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2000 年度スポーツ産業論Ⅰレポート

『ダンスの商品化について』

2001 年 1 月 26 日

3年 商学部

81169 田中 邦弘

3年 経済学部 83058

帯田 義伸

2年 商学部 1199267A 山口 洋充

2年 商学部 1199123C 柴田 利也

2年 商学部 1199141A 瀬戸山 浩司

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★目次

序 最初に

(担当 田中)

1 ダンスの大会

(担当 帯田)

2 クラブを盛り上げる

(担当 柴田、山口)

3 ダンスをより盛り上げるその他の方法

(担当 瀬戸山)

4 感想、評価

+ 資料

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● 最 初 に

( 担 当 田 中 ) 私たちはこのスポーツ産業論という授業で、さまざまなスポーツを産業としての側面から、 金銭的なこと、またそれに関係したスポーツ自体のあり方というものを考える機会を得ること ができ、今までとはまた違った視点でスポーツを見ることができるようになったと思います。 そこで、そうした視点から見るということを念頭において、今回のレポート作成を行うことに した。 私たちのテーマとして『ダンス』について、そのスポーツ性と、産業としての面から商品性 の分析をおこなった。なぜダンスかということは、やはり自分たちにとって一番、身近に感じ られる身体運動であり、非常に魅力的であると感じられるからである。ダンスは、音楽にのっ て体を動かす、いわば音楽と身体運動を融合させたものであり、古来から人々の娯楽として世 界各地で親しまれてきたもので、現在も世界中での祭りや催し物、はたまたクラブ、エアロビ クスなど様々な形で行われている。言ってみれば、老若男女を問わず多くの人がダンスに接し ている。つまり、誰もがダンスに接する、そういう機会を多分に持ち合わせているのである。 それならば、ダンスを商品としてうまく売り出したならば、それは必ずヒットするであろうし、 多くの人々の支持を獲得できるのではないだろうか。私たちは以上のような観点から、ダンス の商品化ということを考えることにした。 さて、その前に『ダンス』がはたしてスポーツであると言っていいのかということについて も少し考えてみた。スポーツの一つの魅力として、常人にはできない技能を修得し、その洗練 された技を人前で披露するという点があると思う。そこでは、「する」「みる」という関係が生 まれ、交互に作用してスポーツを発展させてきた。また、「みる」ということに関しては、最 近ではマスメディアの影響でメディアスポーツとしての「みせる」ことというのも強くなって きている。ダンスはそのスポーツの持つ「する」という側面と、「みる」という側面のなかで、 表現を重視しているため「みる」という側面のほうが高い。また身体が心の内面を表現する手 段であるから、一種の芸術とも言えるかもしれない。しかしもっと気楽に考えたときに、ダン スには近代スポーツ的なストイックなまでの勝負、記録への真剣さはないが、その分多くの人 に受け入れられるものになっていると思う。多くの人は、鈍った体を動かしたい、気分転換を したい、ダイエットをしたいなどの日常生活にアクセントを与えるためにスポーツをしている という面もあり、そうすると、スポーツは敷居の高い高尚なものである必要はないし、入り口 がもっと広いものであっていいと思う。「ニュースポーツ」を従来のスポーツのあり方を問い 直し、その社会になかった新しい楽しみ方を追求し、必ずしも速さ、強さだけを求めるのでは なく、自分や仲間の生活スタイルにマッチした、自己変革を豊かにさせるような形態的・機能 的・理念(価値)的運動文化(スポーツ)であり、その活動と定義するなら(注1)、ダンス は確かにニュースポーツであると定義できるし、人々に場を提供することが可能である。 ダンスというものを深く考えることにしたときに、しかし、どうしてもどこまでをテーマと

