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( 義務教育の目的 ) 第五条 2 義務教育として行われる普通教育は 各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い また 国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われるものとする 教育基本法 ( 学校教育の基本的役割 ) 第六条 2 前項の学校

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Ⅱ  教育課程の編成

第1章 教育課程と編成の基本的要素

教育課程とは 教育課程編成の基本的な要素 学校の教育目標の設定 指導内容の組織 授業時数の配当  各学校においては、国・県として統一性 を保つために必要な限度で定められた基準 に従いながら、創意工夫を加えて、児童生 徒の障害の状態及び発達の段階や特性等並 びに地域や学校の実態に即した教育課程を 責任をもって編成、実施することが必要で ある。 第1節 学校の教育目標の設定  各学校において学校の教育目標を設定す るに当たっては、以下に示す、法律で定め られている教育の目的や目標などを基盤と しながら、地域や学校及び児童生徒の実態 等に即した教育目標を設定する必要がある。

Ⅱ 教育課程の編成

教育基本法 (教育の目的) 第一条 教育は、人格の完成を目指し、 平和で民主的な国家及び社会の形成者 として必要な資質を備えた心身ともに 健康な国民の育成を期して行われなけ ればならない。 (教育の目標) 第二条 教育は、その目的を実現するた め、学問の自由を尊重しつつ、次に掲 げる目標を達成するよう行われるもの とする。 1 幅広い知識と教養を身に付け、真理 を求める態度を養い、豊かな情操と道 徳心を培うとともに、健やかな身体を 養うこと。 2 個人の価値を尊重して、その能力を 伸ばし、創造性を培い、自主及び自律 の精神を養うとともに、職業及び生活 との関連を重視し、勤労を重んずる態 度を養うこと。 3 正義と責任、男女の平等、自他の敬 愛と協力を重んずるとともに、公共の 精神に基づき、主体的に社会の形成に 参画し、その発展に寄与する態度を養 うこと。 4 生命を尊び、自然を大切にし、環境の 保全に寄与する態度を養うこと。 5 伝統と文化を尊重し、それらをはぐ くんできた我が国と郷土を愛するとと もに、他国を尊重し、国際社会の平和 発展に寄与する態度を養うこと。  学校教育の目的や目標を達成するため に、教育の内容を児童生徒の心身の発達 に応じ、授業時数との関連において総合 的に組織した学校の教育計画である。 ・学校の教育目標の設定 ・指導内容の組織 ・授業時数の配当 ・法律で定められている教育の目的や目 標などを基盤としながら、 ・地域や学校及び児童生徒の実態等に即 した教育目標を設定する。 ・学校教育法施行規則及び学習指導要 領、埼玉県特別支援教育教育課程編成 要領の基準に従う ・児童生徒の障害の状態及び発達の段階 や特性等並びに地域や学校の実態を考 慮して指導内容を組織する。 ・学習指導要領の総則を踏まえて、授業 時数を定める。

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第2節 指導内容 1 幼稚部 (義務教育の目的) 第五条2 義務教育として行われる普通 教育は、各個人の有する能力を伸ばし つつ社会において自立的に生きる基礎 を培い、また、国家及び社会の形成者 として必要とされる基本的な資質を養 うことを目的として行われるものとす る。 教育基本法 (学校教育の基本的役割) 第六条2 前項の学校においては、教育 の目標が達成されるよう、教育を受け る者の心身の発達に応じて、体系的な 教育が組織的に行われなければならな い。この場合において、教育を受ける 者が、学校生活を営む上で必要な規律 を重んずるとともに、自ら進んで学習 に取り組む意欲を高めることを重視し て行われなければならない。 学校教育法 第8章 特別支援教育 (特別支援学校の目的) 第七十二条 特別支援学校は、視覚障害 者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不 自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む。 以下同じ。)に対して、幼稚園、小学校、 中学校又は高等学校に準ずる教育を施 すとともに、障害による学習上又は生 活上の困難を克服し自立を図るために 必要な知識技能を授けることを目的と する。 【幼稚園】 健  康 健  康 人間関係 環  境 言  語 表  現 発達の 側面 ・心身の健康に関する領域 ・人とのかかわりに関する  領域 ・身近な環境とのかかわり  に関する領域 ・言葉の獲得に関する領域 ・感性と表現に関する領域 【特別支援学校の幼稚部】 人間関係 環  境 言  語 表  現 発達の 側面 障害に対応 する側面 ・心身の健康に関する領域 ・人とのかかわりに関する  領域 ・身近な環境とのかかわり  に関する領域 ・言葉の獲得に関する領域 ・感性と表現に関する領域 自立活動 ・障害による学習上又は生  活上の困難の改善・克服  に関する領域

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Ⅱ  教育課程の編成 2 小学部 ⑴ 小学校の教育課程の編成 ⑵ 特別支援学校小学部の教育課程の編成 3 中学部 ⑴ 中学校の教育課程の編成 ⑵ 特別支援学校中学部の教育課程の編成 4 高等部 ⑴ 高等学校の教育課程の編成 ⑵ 特別支援学校高等部の教育課程の編成 学校教育法施行規則 第百二十八条 特別支援学校の高等部の 教育課程は、別表第三及び別表第五に 定める各教科に属する科目、総合的な 学習の時間及び特別活動並びに自立活 動によつて編成するものとする。 2 前項の規定にかかわらず、知的障害 者である生徒を教育する場合は、国語、 社会、数学、理科、音楽、美術、保健 体育、職業、家庭、外国語、情報、家 政、農業、工業、流通・サービス及び 福祉の各教科及び第百二十九条に規定 する特別支援学校高等部学習指導要領 で定めるこれら以外の教科、道徳、総 合的な学習の時間、特別活動並びに自 立活動によつて編成するものとする。 学校教育法施行規則 第五十条 小学校の教育課程は、 国語、 社会、 算数、 理科、 生活、 音楽、 図画工 作、 家庭及び体育の各教科、 道徳、 外国 語活動、 総合的な学習の時間並びに特 別活動によつて編成するものとする。 学校教育法施行規則 第百二十六条 特別支援学校の小学部の 教育課程は、国語、社会、算数、理科、 生活、音楽、図画工作、家庭及び体育 の各教科、道徳、外国語活動、総合的 な学習の時間、特別活動並びに自立活 動によつて編成するものとする。 2 前項の規定にかかわらず、知的障害 者である児童を教育する場合は、生活、 国語、算数、音楽、図画工作及び体育 の各教科、道徳、特別活動並びに自立 活動によつて編成するものとする。 学校教育法施行規則 第七十二条 中学校の教育課程は、国語、 社会、数学、理科、音楽、美術、保健 体育、技術・家庭及び外国語の各教科、 道徳、総合的な学習の時間並びに特別 活動によつて編成するものとする。 学校教育法施行規則 第百二十七条 特別支援学校の中学部の 教育課程は、国語、社会、数学、理科、 音楽、美術、保健体育、技術・家庭及 び外国語の各教科、道徳、総合的な学 習の時間、特別活動並びに自立活動に よつて編成するものとする。 2 前項の規定にかかわらず、知的障害 者である生徒を教育する場合は、国語、 社会、数学、理科、音楽、美術、保健 体育、及び職業・家庭の各教科、道徳、 総合的な学習の時間、特別活動並びに 自立活動によつて編成するものとす る。ただし、必要がある場合には、外 国語を加えて教育課程を編成すること ができる。 学校教育法施行規則 第 八十三条 高等学校の教育課程は、別 表第三に定める各教科に属する科目、 総合的な学習の時間及び特別活動によ つて編成するものとする。

