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グローバル・リーダー育成のためのシティズンシップ教育の方法に関する研究―日本のSGHの実践に着目して―

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2021

岡山大学教師教育開発センター紀要 第11号 別冊 Reprinted from Bulletin of Center for Teacher Education

グローバル・リーダー育成のためのシティズンシップ教育

の方法に関する研究

―日本のSGHの実践に着目して―

高 雨 桑原 敏典

A Study on Methods of Citizenship Education for Developing Global Leaders -Focusing on the Practices of SGH in

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グローバル・リーダー育成のためのシティズンシップ教育

の方法に関する研究

―日本の SGH の実践に着目して―

高 雨※1 桑原 敏典※2 本研究は,グローバル・リーダー育成のためのシティズンシップ教育の方法を,具体的な 教 育 実 践 の 分 析 を 通 し て 明 ら か に し よ う と す る も の で あ る 。 参 考 に す る の は , 日 本 に お い てスーパーグローバルハイスクール(以下,SGH と表す)の指定を受けて教育改革に取り組 んでいる高等学校である。近年,日本の高等学校では教育改革が急速に進み,各学校が独自 の教育課程を作り,新しい教育方法にチャレンジしている。一方,教育においても,リーダ ー シ ッ プ 育 成 論 が 注 目 さ れ て お り , そ れ は 一 部 の 人 を 対 象 と す る も の で は な く , 社 会 で 活 動する市民に必要な資質として認知されるようになりつつある。本研究では,SGH に取り組 む 学 校 が , 国 際 的 に 活 躍 で き る グ ロ ー バ ル ・ リ ー ダ ー の 育 成 に い か に 取 り 組 ん で い る か を 分析し,シティズンシップ教育の新たな原理を解明したい。 キーワード:リーダーシップ,グローバル・リーダー,シティズンシップ教育,グローバル 教育,SGH ※1 岡山大学大学院教育学研究科院生 ※2 岡山大学大学院教育学研究科 Ⅰ 問題の所在 本稿の目的は,グローバル社会で活躍することができるリーダーシップを身 に付けた市民を育成することを目指して,シティズンシップ教育の新たな方法 を解明しようとするものである。 日本の文部科学省は,グローバル・リーダーの育成を目指して,2014 年に SGH を創設した。SGH が目指すグローバル・リーダーとは,国際社会において活躍 できる人材であり,語学力だけではなく,社会問題に対する関心と深い教養, コミュニケーション能力,問題解決力等の国際的素養を身に付けていることが 期待されている1 )。このようにグローバル・リーダーの育成が,国の政策とし て強力に推進されるようになった背景には,教育研究におけるリーダーシップ 育成論への注目が高まっていることが考えられる。その教育論に基づいて,い くつかの大学や高等学校が,リーダーシップ育成を教育目標として掲げるカリ キュラムを作り始めている。リーダーシップ育成は,教育政策の目標としてだ けではなく,学術研究や教育実践でも注目されているのである。

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リーダーシップ育成論の中でも,本研究は日向野幹也の論に注目した。早稲 田大学にてリーダーシップ教育の研究と実践に取り組んでいる日向野は,リー ダーシップを,特定の人に求められる資質とは考えていない。日向野は,この 点について以下のように述べている。 (日向野の主張するリーダーシップは,)あるグループにおいて,一握り の 人 が そ の 他 大 勢 を 引 っ 張 っ て い く 形 で の リ ー ダ ー シ ッ プ で は あ り ま せ ん。そこに参加する全員がそれぞれの役割においてまわりに働きかけ,そ れが人を動かし,その積み重ねの中で結果的にグループとして何らかの成 果を得る,という意味でのリーダーシップです2 ) 日向野の論をふまえるならば,リーダーシップは,特定の役職や地位について いる一部の人にだけ期待される資質ではなく,誰もが,社会を構成する全ての 人が他者とともに何らかの共同作業を行う際に必要とする資質である。このよ うに考えると,リーダーシップは,現代社会においてシティズンシップを構成 する重要な要素の一つであると言えるだろう。しかしながら,管見の限りでは あるが,リーダーシップに注目してシティズンシップ教育のあり方を検討した 研究は未だ見られない。SGH が継続的に実施され,グローバル・リーダーの育 成が高等学校の教育目標として広く認知されるようになってきている現状を踏 まえると,シティズンシップ教育研究をリーダーシップ育成に注目して進める ことが必要ではなかろうか。 また,SGH 等のグローバル・リーダーの育成を,これまでのシティズンシッ プ教育研究の成果を踏まえて検討することも必要である。SGH の実践は積み重 ねられてきているものの,実践が先行し,学術的な研究が十分に追いついてい ないのが現状ではないか。特にグローバル・リーダーの育成ということに関し て言えば,多人種・多民族が共生する国際社会において活躍するリーダーには, グローバル社会でその力を発揮するために,異なる考え方や価値観に基づく意 見を調整したり,それらをふまえて集団や組織をまとめたりするための資質が 必要である。このような資質の育成については,これまでのシティズンシップ 教育研究(市民性教育研究)から,有益な示唆を得ることができよう。本研究 は,グローバル・リーダー育成を目指した SGH の実践を,シティズンシップ教 育の視点から捉え直し,社会の構成員育成として意義付けることも視野に入れ たものである。 本研究は,以上のような問題意識に基づいて,まずはシティズンシップ教育 とグローバル・リーダー育成論の接点を見出し,そのうえで,リーダーシップ 育成論の検討を行う。それらの検討をふまえて実践の分析枠組みを設定し,SGH の実践分析を行う。 Ⅱ グローバル社会におけるシティズンシップ教育研究 社会のグローバル化を背景に,シティズンシップ教育を捉得た研究の代表的 なものとしては,池野範男が『教育学研究』に発表した論文を挙げることがで きる3 )。池野は,シティズンシップ教育を構成員教育と捉えている。そのうえ

