は失 わない. このとき. 2(D − 1)k + 3(D − 1)(|V 0 | − k) ≤ 2(D − 1)|E|. |δ(vl )| ≥ 3. ≤ 2D(|V 0 | − 1) + 2(D − 1) k ≥ (D−3)|V 0 |/(D−1)+2/(D−1) ⓒ 2013 Information Processing Society of Japan. (11). (12). が成り立っている (図 8).. 5.
(6) Vol.2013-AL-144 No.13 2013/5/17. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. δ( vl ). v. vl. G' P1. a. s. b. P2 v1 vl-1. v2. 図 10. 図 8 頂点 s0 に隣接する点. G0 がサイクルグラフである場合. v. G' a. b c. d v'. 図 9. G0 の頂点数が D + 1 以上の場合 (D = 6). 図 11. s, vl 間の二重辺を縮約してできる頂点を s0 とすると,. G00 において G0 を縮約した頂点に隣接する頂点が, 2 つの 場合. のパスが存在する (図 10). このとき, G0 は点数最小の極小剛な真部分グラフであるこ. 0. |δ(s )| ≥ l − 1 + |δ(vl )| − 2. (13). とから,. が成り立つ. よって (12) より δ(s0 ) ≥ l である. ここで s に接続する多重辺を縮約して出来る頂点を s∗ とすると,. |P1 | + |P2 | ≤ |P1 | + 2. (14). |δ(s∗ )| ≥ l であるので, 以上より l ≥ 3 のとき, すべての多. |P1 | + |P2 | ≤ |P2 | + 2. (15). 重辺を縮約した場合にも, 次数 2 の頂点が生じることはな い.. 2. 補題 4 より, G0 は長さ D 以下のサイクルグラフである場 合か, 頂点数が D + 1 以上の連続する (d − 1) 個の次数 2 の 頂点をもつグラフの場合のいずれかである.. Case 1. G0 の頂点数が D + 1 以上の場合.. が成り立つ. なぜなら, そうでなければ P1 ∪ {va, vb} また は P2 ∪ {va, vb} のサイクルグラフが, G0 より点数が小さい ので, G0 の最小性に反する. よって |P1 | ≤ 2, |P2 | ≤ 2 であ るので, 以下の場合について考える.. Subcase 2A. |P1 | = 1, |P2 | = 1 のとき. このとき G0 を縮約してできるグラフを G00 とする. G0 が. 多重グラフとなり G が単純グラフであることに反する.. 極小であることと, 剛な真部分グラフをもたないことから,. Subcase 2B. |P1 | = 2, |P2 | = 1 のとき. 0. 0. (11) より (D + 1) 以上なので, G は G \ G との間に (D − 1). このとき G0 は長さ 3 のサイクルグラフであるが, G0 ∪ v で. 本以上の辺をもつ. G0 と G \ G0 を結ぶ辺が G \ G0 側に共. 誘導されるグラフは明らかに冗長であり, G が極小剛であ. 00. 有点をもたない場合, G に次数 2 の頂点が生じることはな い. 以下では G0 と G \ G0 を結ぶ辺が共有点をもつ場合を 考える. 主張 2 より, 二重辺を縮約して再び二重辺ができ る場合はないので, 縮約していくことにより次数 2 の頂点 が生じることはない.. ることに反する.. Subcase 2C. |P1 | = 2, |P2 | = 2 のとき P1 , P2 に含まれる頂点をそれぞれ c, d とし, x ∈ V 0 と G\G0 をつなぐ辺の集合を Ex とする. 主張 3 より, G00 において. G0 を縮約した頂点に隣接する頂点が, 2 つ以下の場合を考. Case 2. G0 が長さ D 以下のサイクルグラフである場合.. える.. G0 と G \ G0 の間の 3 辺が 1 つの頂点 v ∈ G \ G0 を共有す. 1 つの場合は冗長な辺が存在することとなる.. る場合は, そのうちの 1 辺が冗長であるので G が極小剛で. 2 つの場合, δ(V 0 ) ≥ 4 より, e ∈ Ec と e0 ∈ Ed が共有点. あることに反する. そこで, G0 と G \ G0 をつなぐ 2 辺が 1. v 0 ∈ G \ G0 をもつ場合 (図 11) のみである.. つの頂点 v ∈ G \ G0 を共有する場合を考える. そのような. このとき, v, a, c, v 0 , d, b を頂点とする六角形グラフが存在. 2 辺を va, vb とする.. し, 辺 ad, bc は冗長であるので, G が極小であることに反. このとき, 補題 1 より, 剛な body-hinge グラフは 2 辺連結 0. であることから, 頂点 a, b ∈ G の間には辺素な辺列 P1 , P2 ⓒ 2013 Information Processing Society of Japan. する. 以上のことから, 縮約した後の頂点が次数 2 とはならない. 6.
