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ば 3 月 18から19 日にかけてシリア北部のIS 拠点ラッカで大規模な空爆があり 少なくとも民間人ら ( 女性 12 人 子供 13 人を含む )55 人が死亡した 空爆はロシア空軍によるものと見られている この空爆は停戦違反ではないが 巻き添えになる民間人の数が今後増えれば停戦の意義が問われる

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Academic year: 2021

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160324 ロシア軍主要航空部隊、シリアから撤退 レポ351 中澤孝之 プーチン・ロシア大統領は14日、過激派組織「イスラム國(IS)」の掃討を名 目に実施してきたロシア軍の主要航空部隊に対して、翌15日から撤退を開始するよ う命令を下した。プーチン大統領は同日、オバマ米大統領と電話会談して 撤退方針 を伝えた。大統領の決断は米国ほか欧州連合(EU)諸国首脳にも事前通告されてい なかったようで、欧米諸国では驚きをもって受けとめられたといわれる。 一方、この日からジュネーブでシリア内戦の政治的解決を目指す国連の仲介による 政権側と反体制派側との和平協議が再開されており、米露両首脳はこの和平協議の支 援を確認したという。またプーチン大統領は同日、シリアのアサド大統領にも電話で 撤退方針を伝達した。プーチン大統領は、撤退命令が再開和平協議の「良い刺激にな る」としており、シリア情勢が軍事優先から政治交渉の局面に転換する契機となる可 能性への期待が強い。 英BBCは3月15日、「和平への触媒になるか?」との見出しで、プーチン大統領 の決断を報じた。 和平協議の仲介役のスタファン・デミストゥラ国連特使は、ロシア軍の撤収を「大 いなる進展」と評価するとともに、「和平協議に肯定的なインパクトをもたらすこと を期待する」と語った。シリア反体制派主要勢力のムスレト報道官も、ロシア軍の撤 収について「協議にプラスに働く」と歓迎し、「(ロシア軍が)いなくなれば、アサ ドに力がなくなる。ロシア軍がシリアの民間人を攻撃せずにテロとの戦いを続けるな らば、反体制派はロシアとパートナーになれる」と強調した。 また、別の反体制派グループのアガ報道官は「ロシアの決定を当然歓迎する」と述 べ、「平和的解決への支援、交渉を通じた移行政権の樹立に向けてロシアが果たす役 割は大きい。シリアの悲劇を終えるようアサド政権に圧力をかけてほしい」と付け加 えた。 ドイツのシュタインマイヤー外相は同日、シリア内戦につながった2011年3月 の反アサド政府デモ開始から5年で、「初めて、暴力の終結に向けたかすかな希望が 見えてきた」とロシア軍撤収に歓迎の意を表明した。 ロシアは昨年9月30日からISの拠点への空爆を開始し、9000回を超える出 撃を敢行していたが、アサド政権と対立する反体制派は、ロシア空軍はISでなく反 体制派を攻撃していると非難し、今年1月末に始まった和平協議の障害となっていた。 同協議は2月初めいったん中断された。国連安保理決議を受けて、シリアでの米ソ主 導による一時停戦が2月27日に発効。3月14日の和平協議再開となった。一時停 戦は、発効から1カ月近く過ぎたが、おおむね守られているという。 ただし、ISと国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」は、停戦の対象外とな っており、英国に拠点を置くシリア内戦の反体制NGO「シリア人権監視団」によれ

