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エイズ教育におけるマルチメディア教材を用いた教育実践の基礎的研究

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Academic year: 2021

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エイズ教育におけるマルチメディア教材を用いた

教育実践の基礎的研究

國土 将平*・大塚美由紀経・竹安 修***・吉田祐一郎*纏

    三橋 和枝****・山岸 正明*,松本 健治*

AFundamental Study of AIDS Education using Mu]timedia Teaching Materials

KoKuDo Shohei, OTsuKA Miyuki, TAKEYAsu Osamu, YosHIDA Yuichiro,    MIHAsHI Kazue, Y巫AGIsHI Masaaki and MATsuMoTo Kenji

1.はじめに

4)教育効果を測定するうえでの基礎的な資料を得る。 5)教材を利用するうえでの操作的な問題点を明らかにする。  エイズは一人一人が正しい知識を持ち,適切な行動をとるこ とによって防ぐことのできる病気であるため,「教育こそワクチ ン」と言われ,エイズ教育の推進が緊急の課題になっている1)。 しかし,学校現場においては,エイズ教育は新しく始まった教 育であるため,教育方法,教育内容,教員の資質等に関して積 み重ねが少なく,大きな戸惑いとなっている2)。  今日,一般の家庭や,小学校,中学校の教育現場にもコンピ ュータが普及し,学校教育でもコンピュータを用いた教育や情 報教育が行われつつある。加えて,人間の視覚,聴覚等の感覚 に訴えるよう,写真やグラフ,文章,音声,さらに動画を併用 したマルチメディアが脚光を浴びている。最近,このようなマ ルチメディアを教材に活用する試みが注目されている。  マルチメディアを利用した教材の特徴は,VTRのように一方 的に情報が流されるのではなく,学習者が自分のペースにあわ せて学習することができ,わからないところや興味のあるとこ ろを反復することができるところにある。また,教材からの発 問に対して,学習者が解答し,それに対する指示もあるといっ た双方向性も確保されている。  さらに,マルチメディアを導入することによって,エイズ教 育の一層の充実を図ることを目標として,コンピュータ用CD− ROMなどのマルチメディア教材の作製,マルチメディアの提供 方法,活用方法,評価について検討が行われつつある3)。  本研究では,文部省体育局学校健康教育科監修,日本学校保 健会が作製したCD−ROM教材「AIDSを正しく理解しよう」4)を, 中学生と高校生が個別に利用することにより,マルチメディア 教材によるエイズ教育について,教育実践を行うための基礎的 な資料を得ること,ならびに実施するうえでの利点や問題点, ために次の5つの下位問題を設定した。  1)教材を利用するために必要な時間を明らかにする。  2)児童生徒の教材操作の様子を明らかにする。  3)児童生徒の教材を操作した感想を明らかにする。

2.ゼエイズを正しく理解しよう」マルチメディア

教材の構成

 日本学校保健会が作成したマルチメディア教材は表1に示すよ うな構成になっている。最初にコンピュータから流れる音量を 調節し,「スタート」を選択する。次に,エイズに関する高校生 の声や統計資料,エイズの社会的な問題性について約2分間VTR 形式で表示される。  その後,図1に示す選択画面になる。選択画面での選択肢は 7つ準備されている。その内容はHIVの病原体やエイズ発病等の 疾病の理論的知識体系として「エイズとはどんな病気なの∼」, ヂHIVに感染するとどうなるの?」の2選択肢,感染経路に関す るPどのようにしてうつるの?どうしたらうつらないの2」,「大 丈夫,こんなことではうつりません」,社会的問題としての認識 に関する噴IV感染者の心の声」,エイズに関する統計資料とし ての「グラフで見るエイズ」,知識,理解,意識や行動を確認す るための「チャレンジ!エイズQ&A」となっている。それぞれ の選択肢はさらに細分化され,より具体的な内容が表示される。 社会的問題としての認識に関する「mV感染者の心の声」では, 写真と感染経路,感染者のメッセージが表示されるように工夫 している(図2)。知識,理解,行動を確認するための「チャレ ンジ!エイズQ&A」では,双方向性を確保するために,質問項 目に対して学習者が答え,その答えに対して正解・不正解が表 示され,その説明が行われる。  終了を選択すると,1分30秒間VTR形式で,エイズや子ども たち,親子などの写真が表示され,学習者の差別に対する意識 やエイズ感染者との共存について問題意識を喚起するように構 成されている。

3.対象,ならびに方法

・鳥取大学教育学部 経鳥取大学大学院教育学研究科 ・**鳥取大学教育学部附属中学校 ・・#鳥取県立鳥取商業高等学校 キーワード:エイズ教育,マルチメディア,教育実践  中学2年生と高校2年生に対して,学校を通じて,教育実践 の内容を公表し,積極的に参加を希望する生徒を公募した。そ の結果,本実践に参加した生徒は中学2年生男子5人,女子8人, 高校2年生男子4人,女子6人であった。  教育実践のプロトコールは表2に示すように,生徒に対して マルチメディア教材を使用する前にエイズの知識や意識,行動

