加齢による大腿四頭筋の形態的特徴および筋力の変化について

理 学療法 学 　第

34

巻第5号

232

〜

238

頁 （

2007

年 ）

研

究 報 告

加 齢

に よ る

大 腿

四

頭 筋

の

_{形 態 的特 徴}

お よ び

筋 力

の

変 化

に

つ

い

て

　　　　　　

高齢女性

と

若年女性

と

の

比

較

＊

池 添 冬 芽

1〕＃

浅

川

康 古

2）

　

島

浩

人

3）

　

市 橋

則 明

1）

要 旨

　 加 齢

に

伴

い

，

ヒ

ト骨 格 筋

に

お

いては

筋 張 力

が

低

下

す

る

だ け

で

な く

，

筋 厚

，

羽

状 角 な ど筋

の

形態 的 特 徴 も

変 化 す

る。

近 年

では

超 音 波 法

によ

り簡 便

に

筋

の

形 態 的特 徴 を調

べ

た り

，

固

有 筋 力 を推 定 す

るこ

と

が 可

能

に なっ た

も

の の

，

高 齢 者

を

対 象

とし た 研 究 は 少 ない

。

本 研 究 で は 大 腿 四 頭 筋の形 態 的 特 徴 や 筋 力の加 齢 に よ る

変 化

につ い て 明 ら か に す るこ と， な ら び に 高 齢 者の筋 力 低 下 に

影 響

を 及 ぼ

す 因 予

につ い て

検 討

を

行 う

こ

と を

凵

的 と

し た。

超 音 波 診 断

装

置

を 用いて

，

外

側

広 筋

部での 大 腿 四 頭 筋の

筋

厚

お よ び 羽 状

角

の測 定 を

行

っ た

。

また

，

大 腿 四 頭

筋

の筋 厚と

JgSS

周 径 か ら筋 横 断 面 積の推 定 値 を 求 め

，

さ ら に 膝 仲 展 筋 力 をこの筋 横 断

面積

で 除 し た 固

有 筋 力 指 数

を

求

め た

。

その結 果，

高 齢 女 性

で は

若年

女

性

と 比

較

して 大 腿

筋 厚

や

筋 横 断 面積

で

約

工／

2

，

膝 伸 展 筋 力

で は

約

1

／

3

に

有 意

に

減 少

す ること が

確

認 さ れ た

。

ま た 高 齢

女

性 に おい て

，

膝 伸 展 筋

力

と

年

齢 との 間 に

有 意

な 相 関 が み ら れ

，

筋 厚 や 筋 横 断 面 積 と 年 齢 との 問 に は 相 関 が み ら れ な かっ た

。

これ らの こと か ら

，

大 腿 四 頭 筋 で は 筋 量 よ

り

も

筋 力

の

方

が

相 対 的

に

加 齢

に よ る

低 下

の

程 度

が 大

き

い こと が

示

さ れ た

。

固

有 筋 力 指

数 も

高

齢 者では

若 年 者

よ り

有

意に

低

い

f

直を

示

し

，

加 齢

による

筋 力 低

下 は

筋

量 以

外

に

神 経

性 因 子の変 化 が 関 与 してい る こと が 推

察

さ れ た

。

さ らに

，

高 齢 者

の固

有 筋 力 指 数

は

変 動 係 数

が

56

％ と

高

く

，

筋 力

発

揮

に

関

わ る

神 経 性 因 子

は

，

高 齢 者

で は

個

人 差 が

拡 大 す

る こと が

示 唆 さ

れ た。 キ

ー

ワ

ー

ド

　

超 音 波 法

，

高

齢 者

，

大 腿四頭

筋

は

じ め

に

　

近

年

，

超

音 波 診 断

装

置

を

川

いる こ と に よ

り

，

ヒ トの

筋

や 腱の形

態

的

特 徴

を

観

察

す ること が 可

能

に なっ て

き

た

、

，

超 音 波

法

は

CT

法

や

MRI

法

に比

較

して

安 仙

で

，

冂」

’

搬 性

に

優

れ

，

非 侵 襲 的

で

安

全

簡便

に

測 定

で

き

るとい

う利 点 を

有

し てい る

。

超

音 波 法

に よ る ヒ ト

骨 格 筋

の

筋 厚

の測

定

は 高い再 現

性

が

確 認

さ れてお りL

−

3｝

，

また

MRI

で

測 定

し た

値

と

も高

い

相 関

が み ら れる ことが

報 告 され

ているP4畑 。

　 Age

．

relaLed 　Changes　u

［

1　Muscle　Architecrural　Characlcristics　an匸L

　Strcngdl　in匸hc　Humal1 　Quadr［ceps

1〕 京 都 大 学 医 学 部 保 健 学 科 到1学 療 法 学 邸 攻

　 〔〒606

−

8507京 都府 京 都ri∫左 京 区聖 護 院川 原町53）

　 Tome　lkez〔♪ピ

，

　RPT

，

　PhD

，

　N〔，riaki　Ichihashi

，

　RPT

，

　PhD二

　 Deparロne11 亡 of

　

Physical

　

Thurapy

．

　

Schoo且of

　

HeaLth　Sciences

，

　 Fac：uLt ］

，

　of　Medicin巳

，

　Kyot【｝Urliversity

2〕 祥 馬 大 学 医 学 部 保 健 学 科

　 Yasuyoshi　A

．

sa

，

　ka、、a　

、

RPT

、

　PhD：Departmenしof 　Physical　Therapy

，

　 Faculty

　

oF

　

N

’

Tedicii

’

ie

，

　

Gunma

　

IJ】1区ersirv

3〕京都 市 身 体 障 害 者リハ ビリ テ

ー

一

ショ ンセンタ

ー

　 H正ro匸D　Shima

、

　RPT

』

Kyoしo　MunLcLpal　Rehabilitati〔｝11　C巳nter　f〔，r

　 the　Disab且ed ＃

　

E

．

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．

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．

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．

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．

；IC

・

jp

　 〔受 付目　　2006年10月51

−

［／受理 目　　2007年4月21日） こ の よ

う

なこと か ら

，

簡 便

な 超

音波 法

に よ る

筋 厚

の

測 定

は

，

トレ

ー

ニ ン グ

効 果

や廃 川

・

加 齢

に よ る

筋 萎

縮の

評 価

と して

臨 床

にお

け

る

有 用 性 が 非 常

に

高

い、

、

超 音 波 法 を用

いた

筋

の

形 態 的 特 徴

の

評 価

につ いて は

，

筋 厚

の ほかに

も

様

々な

指 標

の

評 価

が

試

み ら れ てい る

。

例

え

ば_， 羽

状 筋

に お

け

る

筋 線 維

の

走 行 角 度

，

す

な わ

ち

羽

状 角

につ い て

，

若

年 者

の 肥

大

した

筋

で は羽 状

角

が 大 き く なる こ とew や

，

筋 力 増

強に は

筋

肥

大

や

神

経

的

要 因の ほか， この羽

状 角

の

増 加

といっ

た 筋

の

形 態

の

変 化

が

貢 献

し てい るこ

と

が

報 告

され ている 7

−

9）

。

この よ

う

に

，

近 年で は超

音

波 法 によ り

筋

の

形 態 的 特 徴

を 調べ た研

究

が

数 多

く

実 施

さ れる ように

な

っ て

き

た。 し か し な が ら

，

高 齢 者 を対 象 と

し てこれ ら

筋

の 形

態

的 特 徴 を

検

討 した 報 告 は 少 ない

。

　

