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Academic year: 2021

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(1)

 就職活動とは、「企業のビジネスに貢献することを約束する活動」と言えます。

これができれば、企業はあなたを採用したいと思い、内定を出すことでしょう。

 では、どのように企業のビジネスに貢献することを約束できるのでしょうか。

それには、まず企業が求める多くの能力(コンピテンシー)を保有し、不足して

いる能力の育成に取組んでいることを説明する必要があります。その最初の説明

を行うものが、エントリーシートなのです。

1.コンピデンシーモデルとは

(1)コンピテンシーとは

 コンピテンシーとは、簡潔にいえば「個々の仕事に必要な能力」です。

 大手企業は、自社のさまざまな職種に応じてコンピテンシーモデルを作成して

います。このコンピテンシーモデルに合致する人物を、エントリーシートで見極

め、次のステップへの合否を決めています。

 例えば、コンサルタントに求められるコンピテンシーは、理論的思考能力、奉

仕精神、目的意識、責任感、主体性、知的好奇心、チャレンジ精神、向上心、倫

理観などがあります。このように、各企業では技術や知識とは違った面をコンピ

テンシーで評価することでして採用選考を行っています。

 毎年、人気企業には1万人を超える応募者があります。そのような企業の多く

は、外部業者に委託してエントリーシートを選別しています。選別の基準は、も

1

企業が採用したい人材とは

(2)

(2)職種によるコンピテンシーの違い

 就職活動をする場合、自分が志望企業の職種の仕事内容を知らないと、必要な

コンピテンシーを保有しているかどうかもわかりません。したがって、自分の能

力を活かしてどのように仕事に貢献できるかも説明できません。本書でも、職種

の簡単な仕事内容が示してありますが、志望企業の職種の仕事内容を十分知って

おくべきでしょう。そこから、その企業が独自に定義しているコンピテンシーに

ついて情報収集を行いOB訪問などで確認しましょう。

 求められるコンピテンシーは職種によって違いがあります。責任感、協調性、

会話力、マナーなどは、どの職種にも最低限必要なコンピテンシーです。では、

創造力、発想力はどうでしょうか。商品開発や設計開発などの職種では、トップ

クラスの重要なコンピテンシーになります。しかし、販売関係の職種では、それ

らよりコミュニーション能力や交渉力が重要視されます。

 職種によって、求められるコンピテンシーが違うこともありますが、同じ職種

でも企業によって求められるコンピテンシーに違いがあります。A企業はチャレ

ンジ精神を重んじる傾向があるかと思えば、B企業は堅実こそ発展の礎として重

要視することもあります。企業風土といってよいものでしょう。志望企業をきち

んと理解して就職活動を進めましょう。

 表1-1にコンピテンシーの一覧表を示しました。ご自身がどのようなコンピテ

ンシーを持ち発揮できるか、また、希望職種に応募するために不足しているコン

ピテンシーは何かを確認してみましょう。

 自分の保有するコンピテンシーが足りないというなら、今からでも遅くはあり

ません。足りないコンピテンシー獲得することを意識しながら、何か始めてみま

しょう。ホームページやブログ、ツイッター、Facebook などで何かを発信して

もいいでしょう。ボランティア参加、農業体験、旅行などで実体験を積んでいく

こともいいでしょう。

 行動を起こさなければ、何も得られません。何かに真剣に取組まないとコンピ

テンシーは身につきません。就職戦線は厳しいのです。

(3)

表 1-1 コンピテンシー一覧 コンピテンシー コンピテンシーが発揮された状態 基 本 コ ン ピ テ ン シ ー 誠実さ 常に相手の期待に応えようと考え、行動することができる 使命感 自分に与えられた役割を認識し、その達成に向け取組める 責任感 与えられた役割を最後までやり遂げることができる 向学心 常に新しい知識を収集したり、実践によりノウハウを収集することができる 好奇心 未知の物事に対し幅広く興味を持ち、自主的に情報収集や取組みができる 行動力 必要な行動を自発的に実行できる 主体性 自分に与えられた役割を認識し、自ら考えて行動することができる 柔軟性 自分と異なる意見に対して否定的にならず、まずは聞き入れ、その中で良い部分を取り入れることができる 洞察力 見聞きした情報から、背後にある事象や相手の気持ちを推測できる チャレンジ精神 困難な事柄に対しても躊躇せずに立ち向かうことができる 探究心 未知の物事に対して好奇心を抱き、その背景にある原理や現象を知ろうと努力することができる 創造力 過去に存在しない物や考え方を固定概念にとらわれず発想できる 想像力 限られた情報から実際に起こっている事象を想定できる 粘り強さ 困難な業務・交渉や大量の処理を行う必要がある際に、諦めずに取組むことができる 気配り 相手の立場を理解し、業務や交渉をスムーズに運ぶための配慮ができる 心配り 相手の気持ちに配慮した言動や行動ができる 客観性 誰もが納得できる視点を持ち、それを表現できる 協調性 チームでの作業をお互い協力し合いながら進めることができる 傾聴性 相手の話に耳を傾け、相手の伝えたいことを正しく理解することができる 発想力 目的に応じ、これまでになかった考えやアイデアを導き出すことができる 文章力 文章で読み手に伝えたいことを的確に表現できる 相手を納得させるような話し方、論理展開で伝えたいことを理解