(7) Vol.2013-AL-144 No.13 2013/5/17. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. ことがわかった. したがって縮約してできるグラフもま. v. G. た, すべての頂点の次数が 3 以上の単純グラフである極小. a. すべての頂点の次数が 3 以上の単純グラフである極小剛な. body-hinge グラフであるという, 仮定に反する.. P. 定理 3. 定義した 4 つの操作により, 任意の単純グラフ. である極小剛な body-hinge グラフを生成することが可能 である. 証明. 帰納法を用いて示す. n ≥ 4 である頂点数 n − 1 以. 下の任意の極小剛な body-hinge グラフは, 三角形グラフを 初期グラフとし, 4 つの操作の操作列により生成可能であ ると仮定する. 頂点数 n の任意の極小剛な body-hinge グ ラフ G = (V, E) が与えられたとき, 4 つの操作の逆操作に よって, 頂点数が n − 1 または n − 2 の極小剛な body-hinge グラフを生成できることを示す. ここで G の辺集合 E が 2 つの空でない部分集合 E1 , E2 に 分割され, E1 , E2 を辺集合とする G の辺誘導部分グラフを, それぞれ G[E1 ], G[E2 ] とする. 以下では G[E1 ] と G[E2 ] が ちょうど 1 点 v だけで共有するとき, v を G の切断点 (cut. point) と呼ぶ. 極小剛な body-hinge グラフ G が切断点をもち, 切断点に より分割してできるグラフのうち, 少なくとも 1 つが三角 形グラフのときには, 操作 4 の逆操作を行うことで, 頂点数 が 2 小さい極小剛な body-hinge グラフとなる. 以下では, 操作 4 の逆操作を行うことができない場合を考. b. P. (a). (b). 図 12. 2. a. b. e. e P. 以上より単純グラフである極小剛な body-hinge グラフに は, 次数 2 の頂点が少なくとも 1 つ存在する.. a. b. 剛な body-hinge グラフであり, G が頂点数の最も少ない,. G'(=G ab v /e). G ab v. (c). 操作 1, 操作 2 の逆操作. 行ったグラフを Gab v とする. このとき, 辺 ab が冗長な辺で ある場合は, 辺 ab を取り除くこととする. この操作は, 操 作 3 の逆操作 (vertex 2-addition) を行うことに相当する. ここで, グラフ G = (V, E) に対して操作 3 の逆操作を行っ てできるグラフ G0 が極小であることを示す. G0 が冗長で あると仮定する. このとき, 操作 3 の逆操作を行う G の次 数 2 の頂点を v, v に隣接する頂点を a, b とする. G0 が冗 長であるとき, G に冗長な辺が存在することとなり, G が 極小であることに反する. すなわち, 頂点数が 1 少ない極小剛な body-hinge グラフと なり, 帰納法の仮定を満たす. そこで, 辺 ab 以外の辺 e ∈ E \ {av, bv} が冗長な辺である 場合について考える. 以下では頂点分割 P = {V1 , V2 , . . . , Vm } において, v, a, b の含まれ方について 4 つの場合に場合分けして考える.. Subcase 2A. v, a, b ∈ V1 のとき. P より v からなる頂点集合を除いた頂点分割を P 0 とする とき, P と P 0 の関係は. える. さらに操作 1 の逆操作, 操作 2 の逆操作, 操作 3 の逆 操作の順に各操作が行えない場合を考えていき, いずれか の操作が可能であることを示す. 以下では剛な真部分グラフをもたない場合ともつ場合の, 2 つの場合にわけて考える.. |P 0 | = |P|. (16). |δG0 (P 0 )| = |δG (P)| − 1. (17). Subcase 2B. v ∈ V1 , a, b ∈ V2 のとき.. Case 1. 剛な真部分グラフをもたない場合.. P より v からなる頂点集合を除いた頂点分割を P 0 とする. 補題 6 より次数 2 の頂点が少なくとも 1 つ存在するので,. とき, P と P 0 の関係は. この場合には操作 1 の逆操作 (splitting off) を行う. この とき, 補題 5 より, 極小剛な body-hinge グラフとなり, 頂. |P 0 | = |P| − 1. (18). |δG0 (P )| = |δG (P)| − 3. (19). 点数が G より 1 小さいグラフ G0 を得ることができ, 帰納 法の仮定をみたす.. Case 2. 剛な真部分グラフをもつ場合. はじめに操作 1 の逆操作 (splitting off) を行うことを考え る. このとき, 剛ではあるが極小性は保証されていない. 極 小のときには, 頂点数が G より 1 小さいグラフ G0 を得る ことができ, 帰納法の仮定をみたす.. 0. Subcase 2C. v, a ∈ V1 , b ∈ V1 のとき. P より v からなる頂点集合を除いた頂点分割を P 0 とする とき, P と P 0 の関係は. そこで, 操作 1 の逆操作によって冗長となる場合を考える. グラフ G より頂点 v(及び v に接続する辺) を取り除き, 新. |P 0 | = |P|. (20). たな辺 ab を追加したグラフ, すなわち操作 1 の逆操作を. |δG0 (P 0 )| = |δG (P)| − 1. (21). ⓒ 2013 Information Processing Society of Japan. 7.