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8 國土将平・大塚美由紀・竹安修・吉田祐一郎・三橋和枝・山岸正明・松本健治:エイズ教 育におけるマルチメディア教材を用いた教育実践の基礎的研究 に関する事前テストを行い,続いてマルチメディア教材を使用 してエイズに関する学習を行った。学習の終了後に事後テスト を行った。その後,生徒にインタビューを行った。  使用したコンピュータは高校生ではNEC PG9821V10,中学 生ではNBC PC 9821Cs2およびApple Power Macmtosh 8100/ 10◎AVを用いた。使用したOSはNEC社製のコンピュータでは Mlcr◎soft Wmdows 31, Apple社製のコンピュータでは漠字 Ta]k75であった。コンピュータはひとり1台とした。コンピュ ータは事前にマルチメディア教材のスタート画面まで起動した。 使用時に生徒はヘッドフォンを装着し,コンピュータから出る 表1 「エイズを正しく理解しよう」マルチメディア教材の構成 START 二 ノズ、一対する高綬牛の㍗ {3借)  }ハ1轡染者の港校かく之}    娃蓉ゴノズ3著数の鰺ヰ ∫毛が初の川V4嬉著致の権弓      工イズO社㌘吟問題資 只 ト 選ぺ荻 エノスと まとんな鈎気なのつ ユイ ズの際聾二HIV 〉イルスのち真     田Vとは人免受不全ウメんス   HW、惑染ξる     エノスの生又 H摩Vの発辱 198誇在見   Hlv成鰍鋤洛鮮タ冑    恒入羅輪’姑 HlV戚C&ζエ 愈疫とぱ        ぷVまリ/ハ珪、兵炉する    免菱人令ごま      アノスの這義 HWの性㍉ ワクナ/の騎発ま簸しい      HIVが舞・内、人ると免疫薮哀ま免れ6 人惚の藪夜 藩瞬てしうなきられ紗        λ 亭気 執てHIVは競壊される 感染の遣活が灘っれてお∠) 〆防カロ∫能てある }11V>_竣染吉るとこっ在 るの 啓文 惑済しても女ぴカスい       “仏灘閉の}し義 浩鼠按閲よ7奢うっ104       この掃±懸勢々こ紹窪σジい」うくロ∫能 ゴ/スのぷ段籏 長い潜fメ、烈鰐を野て 免幾磯能う・紙下      免疫穫彪の惑卜一より 発登 }w メト錘ぷソ この桑μ、±3、5ξ/〉いつづくこζもあ全 ゴノズの発争 史\免疫か気玉すると 邊令かφ弓ないよっな唇集毎 鷺伴の陵饗 刊裟艇杁があっオうれる エノズの発執 采納の※ 発商ζると苑亡ちが塵 ・       コノズ亭苗ず芽がなし’ Ψが㌧発見することて拓㌘の窃湯のもこ発傘を逆っ亡ることがてきる 蹴斯しているカζ^かを知ること_よって 竺人㌧っつさなLよっ㌔することま人切:ある HIV感襲者のし功 ンコニー  ノルウー一       ノ“コ〆  ラ/ヘ     ンコァノ 71イハ…ロ とのよ) しごっつるのぴどっしZ )つつりちいのウ 洞lvの唇ぐ簿x 田V二察菟吝の撫糞 椅痩 繰分逸夜シ多く含まれる {^器のP謬や 反蒋の鱗日うら俸司{_経人する 麹・叉く ぴ約該綾_ 日穿の社合碍バてまHlV㌧啓穿している入の栓久以外てま審タしない よる磐良 コ/トームを音しく伎羅すれば惑染ぽ∫防てきる 貿性uの{夕娼一よる唇叉の増梱 袈糞任な弦交二mV,_戚痴する危謬権を人Xく「〕Φ 羅護を介ヂ 寧炉した人との冷射器r)戸躍_よって惑染牙“ることがある る惑染 駄緊 覚鍵懇の葦誘&苔i苔て沽射援の圭ぴ{ よる感穿カムう ユて・’る 叉特Z湶ましな・ ピ好轡集 蓉※したfニガかっアちべん冬察夢することカある ほ互の仏㌔て       IB戸の≠〉        己雲バ更 ち乳をプきして プξトてえぴ鯵の培∫草のもと己∫轡染をさ巳る一とぬ可熊てある 入人ノ、 こんなこζてはつつ戊ませw 田Vの惑染力よ白く 笈夢浮絡も因られている。 滋白 鞍白㌧つじてし配rダる必受;ありま三へ 芦〉やくい方 その他9いキ人なご 乏☆なこを分しこえ}つ)ま、ん ぎ式入ノレの随秘や霧きのつりなちと 器治を介してまっつξま押ん 勾了なとてよっつトぽゼん 詣、勉怪しプ、り 食事をしてもっつ}}ませゾ プやダニなζカ っ ぐっつうません お「い’戊やプーんなごぶ寿介してよ^つりまゼん 戸才レンン$∫ノズ A 門題グンープA エノスの揚澱は問リカ㌧されているり       }租Vまら∫、 〕・ウイ彫フo Hlv噂紗るととつなるの・      ↑抱ゴ亥旭よる誉ξ已つ誇しズ助ごきるの今 多くの人がパ茜する乏設二人丈人 聞題グレープB エノズの尾畜ま増えているσ       HIVぱどんな鷺顧のウィ〃ス) H∫V_惑聯するとど巳鰍るの今         エノズニどのよつ㌧惑菜するの) 《校や替段の牛藤てよ攻染ぐる〉とよCいウ 門題グん一プc HlV惑灸名P二人ぽr^土ね∼されてげ〉るよ)多いζ埜謬これている理己{ま9 mV±どんちメ三亥のウノルスぴ       照V㌧感穿Cるこごっ;るのみ とんち穿・丁紡丁れズいいのり      ど佼や馨∫この牛占てま惑染するこど之ないへ グラフて昆るゴイズ シ撃のエノズ響苔硲辛捕数の今ぺ室移       我が囚のHIV懸決名〕刻鮪数のぐ∫矢修彦 HI暗婦鋪%’歳         1{lv惑瀦の允夙発’轍 翅V汲漁者の感弦経誇       1狛]接塾一よるHIV箏染若数のち久戎謬 惑」 写繧 Fi題還起 音が他の者に聞こえないようにした。生徒に対してコンピユー タの使用方法として,マウスの操作方法,とくに, (1)マウスポインタの移動の方法とクリック(2ボタンマウス  の場合には左クリック)することによって選択が可能である  こと, ②最初に聞き易いよう,音望調節用のスライダをドラッグし  て調節すること, のみを伝えた。さらに,使用方法など不明なことがある場合に 質問すること,終了した場合に先生に知らせることを示唆した。  マルチメディア教材’の操作の状況を記録するために,図3に    示すように,コンピュータ画像信号をテレビ画像信号に    変換し,コンピュータ画面上における操作の模様をVTR    に録画した。社会的規範のバイアスを考慮し,生徒には    録画をすることは知らせず,録画装置は見えないように    工夫した。後日,VTRを再生し,マルチメディア教材の    操作の方法や選択肢を選択した時間などを記録した。な    お,23人中1人のみが機械の不調で録画できなかった。     マルチメディア教材の使用前後に事前テスト,事後テ    ストを実施した。これらのテストは28問の知識テスト項    目と24問の意識・行動に関する項冒から構成した。この    項目は,先行文献5)∼16)の質問項目を約5◎◎問収集し,内容    が正確であること,表現が適切であること,特に知識項    目では正誤バランスが適切であることなどを考慮して作    成した。図4に高校生用の事前テストを示す。事前テス    ト,事後テストとも同一の項目で構成しているが,繰り    返しの効果を極力抑えるため‖こ,両テストとも問題はラ 錫該 彩鍵1

図2 「印V感染者の心の声」 表2 教育実験のブ獲トコール

時閲 学習者 指導窓 事前牽備  10分  事前テストの実施  5分    マルチメディア教材を用い 約40分       た学習  ]0分  事後テストの実施  1◎分 コンピュータの起動  教材の実行 コンピュータ使用方法の魂明 インタビュー 燃〉

薩  聾難矯

      ζひ㍉c    図1 「AのSを正しく理解しよう」選択画面

1

ディスプレイ VIR コ〆ピュータ テレビ信号 剛象信日

    =

コノピユータム{奉 灘象変換 装箇 コ/ビュー 酬象イ、三号 図3 コンピュータの画面録画のためのVTR接続

(3)

鳥取大学教育学部教育実践研究指導センター研究年報 第7号 1998年3月 9

エイズに関する調査     

回一刑        文部省科学研究費(特別推違事蕪)エイズ与マルチメディァ観究会  ナ  ハ       ヘ  ゴ   この還査は、エイズに磯する鑓議ぺ立漠・行勉のぷeを㌣うものです。本鋳査の資轡1ま統計的に  1壌熱三恒で、ひぷたぱ〉プライバシーはぽさ培す田忙:諸応瞬:こ欝聲 l  lいて.ドさい二なお、川Vとはヒト免投イ達ウイルスのことです.       1  L −  _  一  _  _  _  _  _  _  _  _  _  _  _  _  _  _  _  _  鞘  _  _  _  _  _  _  _  」 以下畷問に下の3つの中・ら選踊号を右唖中に記入して下飢     ビ    ド       り      ロ        ヨ      L正しい   2.正しくない  3.わからない     ト        ロ      ユ ]最近エイズを完金に治す薬が1笥発された。 2 }HVは項i液に多く含まれる。 3則Vはプールやお玖呂で感染することがある。 ○・ンドーム雑うことで肌・繰す碗紺は低くなる・ 5エイズの発症前であれば間Vを他人に感染させることはないり 6エイズの患者、感染者とお風呂やトイレを共用してもmVに感染しない。 7早く処債すれぱ、エイズの発症を遅らせることができる。 8妊掃が捕Vに感染するとおなかの赤ちゃんにも感染することがある◇ 9蚊やダニから絹Vに感染することがある◇  lOペットや他の動勃から感染することはない。 3       6       7       8       9       1{) 11聞Vに感染してから1週摺iぐらいたてば、外見だけで感染していることがわかる。       ll l21{IVは熱に弱く、煮沸消毒で死戒する。       12 13エイズには有効なワクチンがある。       13 14感染者のつくった糾理を食べると則Vに感染することがある。       ぽ 15団Vに感染したかを知るために感染するような行為の直後に検査を行えばよい。       15 16不特定多数の人と性関係を持つとHIVに感染する危険が大きくなる。       16 17エイズは軽いキスでは感染しない◇       1ア 18献血をすると翅Vに慈染することがある。       18 19エイズ発症までの潜伏期は長く平均7∼10年である。       19 20エイズの検査は保健所でできる。 21エイズは巡伝する病気の一つである。 22印Vは翻科治療や鍾治療では感染しない☆ 23祖Vに感染しても自覚症状がないことがある。 24早く処澱してもエイズを治癒することはできない。 25Hlvを多く含む体液は、1痘液、精液、藤分泌液である。 26田Vは咳やくしゃみ、ジュースのまわし飲みでは感染しない。 2ア溜Vは性行為では感染しない。 28刊Vに感染すると一年以内でほとんどの人が発症する。 2{ コ1 以下順問につ・岨問・下・選択脚中・・溢鮪・右晒中…入・て下… ⑤あなたが酬・粧しているとわかったら織と一緒誇らはすか・      1.今まで通り一緒に暮らす   2.一績に暮らすが距離を鐙いて接する      3.別居する         4.わからない 田lv感