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して調べられるかということが問題となった。一般にダンスと言っても、社交ダンスからカポ エラやパラパラまでさまざまなダンスがあるし、踊りと言うことを考えてみても、祭りなどで の民族舞踊などさまざまな身体運動があげられる。しかもダンスは人類の歴史のなかで常に人 の楽しみとして行われてきた。踊ることが一種の儀式となり、その技術を向上させることも常 に人類の目的であった(注2)。 そうしたダンスの身体文化的な歴史も非常に興味深いが、私たちは今回、日本におけるダン スの現在ということに着目してレポートの作成にあたった。特に私達が調べたことは、一般に 「ストリートダンス」とよばれる分野についてであり、競技ダンスに関しては過去のこの授業 で何度か取り上げたグループがあったようなので参考にさせてもらいながらも、今回は考えな いことにした。 参考文献 (注1)早川武彦著「地球時代のスポーツと人間」231頁 創文企画 1995 (注2)体育の科学選書 スポーツ文化論 寒川 恒夫(早稲田大学教授)偏 第 2 章.スポーツと社会(3)、ダンスにみる文化の刻印 杏林書院 1994 1、 ダンスの大会 (担当 帯田) この章では、ダンス本来の体を動かす運動としての側面と同時に、競い合うという競技 としての側面。そうした意味におけるスポーツとしての現状とそのあるべきかたちを探っ ていく。 ダンスというものはどうしても、その特性から個々人の活動が中心になってしまう。ク ラブやスクールというものはたくさんあるが、各々が独立した単位として活動しており、 横のつながりに欠ける。また,ダンスの練習を重ねていけば、もっと大きな集団の中での 自分の実力を知りたい、試してみたいと思うのが自然な成り行きである。こうした横のつ ながりと実力を競い合う場としての受け皿となっている、またもっとそうなって欲しいも のが、ダンスコンテストである。 そのコンテストの形式は、平均4∼5人で構成する1チームが5分程度の曲を踊り、そ れを審査員が審査し、順位を決めるというものが一般的。現在,日本で行われているだけ でも、その数というのは実は、小さいものも含めれば把握しきれないほどたくさんある。 その中で、国内最大級のダンスイベントと言っても過言ではない「DANCE DELIGHT」の 現状を見ていきたい。 このダンスコンテスト「DANCE DELIGHT」は,日本のストリートダンスシーンを支え

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てきた「ADHIP」主催で、OSAKA、TOKYO、JAPAN と冠されそれぞれ年一回ずつのペ ースで開催されている。後者の2つは、「OSAKA …」から派生したものであり、この大阪 大会においては16回を数えるほど伝統のあるものとして定着している。2000年大会 ではそれぞれのコンテストも平均して、参加チーム数は50、出場者数は200名を超え るほどになっている。その出場チームの中には、テレビのダンス番組でお馴染みであった り、人気のチームも数多く含まれている。これほどまでに規模が大きくなった背景には、 ホームページ開設はもちろん、ダンス情報誌のフリーペーパー『DANCE DELIGHT MAGAZINE』を月刊誌として刊行し(その取扱店舗数は全国270ヶ所以上)、またケー ブルテレビでも番組をオンエアするなど、広報活動にも力を入れ、知名度を上げた結果で もある。 こうしたダンスイベント,コンテストは、それぞれの大会では熱狂的な盛り上がりを見 せる。実際に,2000年10月に開催された「TOKYO DANCE DELIGHT」に足を運ん でみたが、その出演者,観客の熱気に、そして会場の雰囲気に圧倒された。しかし、他の コンテストを含めて様子を見てみると、その盛り上がりは往々にして、それぞれの大会の 規模で終わってしまうことが多い。これからダンスがスポーツとして広がりを見せるため には、個々の盛り上がりを横断的につなげていき、競争心を煽っていく努力が欠かせない。 そして、その役割を担っていく要素を多く含んでいるのが、ダンスコンテストである。 「ADHIP」:□法人名 有限会社アドヒツプ □ 法人設立 1992 年 4 月 □業務内容 ストリートダンスのプロモーション業務 ダンスイベントの興業・企画・制作業務 etc. 「DANCE DELIGHT」ホームページ:http://www.dancedelight.net/

