• 検索結果がありません。

<翻訳>企業統治に関する2007年欧州委員会スタッフ報告書

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "<翻訳>企業統治に関する2007年欧州委員会スタッフ報告書"

Copied!
20
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

委員会スタッフ作業文書 上場会社の非業務執行取締役または監査役員の役割および取締役会(監査役 会)委員会に関する欧州委員会勧告の EU 加盟国による適用についての報告書

1.本報告書の目的

コーポレート・ガバナンスは, 取締役会が経営者に対して適切な監視を行い, 株主が当該会社の所有者として, 取締役会に説明責任を負わせることができる ことを確保する。したがって, 高度な水準のコーポレート・ガバナンスは, 投 資家の信頼や市場の安定性に著しく貢献し, ビジネスの効率性を促進する。 上場会社の非業務執行取締役または監査役員の役割および取締役会(監査役 会)委員会に関する本委員会勧告は (1) , 上場会社の取締役会が独立性の十分な保 証を提供することを確保する基準の採用を促進するよう求める。そうすること によって, 本勧告は, 投資家が欧州共同体の至る所で同水準の保護や透明性の 利益を享受できるように, 加盟国に存在する国内のコーポレート・ガバナンス ・コードの収斂を促進する。 ビジネスの効率性に貢献することや投資家に域内市場の利益を獲得させるこ 翻 訳

企業統治に関する

2007年欧州委員会スタッフ報告書

関西学院大学 EU 企業法研究センター

(1) 2005年2月15日委員会勧告 2005 /162 / EC。 【翻 訳】

(2)

とという全体的な目的に加えて, 本勧告はまた, 世紀の変わり目における会社 詐欺の不祥事への対応でもあった。 これらの不祥事は, 当時のチェック・アンド・バランスが不十分であり, 会 社の勘定で数十億ユーロの損失を防ぎ得なかったということを証明した。 パルマラット (2) の事例は, 同じ人物の手中に最高業務執行者と取締役会会長の 職務を集中することに内在する危険を強調した。他方, アホルドの事例は, 独 立した監査役会の設置による形式的な業務執行と監督の職務の分離が権限濫用 を防ぐのに十分でない場合があることを証明した。 取締役会は, 経営者に密接な関係をもつか, または適切な専門的能力を欠い ている者が配置されているならば, それほど有効なモニタリングを行いそうに もない。独立性は, 経営者と株主との間の潜在的な利益相反を伴う領域:経営 者の指名, 経営者の報酬, および会社業績 (経営者の業績の指標そのもの) の 監査 において特に重要である。 加盟国は, 立法化か, あるいは『遵守または説明』原則に基づくベスト・プ ラクティス・ルールのいずれかを通じて, 2006年6月30日までに本委員会勧告 の適用を促進するための必要な措置をとるように要請された。 『遵守または説明』原則は, 会社に柔軟性を与える。ある勧告が自社の特別 な性格に適していない, および/または, この基準の遵守が過度に重荷になる かあるいは困難となることに気付く会社もあるかもしれない。これらの会社は, これらの逸脱を開示し, 市場に説明する限りにおいてこの特定の原則を遵守す るように要求されない。 本報告書の目的は, 加盟国が本勧告の主要な原則を実施するために必要な体 制を適切に整備しているか否かを評価することである。 本報告書に添付された表は, 加盟国が本勧告の要求をどの程度履行している かを示す。その評価基準も付表に記載されている。 第2節は, 本報告書の主な調査結果を要約する。第3節および第4節は, 本 勧告の原則を提示し, 各国レベルでの履行の状況について概観を与える。 本報告書は, 本委員会の質問表に対する加盟国の回答とこれらの加盟国が有 企 業 統 治 に 関 す る 二 〇 〇 七 年 欧 州 委 員 会 ス タ ッ フ 報 告 書 (2) 2003年12月, イタリアの乳製品グループ。

(3)

する国内コーポレート・ガバナンス・コードの調査に基づいている。本報告書 では21加盟国が対象とされている。 (3) 加盟国へのいかなる言及も, もっぱら本委 員会に情報を提供した国に関するものに限られる。

2.主な評価結果

近年, EU においてコーポレート・ガバナンス基準を改善する明瞭な傾向が 見られる。ほとんどの加盟国で, 規制の整備は本勧告の方針に沿って保護措置 を強化するという結果を生んでいる。ほとんどの加盟国は, ほぼ完全にあるい はかなりの程度, 本勧告の条項に従っている。改革は, いくつかの加盟国にお いてなお進行中である。 会社がコーポレート・ガバナンス・コードを遵守するか, あるいはコードか らの逸脱を正当化するかのどちらかを選択するという『遵守または説明』原則 は, コーポレート・ガバナンスの遵守の基礎として, 加盟国で幅広く適用され ている。しかしながら, 多数の加盟国において, 遵守または正当化に関する開 示(コーポレート・ガバナンス報告書)は, 現在はまだ単に任意のものである に過ぎない。 (4) すべての加盟国は現在, 取締役会(監査役会)内で独立取締役の存在を要求 するか, あるいは勧告する。 そして, そのことは主要な進歩といえる。しかし ながら, 独立性の定義の相違は, 基準を多様にする。多数派株主からの独立性 要件は, すべての加盟国で十分に支持されてはいない。 ほとんどの加盟国は, 最高位の執行経営者と監督者の職務の分離を要求する か, あるいは勧告する。しかしながら, 多数の国では, 以前の CEO が監査役 会会長になることを制限していない。その結果, CEO に自身の過去の決定を 監督するということを許している。さらに, その会社と会長との結びつきは, 真に独立したアプローチを妨げうる。本委員会はこれを遺憾とし, 最低限, 当 翻 訳 (3) ブルガリア, キプロス, チェコ共和国, ポルトガル, ルーマニア, スペインは対象と されていない。 (4) しかしながら, 年次コーポレート・ガバナンス報告書の発行は, 2006年6月14日の指 令2006/46によりすべての EU の上場会社にとっての義務になるであろう。同指令は2008 年9月までに国内法化される。O. J. L 224, 16. 06. 2006, p. 1.