ま た， 超

音 波 法

で 測

定

し た

筋 厚

か ら

筋横 断

面

積

を

推 定

す ること に よっ て

，

固 有 筋 力 （specific 　

force

_）

を

_簡便

に 求 め ること も 可 能 と なっ た

，

固 有 筋 力 と は 単 位 筋 横 断 面

積

あ た

り

の

_{筋 力}

の こ と をい い 10）

，

_{筋 力 発 揮}

に

関

わ る

神

経 性 因 子

の

指 標

と して用い ら れてい るtt し た がっ て

，

超

音 波 法

によっ て

筋 厚

や

筋横 断

面

積

を

求

めて

，

これ ら を

筋

量

の

指 標

と し

，

さ

らに

筋 力 値 を計 測 し

て

固 有 筋 力 を求

め

加齢に よ る 大 腿 四 頭 筋の形 態 的 特 徴 お よ び 筋 力の変 化 につ い て

233

て

，

これ を

神 経 性 因 子

の

指 標

と

す

る と

，

こ のよ

う

な

筋

量 や

神 経 的 な 因子

が ど れ

く

らい

_筋

の

発 揮 張 力

に

影 響

を

及

ぼ してい るか を

推 測 す

る こと

も

で

き

る と

考

え ら れる。

　 本研 究

で は

，

高齢 女 性

と

若 年 女 性

の

最大 等 尺 性 膝 伸 展

筋 力

の

測 定

および

超 音 波法

による

大 腿

四

頭 筋

の

筋 厚

・

羽

状 角

の

測 定 を 行

い

，

⊥

） 大 腿

四

頭 筋

の

形 態 的特 徴

や

筋 力

の

_{加 齢}

変

化

につ い て 明 ら か に す ること

，

2

） 高

齢 者

の筋

力低

ドに は

筋

量 や

神 経

的

因 了

・

が ど れ

く

らい

_影響

_を

_及

_{ぼ し} ているか

検 討

す るこ と を 口 的 と し た

。

対

象

　 養 護

老 人ホ

ー

ム に人

所

して いる高

齢

女 性

31

名 （

年 齢

67

〜

94

歳 ） 及

び

健 常 若 年 女 性

21

名 （

年 齢

19

〜

28

歳 ）

を

対 象

と し た

。

対 象 者

の

属 性

は

表

1

に

示 す

。

す

べ て の

対

象 者

に

対

し て

本研 究

の

説

明 を

行

い

，

文 書

に て同

意 を得

た

。

な お

，

脳

lilL

管 障 害

や

慢 性

関

節

リ ウマチ な

ど

の

身体 機 能 障

害

や

重 度

の

痴 呆 症 状

な ど に よ

り

，

膝伸

展

筋

JJ

測

定

に

際

し て 支 障 が み ら れ る 者 は 対 象 か ら 除 外 し た

。

ま た

，

高 齢

女

性 に おいて は， すべ ての

者

が 杖 や

手

す り な どの

物

的

介

助

も含

め る と

起

居

動 作

お よ び

歩 行 動作

は

自

立 していた

。

方

法

1

．

超

音 波 診 断

装

置

に よる

測 定

　

超

音 波 診 断

装

置 （

東

芝メ デ ィカル

社 製

SSA

−

320

）

を

使

川 し

，

安 静

IT

寺

にお

け

る

右 側

の

大 腿

四

頭 筋

の

筋 厚

お よ び

羽

表1　対 象 者の属 性 　 　 　 高 齢 女 性　 　 　若年女 性 く1三_齢



_（year）



81

．

₇±

6

．

4





22

．

6

士

2

．

5

身 長　　

CCTTI

）　　　　143

．

3

±

6

、

6



1592

±

・

1

．

7

イ本重

　　

（

kg

）

　

　　　

　

44

、

6

±



7

．

1





50

．

3

＝

4

．

2

BMI

　　　 　　　　

21

、

8

±

4

．

0

　　　

19

．

9

±

1

．

2

状

角

を 測 定 し た

。

Rutherford

らlu や

Aagaard

らlz）の

方 法

に基づ き

，

測 定 肢 位

は

椅

座

位

で股

・

膝 関 節

90

度

屈

曲位

，

測 定 部 位

は 大

腿 骨 長

の

50

％

，

す

な わ ち 大

転 ∫

之 大

腿 骨 外

側 上

顆

を

結

んだ

線

上

50

％で

外

側 広 筋 上 と し た

tt

こ の

測 定 部位

は

，

大 腿

四

頭 筋 全 体

の

断 面積

が

最 も大 き

い

場 所

と して よ

く用

い

ら

れて お

り

5目 ］ll3）

，

測 定

の

信 頼

性

・

再 現

性 も

証 明 さ れているL｝6）13）

。

8Mllz

の

探 触

子

を

用い

，

_{探 触}

子 を

皮

膚

而 に 対 し て

乗 直

に

保 持

し，

筋 肉 を

圧

追

し ない よ う に

皮 膚

に

軽 く触

れ る よ

う

に して

接 触

さ せ た と きの超

音 波 縦 断 画像

を

記録

し た

。

　

高 齢

女 性 お よ び 若

年

女 性 に お け る 外 側 広

筋

部 での

縦

断 面の超 自波 画 像 を 図

1

に示 す

。

筋厚

は

皮

卜脂

肪

ドか ら

大

腿 骨

まで の

_外

側 広

筋

と

中 間

広

筋

を 合 わ せ た

筋 厚 （

以 下

，

大 腿 筋 厚 ）

，

お よ び

皮 下 脂 肪

1

・

．

か ら

中 間

広

筋

上 ま での

外

側 広 筋

の

筋厚 （

以

下

，

VL

筋 厚 ）

を

計 測

し た

。

　

ま た

，

外 側 広 筋

の羽

状 角

は

Kawakarni

ら

6）の

方 法

に

基

づ

き

，

外

側

広 筋

と

中

間

広筋

の

問

の

深 部筋 膜

と

外 側 広 筋

の

筋 線 維

の 走

行 方 向

が な す

角 度 を

測

定

した

。

　 筋 厚

お よ び 羽

状 角

につ い て は

，

そ れ ぞ れ

1

回の

計 測 値

を

デ

ー

タと して用い た。

2

．

膝 伸 展

筋 力の測

定

　

膝 伸

展

筋 力

は 徒

壬 保

持 型 ダ イ ナモ メ

ー

タ

ー

（

μ

一

Tas

F

−

1

：アニ マ社 製

）

を

使

用 し

，

椅 座 位で膝 関 節 屈 曲

90

度

位

で の

最 大 等 尺 性 筋 力

を

2

回測 定

し

，

その

最

大

f

直をデ

ー

タとし て

採 用

したt

／

測 定

は

右

側につ い て

行

い

，

ア

ー

ム長 を

乗

じた

膝 仲 展

ト ル ク （

Nn1

）

を

求

め た

（

以

．

F，

膝 伸

展

筋 力 ）

。

3

．

筋

横

断 面

積

お よ び 固 有 筋 力の算 出

　 超 当波 法

で

求

め た

筋 厚

か ら

筋 横 断

面

積

を

推

定

す

る 丿

i

法

につ いて は

，

回

帰 式

に よ

り求

める

方 法

1

’