c鰍と弩鷲悟三㌃蕊セると懸いま軌 ・□

2漆

k蕊;瓢鷲㌶ズ警霧嶽   口

3眺

T公衆竺㌫㌍こ;獺三あると思いま軌・口

4艦

Tた学生の翼;難れるミ驚三響い繊 口

5エイズ

T普鱒㌶灘されζ;篶籔思い猷 

      ・口 褒にも質問が続きます。        ,口   1、わかる   2.わからない r|、わかる」と答えた人に聞きます。買・売春で田Vに感染した場合は自菜自得だと

思。翫      口

  L思う    2.思わない  3.わからない 8斑V感染者であることが知れたら咳を失っても仕方がないと恩いますか。     L思う    2.思わない   3.わからない 9感染した場合、どのように治療しますか。     1.すぐ受診し、治療を受けたい 2.経過を見てから治療を受ける     3、治療は受けたくない     4.わからない 10今後も川V感染者は増加すると思いますか◇     1、もっと増え大流行する    2.増加は数年で止まる     3.あま1)壇加しない      4.わからない 1}総V感染者が学梼こいることを知る必要はありますか。     L知る必要がある      2.知る必要はない     3。どちらでもよい       4.わからない 12田V感染者のプライバシーは守られていると思いますか。     〕、守られていると思う     2、だいたい守られていると思う     3、あまり守られていないと思う  4.ほとんど守られていないと思う     5.わからない 13家族が韻Vに感染した場合どうしますか。     L今までと伺撚こ接する    2.なるべく接しないようにする     3.別居する        4.わからない 砕友遠とエイズについて話したことがありますか。     Lよくある    2、ときどきある     3.あまりない  4.ない ,、口 1、□ ,、口 ,、口 ・・口:[口 16もし照Vに感染したと思ったら検査に行きますか。     L行く     2.行かない   3.わからない 17もし恋入がH匡Vに感染していることを知ったらどうしますか。     Lつきあう   2.別れる   3.わからない 18家族とエイズ{こついて話したことがあ})ますか。     1.よくある   2.ときどきある     3.あまりない  4.ない 至9自分が慾染した場合、他の人に対してどのような行動をと}}ますか。     L今までどうり他人に接する  2.なるべく他人に接しない     3.わからない 16□ ・・口

・・口 ・・口 、・〔工r] ○のつく項目は高校生のみの質問項目

図4 調 査 票

(4)

萎 ノ 10 國土将平・大塚美由紀・竹安修・吉田祐一郎’三橋和枝・山岸正明・松本健治:エイズ教 育におけるマルチメディア教材を用いた教育実践の基礎的研究 ンダムに並べ替えた。また,中学校の教諭と協議の上,知識項 目の中で「コンドームを使うことでHIVに感染する危険性は低 くなる」,意識・行動に関する項目の中で,「買・売春でmVに 感染した場合は自業自得だと思いますか」,「もしあなた(ある いは恋人・配偶者)がHIVに感染したら子どもはつくりますか」, 「あなたがHIVに感染しているとわかったら家族と一緒に暮ら しますか」については,中学生の発達段階やレディネスを考慮 して質問項目から除外した。なお,本研究では,意識・行動に 関する項目のうち,学習による変化が期待できる16項iヨについ て解析を行った。  インタビューによる質問項目は,以下のように構成した。 (1)今までにエイズの授業を受けたり,VTRを見たことがある  か。ある場合に,いっ,何回ぐらい,どのような授業形態で  あったか(一斉授業か,VTR教材を利用したか,調べ学習か  等)。 (2)マルチメディア教材はわかりやすいか。 (3)口)がある場合,授業,VTRと比較してマルチメディア教材  をどう思うか。 (4)マルチメディア教材を見て今まで知らないことがあったか。 ㈲ マルチメディア教材の使い方で,難しいところ,分かりに  くいところがあったか。 ⑥ マルチメディア教材の質問でわざと間違えなかったか。

4.結果

(1)教材の操作  表3に教材の操作に必要な時間を示す。項目選択画面が表示 された時点を基準として,終了を選択するまでの時間は平均で 34分58秒,最短が23分30秒,最長が43分30秒であった。選択メ ニューが表示されてから,次の選択肢を選択するまでの時間は 平均で17秒であり,短い生徒は7秒,長い生徒は34秒必要であ った。それぞれの内容を学習するのに必要な平均時間は「エイ ズはどんな病気なの?」は5分4秒,「HIVに感染するとどうな るの?」は3分15秒,「HIV感染者の心の声」が4分30秒,「ど のようにしてうつるの?どうしたらうつらないの?」が3分34 秒,「大丈夫,こんなことではうっりません」が2分22秒,「チ ヤレンジ!エイズQ&A」が14分11秒,「グラフでみるエイズ」が 2分17秒であった。また,必要な時間の散らばりが大きかった のが「チャレンジ!エイズQ&A」で,標準偏差は2分35秒であ り,次いで,「グラフでみるエイズ」が1分12秒であった。変動 係数をみると,「グラフでみるエイズ」は52.7でもっとも高く, 逆にもっとも低いのは「HW感染者の心の声∪の11.0であった。  表4にマルチメディア教材の詳細な時間配分を示す。すべて の選択可能な内容を閲覧した生徒は22人中9人であった。「大丈 夫,こんなことではうつりません」の詳細な内容を全くみてい ない生徒は8人であった。高校生のID=2は終了時間で23分3⑪ 秒ともっとも短い時間で終了しているがバHIVに感染するとど うなるの∼」,「どのようにしてうつるの?どうしたらうつらな いの?」,「大丈夫,こんなことではうつりません」のおよそ半 分の内容を閲覧していなかった。  表5にマルチメディア教材の内容を閲覧した順序を示す。高 校生のH)=2は3つのメニューしか選択しなかったために4番 目以降の合計人数は21人となっている。最初の選択肢「エイズ はどんな病気なの?」は18人の生徒が最初に選択したが,2番 目の選択肢「HIVに感染するとどうなるの?」から5番目の選 択肢「大丈夫,こんなことではうつりません」までは7人から 9人の生徒が選択肢の順番通りには内容を閲覧しなかった。ま た,「チャレンジ!エイズQ&A」では,6番目にみた生徒と最後 の7番目にみた生徒がそれぞれ10人つつになった。 (2)エイズに関する知識  表6に事前・事後テストの知識項目の正答数および較正得点 を示す。事前テストと事後テストの正答数を比較すると,事前 表3 教材の操作に必要な時間 分:秒 内容 平均標準偏差変動係数 最小  最大 メニュー表示から選択までの時ll9   00:】7  00:07  41.7 00:07 GO:34 エイズとはどんな病気なの?     05;04  00:53  17.4 0|:35 06:26 H]Vに感染するとどうなるの?    03:15  01:02  32.◎ Oll38 07:14 HIV感染者の心の声         04:30  00:30  】1.0 03:16 ◎5:19 どのようにしてうつるの?どうしたら        03:34    00:奪9    22,8  02:35  06:08うつらないの? 大丈夫、こんなことではうつりません 02:22  00:38  27,0 0|:|6 03:40 チャレンジ!エイズQ&A      l4:ll O2:35  18.2 06:50 |7:14 グラフで見るエイズ         02:17  0▲:|2  52.7 00:21 05:02 全体 34:58    04:42     13.5  23:30  4330 表4 マルチメディア教材の時間配分の詳細 分:秒 高校生 中学兇 内  容

