刀
躍
加 砌 85¢ μ弸 π」ゼ PsycJm卿究瞬 &・
舳ce1998
,
Vぐ
,1.
17,
No.
1,
12.
19研究論文
Pulfrich
現 象
の
反
応 潜 時説
の
再検 討
多
屋
頼
典
・大
橋
康
宏
岡 山 大 学
Are
−examination
of
the
response
latency
theory
on
the
Pulfrich
phenomenon
Raiten
TAYA
andYasuhiro
OHAsHI
0
加
yαUniversity
’We
re−
examined the classical responseIatency
theory
by
proposing
a newtheory
based
on responsefrequencies
,
which shouldlncrease
with the amount of stirnulation.
The
binocular
syste 皿would
determine
the
target’
s motionin
depth
by
comparing two responsefrequencies
in
each monocular eye system.
The
subject observeddichoptically
two
targets
,
which were oscilatingin
the
horizontal
djrection
,
concomitantly with each other.
All
targets
were ofthe
sameIuminance.
In
ExperiInent
l
,
onetarget
was smallerthan
the
other.
The
smaller theformer
was,
the
deeper
the
superimposedtarget
appearedto
swing,
as predictedby
ourfrequency
theory
.
But
when theformer
became
too
small,
the
depth
appearedto
decrease.
In
Exper
三ment2
,
Qnetarget
waspresented
intermittently
while the other waspresented
cQntinuously,
The
less
frequently
the
former
was presented,
thedeeper
the
superimposedtarget
appearedto
swing,
again aspredicted
by
ourfrequency
theory
.
Because
the
Pulfrich
phenomenon
appeared even when the two targetswere of the saIne
Iuminance
,
the
responselatency
theory
was proven t〔〕be
insuMcient
.
Some
physiological
speculations were added.
Key
werds :thePulfrich
phenomenon
,
responsefrequency
,
luminance
,
size ,intermit
亡encyPu
】frich
(
1922
) は,一
方
の眼
は裸
眼の ま まで,他
方の眼にはいぶ し ガラ ス を
当
て て左
右 方向
に単振 動
で往 復
運 動
す る視 標 (
振
り子)
を観 察
す る と, 奥行
き方 向
に膨
らみ を もつ
楕 円 形
の軌 跡
が 見 える こ と を発 見
し,
反応
潜時 説 (
the
responselatency
theory
)
で説 明
し た.
視標
の
輝 度
が低
下 す る と網 膜
で の反 応 潜 時
が長
く な る.
こ の反応 潜 時
の遅
延 が感
覚 像
の位 置
のず
れに変 換 さ れ, 更に融
合像
の奥 行
き次元
での変位
に変 換
さ れ る.
楕 円 形
の運
動軌 跡
はこれ らの融 合 像
の位 置
をつ な ぐこ と に よっ て得
られ る,
と い うの であ る (Figure
1
参照 )
.
こ の説
明の説 得 力
が大 変 大
き かっ た せい か,
以 降
の幾 多
の 研 究 で は この説
が前 提
と さ れて い る(
Pulfrich
,
1922
;Lit,
1949
;Alpern
,
1968
;Wilson
&Anstis
,
1969
;Rushton,
1975
:*
Department
of
Psychology
,
Faculty
ofLetters
,
Okayama
University
,
3
−
1
−
1
,Tsushinla
−
naka,
0kayama −
shi,
Okayama ,
700
−
8530
和 気
,
1984
,1985
;斎 田,
1986
;Wolpert
,
Miall
,
Cum −
ming &
Beniface,
1993
な
ど)
.
ダ
イコプ
ティ ック (di−
chQptic )に
2
つ の等 輝 度
の視 標 を 提 示 し, この2
つ の 運 動 位相
をず
ら して や るだ け で も運 動軌 跡
に は奥 行
きが現 れ
る(
和 気
・
和 気
・
市
川,1982
)
.
と こ ろ で
,
視 標
の輝 度の低 下
は神 経
の反応 潜 時
の遅 延 だ けで な く反 応(
発 火 ) 頻 度
の低
’
下 を も
も た らす.
潜時
の遅
延 は頻
繁
に論
じ られて きたが,
反応 頻 度
の低
下には ほ とん ど言 及
さ れ て こなかった.
筆 者
た ち は潜 時 説 を再
検 討 す
る方 法
の1
つ と し て「
反 応 頻度 説 」
を掲 げ
て み る.
筆 者
た ち が取
り上 げ る反 応頻 度
とは,
2
つの単
眼系
で刺 激 量
に 比例
して発
生す
る と想 定
され る神 経
発 火の頻 度
であ る.
ま た,
こ の刺 激 量
とは視 標
の輝 度,
大 きさ,提
示時 間
な ど の積
か ら な る物
理 量 で あ る が,精 神 物 理 学 法
則
を介
し て感 覚
量に変
換 するこ ともで き る.
従 来
の反 応潜 時 説
で は潜
時が視 標の輝度
で決 まる と されて い るか多
屋・
大橋
:Pulfrich
現 象
の反
応潜時説
の再検討
13
Fused positionk
−
C
.
一
一一
一
一
一
・
・
ee
.