O や筋

厚

の

2

乗

b

．

若年

者 の 超音 波［由1像 図1　 外 側 広 筋 部の超音波 画 像

234 理学療 法 学 　 第34巻 第5号

高

齢 者

の

大 腿 横 断 面

表

2

　各項凵の測 定 結果 高 齢 女 性 若 年 女 性

　 　 　 　

図

2

　

大 腿 四 頭筋の

_筋

_{横 断 面 積}の推 定 ＊高 齢 者の大腿横断 面 は

横

軸 （X） が 大 きいた め

，

大 腿 筋 厚 （

Y

） と大 腿 周 径の 1／2 （X

’

） を乗じ ることにより

，

大 腿 四 頭 筋の筋 横断血積の推 定 値を求め た

．

断面 積

＝

大 腿 筋 厚X _{〔大 腿 周 径}／2） 大 腿 筋 厚 （cm ） 外 側 広 筋 筋 厚 （cm ） 羽状 角 （度） 大 腿 周 径 （Clr1） 膝 伸展筋 力 （

Nm

） 筋 横 断 面 積 （cm2 〕 固 有 筋 力 指 数

1

．

99

±

0

．

57

　　　4

，

26 ± α38＊ 零

1

．

06

±

0

．

39

　　　

2

．

23

±

0

．

31

＊ ＊

9

．

2

±

47

　　　　15

．

6± 3

．

0

‡

＊

33

．

6± 3

．

6　　　37

．

6± 2

．

1＊ ＊

30

．

7

±

15

．

7　　

91

．

1

±

222

＊ ＊

34

，

1±　1L2　　80

、

8±

：

ILI串 ＊ 0

．

91± 0

．

51　　1

．

14 ± 0

．

25＊ ＊

’

p＜

0

．

05

，

　

＊ ＊

幽

p＜

0

．

Ol

．

表3 高 齢 女 性 に お け る各項 目 　 　 と年齢との相 関

値 を用

い る

方法

’

i）

な

ど

が 報 告

さ れ てい る

．

し か し な が ら

，

若 年 者

の

大 腿

四

頭 筋

は ほ ぼ

円 形

に

近

い

形状

であ るの に

対

し て

，

高 齢 者

の

大

腿 四 頭

筋

は

楕

円 形の形 を と る 場 合 が

多

い

た

め

，

高 齢 者

にこれ らの

推 定 方 法

を

適

用 す る と推

定値

の

誤 差

が

大 き くな

る。 その た め

，

高齢 者

の大 腿 四 頭

筋

の

筋 横 断 面積

を

推 定

す る

方

法 と し て は

，

図

2

に 示 す よ

う

に，

筋 厚

に 大 腿 周

径

囲の ］， 〆

2

を 乗 じ た

値

を

利

川

す

るこ

と

で

推 定 誤 差

を

少

な くす るこ と がで きると

考

え ら れる

。

そこ で

，

本 研 究では 筋 横 断 面

積

の

指 標

につ い て

，

高 齢者

の大

腿

四

頭 筋

の

形 状

を

考 慮

し

，

下 記 式

の よ

う

に

筋 厚 お

よ び 大 腿 周 径 か ら推

定値

を

求

めた

。

　 　 　

筋

横

断 面

積

≡

大 腿 筋 厚

x

_（

大

腿 周 径

／

2

）

　

大 腿 周 径 につ い て は

，

膝

蓋

骨

卜

縁

よ

り

10

　cm 上の

位 置

で大 腿 長

軸

に 対 して乖

直

に

，

メジャ

ー

を

皮 膚

に

密 着

さ せ てあてた 値 を工回のみ 計 測 し た

、

、

　

単

位 筋

横

断 面

積

あ た

り

の

筋 力

で

あ

る

固有 筋 力

の

指 標

101 につ い て は

，

膝

伸 展 筋 力 値 （

Nm

） をこ の

断而 積

．

で

除

し た 値 （以 下

，

固 有 筋

力 指

数 ） を 用い た

。

膝 伸 展 筋 カ 　 　 　

ー

0

．

・

to

＊

＊

大 腿 筋 厚 　 　 　0

．

00

筋 横 匪斤面 積　　　　　　　　

O

．

Ol

I

古_{「有 筋 力 指 数}

一

_〇

．

29

＊ ＊ 　 P＜

0

．

Ol

．

表

4

　大 腿四頭 筋の筋 力 と形 態 的特 徴 との柑関 膝伸 展 筋 力 との相 関 係 数 高 齢 者 若 年 者 大腿筋 厚 筋 横 断 面 積 大 腿周径 α羽 ＊ 0

．

45

＊

＊

0

．

19

0

．

370

．

53＊ ＊

0

．

64

＊ ＊ ＊

’

p＜0

．

05

，

＊ ＊

・

p＜0

．

Ol

．

す

る ことが

確 認

され た

。

　

羽

状 角

につ い て

も

．

高 齢 者

は

若 年 者

よ

りも有 意

に

低

い

値

を 示 した （高 齢 女 性

15

．

6

±

3

．

0

_{度 ）}

_e ：

92

±

4

．

7

度

，

若 年 女 性 ：

・

₁

_．

_{統 計 学 的 検 定}

　 高 齢

女 性 と

若 年

女

性

の

各 項

目の 比

較

につ _い て は

，

Mann

−

Whitney

検 定

を

用

いた。

ま

た

，

各 項 目聞

の

相 関

に つ い ては

，

ピ ア ソ ン の

相 関係 数

を

求

め

，

有 意 性

の

検 定

を 行っ た

，

結

果

1

，

大腿

四頭

筋

の

筋 力

お よ び

形 態

的

特 徴

につ い て

　

高 齢 女 性

に お け る

膝 伸

展

筋 力

は

30．

7

±

15

．

7

　

Nm ，

_{若 年}

女性

に お ける

膝 伸

展

筋 力

は

91

．

1

±

22

．

2Nm

であ り

，

高 齢

女 性

で は

若 年 女性

と比

較

して

_{膝 伸 展 筋 力}

は

有

意 に

低 く

，

約

1

／

3

に

減 少

し ていた

（

表

2

）

。

　 安 静

時の大 腿

筋

厚は高 齢 女 性で

1

．

99

±

0

、

57cm

，

若 年

女性

で

4

．

26

±

O．

38

　cm ，

筋 横

断 而

積

は

高 齢

女

性

で

34

，

1

±

11．

2

　cm2

，

若 年 女

性 で

80

．

8

±

ll

．

l

　cm2 であ

り

，

大 腿 筋 厚

，

筋 横 断 面 積 と もに高

齢

者で

有

意に

低 く

，

高 齢 女性

で は

若

年 女 性

と 比

較

して

大 腿 筋 厚

や

筋 横 断 面積

は

約

レ

2

に

減 少

2

．

高

齢 女性

に お け る 年 齢 と 各 項 目の 相 関

　