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ば、3月18から19日にかけてシリア北部のIS拠点ラッカで大規模な空爆があり、 少なくとも民間人ら(女性12人、子供13人を含む)55人が死亡した。空爆はロ シア空軍によるものと見られている。この空爆は停戦違反ではないが、巻き添えにな る民間人の数が今後増えれば停戦の意義が問われる可能性もある。 なお、「シリア人権監視団」が3月初めに発表したところでは、それまでにロシア 空軍による空爆で、429人の子供を含む民間人1733人が死亡し、「ヌスラ戦線」 兵士ら1492人、IS戦闘員1183人が殺害されたという(英BBC3月15 日)。 プーチン大統領は14日、ショイグ国防相とラブロフ外相を大統領府に招き、空爆 の目的の多くが達成され、シリア和平協議の条件整備に貢献したと強調した。国防相 は約5カ月半にわたる空爆で、石油精製基地・輸送施設209カ所を破壊、ロシア出 身の2000人以上のIS戦闘員を殺害し、400以上の居住地域を含む約1万平方 メキロの領域をISから解放したと報告した。大統領はこれを受けて、和平協議を加 速させるように指示した。 ただし、プーチン大統領は、主要部隊を撤退させるものの、停戦監視のため、ロシ ア空軍部隊の前線拠点となっているシリア北西部ラタキア近郊のヘメイミーム空軍基 地と、軍需物資の中継基地として機能した地中海沿岸のロシア海軍の拠点タルトス港 基地への軍部隊駐留は続ける方針を明らかにした。基地防衛・監視には2個大隊(約 8000人)が当たるといわれる。両基地はロシアが中東で確保している唯一の基地 であり、これらの基地を確保していることは、将来のロシア軍の中東作戦や影響力の 保持に必要との判断があるようだ。 ロシア国防省の15日の発表によれば、ヘメイミーム空軍基地から輸送機ツポレフ (Tu)154、戦闘爆撃機スホイ(Su)24、同Su34、攻撃機Su25やヘ リコプターなどが第1陣として、本国の所属基地に帰還した。 プーチン大統領は17日、国防省幹部らを集めた会合で、ロシア軍の主要航空部隊 がないので撤収したあとも、アサド政権に武器供与などの「複合的軍事支援」を継続 する方針を改めて表明した。また、大統領はロシア軍撤収によりアサド政権が弱体化 するとの見方を打ち消した。 さらに大統領は、ヘメイミーム基地などを守るため、最新鋭地対空ミサイルS40 0などの実戦配備は継続すると述べ、部隊撤収後も、「軍事バランスは保たれる」と 主張。撤収した戦力は「(必要あれば)数時間で再び展開できる」と状況の変化に応 じて軍事圧力を調整する考えを示した。 大統領の撤退命令は唐突に出されたため、その動機についてさまざまな憶測がある が、ソ連時代のアフガニスタン軍事侵攻の轍(泥沼化)を踏む恐れもあって、経済危 機の現状で財政に重い負担をかける軍事介入が収拾の機会を失い、抜き差しならぬ状

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態に陥る危険を回避する狙いがあったとの見方が有力だ。大統領の決断は、終わりな き介入を避けるための妥当な出口戦略であった。 また、14年のクリミア併合以降の原油価格の大幅な値下がりと経済制裁で、聖域 だった国防費さえ削減せざるを得ない(当初予算の5%削減)厳しい財政状況にある ロシア。そうした中で、5カ月を超えたシリア空爆にかかった費用は330億ルーブ ル(約540億円)に上った、とプーチン大統領は明かしている。 さらには、シリア国内の和平に向けたプロセスの中でロシアを不可欠なものにし、 中東における諸問題解決でのロシアの重要性を世界に認識させること、同時に、ソ連 がかつて享受していた世界的な中核を回復することが、プーチン大統領のシリア作戦 の真の狙いではないかとも見られている。また、クリミア併合やウクライナ東部への 介入に反発した欧米の対ロ制裁の緩和を大統領は期待したのではないかとの見方もあ る。 ロシアの軍事介入以来、シリアでの停戦や和平協議でロシアは主導権を握っている と国際社会にアピールしたのは確かで、「そもそもシリア作戦の最重要課題は、欧米 からのロシアの孤立打開であり、対テロ戦の勝利ではない」(ロシア紙「ベドモスチ」 との分析もあながち否定できない。 「ロシアは世界の重役会に復帰した。ロシアは世界大国と地域大国が他国の紛争の 運命を決めるテーブルに戻った。そして、ロシアは明らかにローカルパワーではなく、 世界的プレーヤーである」(カーネギー・モスクワ・センターのアレクサンドル・バ ウモフ主任研究員)といった見解も聞かれる。 「ロシアはこの約半年間、クリミア併合とウクライナ東部での親ロ勢力に対する支 援のため、西側から除け者国家扱いされていたが、シリア問題に関する主力のパート ナーに転じた。西側指導者から鼻であしらわれていたロシアが今や、米国と欧州連合 (EU)指導者の正規の相談相手となった」(ロイター3月15日)のである。 23日からのケリー米国務長官の訪露はこうした見方を裏付ける。同長官の訪露は クリミア併合後昨年5月と12月に次いで3回目。2日間の滞在中、ケリー長官はプ ーチン大統領、ラブロフ外相と会談し、シリア情勢、ウクライナ問題を協議する予定。 また、ベルギーの首都ブリュッセルで起きたIS首謀の爆発事件を受け、テロ対策も 話し合われると見られている。23日にはドイツのシュタインマイヤー外相もモスク ワ入りし、ラブロフ外相との会談で「ともにテロの脅威と戦う」ことで一致した プーチン大統領は17日の会合で、ロシアのシリアへの軍事介入が「和平プロセス 開始の条件を整えた」と強調し、「(ロシアの)指導性と責任力」を発揮したと誇示 するとともに、「強力で近代的な効率性の高い軍隊」がなければ、「主要国家の存亡 にかかわる」と言明し、さらなる軍事力増強への意欲を表明した。