(4)

該監査役会の独立性を維持するために, 取締役会の現役の構成員が監査役に任 命されるまでに適切な間隔をおくべきことを考慮する。 (5) 本勧告の最も重要な目的の一つは, 経営者と株主との間の潜在的な利益相反 という主要な領域において, 独立した非業務執行取締役または監査役員の存在 および役割を促進することである。遺憾ながら, その主な欠点はここでわかる。 極めて多数の加盟国は, すべての取締役会委員会に独立取締役がいることを勧 告していない。いくつかの加盟国で法またはコーポレート・ガバナンス・コー ドが, 報酬委員会および監査委員会における独立取締役の強い存在を勧告して いないことは驚くべきである。これらの加盟国では, 経営者は, 依然として彼 ら自身の報酬に対して要要な影響力を有しうるかもしれないし, 会社の勘定に 対する監査は不十分であるかもしれない。当該会社にとってのコストおよび濫 用のリスクは, 高いままであろう。

3.本委員会勧告の原則

本報告書の評価に服する本勧告の主要な原則は以下のものである。  最高業務執行取締役と取締役会(監査役会) 会長の役割の分離:過去お よび現在の最高業務執行者と会長との職務の分離は, 経営者が有効で独立 した監督に服することを確保するための決定的な条件として幅広く認めら れている。本勧告は, 最高業務執行者が直ちに取締役会(監査役会)会長 になることを避けるべきであるとする。さらに, 本勧告は, 会社が会長と 最高業務執行者の役割を結合させるか, あるいは前の最高業務執行者を取 締役会(監査役会)会長に直ちに指名することを選択する場合には, 適切 な保護措置を開示することを要求する。  取締役会(監査役会)における十分な数の独立取締役:十分な数の独立 した非業務執行取締役または監査役員が, 取締役に関係するいかなる重要 な利益相反も適切に処理されることを確保するため, 会社の取締役会(監 査役会)に選任されるべきことが勧告される。独立取締役はまた, 支配株 主が経営者に対して強い支配力をはたらかせる会社で果たすべき役割を有 企 業 統 治 に 関 す る 二 〇 〇 七 年 欧 州 委 員 会 ス タ ッ フ 報 告 書 (5) 会社法について近年の発展および予測に関する2006年6月4日のヨーロッパ議会決議 (2006 / 2051 (INI))

(5)

する。そのような場合に, 多数派株主と少数派株主との間で利益相反が生 じることがある。支配株主からの独立性は, 利益相反を多少とも解消する 有効な方法であろう。  利益相反が生じる問題を取り扱うための取締役会委員会の設置:本勧告 は, その任務が株主の直接の責任でない場合には, 取締役会(監査役会) 内に指名, 報酬および監査の委員会の設置を推奨する。  取締役会委員会における独立取締役の強い存在 (strong presence) と 各委員会の役割の明確な定義:本勧告は, 取締役会委員会における独立し た非業務執行取締役の強い存在の必要性を強調する。指名委員会は少なく とも過半数の独立した非業務執行取締役または監査役員で構成されるべき であり, そして報酬委員会および監査委員会は, 非業務執行取締役または 監査役員のみで構成され, その過半数が独立すべきであることが勧告され る。さらに, 本勧告は, 各委員会の機能の詳細なリストを定めている。  独立した取締役会構成員に関する透明性:個々の取締役の能力と取締役 の独立性についての取締役会の判断に関する適切な情報の開示が勧告され る。  取締役会(監査役会)構成員の資格および兼任に関する高い基準:取締 役会(監査役会)の効率性を高めるために, 彼らの任務を適切に履行する ために要求される多様な知識, 判断力および経験を有する構成員でその全 体が構成されることが勧告される。監査委員会の構成員は, 彼らの義務を 適切に果たすために特定の財務および会計の知識を有すべきである。取締 役は, 彼らの義務に専心すべきであり, 彼らの仕事に十分な時間と注意を 当てるべきである。結果として, このことは, 取締役が兼任を制限するこ とを含意するであろう。他の任務と重要な職業上の兼任は開示されるべき である。

4.履行の状況

4.1.コーポレート・ガバナンスの枠組み 本委員会勧告の採択を受けて, ほとんどの加盟国において規制の整備が実施 されており, 勧告の中で奨励されている原則は, 一般的に, 少なくともある程 翻 訳

(6)