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第3節 指導の形態  特別支援学校の小学部、中学部又は高等 部においては、必要に応じて、各教科等を 合わせて授業を行うことができることに なっている。  知的障害者である児童生徒に対する教育 を行う特別支援学校においては、この各教 科等を合わせて指導を行うことが効果的で あることから、日常生活の指導、遊びの指 導、生活単元学習、作業学習などとして実 践されてきており、それらは「領域・教 科を合わせた指導」と呼ばれている。ま た、教科ごとの時間を設けて、各教科等を 合わせないで指導を行う場合もあり、それ は、「教科別の指導」と呼ばれている。道徳、 特別活動及び自立活動の時間を設け、それ らを合わせず、あるいは、それらと各教科 とも合わせないで指導する場合もあり、そ れは、「領域別の指導」と呼ばれている。

第2章 教育課程編成の原則、手順

と評価

 教育課程は、各学校の校長が責任者と なって編成するものである。その際、それ ぞれの学校の運営組織を生かし、全教職員 の協力の下にそれぞれの分担に応じて十分 な研究を重ねるとともに、教育課程全体の バランスに配慮しながら、創意工夫を加え て、特色ある教育活動が展開できるよう編 成することが大切である。 第1節 教育課程編成の原則 1 教育基本法及び学校教育法その他の法 令並びに学習指導要領の示すところに従 うこと  学習指導要領総則において、「各学校に おいては、教育基本法及び学校教育法その 他の法令並びにこの章以下に示すところに 従い、…適切な教育課程を編成するものと する…」と示されている。ここでいう「そ の他の法令」とは、学校教育法施行規則、 地方教育行政の組織及び運営に関する法律 等である。また学習指導要領は法令を根拠 として、国が定めた教育課程の基準である。  したがって、これらの法令や学習指導要 領の示すところにより、各学校の特色を生 かした適切な教育課程を編成しなければな らない。 2 児童生徒の人間として調和のとれた育 成を目指し、その障害の状態及び発達の 段階や特性等並びに地域や学校の実態を 十分考慮すること ⑴ 児童生徒の障害の状態及び発達の段階 や特性等  各学校において教育課程を編成する場合 には、児童生徒の調和のとれた発達を図る という観点から、児童生徒の障害の状態及 び発達の段階や特性等を十分把握して、こ 学校教育法施行規則 第百三十条  特別支援学校の小学部、 中学部又は高等部においては、特に必 要がある場合は、第126条から第 128条までに規定する各教科又は別 表第3及び別表第5に定める各教科に 属する科目の全部又は一部について、 合わせて授業を行うことができる。 2 特別支援学校の小学部、中学部又は 高等部においては、知的障害者である 児童若しくは生徒又は複数の種類の障 害を併せ有する児童若しくは生徒を教 育する場合において特に必要があると きは、各教科、道徳、特別活動及び自 立活動の全部又は一部について、合わ せて授業を行うことができる。

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Ⅱ  教育課程の編成 れを教育課程の編成に反映させることが必 要である。  特別支援学校に在籍する児童生徒の障害 の状態は多様であり、個人差が大きい。ま た、個々の児童生徒についてみると、心身 の発達の諸側面に不均衡が見られることも 少なくない。各学校においては、このよう な児童生徒の障害の状態や発達の段階を的 確に把握し、これに応じた適切な教育を展 開することができるよう十分配慮すること が必要である。 ⑵ 地域の実態  学校は地域社会を離れては存在し得ない ものであり、児童生徒は家庭や地域社会で 様々な経験を重ねて成長している。学校を 取り巻く地域社会の実情を十分考慮して教 育課程を編成することが大切である。とり わけ、学校の教育目標や指導内容の選択に 当たっては、地域の実態を考慮することが 大切である。  学校の教育方針や特色ある教育活動の取 組、児童生徒の状況などを家庭や地域社会 に説明し、理解を求め協力を得ること、学 校が家庭や地域社会からの要望にこたえる ことが大切であり、このような観点から、 その積極的な連携を図り、相互の意思の疎 通を図って、それを教育課程の編成、実施 に生かしていくことが大切である。  したがって、各学校においては、指導記 録など様々な資料を累積し、児童生徒一人 一人の障害の状態及び発達段階や特性等を 的確に把握し、発達の過程や課題を踏まえ、 長期的な展望に立った教育課程を編成しな ければならない。 ⑶ 学校の実態  学校規模、教職員の状況、施設設備の状 況、児童生徒の実態などの人的、物的条件 の実態は学校によって異なっている。児童 生徒の特性や教職員の構成、教師の指導力、 教材・教具の整備状況、地域住民による協 力体制の整備状況などについて分析し、教 育課程の編成に生かすことが必要である。 第2節 教育課程編成の手順  教育課程編成の手順は、それぞれの学校 の実態に応じて考えるべきものである。こ こでは、一般的な手順として必要なことを 示す。 1 教育課程の編成に対する学校の基本方 針を明確にする ⑴ 学校として教育課程の意義、教育課程 の編成の原則などの編成に対する基本的 な考え方を明確にし、全教職員が共通理 解をもつ。 ⑵ 編成のための作業内容や作業手順の大 綱を決め、作業計画の全体について全教 職員が共通理解をもつ。 ⑶ 編成のための組織と日程の基本的な方 針を明確にする。 2 教育課程の編成のための具体的な組織 と日程を決める ⑴ 編成のための組織を決める。 ⑵ 編成のための作業日程を決める。 3 教育課程の編成のための事前の研究や 調査をする ⑴ 教育課程についての国の基準や教育委 員会の規則などを研究し理解する。 ⑵ 児童生徒の障害の状態及び発達の段階 や特性等並びに地域や学校の実態を把握 する。その際、保護者や地域住民の意向、 児童生徒の状況等を把握することに留意 する。 ⑶ 実施中の教育課程を検討し評価して、 その改善点を明確にする。その際、児童 生徒の学習状況や反応などに留意する。 4 学校の教育目標など教育課程の編成の 基本となる事項を定める ⑴ 事前の研究や調査の結果を検討し、学 校教育の目的や目標に照らして、それぞ れの学校や児童生徒がもっている教育課