一
一一一一
_i2pa
「ent p・thノ
’
!ハ
’
丶ミ
\ 、 、’
,
’
Figure
1
.
The
responselatency
theoryby
Pulfrich
.
The
fused
target
appearsto
swillgin
an ellipti.
cal
path
because
of a greater
latency
of visua !
information
induced
by
thefilter
.
(
After
Wolpert
et aL,
1993
)
ら,筆 者
た ち は 輝度
が一
淀
であ
れ ば視 標
の他
の属 性
が変
わ っ て も反応 潜 時
は一
定
に保
た れ る,
と仮 定
し た.
実 験
1
で は視 標
の大 き さ, 実 験2
では 視 標の提 示 頻 度 を変 化
さ せた.
これ
らの場 合
に反 応 潜 時
が一・
定
に保
た れ た ま ま 反 応 頻 度だ け が変 化
し た,
と考
え て よ け れば,
そ し て こ の場合
に も運 動 軌 跡
に奥 行
き が現
れ る な ら,
反 応 潜 時 説
の不十
分 性 が指 摘
さ れ,
反応頻 度 説
の有効 性
が示
さ れ る こと になる.
神 経
発 火の記 録の よ う な直
接 的 証拠
は提
尓 で き ないが,潜 時説
の再検 討
を促
す資 料
は提 供
で きる だ ろ う.
予備 観 察 視 標
の輝 度
Pulfrich
現象
は左
限 用視 標
と右 眼 用 視 標
の輝 度
の異
な る と きに発
生 す る奥 行
き運 動 現 象と し て論
じ ら れ て き た.
とこ ろ で,従 来
の眼 前
に フィ ル ター
を 置 く方
法 で は視
野全 体
の輝 度
が変 化
する.
しか し筆 者
た ちの2
つ の視
標
はダ
イコ プ ティックに提 示
され たの で,
背 景 輝 度
は変
わ らず
に視 標
の輝 度
だ けが変 化
し た.
視 標
の運 動
も60
フ レー
ム/secで 制 御 さ れて い た の で,
やや ぎこ ち ない.
これ らの条 件 下
で もPulfrich
現 象 は 観察
さ れ る だ ろう
かt
装 置
と刺 激 図形
パ ソコ ン (Macintosh
Ilci
) と既 成ソフ ト
(
Macromind
Director
,
Systemsoft
社
, ver,
3
)
を 用い
,
準 暗 室 に お か れ たCRT
(Macintosh
純
正13
インチのカ ラー ・
モニ ター
〉の黒背 景
上 に,一・
対
の静
止 凝視 点
と一
対の運 動 視標
がダ
イコプ
ティ ック に提 示
さ れ た.
被
験者
は 手製
の プ リズム式
ス テレオ スコー
プを通
し て こ れ ら の 対 を 重 ね合
わせて観 察
した.
静 止 凝 視 点
は一
辺 が視 角
19
.
6
’
(
CRT
画 面 上で一
辺4mm
)
の赤
い 正方
形
であ
っ た.
運 動 視 標
は直 径
が視 角
9
.
8
’
(
画 面
上で直 径
2mm
)
の白
い円盤
であ
り,
凝 視 点
か ら4
,
7
°
下 方
に提
示 さ れ た.一
対の視 標
は水 平 方 向
に視 角
3
.
3
°
(
画 面
.
F.
で4
cm)幅間
で単
振 動
を繰
り返
し ていた.
実 際
に は視 標
の提
示 位置
を 少 しず
っず
ら し た120
また は240
の フ レー
ム を 予め設定
して お き, 順に そ れ らの フ レー
ム を 提 示 し た.
隣接 す
る フV
一
ム で の視 標
の提
示位 置 間
隔 を 左右
の 両端 近
辺で密
,
中央 部 分
で疎
に し て単 振 動
を模 倣
した.
60
フレー
ム/
sec で提
示 し た の で,
運 動
の周 期
は //
2
ま た はlf4
Hz
で あっ た.
指 標の輝 度 とフ ィルタ
ー
透
過 率恒 常 視 標の 輝 度 は常 に
78
.
5cd7m2
で一
一
定
,変 化 視 標
の輝 度
は78.
5
,43.
0
,25
.
5
,
ll
.
,
4
.
1
,
1
.
8cd
/
m2 の ど れか であ
っ た.
従 来
のPu
!frich
現 象 研 究
と比 較
し易
い ように,
変 化 視 標
に つ いて は減
光 フィ ル ター
を 用い る場 合
に な ぞ ら え,
2
っ の視 標の輝度
比(
変 化 視 標
の輝 度 /恒 常 視 標
の輝 度 )
を そ の フ ィル ター
透 過率
に対 応 させ た.
更に その逆 数にIog
変 換
を施
し たlog
(
恒 常 視 標
の輝 度 /変 化 視 標
の輝度 )
で輝 度 比
を表
し た,
例
えば,
変 化 視 標
の輝 度
が恒 常
視 標 の 輝 度 のユAo
の時
に は フ ィ ルター
透 過 率
工O
%
,輝
度
比1
.
0
と な り,
同 様
に1
/
10D
なら透 過 率
は1
%
,
輝 度
比 は2
.
O
にな る.
この単 位で は 上に示 し た変
化 視標
の輝
度 比
は順
に0
.
