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損傷した円形鋼製橋脚に対するコンクリート充填補修の充填高さと耐震性能に関する研究

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Academic year: 2021

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1 -191 土木学会第66@)年次学術講演会(平成23年度)

損傷した円形鋼製橋脚に対するコンクリート充填補修の充填高さと耐震性能に関する研究

愛知工業大学学生会員 O太田樹 愛知工業大学正会員 鈴木森晶 愛知工業大学学生会員 嶋口儀之 愛知工業大学正会員 青木徹彦

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序論 銅製橋脚は市街地の高架道路や鉄道などに多用されており,極大地震により橋脚が損傷を受けると,人命救助や災害 復旧活動の妨げになる.兵庫県南部地震では,それまで耐震設計で想定されていた地震力を超えていたため,銅製橋脚 に座屈や亀裂発生などの被害が生じた.しかし,銅製橋脚の補修方法は十分な研究が進んでおらず,損傷後の橋脚にど の程度の耐力があるか

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こついても明らかにされていなかったり.本研究では,早期復旧が可能な補修方法の提案を目的 として,コンクリート充填補修を行い,充填高さとジベノレの有無による効果の違いを検証する. 表

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新品時供試体諸元お

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実験計画 鋼種 外形D (即時 板]享t (mm) 載荷点尚さ h (mm) 供試体両さ h' (mm) 断面二次モーメント (mm4) 径厚比パラメータ民 細長比パフメータ λ 円形断面銅製橋脚を対象として,過去に本研究室で静的載荷実験を 行い,基部に提灯座屈が生じた供試体に補修を行う2) 新品時供試体 の諸元を表回1に示す.損傷前と比較して,補修後の耐力が著しく増 加すると,相対的に弱くなった支承部,フーチング,アンカーボノレト などに損傷が生じるため,そのような補修方法は望ましくない.その ため本研究では,早期復旧が可能であり,補修後の耐力が損傷前の 士10%以内となるような補修方法の提案を目的とする.実験では 4400kNアクチュエータを,鉛直方向に2基,水平方向に1基を用い て水平操り返し載荷を行う. l~ D 3.補修方法 過去に本研究室では,無損傷の鋼管供試体に対するコンクリート充填補 強実験が行われた3) その結果を参考とし,損傷した供試体に対し充填高 さを1.5Dとしてコンクリート充填補修を施したところ,木研究の目指す 補修後の最大荷重が土10%に入る結果が得られたの.しかし,充填高さが STK400 611.2 8.9 2890 2600 7.637xl08 0.098 0.358 1.5Dより低い場合での耐震性能は明らかになっておらず, 1.5Dでは充填 図

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コンクリート充填補修概要因 高さが過剰である可能性も考えられる.そこで本研究では,充填高さを変化させ, 1.5D, 1.0D, 0.5Dの計3種類の場 合の耐震性能を調べる.また,充填高さが低くなると,充填コンクリートに対する鉛直方向の拘束力が小さくなり,コ ンクリートの抜け上がりが発生しやすくなる.そこで,橋脚内側にジベノレを溶接することで,抜け上がりの防止策とし た. 1.0DとO.5Dの供試体については,ジベノレを溶接する物としない物の2種類を用意した.図-1~こジベルが有る場合 のコンクリート充填補修の概要図を示す.なお,充填したコンクリートの平均強度はfc'=27.5N/mm2であった.