度は考慮されている。加盟国の中には, コーポレート・ガバナンス・コードの 改訂が今も進行している国もある。 (6) 一般的に, 加盟国は, 通常上場会社に適用されるコーポレート・ガバナンス ・コードの一部として, 独立取締役に関する本勧告を実施している。オースト リアでは, コードは, ウィーン証券取引所の第一部に上場している会社に対し てのみ強制的な『遵守または説明』に基づいて適用されるが, 他の会社は任意 にコードの勧告に従うことができる。同様の制度はスロバキアにおいて適用さ れている。イギリスおよびアイルランドにおいては, 小規模会社は独立性の要 件が免除されている。 コードは通常, 上場会社が従うべきコーポレート・ガバナンス・コードの規 定に従うか, あるいはコードからの離脱を説明することを記載する年次コーポ レート・ガバナンス報告書を公表することを定めている。大多数の加盟国は, 上場会社が年次コーポレート・ガバナンス報告書を公表することを義務として いるが, (7) コーポレート・ガバナンス・コードの遵守は, なお多くの加盟国にお いてベスト・プラクティスの問題である。 (8) 指令 2006 / 46 / EC (9) が2008年9月ま でに国内法化されることから, 規制された市場での取引が認められている株式 を発行するすべての会社は, コーポレート・ガバナンス報告書を公開すること が要求され, それゆえ EU 全域において, 会社がこの分野において透明である という真の義務が存在することになろう。 最後に, コーポレート・ガバナンス・コードの適用範囲に関する加盟国間の 相違に起因して困難が生じうる。すなわち, あるコーポレート・ガバナンス・ コードは関係加盟国において上場される会社に対して適用されるが, 他のコー ドは当該加盟国において上場されかつ設立された会社に対してのみ適用され る。 (10) ある会社が一つの加盟国において設立されたが, 他の加盟国において上場 される場合には, 複数のコードが適用されるか, あるいはいかなるコードも適 企 業 統 治 に 関 す る 二 〇 〇 七 年 欧 州 委 員 会 ス タ ッ フ 報 告 書 (6) ハンガリー, スロバキア, ラトビア。 (7) 強制的『遵守または説明 , 付表1を参照。 (8) 任意的『遵守または説明 , 付表1を参照。 (9) 2006年6月14日の欧州議会および理事会指令 2006 /46 / EC。O. J. L224 / 1, 16. 08. 2006. (10) 例として, ベルギー, オランダ, デンマーク。

(7)

用されない状況が生じうる。前者の状況では, 上場会社が他国のコーポレート ・ガバナンス・コードの遵守に目を向けることで十分であると考えている加盟 国もある。 (11) それに対して, たとえばルクセンブルクでは, 多数のコーポレート ・ガバナンス・コードに直面する複数上場会社は, ルクセンブルク・コードの 原則がより高い基準のコーポレート・ガバナンスを表す限りで, 同原則に従う ことが求められる。付表1は加盟国におけるコーポレート・ガバナンスの枠組 みの概観を提供している。 4.2.主な勧告の履行状況 4.2.1.最高業務執行役員 (CEO) と取締役会 (監査役会) 会長の職務の分離 最高業務執行者と取締役会(監査役会) 会長の職務の分離は, 取締役会(監 査役会)が効率的にその監督を果たすことを確保する際の重要な要素の一つで ある。取締役会会長は, 取締役会の監督および統制の機能を調整する際に重要 な役割を果たす。それゆえ, 経営者から独立すべきである。 最高位の執行経営者と監督者の職務の分離は, ほとんどの加盟国において 『遵守または説明』に基づいて要求されるか, あるいは勧告されるかのどちら かである(付表2の表2を参照)。二層制の構造をとる国々において, 現在の 経営者と監査役会の構成員職は法によって切り離されている。一層制の構造を とる加盟国のうち, 少数は依然として双方の権限を一人の人物に集中すること を考慮している。 (12) 他方, いくつかの加盟国は, このことは例外であり, 従って 審査に服すべきであると考える。ほんのわずかの加盟国は, CEO と会長が兼 務される場合, 適切な追加の保護措置を設けるか, (13) あるいは何らかの追加の保 護措置を開示することを要求する。 本勧告はさらに, 最高業務執行者が CEO としての職務の任期の終了後, 直 翻 訳 (11) 例として, リトアニア。 (12) 例として, フランス。コーポレート・ガバナンス・コードは, 法によって正当化され た機関構造(二層制の取締役会, CEO と取締役会会長職とが分離されている一層制の取 締役会または分離されていない一層制の取締役会)を示し, いずれを選択するにせよ, 会 社は株主に説明しなければならないことを勧告するのみである。 (13) 例として, イタリアの主任独立取締役, イギリスやアイルランドの主要な株主との協 議。

(8)

