• 検索結果がありません。

水道事業の将来予測と経営改革

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "水道事業の将来予測と経営改革"

Copied!
34
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

水道事業の将来予測と経営改革

2017年4月26日

(2)

著作権(C)Development Bank of Japan Inc. 2017 当資料は、株式会社日本政策投資銀行(DBJ)により作成されたものです。 当資料は、貴社及び当行間で検討/議論を行うことを目的に貴社限りの資料として作成されたものであり、特定の取引等を勧誘するものではなく、当行がその提案 内容の実現性を保証するものではありません。 当資料に記載された内容は、現時点において一般に認識されている経済・社会等の情勢および当行が合理的と判断した一定の前提に基づき作成されております が、当行はその正確性・確実性を保証するものではありません。また、ここに記載されている内容は、経営環境の変化等の事由により、予告なしに変更される可能 性があります。 当資料のご利用並びに取り組みの最終決定に際しましては、貴社ご自身のご判断でなされますよう、また必要な場合には顧問弁護士、顧問会計士などにご相談の 上でお取り扱い下さいますようお願い致します。 当行の承諾なしに、本資料(添付資料を含む)の全部または一部を引用または複製することを禁じます。

(3)

ご説明内容

1. DBJのご紹介

2. 水道事業の現状と経営課題

3. 水道事業の将来推計

4. 広域化について

5. 官民連携(PPP)について

6. 英仏水道事業との比較

7. 水道事業の経営再構築に向けて ~香川県の事例~

(4)

title

(5)

プロフィール

設立

2008年 (平成20年)10月1日(旧日本開発銀行 1951年(昭和26年)設立)

(旧北海道東北開発公庫 1956年(昭和31年)設立)

(旧日本政策投資銀行 1999年(平成11年)設立)

代表取締役社長

柳 正憲

職員数

1,187名(2016年3月末)

資本金

1兆4億24百万円(全額政府出資)

本店所在地

〒100-8178 東京都千代田区大手町一丁目9番6号

URL

http://www.dbj.jp/

支店・事務所等

支店10ヵ所、事務所8ヵ所、海外駐在員事務所1ヵ所、海外現地法人3ヵ所

総資産額

15兆8,089億円(2016年3月末)

貸出金残高

13兆1,193億円(2016年3月末)

総自己資本比率

16.85%(バーゼルⅢベース、国際統一基準) (2016年3月末)

発行体格付

A1 (Moody's)、A(S&P)、AA (R&I)、AAA (JCR)

(6)

DBJの企業理念

金融力の礎となるDBJ のコア・コンピタンス(固有の特性)

<志>

DBJの共有する価値観=DNAである「長期性」「中立性」「パブリック

マインド」「信頼性」を核とした基本姿勢

 金融力の礎となるのが、これまでの信頼を支えてきた「社会価値を実現する」と いう姿勢です。短期の利益にとらわれず、長期的かつ中立的な視点を持つこと を全役職員の志の中心に置いて、新たなビジネスへの革新と挑戦を続けてい きます。

<知的資産>

DBJが培ってきた経験・ノウハウから生まれる産業調査力、審査力、

金融技術力、

R&D(研究開発)力などの知的資産

 定評のある調査力と先見性に基づく審査能力は「金融力」の要です。高度な金 融上の手法に加え、投資と融資を一体的に行うことにより、お客様の多様な ニーズに応えるサービスを提供していきます。

<ネットワーク>

DBJが築いてきたお客様、地方自治体、金融機関などとのリレー

ションシップに基づくネットワーク

 「志」「知的資産」を支える産業界や地方自治体、金融機関などとの連携もDBJ の強みです。金融プラットフォームとしての機能を発揮し、より幅広い多様な活 動を展開していきます。 

DBJは、「金融力で未来をデザインする銀行」を目指すという企業理念を掲げております。この金融力の礎となるのが、

私どもの持つコア・コンピタンス、すなわち、<志><知的資産><ネットワーク>です。

企業理念

金融力で未来をデザインします

私たちは創造的金融活動による課題解決でお客様の

信頼を築き、豊かな未来を、ともに実現していきます。

ステークホルダーへの

コミットメント

• お客様、社会、

投資家の皆様、従業員

行動基準

• カスタマーファースト

• プロフェッショナル

• グローバル&ローカル

• スピード&チームワーク

コア・コンピタンス

(固有の特性)