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コンピテンシー コンピテンシーが発揮された状態 基 本 コ ン ピ テ ン シ ー 理解力 見聞きした情報を正しく把握し、自分の言葉で言い替えることができる 応用力 持っている知識やノウハウを別の事柄で活用できる 調整力 利害の異なる関係者を全員が納得できるようなバランスのとれた結論に導くことができる 判断力 物事を正しく認識し、迅速な意思決定ができる 目的意識 与えられた役割を果たすために、常に目的を見失わず、あらゆる手段を検討し、それらを実行に移すことができる 利他精神 相手の利益を考えた行動ができる リーダーシップ チームの目標や役割の達成に向け、主体的にチームを導くことができる 計画性 目標の達成に向けて、いつまでに何をしなければいけないかを考え、それに沿った行動ができる 迅速性 やるべきことにすぐ取組み、素早く結果を出すことができる 正確性 作業を間違うことなく遂行できる ストレス耐性 不利な状況においても平常心を保つことができる 高 度 コ ン ピ テ ン シ ー コミュニケーション能力 相手の意図を理解し、相手の理解度に応じて話す内容や話し方を変えることにより、相手に的確に情報を伝えることができる 交渉力 意見や立場が異なる相手と話し合い、より自分の意図に近い合意形成ができる 状況対応能力 予期しない状況に遭遇した際に、状況に応じた適切な対応ができる 企画力 情報や素材を整理し、目的に合わせて新たなものを作り上げることができる 顧客視点 顧客の視点で物事を考えることができる 課題認識能力 発生した問題の原因を理解し、取組むべき課題を導き出すことができる 説得力 相手に物事や行動の必要性を理解させ納得させることができる チームワーク チームメンバーと協力し合いながら、目標を達成するために行動できる 要点整理能力 収集した情報を枠組みなどにあてはめ、短い言葉でまとめることができる 人間関係構築力 相手との相互理解を深め信頼関係を構築することができる

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コンピテンシー コンピテンシーが発揮された状態 高 度 コ ン ピ テ ン シ ー ネゴシエーション能力 物事を有利に進めることができる条件を相手から引き出すことができる 論理的思考能力 物事を道筋を立てて考えることができる 危機管理能力 あらかじめリスクを認識し、それらの回避方法を準備し実行できる ス キ ル ビジネスマナー 仕事を行ううえで、相手を不愉快にさせないための基本的なマナーを身につけている 接客能力 来客や外部からの電話に対して、相手に好印象を与えることができる 外国語力 外国人や外国企業と業務を遂行するうえで、コミュニケーションに問題がない語学力を身につけている 分析力 目的に応じて情報や事象のメカニズムを解き明かすことができる プレゼンテーション能力 伝えたいことを相手に理解されるように伝え、相手の行動を促すことができる プロジェクト管理能力 プロジェクトを成功させるために、各活動の計画立案、日程表の作成および進捗管理などができる PC操作能力 エクセルやワードなど業務を行ううえで、必要となるオフィスソフトを使いこなすことができる 情報収集能力 必要な情報を様々な手段を用いて効率的に入手できる 資料作成能力 伝えたいことが正しく読み手に理解される資料を作成することができる 営業(販売)力 商品の販売に必要な知識や能力を身につけ、それらを活用できる 知 識 業務知識 業務を遂行するうえで必要最低限の知識を習得している 営業(販売)知識 営業を行ううえで必要最低限の知識を習得している 経理知識 入出金、伝票発行、納品書発行、請求書発行などの経理業務に必要な知識を習得し、業務に活かすことができる IT知識 業務で活用できる必要最低限の情報システムに関する知識を身につけている 製品・サービス知識 業務で取り扱う商品や製品の機能やお客様に提供できる価値を理解し、説明することができる 設計技術・知識 設計業務を行ううえで必要な技術や知識を習得している 生産技術・知識 生産活動を行ううえで必要な技術や知識を習得している 製造技術・知識 製造活動を行ううえで必要な技術や知識を習得している

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コンピテンシー コンピテンシーが発揮された状態 知 識 コンサルティング知識 コンサルティング業務で必要な専門知識を習得し、業務で活かすことができる 不動産、住宅建築知識 不動産・建築の業務を行ううえで必要な知識を習得している マーケティング知識 多くの客様が求める商品やサービスや、お客様に商品を購入させる方法について理解している 金融知識 (資金計画、ローンなど) 金融に関する基本的知識を習得し、業務で活かすことができる 経営知識 経営に関する基本的知識を習得し、業務で活かすことができる 財務知識 財務に関する基本的知識を習得し、業務で活かすことができる 人材育成知識 人材育成に関する基本的知識を習得し、業務で活かすことができる 人事知識 人事に関する基本的知識を習得し、業務で活かすことができる 法律知識 法律に関する基本的知識を習得し、業務で活かすことができる 国内 旅 程 管 理 主 任 者 (国内のみ添乗可) 総 合 旅 程 管 理 主 任 者 (国内、海外とも添乗可) 旅行関連資格を取得している

表 1-1 コンピテンシー一覧 分 類 コンピテンシー コンピテンシーが発揮された状態 基 本 コ ン ピ テ ン シ ー 誠実さ 常に相手の期待に応えようと考え、行動することができる使命感 自分に与えられた役割を認識し、その達成に向け取組める責任感与えられた役割を最後までやり遂げることができる向学心 常に新しい知識を収集したり、実践によりノウハウを収集することができる好奇心未知の物事に対し幅広く興味を持ち、自主的に情報収集や取組みができる行動力必要な行動を自発的に実行できる主体性自分に与えられた役割を認識

参照

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