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題を明確にする。 ⑵ 学校教育の目的や目標を調和的に達成 するため、各学校の教育課題に応じて、 学校の教育目標など教育課程の編成の基 本となる事項を設定する。 ⑶ 編成に当たっては、特に留意すべき点 を明確にする。 5 教育課程を編成する ⑴ 指導内容を選択する。 ⑵ 指導内容を組織する。 ⑶ 授業時数を配当する。 第3節 教育課程の評価 1 学校評価における教育課程の評価  学校評価については、学校教育法が改正 され学校評価及び情報提供に関する総合的 な規定が設けられた。学校教育法施行規則 が改正され、自己評価・学校関係者評価の 実施・公表、評価結果の設置者への報告に 関する規定が新たに設けられた。  各特別支援学校は法令上、 ① 教職員による自己評価を行い、その結 果を公表すること、 ② 保護者などの学校の関係者による評価 (「学校関係者評価」)を行うとともにそ の結果を公表するよう努めること、 ③ 自己評価の結果・学校関係者評価の結 果を設置者に報告すること、  が必要である。  文部科学省は、これらの法令上の規定等 を踏まえ、「学校評価ガイドライン〔改訂〕」 を作成し、その中では、具体的にどのよう な評価項目・指標等を設定するかは各学校 が判断すべきことではあるが、その設定に ついて検討する際の視点となる例が示され ている。 2 教育課程の改善  教育課程の改善は、教育課程を児童生徒 の障害の状態及び発達の段階や特性等並び に地域や学校の実態に即したものにするこ とである。学校は教育課程を絶えず改善す る基本的態度をもつことが必要である。こ のような改善によってこそ学校の教育活動 が充実するとともに質を高めて、その効果 を一層上げることが期待できる。  教育課程の改善の方法は、各学校の創意 工夫によって具体的には異なるが、一般的 には次のような手順が考えられる。 ① 評価の資料を収集し、検討すること。 ② 整理した問題点を検討し、原因と背景 を明らかにすること。 ③ 改善案をつくり、実施すること。  このようにして、児童生徒の障害の状態 及び発達の段階や特性等並びに地域や学校 の実態に即し、各学校の創意工夫を生かし たより一層適切な教育課程を編成するよう 努めなければならない。

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Ⅱ  教育課程の編成

第3章 小・中学部の教育課程の編成

第1節 一般方針 1 「生きる力」を育成すること  各学校においては、児童又は生徒の人間 として調和のとれた育成を目指し、その障 害の状態及び発達の段階や特性等並びに地 域や学校の実態を十分考慮して、適切な教 育課程を編成するものとし、目標を達成す るよう教育を行うものとする。  教育活動を進めるに当たっては、生きる 力をはぐくむことを目指し、創意工夫を生 かした特色ある教育活動を展開する中で、 基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習 得させ、これらを活用して課題を解決する ために必要な思考力、判断力、表現力その 他の能力をはぐくむとともに、主体的に学 習に取り組む態度を養い、個性を生かす教 育の充実に努めなければならない。その際、 発達の段階を考慮して、言語活動を充実す るとともに、家庭との連携を図りながら、 学習習慣が確立するよう配慮しなければな らない。 2 道徳教育による豊かな心の育成  学校における道徳教育は、道徳の時間を 要として学校の教育活動全体を通じて行う ものであり、道徳の時間はもとより、各教 科、外国語活動、総合的な学習の時間、特 別活動及び自立活動のそれぞれの特質に応 じて、児童又は生徒の発達の段階を考慮し て、適切な指導を行わなければならない。 3 体育・健康に関する指導による健やか な心身の育成  学校における体育・健康に関する指導は、 発達の段階を考慮して、学校の教育活動全 体を通じて適切に行う。特に、学校におけ る食育の推進並びに体力の向上に関する指 導、安全に関する指導及び心身の健康の保 持増進に関する指導については、小学部の 体育科及び中学部の保健体育科の時間はも とより、小学部の家庭科(知的障害者であ る児童に対する教育を行う特別支援学校に おいては生活科)、中学部の技術・家庭科(知 的障害者である生徒に対する教育を行う特 別支援学校においては職業・家庭科)、特 別活動、自立活動などにおいてもそれぞれ の特質に応じて適切に行うよう努める。 4 自立活動の指導による自立し社会参加 する資質を養う  学校における自立活動の指導は、障害に よる学習上又は生活上の困難を改善・克 服し、自立し社会参加する資質を養うた め、学校の教育活動全体を通じて適切に行 う。特に、自立活動の時間における指導は、 各教科、道徳、外国語活動、総合的な学習 の時間及び特別活動と密接な関連を保ち、 個々の児童又は生徒の障害の状態や発達の 段階等を的確に把握して、適切な指導計画 の下に行うよう配慮する。 ※生きる力 ○ 基礎・基本を確実に身に付け、いか に社会が変化しようと、自ら課題を見 つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に 判断し、行動し、よりよく問題を解決 する資質や能力 ○ 自らを律しつつ、他人とともに協調 し、他人を思いやる心や感動する心な どの豊かな人間性 ○ たくましく生きるための健康や体 力など