ちに取締役会(監査役会) 会長になるべきではないと定める。これは, その CEO の過去の職務が, 取締役会会長として客観的な監督を行う能力を妨げな いことを確保する。この重要な原則は, 限られた数の加盟国でのみ履行されて いる。 (14) 二層制の取締役会制度をとるいくつかの加盟国は, 直前の CEO が監査 役会会長になるべきでないということを勧告しない。 (15) CEO が引き続き取締役会会長にならないことを要求または勧告する加盟国 において, CEO はしばしば, CEO としての任期直後の‘冷却期間’に服する。 つまり, その期間の終了後においてのみ, 彼らは取締役会会長になることがで きる。 (16) 4.2.2.独立性の基準 大多数の加盟国で, 詳細な独立性の基準が定められており, その基準はかな りの程度において本勧告の要件を反映している。いくつかの加盟国は, 本委員 会勧告に含まれている独立性の基準の完全なセットを適用し, (17) 相当数の加盟国 は, ほとんどすべての独立性の基準を勧告する。 しかしながら, いくつかの加盟国では, 一般的な定義があるのみで, 独立性 の基準は明記されていないかまたは非常に一般的な基準があるだけである(例 として, スロバキア, マルタ, ドイツ)。 支配株主との密接な結びつきがないことは, 本委員会勧告で挙げられた主要 な基準の一つである。支配株主の利益が, 特定の事情のもとで, 少数派株主の 利益と一致しない場合があるので, 独立取締役がもっぱら支配株主の利益のみ を代表することのないようにする意図がある。しかしながら, 支配株主との密 接な関係がないことは, ドイツでは全く勧告されていない。そのうえ, 他の二 つの加盟国においては, すべての独立した取締役会構成員が支配株主から独立 していなければならない, というわけではない(以下, 4.2.3.を参照)。 企 業 統 治 に 関 す る 二 〇 〇 七 年 欧 州 委 員 会 ス タ ッ フ 報 告 書 (14) 例として, アイルランド, リトアニア, オランダ, スウェーデン, イギリス。 (15) 例として, ポーランド, ハンガリー, エストニア, スロバキア。 (16) 例として, オーストリア, エストニア, オランダ。 (17) 例として, ポーランド, ベルギー, エストニア, ラトビア, リトアニア, ルクセンブ ルク。

(9)

4.2.3.取締役会(監査役会)における十分な数の独立取締役 すべての加盟国は, 独立性が異なる方法で定義されるものの, 取締役会(監 査役会)に十分な数の独立取締役の存在を要求する(上記, 4.2.2.を参照)。 履行の状況は, 多数の加盟国が取締役会の中で独立した構成員の割合に関し て会社に柔軟性を与えていることを示す。ほとんどの国々は, 何が十分な数か を定めることを個々の会社に委ねる。 (18) 独立取締役の制度は, いくつかの加盟国 では新しいものであり, あるコーポレート・ガバナンス・コードは, 独立取締 役の不足に言及するが, 適切な数に関する厳密な要件の設定を考慮に入れてい ない。 いくつかの加盟国では, 独立取締役の推奨される適切な数は, 会社の規模 (19) ま たは所有構造 (20) によって決まる。いくつかの加盟国は, 独立取締役の一定あるい は最低の数または割合のいずれかを選んでいる。 (21) いくつかの加盟国は, 独立取締役の比較的高い割合を設定している。例えば, ハンガリーでは, 会社が一層制の取締役会の設置を選択する場合に, 過半数の 取締役会構成員は独立していなければならない。 (22) フィンランドもまた, 過半数 の独立取締役を定めるが, そのうち二名のみが多数派株主から独立していれば よい。イギリスおよびアイルランドでは, 取締役の半数は独立していなければ ならない。スロバキアでは, すべての監査役会構成員は独立していなければな らないことが推奨され, そして, オランダでは, 最大一人を除いたすべての監 査役会構成員は独立していなければならない。 4.2.4.取締役会委員会 付表2の表3が示しているように, 大多数の加盟国は, 本委員会によって勧 翻 訳 (18) 例として, リトアニア, ギリシア, ルクセンブルク, イタリア。適正な数を決定する ために, 以下のことが参照される。会社の規模, 監査役会の規模, 委員会の数, 取締役会 における少数派株主の代表者の存在, 会社の活動, 所有構造。 (19) アイルランド, イギリス。 (20) フランス。 (21) 例として, ベルギー, デンマーク, ポーランド, オランダ。 (22) ハンガリーでは, 会社が二層制の取締役会の設置を選択する場合, 監査役会の半数は 独立した構成員でなければならない。

(10)

告されたすべての委員会の設置を要求する。コーポレート・ガバナンス・コー ドの表現と適用される規制の手法は, 加盟国でそれぞれの委員会に付与される 重要性の差異を明らかにする。いくつかの加盟国は, 本勧告で提案されたもの と異なる方法で利益相反の問題を取り扱う。スウェーデンでは, 例えば, 指名 委員会は株主総会と一体である。 (23) 監査委員会の設置は, オーストリア, ハンガリーおよびマルタにおいて, す べての上場会社について強制され, イタリアでは, 一定の範疇の上場会社に強 制される。しかしながら, 本勧告の採択以後, 2008年6月末日までに国内法化 されることになる指令 2006 / 43 / EC(いわゆる第8会社法指令)の41条は, 監 査委員会または同等の役割を果たす組織体を有するという義務を, すべての EU 域内の上場会社に拡張した。 (24) 報酬委員会の設置は, 一般的に『遵守または説明』に基づいて要求される。 ドイツでは, 報酬委員会の設置は単に推奨されるだけで, このルールからの逸 脱は公衆に説明される必要はない。 指名委員会を設置するという要求は, いくつかの加盟国において“緩やかな” 条件で起草される。 (25) ドイツでは, この委員会は単に勧告されるだけである。 4.2.5.取締役会 (監査役会) 委員会における独立取締役の存在, 取締役会 (監査役会) 委員会の役割 11の加盟国のコーポレート・ガバナンス・コードだけが, 取締役会委員会に おける独立取締役の存在および数に関する本勧告の要件を履行している。かな り多数の加盟国で, 報酬, 指名および監査の諸委員会において独立した構成員 が存在すべきであるとする勧告はない。このことは特に驚くべきである。これ らの加盟国では, 経営者は依然として彼ら自身の報酬を定めることができるか, あるいは彼らの報酬に重要な影響力を有している。そして, 会社の勘定に対す 企 業 統 治 に 関 す る 二 〇 〇 七 年 欧 州 委 員 会 ス タ ッ フ 報 告 書 (23) そのようなルールは, 株主と経営者との間の利益相反を弱めるが, 多数派株主と少数 派株主との間の利益相反を目立たせるかもしれない。 (24) 年次計算書類および連結計算書類の制定法上の監査に関する欧州議会および理事会指 令 2006 / 43 / EC,O. J. L 157 / 87, 09. 06. 2006. (25) 例として, イタリア(「そのような委員会の必要性は評価されるべきである」), また はフィンランド(「取締役会は指名委員会を設置する場合がある」)。