ネットワーク

知的資産

(7)

組織図

株主総会

経営会議

事務所 : 函館、釧路、青森、富山、松江、岡山、松山、大分 海外駐在員事務所 : ニューヨーク 海外現地法人: DBJ Singapore Limited, DBJ Europe Limited, 政投銀投資諮詢(北京)有限公司

アドバイザリー・ ボード 特定投資業務 モニタリング・ボード 法 務 ・ コ ン プ ラ イ ア ン ス 部 秘 書 室 人 事 部 経 営 企 画 部 情 報 企 画 部 管 理 部 財 務 部 国 際 統 括 部 北 陸 支 店 東 海 支 店 関 西 支 店 東 北 支 店 新 潟 支 店 中 国 支 店 四 国 支 店 九 州 支 店 企 業 戦 略 部 産 業 調 査 部 設 備 投 資 研 究 所 北 海 道 支 店 ア セ ッ ト フ ァ イ ナ ン ス 部 スト ラ ク チ ャ ー ド フ ァ イ ナ ンス部 シ ン ジ ケ ー シ ョ ン ・ ク レ ジ ッ ト 業 務 部 監 査 部 南 九 州 支 店 経 理 部 都 市 開 発 部 企 業 金 融 第 1 部 企 業 金 融 第 2 部 業 務 企 画 部 金 融 法 人 部 企 業 金 融 第 3 部 企 業 金 融 第 4 部 企 業 金 融 第 5 部 企 業 金 融 第 6 部 地 域 企 画 部 リ ス ク 統 括 部 環 境 ・ C S R 部 企 業 投 資 部 企 業 フ ァ イ ナ ン ス 部 広 報 ・ C S R 室 経 済 調 査 室 東 北 復 興 ・ 成 長 サ ポ ー ト 室 ヘ ル ス ケ ア 室 経 営 会 計 研 究 室 熊本地震復興支 援室 資 金 業 務 管 理 室 ソ リ ュ ーシ ョ ン 企画 室 監査役室 業務監査 委員会 取締役会 投資本部 審 査 部 監査役/監査役会

会社情報

(8)

会社情報

本支店・事務所・海外事務所等

本店

• 支店(10カ所)

• 事務所(8カ所)

• 海外駐在員事務所(1カ所)

• 海外現地法人(3カ所)

DBJ Europe Limited

ニューヨーク駐在員事務所

政投銀投資諮詢(北京)有限公司

(支社:上海分公司)

DBJ Singapore Limited

本店

北海道支店

東北支店

新潟支店

北陸支店

東海支店

関西支店

中国支店

四国支店

九州支店

南九州支店

函館事務所

釧路事務所

青森事務所

富山事務所

松江事務所

岡山事務所

松山事務所

大分事務所

(9)

連結決算ハイライト

会社情報

2014/3期

(2013年4月1日~ 2014年3月31日)

2015/3期

(2014年4月1日~ 2015年3月31日)

2016/3期

(2015年4月1日~ 2016年3月31日)

経常収益

3,616

3,390

3,586

経常利益

1,657

1,530

1,851

特別損益

2

6

15

親会社株主に帰属する当期純利益

1,243

927

1,289

総資産

163,107

163,606

159,071

貸出金

138,384

132,613

129,525

有価証券

16,375

18,879

18,030

負債

136,829

136,133

130,229

借用金

91,826

85,982

78,921

債券および社債

42,374

45,693

47,279

純資産

26,277

27,472

28,842

資本金

12,069

12,069

10,004

総自己資本比率(バーゼルⅢベース、国際統一基準)

15.83%

16.80%

17.87%

銀行法基準リスク管理債権比率

0.99%

0.77%

0.64%

自己資本利益率(ROE)

4.83%

3.47%

4.60%

総資産利益率(ROA)

0.76%

0.57%

0.80%

(単位:億円) (注) ROE、ROA: 当期純利益ベース。

(10)