CATV「MUSIC FREAK TV」ホームページ:http://www.mftv.co.jp/

2、クラブを盛り上げる (担当 柴田、山口) ダンスを実際に体験する場として、現在、最もポピュラーな場所のひとつが「クラブ」 である。「クラブ」では、ダンスの得意な人も、そうでない人も、思い思いに気の向くまま に身体を動かしている。そこには、確かにスポーツ性はあまり感じられないが、ダンスを 体験する場所としては十分にその機能を果たしている。ダンスの魅力をより多くの人々に 理解してもらうには、クラブの存在は重要不可欠だと思う。

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それでは、ダンスを盛り上げていくために、これからのくらぶはどうあるべきであろう か。この章では、既存のクラブの経営戦術を参考にしながら、この問題について考察して みたいと思う。 (1)大人が楽しめるクラブをつくる 日頃、身体を動かす機会がなく、運動不足に悩んでいる人というと、やはり学生よりも 社会人であろう。特に、20 代から 30 代にかけての社会人は、ハードな仕事の合間にちょ っとしたストレス解消として身体を動かしたいと思っている人が大勢いると思われる。私 達は、新たなクラブの客層として、このような20 代、30 代の社会人に焦点をあててみた。 子供の遊び場であったクラブから、あえて子供を追い出すことで、大人が楽しめるクラブ、 言わば「大人系クラブ」を作ることを提案する。(ここでいう子供とは、クラブに来る 10 代の若者を指すことにします。) 大人系クラブをつくることは、経済的にも非常に魅力的である。子供よりも金を持って いる大人をターゲットにするわけであるので、売上ばかりでなく、利益額、利益率ともに 上昇が見込まれる。そうなると、多くの企業がスポンサーとして名乗りを上げてくるであ ろうし、プロダクションやレーベルの協力も得られるはずである。 それでは、大人たちをクラブに集める。つまり、クラブの年齢層を引き上げるためには どうすればよいのだろうか。答えは簡単で、フロアの雰囲気を少し盛り下げればいいので ある。単純なことであるが、これによって元気な若年層の客は排除できる。そして、そう して空いたスペースに改めて新しいターゲット層を呼び込むのだ。このようにして、既存 のクラブの多くが「大人系クラブ」生まれ変われば、クラブ人口の増加を見込んで、新規 のクラブが立て続けにオープンしていくであろう。「大人系クラブ」を立ち上げる最も大き な目的はここにあるのである。新規のクラブのオープンは既存のクラブにとって競争を過 熱化することとなりマイナス効果になる危険性も無いとは言えないが、私たちはむしろ、 プラスの方が大きいと考える。新しい店が自分の店の周りに多くできることで、その街全 体が「クラブの街」として、活気が生まれ、より大きなさらなる客層を獲得することにな るのである。つまり、街全体のパイの拡大によって、ダンスが経済的により魅力あふれる ものとなる。ただし、これは都市部での話である。地方ではパイの拡大どころか、遊ぶ習 慣というか、嗜好が違うため単純にこれが上手くいくとは思えないし難しいと思う。今回 のこのレポートでは都市部のことに限って考えてみましたが、その点においては不足だと 思います。 (2)大人系クラブと子供系クラブの共生 次に、大人系クラブを作ったことによって排除された子供たちをどうするべきかについ て考えてみたい。そうすると結局、子供相手の「子供系クラブ」が別に存在して、彼らも