一

般 的 に 筋 力 は

20

〜

30

歳

代

をピ

ー

ク と して以

後 減 少

し

，

60

歳

以

降

で は

加

齢 と と も に 急 速 に 減 少 す る

。

この 高 齢 期 に お け る 筋 力 お よ び 筋 量の 低 下の程 度 を 分

析 す

る た め に，

高

齢

女

性の み を

対 象

と して

，

膝 仰 展 筋 力

，

大

腿

筋 厚

，

筋 横

断 面 積

，

固

有 筋

力

指

数 と

年 齢

との

相 関 係 数

を 求 め た

。

その結 果

，

膝 伸 展 筋 力の み

年 齢

との

有

意 な

相 関

（r

＝−

O

．

40

）

が み ら れ た

（

表

3

）。

3

．

大 腿四

頭 筋

の

筋 力

と

形 態 的 特 徴

との

関連

　 高 齢 者

に おい て

，

膝伸 展 筋 力

との

有 意 な 相 関 が 認

め

ら

れ たの は

大 腿 筋 厚

（

r

；

0

，

44

）

，

筋 横 断 面 積

（

r

＝

O

．

45

）

で あ り

，

大 腿

周 径

とは

相 関

は

認

め ら れ なか っ た

（

r

−

0

．

19

）。

一・

方

，

若 年 者

におい て

，

膝 帥 展 筋 力

との

有 意 な

相 関

が

認

め ら れ たのは

筋 横 断 面 積

（r

＝0，

₅₃

）

と

大 腿 周

径 （

r

≡

0

．

64

）

であ り，

大

腿

筋厚

（

r

＝0，

37

）

とは 相 関は

認

め

ら

れ

な

かっ た

（

表

4

）

。

加 齢 に よ る 大 腿 四 頭 筋の形 態 的 特 微 お よ び 筋 力の 変 化 につ い て

235

4

．

岡 有 筋 力 指 数 につ い て

　 膝 伸 展 筋 力 値

を

筋 断 面積

で

除

して

求

め た

固 有 筋 力 指

数 は

高齢

女

性

で

0

．

91

土

0

．

5L

_{若 年}

_女

_性

で

1

．

ユ

4

土

0

．

25

で あ

り

，

高 齢 者

は

若 年 者

よ り も

有

意に

低

い

_値

を

示

し た （

表

2

）

，

、

高 齢 女 性

お よ び

若 年 女 性

の

固 有 筋 力 指 数

につ い て

，

そ

れ ぞ れ

平 均 値

と

標 準 偏

差

値

か ら

変 動 係 数

を

求

め た。

そ

の

結

果

，

冏 有 筋 力 指 数

の

変 動 係 数

は

高 齢 者

56

％

，

若 年 者

28

％

で

あ り

，

高 齢 者

で は

若 年 者

と

比 較

し て

変 動 係 数

は

大 き

い

値 を示 し

た

。

考

察

L

大 腿

四

頭 筋

の

筋 力

およ び

形 態 的 特 徴

の

加 齢 変 化

につ 　 い て

　 加 齢

に よ る

筋 量

や

筋 力

の

低

ドは 上

肢

よ り ド肢

筋

で

著

し い ⊥5丿

。

特

に

大 腿

四

頭 筋

で は

筋 萎 縮

や

筋 力低

一

ドの

程 度

が 大 き

く

，

高 齢 者

で は

若 年 者

と 比

較

す る と

膝 伸 展 筋 力

で

35

〜

50

％

，

大 腿 四 頭 筋の

筋 横 断 面積

は

25

　

一

　

33

％

_低

下

す

る こと が

報

1

「

i’

さ れて い る 1619 ）

。

本 研 究

におい て も

，

膝 伸 展 筋 力

，

大

腿 筋 厚

，

筋 横 断 面積

はい

_ず

れ

_{も高 齢 者}

は

若 年 者

よ

り有 意

に

低

い

値

を

示

し

，

高 齢 女 性

で は

若 年 女 性

と 比

較

して大 腿

筋 厚

や

筋 横 断 画積

で

約

112

，

膝伸 展 筋 力

では

約

⊥／

3

に

減 少 す

るこ と が

確 認

さ れ た。こ の こと か ら

，

大

腿

四

頭 筋

では

筋

量 よ

りも筋 力

の

方

が

相 対 的

に

加 齢

によ る

低

ドの

程 度

が 大 きい こ とが 示 さ れ た

。

今

回

，

高齢 者

の

筋 力

や

筋 量 低 ド

の

割 合

が

諸 家

の

報 告

よ

り も大 き

い

_が

，

こ

れ

は

本 研 究

では

在 宅 高 齢者

と

比 較 す

る と

体 力

レベ ルの

低

い

施

設 人

所 高 齢 者 を 対 象

と してお り

，

平 均

年

齢

も

8L7

歳 と高

い た め

と考 え

ら れ る

．

，

ま

た

，

大

腿 四 頭

筋

の

形 態

的

変 化

とし て

，

羽

状 角

につ い て

も高齢 者

で は

若年 者

に

比 較

し て

有 意

に

減 少

し てい た。

加 齢

に

伴 う筋 萎縮

に よ

り

羽

状

角

は

減 少 す

る こと2012P や

，

こ の羽

状 角

の

低

下

も

ト

肢

よ

り ド肢 筋

で

著 明

に み ら

れ

る こと

が 報 告 さ れ

て い る Zω。

本

研

究

に おい て

も外

側

広 筋

の羽

状 角

は

加 齢

に よ る

著

明 な

減 少

が

認

め ら れ

，

同

様

の

結 果

が

得

ら れ た

。

高齢 女 性

は

若

年 女性 と比 較

し て

．

外 側 広 筋

の

筋 萎 縮

は み ら れて

も

，

筋

線

維 長は変 化 し ない 22） とす れ ば

，

図

3

に 示 すよ

う

に

，

こ の

高 齢 者

の

筋厚

の

減 少

に は

筋線 維

横 断 面 積の減 少 と と もに羽 状 角の減 少 も 関 与 している と思 わ れるtt

　