(11)

る監督が非効率であることが発見されるリスクがあり, それに相応する濫用の リスクがある。 加盟国の約半数は, 取締役会委員会の基本的な機能に関して, 本委員会勧告 に従っている。最も重要な欠点は, いくつかの加盟国において, 会社の内部統 制の有効性を審査する際の監査委員会の責任に関する規定がないことであろう。 4.2.6.取締役会(監査役会) 構成員の独立性, 資格および兼任についての透 明性 大多数の加盟国で, 会社は, 独立性の資格を有する者の情報を公表するよう に要求される(付表2の表4)。 取締役会(監査役会) 構成員の資格に関して, 大多数の加盟国は, 取締役会 が取り組むことが期待される問題についての十分な知識および経験を有する必 要性, および監査委員会が適切な特定の財務および/または会計の知識を有す る必要性に関する本勧告を支持した。大多数の他の加盟国では, 監査委員会の ための特別な知識という要件は採用されていない。 加盟国の半数は, 取締役が他の兼任を制限し, 兼任の開示がなければならな いという要件に従っていないようにみえる。 (26)

5.結

EU では, 独立取締役に関するより強力なコーポレート・ガバナンスの要件 およびより高い透明性に向けての明確な動きが見られる。規制の改革は, 多く の加盟国に高い基準をもたらし, 大多数の加盟国は, 少なくともかなりの程度 において本勧告に従っている。 一般的に, 加盟国は, その国内のコーポレート・ガバナンス・コードの一部 翻 訳 (26) 取締役の適切な兼任に関する要件を支持した加盟国の中には, 適した取締役職の強制 的な制限あるいは推奨された制限を加える加盟国がある(例として, オーストリア, ベル ギー, ドイツ, フランス, アイルランド, イギリス)。 一方で, 他の加盟国では, 取締役 が彼らの仕事に十分な時間を割き, 十分な注意を払い, および/または彼らの取締役職の 数を制限するための一般的な要件がある。加盟国の中には, 他の兼任の開示を要求してい ない国もある(例として, エストニア, ギリシア, アイルランド, イギリス, スウェーデ ン)。

(12)

として, 本勧告を履行してきた。そして, それは『遵守または説明』原則に基 づいている。 しかしながら, 多くの国において, 本勧告の重要な条項のいくつかは守られ ていないようである。また, 他の国々では, 良好なコーポレート・ガバナンス ・コードは,『遵守または説明』するための真の要件がない限り, 効果のない ものであり続けるかもしれない。 (27) 非常に優れたコーポレート・ガバナンス・コードの存在は, 会社のガバナン スを改善するのに十分であるとはいえない。『遵守または説明』原則もまた, 実際に機能すべきである。『遵守または説明』原則の成功は, 主として, コー ポレート・ガバナンス報告書において提供される情報の質次第であろう。会社 は, 投資家が適切な投資の決定を下すために, 市場に対して広範囲かつ良質の 情報を提供する必要があり, それゆえ, よりよい資本の配分およびより高い経 済的効率性に寄与する必要がある。 さらに, 会社が実際にどの程度基準を遵守するかおよびいくつかの要件を全 面的に採用する際において欠落がないかどうかを監督することが不可欠である。 『遵守または説明』の成功はまた, 主に, 株主が彼らの利益を守る際に積極 的な役割を引き受けるかどうかによって決まるだろう。株主が経営者の決定に 対して事前の対策および批判的態度をとらず, 彼らの利益が無視されるときに コーポレート・ガバナンスの指針および構造を変更することを求めない場合に は, 透明性の要件は不十分であるかもしれない。したがって, 株主のより積極 的なかかわりが促進されるべきである。というのも, このことは, 通常, 会社 の良好なガバナンスに対して有益なものであるからである。 本委員会は, ヨーロッパ・コーポレート・ガバナンス・フォーラムと緊密に 連携して活動しているが, 透明性のレベルに関する情報および提案されている コーポレート・ガバナンス原則の遵守についての情報を収集し, 市場の発展を 念入りに監視するつもりである。このことは, 本勧告が市場において期待され る結果を生んでいるかどうかを評価することに役立つだろう。このさらなる評 企 業 統 治 に 関 す る 二 〇 〇 七 年 欧 州 委 員 会 ス タ ッ フ 報 告 書 (27) しかしながら, このことは, EU の上場会社が年次コーポレート・ガバナンス報告書 を公表することを義務付ける指令 2006 / 46 / EC(2008年9月までに移植される)によって 救済されるだろう。

(13)