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第2節 内容等の取扱い 1 内容の取扱いの原則  各教科、道徳、外国語活動、特別活動及 び自立活動の内容に関する事項は、特に示 す場合を除き、いずれの学校においても取 り扱わなければならない。 2 学習指導要領に示していない内容  特に必要がある場合には、学習指導要領 に示していない内容を加えて指導すること ができる。ただし、これらの場合には、各 教科等の目標や内容の趣旨を逸脱したり、 児童又は生徒の負担過重となったりするこ とのないようにしなければならない。 3 内容の順序等  各教科、道徳、外国語活動、特別活動及 び自立活動並びに各学年、各分野又は各言 語の内容に掲げる事項の順序は、特に示す 場合を除き、指導の順序を示すものではな いので、各学校においては、各教科、道徳、 外国語活動、特別活動及び自立活動並びに 各学年、各分野、又は各言語の内容を、地 域や学校及び児童生徒の実態に応じて、指 導の順序やまとめ方に創意工夫を加えて効 果的な指導ができるようにする。 4 学年の目標及び内容をまとめて示して ある教科の内容の取扱い  各学校(知的障害特別支援学校を除く) の小学部において、学年の目標及び内容を 2学年まとめて示してある教科は、地域や 学校及び児童生徒の実態に応じ、2学年間 を見通して弾力的に扱い、創意工夫を生か して計画的に指導する。 5 選択教科の取扱い  各学校(知的障害特別支援学校を除く) の中学部においては、選択教科を開設し、 生徒に履修させることができる。  地域や学校、生徒の実態を考慮し、すべ ての生徒に指導すべき内容との関連を図り つつ、選択教科の授業時数及び内容を適切 に定める。内容については、課題学習、補 充的な学習や発展的な学習など、生徒の障 害の状態や特性等に応じた多様な学習活動 が行えるよう適切に定める。その際、生徒 の負担過重にならないようにする。各学校 においては、各教科を選択教科として設け ることができるほか、地域や学校、生徒の 実態を考慮して、特に必要がある場合には、 その他特に必要な教科を選択教科として設 けることができる。名称、目標、内容など については、各学校が適切に定める。 6 知的障害者である生徒に対する教育を 行う特別支援学校の中学部の各教科等の 取扱い  知的障害者である生徒に対する教育を行 う特別支援学校の中学部においては、各教 科、道徳、総合的な学習の時間、特別活動 並びに自立活動については、特に示す場合 を除き、すべての生徒に履修させる。また、 外国語科については、学校や生徒の実態を 考慮し、必要に応じて設けることができる。 7 知的障害者である児童又は生徒に対す る教育を行う特別支援学校における各教 科等の指導内容の設定  知的障害者である児童又は生徒に対する 教育を行う特別支援学校において、各教科 の指導に当たっては、各教科(小学部にお いては各教科の各段階。)に示す内容を基 に、知的障害の状態や経験等に応じて、具 体的に指導内容を設定する。また、各教科、

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Ⅱ  教育課程の編成 道徳、特別活動及び自立活動の全部又は一 部を合わせて指導を行う場合には、各教科、 道徳、特別活動及び自立活動に示す内容を 基に、児童又は生徒の知的障害の状態や経 験等に応じて、具体的に指導内容を設定す る。 8 知的障害者である生徒に対する教育を 行う特別支援学校における選択教科の取 扱い  知的障害者である生徒に対する教育を行 う特別支援学校の中学部においては、地域 や学校、生徒の実態を考慮して、特に必要 がある場合には、その他特に必要な教科を 選択教科として設けることができる。名称、 目標、内容などについては、各学校が適切 に定める。その際、個々の生徒の実態に即 して、生活に結び付いた効果的な指導を行 うとともに、生徒が見通しをもって、意欲 的に学習活動に取り組むことができるよう 配慮するとともに、生徒の負担過重となる ことのないようにしなければならない。 第3節 授業時数等の取扱い 1 年間授業時数  各教科(知的障害者である生徒に対する 教育を行う特別支援学校の中学部において、 外国語科を設ける場合を含む。)道徳、外 国語活動、総合的な学習の時間、特別活動 (学級活動(学校給食に係るものを除く。)) 及び自立活動(以下「各教科等」という。) の総授業時数は、小学校又は中学校の各学 年における総授業時数に準ずる。この場合、 各教科等の目標及び内容を考慮し、それぞ れの年間の授業時数を適切に定めるものと する。 ※総授業時数 2 総合的な学習の時間に充てる授業時数  各学年の総合的な学習の時間に充てる授 業時数は、障害の状態や発達の段階等を考 慮して、視覚障害者、聴覚障害者、肢体不 自由者又は病弱者である児童又は生徒に対 する教育を行う特別支援学校については、 小学部第3学年以上及び中学部において、 知的障害者である生徒に対する教育を行う 特別支援学校については、中学部において、 それぞれ適切に定める。 3 自立活動の時間に充てる授業時数  各学年の自立活動の時間に充てる授業時 数は、児童又は生徒の障害の状態に応じて、 適切に定める。各学年における自立活動に 充てる授業時数については、一律に標準と しては示さず、各学校が実態に応じた適切 な指導を行うことができるようになってい る。ただし、授業時数を標準として示さな いからといって、自立活動の時間を確保し なくてもよいということではなく、個々の 児童生徒の実態に応じて、適切な授業時数 を確保する必要がある。 4 年間の授業週数  各教科等の授業は、年間 35 週(小学部 第1学年については 34 週)以上にわたっ 小学部 ( 1単位時間 45 分 ) 中学部 ( 1単位時間 50 分 ) 学年 時 間 学年 時 間 850 1015 910 1015 945 1015 980 980 980

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て行うように計画し、週当たりの授業時数 が児童又は生徒の負担過重にならないよう にする。ただし、各教科等(中学部におい ては、特別活動を除く。)や学習活動の特 質に応じ効果的な場合には、夏季、冬季、 学年末等の休業日の期間に授業日を設定す る場合を含め、これらの授業を特定の期間 に行うことができる。なお、給食、休憩な どの時間については、学校において工夫を 加え、適切に定めるものとする。 5 特別活動の授業時数  特別活動の授業のうち、小学部の児童会 活動及びクラブ活動、中学部の生徒会活動 並びに学校行事については、内容に応じ、 年間、学期ごと、月ごとなどに適切な授業 時数を充てる。 6 授業の1単位時間  各教科等のそれぞれの授業の1単位時間 は、各学校において、障害の状態や発達の 段階及び各教科等や学習活動の特質を考慮 して適切に定める。なお、中学部において は、10 分間程度の短い時間を単位として 特定の教科の指導を行う場合において、当 該教科を担当する教師が指導内容の決定や 成果の把握と活用等を責任をもって行う体 制が整備されているときは、その時間を当 該教科の年間授業時数に含めることができ る。なお、授業時数の1単位時間を小学校 は 45 分、中学校は 50 分であることに留 意する必要がある。 7 時間割の弾力的な編成  各学校においては、地域や学校、児童又 は生徒の実態、各教科等や学習活動の特質 等に応じて、創意工夫を生かし時間割を弾 力的に編成する。その際、児童生徒の学習 や生活リズムを形成する観点等から、35 の倍数にすることを考慮して、時間割の編 成を工夫することが大切である。 8 年間授業日数  年間の授業日数は、各教科等の授業時数 が適切に確保されるとともに、週当たりの 授業時数が児童生徒の負担にならないよう 配慮して定める。年間授業日数については、 国の基準では直接定めていないが、通常は 休業日を除いた日が授業日として考えられ ている。 埼玉県立高等学校通則(埼玉県立特別支援 学校管理規則第十二条(準用規定) 第七条 休業日は、次のとおりとする。 一  国民の祝日に関する法律(昭和二十三 年法律第百七十八号)に規定する休日 二  日曜日及び土曜日 三  県民の日を定める条例(昭和四十六年 埼玉県条例第五十八号)に規定する日 四  開校記念日 五  春季休業日 四月一日から四月十日ま での間において校長が定める期間 六  夏季休業日 七月十五日から九月五日 までの間において校長が定める期間 七  秋季休業日 九月二十六日から十月 五日までの間において校長が定める期 間(学年を二学期に分ける高等学校に限 る。) 八  冬季休業日 十二月二十日から一月十 日までの間において校長が定める期間 九  学年末休業日 三月二十日から三月 三十一日までの間において校長が定める 期間 2  前項第五号から第九号までの休業日の 日数の合計は、学年を通じて七十日以内 とする。 3  校長は、第一項第五号から第九号まで の休業日を定め、あらかじめ委員会に届 け出なければならない。 4  校長は、教育上必要があり、かつ、や むを得ない事由があるときは、委員会の 承認を得て休業日を授業日とし、又は授 業日を休業日とすることができる。ただ し、運動会、学芸会等恒例の学校行事の 実施のため、休業日を授業日とし、又は 授業日を休業日とする場合については、 あらかじめ委員会に届け出るをもってあ たる。 5  非常変災その他急迫の事情があつて 臨時に授業を行わない場合においては、