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で,現代に求められているシティズンシップ教育は,公共空間を形成する人を 作り出すことを目標にしていると主張している。公共空間を形成するうえで重 要なことは,他者への寛容であると池野は述べている。グローバル社会におい ては,常に同じような考えや価値観を持つ人と一緒にいるとは限らない。池野 は,ハーバーマスの論に基づいて,「異質な他者を尊重し共存を受け入れ,他者 との利害対立,拮抗をも覚悟し,他者との差異を受容し寛容になることが必要」 4 )と述べている。そして,そのためには,「社会の中において,自己と他者を感 じ意識する,とくにアイデンティティを形成するとともに,自己の中において 他者を意識し,自己のアイデンティティが複合的であることを理解し,複アイ デンティティを形成していること,また再形成すること」5 )が必要と述べてい る。池野が主張するグローバル社会におけるシティズンシップのあり方は,異 質な他者との共生のあり方の考察をふまえたもので,グローバル・リーダー育 成について考察するうえで大いに示唆を与えてくれるものである。 また,国際理解教育の観点から,SGH の実践を検討した論文として,石森広 美のものを挙げることができる6 )。石森は,SGH を中等教育段階におけるグロ ーバル人材養成の具体的な事例として分析をした。石森は,SGH 分析の成果に ついて次のように述べている。 国際理解教育の目標群を構成する共感的理解,異文化尊重や協調の精神, 多様な他者への配慮や共生の姿勢,また問題解決に挑戦しようとする志や 行動への積極性が,諸活動によって徐々に涵養され,グローバル・シティ ズンが啓培されていく態様を示すことができた7 ) 石森は,国際理解教育の目標に通じるグローバル人材に求められる資質として 共感的理解,異文化尊重や協調の精神,多様な他者への配慮や共生の姿勢は, 池野がシティズンシップ育成に必要としている「自己と他者を感じ意識する」 ことに通じるものである。石森の SGH に対する評価は,SGH の実践がグローバ ル社会のシティズンシップ教育と同じものを目指していることを示している。 鎌田公寿,藤井大亮,菊地かおり,羽田野真帆による論文「高校教育におけ る「グローバル人材」育成の特質─スーパーグローバルハイスクール(SGH)構 想調書の分析を通して─」も,SGH の実践を対象とし,その特質や意義を解明 しようとした論文として注目される8 )。鎌田らは,SGH 事業のグローバル人材 を政策文書から明らかにするとともに,そこから明らかになったグローバル人 材の定義に基づいて SGH 構想調書を分析し,考察をしている。鎌田らは,構想 調書を分析する枠組みとして,公募の際に設定された課題から3つの類型を設 定した。それは,「普遍的価値志向型」,「問題解決志向型」,「ビジネス発信型」 である。3つの類型の意味を整理すると下記のようになる9 ) 「普遍的価値志向型」:国家という単位を前提としつつも,人類全体が共有すべ き普遍的な価値の実現に向けて,異なる考え方や価値観を持つ人々と共に生き るための態度を持つ 「問題解決志向型」:複数の国家にまたがって生じる課題の解決を目指す 「ビジネス発信型」:地域(および日本国内)を拠点に,グローバルに展開する