0
,0
.
26
,0.
49
,0.
85
,1.
28
,1.
64
と な る.
観 察距 離 被 験 者
に よっ て視 標
が融 合
し や すい観
察 距離
は多 少
異 な る.
3
人
の被 験 者
が実 際
に用
いた観 察 距 離
は68
,70
,77Cln
で あっ た.
しか し視 角
は・・
律
に観 察
距 離
70c
皿 で計算
し た.
手 続 き
教
示では 凝視
点の凝 視 が 重要
で あ るこ とを強
調 し た.
被 験 者
は準
暗 室 内で数 分 間の暗 順 応 後,
ス テレ オス コー
プを通
して観 察
し た.
被 験 者
はCRT
上の2
っ の凝視 点
が融 合
して1
つ に見 え
ている状 態
を保
ちつ つ,
融 合
視 標
の運動
軌 跡
につ いて次
の2
点
につ い て報 告
し た.
a)視 標
の回転 方 向 (
ヒか ら 見 お ろ し た時
の時 計
回 り/反 時 計
ま わり 〉,b
)楕
円 形 軌跡
の奥 行
きの程 度 (
楕
円形 軌 跡
の奥 行
き方 向
の距 離
は水 平 方向
の振 り幅
を10
とした とき
の いく
つ に相 当
す るか ;完
全 な円
で あ れ ば“
10
”
に な る)
.
時 計
回 りの場 合
の奥行
き はプラ ス符 号
,
反 時 計
回 りの場 合 はマイ ナス符 号
を付
して記 録
し た.
測
定
は変
化視 標
の輝 度
の低
い条 件
か ら順
に行 う場 合
と逆 順
の場 合
を 交 互に, 各 被 験 者 が 満 足 す る ま で 数 回 反 復 した.
最 初
の数 試 行
は練 習 試 行
と し,最 終
試行 (
上昇
・
14
15 10 5 0 5 0 圏 蚕 乂 Uqd 嵩 蚕誉
4
畄 ウ 50り
工」
L 圏 口凵
ト
く Σ一
トの
凵]
1 /2Hz闘
■、
5、
、
負 T5 10 5 o一
5・
・
10 基礎
心 理学 研 究 第
17
巻 第
1
号一
一
一
一
「
.
.
F−
一
一
]一一
.
「 1/4Hz!
’
li
・
/:
/
、
’
t.
+
MC−
■.
.
RT+
ye一
15−
15 1 L−.
一
.
L.
一
一
D『
5 0 0.
5 1 1.
5 2−
O.
5 0 0,
5 1 1.
5 ZLOG(LUMINANCE RATD OF LOG(LUMPNANCE RATIO OF
STANDARD />ARIABLETARGE 丁) STANDARD 〆VARIABLE TARGET)
Figure
2.
Effect
ofTarget
’sLuminance
The
diinnier
the
one of the two targets was,
the
deeper
the superimposedtarget
appearedto
swing
.
The
marks connected with solidlines
show
the
results whenthe
left
target
wasdimmer
than
the
right,
whereasthose
connected withdotted
Iines
showthe
results whenthe
right tar−
get was
dimmer
than the 】eft.
a
.
1
/
2Hz
conditionb.
1
/
4
Hz
condition下 降 各
1
回,
計
2
回 ) 分 だ け を デー
タ と して採 用
した.
被 験
者 筆者
た ち2
名
と大 学 院
生1
、
名
の計
3
名
の男 性
で あっ た.
筆 者
たち の内
の1
名
は近 視
で眼鏡
を着
用 し て いた.
裸 眼で の視力
は ど ち ら の眼も0
.
3
, 矯正視 力
は ど ち ら も1
.
0
であ り
,
斜 視
など の異 常
は 認 め ら れ な かっ た.
結 果
回
転
方 向
と奥行
きの程 度 (
最 終 試 行
2
厠分
の平
均 値 )
を個
人 ご とにFigure
Z
a,
b
に示 した.
どの被 験
者 も左 眼 用 視標
の輝
度 が低 下
す れ ば時 計
回 り, 右 眼 用 視標
の輝 度
が低 下 す
れ ば 反時 計
回 りの軌 跡
を報
告
し た.
ま た,
運 動 軌 跡
の奥 行
き は輝 度 比
と と もに一
般
に は大
きく
なっ た が,
輝 度
比が極端
に大 き くな る と奥 行
き がかえ
っ て浅
く な る例
も あっ た.
視標
が暗
す ぎて見
えにく くな
っ たか ら だろ う.
類似
した結 果
は減 光
フィル ター
を用い たRock
andFox
(
/949
) も報 告
してい る.
ま た,1
/
211z
条 件
と1
/
411z
条 件
で は前者
の方
が深
い奥 行
き が観
察さ れた.
こ れ も従 来
の報
告 と よ く対 応 している.
考 察
和 気
・
和気
・
斎
田・
市
川(
1984
)
が ダ イコ プ テ ィッ ク条 件
を 用い て片
方の視 標
だけを暗
くし た と き は全 体 を 暗 く し た とき よ りも視 標
の運 動 軌 跡
の奥行
きが浅 く なっ た, と報 告
して い る が,
彼 ら
の背 景
は視 標
よ り は暗
か っ たも
の の かな
り明
るか っ た.