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クラブの顧客として確保し続けなくてはならないことになる。では、子供をターゲットに するというのはどういうことなのかを考えたときに、そのときの利点を最大限に活かした 経営で行うことがベストであるということは当然である。では、大人に比べたときに子供 の最大の利点というのは何であろうか。それは、1 営業日あたりの平均収入の大きさであ る。つまり、イベントにおける爆発的な集客率が見込めるということである。だから、イ ベントのようにある決まった曜日だけ場所を借りてクラブ営業することができるし、客に とってもこのような営業方法がニーズにあっている。平日の遊ぶ時間、経済力ということ を考えると、「気楽」「自由」であるはずの子供よりも意外と大人のほうが出歩ける。だか ら、「子供系クラブ」も割とうまくやっていけると思う。 そうすると子供、大人の双方がそれぞれに異なったニーズを持っているため、平行して 上手く共生できる。これによって、クラブ文化に相乗効果がもたらされ、ダンス自体も様々 な分野が開拓される可能性をもってくると思われる。 (3)クラブシーンが活性化してきた経緯 これまで大人系クラブをつくることの魅力と、大人系クラブと子供系クラブの共生を 述べてきたが、それではクラブというものがどうして若年層から社会人層まで、こんなに も浸透していき、どうしてここまで盛り上がりを見せたのかを、かつて渋谷にあったクラ ブ『PYLON』(現在は六本木で営業中 http://www.club-pylon.com/)を具体例として 述べていこうと思う。なぜここでPYLONを具体例として挙げるかというと、「クラブ」 としての魅力だけでなく、ビジネス的にもかなりおもしろいからである。 少し前までは、クラブ(クラブ系のダンスを含めて)は、アンダーグラウンドな感じが して、決してメジャーではなかった。なぜなら、クラブというものの経営方法が「プロダ クト指向」的なものであったからだ。というのは、クラブのハード面でのアイデンティテ ィー、つまり曲のジャンルや客層を確立し、それにソフト面として、コンセプトや細かな 調整を合わせていくというものだったということで、すべてが「お店主導」もしくは「オ ーガナイザー主導」ということだった。そして今でも、こういったクラブは数多い。それ に対して、PYLONはマーケットつまり客の動向にあわせて経営を行っている。店の雰 囲気や客層は客が固定するのではなく、あくまで客が決めるということが独自のスタンス による展開なのである。この手法で、PYLONは若年層間で爆発的に人気を得たのであ る。そしてPYLONでクラブデビューした人たちが、PYLONスタイルがクラブのス タンダードであると思い込んで、他店へなだれ込み、フロアを盛り上げていったことから 発展した。 またPYLONはこうしたマーケット指向の経営戦略だけでなく、実はavex並みの マルチメディア戦略も採っている。たとえば、広告戦略。普通のクラブでは地道にフライ ヤーを作ってレコード店や他のお店に頼んで置いてもらったり、「GROOVE」などの雑

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誌に載せてもらうなどをしている。これはビジネス的にみるとけっこう無駄の多いやり方 のように思える。完全に不特定多数を狙っているのではなく、ある一定の絞られた層を狙 っているのは確かであるが、それでも無駄が多い。従来の日本的な「広告に無駄はつき物」 といった考え方では望むような集客、利益を出すことは難しい。無駄を出しつつも一般大 衆にアテンドするのが「マス・マーケティング」であるが、無駄が多いとわかっていなが ら潜在顧客の掘り起こしをはかっている方法である。それに対してPYLONは「ダイレ クトマーケティング」を行っている。完全なダイレクトマーケティングとは言えないかも 知れないが、ダイレクトマーケティング理論はしっかりと取り入れられている。代表的な こととして、雑誌やお店とのタイアップがある。これでPYLONが狙っているターゲッ ト層にピンポイントでアクセスしている。ダイレクトマーケティング手法以外にもビジネ スメソッドは見られる。たとえば、顧客間のインタラクションをうまく利用していること があげられる。もともとクラブはアンダーグラウンド的なものであるので、情報はなかな か回ることがないのであるが、あえてその情報のアクセスルートを開示することで、客同 士で話が盛り上がるように仕向けさせる。これによって店に対する顧客忠誠度もはるかに 向上するのである。ほかにも、PYLONは今まで様々な提携を結んできた。例えば、メ ディアで言うと雑誌「egg」、日焼けサロンの「Blacky」、そしてレーベルで言う と「avex trax」である。PYLONのターゲット層のみに対して強く働きかけ るために、PYLONは最強のチームを組んだのである。そしてこれはこの世界において 最強のビジネスチームである。今挙げた「PYLON」「egg」「Blacky」「ave x trax」の4 社は全てシナジーを生み出し、そしてその恩恵を享受している。それ ぞれが力をあわせることにより、さらに収益の拡大が図られる。何より、従来のクラブと いうアンダーグラウンド的な風潮の壁を破ったことで、よりクラブが親しみやすくなった。 クラブに限らずダンス関係で、企業がより収益をあげるためには、イメージ戦略も重要 である。ダンスミュージックとしてのR&Bをより身近にした「宇多田ヒカル」の例にし ても、そうである。彼女は決してR&Bアーティストではない。まず当初、アメリカで売 り出すために確固としたジャンル付けが必要だった。POPSとして売り出すと競争が激 しすぎる。ビルボードトップ100にランクインなど不可能であった。そこで、比較的競 争の緩やかなR&Bを選んでデビューし、見事ランクインを果たした。しかしそれでも、 米国の厳しい競争の中で黒人でない宇多田ヒカルが話題性だけでこれから生き残っていく のは無理である。そこで全くジャンルが確立されていない日本を新たな舞台として選んだ のである。そして「本格派R&Bアーティスト」としてデビューし、今のような活躍ぶり を見せたのである。イメージというのは、一度作られてしまえばよほどのことがない限り、 もうそれがスタンダードとなってしまう。そこでPYLONの話に戻るが、PYLONも 先ほどの成功をもとに、「都内No.1盛り上がりクラブ」と冠打ってさらなる成功をおさ めているのである。