さ ら に

，

高 齢 女 性

の み を

対 象

に

，

年 齢

と

膝 伸 展 筋 力

，

大 腿

筋 厚

，

筋 横 断 面 積

，

固有 筋 力 指

数 との

相 関

を み る と

，

膝 伸 展 筋 力

におい て の み

年 齢

との

有

意 な

相

関 がみ ら れ た。 この こと か ら

，

高 齢期

におい て も

筋 力

は

加 齢

に

伴 う

低 下

が

進 行

していること が

示 唆

さ れ た

。

2

．

加 齢

による

筋 力 低

下 に

影 響 を及

ぼ

す 因 子

につ いて

　 膝 伸 展 筋 力 と大 腿 筋 厚 と

の

関 連

につ い て は

，

高 齢 女性

で は有 意 な 相 関 が み ら れたの に対 して_，

若 年 女性

で は相 関 が み ら れ な かっ た

。

着 年 女性

の

大

腿

筋厚

は

高齢 女性

と

比 較 す

る と

個

人

差

が

小

さ

く測 定 値

の

分 布 範

囲 が

狭

いた め_，

統

計 的 に

相

関 が 出 に く かっ たので はないかと思わ れ る

。

反

対

に，

膝 伸

展

筋 力

と

大

腿

周 径 と

の関

連

につ い て は，

若 年 女性

で は

有 意

な

相

関 が み ら れ た が

，

高 齢 女性

で は

柑

関

は み ら れ な かっ た

。

加 齢

に よ る

筋 萎

縮 が 著 し く

，

柑 対

的

に

皮

．

ド

脂 肪

が

多

い

_{高 齢 者}

では

，

皮

ド

脂 肪

の

影響

が 大 き い 大

腿 周 径

よ

り

も 大

腿 筋 厚

の ほ

う

が

筋 萎

縮の

程

度 を 反 映 し

，

筋 力

との

関 連

が

強

い と

考 え

ら れ た。

　 高 齢 女 性

は

若 年 女 性

と 比

較

して

筋

量や

筋 力

のみ な ら

ず

固 有 筋 力 指 数

も

低

卜

．

してい た

．

_{固 有筋 力指 数}

につ い ては

，

加 齢

によ

り減 少 す

るとい

_{う報 告}

や

変

わ ら ない と

す

る

報 告

と が

あ り

，一

致

し た

見 解

が

得

ら れてい ない

。

これ は

筋 横

断 面積

の

推 定 方 法

の違い による可

能 性

が

考

え ら れる

。

本

研 究

に

お け

る

超 音 波 法

で

測 定

し た

大 腿

四

頭 筋

の

断 面 積

の

推 定 値

と

，

MRI

で

大 腿

四

頭 筋

の

断

画

積 を測 定 し

た

報 告

23） と

を

比

較 す

る と

，

高 齢 女性

で は同

程 度

の

値

を

示

し たが 〔

超 音 波 法

；

34．

l

　_cm2 ，　

MRI

法

；

33．

6

〔：m2

）

，

若 年 女性

に

お

い て は

，

超 音 波 法

で

測 定 し

た

値

は

MRI

法

で

測 定

し た

f

直

よ

り非 常

に

大 き

い

値

を

示

し た （

超 音波 法

；

80

．

8cm2

，

MRI

法

；

45

，

8

　cm2

）

。

本 研 究

で は

断 面 積

の

推 定

と して

，

大 腿 筋厚

と

大 腿 周 径

の

1

，

／

2

_を

_乗

_{じ た}

_値

_を

_用

いた が

，

筋 組

織

が

発 達

し ていない

高 齢 者

で は

，

周 径

囲の

半 分

が

大 腿

四

頭 筋

の

横 軸

の

長

さ に

近

い

値 を

とるが

，

筋 組 織

が

発 達 し

て いる

若 年 者

で は

周 径

囲 が

増 大

し

，

大 腿

四

頭 筋

の

横 軸

の

長

さよ り か な り大 きい

値

に なる た め

，

断

面

積

の

推 定 値

に

誤

差

が 生 じた と

考

え ら れ る （図

4

）

。

この た め

，

若 年 者 と

筋萎縮

・

一一

t．

tw’

w・

・

．

鰍

、

，

漁輪繍厭

覦

無

融

騨

卿

ゴ

／

／

三

／

f

／

4

／

旁

　 　 　 1　　　　マ

厂

_{厂 ア}

_{甲 甲}

『

薩 羅

亠

副

L

亠

⊥ 二

一

潺

／

／

、

・

1

／

　

／

d

’

t

Ψ 　 　 　 図3　羽状 筋の筋 線 維の筋 萎 縮 　筋 線 維 長 且が

一

定だ と す れ ば

，

筋 厚 が

d

か ら

d

’

に 減 少 す る に伴っ て

，

筋 線維 横 断 面 積 は a か ら a

’

に

，

羽 状角はα か らα

’

に 減 少 す るこ と に な る

．

236 王lr_{学瞭法 学 　 第}

₃₄

_{巻 第}

₅

_号

掌

高 齢 者

，

　

’

’

’

’

”

e 夢

蔓

　

鞍

　

津

　

阜

’

　

，

晦

　

勢

　

噂

　

’

　

’

　

”

…

緞

ノ

轄

強

轡

雅

　

　

　

　

_幹

駢

疇

郵

黔

犇 翌

脚

｝

蹄

曲

磯

餅

艦 曹

疑

陣

靉

　 　

幸

轟 轄 撃

距

　 　

翌

毳 羃 　 　

僻

聾 ウ 　 　

解

垂  

郷

鑵 濃 鷺

_、

蹠

孵

彫

恥

黛

碍

_气

’

華

て

X

≒

X

’

若 無 者

ズ 　

四

膿 鷲 　

th

　

va

癖

驫

毒

琵

亨

・

・

’

　 　 鴛

，

　》

　

t

宰

彦

薄

塒

聾

　

＃

e毒

毒

聾

鐔

ee　 懲蠱

Y

匸

耄

曜

　

_年

砦

難

儲

駝 鷺

記

爵

賦

》

夢

蓐

　

獅

　

亨

響

_・

…

_．

“

…

難

簾

総

鑓

羅 鷺 認 轟 鷺 跨

_毒

X

＜

X

　 　 　 図

4

　 大 腿 横 断 面の模 式 図 ＊筋組

織

が 発 達 し てい る若 年 者で は周 径 囲が増 大し

，

大 腿の横

軸 （

X｝ よりも 丿腿 周 径の半 分の値 （X

’

）は大 き くな り

，

断 酊 積の推 定 値に誤差 が 生 じる と考え ら れる

，

高 齢者

の

比 較

のよ

う

に

，

筋

の

形 態

が

異 な

る グル

ー

プ

を

比

較 す

る

場 合

に は

，

断 面

積

の

算 出方

法 によっ て_， 固 有 筋 力 の

値

が

異 な

っ て

く

る こと に

留 意 す

る 必

要

が あ る と 思 わ れ る。

ま

た

，

大 腿

四 鶉

筋 な

どの羽

状 筋

に おいて

，

解 剖 学 的

断面 積

で は

す

べ て の

筋 線 維

を

含

ん でいないた め_， 解 剖 学

的 断 面 積

よ

りも

生 理

学 的断 面 積

，

す

な わ

ち筋 線 維

走

行

に

対 し

て

直 角 な軸 断 面

の

面 積

の

方

が

最 人 筋 力 を

よ

く

反

映 す

る とさ れている 2魏 5

　

_今

回 は

簡 便

に

短 時 間

で

測 定

で き る

方法 と

し て，

超 音

波 法 に よ る 筋 厚 とメジャ

ー

に よ る 大 腿 周

径

の測

定 値

か ら 推

定

し た 解 剖

学

的

横

断 面

積

を 川い _た が， よ り正

確

な 固

有

筋 力

を

求

め る た め に は 生 理

学 的 横 断

而 積 を

用い た

方

が

適

切 で あ る か ど

う

か につ いて も

今

後の

検 討 課 題

で

あ

る

。

　