し か し背 景 が 黒で あっ たの で.
全 体 を暗 く
し て も背 景 輝 度
が 大 き く変
化 する こ と は な く,
測 定
し た結
果 も ほ ぼ従 来
の フ ィ ル ター
で全体
が暗
く さ れ た 場合
の結 果
に類 似
して いた.
とこ ろで,
筆 者
たち の装 置
で は背 景
を白
にす るこ とも で きる の で,
白 背 景条 件
につ いて も簡 単
に観 察
し て み た.
視 標
は背 景
より も暗 く設 定
し た.
主
な結
果 は次
の2
つであ
っ た.
1
) 視 標
輝 度の大 小 と 融 合 視 標の回 転 方向
の関係
が黒 背 景の場 合
とは 逆転
す る.
従
っ て高 輝 度 視 標
の反応 潜 時
の方 が 低 輝 度視 標
よ り も 遅 延 する,
とい う逆
転 潜 時 説 が 要 求 さ れる こ と になる.
し か し こ れ は単
に黒背 景
で はon−
neUrOn,
白 背 景
で はoff−
neurOn で の 反応
潜 時
の遅 延
を考 え
れ ばす
む こ とだ
ろう
.
2
>視 標
と背
景
の輝 度 比 関係
か ら,視 標
は 明!
暗 で な く白/
黒の次 元
で現
れ る よ う に なっ た.
こ の色の現 れ方
を更
に促進
さ せるた めに視 標
を黒の輪 郭 線
で囲んだと こ ろ,
2
つの視 標
は融
合
し なく
なり
,白
になっ たり黒
にな
っ た り し な が ら運 動
して い た.
ま
た,
運 動 軌 跡
の奥 行
き が顕 著
に浅
く なっ た.
実験
1
視 標
の大 き
さ視
標
の大 き さ が明
る さ に及
ぼす効 果
は空 間加 重
の文
脈 で検 討
さ れてき た.
視 標
が星
ほ どに小
さい時
に はRicco
の
法 則 (
Area
xlntensity
=Constant
),
や や 大 き く なる と
Piper
の 法則
(Area1・
’
z×lntensity
=Constant
)
に従
っ て 明 る さ を 大 き さで置 換で き る(
Bartlett
,
1965
)
が,
視 標 が 更に大 き く な れ ばこ の空間 加
重効 果
は見
られ なく
な る.
この効 果
の起
こる範 囲
は,
網 膜 偏 心 度
が0°
の位 置
で は直 径
4
’
以 下
,
10
°
の位 置
で直 径
12
’
以 下で あ る(
乾
・
三村
・
可児 1982
).
つ ま り,視 標
の大
き さの変 化
はご
く小 さい と き を別 と す れ ば一
般 にその明
る さに効
果 を 及 ぼ さ ない.
視 標
の輝 度
を変
え ない で大
き さを変
え れ ば,反 応 潜 時
を一
定
に した まま反 応 頻 度 だ
けが変 化
す る, と筆 者
たち は仮 定
した.
大
き さの変 化 だ
け で運 動
軌 跡
に奥 行
き が見 え る な ら,
反 応 潜 時 説の不 十 分 性 が 指摘
さ れ,
反 応 頻 度 説
が支 持
さ れ る こ とにな る.
方 法
視 標
の大 きさ の変 化
が視 標
の楕
円形 運 動 軌 跡
の奥 行
き に及
ぼ す効 果
を測 定
する.
2
視 標
の輝 度 は78
.
5cd
/m2 で一
定
に保
た れ た.
装 置
や被
験者
,手 続
き な ど は 予備 実
験
の場合
に 準 じ た,
指 標 の 大 き さ
恒
常
視標 (
左 ま たは右 )
の大
き さ を一
定 (
CRT
画 面
上 で直 径
11
.
3mm
,
視 角
55
.
5
厂
)
に し て お き,
変 化 視 標
の大
きさを変 化
さ せ た.
変 化 視 標
の直 径
多
屋・
大橋
:Pulfrich
現 象の反 応 潜 時 説 の 再検
討15
の大 き さ はCRT
画 面h
で そ れ ぞ れ20.
0,
11
.
3,6.
3,
3.
6
,2.
0
, ユ.
3mm
(
視 角
の単 位
で な ら そ れ ぞ れ98
.
2
’
,55
.
5
’
,
30
.
9
ノ
,
17
.
7
’
,
9
.
8
’
,
6
.
4
}で あっ た.
輝
度 比 を変 化
さ せ た従 来
のPulfrich
実 験
と の対 応
を考 慮
し,
大
き さ の変 化
を2
視 標
の面 積 比 (
変 化 視 標
の面 積 /
恒 常 視
標
の面 積 )
で表
し, フ ィ ルター
の透 過 率
と対 応
さ せ た.
更
にその逆数
にlog
変 換
を 施 し たlog
(恒 常 視 標
の面積 /変 化 視 標
の面 積 )
で面 積
比 を表
し た.
例
え ば 変化 視
標
の面 積
が恒 常 視 標
の面 積
の1
/
10
で あれ ば,
透 過率
10
%
のフ ィ ルター
と対 応
し,
面 積 比
は1
.