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Ⅱ  教育課程の編成 9 総合的な学習の時間の実施による特別 活動の代替  総合的な学習の時間における学習活動に より、特別活動の学校行事に掲げる各行事 の実施と同様の成果が期待できる場合にお いては、総合的な学習の時間における学習 活動をもって相当する特別活動の学校行事 に掲げる各行事の実施に替えることができ る。 第4節 指導計画の作成等にあたって配慮 すべき事項 ※教育課程と指導計画 1 各学校においては、次の事項に配慮し ながら、学校の創意工夫を生かし、全体 として、調和のとれた具体的な指導計画 を作成する。 ⑴ 各教科等及び各学年相互間の関連  各教科等及び各学年相互間の関連を図り、 系統的、発展的な指導ができるようにする。 各教科、道徳、外国語活動、総合的な学習 の時間、特別活動及び自立活動それぞれの 固有の目標やねらいの実現を目指すと同時 に、他の教育活動との関連や学年間の関連 を十分図るように作成する。  また、知的障害又は重複障害のある児童 生徒を教育する場合において、各教科等を 合わせて指導を行う際にも、各教科等相互 間の関連を図り、系統的、発展的な指導が できるように努め、指導の効果が上がるよ うにする。 ⑵ 学年の目標及び内容を2学年まとめて 示した教科の指導計画  特別支援学校(視覚障害、聴覚障害、肢 体不自由又は病弱)の小学部において、学 年の目標及び内容を2学年まとめて示した 教科及び外国語活動については、当該学年 間を見通して、地域や学校及び児童の実態 に応じ、その障害の状態や発達の段階を考 慮しつつ、効果的、段階的に指導する。 ⑶ 指導内容のまとめ方や重点の置き方  各教科の各学年、各分野又は各言語の指 導内容については、各教科の目標と各指導 事項との関連を十分研究し、そのまとめ方 や重点の置き方に適切な工夫を加えるなど、 効果的な指導ができるようにする。また、 教材・教具の工夫や児童生徒の理解度の把 握などを通して、教えることと考えさせる ことの両者を関連付けることも重要である。 ⑷ 合科的・関連的な指導  小学部においては、児童の実態等を考慮 し、指導の効果を高めるため、合科的・関 連的な指導を進める。総合的な学習の時間 と連携しつつ、特別支援学校(視覚障害、 聴覚障害、肢体不自由又は病弱)の小学部 の低学年においては生活科を中核とした合 科的な指導を一層推進するとともに、中学 教育課程  各教科、道徳、外国語活動、総合的な 学習の時間、特別活動及び自立活動につ いて、それらの目標やねらいを実現する ように、教育の内容を学年段階に応じ授 業時数との関連において総合的に組織し た学校の教育計画 指導計画  各教科、道徳、外国語活動、総合的な 学習の時間、特別活動及び自立活動のそ れぞれについて、学年ごとあるいは学級 ごとなどに、指導目標、指導内容、指導 の順序、指導方法、使用教材、指導の時 間配当等を定めたより具体的な計画 校長は、次の事項について、速やかに委 員会に報告しなければならない。 一 授業を行わない期間 二  非常変災その他急迫の事情の概要とそ の措置 三 その他校長が必要と認める事項

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年以上においても合科的・関連的な指導を 進めることを重視する。  なお、合科的な指導に要する授業時数は、 原則としてそれに関連する教科の授業時数 から充当することになる。指導に要する授 業時数をあらかじめ算定し、関連する教科 を教科ごとに指導する場合の授業時数の合 計とおおむね一致するように計画する必要 がある。 ⑸ 個別の指導計画の作成  障害の状態が重度・重複化、多様化して いる児童生徒の実態に即した指導を一層推 進するため、各教科等の指導に当たっては、 個々の児童又は生徒の実態を的確に把握し、 個別の指導計画を作成する。また、個別の 指導計画に基づいて行われた学習の状況や 結果を適切に評価し、指導の改善に努める。 ⑹ 家庭や地域社会との連携並びに学校相 互の連携や交流及び共同学習  学校がその目的を達成するため、地域や 学校の実態等に応じ、家庭や地域の人々と 共に児童生徒を育てていくという視点に立 ち、家庭や地域の人々の協力を得るなど家 庭や地域社会との連携を深めることが大切 である。また、学校相互の連携や交流を図 ることにも努める。特に、児童又は生徒の 経験を広めて積極的な態度を養い、社会性 や豊かな人間性をはぐくむために、学校の 教育活動全体を通じて、小学校の児童又は 中学校の生徒などと交流及び共同学習を計 画的、組織的に行うとともに、地域の人々な どと活動を共にする機会を積極的に設ける。 2 以上のほか、次の事項に配慮する。 ⑴ 個に応じた指導など指導方法の工夫改善  学校の教育活動全体を通じて、個に応じ た指導を充実するため、個別の指導計画に 基づき指導方法や指導体制の工夫改善に努 める。その際、児童又は生徒の障害の状態 や学習の進度等を考慮して、個別指導を重 視するとともに、授業形態や集団の構成の 工夫、それぞれの教師の専門性を生かした 協力的な指導などにより、学習活動が効果 的に行われるようにする。  なお、教師が教材研究、指導の打合せ、 地域との連絡調整などに充てる時間を可能 な限り確保できるよう、会議の持ち方や時 間割の工夫など時間の効果的・効率的な利 用等に配慮することも重要である。 ※個に応じた指導方法の例示 合科的な指導 関連的な指導  教科のねらいをよ り効果的に実現する ための指導方法の一 つ。単元又は1コマ の時間の中で、複数 の教科の目標や内容 を組み合わせて、学 習活動を展開するも の。  教科等別に指導す るに当たって、各教 科等の指導内容の関 連を検討し、指導の 時期や指導の方法な どについて相互の関 連を考慮して指導す るもの。 ・障害のある子どもと障害のない子ども が一緒に参加する活動 ・相互の触れ合いを 通じて豊かな人間 性をはぐくむこと を目的とする交流 の側面 ・教科等のねら いの達成を目 的とする共同 学習の側面  「交流及び共同学習」とは、両方の側 面が一体としてあることをより明確に表 したもの。この二つの側面を分かちがた いものとしてとらえ、推進していく。 個別指導 の重視 授業形態 や集団の 構成の工 授業形態の工夫…ティーム・ ティーチングによる個別指 導、学級等の枠をはずしたグ ループ別指導による授業など 集団の構成の工夫…習熟度や 障害の状態に応じたグループ 編成など