本

来，

単 位 横

1

析 面 積 当た りの筋 力 で あ る

固有 筋 力

は

，

乍 齢

や

体 格

に 関 わ ら

ず

理

論

上 は

一

定

の

値

を と る と

考

え ら れ る

。

しか し

な

が ら

，

ヒ ト

生 体 紐 織

に おい て固

有

筋

力

値

に

変

動 が み ら れ るのは

，

筋 線 維

タ イ プ2627 ／やモチベ

ー

ショ ン_，

筋

や 腱 のstiffness2h ）　）

’

が

関 与

してい る ほ か

，

神 経

的 要 因 が 大 き く 影 響 してい る と さ れて い る 3e）31｝

。

馬 に

，

高 齢 者

で は

若 年 者

に 比 して

最 大 収 縮 時

にお

け

る主 動 筋の活 動の減 少 32）3／1）_や

拮

抗

筋

の

共 収 惰

の

増 加

34）35） が み ら れ るこ と が

報

告 さ れてお

り

，

こ の よ

う

な

神 経 的

メ カニ ズ ムが

高 瀚 者

の

_{固 有 筋 力}

が

減 少

してい る主

原 因

と

考

え ら れ てい る

。

前 述の よ

う

に

，

筋 嶺 断 面積

の

算 出 方 法

に よる推

定

畝

左 の

問

逆 も あ

り

，

単 純

に

高 崘 者

と

若 年 者

との

固 有 筋 力

を 比

較 す

る こと は

難 し

い

も

の の

，

高 齢 著

に おい て

固 有 筋 力

の

低 下

がみ ら れる こと と

，

筋厚

や

筋 横 断 面積

よ

り

も

筋 力

の

方

が

相 対 的

に

低

下の

程 度

が

大

きい こ とを

考

慮 す

る と

，

加 齢

に

伴 う筋 力 低

下 には

神 経

因 ∫

・

の 関

与

が 大 きい こと が

推 察

さ れる。

　

さ らに

，

固有 筋 力 指 数

につ いて

変 動 係 数 を

比

較 す

ると

，

高

齢 者

で は

若 年 者

よ

り も変 動係 数

は

大 き

い

値

を 示 し たこ と

か ら

，

筋 力発 揮 能 力

に

関 わ

る

神 経 性 因 予

の

個

人

差

が 高

齢者

では

拡

大 す ること が 示 唆 さ れ た

。

こ の こ と は

，

例 え ば 固 有 筋 力 指 数 が 相 対 的 に 低い 高 齢 者 は 神 経 的 囚 子の賦

活

効 果 が

得

ら れ る

余

地 が 大 き

く

，

潜 在

的 な

筋 力

発

｝

附

旨

力

を

有

す る と

推

測 さ れ る

。

近

年

で は

，

高齢 者

に

対 す

る

筋 力

トレ

ー

ニ ング が

積 極 的

に

試

み ら れる よ

う

にな り

，

90

歳

以 上の

超 高 勘 者

で

あ

っ て

も

，

昌

強度

の

筋 力 ト

レ

ー

ニ ング に よ る

筋

肥

大

を

伴 う筋 力 増

独

効 果

が

可 能

で

あ

る こと が

実

両ILされ てい る 3ω

_t

） し か しなが ら

，

体 力 水 準

の

低

い

高 齢

者

におい ては

，

比 較 的低

い

_{運 動 強 度}

で

あ

っ て

も運 動

の

頻

度

を

増

や

す

ことによっ て

，

高強 度

と

同様

の

筋 力 増 強 効 果

が

得

ら れる との

振 告

37）38）

も あ り

，

コ ンプラ イ ア ン スや

i

；

−2r

発

4 ．

の

予 防

，

　 IfTI　）

_t

三

ヒ

昇

の 」ワ

_{防 等 も考 慮 す}

_る

_と

，

_{低 強}

度

の

方

が

虚 弱 高齢 者

で は

冶 利 な点

が

多

い

。

低 強 度

の トレ

ー

ニ ング，

あ

るい は トレ

ー

ニ ン グ 初 期 に お け る

筋

力

増 強

は，

若 年 者

と 同

様

に 高 齢 者 に おい て も 運 動

申

位の

動 員

や

発 射 頻 度

の

増 加

とい っ た

神

経 的 因 子によっ て も た ら さ れ る

，

本

研

究の

_{結 果}

か ら

，

固 有 筋 力

が

低

い

_{高 齢 者}

で

あ

っ て も， 比 較 的 運 動 強 度 が

低

い トレ

ー

ニ ング を 実

施

し た

場 合

に

，

神 経 性

因 予の

改 善

に よっ て

，

よ り筋 力

向

上 が

待

ら れ る 可 能 性 が あ る と

考

え ら れ る

。

この よ

う

な 超

吝 波 法

に よ る

筋

特 性の』

f’

価 は

．

高 歯11者 に 筋 力 トレ

ー

ニ ン グ を

処 方 す

る 際の

指 標

と して

．

今

後

，

応 用 が 期

待

さ れる

。

文 　 献

1）Rccves



ND

_，

　Maganaris



CN

．

　et　al



Utrason 〔〕graphic

　 assessment 　of 　

human

　skeletal 　rrlu

．

gcle 　 size

．

　Eur　

J

　AppL

　 Physlol　91_（1_）：ll6

−．

ll8

，

200

，

1

．

2

）

K

／

・

akami 　

Y

，

　

Akima

正｛

，

　et αl

　

Changes

　in　 muscle 　 size

，

　 architecture

．

　and　neura 且Ic巨vauQll 　afto 　20　davs　ot　bed

　

res亡



uギth



and



without



resistance



exerclse



Eur



J



AppL

　

Physiot

　84_（1

．

2_）：7

−

12

，

2001

．

3

）

Berr

）

bcn

　

MG

：

Use

σ

f

　

diagnostic

　ultrasound 　for　assessing

　 musclc 　slzc

．

　

J

　Stre　lgth　Cond　Res　l6（⊥）：⊥03

−

108

，

2002

．

4）

Fukunaga



T

，

　Miyatalli　M

，

　et　al

．

；Musde

　

volume



is　a

　

majQr



determEnant



of



joil1

吐



Lorqu （：

　

in

　

hurnalls

．

　

A〔ti

　 Physiel　Scand　l72〔d）：2至9255

，

2001

．

5＞Miyatani　M

，

　Kanehisa　

H

，

　et α

1

．

：

Thc

　accuracy 　of　volume 　 estinnates 　using 　ultrasQund 　muscle 　thtckncss　mcasurc

−

　 lnents 　ill　

differerlt

　rnuscle　groups

．

　

Eur

　

J

　

Appl

　

PIlyslol

　 gl（2

．

3）：264　272

．

2004

、

6）Kawakalrli　Y

，

　Abe 　T

．

　et 　al 　Muscle

−

fiber　_pennaLion　a1ユgles

　 are greatcr 　in　hypertr〔，phled　tharl　irl　normal 　musdes

．

　

J

　 Appl　Physiot　74_〔6_）；2740

−

2744

，

1993

．

7）

Jones

　DA

，

　RuthcrfQrd　

QM

　el　at

．

；

Physiological

　changes

　 in　skeletal 　mLLscle 　as 　a　rcsul 亡of　stremsth 　trainir19

．

　

Q

　

J

　

Exp

　