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そして最後に、クラブが浸透していった要因として、料金が低価格であるということが ある。ダンスフロアーとして以前のディスコなどがあったが、ディスコは4000 円∼5000 円かかったが、クラブでは2000 円高くても 3000 円程度である。他にも積極的にレディー スナイト(女性無料の日)を設け、一般化させているのが要因の1 つであろう。 このように、PYLONは小資本で高収益をあげ、客はそれに賛同してクラブ(さらに ミュージック、ダンスまでも)は浸透し、盛り上がったといえる。 (4)クラブが一過性のブームで終わらないためには クラブシーンが新しい客層をつかみ、より活性化が行われても、客を手放さないための 努力をしなければ意味がない。つまり、人々に末永く愛されるクラブのあり方を考えなく てはならない。 息の長いクラブであるために最も必要なことの一つは、そのクラブの「独自色」を打ち 出すことである。マーケットのサプライ・ジェネレーションによって人気を伸ばしていく と、必ずその人気ゆえのデマンド・ジェネレーションが迫られる。今まであえて時代のリ ードランナーを追いかけてフォロアーとなり、悪く言うと二番煎じ的な手法をとっていた クラブもそれだけでは通用しなくなる。自らが新たなトレンドを産み出していかなくては ならない。 そして、一つの店で成功を収めたならば、そこに甘んじることなく、新たなコンセプト を作り、それを新たな店で挑戦していくことである。クラブ業界内においての定期的な「新 企画」の到来は、必ず既存のクラブシーンによい刺激になるはずである。また新たなコン セプトを企画するところは、資金の回収に焦りすぎないのも重要であると思う。単発的な 「ブーム」はメジャー化してしまうと鎮静作用をもたらしてしまう。テレビや雑誌などの メディアに露出する機会が多ければ多いほど、瞬間的な参加人口はどんどんと増えていく が、ブームの熱は冷める方向に向かってしまう。だからと言って短期集中的な資金回収手 段に出るよりはゆっくりと客の支持を集めていったほうが、息の長いビジネスが展開でき るし、クラブシーン全体としてみても将来につながる。 こうしたことから私たちが導いた結論としては、クラブ文化の持続のためには、各クラ ブが独自色を深め、なおかつ全体として新たなコンセプトをどんどん打ち出していくこと である。そしてこれらのことを長期的な視野で育んでいくことが重要になってくる。そう することでクラブは、その文化の枠を拡大することができるだろうし、引いては、ダンス が日本人の遊びの定番になるかもしれない。クラブという一つの遊び場が、日本の現代文 化の一つを形成することも上手くいくと、十分考えられるのである。ただし、最近、法律 的なことからクラブが摘発されることもあったりしている。アンダーグラウンド的なもの からより明るく一般的なものとなるためには風営法、消防法の基準にのっとって健全なも のでなくてはならないだろう。

