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先天性心疾患術後遠隔期の学童期から青年期の患者における健康関連QOL と運動耐容能および身体活動状況の関係

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Academic year: 2021

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(1)理学療法学 第 316 47 巻第 4 号 316 ∼ 323 頁(2020 年) 理学療法学 第 47 巻第 4 号. 研究論文(原著). 先天性心疾患術後遠隔期の学童期から青年期の患者における 健康関連 QOL と運動耐容能および身体活動状況の関係* 藤 田 吾 郎 1)2)# 大 髙 愛 子 2) 浦 島   崇 3) 中 村 高 良 1) 中 山 恭 秀 2) 小 林 一 成 4) 安 保 雅 博 4). 要旨 【目的】先天性心疾患術後遠隔期の学童期から青年期の患者と健常者の健康関連 QOL(以下,HRQOL) を比較し,HRQOL と運動耐容能や身体活動状況との関係を検討する。【方法】対象は先天性心疾患患者 22 例と健常者 22 例。HRQOL,運動耐容能,身体活動水準,運動習慣を評価し,両群の HRQOL の比較と, 各指標との関連を分析した。【結果】HRQOL 尺度のうち,先天性心疾患群の身体的幸福感(以下,PW) が有意に低かった(p < 0.05)。先天性心疾患群において,PW と嫌気性代謝閾値の間に相関を認めたが (rs = 0.472,p < 0.05) ,最高酸素摂取量にはなかった。また身体活動水準と PW の間には相関があり(rs = 0.504,p < 0.05) ,運動習慣のある先天性心疾患患者は習慣がない患者に比べて PW が高かった(p < 0.05) 。【結論】先天性心疾患患者の HRQOL は嫌気性代謝閾値レベルの運動耐容能や身体活動状況と関連 がある。 キーワード 先天性心疾患,健康関連 QOL,運動耐容能,身体活動,心臓リハビリテーション. 2) はじめている 。そうした背景を受けて,成人先天性心. はじめに. 疾患患者への適切な診療を目的としたガイドラインの改.  近年,先天性心疾患患者の予後は飛躍的に改善してお. 訂が行われ,新しい診断法や治療法を推奨する項の中に. り,本邦でもすでに 50 万人以上が成人に達し,今後は小. は,運動やリハビリテーションに関する記載も増えてき. 1). 児よりも成人患者が多くなることが予想されている 。. 3) ている 。従来,先天性心疾患患者の運動についての関. 先天性心疾患患者は適切な加療を受けていたとしても,. 心は,疾患の病態把握や不整脈診断,治療効果判定や日. 遠隔期には様々な合併症,遺残症,続発症を伴うために,. 常生活管理目的の運動負荷試験などが中心であった。し. 生涯にわたる経過観察が必要である。そのため,小児期. かし近年では,疾患の予後が改善するにつれて,運動療. から成人期への移行における診療体制の充実が重視され. 法の位置づけや,臨床研究の方向性が変化しつつある。. *. Relationship between Health-related Quality of Life and Exercise Capacity or Physical Activity Status in Children and Adolescents with Congenital Heart Disease 1)東京慈恵会医科大学葛飾医療センターリハビリテーション科 (〒 125‒8506 東京都葛飾区 6‒41‒2) Goro Fujita, PT, Takayoshi Nakamura, PT: Department of Rehabilitation, The Jikei University Katsushika Medical Center 2)東京慈恵会医科大学附属病院リハビリテーション科 Goro Fujita, PT, Aiko Otaka, PT, MSc, Yasuhide Nakayama, PT, PhD: Department of Rehabilitation, The Jikei University Hospital 3)東京慈恵会医科大学小児科学講座 Takashi Urashima, MD, PhD: Department of Pediatrics, The Jikei University School of Medicine 4)東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座 Kazushige Kobayashi, MD, PhD, Masahiro Abo, MD, PhD: Department of Rehabilitation, The Jikei University School of Medicine # E-mail: go-ro@jikei.ac.jp (受付日 2019 年 10 月 8 日/受理日 2020 年 1 月 26 日) [J-STAGE での早期公開日 2020 年 5 月 21 日]. 先天性心疾患患者の疾病ごとの運動耐容能の基準値が示 4) され ,さらには運動耐容能と予後の関係に言及する報. 告も増えてきており,最高酸素摂取量が成人先天性心疾 患患者の再入院や死亡の独立した予後規定因子であるこ とが明らかになってきている. 5)6). 。.  一方で,先天性心疾患患者は,修復術後の遠隔期にお ける医学的な問題だけでなく,心理面や,進学,就職, 結婚などのライフイベントに関しても多くの社会的問題 を抱えている. 7). 。したがって,治療の目標は臨床的アウ. トカムの改善だけではなく,患者立脚型アウトカムであ る健康関連 QOL(Health-related quality of life:以下, HRQOL)の改善を図り,日常生活における主観的な健 康感の向上をめざすことが重要となる。HRQOL は,冠.