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企業に学びながら,現状と課題を認識し,その発展をグローバルな規模で実現 するための戦略を考案することをめざす 鎌田らは,構想調書を分析し,SGH の取り組みを3つに類型したうえで,想定 される社会課題の範囲と,想定される活躍の場についてローカルとグローバル のいずれを念頭においているかを明らかにしている。分析の結果,類型ごとに パターンが明確に固定されているわけではないが,数には違いがあり,例えば, 普遍的価値志向型では,範囲と場の両方についてグローバルを目指す学校が最 も多かった。また,問題解決志向型では,範囲がグローバルで,場がローカル というパターンが,ビジネス発信型では,範囲がローカルで,場がグローバル というものが多かったということである10)。以上の分析をふまえて,鎌田らは, 次の三点を考察の結果として述べている。第一は,学校現場はビジネス発信よ りも,問題解決を志向していたということである。第二は,学校が地域の文脈 を期待以上に大切にしているということ,そして,第三は,学校が,日本人と してのアイデンティティを重視していたということである。鎌田らの分析は調 構想調書の分析によるものであり,実践を分析したものではないが,SGH を教 育現場がどのように受け止めているかを理解するうえで,貴重な示唆を与えて くれる。構想段階ではあるが,グローバル人材の育成という理念の下でも,教 育現場は地域や日本の文脈を重視していたと考えられる。本研究では,SGH の 実践すべてについて資料を収集し分析したわけではないので,全体的な傾向を 断定的に述べることはできないが,分析対象として取り上げた実践校は,グロ ーバルな文脈を重視しながら,ローカルとそれをつなげようとしており,SGH の 中でも注目すべき学校の一つであると言えるかもしれない。また,SGH につい ては,取り組むべき課題が実践の多様性を促す鍵となっていること,多様な実 践に共通する目的はシティズンシップ教育に通じているということも言える。 池野の研究からは,シティズンシップ教育はグローバル社会を背景に捉える 必要があることが明らかになった。その点から考えると,SGH の取り組みは, グローバルに展開するシティズンシップ教育を志向したものと言えるだろう。 石森,そして,鎌田らの SGH の研究からもそのことは裏付けられた。 Ⅲ リーダーシップ育成論の展開 1 リーダーシップの定義 リ ー ダ ー シ ッ プ の 定 義 は , 研 究 者 に よ っ て 多 様 で あ る 。 Yukl に よ る と , Hemphill と Coorts は 1967 年にリーダーシップを,「グループの活動を共有さ れた目標に向ける行動」と定義した11)。さらに,House は 1999 年にリーダーシ ップを,「他者が,組織の有効性や成功に貢献するように影響を及ぼし,動機付 ける能力」と12)。また,Northhouse は,リーダーシップの定義の変遷をレビュ ーしている13)。1990 年頃の「リーダーシップ」の定義は,「支配するためにコ ントロールや権力の集中化が強調される」というものであった。それに対して, 21 世紀になると,「リーダーシップ」の定義について,「共通の目標達成に向け, リーダーがメンバーに影響を及ぼすプロセスに焦点が当てられるようになる」

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と述べられている14) このように,リーダーシップの定義は研究者によって異なり,それは時代や 社会の状況を反映していると言えるだろう。しかし,Northhouse によると,「影 響」「グループ内」「共通の目標」「プロセス」の 4 つの要素は,時代や社会を越 えて共通しているということである15) 本論文では,早稲田大学教授であり,リーダーシップ育成研究の第一人者で ある日向野幹也が指摘しているリーダーシップの定義に基づいて,考察を進め ていきたい。具体的には,日向野の論をふまえて,リーダーシップを「何らか の成果を生み出すために,他者に影響を与えることである」16)と定義する。こ の定義は,従来型の組織や集団の中で特定の地位に与えられる権限に基づくリ ーダーシップにも,新しく主張されているそのような権限に基づかないリーダ ーシップにも通用するものである。いずれにしても,リーダーシップの意味に おいて不可欠であるのは,組織や集団の中で共通の目標を達成するために自ら 他者を鼓舞し導いていく能力であると言える。以上をふまえると,リーダーシ ップには,「成果」と「他者への影響」の二つの要素が不可欠であると言える。 2 リーダーシップと権限 従来,組織や集団内のリーダーが,その中で唯一リーダーシップを発揮でき る人と考えられてきた。そのため,一般に若者が持っているリーダーシップに 対するイメージは,「権限や役職にあるリーダーが,カリスマ性を生かし,責任 感を持って,周りを引っ張ったり,まとめたりする」というものであった 17) 組織や集団の中の権限に基づくリーダーシップでは,リーダーだけに支配力・ 権威・権限が高まるように考えられている。今,このような権限を与えられた 人のみが発揮できる資質・能力を中心としたリーダーシップ論から,誰もがリ ーダーがなることができる,学習可能な資質・能力を基本としたリーダーシッ プ論へ移行している。例えば,ビジネス書などにおいても,「一人の権威的なリ ーダーだけが組織を引っ張るのではなく,多様なリーダーが生まれ,これまで にないリーダーシップの形が出現した」18)と述べられている。「権限」とは, 「ある範囲のことを正当に行うことができるものとして与えられている能力」 である。重要なのは,「正当」と「与えられている」ということである。実際に, 「何らかの成果を生み出すために,他者に影響を与える」ということは簡単で はない。人は簡単に他人のために行動するものではない。そのため,「何らかの 成果」が必要になる。そして,その成果を達成するために,メンバーが指示や 命令に従うことを正当化する根拠が必要である。そこで,権限が必要になる。 権限があれば,周りに命令を出し,リーダーの意思に沿った行動をさせ,成果 を生み出すことが可能となる。これが従来のリーダーシップ論であった。 しかし,世界中で社会の変化のスピードは,以前にもまして速くなっている。 このような時代において,組織や集団が目標を達成するためには,そのような 変化に素早く対応することが不可欠である。このような状況では,従来のよう に一人のリーダーがグループや集団を統率するシステムでは対応できない。効