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Ⅱ  教育課程の編成 ⑵ 重複障害者の指導  複数の種類の障害を併せ有する児童又 は生徒(以下「重複障害者」)については、 専門的な知識や技能を有する教師間の協力 の下に指導を行ったり、必要に応じて専門 の医師及びその他の専門家(看護師、理学 療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理学の 専門家等)の指導・助言を求めたりするな どして、学習効果を一層高めるようにする。  なお、重複障害者については、一人一人 の実態に応じた弾力的な教育課程の取扱い が定められており、これらの規定の活用も 含め、より適切な教育課程の編成について 工夫することが大切である。 ⑶ 児童生徒の言語環境の整備と言語活動 の充実  各教科等の指導に当たっては、思考力、 判断力、表現力等をはぐくむ観点から、基 礎的・基本的な知識及び技能の活用を図る 学習活動を重視するとともに、言語に対す る関心や理解を深め、言語に関する能力の 育成を図る上で必要な言語環境を整え、児 童又は生徒の言語活動を充実する。 ⑷ 体験的・問題解決的な学習及び自主的、 自発的な学習の促進  各教科等の指導に当たっては、体験的な 学習や基礎的・基本的な知識及び技能を活 用した問題解決的な学習を重視するととも に、興味・関心を生かし、自主的、自発的 な学習が促されるよう工夫する。 ⑸ 生徒指導及び進路指導の充実 ① 生徒指導の充実  教師と児童生徒の信頼関係及び児童生徒 相互の好ましい人間関係を育てるとともに 児童生徒理解を深め、生徒指導の充実を図 る。 ② 進路指導の充実  中学部においては、生徒が自らの生き方 を考え主体的に進路を選択することができ るよう、校内の組織体制を整備し、教師間 の相互の連携を図りながら、学校の教育活 動全体を通じ、計画的、組織的な進路指導 を行う。その際、家庭及び地域や福祉、労 働等の業務を行う関係機関との連携を十分 に図る。 ⑹ 課題選択や自己の生き方を考える機会 の充実等 ① 課題選択や自己の生き方を考える機会 の充実  小学部の各教科等の指導に当たっては、 児童が学習課題や活動を選択したり、自ら の将来について考えたりする機会を設ける など工夫する。 ② ガイダンスの機能の充実  中学部においては、生徒が学校や学級で の生活によりよく適応するとともに、現在 及び将来の生き方を考え行動する態度や能 力を育成することができるよう、学校の教 育活動全体を通じ、ガイダンスの機能の充 実を図る。 ⑺ 見通しを立てたり、振り返ったりする 学習活動の重視 学校生活全体における言語環境の整備の例 ① 教師は正しい言語で話し、黒板など に正確で丁寧な文字を書くこと ② 校内の掲示板やポスター、児童生徒 に配布する印刷物において用語や文字 を適正に使用すること ③ 校内放送において、適切な言葉を 使って簡潔に分かりやすく話すこと ④ 適切な話し言葉や文字が用いられて いる教材を使用すること ⑤ 教師と児童生徒、児童生徒相互の話 し言葉が適切に行われるような状況を つくること ⑥ 児童生徒が集団の中で安心して話が できるような教師と児童生徒、児童生 徒相互の好ましい人間関係を築くこと

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 児童生徒の学習意欲の向上をめざし、各 教科等の指導に当たっては、児童又は生徒 が学習の見通しを立てたり学習したことを 振り返ったりする活動を計画的に取り入れ るよう工夫する。 ⑻ 海外から帰国した児童生徒や外国人の 児童生徒の指導  海外から帰国した児童又は生徒などにつ いては、学校生活への適応を図るとともに、 外国における生活経験を生かすなどの適切 な指導を行う。海外から帰国した児童生徒 や外国人の児童生徒については、本人に対 するきめ細かな指導とともに、他の児童生 徒についても帰国した児童生徒や外国人の 児童生徒の長所や特性を認め、広い視野を もって異文化を理解し共に生きていこうと する姿勢を育てるよう配慮することが大切 である。 ⑼ 訪問教育における指導の工夫  障害のため通学して教育を受けることが 困難な児童又は生徒に対して、教員を派遣 して教育を行う場合については、障害の状 態や学習環境等に応じて、指導方法や指導 体制を工夫し、学習活動が効果的に行われ るようにする。 ⑽ 情報教育の充実、コンピュータ等の教 材・教具の活用   各 教 科 等 の 指 導 に 当 た っ て は、 コ ン ピュータや情報通信ネットワークなどの情 報手段に慣れ親しみ、その基本的な操作や 情報モラルを身に付け、適切かつ主体的、 積極的に活用できるようにするための学習 活動を充実するとともに、これらの情報手 段に加え、視聴覚教材や教育機器などの教 材・教具の適切な活用を図る。  また、児童又は生徒の障害の状態や特性 等に即した教材・教具を創意工夫するとと もに、学習環境を整え、指導の効果を高め るようにする。 ⑾ 学校図書館の利活用  学校図書館を計画的に利用しその機能の 活用を図り、児童又は生徒の主体的、意欲 的な学習活動や読書活動を充実する。 ⑿ 指導の評価と改善  児童又は生徒のよい点や可能性、進歩の 状況などを積極的に評価するとともに、指 導の過程や成果を評価し、指導の改善を行 い学習意欲の向上に生かすようにする。 ⒀ 学校医等との連絡  学校医等との連絡を密にし、児童又は生 徒の障害の状態に応じた保健及び安全に十 分留意する。 ⒁ 個別の教育支援計画の作成  家庭及び地域や医療、福祉、保健、労働 等の業務を行う関係機関との連携を図り、 見通しを立てる学習例  授業の冒頭に当該授業での学習の見通 しを児童生徒に理解させる  児童生徒が家庭において学習の見通し を立てて予習をする習慣の確立 振り返る学習例  授業の最後に児童生徒が当該授業で学 習した内容を振り返る機会を設ける  児童生徒が家庭において学習した内容 を振り返って復習する習慣の確立 指導内容・方法の工夫例  各教科等の指導内容の精選を行うとと もに、個々の児童生徒の実態や学習環境 に応じた教材・教具を活用する。  コンピュータや情報通信ネットワーク 等を活用するなどして、間接的にかかわ り合う機会を設ける。 指導体制の工夫例  指導内容に応じて他の専門的な知識や 技能を有する教師と連携して訪問教育を 進めたり、訪問教育の児童生徒が登校す る際に他の教職員と協力したりする。  日ごろから家族、福祉施設や医療機関 の職員など、児童生徒の周囲の人たちと の連携を図る。