(2) 先天性心疾患患者の健康関連 QOL と運動耐容能の関係. 317. 図 1 対象者の選択基準. 動脈疾患や心不全などの治療や心臓リハビリテーション のスタンダードな効果指標であり,本邦でも多くの研究. 方   法. が報告されているが,欧米では先天性心疾患患者につい. 1.対象. ても報告が増えつつある。学童期から青年期の先天性心.  当院にて 2012 年 4 月∼ 2016 年 9 月までの間に心肺運. 疾患患者は,健常群に比べて HRQOL が低いことがわ. 動負荷試験(Cardiopulmonary exercise testing:以下,. かってきている. 8)9). 。また,原疾患によって HRQOL の. 程度が異なることや. 10). ,複数回の手術を受けた患者や単. 心室患者は特に低いといった特徴も報告されている. 11). 。. CPX)を実施した 7 歳以上 20 歳未満の先天性心疾患患 者 26 例のうち,最終修復術から少なくとも 5 年以上経 過した術後遠隔期の患者で,Warnes らの分類. 15). によ.  このように,先天性心疾患患者における HRQOL に. り中等症または重症に該当する 22 例を対象とした(年. 関する研究は,欧米では盛んに行われているが,本邦に. 齢 12.9 ± 3 歳,男児 19 例) 。また健常群として,不整. おける報告はほとんどない。学童期の先天性心疾患患児. 脈等の精査目的に CPX を実施した同年齢の患者で,特. 12). 記すべき所見のなかった 22 例を抽出した(年齢 13.2 ±. の自己評価と親の代理評価の関係に関する研究や. ,. 成人先天性心疾患患者の HRQOL の特徴が国際的研究 の一部として報告されている程度に過ぎず. 3 歳,男児 16 例)(図 1)。. 9)13). ,この. 分野の遅れは否めない。また,HRQOL の一般的な特徴. 2.方法. として,国ごとの文化の相違や,社会経済状態の違い,.  患者背景因子として,年齢,性別,身長,体重,診断名,. さらには患者自身の価値観の変容などが QOL に影響を. 最終修復術,最終修復術時の月齢,NYHA class,BNP 値. 14). 。したがって,日本人の. を診療録より調査した。HRQOL の評価は,KIDSCREEN-. 患者,そして特定の年代を対象とした HRQOL の特徴. 27 日本語版(こどものための QOL 調査票)を用いて調. を明らかにすることは,今後増えてくる成人先天性心疾. 査した。KIDSCREEN はヨーロッパ 13 ヵ国の共同研究. 患患者に対するリハビリテーションの臨床指標を求める. によって開発された,子どもの HRQOL を多次元かつ. ためにも重要である。また,先天性心疾患患者に固有の. 包括的に評価する国際的評価尺度であり. 問題として考えられるのは,修復術後にも残存する低い. 語版についての信頼性,妥当性については検証済みであ. 運動耐容能や身体活動レベルの低下が,学校生活や社会. ることが示されている. 生活へ影響を及ぼし,HRQOL の低下を生じさせている. 身体的幸福感,心理的幸福感,親子関係と自律性,社会. 可能性である。これらを明らかにすることは,理学療法. 的支援と仲間,学校環境の 5 つの下位領域に分けられて. が先天性心疾患患者に提供すべき治療を示していくため. いる。本研究では,得られた素点をコード化し,国際的. にも重要と考える。そこで本研究では,移行期にあたる. 平均値を 50 点,標準偏差を 10 点とした T 得点に変換. 学童期から青年期の先天性心疾患患者を対象として,健. したデータを算出した。CPX は,呼気ガス代謝モニター. 常児との HRQOL の比較を行うとともに,運動耐容能. (インターリハ社製,Cpex-1) ,自転車エルゴメータ(三. 与えることが知られている. や身体活動状況との関連を調べることを目的とした。. 16). ,その日本. 17). 。質問紙は 27 項目で構成され,. 菱電機エンジニアリング社製,Strength Ergo 8)を使 用し,Ramp 負荷法による症候限界性の試験を実施した。.

