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小学校国語科教科書におけるメディア-リテラシー・カリキュラムの研究

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Academic year: 2021

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- 219 - 小学校国語科教科書におけるメディアーリテラシー・カリキュラムの研究 教科・領域教育専攻 言語系コース(国語) 森 下 慶 子

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研究の目的と方法 現行学習指導要領においては、図表やグラフ などを読んだり用いたりすることが示されては いるものの、メディア・リテラシーの育成を段階 的にどう行うかという点については明示的に規 定されておらず、国語科で身に付けられるメデ ィア-リテラシーは明らかでない。国語科教科書 にも同様の問題がある。メディア・リテラシーが 子どもの発達に合わせてどのように形成されて いくのか明確でなければ、国語科でメディア・ リテラシーの育成を意識した授業を作ることは 難しい。このような問題意識のもと、本研究で は国語科教科書においてメディア・リテラシー の育成を図るカリキュラムを作ることを目的と する。 本研究は、以下の手順によって行う。 ① 先行研究をもとにメディア・リテラシーの 枠組みの整理を行い、本研究におけるメディ ア・リテラシーの定義を措定する。 ② 先行研究におけるメディア・リテラシーの 構成要素の内容を検討し、整理し直す。 ③ 先行研究におけるメディアーリテラシーの 関連教材分類基準をもとに、本研究における 抽出基準を設定し、本研究で取り扱うメディ ア・リテラシー関連教材を抽出する。 ④ メディア・リテラシー関連教材における最 終教材を決め、メディア・リテラシ一再構成要 素に照らし合わせて小学校段階におけるメデ 指 導 教 員 幾 田 伸 司 ィア-リテラシーの到達点を設定する。 ⑤ 設定したメディア・リテラシーを柱として、 小学校上学年のメディア・リテラシ一関連教 材で何がどのように培われていくのか学習目 標として設定し、カリキュラム化する。 ⑥ 作成したメディア・リテラシーの育成を図 るカリキュラムについて考察する。 2 論文の構成 1.研究の目的と方法 2.メディア・リテラシーの枠組みの措定と要 素の検討 3.小学校国語教科書におけるメディア・リテ ラシー関連教材の検討 4.小学校国語科教科書で培われるメディア酬 リテラシーの検討 5.小学校国語科教科書におけるメディア・ リテラシー・カリキュラムの考察 6.研究のまとめと今後の課題 3 論文の概要 f2.メディア・リテラシーの枠組みの措定と 要素の検討」においては、まず、先行研究にお いて、メディアーリテラシーを培う観点からと、 国語科でメディア・リテラシーを培う観点から のメディア-リテラシーの枠組みを比較・検討し、 本研究におけるメディア・リテラシーを「メディ ア勺テラシーとは、言語メディアに限らず、非 言語メディアも含めて、メディア読み取ったり、

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- 220 - - 219 - メディアを用いて表現したりすることのできる 力である。」と定義づけた。また、メディア・リ テラシーとは具体的に何ができる力か捉えるた めに、先行研究における構成要素をもとにして、 本研究におけるメディア・リテラシーの定義に あった内容へと再構成した。その結果、メディ ア・リテラシーは「理解する・読む」領域と「表 現する」領域に分かれた。「理解する・読むJ領 域では、

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理解できるJ

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.読解・解釈・ 鑑賞できるJ

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4. 批判的に読めるJの3要素、 「表現するJ領域では、

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考えを表現できるJ

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対話できる・コミュニケーションがとれ る」の2要素で再構成できた。

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小学校国語教科書におけるメディア・ リテラシ一関連教材の検討Jでは、先行研究に おけるメディア・リテラシーの分類基準をもと に、本研究におけるメディア圃リテラシーの定義 に合った基準を加え、「抽出基準」としてメディ ア・リテラシ一関連教材を抽出した。その結果、 第4学年では47教材中 16教材、第5学年では 44教材中 16教材、第6学年では44教材中 16 教材がメディア・リテラシ一関連教材として抽 出できた。

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小学校国語科教科書で培われるメディ ア-リテラシーの検討」では、関連教材の中から、 「理解する・読む」領域と「表現する

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領域の それぞれから、最終教材を設定した。「理解す る・読む」領域は「森へj、「表現する」領域で は「ょうこそ、わたしたちの町へ」を最終教材 とした。これらの教材の学習内容から、メディ アーリテラシーを培う活動を捉え、学習目標を設 定していった。「森へ」では

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理解できる

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読解・解釈・鑑賞できる」の下位項目で ある、 2b(表現の理解)、 3a(内容把握)3b (意 図を捉える)3c (評価する)で設定できた。「よ うこそ、わたしたちの町へjでは、

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考えを 表現できる」の下位項目である 5a(特性の理 解・表現の工夫)で設定できた。ここで設定し た学習目標を柱として、最終教材以外のメディ ア・リテラシ一関連教材を検討し、学習目標を設 定して、カリキュラムを作成した。

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小学校国語科教科書におけるメディア・ リテラシー・カリキュラムの考察Jでは、「理解 する・読む」領域と「表現する」領域のそれぞ れの領域において、カリキュラムの考察を行っ た。その結果、「理解する・読むJ領域では、 2b (表現の理解)、 3a(内容把握)は、 3学年 とも同程度に年間を通して獲得したり、培った りしていく一方で、 3b(意図を捉える)、 3c(評 価する)の力は、学年が上がるにつれて培われ る教材が増加していった。非言語メディアを読 むとしづ基本的なことから、読んだことを応用 して意図を捉えたり、評価したりするといった 活動へと発展して学習を展開していく必要があ ることを指摘した。「表現するj領域では、学年 を問わず、全ての教材において、 5a(特性の理 解・表現の工夫)で表現内容の特性を理解して 表現するという同様の流れがあることが分かつ た。しかし、その達成のされ方は少しずつ異な り、表現する内容で伝えられることの捉え方や、 非言語メディアの用い方などが、教材によって 発展させたり多様化したりして学習を展開して いく必要があることを指摘した。 4 今後の課題 今後の課題は以下の通りである。 ① 下学年のメディアーリテラシーについて検 討する。 ② メディア・リテラシー関連教材以外の教材 との関わりを検討する。 ③ 実践での生かし方を検討する。

参照

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