0
とな
る.
上
に 示 し た変 化 視 標
は順
に一
一
〇.
5,0.
O,0.
5
,
LO ,
1
.
5
,
2
.
O
の 面 積 比 とな る.
運 動 周 期に つ い ては1
/2Hz
条 件だ け を 用いた.
結
果 と考 察
通 常
の両眼 立 体 視 実 験
で用
い ら れ る刺 激 図形
は横 方 向
だ け が 伸 縮 し ているが,
こ こ で用いた 視 標 は 全 方 向に伸縮
しているの で融 合
しに くい.2
つの視 標
の大
き さの違 いが 大 き く な りす ぎ る と全 く融 合
し な く な り,
終 始2
重像
で見
えて いた が,
こ の場 合
に も運動 軌 跡
に奥 行
きは観
凵 O蒡
yOO 」 り拐
一
≧ 乂 OOd−
缶
← Z8 り 工 」−
」 凵 OO 山 ト く Σ一
」「
切 坦10
5
0
−
5
一
10
−
1
−
O
.
500
.
511
.
52
LOG (
AREA
RATIO
OF
STANDARD
/VARIABLE
TARGET )
Figure
3
.
Effect
ofTarget
’
sSize
The
smaller the one of the two targets was,
thedeeper
the
superimposed
target
apPeared
to
swing
.
The
Inarks connected with solod !ines
sh〔,w the results when the
left
target
was smallerthan
the
right
,
whereasthose
collnected
with
dotted
1
量nes showthe
results whenthe
righttar
−
get
was smaHer than theleft
.
On
】y the1
/
2
Hz
condition was examined
.
察 さ れ た
.
結 果 はFigure
3
に 示 し た.
左 眼 用の視 標
が 小さく なる と き に は時 計 回 り,右
眼 用の指標
が小さ くな る と きに は 反時
計 回 り と な り, 面積
比 が 大 き く な るにつ れ て運 動軌 跡
の奥行
き も 深 く なっ た.
輝 度 を 変 え た 予備
実 験
の場 合
と比
べ ると大
き さの場 合
に は早 く頭 打
ちにな
り
,
面 積 比
1
.
0
のあ
たり
で ピー
ク に達
し た.
この と きに は 小視
標が大視 標
の手前
に浮か ぶ2
重像
の形 を保
っ た ま ま運動
し ていた.
面積
比 が 更に大 き く な る と奥
行 き が減
少し たが,
こ の部
分は反 応頻 度
説で は説
明でき ない.
な
お,
変 化 視 標
を全 く提 示
し ない場 舎
にも多 少 奥 行
き が見 え
るこ とがあ り
,
“
1
”
程 度
の奥 行
き は頻 繁
に報 告
さ れ る.
CRT
画 面 上 で は奧 行 き位
置は総じ て曖 昧に見え る が, 視標
が 単振
動 で 動いてい ること も奥 行
き知 覚
を促
す よ うで ある.Johansson
(1975
)
の報 告で も,
2
光 点
が平 面
上の楕 円軌 道
上 を動
く と き,
2
光
点 を両 端
と す る幻
の線 分
が傾
いた平 面
.
.
ヒを回転
して いる よう
に見
えて い た.
大 きさ に つ い て の補
足実験
上の実 験で凝 視 点の凝
視
は 実 際に教 示 通 り行 わ れて い た だろう
か.
ノニ ウス法
で この部 分
を再 確 認 す
る.・
一
一
一
対
の赤
の正方 形
の凝 視 点
の代
わ りに ノニ ウ ス としてT
と 逆 さのT
の パ ター
ンを提
示し た.
ス テレ オ ス コー
プで 重 ね 合 わ せ て 十パ ター
ンが 見 え れば
う ま く凝視
が で き て い る証 拠
で ある(
下 野・
中
溝,
1993
).
この状 態
が維 持
で きている期 間
で の視 標
の運 動軌 跡
を測 定
し た.
凵 ω { ≦ 乂 UO 」 O エ ト 匡 山OO
凵 」.
く Σ一
ト の 凵 105
一
”
tt
1
.
]CONDITION
TTRS
0
−
1
−O.
5
0
0
.
5
1
1
.
5
2
LOG (
AREA
RATIO
OF
STANDARD
〈 〆ARIABLE
TARGET
)
Figure
4
.
Effect
ofTarget’
sSize
(
Are
・
examinationby
theNollius
nlethod )Instead
of apair
of rectangles,
a‘
‘
T
”
and an“
inverted
T
” pattern were usedto
controlthe
subject
’
s eye moveInellts.
Only
when the sublectnxated
his
eyes wel1,
he
could see a‘
‘
十”
pattern
.
The
obtained results were almost similarto
16
基 礎 心 理学 研
究第
17
巻 第
1
号
刺 激 条 件
左 眼に
提
示 さ れ る 視 標 を変
化 視標
と し た.
面積
比の単位
に変 換
し た と きに0
.
0
,
0
.
5
,
1
.
,
1
.
5
と な る4
条 件
につ い て測定
し た.
ノニ ウ ス と視 標
の間 隔
は視 角
4.
9°
で あっ た.