(3) 318. 理学療法学 第 47 巻第 4 号. パラメータは,最高酸素摂取量(peak oxygen uptake: ˙O2) ,嫌気性代謝閾値(anaerobic threshold: 以下,peak V. 著な低下を認めた(p < 0.05) 。また,% predicted peak. ˙ O2 at AT)を測定し,それぞれ年齢と性別で補 以下,V. 時の心ポンプ機能の低下が推察された。変時性不全の指. 正した Percent-Predicted 値(以下,% predicted)を算 ,その他の心肺諸指標についても求. 標となる Chronotropic Index は先天性心疾患群が有意 ˙CO2 slope ˙ E versus V に低値を示し(p < 0.05) ,さらに V. めた。身体活動状況の評価には,子ども用身体活動尺度. は有意に高値で運動時の著明な換気亢進を示していた. 出するとともに を用いた. 18). 19). 。これは,日常生活場面においてどのくら. O2 pulse についても先天性心疾患群は 70% 台と,運動. (p < 0.05)。. い身体を動かしているかを,3 件法の自己回答式アン.  KIDSCREEN に関して,健常群はすべての領域の T. ケートによって評定し身体活動水準を算定するものであ. 得点は 50 前後であり,国際的平均値と近似していた。. る。さらに運動習慣の有無に関する評価には,子ども用. 一方,先天性心疾患群は,心理的幸福感,親子関係と自. 20). 。これは,行動. 律性,社会的支援と仲間,学校環境の 4 領域は健常群と. 変容のトランスセオレティカル・モデルに基づき,子ど. 同様に平均値に近いスコアであったのに対し,身体的幸. もにおける身体活動の行動変容段階を 5 つのステージに. 福感が 38.5 と顕著に低いスコアを示していた。両群間. 分類する尺度である。本研究では, 「無関心」 「関心」 「準. に有意な差を認めたのは身体的幸福感であり(p < 0.05) ,. 備」のステージを運動習慣なし,「実行」「維持」ステー. その他の 4 領域について有意差は認めなかった。. ジを運動習慣ありと定義した。なお,これらの両尺度に.  身体活動状況に関して,身体活動水準は両群間に有意. ついてはいずれも信頼性,妥当性について検証されて. 差は認めなかったが,運動習慣は先天性心疾患群が有意. いる。. に少なかった(p < 0.05) 。. 3.統計学的解析方法.  KIDSCREEN の各領域のスコアと,% predicted peak ˙ O2 at AT の相関分析の結果を表 3 ˙ O2,% predicted V V. 身体活動行動変容段階尺度を用いた. タ,KIDSCREEN スコア,身体活動状況の比較には,. に示す。先天性心疾患群において,身体的幸福感と % ˙ O2 at AT には中程度の正の相関を認めたが predicted V. 項目に応じて対応のない t 検定,Mann-Whitney U 検定,. ˙ O2 との間に (rs = 0.472, p < 0.05) ,% predicted peak V. Fisher の正確確率検定を用いた。また,KIDSCREEN. はなかった。健常群では身体的幸福感と両指標との間に. の各領域のスコアと CPX パラメータおよび身体活動尺 度に基づく活動水準の関係については,Spearman の順. 相関は認めず,社会的支援と仲間の領域と % predicted ˙ O2 にのみ中程度の相関を認めた(rs = 0.428, p peak V. 位相関分析を実施し,さらに運動習慣の有無による. < 0.05)。. KIDSCREEN スコアの比較は Mann-Whitney U 検定を.  KIDSCREEN の各領域のスコアと,身体活動水準の. 行った。すべての統計学的解析は EZR on R commander. 相関分析の結果を表 4 に示す。先天性心疾患群では身体. Ver.1.37 を使用し,測定値は平均値±標準偏差もしくは. 的幸福感と身体活動水準の間に中程度の相関を認めた. 中央値と四分位範囲で表示した。有意確率は 5% とした。. (rs = 0.504, p < 0.05) 。