危機対応業務の仕組み

危機(内外金融秩序の混乱、大規模な災害、テロリズム、感染症等)による被害に対処するために必要な資金(特定資金)を、政府の指

定を受けた民間金融機関(指定金融機関)が、㈱日本政策金融公庫からの信用供与(①ツーステップローン、②損害担保、③利子補給)

を受け、迅速かつ円滑に供給するもの

危機対応業務スキーム

・「危機対応円滑化業務実施方針」の策定・公表

・指定金融機関と「協定書」を締結のうえ、リスク補完等を実施

(株)日本政策金融公庫

・申請する民間金融機関のうち一定の基準を満たすもの

・公庫からのリスク補完等を受けて、危機対応業務を実施

・当行は設立時に指定を受けたものとみなされる

指定金融機関(主務大臣による指定)

お客様

出資、資金の貸付、利子補給金交付

特定資金の貸付等

DBJ

㈱商工中金

民間金融機関

政府(主務大臣:財務大臣、経済産業大臣、農林水産大臣)

危機の

認定

協定

(11)

融資部門

投資部門

コンサルティング/アドバイザリー部門

中長期融資やプロジェクトファイナンスなどの

仕組み金融および劣後融資の提供

中長期融資 シンジケート・ローン

ABL(Asset Based Lending:資産担保融資) DIPファイナンス プロジェクトファイナンス/ ストラクチャードファイナンス 私募債等 アセットファイナンス(不動産) メザニンファイナンス

メザニンファイナンスやエクイティなどの

リスクマネーの供給

エクイティ LBO/MBO メザニンファイナンス

仕組み金融のアレンジャー、M&Aのアドバイザー、

産業調査機能や環境・技術評価等のノウハウの提供

M&Aアドバイザリーサービス 技術事業化支援センター 大手町イノベーション・ハブ(iHub) 女性起業サポートセンター

投融資一体型の

金融サービス

サービスのご案内

(12)

title

(13)

日本の水道事業者の特徴

1.特徴

原則

→ 全国1,348事業者(2014年度末。法適用企業)

市町村経営の原則

全国

1,348事業者

2014年度末。法適用企業)

地方公営企業原則

→ 独立採算を前提とした特別会計(地方公営企業)で経営

総括原価主義

→ 水道料金は事業者毎にコスト見合いで決定

2.長所

① 高い普及率

→ 97.8%(2014年度末)

② 低い漏水率

→ 8%弱(2014年度末)

(14)

水道事業者の経営課題(①人口の減少、水使用量の減少)

出典:総務省「地方公営企業年鑑」よりDBJ作成)

わが国の

給水人口は、既に減少

局面にある。

(人口全体:2008年度に1億2,929万人でピーク、 給水人口:2010年度に1億2,494万人でピーク)

1人あたりの水使用量も減少している。

図表 給水人口、

1日の1人あたり水使用量の推移

325 323 320 318 313 309 311 304 304 303 298 12,383 12,409 12,437 12,463 12,482 12,493 12,494 12,477 12,459 12,448 12,443 280 285 290 295 300 305 310 315 320 325 330 12,320 12,340 12,360 12,380 12,400 12,420 12,440 12,460 12,480 12,500 12,520 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 (ℓ) (万人) 1人あたり水使用量(右目盛) 給水人口(左目盛)

(15)

水道事業者の経営課題(②設備の老朽化、耐震化の問題)

水道設備の老朽化により、2013年度の水道投資額(約1兆円)に対し、2046年度~2050年度は維持・

更新に係る投資額のみで1兆4,143億円に達すると試算されている(厚生労働省)。

管路の更新率は、年間0.76%にとどまり、

全ての管路を更新するのに約130年

かかる(図表1)。

基幹管路の耐震化適合率は、36.0%(約1/3)にとどまる(図表2)。

図表

1 管路の更新率の推移

図表

2 基幹管路の耐震化適合率

33.5 34.8 36.0 0 10 20 30 40 50 H24 H25 H26 耐 震 適 合 率 ・ %

出典:東京大学 滝澤 智先生) 1.54 1.39 1.26 1.16 1 0.97 0.94 0.88 0.87 0.79 0.77 0.77 0.79 0.76 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 ○H26年度の管路更新率0.76%から 単純に計算すると、 全ての管路を更新するのに約130年かかると想定さ れる。 % 大規模な漏水事故 東日本大震災における継手離脱