被 験 者 実 験
1
の と き の被 験 者
1
人(
RT ,
筆 者
の1
人)
と新
た な1
人(
ST
,21
歳
, 女 性 )の2
人で ある.
ST
の 眼 は正 常
で 眼鏡
を 用い てい な かっ た.
手
続
き予 備 実 験の場
合
に準
じ た.
結 果
ノニ ウス法
を用
い たの で眼 球 運 動
の統 制
は十 分
にな さ れ た.
得
ら れ た観 察 結 果
はFigure
4
に示し た.
基本 的 傾 向
につ い て は先
にFigure
3
に示 し た もの と同 じ であ
っ た.
ステレ オス コー
プ
で重
ね あ わ せ ら れ た像
は最 初
の2
条 件 (
面 積 比
0.
O
,0
.
5
に対
応
す る)
で は融合
して視標
は一
つ し か み え なかっ た が,残
りの条 件
で は終
始
小視 標
が大 視 標
の手 前
に浮
かびあ
がっ て2
.
重に見
えて いた.
実 験
2
間
欠提 示
Pulfrich
現 象 を 反 応 潜 時 以 外の仕 方で説
明 し た 説の一
つ にHarker
(
1967
)
の saccadic suppression説
が ある
.
Pulfrich
現象
の観 察
は静
止凝 視 点
を用い る の で眼球
は静
止 し てい る が,
視 標 像
の取
り込 みが とび
とび
(
saccadic)
にな
さ れ る.
取
り込
み時
間
は視 標
輝
度
に比
例
し,
視 標の輝 度 が 低 く な る と少 な く な る (saccadic suppression)
.
今 同 時
に両 視 標 像
の取
り込
みが始
まっ た とす る.
し ば ら く後
に仮 定
に従
っ て ま ず暗
い方
の取
り込 みが中 断
さ れ,
っ い で明
るい方
も中 断
される.
暫 時
の休
憩 (
不応 期 )後
に再 び 同時
に両 視 標 像
の取
り込 み が始
ま る,
さ て両
眼融 合 像
が暗
い方
の最後
の像
と 明 るい 方の最
後
の像のペ アで成
立 するな ら,両 視 標
の空間 的位 置
のず
れ か ら運 動軌 跡
の奧行
き が説 明
で きる ことにな る.
しか し,
最 初
や中 間
の2
つ の像
は空間 的
に も時 間 的
に もず
れ ていないの で融 合
は容 易
であ
り,
最 後
の瞬 間
の2
つ は空
間 的
にも時 間 的
に もず
れ てい るので融 合
は 困難
で あ ろ う.
最初
や 中 間 を さ し おいてなぜ最 後 だ け を 取 り上 げ る のか,
これにつ い てHarker
は説 明
す るべ きで あ る が, その説明
は ない.
とこ ろ で こ の
Harker
説
は取
り込
み時 間
の長 短
を神 経
の反 応頻 度
の大 小
に置
き換
え る だ け で, そ の ま ま筆
者
た ちの 反応
頻度
説にな る.
筆 者 た ち は 融 合 す るペ アの像 は常
に同一
瞬間
にあ る が, た だ しこ の同
一
瞬 間
には時 問 幅
が あ る,
と考
え る.
上の例
で いえ ば,
最 初
に同時
に取 り
込みが 始 まっ て から次
に再
び同 時
に取
り込み が始
ま る ま で の1
周期 を同
一一
瞬 間
とみ な す.
こ の期 間
に2
つの単
眼系
で生 じた神 経 発 火頻 度
が比 較
さ れ るこ とにな る.
同
一
瞬 間
の時 間 幅
に つ い て は従 来 時 間 加
重の文 脈
で検 討
さ れ て き た.
明
る さ に関
し て はBloch
の法 則
が ある.
100
ms程 度
の時 間 幅 内
で な ら提
示 を複 数
回に分割
して も,輝 度 を半 分
に し て提
示時 間 を倍
に し て も, 明 る さ は変
わ ら ない.
筆 者
た ち は 運動軌 跡
の奥 行
きか ら同
一
瞬 間
の時 間 幅
を 測定
す ることにし た.2
つ の視 標
の大
き さ や輝 度
は同
じ であるが,一
方
の視 標
は全
フV一
ム で,
他 方
は とびとび のフレー
ム で提 示
さ れ る,
視 標 が 両 方
と も提
示 さ れ るフ レー
ム で は2
つ の指 標
が対 応 位 置
に提
示 さ れ たの で, 静 止 像での 原 理か ら す ると融合 像
は 凝視 点
を含
む前 額 平 行
面 上 に 現 れ る は ず で あ る.
視 標
が片
方 だ け提
示 さ れ るフ レー
ムで は奥行
き位
置
が不 定
になるが,
凝 視 点
の奥行
き位 置
は確 定
してい る か ら やはり同
じこ の前 額 平 行 面 近 辺
に見 え
る だろう
.
しか し筆 者
た ちの反 応 頻 度 説
か ら す る と,1
司一
瞬 間の期 間 内の視 標の提 示 回 数の減 少に伴っ て神 経
の反応頻 度
も 減 少 し, 運 動軌
跡の奥 行 き が増
大 して い く はず
である.