一方,健常群では,身体的幸福.  先天性心疾患群と健常群の基本属性や CPX パラメー. 感(rs = 0.689, p < 0.05) ,心理的幸福感(rs = 0.526, p 4.倫理的配慮. < 0.05),学校環境(rs = 0.448, p < 0.05)に中程度の.  本研究は東京慈恵会医科大学の倫理委員会によって承. 相関を認めた。また,運動習慣の有無による KIDSCREEN. 認を得て実施した(倫理委員会受付番号 26-249(7745) )。. のスコアの比較を行ったところ,先天性心疾患群の身体. 結   果. 的幸福感にのみ有意な差を認め,運動習慣がある群の身 体的幸福感のスコアが高かった(表 5)。.  両群に共通する臨床的患者背景因子,CPX 関連指標,. 考   察. KIDSCREEN の各領域のスコア,身体活動状況の結果 を表 1,先天性心疾患患者の基本属性を表 2 に示す。先.  本研究の対象である先天性心疾患患者の臨床的背景の. 天性心疾患患者は Fontan 術後が 14 名と全体の 6 割以. 特性は,運動耐容能が低く,変時性不全や運動時換気亢. 上を占め,NYHA は全員が Class Ⅰであり,平均 BNP. 進を示しており,運動習慣がないことであった。さらに,. は 27 pg/mL と顕著な心不全の臨床症状を示す患者はい. HRQOL については,身体的な領域が顕著に低下してい. なかった。基本属性のうち,両群間の年齢や性別,BMI. ることがわかった。これらは,諸外国の報告と同様であ. に有意差はなかった。CPX 関連指標については,健常 ˙ O2 at AT は, ˙ O2,% predicted V 群の % predicted peak V. り. 有していることが示された。そして解析の結果,学童期. いずれも 100% 前後であったのに対し,先天性心疾患群. および青年期の先天性心疾患患者においては,HRQOL. はすべて 70% 台と有意に低値であり,運動耐容能の顕. のうち,身体的な幸福感が AT レベルの運動耐容能と. 8)9). ,本研究の対象者が先天性心疾患に固有の特徴を.

(4) 先天性心疾患患者の健康関連 QOL と運動耐容能の関係. 319. 表 1 対象者の臨床的背景因子 先天性心疾患群(n = 22) 年齢(歳) 性別(男性 / 女性) 身長(cm). 12.9 ± 2.5. 健常群(n = 22). p value. 13.2 ± 3.0. 0.706. 19 / 3. 16 / 6. 0.457. 148.8 ± 11.9. 158.8 ± 14.7. 0.018. 体重(kg). 39.5 ± 11.4. 49.8 ± 12.0. 0.006. BMI(kg/m2). 17.5 ± 3.2. 19.5 ± 3.4. 0.050.  peak HR(bpm). 158.9 ± 17.0. 182.6 ± 12.9. < 0.001.  peak systolic BP(mmHg). 152.1 ± 24.0. 170.6 ± 24.5. 0.015. 1.07 ± 0.10. 1.18 ± 0.11. 0.001. 10 / 12. 19 / 3. 0.045.  peak RPE 下肢疲労(Borg scale). 16[15 ‒ 18]. 17[16 ‒ 18]. 0.051.  peak RPE 息切れ(Borg scale). 17[15 ‒ 18]. 14[14 ‒ 15]. 0.003.  Maximum load(watt) ˙ O2(ml/kg/min)  peak V. 90.5 ± 27.7. 170.5 ± 72.9. < 0.001. 29.5 ± 6.0. 45.7 ± 7.2. < 0.001. 70.3 ± 11.1. 102.9 ± 15.3. < 0.001. 17.9 ± 3.4. 24.6 ± 5.4. < 0.001. 71.6 ± 11.9. 97.2 ± 23.8. < 0.001. 7.3 ± 2.0. 12.4 ± 4.4. < 0.001.  % predicted peak O2 pulse(%). 79.9 ± 15.9. 