12345678910

|235678910i藍12 i3

エイズとはどんな病気なの?  00:1700:3403:3600:1200:2800:1300;ll OO:3000;1700:iO  エイズの原因はHIV      OO;4001二〇403:5100:2800:4400:2600:4200:48 GO:3500:24  HIVの発見      0|13605:0904:4302:1901:360呈:1801:3301:4101:2401:14  H艮V感染デ壼:と;ま      02:15 02:C〈〕 05:22 03:eO O2:16 0i:58 02:21 θ2:2} 02:θ4 0仁50  田Vの性質      04:3504:2007:4101:3105:4704:1504:4004:4104:1904:02 H{Vに感染するとどうなるの?  05:40   00:2230118(拓:0205:1005:3405:3505;1404:54  感染      頒:07   01:0230:50◎6:3005:4106:0306:0205:4▲05:20  エイズの前段階       0650   01:4531:2907:IIO6:2206:4306:43   05:55  エイズσ)発病         07:22   02:1432:0◎07:44(路:50◎7:|507:|106:1706:20  発病の後      07:48   0214432こ2808:130712▲07:4707:40   06;42 H{V感染者の心の声       08:4320:1408:4|25:4009;0408:1408;3608:3]]2:0007:30 どのようにしてうつるの?−   13;05   13:2222:1713:41匡2:4613:1013;06(遁:52▲1:42  性的接触による感染      |3:54    15:2323:04】4:27ミ3;31i3:56|3:49〔〕7:3212:19  ]∬L液を介する感染       14:46   14:4923:5615:2214;2514:4914:4408:15B:02  1…元こ]二感染      15:23      14:08 24:31 董5:56 14:58 |5:23 15:17 08:47 13:33 大丈夫、こんなことではうつりません 16:21   |7:0033:1816:5316:4216:2616:3509:3914:20  猷ぱ11、 翰錘旦↓こつし、’ご      17:46 34:53      17:25       10:14  せきやくしゃみ、軽いキスなど     18:0135:03   17:38     10:35  便座や篭車のつり革など         18:1235:16      匡0:42  握乎など      ▲8:2634;08    18:08       1054  一緒{こ勉強、食事       }8:4834:刀       |1:04  カ」ζ⊃ダニなと診      19二〇〇 34:27      1匡:▲3  おふろやプールなど       19:0934:37       11:22 チャレンジ!ヱイズQ&A     I7:4206;0022:4105:31 i8:4918:59】8:53223116:1315:51  問題グループA        I8:0706:2423:0716:5919:1319:22匡9:1722:54 i6:3316:12  問題グループB        |8:4811:0427:46▲|:0527:2924:1524:0027:4021:3321:01  問題グループC        23:32|6:2232:5905:5632:5i   29:4531:5626;1026:16 グラフで見るエイズ      24:55   |9:5736:II 24:IO 25:4918:0120:1530:藍63|:25 采冬了       26:38 23:30 38:|2 38:45 38:14 27:45 33:36 35:39 30:59 32:27 07:26 00:12 03:45 00:09 00二〇7 00:15 00;11 00:2] 00:24 0◎:25 00:12  |2:50 07:36 02:|9 05:37 00:30 00;]8 08:17 ◎0:46 00;45 0匡:20 00:45 00:49 08:20 0◎:38 04:05 01:35 01:02 06:57 02:00 01:44 00:44 0|:32 0]:46 14;06 0&55 03:]7 06:26 02:}9 θ1:37 04:44 〔}2:53 02:28 02二4() 02:08 022フ 14:5| 11:08 01:26 04:45 04:45 03:50 00:32 05:31 04:55 04:25 04:2| 04:53 13:Il OO:12 蓋4:22 08;55 05:47 04:39 01:50 15:33 G6:03 09:35 05:▲3 05:54 |7;34 0|;40 |4;49 i1:37 06:14 04;50 03:3▲ 16:07 06:37 09:49 05:27 06:20 18:04 02:歪5 16:15 ◎9:19 07:52 05:23 02:07 正6:59 07:30 10:28 06:03 07:H OO:56 15:40 09:51 07:07 05:47 02:28 17:34 07:05 10:56 06:29 07:46 18:57 02:44 |6:50 10:45 08:28 06:08 02:50  i8:▲藍 08:40  11:20 06:51 08:23  19:27 03:16 05:56 12:24 09:30 06:50 ◎9:04 |9:16 09:40 05;17 i2:49 G9:23 04:41 1|:58 |7:53 00:20 |4:27 |0:15 13:目  (}6;37 1449 12;{}6 07二37 |4:21 00:|9 12:37 20:28 01:55 15:25 {0:43 13:50 10:雪3 藍7:27 13:27 08:産6 15:20 0葦:1身 13:17 19:47 02:46 16:28 |1:33 14:27 09:26 15:47 |4;09 08:57 匡6;24 02:27 13;45 ]8:55 0]:09 17:11 匡2二〇〇 14:59 07:40 16:36 |2:48 09:27 17:08 03:|2 15二〇4 1|:蓋5 20;33 |8:39  12;57  15:46 12:45 ▲9;02 |8:02 |0:33 |8:57 09:43 i7:13 ]2:09 2]:26 20:38 】3:40 】6:2∼) }3:34      18:44      2α29 1L〔汐 |7:07 12:23 2匡:46 匡9:34 13:5重 |6:∠麹  13:53      匡9:38      20:10 1…;25 ▲8:02 12:38 21:55 19:46 13;57 |6:05 14:04      |9:27      20:0◎ 11:55 16:53 i3;02 22:08 ▲9:57 14二〇2 17二〇〇 15:15      19:33      20:21 ]1:43 16:43 13:|6 22:茎4 20ミ06 14:07 匡7:06 14;24      19:23       10:59 16:33 13:25 22:20 2α17 14:14 …7:13 14:33      19:15       10:40 16:05  藍3:35 22:31 20:27 14:19  ▲7:20  匡4:42      12二〇3 17:50 26:53 23二〇6 23;08 14:46 17:45 28:52 2匡:1| 20:|l I7:03 21:|8 21:44 18:10 27:25 23:33 23:39  15二〇6 18:04 29;24 21:42 20:32 |7:26 21:46 22こ11 22:47 32;07 28:38 28:58 19:58 22:38 34:39 26:48 25:02 22二〇8 26つ7 27:53 35:55 34:09 33:21 25:01 27:名 39:35 30:40 30:i7 27;29 32:27 28;00 32二49 21つ| 17:00 2▲:39 30:09 32:50 24:14 34:50 |5:12 11:49 38:32 21:23 35:12 40:23 39:50 37:48 33:07 35:15 43:30 37:32 34:12 33:02 39:55 33:36 注: .i二段数字は生徒のID番号,空欄は実施していないことを示す