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以上、ダンスの商品化ということをクラブシーンを発展させるということから考えてみ たが、クラブでなくともダンスを気軽に楽しめる場、ちがった種類のクラブみたいなもの によって、将来もっと気軽に「今日は踊りたいな」と思えるようになることがあるかもし れない。また、高齢者が増えていく世の中に向かって、ダンスが健康のためのいい運動に なりうるのかもしれない。クラブに限らず、場を作るということに対しては、まだいろい ろと考えていく余地は十分にあると思う。 参考資料 WEB サ イ ト 「 渋 谷 ク ラ ブ 事 情 № 6,7 」 (http://sites.netscape.net/qlubber/buya/b0610.html)

「A Report about Tokyo’s Club」(http://www.yk.rim.or.jp/~chinita/doc01.html)

3、ダンスをより盛り上げるその他の方法 (担当 瀬戸山) 以上のように、ダンスを盛り上げていく方法としてクラブ、大会という二つの要素が考 えられる。では、それ以外にダンスをより身近なものとして盛り上げていく方法としてど のようなものが考えられるかを考えてみたい。 まず一つ目の手段として考えられるのは、ダンスをより盛り上げるものとしてのダンス ミュージック、つまり「音楽性」という見方から考えていこうと思う。そもそもダンスが ここまで日常化してきはじめたのかについて考えてみると、バブル絶頂期時代、ジュリア ナやマハラジャなどのディスコが大ブームの中、それまでアンダーグラウンドであったダ ンスミュージックを日本が文化として取り入れたことによるのではないだろうか。そこに いち早く目をつけた企業として代表的なのがエイベックスである。エイベックスはダンス とダンスミュージックにはお互い発展という意味での相乗効果と商品性があることを察知 し、ダンスミュージックによる経営戦略をおこなった。まずダンスにおけるシミュレーシ ョンとして、シリーズ化的なダンスミュージックのアルバムを発売し始めた。次に、現在 のHiphopがドラゴンアッシュやZEEBRAなどの有名ミュージシャンによってア ンダーグラウンド的なものから、より親しみやすいものに変わっていくという現実から分 かるように、アーティスト、ダンサーの育成化に力を入れた。例えば、現代のパラパラや テクノ、また小室哲也や浜崎あゆみのような人気のあるアーティストが多数生まれた。ダ ンスを音楽によって楽しみ、身近なものへと変化させていくには、そのような一種のカリ スマ的存在が大きく効果がある。そのようなミュージシャンに起用される音楽は「音」と