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Ⅱ  教育課程の編成 長期的な視点で児童又は生徒への教育的支 援を行うために、個別の教育支援計画を作 成する。 ⒂ 部活動の意義と留意点等  中学部において、生徒の自主的、自発的 な参加により行われる部活動については、 スポーツや文化及び科学等に親しませ、学 習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に 資するものであり、学校教育の一環として、 教育課程との関連が図られるよう留意する。 その際、地域や学校の実態に応じ、地域の 人々の協力、社会教育施設や社会教育関係 団体等の各種団体との連携などの運営上の 工夫を行うようにする。 ⒃ 特別支援教育に関するセンターとして の役割  小学校又は中学校等の要請により、障害 のある児童、生徒又は当該児童若しくは生 徒の教育を担当する教師等に対して必要な 助言又は援助を行ったり、地域の実態や家 庭の要請等により保護者等に対して教育相 談を行ったりするなど、各学校の教師の専 門性や施設・設備を生かした地域における 特別支援教育のセンターとしての役割を果 たすよう努める。その際、学校として組織 的に取り組むことができるよう校内体制を 整備するとともに、他の特別支援学校や地 域の小学校又は中学校等との連携を図る。 第5節 重複障害者等に関する教育課程の 取扱い 1 障害の状態により特に必要がある場合  児童生徒の障害の状態により、例えば、 当該学年の各教科及び外国語活動の学習を 行う際に、特に必要がある場合には、その 実態に応じて、弾力的な教育課程を編成で きることについて示したものである。この 規定は、「障害の状態により特に必要があ る場合」について示したものであり、重複 障害者に限定した教育課程の取扱いではな いことに留意する。 ⑴ 各教科及び外国語活動の目標及び内容 に関する事項の一部を取り扱わないこと ができる。 ⑵ 特別支援学校(視覚障害、聴覚障害、 肢体不自由又は病弱)において、各教科 の各学年の目標及び内容の全部又は一部 を、当該学年の前各学年の目標及び内容 の全部又は一部によって、替えることが できる。 ⑶ 中学部の各教科の目標及び内容に関す る事項の全部又は一部を、当該各教科に 相当する小学部の各教科の目標及び内容 に関する事項の全部又は一部によって、 替えることができる。しかし、教科の名 称までを替えることはできないことに留 意する。 ⑷ 特別支援学校(視覚障害、聴覚障害、 肢体不自由又は病弱)の中学部の外国語 科については、外国語活動の目標及び内 容の一部を取り入れることができる。な お、小学部の外国語活動を、中学部での 外国語科として指導を行う際には、目標 及び内容の一部を取り入れることができ るが、全部を替えることはできないこと に留意する。 特別支援学校(視覚障害、聴覚障害、肢 体不自由又は病弱)例 ・中学部の「数学」に対する小学部の「算 数」 ・中学部の「美術」に対する小学部の「図 画工作」 ・中学部の「理科」及び「社会」に対す る小学部の「生活」 特別支援学校(知的障害)例 ・中学部の教科「社会」、「理科」、「保健 体育」及び「職業・家庭」に対する小 学部の教科「生活」

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⑸ 幼稚部教育要領に示す各領域のねらい 及び内容の一部を取り入れることができ る。 2 重複障害者の場合  重複障害者とは、当該学校に就学するこ とになった障害以外に他の障害を併せ有 する児童生徒であり、視覚障害、聴覚障 害、知的障害、肢体不自由及び病弱につい て、原則的には学校教育法施行令第 22 条 の3において規定している程度の障害を複 数併せ有する者を指している。しかし、教 育課程を編成する上で、以下に示す規定を 適用するに当たっては、指導上の必要性か ら、必ずしもこれに限定される必要はなく、 言語障害、自閉症、情緒障害等を併せ有す る場合も含めて考えてもよい。 ⑴ 知的障害を併せ有する児童生徒の場合  特別支援学校(視覚障害、聴覚障害、肢 体不自由又は病弱)に就学する児童又は生 徒のうち、知的障害を併せ有する者につい ては、各教科又は各教科の目標及び内容に 関する事項の一部を、当該各教科に相当す る知的障害特別支援学校の各教科又は各教 科の目標及び内容の一部によって、替える ことができる。なお、この場合、小学部の 児童については、外国語活動及び総合的な 学習の時間を設けないことができる。また、 中学部の生徒については、外国語科を設け ないことができる。 ⑵ 障害の状態により特に必要がある場合  重複障害者のうち、障害の状態により特 に必要がある場合には、各教科、道徳、外 国語活動若しくは特別活動の目標及び内容 に関する事項の一部又は各教科、外国語活 動若しくは総合的な学習の時間に替えて、 自立活動を主として指導を行うことができ るものとする。  なお、道徳及び特別活動については、そ 学校教育法施行令 (障害の程度) 第22条の3 法第75条 の政令で定め る視覚障害者、聴覚障害者、知的障害 者、肢体不自由者又は病弱者の障害の程 度は、次の表に掲げるとおりとする。 障害の程度 視覚障害者 両眼の視力がおおむね〇・三未満 のもの又は視力以外の視機能障害 が高度のもののうち、拡大鏡等の 使用によつても通常の文字、図形 等の視覚による認識が不可能又は 著しく困難な程度のもの 聴覚障害者 両耳の聴力レベルがおおむね六〇 デシベル以上のもののうち、補聴 器等の使用によつても通常の話声 を解することが不可能又は著しく 困難な程度のもの 知的障害者 一  知的発達の遅滞があり、他人 との意思疎通が困難で日常生活 を営むのに頻繁に援助を必要と する程度のもの 二  知的発達の遅滞の程度が前号 に掲げる程度に達しないものの うち、社会生活への適応が著し く困難なもの 肢体不自由者 一  肢体不自由の状態が補装具の 使用によつても歩行、筆記等日 常生活における基本的な動作が 不可能又は困難な程度のもの 二  肢体不自由の状態が前号に掲 げる程度に達しないもののう ち、常時の医学的観察指導を必 要とする程度のもの 病弱者 一  慢性の呼吸器疾患、腎臓疾患 及び神経疾患、悪性新生物その 他の疾患の状態が継続して医療 又は生活規制を必要とする程度 のもの 二  身体虚弱の状態が継続して生 活規制を必要とする程度のもの 備考 一 視力の測定は、万国式試視力表によ るものとし、屈折異常があるものにつ いては、矯正視力によつて測定する。 二 聴力の測定は、日本工業規格による オージオメータによる。