107.1 ± 24.3. < 0.001.  Chronotropic Index(%) ˙ E vs. V ˙ CO2 slope  V. 62.0 ± 13.6. 80.4 ± 10.8. < 0.001. 40.2 ± 7.8. 31.8 ± 6.1. < 0.001. ˙E / V ˙ CO2 nadir  V. 34.6 ± 7.3. 27.1 ± 4.0. < 0.001. CPX.  peak RER  負荷終了理由 下肢疲労 / 息切れ. ˙ O2(%)  % predicted peak V ˙ O2 at AT(ml/kg/min)  V ˙ O2 at AT(%)  % predicted V  peak O2 pulse(ml/beat). KIDSCREEN-27  身体的幸福感. 38.5[34.7 ‒ 46.5]. 48.4[42.5 ‒ 63.1]. 0.045.  心理的幸福感. 47.5[39.8 ‒ 53.1]. 49.5[40.7 ‒ 56.0]. 0.646.  親子関係と自律性. 49.6[44.7 ‒ 55.8]. 49.5[44.7 ‒ 55.8]. 1.000.  社会的支援と仲間. 43.2[38.3 ‒ 53.2]. 49.8[45.0 ‒ 64.2]. 0.185.  学校環境. 49.6[43.6 ‒ 60.7]. 52.7[43.6 ‒ 62.9]. 0.670. 9[7 ‒ 11]. 11[9 ‒ 14]. 0.053. 5 / 17. 18 / 4. < 0.001. 身体活動状況  身体活動水準  運動習慣(あり / なし). 平均値 ± 標準偏差 , 中央値[四分位範囲] BMI, body mass index ; CPX, cardiopulmonary exercise testing ; peak HR, peak heart rate; peak systolic BP, ˙ O2, peak systolic blood pressure ; RER, respiratory exchange ratio ; RPE, rating of perceived exersion ; peakV ˙ O2 at AT, anaerobic threshold ; peak O2 pulse, peak oxygen pulse ; Chronotropic peak oxygen uptake ; V ˙ E vs. V ˙ CO2 slope, minute ventilation versus carbon Index, (peak HR - rest HR)/(220 - age - rest HR) × 100 ; V ˙ E /V ˙ CO2 nadir, nadir of ventilatory equivalent for carbon dioxide dioxide production slope ; V. 関連があることがわかった。. していた。したがって,自宅や学校での活動が容易にで.  運動耐容能や運動強度の定量的指標という視点からみ. きるのか否か,あるいは家族や友人とのレジャー活動や. た場合,AT は一定の時間続けることができる身体活動. 運動,社会的交流が積極的にできるかどうかは,AT レ. の上限を示し,許容できる日常生活活動や運動強度の指. ベルの運動耐容能によって規定される機会が多いといえ. 標となる。そして本研究の対象者は学童期および青年期. る。結果,そうした要因が身体的な幸福感に影響を及ぼ. であり,学校生活をはじめ,基本的な日常生活を送るの. していることが考えられる。一方,本研究では peak ˙ O2 と身体的幸福感には関連を認めなかった。運動強 V. に求められる身体活動は,AT レベル前後の負荷に相当 21). 。対象となった先天性心疾患患者の AT は,平. 均が 5.1 METs(17.9 ml/kg/min)と同年代の予測値の. 度の指標という観点からすると,学童期から青年期の先 ˙ O2 が関与する運動 天性心疾患患者においては,peak V. 70% 程度で,下限値 53.9% から上限値 102.8% まで分布. 強度の高い体育や競技性の高いスポーツなどの可否は,. する.