(16)

水道事業者の経営課題(③職員の高齢化)

出典:日本水道協会「水道統計」よりDBJ作成)

技術系職員を年齢別に見ると、

50歳以上の職員が4割近く

を占めるのに対し、20歳代の職員数は

1割程度に過ぎない。

人員不足及び技術の承継が問題となっている。

図表 年齢別技術系職員(

2014年度)

3%

8%

8%

15%

16%

13%

12%

20%

7%

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

5,000

-25

25-30 30-35 35-40 40-45 45-50 50-55 55-60

60-50歳以上の職員

39%を占める

20歳台の職員

11%に過ぎない

(17)

(単位:億円、年)

2011年度

2012年度

2013年度

2014年度

有利子負債合計(A)

87,761

84,218

80,333

78,821

料金収入

27,060

27,065

26,927

26,520

経常損益

2,231

2,408

2,542

3,652

減価償却費

8,653

8,652

8,744

9,970

キャッシュフロー(B)

10,388

10,602

10,840

10,627

A/B

8.4

7.9

7.4

7.4

(注)キャッシュフローは経常利益+減価償却費。但し補助金や戻入金調整済。

水道事業者の経営課題(④有利子負債の水準)

出典:総務省「地方公営企業年鑑」よりDBJ作成)

• 有利子負債(地方公営企業債など)は料金収入の3倍近くに達する。

• 今後の膨大な維持更新投資

や耐震化投資を考えると、楽観視できる水準にない。

図表 有利子負債の水準

料金収入の

約3倍

の有利子負債

(18)

水道事業者の経営課題(⑤料金格差)

出典:総務省「地方公営企業年鑑」よりDBJ作成)

最も料金の低い兵庫県赤穂市から最も高い群馬県長野原町まで

10倍近くの料金格差

がある。

事業者間の料金格差は水道広域化の障壁となっている。

図表 水道の料金格差 (2015年4月現在)

水道料金の高い自治体 (単位:円)

水道料金の低い自治体 (単位:円)

1位 群馬県長野原町

3,510

1位 兵庫県赤穂市

367

2位 北海道羅臼町

3,360

2位 静岡県小山町

384

3位 熊本県上天草市

3,132

3位 山梨県富士河口湖町

455

4位 福島県伊達市

3,078

4位 静岡県沼津市

460

5位 北海道増毛町

3,060

5位 東京都昭島市

518

6位 北海道夕張市

3,041

5位 山梨県忍野村

540

7位 北海道西空知広域

3,034

7位 静岡県長泉町

560

8位 青森県中泊町

2,991

8位 兵庫県高砂市

572

9位 北海道江差町

2,974

8位 三重県東員町

572

10位 宮城県涌谷町

2,940

10位 和歌山県白浜町

580

※ 10㎥あたりの水道料金(口径13mm)

(19)

給水人口別 損益状況

出典:総務省「地方公営企業年鑑」よりDBJ作成)

人口規模別に見ると、水道事業からの損益(給水損益)は概ね

給水人口5万人を割ると赤字

(原価

割れ)となり、

赤字を一般会計負担金等で補填

する状況にある。

人口減少で収支が悪化した事業者は、値上げにより経営を維持する傾向にある。

(→参考:2012年度までの5年間で、人口5%以上減少した事業者の5割以上が値上げを実施)

図表 給水人口別 損益状況 (平成

25年度。平均値)

金額 比率(%) 金額 比率(%) 金額 比率(%) 金額 比率(%) 金額 比率(%) 6,027 100.0 1,668 100.0 747 100.0 385 100.0 155 100.0 5,735 95.2 1,591 95.4 718 96.1 370 96.1 151 97.4 5,787 96.0 1,612 96.7 753 100.8 387 100.6 170 109.6 5,711 94.8 1,596 95.7 747 100.0 384 99.8 170 109.4 24