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Ⅱ  教育課程の編成 の目標及び内容の全部を替えることができ ないことに留意する。 3 訪問教育の場合  障害のため通学して教育を受けることが 困難な児童又は生徒に対して、教員を派遣 して教育を行う場合については、上記1か ら2に示すところによることができる。 4 重複障害者等に係る授業時数  重複障害者、療養中の児童若しくは生徒 又は障害のため通学して教育を受けること が困難な児童若しくは生徒に対して教員を 派遣して教育を行う場合について、特に必 要があるときは、実情に応じた授業時数を 適切に定める。  重複障害者や医療機関に入院している児 童生徒の場合又は訪問教育を行う場合、各 学年の総授業時数及び各教科等の年間の授 業時数は、いずれも小学校又は中学校に「準 ずる」のではなく、特に必要があれば各学 校で適切に定めることができる。

第4章 高等部の教育課程の編成

第1節 一般方針 1 教育課程の編成の原則  各学校においては、教育基本法及び学校 教育法その他の法令並びに学習指導要領に 示すところに従い、生徒の人間として調和 のとれた育成を目指し、その障害の状態、 発達の段階及び特性等、地域や学校の実態 並びに学科の特色を十分考慮して、適切な 教育課程を編成するものとし、これらに掲 げる目標を達成するよう教育を行う。  学校の教育活動を進めるに当たっては、 各学校において、生徒に生きる力をはぐく むことを目指し、創意工夫を生かした特色 ある教育活動を展開する中で、基礎的・基 本的な知識及び技能を確実に習得させ、こ れらを活用して課題を解決するために必要 な思考力、判断力、表現力その他の能力を はぐくむとともに、主体的に学習に取り組 む態度を養い、個性を生かす教育の充実に 努めなければならない。その際、生徒の発 達の段階を考慮して、生徒の言語活動を充 実するとともに、家庭との連携を図りなが ら、生徒の学習習慣が確立するよう配慮し なければならない。 2 道徳教育  学校における道徳教育は、人間としての 在り方生き方に関する教育を学校の教育活 動全体を通じて行うことにより、その充実 を図る。  視覚障害、聴覚障害、肢体不自由又は病 弱特別支援学校においては、各教科に属す る科目、総合的な学習の時間、特別活動及 び自立活動において、また、知的障害特別 支援学校においては、道徳の時間をはじめ として、各教科、総合的な学習の時間、特 別活動及び自立活動において、それぞれの 学校教育法施行規則 第百三十一条  特別支援学校の小学部、 中学部又は高等部において、複数の種 類の障害を併せ有する児童若しくは生 徒を教育する場合又は教員を派遣して 教育を行う場合において、特に必要 があるときは、第百二十六条から第 百二十九条までの規定にかかわらず、 特別の教育課程によることができる。

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特質に応じて、適切な指導を行う。 3 体育・健康に関する指導  学校における体育・健康に関する指導は、 生徒の発達の段階を考慮して、学校の教育 活動全体を通じて適切に行う。特に、学校 における食育の推進並びに体力の向上に関 する指導、安全に関する指導及び心身の健 康の保持増進に関する指導については、保 健体育科の時間はもとより、家庭科、特別 活動、自立活動などにおいてもそれぞれの 特質に応じて適切に行うよう努める。また、 それらの指導を通して、家庭や地域社会と の連携を図りながら、日常生活において適 切な体育・健康に関する活動の実践を促し、 生涯を通じて健康・安全で活力ある生活を 送るための基礎が培われるよう配慮しなけ ればならない。 4 自立活動の指導  学校における自立活動の指導は、障害に よる学習上又は生活上の困難を改善・克服 し、自立し社会参加する資質を養うため、 学校の教育活動全体を通じて適切に行う。 特に、自立活動の時間における指導は、各 教科に属する科目、総合的な学習の時間及 び特別活動(知的障害者である生徒に対す る教育を行う特別支援学校においては、各 教科、道徳、総合的な学習の時間及び特別 活動)と密接な関連を保ち、個々の生徒の 障害の状態や発達の段階等を的確に把握し て、適切な指導計画の下に行うよう配慮し なければならない。 5 就業やボランティアにかかわる体験的 な学習の指導  学校においては、生徒の障害の状態、地 域や学校の実態等に応じて、就業やボラン ティアにかかわる体験的な学習の指導を適 切に行うようにし、勤労の尊さや創造する ことの喜びを体得させ、望ましい勤労観、 職業観の育成や社会奉仕の精神の涵養に資 するものとする。 第2節 特別支援学校(視覚障害、聴覚障 害、肢体不自由又は病弱)におけ る各教科・科目等の履修等 第1 各教科・科目及び単位数等 1 卒業までに履修させる単位数等  各学校においては、卒業までに履修させ る各教科・科目とその単位数、総合的な学 習の時間の単位数、特別活動及びその授業 時数、自立活動の授業時数を定める。この 場合、各教科・科目及び総合的な学習の時 間の単位数の合計は、各教科・科目の単位 数及び総合的な学習の時間の単位数を含 めて 74 単位(自立活動の授業については、 授業時数を単位数に換算して、この単位数 に含めることができる。)以上とする。  単位については、1単位時間を 50 分と し、35 単位時間の授業を1単位として計 算することを標準とする。 2 各学科に共通する各教科・科目及び標 準単位数  各学校においては、次の表に掲げる各教 科・科目及びそれぞれの標準単位数を踏ま え、適切に定める。ただし、生徒の実態等 を考慮し、特に必要がある場合には、標準 単位数の標準の限度を超えて単位数を増加 して配当することができる。

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