方
法2
つ の視 標
の一
方
を連 続
的に,
他
方 を 間 欠 的に 提 示 し, 間欠 提
示 視標
の提 示間
隔 が 運 動軌 跡
の奥行
き距 離
に 及 ぼ す効
果 を測
定
す る.
測
定
の手
続
き,
被
験 者
な ど は予
備 実 験の場合
に準 じ た.
指 標
の提 示 頻 度
2
っ の視 標
は同
じ大
き さ(
画 面 上
で直 径
2mm
,
視 角
9
.
8
’
)
,
同
じ明
る さ(
78
.
5cd
/
m2)
で あっ た.
2
つ の視 標
の運 動 はど ら らに つ いて も1
周 期に っ き240
フレー
ムを 用いて制
御
さ れ て お り, どの フレー
ム も1
/
60sec
で提
示 さ れ たの で,
各 視 標
は1
〆
4
Hz
で水
平 方 向
の単 振 動
を反 復
していた.
標 準 視 標
は こ の240
全
て の フ レー
ム で登場
したが,
変 化 視 標
は とびとびに24
,
120
,
80
,
40
,
24
.
16
,
12
,
10
.
8
,
ま た は6
の フ レー
ム にだ
け登場
した.
視
標
の登場
す るフ レー
ムは均
等
に割
り振
っ たの で,変
化 視 標 は 均 等 な 時間 間
隔で点
滅 し た.
輝 度 比 を 変 化 さ せ た従 来
のPulfrich
実 験
と の対 応
を考 慮
し,
提
示頻 度
の変 化
を2
視 標
の提
示頻 度比
(
変 化
視 標
の頻 度 /恒 常 視 標
の頻 度 )
で表
し,
フィル ター
の透
過
率
と対 応
さ せ た.
更
にその逆 数
にlog
変 換
を施
し たlog
(恒
常
視 標の頻
度/変
化視 標
の頻 度)
で 頻 度 比 を表
し た.
例 え ば 変 化 視 標の提 示 頻 度 が 恒常
視 標の提 示 頻 度の1
/
10
であ れ ば透
過率
1
%の フ ィ ルター
越
しで観 察 す
る条 件
と対 応
し,
頻 度 比
の単 位
で は1
,
0
にな
る.
上
に示 し
た変 化 視 標
の頻 度 比
は順
に0
.
0
,0
.
30
,0
.
78
,1
.
00
,1.
18,1.
30,1、
48,1.
60
で あっ た.
多 屋
・
大
橋
:Pulfrich
現
象
の反応潜 時 説
の再 検 討
17
15
10
5
凵 の一
ミ一
〉冒
90
」 Q 工左
凵 自0
5
0
辱
−一
国 9り一
) 冫 〉 σ ◎ 」 りー
匡 凵 」 」 ∠ ⊃OQ
ロ 田 」°
く ≧ ト の 四一
15
幽
0.
500
.
511
.
52
LOG
(
FREQUENCY
RATIO
OF
STANDARD
/VARIABLE
TARGET
}
Figure
5
,
Effect
ofPresentation
Frequency
.
The
less
frequently
the
one ofthe
two
targets
was
presented
,
the
deeper
the
superimposedtar
−
get
appeared to swing.
The
marks connectedWith SOIOd
lineS
ShOw the resultS when the 正efttarget was presented
less
frequently
than
the
right, whereas
those
connected withdotted
lines
show
the
results when
the
right target was
presented
less
frequently
than
the
left
.
0111y
the1
〆
411z
condition was examined.
結 果
結 果
はFigure
5
に示 し た.
頻
度 比に伴っ て 運動 軌 跡
の奥 行
き が増
し,
反 応 頻 度 説
が支 持
さ れた.
左 眼 用の視
標
の提
示頻 度
が少
な くな れ ば時 計 回
り,
右 眼 用
の視 標
の提
示頻 度
が少
なく
な れば反 時 計 回 り
になっ た.
頻 度
比 が1.
0
を 少 し 過 ぎ た あ た り (変 化 視 標
を1
秒 間
に4
回の提
示 )
で奥 行
き は ピー
クに達
し た.
即
ち, 視標
の奥 行
き運
動
の測 定
か ら は,
同
一
一
瞬 間
の時 間 幅
は250ms
程 度
であ
る こ と に な る.
反応 頻 度 説
で説 明
で きる の はこ こ まで で あ る.
提 示 間 隔
が同
・
一
瞬 間
の限 度 を越 え
る と きには, も は や時 間 加 重
が 生 じず
,
奥 行
き も見
え な くなっ てい く.
変 化 視 標
を単 独
で観 察 す
るとき,
視 標
が1
フレー
ム お きに提 示 さ れ る頻 度 比
0
.
30
の条 件
の場 合
だ け,
視 標
は た だ暗
く な る だ けで点 滅 は 見 え なか っ た が,
頻 度 比
がそれ 以
上にな る と点 滅
が見
え た.
ステレオ スコー
プ
を 通 し て観 察
し て も同様
で.
頻度
比0
.
30
の条件
で は視 標
は定
常
的
に見 え
た が,
頻 度 比
が それ以
上にな る と チ カ チカ と ま た たい て見
え た.