Physi

〔｝

174

（

3

｝：

233

−

256

，

1989

．

8

）

_Narici

　

MV

．

　

Roi

　

GS

，

　et　al

．

：

Changes

　

in

　

force

，

　cross

−

scc

．

　 tional　arca　alld　neural 　actlvation 　

during

　strength 　train

−

　

ing

　and　

detraining

　ef　tlユe　

human

　quadriceps

．

　

Eur

　

J

　

Appl

　 Ph｝  ）10ccup 　Physiol　

59

（

4

）：

310

−

319

，

1989

．

9

）

Kanehisa

　

ll

、

　

N

　_gireda　

H

．

　et α

1

、

；

Effects

　of　equivolume

　

isometric

　training　programs　comprTsh ユg　medium 　or　

h1

ち

h

　 resistance 　on　rnuscle　size　and 　strength

．

　Eur

J



Appl

　

Physiot

　

87

（

2

）：

112

−

119

，

2002

．

10＞

Narici

　

MV

，

　

Roi

　

GS

，

　St　al

．

：Force　o 正kncc　extensor 　alld 　 且exor 　nlusdes 　alld 　cross

−

seしt　onal 　area 　

determined

　bv 　 nuclear 　ma

，

　gnctTc　resonance 　lmaging

．

　

Eur

　

J

　

App

⊥

Physiol

　　　　　　　加 齢 に

11

）

Ruzherford

　

OM

，

　

Jorles

　DA ：Measu1

・

emcllt 〔，f　fibre　_pen

−

　　　natbn 　using　ulLrasound 　in　the　hunian　_quadriceps　ill　vivQ

．

　　　

Eur

　

J

　

Appl

　

Physiol

　

Occ

しlp　

Physiol

　

65

_（

5

_）：

433

−

437

．

1992

．

12

｝

Aagaard

　

P

．

　

Andersen

　

JL，

　et α

1

．

：

Amedlanism

　

fQr

　　　

increased

　contl

−

actile　strellgth　of　

hu

［nan　pennate　muscle

　

　　

in

　resPonse 　to　strength 　trElirlillgl　cllarlgcs　

in

　rrlusclc　archi

−

　　　tecture

．

　

J

　

PhysioL

　

l5

：

53

・

4

_（

P1

．

、

2

_）：

613

．

．

623

，

2001

．

13）Kanehisa　H

，

　lkegawa 　

S

．

　et α

1

：

Cross

−

sectienal　areas　of

　　　

fat

　and 　musde 　

ill

　

limbs

　

d

し1ring　grow吐

h

　and　rnTcldle　age

．

　　　Int　

J

　

Sports

　

Med

　工5（7｝：42（］

−

425

，

1994

．

14） 福 永 哲 夫

，

安 部 孝

・

他：超

．

音波 断 層 法に よ る筋

厚

・

皮

．

．

卜

．

　

　　

　

脂 肪

厚

と組 織 断面

．

積

との関 係

．

体育科学

19：1

−

6

，

⊥991

．

15＞

Jansscn

　l

，

　Heymsfield　

SB

　

，

et αた

Skeletal

　mus 〔：

le

　Inass

　　　　and 　distribution　ir［468　mell　and 　woman 　aged 　18

−

88　yr

．

　　　

J

　App且Physiol　89（1）：81

−

88

，

2000

．

16

）

　

LexeU　

J

，

　Taylor　

CC

，

　et 　al

．

：“「

hat

　

is

　the



cause



of 　the　age

−

　　　　ing　atrophy ？Tota！number

，

　size 　 and 　proportiQn 　of　dif

・

　

　　

ferent

　

fiber

　types　studied 　in　whole 　vaslus 　lat

．

eralis 　mus

．

　　　　cle 　

fro1n

　

l5

．

　to　

83

−

vear

−

old 　nlen

．

　

J

　Neurot　Sci　84（2

・

3）：

　　　　

275

−

294

，

　

1988

．

17

））

Young

　

A

，

　

Stokes

　

M

，

　e‘α

1

．

：

Slze

　alld　strei］gth　of しhc

　　　　quadi

・

iceps　rrluscles 　of　old　and 　young　women

．

　Eしlr　

J

　C［in

　　　　

Invest

　

l4

｛

4

）：

282

−

287

，

⊥

984

．

18

）

Young

　

A

．

　

Stokes

　M

，

　et α

1

．

：The　sizc　and　strength 　of 　the

　　　　quadriceps　muscles 〔〕

f

　otd　and 　young　rnen

．

　

Ctil

・

］

Physiol

　　　　

5

（

2

）：

145

−

154

，

1985

．

19）福 永 哲 夫 ：_{中 高 年 者}

．

の _{筋 量 と 筋 ノ}J

．

_{体 育}の 科 学

50

：

　　　　

864

−

870

，

2000

．

20

）

Kubo

　

K

，

　

Kanchisa

　

H

，

　L

・

t　al

．

：

Muscle

　architecturai 　char

．

　　　　actcristics　in　young　and　elderly　men 　and　wo α1el／

，

　

In

し

J

　

　　

　

Sp

〔〕rts



r

＞

led



24（2）；125

−

130

，

2QO3

．

21）Narici　MV

，

　Maganaris　CN

、

　et 　 al

．

：Effec亡 of　aging 　on

　　　　human 　muscte 　architecture

．

　

J

　

Appl

　

Physlol

　

95

〔

6

｝：

　　　　2229

−

223

・

1

，

2003

．

22）久保啓 太郎

，

束香 寿 美

・

他 ：加 齢 に 伴 う 筋 厚

，

羽冫

1

尺角 お よ

　　　　び筋 東 長の変 化

．

体 力 科 学 52（Suppl）：119

−

126

，

2003

．

23）金俊 東

，

久 野譜也

・

他 ：加 齢 に よ る 下 肢 筋 量の低 下 が 歩 行

　　　　能 力に及ぼす 影 響

，

体 力 科 学 49（5》：589

．

59

．

　

6

，

2000

．

24）　Lieber　RL

，

　Friden　

J

：

F

田lctk〕11al　and　chnica ［signi

．

ficancc

　　　　of　skeletal 　muscle 　architecture

，

　

Musc

且c　

Nerve

　

23

（

11

）：

　　　　1647

−

⊥666

，

2000

．

25

）

Narici

　MV

，

1

．

_andoni 　L

，

　_etα」

．

：Assesstnent　of　

human

　

knee

よ る 大 腿 四 頭筋の形 態的特徴および筋 力の変 化につ い て　 　 　 237

　　　　　　　extensor 　Inusdes 　StresS　frorrl　in＞ivo　PhysiobgicaL　croSs

・

　　　　　　　sectional 　a1℃a　and　strength 　rneasurements

，

　

Eur

　

J

　

App

且

　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　

　　

　

　　

　

Physiol　

Occup

　

Physiol

　65（5）；

438

−・

4

・

14

，

1992

．

　　　　　　　26）Thorstensson 　A： Muscle　strelユgth

，

　 fil）re　types 　and

　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　

　　

　

　　

　

enzy 皿e　activities　

ill

　Inan

．．

へcta　Physiol　

Scand

　

Suppl

　443：

　　　　　　　

1

−

45

、

1976

．

　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　

　　