0.4

△ 5

△ 0.3

△ 29

△ 3.9

△ 14

△ 3.7

△ 19

△ 11.9

278 4.6 74 4.5 58 7.8 29 7.5 25 16.3 57

0.9

29

1.7

38

5.1

20

5.3

19

12.3

518 8.6 130 7.8 52 6.9 27 6.9 10 6.7 489 8.1 123 7.4 42 5.7 24 6.4 3 1.9 経常損益 純損益 給水損益 営業外収益 他会計補助金・負担金 損 益 計 算 書 営業収益 給水収益 経常費用 給水費用 18,630 6,671 317,887 84,742 38,757 310 197 395 233

給水人口(人)

124 給水人口5~15万人 給水人口3~5万人 給水人口1~3万人 給水人口1万人未満 事業者数 給水人口規模 給水人口15万人以上

(20)

title

(21)

水道事業の将来推計(全国末端集計)

出典:DBJレポート「水道事業の将来予測と経営改革」)

図表 水道料金の推移予測 (全国末端集計)

172 172 175 191 210 232 256 281 9.1% 20.0% 32.3% 46.0% 63.4% 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 100 120 140 160 180 200 220 240 260 280 300 供給単価 値上げ率(2015年度比) (左軸) 西暦 円/㎥

6割以上の

料金値上げ

継続的かつ段階的な

値上げの実施

7年後から

値上げを開始

(右軸)

1億1,998万人

1億1,011万人

(16年比▲8%)

9,542万人

(16年比▲20%)

2016年

2031年

2046年

(給水人口推計値)

円/㎥ 円/㎥ 円/㎥

値上げの時期は

事業者により異なる

値上げ幅は

事業者により異なる

(22)

水道事業の将来推計(全国末端集計)

出典:DBJレポート「水道事業の将来予測と経営改革」)

図表 水道事業のキャッシュフロー、有利子負債残高予測 (全国末端集計)

122,601 0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 140,000 ▲15,000 ▲10,000 ▲5,000 0 5,000 10,000 15,000 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46

現在の1.9倍以上の

有利子負債残高(2035)

2036より

有利子負債減少

設備投資金額(左目盛)

減価償却費(左目盛)

財務キャッシュフロー(左目盛)

一般会計出資金等(左目盛)

有利子負債(右目盛)

億円 億円 西暦20○○年

有利子負債の水準は

事業者により異なる

2046~

減価償却費がピークに

(23)

title

(24)

水道広域化の現状

図表

1 広域化の実施件数

図表

2 広域化の進まない理由(事業者アンケート)

(出典:DBJ2015年調査)

事業統合をする際想定される問題

回答数

割合

料金格差

274 79.7%

財政状況の格差

193 56.1%

水道使用者・議会の理解

186 54.1%

施設整備水準の格差

170 49.4%

職員の処遇

97 28.2%

合計

344

厚生労働省は、「水道ビジョン(2004年)」、「新水道ビジョン(2013年)」において、幅広い水道広域化の

推進を図っている。しかし、事業者間の料金格差等を要因として、

水道広域化の件数はまだ少ない

(2013年現在、28件に留まる)。

広域化により中長期的に経営基盤が強化され、将来の水道料金値上げ幅を最小限に留めつつ、

安全・強靱な水道の持続が可能となることから、今後多様な広域化を早期に推進することが重要。

出典:厚生労働省2013年調査等を元にDBJ作成) 実施済 検討中 ※件数は2013年厚生労働省都道府県アンケート調査

合計

28件 24件

- -3件 10件 件数 主な事例 18件 20件 1件 群馬東部水道企業団 岩手中部水道企業団 (株)水みらい広島 北九州市 荒尾市・大牟田市

事業統合

管理の一体化

施設の共同化

(浄水場、水質試験センター、

緊急時連絡管 等)

従来までの 水道広域化 「水道ビジョン」以後の 水道広域化

(25)

水道広域化の代表的事例

(出典:DBJ作成)