価に基づき, 本委員会はこの分野における何らかの追加の措置の必要があるか どうかを判断するだろう。 付表1.コーポレート・ガバナンスの枠組み 翻 訳 表1:コーポレート・ガバナンス・コードの範囲および効果,遵守状況のレビュー コーポレート・ガバナンス・コードの適用状況(2007年2月) 加盟国 CGC CGC の範囲および効果 透明性 遵守状況のレビュー オーストリア 有 強制的遵守または説明: ウィーン証券取引所の第 一部に上場しているオー ストリアの会社 任意的な外部評価:他の 上場会社は CGC 原則に 対する立場を明らかにす ることが求められ,外部 機関によってこれらの原 則の遵守を監督され,公 衆に対しその調査結果を 報告する。 年次報告書における コーポレート・ガバ ナンス報告書 年に一度,強制的 遵守または説明に 従う会社に対して 証券取引所がレビ ューする。 ベルギー 有 勧告的遵守または説明: ベルギーにおいて設立さ れた上場会社。 会社のウェブサイト で公開されるコーポ レート・ガバナンス 宣言 年次報告書のコーポ レート・ガバナンス の章 銀行,金融および 保険委員会 デンマーク 有 強制的遵守または説明: デンマークの上場会社 年次報告書における コーポレート・ガバ ナンス報告書 ― ドイツ 有 強制的遵守または説明: 上場会社 年次報告書および会 社のウェブサイトで の開示 ― エストニア 有 強制的遵守または説明: 上場会社 年次報告書のコーポ レート・ガバナンス の章 証券取引所 ギリシア 有 勧告的遵守または説明: (しかしながら,上場会 社および上場予定の会社 に対してコーポレート・ ガバナンスに関する法的 要請がある。) 内部規則 資本市場委員会 フィンランド 有 強制的遵守または説明: 上場会社 会社のウェブサイト での年次報告書およ びコーポレート・ガ バナンス報告書 証券取引所 フランス 有 勧告的遵守または説明: 上場会社 年次報告書 ―

(14)

企 業 統 治 に 関 す る 二 〇 〇 七 年 欧 州 委 員 会 ス タ ッ フ 報 告 書 ハンガリー 有。 (改 訂中。) 強制的遵守または説明: 上場会社 しかしながら,離脱を説 明する義務は,コーポレ ート・ガバナンス・コー ドに含まれているいくつ かの限られた項目のみに 適用される。 コーポレート・ガバ ナンス報告書 ― イタリア 有 強制的遵守または説明: 上 場 会 社 コ ー ド の 特 定 の 規 定 は MTA, MTAX の STAR 部 門で取引が認められ, かつ STAR 部門に所属し続け る会社に対して,強制的 である。 コーポレート・ガバ ナンスに関する年次 報告書 証券取引所 アイルランド 有 強制的遵守または説明: アイルランドで設立され た上場会社 規定の中には, FTSE350 未満の会社には適用され ないものもある。 年次報告書および計 算書 証券取引所 ラトビア 有。 (改 訂中。) 勧告的遵守または説明: 上場会社 年次のコーポレート ・ガバナンス報告 リトアニア 有 強制的遵守または説明: 上場会社 年次報告書 証券取引所 ルクセンブルク 有 勧告的遵守または説明:上場会社 会社のウェブサイト で公表されるコーポ レート・ガバナンス 宣言および年次報告 書のコーポレート・ ガバナンスの章 証券取引所 マルタ 有 。 ( 上 場規則の 一部であ る。) 強制的遵守または説明: 上場会社 年次報告書 マルタ金融サービ ス庁 オランダ 有 強制的遵守または説明: オランダの上場会社 年次報告書のコーポ レート・ガバナンス の章 コーポレート・ガ バナンス監視委員 会 ポーランド 有 強制的遵守または説明: 上場会社 年次コーポレート・ ガ バ ナ ン ス 報 告 書 (変化に関する即時 の情報) 証券取引所 スウェーデン 有 強制的遵守または説明: 証券取引所に登録されて いるスウェーデンの会社 および同じ取引所で時価 総額30億クローネを超え る他の上場会社 勧告的遵守または説明: 他の会社 年次報告書に添付さ れるコーポレート・ ガバナンス報告。会 社のウェブサイトで の情報 証券取引所 スロベニア 有 強制的遵守または説明: スロベニアの上場会社 勧告的遵守または説明: 他の会社 年次報告書における コーポレート・ガバ ナンス報告書 証券取引所,スロ ベニア経営者協会 およびスロベニア 監査役協会

(15)

付表2.主な原則の履行の評価,評価基準 翻 訳 スロバキア 有。 (改 訂中。) 強制的遵守または説明: 上場会社 年次報告書 証券取引所 イギリス 有 強制的遵守または説明: イギリスの上場会社 年次報告書および計 算書 開示の要請は金融 サービス庁によっ て実施される;財 務報告評議会がコ ード全体の遵守を レビューする。 CGC:コーポレート・ガバナンス・コード 強制的遵守または説明:会社はコードを遵守するかコードからの離脱を説明する義務を負 う。 勧告的遵守または説明:会社はコードを遵守するかコードからの離脱を説明するよう勧告 されている。 表2:CEO と会長職の分離,十分な数の独立取締役,独立性の基準 加盟国 CEO と会長職の分離 十分な数の独立取締役 独立性の基準 支配株主からの独立性 オーストリア (部分的に) 分離してい る。 有 部分的 部分的 ベルギー (部分的に) 分離してい る。 有 有 有 ドイツ 二層制。法律に基づき現 在の職務は分離されてい る。 過去の職務の分離につい ては遵守または説明に基 づき,その理由が株主総 会に提案されなければな らない。 有 無 無 デンマーク 分離している。 有 有 有 エストニア 二層制。現在の職務は分 離されているが,過去の 職務は分離されていない。 有 有 有 ギリシア 分離していない。 有 部分的 有 フィンランド (部分的に)分離してい る。 有 有 有 フランス 分離していない。 有 有 有 ハンガリー 二 層 制 モ デ ル に お い て は,現在の職務は分離さ れているが,一層制モデ ルにおいては,分離して いない。 有 有 有 アイルランド 分離している。 有 有 有