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率が重視される競争社会となった今日,リーダーシップを取り巻く環境は大き く変わっているのである。今の社会が求めているリーダーシップは,「権限のあ る人」のみが発揮できるものではなく,「権限の有無にかかわらず,参加する全 員」19)が発揮できるものでなければならないのである。 3 リーダーシップ教育が求められる背景 2節で述べたように,リーダーシップの定義は,現在,大きく変わってきて おり,それは多様化し,「オーセンティック・リーダーシップ」,「サーバンド・ リーダーシップ」,「シェアド・リーダーシップ」等新たなリーダーシップ論が 登場している。そして,組織や集団の中で特定の人に与えられる権限に基づく ものではなく,グループ全員が状況に応じて発揮するべきスキルと捉えられる ようになった。そのため,リーダーシップ教育は,ビジネスリーダーを輩出す るためのエリート育成教育ではなく,市民性を育成する教育の一部になってい ると筆者は考えている。平成 29,30 年改訂の学習指導要領は,現代を「社会構 造や雇用環境が大きく,また急速に変化しており,予測が困難な時代となって いる」とし,その変化の一つして「進化した人工知能(AI)」の登場を挙げてい る。Society5.0 とも呼ばれる新たな時代の到来は,私たちの社会や生活を大き く変えていくと言われている。そのような中で,人々は様々な判断を全て人工 知能(AI)に委ねるようになるのであろうか。そうではない。学習指導要領で は,学校教育の役割について,下記のように述べている。 このような時代にあって,学校教育には,子供たちが様々な変化に積極 的に向き合い,他者と協働して課題を解決していくことや,様々な情報を 見極め,知識の概念的な理解を実現し,情報を再構成するなどして新たな 価値につなげていくこと,複雑な状況変化の中で目的を再構築することが できるようにすることが求められている20) この主張をふまえるならば,社会を構成する市民には,それが人であれ,人 工知能(AI)であれ,誰かの指示を待ち,それに素直に従うのではなく,組織 や集団全体のことを考えて自ら判断し,他者を導いていくことが求められるの ではないか。現代において再定義されたリーダーシップの育成は,この意味に おいて,今,求められている市民性教育,シティズンシップ教育のねらいに合 致していると言えるだろう。 4 グローバル・リーダーが求められる背景 近年,学習指導要領が改訂の度に重視していることが,グローバル化が進展 する社会への対応である。そのため,例えば,今回の学習指導要領の改訂に先 立って示された中央教育審議会の答申では,社会科系の教科の課題について, 「知識や思考力等を基盤として社会の在り方や人間としての生き方について選 択・判断する力,自国の動向とグローバルな動向を横断的・相互的に捉えて現 代的な諸課題を歴史的に考察する力,持続可能な社会づくりの観点から地球規 模の諸課題や地域課題を解決しようとする態度」の育成などがあると述べてい

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る。このようにグローバルな社会における課題解決は,未来の社会を担う子供 たちに期待されている重要な資質と位置付けられている。リーダーシップ育成 とともに,グローバル人材の育成は,一部のエリートを育てるためのものでは なく,全ての子供に期待されているものなのである。もちろん,経済界からの エリート育成への期待が込められていることも否定はできないが,グローバル 化は,国際社会だけではなく,地域社会においても進展しており,グローバル 人材としての資質はあらゆる市民に期待されていると考えられる。 本研究では,グローバル・リーダー育成を全ての子供に必要な教育と捉え, 特に,中等教育においてそれをいかに実現するかという点から検討を進める。 5 グローバル・リーダー育成の枠組み まず,上記のような社会的かつ教育的な背景のもとに,日向野が主張するリ ーダーシップの定義を参考しながら,グローバル・リーダーシップの定義を究 明したい。そこで,グローバル・リーダーシップは「異なる社会的歴史的背景 を持つために異なる言語や価値観を持つメンバー全員が,何らかの成果を生み 出すために,他者に影響を与える」というように定義する。その上で,舘野の 主張をふまえて,グローバル・リーダーシップ教育を「効果的なグローバル・ リーダーシップを発揮するために,個人の能力・資質・行動の向上を目指すこ と」のように定義する。さらに,舘野のリーダーシップ教育の枠組みを参考し ながら,日向野の「リーダーシップの3要素」を再検討し,グローバル・リー ダーシップ教育の枠組みを図1のように構想した。 グローバル・リーダーシップ教育の枠組みでは,国際的な視点を持つととも に,異なる言語や文化や価値観を持ってグローバル・リーダーシップを発揮す ることになる。そのため,リーダーシップ教育とは異なる効果が期待できる。 まず,「リーダーシップの基礎理解」については,自分とグローバル・リーダー シップは関係があり,グローバル・リーダーシップは全ての人が持つべき資質・ 能力であることを捉えさせる。「倫理性・市民性」は,手段を選ばず自分自身の 利益だけを追求する姿勢ではなく,世界の進展に貢献できる姿勢を意味する。 このような姿勢が,効果的なグローバル・リーダーシップを発揮するために重 要である。「自己理解」は,自分の性格や能力に適しているものを判断・選択す ることである。自分がどのような生き方をしたいのかを考えさせる。「専門知 識・スキル」については,グローバル・リーダーシップを発揮する領域におけ る専門知識や,論理思考力等のことを指す。実践の中で学ぶことで,知識の重 要性を理解し,使える「知識・スキル」を身につける可能性が高まる。また, 集団活動の中で,必要とする協調性や国際的なコミュニケーション能力等の資 質・能力をも高めることが期待される。 次に,グローバル・リーダーシップ行動を促進するための,「目標共有」,「率 先垂範」,「同僚支援」,「振り返り」という 4 つのステップを具体的に説明して いきたい。 まず,「目標共有」とは「異なる社会的歴史的背景を持つために異なる考え方