静 止 刺 激
の使 用 時
に示 さ れ る 立体 視
原 理か ら 考 え れば,
また たい た全て の瞬 間
に お いて融 合
像
が 凝視 点
を 含 む前 額
平行
面に現 れ て も よい はず
であ
る が,
実 際
に は奥 行
き 方向
に膨 ら ん だ楕
円軌 跡 上
に見
え た.
全 体
の考察
Pulfrich
現 象 と は刺 激
量 を低 下
さ せ た と き に現
れ る奥 行
き運 動 現
象
で あっ た が,Pulfrich
の反 応 潜 時 説
の説 得 力
の せ いか, その後の研 究 で は 専 ら 輝 度 低 下に伴 う 反応 潜 時
の遅 延
ばかり
が強調
さ れ,神 経
の反
応頻 度
の低下
は無 視
されて き た.
筆 者
た ちは対
立仮
説 と し て 反応 頻
度
説 を掲 げ
て潜 時 説
を再 検 討
し た.
従 来
の潜 時 説
で は 潜時
が指 標
の輝
度
で 決 ま ること に なっ てい るの で,
輝 度 を
変
えず
にその他
の属 性
〔大 き さ ま たは提
示間 隔 ) を変 化
さ せ,反 応 潜 時
を一
定
に保
ち な が ら 反 応 頻 度 だ け を変
え た,
と仮 定
し た.
これ らの場 合
にも 運 動軌
跡 に奥 行
き が 見 え た ので,
潜 時説
の不 十 分 性
と頻 度 説
の有 効 性
が 示 さ れ た.
以下
で は更
に頻 度 説
に基
づく説 明 を考
え る.
〔
1
)
輝 度の異 な る2
つ の静 止 視 標
と奥 行
き反 応
潜
時 差が効 果 を 持た ない静止視 標
の場 合
に も輝 度
が違
え ば奥 行
き が見
え る.Cibis
&Haber
(
1951
)
が片
方
の眼の前
に減 光
フ ィ ルター
をおい て前 額
平行
面にあ
る長 方 形
を観 察
し た と こ ろ,
片 側
の奥 行 き が 飛 び 出 して見 え た.
彼
ら はこ の傾
きを高 輝 度 指 標
に対 応
す る神 経
興奮
が 拡 散 して大 き く 見 える た め,
と説 明
し た.
しか し筆 者
た ち(
大 橋
・
多
屋,1992
)
が輝度
の異な る2
つの図 形
を大
き さ が等
し く見
え る よ う調
節
して か らステレオス コー
プ を覗
いた と きに も, なお融 合 像 は 明 らか に傾いて見 え た.
ま た逆
に,
前 額 平 行 面
上に見
え る よ うに低
輝度
視標
の大
きさを調 節
さ せた後
に ス テ レオス コー
プ を はず
し て 直接
に観 察
す ると,
明 ら か に低 輝 度 視 標
は高 輝 度 視 標
よ り も 大 き く見
え た.
視 標
の輝 度
の低 下
は両 眼 立 体 視
の状
況
で は通 常
よ り も大 き な縮
小効
果 を生
じ る の であ
る.
反 応 頻 度 説
によるPulfrich
現 象
の説
明ま
ず 単 純
に,Cibis
&Haber
(
1951
>
の静
止像 観 察
で 得 られ た 原 理 を 運動 視 標
の場 合
に拡 張
して み る.
低 輝度
視標
の移
動 距 離
は高 輝 度 視 標
の移 動距 離
より
も縮
む とい18
基 礎 心 理 学 研 究 第
17
巻 第
1
号
う原 理 だ け で も潜 時
説 と 同様
にFigure
I
を 示 す こと が でき る.
しか しこれ だ け で は視 標
の運動 速 度
が全
く奥 行
きに関 与
し ない ことになっ て し ま う.
そこ で筆 者
た ちは 新 たに,
視標
が高
速で動いて移 動 距 離
あた り の反応 頻 度
が少 な
い場 合
には奥 行
き が深 くな
る,
という仮 定
を追 加
す
る.
楕 円形
の運 動 軌 跡
につ い て,
両 端部 分
で は速 度
が ゼロ で ある か ら奥 行 きもゼロ に な り,中央 部 分
で は速 度
が最 大
にな るので奥 行
き も最
大 にな る, と説 明
で きる.
(
3
)視 標
の輝度
差 と反 応潜
時の差
1
⊃ulfrich現 象
を めぐ
っ てな
され た多 く
の実 験 結 果
は,
Julesz
&White
(
1969
)
も指 摘 す
る通 り
.
潜 時 説
に よ っ て説
明さ れ る も の で はあっ て も潜 時
の遅 延 を直
接に示 す もの では ない.
視 標
輝度
の 低 下 に伴
っ て神 経
反 応の遅延
が実 際
に どの程 度 生
じる もの か.
直
接 にPu
!frich
現 象の観 察で き る事 態で検
討 し た例
を著 者
達 は知 ら ないが,
例
え ばGrUsser
&Grttsser
.
Cohnehls
(
1962
)
の報
告
す る ネコ の大 脳
V
ユ細 胞
の反応
潜 時で は,
網 膜 での照 度
が2
lux
の時
に は325
lux
の時
に比べ てon−
neur.
on で の