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鳥取大学教育学部教育実践研究指導センター研究年報 第7号 1998年3月 11 テストは17.7問,事後テストは24.3問で6.6問ほど正答数が増加 した。事前テストと事後テストの較正得点を比較すると,事前 テストは13.7点,事後テストは21.9点となり,8.3点得点が向上 した。較正得点の向上の程度が正答数より高いことは,誤答数 が減少したことを示す。ただし,事前テストより事後テストの 較正得点が低下した生徒が1人おり,較正得点の差の最小値が一 5点となった。  表7に質問項目別の正答,誤答の割合,並びに改善率を示す。 事前テストにおいて,正答率が80%を越えた項目は,  ・コンドームを使うことで田Vに感染する危険性は低くなる。  ・エイズは軽いキスでは感染しない。  ・mVは性行為では感染しない。  ・mVはプールやお風呂で感染することがある。  ・妊婦がHIVに感染するとおなかの赤ちゃんにも感染するこ   とがある。  ・不特定多数の人と性的関係を持つとHIVに感染する危険性   が大きくなる。  ・HWは咳やくしゃみ,ジュースのまわし飲みでは感染しな い。  ・最近エイズを完全に治す薬が開発された。  ・感染者のつくった料理を食べるとHWに感染することがあ   る。  ・エイズの患者,感染者とお風呂やトイレを共用してもHIV   に感染しない。  ・HIVに感染してから1週間ぐらいたてば外見だけで感染して   いることがわかる。 の11項目であった。逆に正答率が5G%に満たなかった項震は,  ・エイズの発症前であればHIVを他人に感染させることはな  いo ・HIVに感染すると1年以内でほとんどの人が発症する。 ・ペットや他の動物から感染することはない。 ・エイズには有効なワクチンがある。 ・エイズ発症までの潜伏期間は長く平均7∼1G年である。 ・献血をするとHWに感染することがある。 ・HIVに感染したかどうかを知るために感染するような行為 の直後に検査を行えぱよい。 ・HWは熱に弱く,煮沸消毒で死滅する。 ・エイズは遺伝する病気の一つである。 表5 マルチメディア教材の内容を閲覧した順序 人 表6 知識テストの正答数,構成得点ならびに    事前一事後テストの差 顯序 内  容 1  2  3  4  5  6  7 点 エイ とはどんな病気なの? HIVに感染するとどうなるの 祖V感染者の心の声 どのようにしてうつるの?どうした らうつらないの? 大丈夫、こんなことではうっりません チャレンジ1エイズQ&A グラフで見るエイズ 18 2 2 13 4 1 2 13 1 2  2 2  2  1 2  1  3  14  1 2 3 平均値標準偏差最小値最大値 2  ]3  3     10  …0   3  7  U 正答数 較正得点 正答数の差 事前テスト 事後テスト 事前テスト 事後テスト 合計 22   22   22   21   21   2]   21 較正得点の差 茎7.7 243 蚕3.7 21.9 6.6 8.3 4.0

22

6,0 4、] 3.9 6.2 9 19 0 ]1 0 −5 25 28 23 28 15 22 対象者23人 表フ エイズ知識テストの質問項目別正答率,誤答率ならびに改善率 % 事前テスト 知識項目 事後テスト 正 解 不  わ    か 正い    ら 解  な    不  わ      か  改

     ・葉

   正い 解  解  な 柑 対 改 善 点 コンドームを使うことでHIVに感染する危険性は低くなる* エイズは軽いキスでは感染しない HIVは性行為では感染しない HWはプールやお風呂で感染することがある 妊婦がHIVに感染するとおなかの赤ちゃんにも感染することがある 不特定多数の人と性的関係を持つと}IIVに感染する危険性が大きくなる HIVは咳やくしゃみ,ジュースのまわし飲みでは感染しない 最近エイズを完全に治す薬が開発された 感染者のつくった料理を食べると}IIVに感染することがある エイズの患者,感染者とお風呂やトイレを共用しても団Vに感染しない HWに感染してから1週間ぐらいたてば外見だけで感染していることが わかる 早く処置すれば,エイズの発症を遅らせることができる HIVに感染しても自覚症状がないことがある HIVを多く含む体液は血液,精液,麓分泌液である HIVは唾液に多く含まれる 蚊やダニから}IWに感染することがある エイズの検査は保健所でできる HWは歯科治療や鎮治療では感染しない 早く処置してもHIVを治癒することはできない エイズの発症前であれば翅Vを他入に感染させることはない HIVに感染すると1年以内でほとんどの入が発症する ペットや他の動物から感染することはない エイズには有効なワクチンがある エイズ発症までの潜伏期間は長く平均7∼茎0年である 献血をすると}IIVに感染することがある HIVに感染したかどうかを知るために感染するような行為の直後に検査 を行えばよい HIVは熱に弱く,煮沸消毒で死滅する エイズは遺云する病一の一つである 茎GO.0 95.7 95.7 9L3 91.3 9玉.3 91.3 87.0 87.0 82.6 82.6 78.3 78.3 73.9 652 65.2 60.9 52.2 52.2 47.8 47.8 39、1 39.1 39.1 3α4

  43

  4.3 4、3  4、3 43  4.3 4.3  4.3 8.7   13.0 4.3  8.7 13.0  4.3 13.0 4.3 4.3 17.4 8.7 21.7 26、I l7.4 B.0 3α4 2L7 13.0 60.9 100.0 9L3 100.0 1GO、0 95.7 9茎.3 95.7 95フ 95.7 95.7 17.4  100.0 8.7 17.4 2L7 34.8 17.4 30.4 26.1 2L7 34.8 39、1 30.4 39.玉 47.8 8.7 95.フ 82.6 95.7 玉00.0 87.0 65.2 91.3 69.6 87.0 100.0 1Gα0 69.6 10◎.0 9L3 8.7 4.3 8.7 4.3 4.3 43 4.3 43 王74 4.3 13、0 4.3 30.4 4.3  4.3 2L7  8.7 4.3  &7 26.1 4.3 8.7 0.0 −4.4 4.3 8、7 4.4 0.0 4.4 8.7 8.7 13.1 100.0 100.0 50.6  G.0 5G.6 66.9 66⑨ 75.3 17.4 玉◎◎.0 三7.4 4.3 2L8 34.8 2L8 43 39、1 17.4 39.2 52.2 60.9 30.5 60⑨ 60.9 8α2 19.8 835 100.0 62.6 1LO 81.8 36.4 75.1 100.0 100.0 5◎.1 100.0 875 26.1  30.4  435    2L7  565  2L7  −4.4   −6.0 2L7  34.8  435   9L3   &7       69.6  88.9 8.7  43.5  47.8   73.9  21.フ   4.3  65.2  71.4 *高校生のみ質問