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図 1 グローバル・リーダーシップ教育の枠組み 21) や価値観を持つメンバー全員が,共有できる目標を設定する」ことである。そ こで,効果的にグローバル・リーダーシップを発揮する環境を作る。つまり, グローバル・リーダーシップの発揮が必要となる場面を構築するということで ある。具体的には,「挑戦を伴う課題困難課題」や「新たな課題」のことを指す。 それらの課題は,一人で乗り越えることが難しく,必ず周りの人たちの協力す る必要がある。しかし,「難しい課題」だけを設定すればよいわけではない。グ ローバル・リーダーシップを発揮する環境づくりをするうえでは「目標」と「実 力」のバランスを取ることが重要である。その理由は,難しすぎる課題は挑戦 を諦めさせてしまい,簡単な課題は退屈させてしまう可能性が高いからである。 一方,グループの目標と個人の目標の間のへだたりも考えるべきである。この 段階で,グループメンバー内でよくコミュニケーションをとる必要がある。 次に,グローバル・リーダーシップを発揮する環境を作り出したうえで,ど のようにグローバル・リーダーシップを向上させるべきかを考えなければなら ない。具体的には,「率先垂範」とは,メンバー全員の考え方や価値観の違いを 受け入れて,その違いを越えて,自分から動き,他者の模範となり,合意を作 ることである。グループ内で,グローバル・リーダーシップ行動の中でもわか りやすく,まず自分から一歩踏み出すという点で,最初に意識したい行動であ る。しかし,主体的に先に何かをする態度を身につけさせる際には,自分に適 さないグローバル・リーダーシップに基づく行動を,無理に起こさないように 注意させるべきである。グローバル・リーダーシップを発揮するうえでは「自 分らしさ」を生かす必要がある。自分らしいグローバル・リーダーシップを探 究していくことが,必要である。 「同僚支援」とは,合意されたものに向けて,全てのメンバーそれぞれの違 いに応じた支援をすることである。そこで,他者の視点から,自分がどのよう

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にみられているかを知ることができる。自分のグローバル・リーダーシップの ポジティブな面と,ネガティブな面の両方を理解することができればよい。そ の行動によって,個人やチーム全体が動きやすくなるような環境を作ることが できる。自分だけの力だけではなく,周りの力を最大限に発揮できるような環 境を作る行動とも言える。 最後は,「振り返り」である。グループ内で共有した目標と実際の結果を照ら し合わせて考えてみることが必要とされる。そして,グループメンバーの違い を考えながら,グループ及び個人の強みと弱さを認識しなければならない。さ らに,結果をふまえて,改善点を見つけ,次の行動目標を見直すことが重要に なってくる。 グローバル・リーダーには,異なる社会的歴史的背景を持つメンバーによっ て構成される集団を取りまとめ,方向付けることが要求される。従来論じられ てきたリーダーシップでは,考え方や価値観をある程度共有できるメンバーか らなる集団の中で力を発揮することが前提とされていた。しかし,グローバル・ リーダーには,そのような考え方や価値観の共有がなされていない集団の中で の活躍が期待されているのである。このようなグローバル・リーダーとしての 資質を身に付けた市民を育てることが,グローバル・シティズンシップ教育で ある。 Ⅳ 高等学校におけるグローバル・リーダー育成事例―SGH の取り組み― 本章では,グローバル・リーダー育成の事例として,SGH に指定され,教育 改革に取り組んだ岡山学芸館高校の実践を紹介する。以下は,同校の報告書に 基づいて,整理した22) 1 SGH 指定の背景と目標 岡山学芸館高等学校は,平成 26 年度に SGH アソシエイト校に認定された後, 平成 27 年度には研究指定校として認定を受けた。平成9年よりタイ・カンボジ ア両国への継続的かつ直接的な貢献事業として,両国で活躍されている NGO や 学校と提携し,長期留学生の受け入れなどの教育支援を続けるとともに,毎年 12 月には当地の団体や学校を訪問し,交流を進めてきていた。岡山学芸館高等 学校は「清明・正直・誠実」という教育理念のもと,国際的な人に必要なマナ ーと教養,そして同校の教育理念の中心には「世界で活躍できる立派な日本人 を育成すること」を目指している。世界で活躍するには,まず,日本人として の自分を知ることが大切であり,正しい歴史観,世界観を身に付け,世界にお ける日本の立ち位置や世界の人々から期待されていることなどをしっかりと認 識する必要がある。そのうえで,日本人として何をなすべきか正しく判断し, 実行することが大切だ,ということを教育している23) 2 SGH プログラムの概要 岡山学芸館高等学校では,大学など組織から支援を受け,生徒のグローバル・