(16)

企 業 統 治 に 関 す る 二 〇 〇 七 年 欧 州 委 員 会 ス タ ッ フ 報 告 書 イタリア 分離している。 有 有 有 オランダ (部分的に)分離してい る。 有 有 有 マルタ (部分的に)分離してい る。 有 部分的 有 ラトビア 分離していない。 有 有 有 リトアニア 分離している。 有 有 有 ルクセンブルク (部分的に)分離してい る。 有 有 有 ポーランド 二層制。現在の職務は分 離されているが,過去の 職務は分離されていない。 有 有 有 スロバキア 二層制。現在の職務は分 離されているが,過去の 職務は分離されていない。 有 無 有 スロベニア 分離している。 有 有 有 スウェーデン (部分的に)分離してい る。 有 有 有 イギリス 分離している。 有 有 有 評価基準 取締役会(監査役会)会長と CEO の職務の分離 分離している:現在および/または過去の CEO と会長職の職務の分離が『遵守または説 明』に基づいて要求され,2つの職務が結合している場合には,保護措置に基づき開示が 求められている。 (部分的に)分離している:分離は求められているが,追加の保護措置の開示は求められ ていない。 分離していない:分離が求められていないか,または透明性に基づく勧告がない。 独立性の基準 有:当勧告のすべてまたはほとんどすべての要件が存在している。 部分的:支配株主からの独立性の基準または本勧告において言及されている2つ以上の他 の独立性の基準が欠けている。 無:詳細な独立性の基準がない。 表3:委員会 加盟国 委員会の存在 委員会における独 立取締役の存在 委員会の役割 オーストリア 有 部分的(監査委員会, 報酬委員会,指名委員 会) 部分的(監査委員会, 報酬委員会) ベルギー 有 有 有

(17)

翻 訳 ドイツ 部分的(指名 委員会,報酬 委員会) 無 部分的(指名委員会, 報酬委員会) デンマーク 有 有 有 エストニア 無 無 無 ギリシア 部分的(指名 委員会,報酬 委員会) 無(監査委員会,報酬 委員会,指名委員会) 無 フィンランド 有 無(指名委員会,報酬 委員会) 有 フランス 有 有 有 ハンガリー 部分的(指名 委員会,報酬 委員会) 無(指名委員会,報酬 委員会) 部分的(指名委員会, 報酬委員会) アイルランド 有 有 有 イタリア 有 有 有 オランダ 有 有 有 マルタ 部分的(指名 委員会) 無(指名委員会) 部分的(指名委員会) ラトビア 有 無(監査委員会,報酬 委員会,指名委員会) 無 リトアニア 有 有 有 ルクセンブルク 有 部分的 (監査委員会, 報酬委員会,指名委員 会) 部分的(報酬委員会) ポーランド 部分的(指名 委員会) 無(指名委員会,報酬 委員会),部分的 (監 査委員会) 無 スロベニア 有 有 有 スロバキア 有 有 無 スウェーデン 有 有 有 イギリス 有 有 有 評価基準: 取締役会(監査役会)委員会の存在 有:すべての委員会が存在している。 部分的:少なくとも一つの委員会が欠けている。当該委員会はかっこ書き されている。 無:一つの委員会も勧告されていない。 委員会における独立取締役の存在 有:委員会における独立取締役の存在および数に関する本勧告のすべての 要件が充たされている。 部分的:存在の要件は充たされているが, 独立取締役の数に関する要件は

(18)

企 業 統 治 に 関 す る 二 〇 〇 七 年 欧 州 委 員 会 ス タ ッ フ 報 告 書 充たされていない。 無:すべての委員会において,独立取締役の存在の要件が充たされていな い。 委員会の役割 有:委員会のすべての重要な機能が存在している。 部分的:一つまたは複数の重要な機能が欠けている。その機能を果たす委 員会はかっこ書きされている。 無:委員会の機能についてのいかなる勧告もない。 重要な機能とは以下のとおりに定義される:指名委員会:取締役会の空 席を満たすための候補者の推薦;報酬委員会:a)業務執行取締役または 取締役員に属すべき個々の報酬に関する提案をなすこと,b)ストック・オ プションおよび他の株式に基づくインセンティヴの付与に関する提案をな すこと;監査委員会:a)会社によって提供された財務情報の誠実さを監 督すること,b)内部統制および危機管理のレビュー,c)外部会計監査人の 選任および指名のための推薦 表4:透明性およびプロフィール 加盟国 独立取締役の透明性 プロフィール 資格 兼任 オーストリア 有 有 有 ベルギー 有 有 部分的 ドイツ 無 有 部分的 デンマーク 有 有 有 エストニア 無 部分的 部分的 ギリシア 無 無 無 フィンランド 有 有 有 フランス 有 部分的 有 ハンガリー 無 無 無 アイルランド 有 有 部分的 イタリア 有 有 有 オランダ 有 有 有 マルタ 無* 部分的 部分的 ラトビア 有 部分的 有 リトアニア 有 有 有 ルクセンブルク 有 部分的 有 ポーランド 無 有 無 スロベニア 有 有 有 スロバキア 無 部分的 無