(5) 320. 理学療法学 第 47 巻第 4 号. 表 2 先天性心疾患患者の属性. 表 3 KIDSCREEN の各領域と運動耐容能の相関分析. 診断名(人). 先天性心疾患群. KIDSCREEN.  両大血管右室起始症. 7.  完全大血管転位症. 5.  ファロー四徴症. 3. 身体的幸福感.  僧帽弁閉鎖症. 2.  単心室症. 2.  大動脈縮窄症. 2. 社会的支援と仲間.  純型肺動脈閉鎖症. 1. rs. rs. 0.362. 0.098. 0.287. 0.196. 心理的幸福感. 0.293. 0.185. 0.343. 0.118. 親子関係と自律性. 0.111. 0.622. 0.039. 0.864.  右室流出路再建術. p value ˙ 最高酸素摂取量(peak VO2). 0.295. 0.182. 0.428. 0.047. ‒0.203. 学校環境. 0.365 0.378 0.083 ˙ O2 at AT) 嫌気性代謝閾値(V. 最終修復術(人)  Fontan 手術. 健常群. p value. 14. 身体的幸福感. 0.472. 0.026. 0.090. 0.691. 4. 心理的幸福感. 0.386. 0.076. 0.175. 0.436 0.108.  Jatene 手術. 2. 親子関係と自律性. 0.108. 0.634. ‒0.352.  Ross 手術. 2. 社会的支援と仲間. 0.167. 0.460. ‒0.149. 0.507. ‒0.009. 0.967. ‒0.148. 0.511. 最終修復術時の月齢(月). 18.6 ± 13.3. NYHA class(人). Ⅰ : 22 Ⅱ : 0 Ⅲ : 0 Ⅳ : 0. BNP(pg/mL). 27.0 ± 24.3. 学校環境. 表 4 KIDSCREEN の各領域と身体活動水準の相関. 平均値±標準偏差 NYHA class, New York Heart Association functional classification ; BNP, brain natriuretic peptide. 先天性心疾患群. KIDSCREEN 身体的幸福感. 健常群. rs. p value. rs. p value. 0.504. 0.017. 0.689. < 0.001. 心理的幸福感. 0.303. 0.170. 0.526. 0.012. 親子関係と自律性. 0.134. 0.552. 0.083. 0.715. 社会的支援と仲間. 0.268. 0.228. 0.420. 0.057. 学校環境. 0.037. 0.869. 0.448. 0.037. 表 5 運動習慣の有無による KIDSCREEN の比較. 身体的幸福感. 心理的幸福感. 親子関係と自律性. 社会的支援と仲間. 学校環境. 運動習慣あり. 運動習慣なし. p value. 先天性心疾患群. 44.7[38.5 ‒ 47.1]. 36.6[34.7 ‒ 42.5]. 0.044. 健常群. 43.1[30.6 ‒ 63.1]. 36.6[32.7 ‒ 48.6]. 0.231. 先天性心疾患群. 48.5[43.2 ‒ 53.1]. 46.5[39.1 ‒ 53.1]. 0.665. 健常群. 49.5[42.1 ‒ 55.2]. 45.1[33.7 ‒ 56.2]. 0.765. 先天性心疾患群. 53.3[47.9 ‒ 55.8]. 47.9[44.0 ‒ 59.1]. 0.753. 健常群. 50.3[44.7 ‒ 58.2]. 48.7[45.8 ‒ 49.5]. 0.392. 先天性心疾患群. 53.2[44.4 ‒ 57.8]. 42.1[37.9 ‒ 53.2]. 0.193. 健常群. 51.5[45.0 ‒ 64.2]. 48.4[44.7 ‒ 53.9]. 0.730. 先天性心疾患群. 48.1[36.7 ‒ 54.4]. 51.1[45.4 ‒ 62.8]. 0.454. 健常群. 50.6[36.3 ‒ 59.3]. 52.7[46.1 ‒ 69.0]. 0.466. 中央値[四分位範囲]. 身体的幸福感に影響を及ぼす可能性が低かったと解釈で きる。QOL は「個人が生活する文化や価値観によって. 強度の高い運動やスポーツへの参加の期待,関心が薄い ˙ O2 と 可 能 性 が 考 え ら れ た。 そ う し た 背 景 が peak V. 規定され,目標や期待,基準,または関心に関連づけら. HRQOL に関連がなかった要因のひとつだと推察する。. れた,生活状況に関する個人の知覚」と定義されてい.  さらに考えられた要因は,運動負荷に対する生理的応. 22). 。先天性心疾患患者は文字通り生まれつき身体面. のハンディキャップを抱えており,修復術を受けていた. 答の特性と,自覚的な症状,努力の程度の影響である。 ˙ O2 の規定因子は,心拍出量や血管拡張能 AT と peak V. としても,学校生活管理指導のうえでは中等度の運動に. などの心血管機能,自律神経機能に加え,呼吸機能や血. 制限されていることや,活発な運動部活動への参加を禁. 液因子,さらには骨格筋機能など,様々な複合的要因が. 止される場合が多い。そのため,生来の価値観として,. ある。また,先天性心疾患患者に特異的な点として,単. る.