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12 國土将平・大塚美由紀・竹安修・吉田祐∼郎・三橋和枝・山岸正明・松本健治:エイズ教 育におけるマルチメディア教材を用いた教育実践の基礎的研究 の9項目であった。そのほかの12項目は5◎%以上80%未満の正 答率であった。 マルチメディア教材を使用して学習した後の知識の正答率は,  ・エイズの検査は保健所でできる。  ・早く処置してもHIVを治癒することはできない。  ・エイズには有効なワクチンがある。  ・HIVに感染したかどうかを知るために感染するような行為   の直後に検査を行えぼよい。  ・エイズは遺伝する病気の∼つである。 の5項目の正答率は事前テストより向上し,6⑪%以上にはなっ 表8 社会的共存に関する意識7項目の事前テスト,    事後テストのクロス集計 HIV感染者を他の入と接触しないよう隔離すべきで       あると思いますか        人% たが,80%に満たなかった。他の23項目の正答率はいずれも80 %以上となった。 教材利用による改善率ならびに相対改善率において,  ・HIVに感染しても自覚症状がないことがある(改善率4.3%,   相対改善率19.8%,以下同じ)。  ・エイズの検査は保健所でできる(4.3%,11.0%)。  ・早く処置しても班Vを治癒することはできない(1ア.4%,   36憾%)。  ・エイズには有効なワクチンがある(30.5%,50.1%〉。  ・HIVに感染したかどうかを知るために感染するような行為   の直後に検査を行えばよい(一4.4%,−6.◎%)。 の5項目は,事前テストの正答率が低いあるいは中程度である にもかかわらず,その改善率は高いものではなかった。 事前テスト 事後テスト 思う  恩わない わからない  合言 思う 思2っなし、     3  (玉3.0) 20  (87.0) わからない 23 (]00.0) 合言 3  (130) 20  (870 23 祖V感染者が公衆浴場やプールに入ることは禁止す      るべきであると思いますか     人% 事前テスト 事後テスト 思う  思わない わからない  合言 思う 思わない   1 (4.3)2] (9L3) 1 わからない (4、3) 23 (1(}0.0) 合言 玉  (43) 21  (∼)]3)  ]   (43) 23 慈染した学生の通学は制限されるべきではないと思いますか        事前テスト 墓後テスト 照う  思わない わからない  合言 思う 思わない わからない 8(348)ぐ(玉7・4)2(8・7)]4(60・9) 4 (]7.4)  )       (2L7)       9      (39.茎) 合言 12  522)  9  (391)  2   (87) 23 GGα0) エイズ患者はふつうに暮らすことが許されるべきで       あると思いますか        入% 墓前テスト 慕後テスト 思う  思わない わからない  合言 』忍う        22  (〉)5.7)  茎   (4,3) 思わない わからない 23(]◎0,0) 合苔 22  (957)  1   (43) 23 正HV感染者であることが知れたら職を失っても仕方       ないと思いますか          入96) 慕前テスト 事後テスト 思う  思わない わからない  合言 思う 思わない わからない (4。3)  1   (4.3) (4.3) 19  (82.6) (4.3) 2 (8.7) 20  (87.0) 1 (43) 合言 3  (13.0) 20  (87,0) 23 mV感染者は入学・入祉させるべきではないと思い 事前テスト 喜後テスト 患う  思わない わからない  合計 思う 思わない わからない 21  (9L3)  正  (4.3) 22  (95フ) 1   (43)      ]   43) 合言 22  (957   1   (43) 23 買・売春でHIVに感染した場合は自業自得だと思い 事前テスト 裏後テスト 思う  思わない わからない  口、、 .豆しう      5 (5θ.0) 思ネっなし、  1(10.0)1(10.0)2(2◎.0) わからない      ] (]0.0) 5 (50.0) 4 (40.0) 〕 (]0.0) 合言 6(600) 1 (10.0) 3(300)10 ③ 事前,事後テストの意識・行動  表8に社会的な共存に関する意識7項目の事前テスト,事後 テストの回答のクロス集計を示す。「HIV感染者を他の人と接触 しないよう隔離すべきであると思いますか」,「HW感染者が公 衆浴場やプールに入ることは禁止するべきであると思いますか3, 「エイズ患者はふっうに暮らすことが許されるべきであると思 いますか」,「HIV感染者は入学・入社させるべきではないと思 いますか」の4項自については,事前テスト,事後テストとも ほとんどの生徒が受容的な回答をした。  「HIVに感染した学生の通学は制限されるべきではないと思 いますか」の質問に対しては,受容的な回答をした生徒は事前 テスト,事後テストとも50%から60%であり,事前と事後の回 答が逆転する生徒が8人,事前テスト,事後テストとも5人の 生徒が差別的な回答をした。「H王V感染者であることが知れたら 職を失っても仕方ないと思いますか」の質問に対し,事前テス ト,事後テストとも19人の生徒は受容的回答をしたが,3人の回 答に一貫性がみられず,1人が事前テスト,事後テストとも非 受容的な回答をした。高校生に対する「買・売春で斑Vに感染 した場合は自業自得だと思いますか」の質問に対して,5人の 生徒が,事前テスト,事後テストとも「思う」と回答し,残り の生徒は,事後テストにおいて「思わない」へと回答が変化す る傾向が見られた。  表9に感染者に対する行動に関する4項目の事前テスト,事 後テストの回答のクロス集計を示す。「家族がHIVに感染した場 合どうしますか」,「友人がHWに感染しているとわかったらあ なたはどうしますか」の質問に対して,事前テスト,事後テス トともほとんどの生徒が受容的な回答をした。「もし恋人が斑V に感染していることを知ったらどうしますか」の質問に対して, 事前テストでは8人の生徒が「わからない」と回答したが,そ の内5人が事後テストにおいてはPつきあう」と回答した。高 校生を対象とした「もしあなた(あるいは恋人・配偶者)がHIV に感染したら子どもはつくりますか」の質問に対して,ほとん どの生徒が事前テスト,事後テストとも「っくらない」あるい は「わからない」と回答した。  表10に自分が感染した場合の行動に関する3項目の事前テス ト,事後テストの回答のクロス集計を示す。「もしHIVに感染し たと思ったら検査にいきますか」の質問に対して,事前テスト, 事後テストにおいて,ほとんどの生徒が「行く」と回答した。 「自分が感染した場合,他の人に対してどのような行動をとり ますか」の質問に対して,事前テストでは11人の生徒が「今ま でどおり他人に接する」,8人の生徒が「わからない」と回答し

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鳥取大学教育学部教育実践研究指導センター研究年報 第7号 1998年3月 13 た。わからないと回答した8人のうち,事後テストでは6人の 生徒が「今までどおり他人に接する」と回答した。しかし,事 前テストで「なるべく他人に接しない」と回答した4人の生徒 のうち,事後テストで「今までどおり他人に接する」と回答し たのはわずか1入であった。事前テストにおいて,自分が感染 した場合,5人の生徒が「経過を見てから治療を受ける」ある いは「わからない」と回答していたが,事後テストにおいては 5人の生徒のうち4人が「すぐに受診し,治療を受けたい」と 回答した。  表11に「結婚するときには結婚相季にエイズ検査を求めます か」の質問に対する事前テスト,事後テストの回答のクロス集 計を示す。事前テストにおいて「求めない」あるいはPわから ない」と回答した生徒はそれぞれ10人であったが,事後テスト    5.考察 では,その回答は特定の選択肢に集束しなかった。しかし,事 前テストにおいて「求める∪と回答した生徒が3人であったが, 事後テストでは8人に増加した。  表12に「将来自分がHIVに感染すると思いますか」の質問に 対する事前テスト,事後テストの回答のクロス集計を示す。事 前テストにおいては,「たぶんかからないと思う」と回答した生 徒は8人,ザ状況によってはかかってしまうかも知れない」と回 答した生徒が11人であったが,事後テストでは,「たぶんかから ないと思う」と回答した生徒は5人に減        表9 感染老に対す行動に関する4項目の事前テスト, 少し,「状況によってはかかってしまうか       事後テストの回答のク日ス集性 も知れない」と回答した生徒が15人に増 加した。      家族が}{IVに感染した場合どうしますか。 知であると回答した。中学生になると,具体的に知らなかった 内容を上げてきた。特に,HIVに感染した後の経過ぽ人),瓢V の特微,性質(3人),感染ルート(3人)は知らなかったとい う生徒が多かった。  マルチメディア教材の使用方法について,7人の生徒は簡単 であったと回答したが,メニューや次の画面の選択方法がわか りにくい場合がある(3人),「チャレンジ!エイズQ&A」の問 題の言葉がわかりにくい(2人)などの回答があった。  「チャレンジ!エイズQ&A」において,故意に間違えた生徒 は2人おり,また,故意に間違えてみようと考えた生徒も2人 いた。 (1)教材の操作  マルチメディア教材を利用するために必要な平均時間は約35 分であった。これに,スタート直後,終了直前の内容を含める と姐分程度で終了することになる。中学校や高等学校において は,1時限の授業が50分である。一般に授業の導入とまとめに 10分程度の時間が必要である。すなわち,授業の導入,マルチ メディア教材による学習,授業のまとめの形式で,ちょうど1時 人% 事前テスト (4)使用後の感想  表13に教材を使用した後の感想のイン タビューの結果を示す。ほとんどの生徒 は中学校,あるいは高校で,すでにエイ ズに関する授業を受けていた。授業形態 は一斉授業とVTRの使用がほぼ同数で,        合言 なかには,両者を併用した授業をうけた 生徒もあった。また,記憶がなかったり, VTRを見たが覚えていないという生徒も 23人中6人いた。  本研究で使用したマルチメディアの教 材をほとんどの生徒がわかりやすいと回 答した。中にはP絵がおもしろくない」 と否定的な感想をもっていたり,テレビ ゲームのようなものかと思っていた生徒        合計 もいた。  授業やVTRとマルチメディア教材を比 較すると,自分のペースで勉強できる(4 人),1対1で学習できることがよい(3 人),映像やグラフィックスがあるのがよ い(3人)など,マルチメディアの特徴 的な要素を指摘する生徒が多い傾向にあ A言 った。しかし,逆に,時間がかかる,遅 いと言う感想を持った生徒もいた。また, 「もう少し詳しくてもよい」と内容の深 化を希望する生徒もいた。  本研究で用いたマルチメディア教材 「AIDSを正しく理解しよう」の知識に関        合計 する内容は高校生にとっては大部分が既 事後テスト 今までとなるべく接 同様に接 しないよう 別居する  する   にする わからな       合計