下記の事例では、民間事業者活用等も通じ、限られた職員数で経営改善を実現。

民間事業者の活用(官民連携)がもう1つのポイント

岩手中部水道企業団 群馬東部水道企業団

(株)水みらい広島

北九州市

((株)北九州ウォー

ターサービス)

荒尾市・大牟田市

北上市など 太田市など 北九州市、 荒尾市 2市1町1企業団 3市5町 宗像地区事務組合 大牟田市 事業統合 事業統合 (垂直統合) (水平統合) 料金の統一 統合時に統一 統合後の協議事項 - - - 備 考 統合後に施設の統廃合 の再検討を実施 ※平成29年4月に 設立予定 呉市、江田島市 が一部業務を委託 第三者委託、 事務の代替執行の活用 県境を越えた広域化 平成26年4月 平成28年4月 平成24年9月 抜本的見直し 浄水場管理の 一部委託等 広島県 (35%出資) 管理の一体化 施設の統廃合 民間事業者の活用 抜本的見直し - 官民出資会社※ 包括的委託 官民出資会社(当社) による業務の一体化 事業者名 広域化事業者 広域化の形態 時期 特徴 管理の一体化ほか 平成28年4月設立 - 官民出資会社が 水道事業を受託 設備の共同化 平成24年4月 共同浄水場の整備 設計・施工・運営を 一括委託

(26)

title

(27)

水道事業における官民連携手法

図表 水道事業 民間事業者の活用手法

出典:厚生労働省2013年調査等を元にDBJ作成)

水道事業の効果的・効率的経営のためには、広域化に加えて民間ノウハウ・資金の活用が重要。

政府が推進する「コンセッション方式」の活用

等により、

官民の適切な役割分担・リスク分担

の下で、

民間が裁量をもって料金収受や資金調達、中長期的な投資マネジメントを実施することも重要。

従来型業務委託

第三者委託

設計・施工・管

理・一括委託

PFI事業

コンセッション方

民間事業者の関与

水道事業に係る業務の

一部を委託するもの

で、基本的には仕様発

注による。近年では性

能発注も見られる。

水道事業における水道

管理に係る技術業務を

一括して委託するもの。

施設の設計、建設、修

繕等の業務について民

間事業者のノウハウを

活用して包括的に実施

するもの。

公共施設等の設計、建

設、維持管理、修繕等

の業務について、民間

事業者の資金とノウハ

ウを活用して包括的に

実施するもの。

水道資産を自治体が所

有し、自治体と民間事

業者が公共施設等運

営権実施契約を締結す

ることで、民間事業者

が水道運営権を獲得す

る方法。

(28)

title

(29)

地方公共団体(コミューン[全国で約36,000存在する])が供給責任を有する。

2013年時点で、上水道の

約65%が民間委託

委託先は

上位3社で寡占

状態のため、

民間ベースで事実上広域化

が実現。

パリ市等で再公営化の動きがあるが、実態は「公社化」(=出資者の交代)。

フランスにおける水道事業

Veolia 34% Suez 19%

Saur

12%

その他民間事 業者 1% 公営 34%

上水道事業のシェア(2013年)

民間委託の合計:66%

出典:各社HPを基にDBJ作成、Veolia/Suezは2015FY、Saurは2011FY)

図表 フランスにおける水道事業の委託シェア

図表 フランス水道事業 民間上位3社の概要

総資産

売上高

Veolia

1853

年にリヨン市にて設立。フラン

ス国内初の民間水道事業会社。

世界的水メジャーの1社

4.6

兆円

3.2

兆円

Suez

1858

年設立。現在は水・廃棄物

処理事業を行う、同じく水メジャー

の1社

3.5

兆円

1.9

兆円

Saur

1933

年設立。水・廃棄物処理事

業やインフラ関連事業を行う

1,750

億円 1,769億円

(30)

英国の水道事業は、1973年に

地域独占の10公社に広域化

された後、1989年に

民営化

公社化以降、自治体関与は基本的になく、

日本の電力・ガスに近い

イメージ。

民営化以降、

公的な規制・モニタリング機関であるOfwat

が、サービス水準のモニタリングや料金の

規制を実施。この仕組みへの内外の評価は高く、外資含む民間投資も進展。

(出典:内閣府・DBJ・JERI作成)