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リーダーシップを育んでいる。同校のテーマは,「開発途上国における貧困の悪 循環是正に高校生ができること」であり,岡山と東南アジアの開発途上国など をフィールドとした課題発見・解決型の探求学習を基盤にしている。グローバ ル化がさらに加速するこれからの多様な世界の中で,豊かな人間性・価値観と 学習や活動に基づいて主体的な実践者であることがグローバル・リーダーに求 められる。グローバル・リーダーシップの発揮することや新しい価値の創造だ けではなく,世界や社会の現状・実情を捉え課題の解決・是正が必要であり, その解決・是正を実現するために必要となる資質・能力が必要である。 そのような資質・能力を育てるために取り組ませる課題の 1 つが,世界に広 がる「格差」の問題であり,貧困や不平等などの形をとって現れている「格差」 の解決,是正こそグローバル・リーダーの責務の中でも重要ものの 1 つである と考えた。SGH 指定に伴うカリキュラムの変更により,学校設定科目「SGH 課題 研究」を設置し,その時間に開発途上国における貧困の悪循環に関する研究を 行っている。カンボジアの貧困悪循環是正のため,具体的な問題に着目させ, 実践のための計画をたてさせ研究を進め,その課題研究の成果の振り返りと目 標の再策定を行ったうえで,フォーラム開催などの方法を通して成果を広く社 会に普及させようとしている。 3 グローバル・リーダー像 岡山学芸館高等学校の目指すグローバル・リーダー像は,グローバル社会に 貢献できる人物である。この「グローバル社会に貢献できるリーダー」が必要 とする 5 つの資質・能力は,「グローバル・マインド」,「問題解決能力」,「交渉 型コミュニケーション能力」,「協調力」,「実践力」である。これらは,岡山学 芸館高等学校の生徒の現状から導き出されたものであるとされている。この現 状については,以下のように整理されている24) ・生徒の国際的な事象に関する知識は表面的なものにとどまっており,グロー バルな諸問題に対する理解度が十分ではなく,グローバル・マインドが必要 である ・問題探知のための批判力や問題解決に必要となる論理力が十分でなく,問題 に対して自ら解決策を効果的に提示することができないため,問題解決能力 が必要である。 ・利害の異なる者との英語を介した発信型コミュニケーション能力が十分でな く,英語などの多言語を必要とする場面で効果的に交渉を効果的に行うこと が困難である。そのため,交渉型コミュニケーション能力が必要である ・他者と目的を共有し,協力し目標を達成した経験が十分でなく,積極的に協 働して課題に取り組むことができないので,協調力が必要である ・世界を導き出すことや失敗を恐れたりすることで,答えのない課題や問題を 目前にし,目標達成のための計画を実行に移した経験が十分でなく,自発的・ 主体的な行動を積極的に起こすことができないので,実践力が必要である。 このような現状認識は,同校が行ったグローバル・リーダーに関する意識調

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査に基づいており,同校ではエビデンスに基づいたグローバル・リーダー育成 がなされているということがわかる。 4 実践の展開 高校1年生では,カンボジアとの連携活動を通して,お互いに文化や言語や 価値観の違いを越えて,一致する目標を持つことが可能であることを捉えさせ ている。そこで,「開発途上国における貧困の悪循環是正するために高校生が貢 献できること」というテーマを設定した。「貧困を解決するために必要なこと」 というテーマでグループ・プレゼンテーションをし,目標を立てさせている。 それを達成するために,グループ学習を通して,「貧困とその要因」をテーマに してカンボジアと日本における貧困問題の違いを勉強させている。その間に, ポートフォリオシートを使って,「学んだこと」,「反省点」,「今後の目標」,「そ の他(感想など)」の 4 つの面から,生徒の授業達成度を把握しようとしてい る。授業を受けた後,報告書に示された生徒の感想には「カンボジアの貧困は 私が想像していた以上に真剣な問題でした」,「私はカンボジアの貧困なんて日 本の国には関係ないかなっと考えていましたが,貧困はとても身近な問題であ ることを知りました」といったものがあり,共有するテーマに対して新たな認 識を得ることができていることが分かる。 高校2年生では,生徒自身が計画,立案,実践を行い,それらの活動を自己 評価していく。カンボジアをフィールドとし,フィールドワークでは,教育と 環境の両面から各種の現地調査を行って,ガンボジアの実際の状況を捉えたう えで,その問題解決に貢献する活動を計画する。平成 28 年度の 2 年次の報告書 に掲載されているフィールドワークレポートからは,現地調査を通して,生徒 が現地のリアルな現状を理解し,問題をより深く認識することができたことが 分かる。相手を支援する際には,相手のニーズをよく理解したうえで,相手の ニーズに合った支援を行うことが必要ということを理解している生徒の姿も見 られた。例えば,それは次のような感想に表れている。 「支援する側として,一方的に押し付けるような支援することはしてはならな いと思う。相手のニーズをよく考え,持続的にできる支援をすべきだと考える。 私たちがカンボジアを後にして日本に帰った時にもゴミ拾いをつつけてもらえ るように現地の人たちの意識改善を一番の目標に行った。…ゴミ拾いには,小 学生も村の大人の方々も積極的に参加してもらえた。ゴミを拾うことに抵抗が あるのではないかと考えていたので安心した。」 学芸館高等学校の実践では,振り返りを多様な方法で行っている。授業ポー トフォリオでは,アクティブラーニングの学習成果や習熟度の定性的評価・ア セスメントに必要となるエビデンスを重視している。その中では,「学んだこ と」,「反省点」,「今後の目標」,「その他」という 4 つの項目で,生徒が自由に 回答し,主体的にかつ能動的に学習内容の整理を行っている。 5 実践についての考察