 い

今までと伺様に接する なるべく接しないようにす る 別居する わからない 22 (≦)5.7) 1  (4c3) 23 (1GG.0) 22 95.7 1 4.3)23 友人がHWに感染しているとわかったらあなたはどうしますか。 入% 事前テスト 事後テスト

轡嫌議全㌶合わ坪舗

今まで通りつきあう     21(9L3) 1 (4.3) 今までより距離をおいてつ き合う 全くつき合わない わからない (4.3) 22  (95.7) ] (4.3) 22  95.7   1   43 23 もし恋人が珊Vに感染していることを知ったらどうしますか。 人% 事前テスト 事後テスト つきあう わかれる わからない  合計 つきあう わかれる わからない ]5  (65.2) 5  (2L7) 20 (87.0)

3茎3.0313.0

]5 65.2

8 348 23

もしあなた(あるいは恋入・配偶者)が}Wに感染したら子どもはつ        くりますか。 (・象:高校生のみ        人% 事前テスト ±径テスト つくる つくらないわからない  合言 つくる つくらない わからない      1   (4.3)   1  (43) 3  (13.0)   ]   (43)  4 (亘7.4) 1   43   4  17.4   5 21.7 4   17.4   6  26.]  10

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14 國土将平・大塚美由紀・竹安修・吉田祐一郎・三橋和枝・山岸正明・松本健治 育におけるマルチメディア教材を用いた教育実践の基礎的研究 エイズ教 限で用いることが可能となると考えられる。そのためには,コ ンピュータの準備が事前に行われており,さらに生徒がコンピ ュータの使用方法を事前に学習しておく必要があると思われる。  教材の利用の最短時間は23分30秒であるが,この生徒は内容 を半分程度しか学習していない。ほとんどすべてを見た生徒で は,最短で30分程度となった。また,中にはすべてを見ていな いにも関わらず,40分近い時間が必要であった生徒もいた。こ の要因としてもっとも時間が必要なところは,「チャレンジ!エ イズQ&A」である。平均で14分を超えており,全設問数が15問 であることを考えると,1問あたり,1分程度必要となる。イ ンタビューに「時間がかかる」という答えは,ここで時間がか かることに不満があるためであると考えられる。さらに,ヂグラ フで見るエイズ」の内容は生徒によって必要とする時間に大き な散らばりがある。これは次の画面に移行できない場合がある ためではないかと思われる。インタビューで「画面の選択方法 がわかりにくい場合」があり,VTRの再生でも,生徒が迷って いるらしい操作が見受けられた。同様に最初の項目選択画面が でてから,どこをクリックすれば選択ができるかが       表10 わからない生徒が4人ほどおり,そこで時間を必要 としたり,終了したりした生徒が4人いた。  「大丈夫,こんなことではうっりません」につい ると考えられる。したがって,このテスト項目を用いることで, 生徒の知識の状態を適切に把握できると考えられる。  事前テストでは,17.7問の正答数であったが,事後テストの 得点は向上し,正答数は24.3問となった。加えて事後テストで はほとんどの項目で,高い正答率が示された。短期的な効果で はあるが,エイズに関する学習は非常に効果が高かったと結論 づけることが可能であろう。  対象となったほとんどの生徒が,この教育実験以前にエイズ について学習した経験があると回答した。しかし,この実験以 前の生徒のエイズの知識は事前テストの結果をみると不十分で あると言わざるを得ない。たとえば,動物を媒介とした感染は ないこと,献血によってはHIVに感染しないということは,ほ とんどすべての教材で触れられている。それにも関わらず,正 答率は40%と非常に低い。生徒に対するインタビューのなかに, 「VTRは見たけれども,内容を覚えていない」という答えが含 まれている。学習経験があるにも関わらず知識や理解が不十分 である原因のひとつとして,学習時点での生徒の関心が低いこ 自分が感染した場合の行動に関する3項目の事前テスト, 事後テストの回答のクロス集計 もしmVに感染したと思ったら検査にいきますか。 人% ては,この内容を選択後,詳細な項目を選択しない で,メニュー画面に戻ってしまう生徒が7人もいた。 「大丈夫,こんなことではうつりません」の画面(図 5)では,選択肢がイラストで表示され,学習する 内容もこの選択肢で理解できるためではないかと考 えられる。  以上のように,学習時間を規定する要因として, 学習活動のほかに,機器の操作に必要な時間を考慮 する必要がある。操作のわかりやすさ,単純さ,統 一性等をさらに工夫する必要があると考えられる。  使用するコンピュータによって,終了時間に5分 程度の差が生じる場合があった。これは,CD−ROM の読み込みの早さ,CPUの性能に依存していると思 われる。生徒が使用する機種に依存して学習に必要 な時間に差が生じるならば,授業でマルチメディア 教材を利用した場合,生徒の学習内容に差が生じる 可能性が指摘できる。従って,高性能のコンピュー タを使うこと,また,使用するコンピュータの性能 をできるだけ統一することが望ましいと考えられる。  本教材では,選択肢が一様に並べられている。学 習する順序は教材を利用する生徒によって決定され ることとなる。順序性が問題となる内容については 教材作成者が選択肢を時系列的な配列に並べること が必要であると思われる。特}こ,本調査においては, 「チャレンジ1エイズQ&A」を最後に行う生徒が半 数いた。生徒は「チャレンジ!エイズQ&A」をテス ト的なものとしてとらえ,すべてを学習してからク イズに答えようと考えたのかもしれない。 事前テスト ・旅テスト だく  だかない わからない  A言 行く 行かない わからない 22  (95.7) 1   (4.3)  23 (100.0) 合言 22  95.7 1  4.3 23 自分が感染した場合、他の人に対してどのような行動をとりますか  人% 事前テスト 事後テスト 今までどおなるべく他 り他人に接入に接しな わからない  合計  する    い 今までどおり他人に接する なるべく他入に接しない わからない 11  (47,8)  玉  (4.3)  6  (26.茎)  18  (78.3)      3  (13.0)      3  (13.0)        0.0    2    8.7    2    8.7 合計 II  47.8   4  17.4   8  348  23 感染した場合、どのように治療しますか 人%) 事前テスト 事後テスト すぐに受診経過を見て          治療は受け        わからない  合計し、治療をから治療を          たくない 舌けたい  鳳ける すぐに受診し、治療を受けたい 経過を見てから治療を受ける 治療は受けたくない わからない 18(783)2(8.7) 2   (8.7)  22  (95.7) 1   4.3    ヨ   4.3 合計 18   78.3   2   8.7 3  13、0 23 表11 「結婚するときには結婚相手にエイズ検査を    求めますか」の質問に対する事前テスト,事    後テストの回答のクロス集計        事前テスト 辮毒テスト ♪める  求めない わからない  合言 求める     3 (13.0) 2 (8.7) 3 (]3.0) 8 (348) 求めない      5 (2L7) 5 (2L7) 10 (435) ム言       3   130   玉0  435   10  435   23 表12 「将来自分が問Vに感染すると思いますか」の質問に対する    事前テスト,事後テストの回答のクロス集計        人(%) 事前テスト ② 学習効果について  知識項目では,事前テストの項目別の正答率が8. 7%から100%まで均等に散らばった。この知識テス トの問題は,エイズに関して必要な知識を生徒が既 知の問題から未知の問題までバランスよく含んでい 事後テスト