(6) 先天性心疾患患者の健康関連 QOL と運動耐容能の関係. 心室か二心室なのか,体心室が左室か右室なのかといっ た形態学的な問題や. 23). ,骨格筋の酸素摂取動態などの. ,骨格筋の筋力自体の低下 ˙ O2 は最大心拍 。このうち,peak V. 筋エネルギー代謝の障害 も指摘されている. 24). 25). 321. 必ずしも必要ではなく,基本的な生活活動や低強度のレ ジャースポーツを行う程度の運動耐容能を獲得するこ と,そして適切な身体活動機会と運動習慣を提供するた めの支援が必要だといえる。近年,運動療法は先天性心 30‒32). ,小児期. 出量や脚力の影響を強く受けるが,本研究の先天性心疾. 疾患患者の運動耐容能を改善することや. 患 患 者 の CPX 結 果 を み る と,1 回 拍 出 量 を 反 映 す る. の運動耐容能の改善が,成人期の予後を良好にすること. peak O2 pulse は低く,最高心拍数も低値で,変時性不 ˙ CO2 slope が高値と ˙ E versus V 全を呈していた。また V. もわかってきた. 換気応答異常も認めていたことから,心ポンプ機能の低. い. 下に加えて血管内皮機能の低下や交感神経活性の亢進が. の場合,居住地から施設までの距離が遠いといった地理. 疑われた。そして運動負荷の終了理由および自覚症状の. 的な問題,家族の支援などの社会的な問題,さらには病. 強さは,健常群のほとんどが下肢疲労だったのに対し,. 院施設での歩行や自転車などの単純なプログラムへの興. 先天性心疾患患者は息切れと下肢疲労が混在する特徴が. 味が少ないといった問題も影響し,成人以上に監視型運. あった。すなわち,異なる基礎疾患をもった先天性心疾. 動療法は困難である。一方で,在宅中心の運動療法で. 患患者の生理的特徴の多様性と有症状がエンドポイント ˙ O2 に影響を与えたた を左右し,そうした要因が peak V. あっても運動耐容能は改善するといった報告や. めに,AT と HRQOL のような相関関係が認められな. 高いという報告もある. かったと推察する。さらに,AT が亜最大負荷にて機械 ˙ O2 は 的に決定する客観的指標であるのに対し,peak V. 方に基づいた医療施設での運動療法に加えて,自宅や学. 漸増する負荷に対しての努力が必要であり,少なからず. 動部への参加や,友人,家族との外遊び,レジャース. 本人のモチベーションが関係している。成人領域の. ポーツ等の定期的な運動習慣を設けるサポートが重要と. CPX では,十分な負荷の目安はガス交換比(respiratory. いえる。そのため,個別性に配慮した包括的な運動指導. exchange ratio:以下,RER)が 1.10 以上とされている. や教育は,心血管領域だけではなく,小児,予防,スポー. 26). 33). 。しかしながら,先天性心疾患患者. に対して運動療法を積極的に推奨する施設はいまだ少な 34). 。また本研究のように対象者が学童期から青年期. 35). ,ス. ポーツに参加している患者は運動耐容能や HRQOL が 36). 。したがって,適切な運動処. 校での身体活動機会の獲得を促し,課外活動としての運. ,本研究の先天性心疾患患者の平均は 1.07 と若干. ツ,地域,学校保健などの多領域の知識と技術が要求さ. の低値を示した。これは,小児では乳酸産生に関与する ˙ O2 に比べて相対的に低い ˙ CO2 が V 酵素活性が低く,V. れる。こうした点で,いずれの分野においても専門性を. が. ために RER は低値を示すことや. 27). ,Fontan 術後患者. 発揮することができる理学療法への期待は大きく,先天 性心疾患患者の臨床場面において果たすべき役割が今後. の一部に Fenestration があることが一因と考えられる。. 増えていくことが予想される。. また先天性心疾患患者の運動耐容能を評価した先行研究.  本研究の限界として,対象患者は CPX の依頼があっ. においても,peak RER が本研究と同程度の報告も散見. た先天性心疾患患者であるために選択バイアスが影響し. される. 28)29). 。しかしながら,本研究のデータでは同年. ていること,サンプル数が少なく単変量での解析に留. 代の健常群の RER と顕著な差を認めていたことから,. まったために交絡因子の調整が十分にできていないこと. こうした生理的な要因だけではなく,運動負荷に対する ˙ O2 に影響を与えたことも考えられ 努力の程度が peak V. が挙げられる。また,本研究では対象の取り込み基準を,. る。それらがバイアスとなり,身体的幸福感との関連に ˙ O2 の違いに影響を与える要因の おいて,AT と peak V. ものの,二心室修復と単心室修復が混在しているなど,. ひとつになった可能性もある。. は,規模を拡大し,疾患ごとの特徴を検討する必要が.  次に,身体活動状況と HRQOL の関連をみた検討で. ある。. は,身体活動水準が高く,運動習慣がある先天性心疾患 患者は身体的幸福感が高いという結果が得られた。すな. 先天性心疾患患者のうち中等症または重症と限定はした 異なる疾患背景の患者が含まれる。今後の課題として. 結   論. わち,学童期,青年期においては,学校および自宅生活.  先天性心疾患術後遠隔期の学童期および青年期の患者. において一定の身体活動機会があり,クラブ活動や友. は,健常者に比べて身体活動に関する HRQOL が低く,. 人,家族との余暇活動において,定期的な運動習慣を有. その HRQOL は AT レベルの運動耐容能と関連があり,. することが,HRQOL にとって重要であることが示唆さ. 身体活動水準や運動習慣の有無といった身体活動状況に. れた。したがって,AT と HRQOL に関連があったとい. も影響を受けることが示唆された。. う結果と併せて考察すると,学童期から青年期の先天性 心疾患患者の HRQOL を高めるためには,激しい体育 や競技性の高いスポーツに要求される高い運動耐容能が. 利益相反  開示すべき利益相反はない。.