27

）

Nygaard

　

E

，

　

IIQuslon

　

M

，

　et　_al

．

：

M

〔〕rphoLogy 　Qf　

tllc

　

brachTal

　　　　　　　

biceps

　muscle 　and　elbow 　fiexiolユ ill　man

．

　Acta　Physiol

　　　　　　　

Scand

　亅

17

（2）：287

−

292

，

1983

．

　　　　　　　

28

）

Reevcs

　

ND

，

　

Maganaris

　

CN

，

　etα

1

．

：

Effect

　Qf　strcngth 　train

−

　　　　　　　

ing

　otl　

hurIlan

　paしeUa　tcndon　mechanical _propert

．

iesof

　　　　　　　older 　

individuals

．

　

J

　

Physiol

　

548

：

971

−

981

，

2003

，

　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　

　　

29

）

Stackhouse

　

SK

，

　

Stevens

　

JE，

　et　al

．

：Maximuln 　voluntary

　　　　　　　act ［vatiorl　

ill

　nonfatigued 　and　

fatigued

　muscle 　of　young

　　　　　　　a冂

dclderlv

　

tndivid

しlals

．

　

Phvs

　

Ther

　

81

：

llO2

−

1109

，

2001

．

　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　

　　

30

）

Doherty

　

TJ

；

lnvited

　review ；

Aging

　and　sarcopenia

．

　

J

　　　　　　　

Appl

　

Physiol

　95；1717

−

」727

，

2003

．

　　　　　　　31）

Frontera

　

WR

，

　

Suh

　

D

，

　et α

1

．

：

Skctetat

　

muscle 　

fiber

　quali

−

　　　　　　　ty　in　older　rnerl　and　women

．

　

Am

　

J

　

Physiol

　

CeU



Physioi

　　　　　　　279：C611

．

．

C618

，

2000

．

　　　　　　　32）Hari

’

idge　SD

，

　Kryger　A

，

　et 　al

．

：Knee　extensol

・

strength

，

　　　　　　　actil

・

ation

，

　and 　size 　

in

　very 　elderly 　peoplc　

foElowing

　　　　　　　g

．

　trength 　training

．

　Muscie　Nerve　22（7｝：831

−

839

，

1999

．

　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　

　　

33）Wiuegard 　KJ

，

王Iicks　AL 　etα

1

．

I　

A

　I2

−

year　

foilow

−

up　st

．

udy

　　　　　　　of　ank ⊥e　muscte 　

function

　

in

　older　adldls

．

　

J

　

Gerontol

　

A

　　　　　　　Bioi　Sci　Med　Sci　51（3）：B202

．

207

，

1996

．

　　　　　　　

3

．

・

1

）

Klein

　

CS

，

　Rice　CL

，

　et　at

．

：

Normahzed

　

force

，

　activation

，

　　　　　　　and　coactivat

．

ion　in　the　arm 　muscles 　of　young 　and　old

　　　　　　　men

、

　

J

　

Appl

　

PhysioE

　

gl

〔

3

）：

134

ユ

ー

ユ

3

∫

19

，

2001

．

　　　　　　　

35

）

Macalus

〔〕

A

．

　

Nirnmo

　

MA

，

　et α

1

．

：

Contractile

　muscte 　vol

．

　　　　　　　unle　alld　agonist

−

antagonist 　c 〔〕activatioll 　accou 〔1 しfQrdif

−

　　　　　　　

ferences

　

in

　torque　

between

　yourlg　and 　older　wome エ1

．

　　　　　　　］＞

1

しlscle　

Nerve

　

25

（

6

）：

858

．

863

，

2002

，

　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　

　　

36

〕

Fia

しarone ｝

L

．

．

．

X

，

　

Marks

　

EC

，

　et α

1

．

；

High

−

illtcnsi吐y　strength

　　　　　　　training　

in

　nonagenarians

．

　

J

Am Med Assoc263；

　　　　　　　3〔｝29

−

3034

，

1990

．

　　　　　　　

37

） 工

kezoe

　

T

，

　

Tsutou

　

A

．

　et　al

．

：Low 　intensity亡raining 　for

　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　　

　

　

　　

　

　　

　

frail

　elderlv　worlユen：

long

−

terTn　effects　on　lnotor ［unct ［ons

　　　　　　　and　m〔lbility

．

　

J

　

PIIys

　

Ther

　

Sci

　17：43

−

49

，

2005

．

　　　　　　　

38

）

Vin

じent　

KR

．

　Braith　RW

，

　et　al

．

：Resistance　exercisc 　and

　　　　　　　Physical　perforrnance　

in

　adしllts　aged 　

60

　to　

83

．

　

J

　Am

238

WSEIffi･ft･'P

eg3･d

tsij5

l

<Abstract>

Age-related

Changes

on

Muscle

Architectural

Characteristics

and

Strength

in

the

Human

Quadriceps

Tome

IKEZOE,

RPT,

PhD,

Noriaki

ICHIHASHI,

RPT.

PhD

Department

_of

Pdysical

Theropy,

Schoog

of

Hbalth

Sciences,

Facully

ot'

Medicine,

K},oto

Uhiverstty

Yasuyoshi

ASAKAWA,

RPT,

PhD

Department

of

Ph),sical

Therapy,

PZzcudy

of

Mbdicine.

Gunma

Uhiversity

Hiroto

SHIMA,

RPT

IC},oto

Municipal

Rehabilitation

Centen

_for

the

Disabled

'

This

study

investigated

age-related changes

in

muscle architectural charactcristics and contributing

factors

inftuencing

strength of elderly

_persons

in

the

human

_quadriceps muscles.

The

subjects consisted of

5'1

etderly women aged

81.7

±

6.4

_years,

_and

21

_{>,oung women aged}

22.6

_±

2,5

years.

Muscle

thickness

and rnuscle-fiber

_pennation

angtes were measured

in

the vastus

lateralis

using

B-mode

ultrasonography.

The

location

used

for

iinaging

on

the

right vastus

lateralis

muscle was a point midway

between

the

lateral

condyle of the

femur

and the

_greater

trochanter.

Quadriceps

srrength was measurcd using

isometric

maximaL s,oluntary eontraction

(MVC)

of

the

knee

extension,

Cross-sectional

area

{CSA}

was estimated

from

muscle

thiekness

and

thigh

circumferenee measuremellts.

Muscle-specifie

force

was caLculated

from

MVC

_to

CSA

ratios

(MVC,'CSA).

The

muscle thickness and

MVC

of

_quadric:eps

was a significantly greater

in

young w･omen

than

in

elderly women.

Decrease

with aging was relativeLy

_greater

for

muscle strength than

for

muscle size.

In

elderly subjec:ts. there was a significant correlation

between

age and

_quadriceps

strength,

but

not mtLsc]e thiekness or

CSA,

Young

women

had

signifieantly greater muscLe-speeific

force

than elderly women.

Furtherrnore,

ceefficients of variation of muscle-specifie

force

tended to

be

greater

in

the

elderly than

ill

the young.

These

findings

su.crg.est

that

the

decrease

in

musele strength with aging may alsp

be

influenced

by

neural activation ability as welt as

by

muscle size, and that a