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実験結果 4.1.水平荷重一水平変位履歴曲線 水平荷重一水平変位履歴曲線の一例として, C1.0D-T9.0, C1.0D-T9.0Dを図-2に示す.図中のORGは新品時を表して いる.図より,補修後の供試体は,最大荷重に達した後の荷重低下が新品時と比較して緩やかで、あり,大きく安定した 履歴を描いていることが分かる.このことから,補修後は耐力が回復し,変形性能も向上したと言える.また,図之 の(ゆと(b)を比較すると,ジベルの有る供試体は,最大荷重後の荷重の低下がジベ/レの無い供試体に比べて緩やかであ ることが分かる.これは,ジベノレにより充填コンクリートが抜け上がらず,鉛直軸力の一部を負担したためである. キーワード 銅製橋脚,補修,耐震性能,コンクリート充填 連絡先:〒470回0392愛知県豊田市八草町八千草1247 TEL: 0565・48幽8121,FAX: 0565-48・0030 -381

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1 -191 土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度) 500 500 250 250 ( Z ﹄)

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国 国 一 250 500 ー500 200 -100 0 100 200 -200 -100 0 100 1 i (mm) 1i (mm) (a)ジベル無し (b)ジベル有り 図

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水平荷重一水平変位履歴曲線(充填高さ

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4.2.包絡線 水平荷重水平変位履歴曲線の包絡線を図3 に示す.図は,縦 軸を

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y(降伏水平荷重),横軸をち(降伏水平変位)で無次元化し, 企印と阻印はジベルを設置した供試体を表している.この函よ り,ジベルの無い供試体では,充填高さを高くするほど最大荷 重は向上しており,充填高さがO.5Dの供試体を除き最大水平荷 重は新品時の 80%以上にまで回復した.ジベノレの有る供試体で は,充填高さが1.0D(企印)の場合で 96%,O.5D(・印)の場合でも 86%に最大荷重は回復している. 4.3.実験後供試体損傷状況 鋼管部については,ジベルの無い供試体で、は補修前に予め生 じていた基部の座屈が進行し(写真ーl(a)参照),ジベノレの有る供試 体では基部の座屈に加え,ジベノレを溶接した位置に新たに座屈 2 1.5

0.5 200

ーーベ〉一一C1.5D-T9.0 --fr-一一Cl.OD-T9.0 一一古「一Cl.OD-T9.0D ---0一一CO.5D-T9.0 一一圃トーCO.5D羽 .OD -ー争ー ORG 線 絡

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包 FOηd 図 20 (c)充填コンクリ一卜 (d)充填コンクリート (ジベル無し) (ジベル有り) 写真一

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供試体損傷状況 が発生した(写真・1(b)参照).充填コンクリートについては,全て の供試体で,座屈頂点、付近の高さに断面全体に達するひび割れが発生していた(写真・l(c)参照).これは,繰り返し載荷 の過程で,充填コンクリートに引張力が作用した時に発生したひび割れが徐々に進行していき,断面全体に達したと考 えられる.ジベルの有無で比較をすると,ジベノレの無い供試体では充填コンクリートの損傷が座屈部に集中しているの に対し,ジベノレの有る供試体で、は鉛直軸力が充填コンクリートに伝わるため,座屈部以外の箇所でも様々な損傷が見ら れたこれは,ジベノレにより充填コンクリートの抜け上がりが拘束されるため,ひび割れが断面全体に達した後も充填 コンクリートが鉛直軸力の一部を受け持っていたためであると考えられる(写真-1(の参照).

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結論 本研究では極大地震により損傷した円形銅製橋脚の早期復旧を想定し,基部に座屈の生じた円形銅製橋脚にコンクリ ート充填補修を施し,繰り返し載荷実験を行ってその耐震性能を検討した.本研究で得られた結論を以下に示す. 1)補修後の供試体は, CO.5D回T9.0 以外では新品に対して 82~96%まで耐力が回復し,変形性能においては全ての供試体 で向上した.2)ジベノレが有る場合では,充填コンクリートの抜け上がりを拘束するため,ジベルの無い場合と比べ,大 きな面積を描くような履歴曲線となる.3)ジベノレを設けない場合では充填高さを1.0D以上,ジベノレを設ける場合で、は 0.5D以上にすることで,耐力の回復および変形性能は向上する. 参考文献 1) 崩公対立鈴幌絹,骨陥多:損傷し

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参照

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