ま慧雰貿ば霧討わか・な合、†

      い と思う   と思う   知れない たぶんかからないと思う  1 (4・3) 状況によってかかってし まうかも知れない わからない 4(]7.4) 3 (13.0)  :1   (47,8)  1 (4.3) ヨ   4.3       2  8.7 5(2L7) |5 (65.2) 3 13.0 A言 1   4、3   8  34.8   王1   47.8   3 13.0  23

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鳥取大学教育学部教育実践研究指導センター研究年報 第7号 1998年3月 15 とや動機づけが非常に乏しいことがあることを示すと考えられ る。  マルチメディア教材に対する生徒の意見として,「自分のペー スで学習ができる」,「1対1で学習ができる」という回答が多 く見られた。っまり,コンピュータを使った学習の独自性が生 徒に認識された結果であると思われる。「自分で内容を選べる」, 「自分が答えることができる」という意見はコンピュータを使 った学習の独自性に加えて,情報の双方向性を示すものである と考えられる。「眠くならない」,「集中できる」といった反応は, 生徒の自主的な学習を示すものであると考えられる。このよう なマルチメディア教材の特徴が,生徒の学習の効果を高くした と考えられる。  マルチメディア教材を使った学習の効果があまり見られない エイズ知識項目があった。「エイズの検査は保健所でできる(正)」, 「HWに感染したかどうかを知るために感染するような行為の 直後に検査を行えばよい(誤)」の項目については教材の中で扱 っていないために低い正答率になったと思われる。「早く処置し ても,HWを治癒することはできない(正)」の項目については, 「治癒」という言葉が難しく,正答率の向上に結びつかなかっ たためであると思われる。同様に「エイズには有効なワクチン がある(誤)」の項目についても,「ワクチン」が正しく理解さ れておらず,薬と誤解したために正答率が低かった可能性が指 摘できる。「エイズは遺伝する病気のひとつである」の設問は中 学生にとっては難しいと思われる。インタビューが終わった後 に2人の中学生から「母子感染と遺伝はどのような違いがある か」を質問された。教材では,母子感染について触れられてい るが,遺伝については触れられていない。このような理解を促 進するためにも,母子感染と遺伝の違いを積極的に指導するこ とが望ましいと思われる。「HIVに感染しても自覚症状がないこ とがある」にっいては教材に内容が含まれているにもかかわら ず,正答率が低かった。今後検討が必要であると思われる。  保健教育の最終目標は,健康や安全の保持増進につながる行 動の変容ならびに行動の持続である。エイズに関しても同様で, 感染防止行動と田V感染者との共存が重要な課題となる。学習 以前より,社会的共存に関する項目や家族と友人がHIVに感染 した場合の対応の項目において,受容的な回答が多く見られた。 したがって,社会的共存や家族と友人が斑Vに感染した場合の 対応に関する意識や行動が本教育実践によって変化・変容した かということを検討するにまでにはいたらなかった。  「もし恋人がHIVに感染していることを知ったらどうします か」の質問に対して,「わからない」と答えた生徒の多くは学習 後は「つきあう」と回答する生徒が増加した。「買・売春で田V に感染した場合は自業自得だと思いますか」についても「思わ ない」と回答する生徒が増えた。「自分が感染した場合,他の人 に対してどのような行動をとりますか」の質問に対して,「わか らない」と答えた生徒の多くは学習後「今までどおり他人に接 する」と回答した。すなわち,これらの生徒は意識の変化が起 こり,行動の変容も期待できる結果であり,学習効果が現れた 結果と考えられる。  一方で「買・売春でHIVに感染した場合は自業自得だと思い ますか」の質問で,「思う」と回答した6人のうち,5人は学習 後も再び偲う」と回答した。「自分が感染した場合,他の人に 対してどのような行動をとりますか」の質問に対して,「なるべ く他入に接しない」と答えた4入のうち,3人は学習後も再び 「なるべく他人に接しない」と回答した。これらの生徒は意識 や行動の変容が起こらず,学習効果が低い結果と考えられる。  ここで,学習者の態度や信念,価値観など,動機づけに関わ る要因である先行因子を観点に加えて考察する。学習以前に先 行因子が強固である,つまり,自分の意志が善し悪しに関わら ず明確な生徒は,エイズの学習によって意識の変容が起こりに くい。逆に学習以前の先行因子が弱い,つまり,自分の意志が 明確に決まっていない,あるいは判断の基準が不明確な生徒に ついては,エイズの学習によって意識や行動の変容が起こりや すいことを示した結果であると考えられる。今後学習を行う場 表13教材を使用した後のインタビューの結果 人 今までにエイズの授業を受けたり、VTRを見たことがあるか      回 一斉授業小学校     中学校     高等学校 VTR  小学校     中学校     高等学校 記憶がない おそらくない 答 VTRを見たが良く覚えていない 高校生中学生   0   ]   5   7   2    −   O   l   3   8   5   −   0   1   0   ]   4   0 合計  1  12  2  1  ]1  5  1  ]  4 マルチメディア教材はわかりやすいか      回     答 わかりやすい 絵がおもしろくない もっとゲームのようなものかと思っていた 高校生中学生   9   三2   1   0   1   0 合計  2▲  1  三 授業、VTRと比較してマルチメディア教材はどう思うか      回     答 ひとりで自分のペースで勉強できる 韮対1で学習できることがよい 資料や映像、グラフィックスがあるのがよい 時間がかかる、遅い 自分で内容を選べることがよい 自分が答えることができる 集中できる 眠くならない 感染者の声がよい 先生が教えてくれるよりもわかりゃすい VTRよりわかりやすい もう少し詳しくても良い 高校生中学生 2 2 1 1 」 2 1 0 0 0 0 0 2 1 2 2 1 0 0 正 玉 1 ] 1 合計  4  3  3  3  2  2  】  1  ]  1  1  1 マルチメディア教材を見て今まで知らないことがあったか      回     答 だいたい知っていた 知らないことがいくつかあった 4096位知らなかった(忘れたものが多い) たくさんあった 具体的内容  感染後の経過(潜伏期間が長いなど)  HIVの特徴、性質  感染ルート(母子感染、遺伝しない)  日常生活では感染しない  動物からは感染しない  蚊では感染しない  輸∬且や献血では感染しない  検査の方法  感染者が増加していること  発病のメカニズム  最後は死ぬこと  HIVとAIDSの区別 高校生中学生   5   0   3   0   1   G   O   l 0 1 0 0 三 〇 〇 〇 G G O O 4 2 3 2 1 1 ▲ 1 1 1 1 1 合剤’  5  3  1  1 4 3 3 2 2 1 】 1 ] l l I マルチメディア教材の使い方で、難しいところ、分かりにくいとこ ろがあるか      回     答 ない、簡単であった 選び方がよくわからないことがあった 問題の言葉が分かりにくかった クイズが簡単であった 画面が早く消えるところがある 順番に戻れるようになれば良い 高校生中学生   4   3   1   2   2   0   1   0   1   0   ◎   } 合計  7  3  2  ]  1  1 マルチメディア教材の質問でわざと聞違えなかったか      回     答 まちがえなかった 間違えてみようと思ったがやめた 1問だけわざと間違えた 高校生中学生   9  10   0   2   1   1 合計  19  2  2 その他 自分がHWに感染した場合を考えたことがない 遺伝と母子感染の遠いが良くわからない 学校の授業でも積極的に導入して欲しい 非常に勉強になった

参照

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