(7) 322. 理学療法学 第 47 巻第 4 号. 文  献 1)Shiina Y, Toyoda T, et al.: Prevalence of adult patients with congenital heart disease in japan. Int J Cardiol. 2011; 146: 13‒16. 2)Mackie AS, Rempel GR, et al.: Transition intervention for adolescents with congenital heart disease. J Am Coll Cardiol. 2018; 71: 1768‒1777. 3)日本循環器学会:成人先天性心疾患診療ガイドライン (2017 年 改 訂 版 ).http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/ JCS2017_ichida_h.pdf(2019 年 9 月 10 日引用) 4)Kempny A, Dimopoulos K, et al.: Reference values for exercise limitations among adults with congenital heart disease. relation to activities of daily life ‒ single centre experience and review of published data. Eur Heart J. 2012; 33: 1386‒1396. 5)Diller GP, Dimopoulos K, et al.: Exercise intolerance in adult congenital heart disease: Comparative severity, correlates, and prognostic implication. 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(8) 先天性心疾患患者の健康関連 QOL と運動耐容能の関係. 〈Abstract〉. Relationship between Health-related Quality of Life and Exercise Capacity or Physical Activity Status in Children and Adolescents with Congenital Heart Disease. Goro FUJITA, PT, Takayoshi NAKAMURA, PT Department of Rehabilitation, The Jikei University Katsushika Medical Center Goro FUJITA, PT, Aiko OTAKA, PT, MSc, Yasuhide NAKAYAMA, PT, PhD Department of Rehabilitation, The Jikei University Hospital Takashi URASHIMA, MD, PhD Department of Pediatrics, The Jikei University School of Medicine Kazushige KOBAYASHI, MD, PhD, Masahiro ABO, MD, PhD Department of Rehabilitation, The Jikei University School of Medicine. Purpose: The purpose of this study was to evaluate the relationship between health-related quality of life (HRQOL) and exercise capacity or physical activity status in children and adolescents with congenital heart disease (CHD) and healthy controls. Methods: The study included 22 patients with CHD (mean age 13 ± 3 years) and 22 healthy controls (13 ± 3 years). We assessed HRQOL, exercise capacity (using cardiopulmonary exercise testing), physical activity level, and exercise habits, and evaluated the relationships between each index. Results: Among the HRQOL subscores, physical well-being (PW) was significantly lower in children with CHD (p < 0.05). In children with CHD, there was a significant correlation between PW and anaerobic threshold (rs = 0.472, p < 0.05), but not between PW and peak oxygen uptake. Further, there was a correlation between physical activity level and PW in children with CHD (rs = 0.504, p < 0.05), and children with CHD who had regular exercise habits had higher PW (p < 0.05) than those without regular exercise habits. Conclusion: HRQOL in children with CHD is associated with anaerobic threshold and daily physical activity status. Key Words: Congenital heart disease, Health-related quality of life, Exercise capacity, Physical activity, Cardiac rehabilitation. 323.

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