(8) Vol.2013-AL-144 No.13 2013/5/17. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report G. v. (D − 1)(|δG0 (P 0 )| + 2) = D(|P 0 | + 1) − 2. G'. a. a. b. (D − 1)|δG0 (P 0 )| = D(|P 0 | − 1). b. (30). e. となり, δG0 (P 0 ) を (D − 1) 重化した辺のすべてが全域木 に使用されている状況であり, 操作 2 を行う際の条件と一 P. 致する. すなわち, 極小剛な body-hinge グラフ G に対し. P. ‚⁓‛. ‚⁔‛. 図 13. て, 操作 2 の逆操作をすることで頂点数が 1 小さい極小剛. 操作 2 の逆操作. な body-hinge グラフとなり, 帰納法の仮定を満たす. 以上より, 頂点数 n の任意の極小剛な body-hinge グラフ. Subcase 2D. v ∈ V1 , a ∈ V2 , b ∈ V3 のとき. それぞれ異なる頂点の部分集合に含まれ, かつ頂点 v は単. G = (V, E) が与えられたとき, 4 つの操作の逆操作によっ. 独である G の頂点分割 P をとるような場合.. て, 頂点数が n − 1 または n − 2 の極小剛な body-hinge グ. ここで. Gab v. ラフを生成可能である.. 2. 以上の議論から, 逆探索法を用いて 1 個あたり多項式時. 0. \ e を G とする.. G は剛な body-hinge グラフであることから, 定理 1 より任. 間の列挙アルゴリズムを作ることが可能である. 単純グ. 意の頂点分割 P に対して. ラフである極小剛な body-hinge グラフについて議論を. (D − 1)|δG (P)| ≥ D(|P| − 1). 行ったが, 多重グラフを許した場合にも同様な議論を行. (22). うことが可能である. その場合, 必要となる操作は, 操作. 4(triangle-addition) を除く, 3 つの操作で十分である.. が成り立つ. 極小であることから, 辺 e を除くと剛ではなくなるので,. e ∈ δG (P) を満たすある頂点分割 P に対して, 定理 1 より. 謝辞 多項式時間での計算可能性について,九州大学の神 山直之准教授にご教示頂いたことを深謝する.. 以下の不等式が成り立つ. 参考文献. (D − 1)|δG\e (P)| < D(|P| − 1). [1]. (D − 1)(|δG (P)| − 1) < D(|P| − 1) (D − 1)|δG (P)| < D|P| − 1. [2]. (23). 一方, P より v からなる頂点集合を除いた頂点分割を P 0 と. [3]. するとき, P と P 0 の関係は. |P 0 | = |P| − 1. (24). |δG0 (P )| = |δG (P)| − 2. (25). 0. 0 Gab v は剛であり, さらに辺 e は冗長な辺であるので, G も. [4] [5]. また剛な body-hinge グラフであることから定理 1 より,. (D − 1)|δG0 (P 0 )| ≥ D(|P 0 | − 1). (26). (24)(25)(26) より. (D − 1)|δG (P)| ≥ D|P| − 2. [7]. (27). (23)(27) を満たす整数の組 (|P|, |δG (P)|) は. (D − 1)|δG (P)| = D|P| − 2. [8]. [9]. (28). ここで,. |δG0 (P 0 )| = |δG (P)| − 2. [6]. [10]. N.Katoh, S.Tanigawa: A Proof of the Molecular Conjecture. Discrete Comput Geom, 45, pp.647-700, 2011. G.Laman: On graphs and rigidity of plane skeltal structures. Jounal of Engineering mathematics, 4(4), pp.331340, 1970. L.C.Lomeli, L.Moshe, W.Whiteley: Bases and circuits for 2-rigidity: Constructions via tree partitions. Technical Report, York Univercity, http://www.math.yorku.ca/Who/Faculty/Whiteley /menu.html Nash-Williams, C.: Edge-disjoint spanning trees of finite graphs. J. Lond. Math. Soc. 1(1), 445-450, 1961. A.Schrijver: Combinatorial Optimization: Polyhedra and Efficiency. Springer,Berlin, Volume B, p.881, Corollary 51.3b, 2003. S.Tanigawa: 構造物の組合せ剛性:計数条件とグラフ分割. Proceedings of the Twenty-Second RAMP Symposium, pp.31-48, 2010. T.Tay: Linking (n − 2)-dimentional panels in n-space II:(n − 2, 2)-frameworks and body and hinge structures. Graphs and Combinatrics, 5(1), pp.245-273, 1989. Tutte, W.T.: On the problem of decomposing a graph into n connected factors. J. Lond. Math. Soc.36, 221-230, 1961. W.Whiteley: The union of matroids and the rigidity of frameworks. SIAM Journal on Discrete Mathematics, 1(2), pp.237-255, 1988. W.Whiteley: Some matroids from discrete applied geometry. Contemporary Mathematics, vol.197, pp.171-311, 1996.. (29). とすると (24)(28)(29) より. ⓒ 2013 Information Processing Society of Japan. 8.
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