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して楽しむCD以外にもダンスの振りを楽しんだりという視覚的な感性を刺激するビデオ やDVDという手段で楽しむことができる。「音楽性」とダンスの関係を見ていくと、商品 価値的な視点から見て、このように有名なミュージシャン、有名な「曲」、「振り」をいか に「もの」化して、消費者に提供化して、消費者に提供していくかという風に見ることが できるし、また「ダンスの普及」という視点でとらえることによって「音楽性」の向上、 「音」としての供給がより一層、聴くものへのダンスへの憧れを強め、ダンスを日常的、 つまりスポーツとして受け入れやすいものへと変化させていることがわかる。 ダンスを盛り上げていく方法として考えられる二つ目の手段はエンターテイメント界へ の進出ということである。それはゲーム界への進出という例がある。つまり、コナミの「ダ ンスダンスレボリューション」が挙げられるであろう。これは、その独特のリズム感を利 用し、振り・ステップを手軽に楽しむことができる。これにより、これまでダンスと無関 係にあった人々が踊りや、体をリズムにあわせて動かす心地よさ、喜びを発見することが できるし、ダンスミュージックをより好きになり、ダンスの音楽性的な魅力に感動も覚え ることであろう。ゲームによる手軽なダンスへの楽しみ方は、このようにダンスと日常生 活との距離をより近いものへと変化させたといえる。 三つ目の方法としては、視覚におけるメディアの力、つまりTV放送である。先ほど「音 楽性」のことで述べたように、ダンス→ダンスミュージック→人気アーティストというこ とで、そうした人気アーティストの音楽番組への露出が増えることでダンスの人気が高ま るであろうし、そこで歌手やバックダンサーたちの踊るダンスはあこがれ的なものとして 映るかもしれない。もともとそうした影響というものは、80 年代の「マイケル・ジャクソ ン」や「マドンナ」からずっとつづいてきたように思う。(彼らのプロモーションビデオな んかは現在でもダンサーにとってカリスマ的なものである。)またTV東京で深夜に放送さ れていた「RAVE2001」という番組では各地方のダンス自慢たちが技を競い合うと いうものだったが、この番組で繰り広げられた技の数々はダンスのかっこよさや凄さをス トレートに私たちに見せてくれた。ダンス人口の増加と、技術的にもどんどんとあがって いるのは極める価値がある、つまりそのかっこよさを練習によって誰もが身につけられる からである。 このようにダンスを盛り上げていく方法は様々に考えられる。それらの共通点はクラブ、 ダンスコンテスト、音楽、テレビ、ゲームのどれをとっても商業的な展開がしっかりでき るという点である。以上のメディア的な展開以外にも企業側が商業的営利性を見込んで行 っている分野もある。それは高校生、大学生を中心とした事業展開である。商業的原理と して10 代∼20 代の世代を照準に営利性を求めれば成功するということを考えれば、当然 しかるべき展開方法であろう。高校生、大学生を中心にした事業では、そこで組織化され た存在(イベントサークルetc)を利用して行われるイベントのハコ代やDJ、ゲスト のギャラを企業がサポートし、その分コマーシャル活動において、その企業側の名前を前

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面に押し出したりするのだ。そうしてダンスに入りやすく、また快適さを求めて、踊りに 来る人はより一層増えていくだろう。 ●最後に 今まで見てきたようにダンスは様々な仕方によって日常との距離を近づけているのでは ないだろうか。そこにはスポーツ産業としての可能性と同時に、気楽にも真剣にもおこな えるスポーツとしても十分に見られると思う。スポーツとしてダンスがもっと受け入れら れることはきっとアプローチ次第であるが、可能ではないかと思う。そして、みんなに受 け入れられる商品としてダンスが親しまれる…、その可能性は非常に大きくそして楽しみ である。 4、感想 評価 全体の感想として、様々な種類のダンスについて触れる予定だったものを、今のダンス のことにテーマを絞ったことで若干レポートとしては甘くなってしまったことは言える。 だから歴史についてはもう少し深く調べた方がよかったように思う。だがその分、今のダ ンスシーンを身近なこととして取り組むことができた。ダンスの商品化については、音楽 の面、祭りでの踊り、またはお遊戯など、うまくやれば本当に子供からお年寄まで楽しめ る商品になると思う。そういった例についてもレポートでは出していないけど、可能性が 感じられた。 発表のときは時間が短かったために、簡単にしかレポートの中身については発表すること ができなかったのだが、コメントを読んでみるとその触れられていない部分(『ダンスはス ポ−ツであり、その定義は?』ということ)にこそ疑問点が挙げられているものが多く、 そこを発表でうまく伝えられなかったことが残念であった。スポーツとしてダンスを捉え ることについては、レポートではきちんと書いたつもりである(「始めに」の部分で)。ク ラブの営業形態についての質問も多かったが、クラブは風営法により、あくまで「お酒を 飲む場所」として店が申請し、空いたスペースを貸しているという営業形態をとっている ため、なかなか大っぴらにできないという問題がある。暗い場所でというのはやはり夜の 遊び場での営業形態のために雰囲気づくりに欠かせないのだと思う。先生質問に対しては、 施設化ということに関して、クラブの潜在需要というのはまだまだ大きいのでそれぞれの 個性を提案するやり方でさまざまなクラブを出していくのがよいと思う。うまくいかない ときはすぐに修正が効くので本当によいもの、受け入れられたものが残っていくし、それ が質の向上にもつながっていくだろう。非行行為に対しても、クラブはあくまでスペース を貸しているだけでクリーンな営業を目指しているそうなので、これからの方向としては 問題のある行為にはきちんと対応していくつもりだということです。