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さて、RD(Russia Direct)は14日、プーチン大統領の突然の撤 収命令についての論評を掲載した。筆者はモスクワ国際関係大学(MGIMO)東方 研究所のニコライ・スルコフ準教授。スルコフ準教授によれば、大統領の命令は「予 想外であり、効果的でもあった」とし、第1に、言葉だけでなく行動で和平プロセス を維持するモスクワの意図をシリア反体制派に理解させたこと。 第2に、クレムリンがアサド大統領に対して、ロシア空軍の支援は無制限でなく、 反体制派と共通の土台に乗るか、独自で戦うかを決めるべきだとのシグナルを送った こと。 第3に、西側および中東の周辺諸国に、かつてのソ連時代の同地域での影響力復活 のためシリアを拠点にする意図はないとのシグナルを送ったこと(トルコ国境でのS u24機撃墜事件のような危険なリスクを避ける効果もある)。 そして最後に、シリア軍事作戦は非常に高くつくため、財政的負担を軽減すること ーなどを挙げた。 また、RDは15日にアレクセイ・フレブニコフRDシニア編集員(中東問題専門 家)の論評を載せた。その中で、フレブニコフ氏は「ロシアはシリアで何を達成した か?」との見出しで分析。具体的には第1に、ロシアの空爆はアサド政権を安定化さ せ、シリア・アラブ軍の強化に資した。 第2に、ロシアは最先端兵器の試用によって戦闘での効果を確認したこと。特に今 回の作戦では、最新鋭の戦闘爆撃機Su34、多用途戦闘機Su35、Kalibr 巡航ミサイル、S-400対空防衛システム、Pantsir-S1対空砲システム の有効性について将来の顧客へのデモンストレーションの役目を果たした。 第3に、ロシア国防省によれば、シリアにおけるテロ勢力の石油関連インフラを著 しく弱体化し、供給ルートを破壊した。ロシア軍の空爆はまた、トルコの不法な石油 取引の問題にも国際的な関心を向けた。 第4に、ロシアは米国、フランス、およびヨルダン、イスラエルといった周辺諸国 との軍事的な協力体制の基盤を作ることができた。 最後に、ロシアは米国とともに停戦協定(2月27日発効)を作成したこと。以上 の5点をフレブニコフ氏は挙げた。 さらに、RDは17日、「シリアからの撤収決定からの教訓」とのタイトルで、サ ンクトペテルブルク国立大学の米国問題、米露関係の専門家、イワン・ツベトコフ準 教授の論評を掲載した。

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今回のプーチン大統領の決定は「地政学的現状を変更した」とツベトコフ準教授は 述べたうえで、第1に明らかになったのは、ロシアはISISとの戦いを中東におけ る最優先課題と考えていないことであると解説した。この点、メディアも含めて多く に誤解があるとして、「ISISとの戦いは、あらゆる状況の変化する中でキーポイ ントではない。将来に向けて重要なのは、地政学的な戦闘における諸関係の展開であ る(What’s crucial for the future is the development of relationships in the ge opolitical fight)」とのプーチン大統領の言葉を引用した。 第2に、シリア作戦のあと、ロシアの政策における権威主義的傾向を語るのは無意 味になったと論者は指摘する。「プーチンの権力は絶対的な高さに達した」として、 軍事介入の開始は彼の権力と影響力の誇示につながったと分析している。ツベトコフ 氏によれば、「現在、中国も含めて、プーチン大統領ほどの巨大な無限の権力をもっ た指導者は世界中にいない」という。 第3に、シリアをめぐる状況は、ロシアの現外交政策が基本的に一つの最重要課題 を狙いとしていることを示した。つまり、「(ロシアは)平等なパートナーであるこ とを米国に認めさせ、主要国クラブへ復帰することである」と論者は説いている。 「シリアに介入することで、プーチン大統領はオバマ大統領に、ロシアなしでは米国 は何もできないことを証明しようとした」というのである。 プーチン大統領によるロシア軍主要部隊撤収の決断の動機が何であれ、シリア和平 協議進展のきっかけになることを期待したい。 (了)

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