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学芸館高等学校のプログラムは、開発途上国の問題解決に取り組む活動を通 して、1年生での共通の知識やスキルを身に付ける段階から、徐々に生徒一人 ひとりの興味・関心に沿った課題探究活動に移行し、それに伴って専門性を高 め、より効果的で実質的な問題解決を行うための資質・能力を身に付けさせる 構造になっている。その中で、外部機関と連携することによって、教員だけで は対応が難しい海外の研修をはじめとする活動の質を効果的に高めていた。ま た、具体的な指導の中では、生徒一人ひとりの個人的な活動と協働作業を効果 的に連動させながら、全体で問題を共有しながら一人ひとりの生徒の学習意欲 と自発性を高める工夫を行っていた。 学芸館高校におけるグローバル・リーダーシップ育成プログラムの特質を整 理すると,以下の4点にまとめられる。 ①全員参加のプログラムと,生徒の興味・関心に沿って枝分かれしていくプロ グラムをうまく組み合わせて,全体の質を徐々に高めている。しかし,その 一方で,生徒一人ひとりの能力や興味・関心に応じて学習の深まり具合が異 なっている ②3年間を見通した連続的・体系的なプログラムが展開しており,プログラム に設定された活動や体験が密接にかかわり合っている。 ③開発途上国の具体地と連携し,文化や言語や価値観の違いを越えて目標を設 定し,解決のための活動を考えさせていた。 ④授業のポートフォリオなどを活用して,効果的に振り返りを行い,学習に対 して生徒自身が能動的に取り組み,自らの成長を実感できるように工夫をし ていた。 これらの特質は,Ⅲ章で示したグローバル・リーダーシップ教育の枠組みに 完全に一致しているわけではないが,かなりの部分で一致していると言えるだ ろう。しかしながら,本研究の分析は,同校の報告書に掲載されている事実の みに基づくものであり,データの制約上十分な分析になっているとは言い難い という点は否定できない。 Ⅴ おわりに 本研究の成果として,下記の4点を挙げることができる。 ①近年のリーダーシップ育成論を踏まえて,グローバル・リーダーシップの定 義を示したこと。 ②同様に,グローバル・リーダーシップ育成の定義を示したこと。 ③グローバル・リーダーシップ育成の枠組みを構築し,図式化したこと。 ④上記の定義や枠組みにそって,SGH の実践について考察したこと。 今回の調査は,SGH の報告書の記載内容に基づいて事実を取り出し,分析を 行った。しかし,報告書に掲載される事実はある程度選択されたものであるこ とを踏まえると,実践の全体像を明らかにしたとは言い難い。また,分析も構 想した枠組みを十分に活用したものにはなっていない。今後は,分析の対象校 を増やすとともに,分析手法を見直し,取り上げた事例の本質を明らかにでき

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るようにしたい。 (本研究は,高雨と桑原が共同で企画し,実施した。そのうえで,論文全体を 高雨が執筆し,桑原が調整・修正を行った。) [注] 1 ) ス ー パ ー グ ロ ー バ ル ハ イ ス ク ー ル ウ ェ ブ サ イ ト 参 照 。 https://sgh.b-wwl.jp/ 最終閲覧(2021 年1月5日)。 2)日向野幹也『高校生からのリーダーシップ入門』ちくまプリマ―新書,2018 年,p.10. 3)池野範男「グローバル時代のシティズンシップ教育―問題点と可能性:民 主主義と公共の論理―」日本教育学会『教育学研究』81 巻2号,2014 年, pp.138-149. 4)同上,p.9. 5)同上,p.9. 6)石森広美「SGH における「グローバル人材」育成:国際理解教育の視点から (特集「グローバル人材」育成と国際理解教育)」日本国際理解教育学会『国 際理解教育』Vol.25,2019 年,pp.77-86. 7)同上,p.85. 8)鎌田公寿・藤井大亮・菊地かおり・羽田野真帆「高校教育における「グロ ーバル人材」育成の特質―スーパーグローバルハイスクール(SGH)構想調書 の分析を通して―」『筑波大学教育学系論集』第 42 巻第2号,2018 年,pp.73 -86. 9)同上,p.76. 10)同上,pp.77-79.