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作業スケジュール

10月・・・ダンスの種類、歴史などについて、各自で

調べる。(雑誌、本、インターネットなど)

10/29 には渋谷 ON AIR EAST にて、

TOKYO DANCE DELIGHT」を観覧。

11月・・・一橋祭でのダンスサークルの公演。その際、

ダンスに関する簡単な認識の調査を行う。

(ただし、準備不足のためアンケートは

取れず)。クラブにも足を運ぶ。

TV の収録

他大のダンスイベントなども積極的に参加。

12月・・・15日までに一通りの情報、体験をまとめ

る。

1月・・・12日レポートの方向性として、「クラブ系」

「ストリート系」を考えることに決める。

18日までに各自、担当部分をまとめる。24日、最終調

整。26日発表、最終報告。

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資料 最近の相次ぐ「クラブクローズ」について

『A Report about Tokyo’s Club』(http://www.yk.rim.or.jp/~chinta/doc01.html) より 最近、クラブの営業形態に変化が表れているのを、みなさんはお気づきでしょうか? 「気に入っていたクラブ○○がいきなりクローズしちゃった」「クラブ××って、バーしか やってないみたいだよ」という会話を、よく耳にします。 一般的に考えると、クラブというのは、OPENするのは夜遅くで、日をまたぐ午前 0時すぎから、どこからともなく人が集まりだし、午前2時には、ダンスフロアはピーク を迎え、早朝には、お客さんがそれぞれの生活に帰っていく・・・というのが通例だと思 います。しかし、これらの営業スタイルは、法律的にみると、限りなく「違法」に近いの そうです。 では、どのような法律によって「クラブ」の営業は制限されるのでしょう?それは「風 営法」と「消防法」だと言われています。 「風営法」では、ダンスフロアをメインに備えるクラブは、ダンスを提供する場とし ての「風営店」に分類されるそうです。そして、そのような店舗は、午前0時から午前4 時まで営業をしてはいけないそうです。ベルファーレのようなディスコが、午前0時にC LOSEするのも、「風営店」として承認を受けているためです。このページを開設した当 時、あるクラブの紹介をしたところ、オーナーの方から「営業終了時間を明記しないでく ださい。書くのであれば、"午前○○時"と書かないで、"MIDNIGHT"と書いて下さい」と の指摘を受けたことがありました。 「消防法」では、建物の火災被害を最小限にとどめるために、建物の営業形態や用途、 規模、収容人員に応じて 非常ベルや自動火災報知設備などの警報設備や、スプリンクラー 設備などの消火設備、さらには避難はしごや救助袋などの 避難設備を設けることが定めら れています。現状では、イベントスペースとして営業されるクラブで、これらの基準を満 たす建物は、やはり少ないようです。 いろいろな方のお話を伺うと、当局は年度の初めや署長が変わったりするのをきっか

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けとして、違法店舗の摘発を行う傾向があるようです(年末に飲酒検問が増えるような感 じですね)。運悪く摘発されてしまうと、クラブはクローズせざるを得なくなってしまいま す。特に厳しいのが麻○署で、管轄地域内にある「Yellow」・「MISSION」な どが、その影響を受けたのではないかとの噂もあります。 それを受けて、クラブの中には、深夜「アフターアワーズ」という形で、ダンスフロ アを午前4時以降にオープンし始めるところが出てきました。今後、クラブの新しい営業 スタイルが確立されていくのかもしれません。クラブが好きな私としては、クラブ自体「悪 いこと」とは思いません。COOLなスペースと音を提供する空間としてのクラブ、これ からもがんばってほしいと思います。好きなクラブがなくなっちゃったりするのって悲し いし、それって自分の楽しみが無くなっちゃうってことだから。

参照

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