図表 英国における水道の歴史

図表 英国における水道事業の枠組み

英国における水道事業

(31)

EU環境規制対応や修繕・更新対応の結果、

フランス・英国においては水道料金は上昇

(フランスの水道料金:1994年比約1.7倍(2012年時点)、英国の水道料金:1989年比約1.4倍(2011年時点))

一方、

日本の水道料金はこの間横ばい

が続いており、今後の更新対応等をふまえると値上げは不可避。

フランス及び英国における料金推移

(1994年を100として指数化、2010年以降は推計値) (1990年を100として指数化) 100 108 115120 124124 126 127 132 134 138 141 146 151 153 158 100 107 114 117 119 121 122 125 127 127129 133 137 144 148 151 100 102 104 105 106 107 108 110 113 115 118 120 122 124 128 128 130 133 136 90 110 130 150 170 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 公営 民間 消費者物価指数 100 104 106 106 100 98 90 110 130 150 170 1990 1995 2000 2005 2010 2014 水道料金 消費者物価指数

図表 フランスの水道料金

図表 日本の水道料金

図表 英国の水道料金

出典:(公社)日本水道協会(2014)「平成26年度国際研修『イギリス水道事業研修』研 修報告」)、BIPE “Public water supply and sanitation services in France”)

(32)

title

(33)

香川県 ~ 2018年4月に県内一水道に事業統合 ~

出典:香川県作成資料)

図表 香川県 水道事業の概要

香川県は2008年より広域化の検討を重ね、2018年4月に企業団方式で県内一水道(岡山県から用水供給を

受けている直島町を除く)に事業統合する予定。

国内で県内一水道を実現した都道府県はなく、

日本の水道行政において画期的な試み

検討に当たっては、現状のまま水道事業が継続した場合と、水道事業が統合した場合各々に関し、各市町

村毎に30年間の長期シミュレーションを繰り返し実施しした。

図表 香川県 県内一水道

【経緯】 • 乏しい水資源による渇水の頻発化や、香川県用水が県内各市町の共通水源として 約48%を供給している一方、各市町も自己水源を維持する必要があった。 【年表】 2008 県水同局及び市町担当者による水道広域化勉強会 2009 トップ会談において広域化の検討必要性の認識共有 2010 香川県水道広域化専門委員会の設置 2011 委員会から知事へ「県内水道のあるべき姿」を提言 2012 香川県水道広域化協議会設置 2013 協議会「広域化基本方針等の中間取りまとめ」 2014 香川県広域水道事業体検討協議会の設置 2015 協議会「基本的事項の取りまとめ」 2016 香川県広域水道事業体設立準備協議会設置(県と14市町) 2017 協議会へ新たに2市が加入 【特徴】  各市町に企業団の「出張所」を置いて業務を分掌 → 一定期間経過後、県下5ブロックに ◆平成39年度までの10年間を事業者間の格差是正期間と位置づけ、事業者毎に区分 経理を行う中で、公平性を確保するために料金収入の50%の内部留保資金を確保 → 10年後を目途に水道料金を統一。その際、需用者の最も多い高松市の料金体系 を軸に検討する。 →事業者間の格差をいかに是正していくかについては特に議論を重ね検討した。

(34)

ご参考

① 「わが国水道事業者の現状と課題」(2015年8月)

② 「フランス・英国の水道分野における官民連携制度と事

例の最新動向について」(2016年8月)

③ 「水道事業の将来予測と経営改革」(2017年4月)

DBJ 水道事業に関するレポート

参照

関連したドキュメント

提供事業者 道路・インフラ 事業者等 ・・・.. MaaSサービス提供事業者 MaaS関連データを活用した

交通事故死者数の推移

鉄筋まで 15mm ※3 以下 鉄筋まで. 15mm

はじめに ~作成の目的・経緯~

 方針

○○でございます。私どもはもともと工場協会という形で活動していたのですけれども、要

  憔業者意識 ・経営の低迷 ・経営改善対策.

6  の事例等は注目される。即ち, No.6