11 ) Yukl,Gary, Leadership in organization global edition, Person Education Limited,2013.

12 ) House,R.J., Hanges,P.J., Ruiz-Quinganilla,S.A., Dorfman,P.W., Javidan,M., Dickson,M. & Associates, Cultural Influences on leadership and organization: Project GLOBE., W.H.Mobley, M.J.Gressner &V.Arnold (eds.),Advances in global leadership, JAI Press, p.13. 13)Northhouse,P,G, Leadership: Theory and practice (Seventh ed.), Sage

Publications, 2016. 14)Ibid,p.6. 15))中原淳監修/舘野泰一・高橋俊之編著『リーダーシップ教育のフロンティ ア【研究編】高校生・大学生・社会人を成長させる「全員発揮のリーダーシ ップ」』北大路書房,2018 年,p.26. 16)日向野(2018),p.21. 17)中原淳監修/舘野泰一・高橋俊之編著(2018),p.59. 18)ハーバード・ビジネス・レビュー編集部編/翻訳『オーセンティック・リー ダーシップ』ダイヤモンド社,2019,p.4.

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19)日向野(2018),p.21. 20)文部科学省『小学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説 社会編』日本文 教出版,2018 年,p.1. 21)日向野(2018),pp.50-60.を参照したうえで,中原淳監修/舘野泰一・高橋 俊之編著(2018),p.58.の図を筆者が改変した。 22)下記の報告書を参考にした。 ・学校法人森教育学園岡山学芸館高等学校編『平成 27 年度指定 スーパーグロ ーバルハイスクール(SGH)研究開発実施報告書 第1年次(2015~2016)』 岡山学芸館高等学校(SGH 運用部),2016 年。 ・学校法人森教育学園岡山学芸館高等学校編『平成 27 年度指定 スーパーグロ ーバルハイスクール(SGH)研究開発実施報告書・第2年次』岡山学芸館高等 学校 SGH 運用部,2017 年。 ・学校法人森教育学園岡山学芸館高等学校編『平成 27 年度指定 スーパーグロ ーバルハイスクール(SGH)研究開発実施報告書・第3年次』岡山学芸館高等 学校 SGH 運用部,2018 年。 ・学校法人森教育学園岡山学芸館高等学校編『平成 27 年度指定 スーパーグロ ーバルハイスクール(SGH)研究開発実施報告書・第4年次』岡山学芸館高等 学校 SGH 運用部,2019 年。 ・学校法人森教育学園岡山学芸館高等学校編『平成 29 年度 SGH 課題研究成果 集』岡山学芸館高等学校,2018 年。 ・学校法人森教育学園岡山学芸館高等学校『平成 30 年度 SGH 課題研究成果集』 岡山学芸館高等学校,2019 年。 23)岡山学芸館高等学校(平成 28 年)『スーパーグローバルハイスクール(SGH) 研究開発実施報告書 第一年次(2015~2016) 平成 27 年度指定』,p.1. 24)同上,p.10.

A Study on Methods of Citizenship Education for Developing Global Leaders -Focusing on the Practices of SGH in Japan-

GAO Yu*1, KUWABARA Toshinori*2

This study aims to clarify the methods of citizenship education for the development of global leaders through the analysis of specific educational practices. The reference will be the high school in Japan that has been designated as a Super Global High School (hereinafter referred to as SGH) and is working on educational reform. In recent years, Japan's high schools have made rapid progress in educational reform, with each school creating its own curriculum and taking on the challenge of new educational methods. At the same time, the theory of leadership development has been attracting attention in education as well, and it is becoming recognized as a necessary quality for active citizens in society, not

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just for a select few. In this study, I would like to analyze how schools engaged in SGH are working to develop global leaders who can play an active role internationally, and to elucidate new principles of citizenship education.

Keywords: Leadership, Global leader, Citizenship education, Global education, SGH

*1 Graduate student, Graduate School of Education, Okayama University *2 Graduate School of Education, Okayama University

図 1 グローバル・リーダーシップ教育の枠組み 21) や価値観を持つメンバー全員が,共有できる目標を設定する」ことである。そ こで,効果的にグローバル・リーダーシップを発揮する環境を作る。つまり, グローバル・リーダーシップの発揮が必要となる場面を構築するということで ある。具体的には, 「挑戦を伴う課題困難課題」や「新たな課題」のことを指す。 それらの課題は,一人で乗り越えることが難しく,必ず周りの人たちの協力す る必要がある。しかし, 「難しい課題」だけを設定すればよいわけではない。グ ローバル・リー

参照

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