(19)

翻 訳 スウェーデン 有 部分的 有 イギリス 有 有 部分的 * コードの規定はないが,多くの上場会社はどの非業務執行取締役 が独立しているものとみなされるのかを示している。 評価基準: 独立取締役の透明性 有:独立した取締役会構成員に関する開示が求められている。 無:独立した取締会構成員に関する開示が求められていない。 資格 2つの勧告を遵守することがこの点において評価される。:a)取締 役会 (監査役会)が適切にその職務を果たすために求められる多様 な知識,意見および経験を有する構成員で構成されるべきである, b)監査委員会の構成員は財務および監査に関する経歴を有すべき である。 有:両方のルールを遵守している。 部分的:上記の要件のうちの一つが欠けている。 無:これらの原則がまったく満たされていない。 兼任 2つの勧告を遵守することがこの点において評価される。:a)各取 締役はその他の職業上の兼任を制限することを約束すべきである。 b)取締役会はそのような兼任に関するデータを集積し,この情報を 公開すべきである。 有:両方のルールを遵守している。 部分的:上記の要件のうちの一つが欠けている。 無:これらの原則がまったく満たされていない。 [付記] EU では, 欧州委員会が, 2001年9月4日に, Jaap Winter を座長とする「会社法上 級専門家グループ (The High Level Group of Company Law Experts)」を設置した。同グ ループは, 2002年11月4日,「欧州における会社法のための現代的な規制枠組 (A modern regulatory framework for company law in Europe)」 と題する最終報告書を欧州委員会に提 出した。同報告書を受け, 欧州委員会は, 2003年5月21日に EU 理事会および欧州議会に 対する報告書である「EUにおける会社法の現代化とコーポレート・ガバナンスに関する 行動計画 (Modernising Company Law and Enhancing Corporate Governance in the European Union−A plan to Move Forward (COM (2001) 284 final.))」を公表した(同行動計画につ いては, 上田廣美「EU における会社法の現代化」櫻井雅夫先生古希記念論集『国際経済 法と地域協力』(信山社, 2004年), 高橋英治=山口幸代「欧州におけるコーポレート・ガ バナンスの将来像」商事1697号(2004年)101頁以下, 菊田秀雄「EU における「会社法 の現代化」(1) EU 委員会の行動計画を中心に (1)・(2・完)」法研論集(早稲田 大学大学院)110号(2004年)378頁以下および111号(2004年)478頁以下, クラウス・J・ ホプト(釜田薫子訳)「コーポレート・ガバナンスの基本問題 EU の行く手にあるも のは何か 」商事1710号(2004年)15頁以下, ジャクリーン・マクレナン(三浦哲男訳) 「EU におけるコーポレート・ガバナンスの新しい動き(1)・(2)」際商32巻9号(2004年) 1157頁以下および10号(2004年)1355頁以下, 神作裕之「EU 法から見た新会社法」法時 78巻5号(2006年)52頁以下, 関孝哉 「欧州委員会によるコーポレート・ガバナンスの取

(20)

企 業 統 治 に 関 す る 二 〇 〇 七 年 欧 州 委 員 会 ス タ ッ フ 報 告 書 り組み(上)」 監査545号 (2008年) 46頁以下,「海外情報 EU における会社法の現代化 のためのアクション・プログラム 」商事1668号(2003年)36頁以下。また, 行動計画 の翻訳として, 上田廣美訳「「EU における会社法の現代化と企業統治 (governement d’en treprise) の強化」に関する欧州委員会報告書」亜法38巻2号(2004年)75 頁以下)。行動 計画に沿って, 欧州委員会は, 2005年2月15日に「上場会社の非業務執行取締役または監 査役員の役割および取締役会(監査役会)委員会に関する2005年2月15日の委員会勧告 (Commission Recommendation of 15 February 2005 on the role of non-executive or supervi-sory directors of listed companies and on the committees of the (supervisupervi-sory) board(2005 / 162 / EC)」を公表した(同勧告については, 正井章筰「EU のコーポレート・ガバナンス 最近の動向 」早法81巻4号(2006年)131頁以下, 166183頁, 関孝哉 「欧州委員 会によるコーポレート・ガバナンスの取り組み(下)」 監査546号 (2008年) 62頁以下,海道 ノブチカ「EU におけるコーポレート・ガバナンス改革」 EU 拡大で変わる市場と企業』 (日本評論社, 2008年)95頁以下, 106107頁。)。 本稿は, 2007年7月13日に, 欧州委員会スタッフがEU加盟各国における同勧告の履行 状況をまとめた報告書 “Report on the application by the Member States of the EU of the Commission Recommendation on the role of non-executive or supervisory directors of listed companies and on the committees of the (supervisory) board (SEC (2007) 1021)” の翻訳 である。なお, “supervisory board” とは, 二層制の会社における監督機関を指し, 「監査 役会」 と訳す。 “supervisory director” とは, 監査役会の構成員を指し, 「監査役員」 と訳 す。 また, “managing director” とは, 二層制の会社における業務執行機関の構成員を指し, 「取締役員」 と訳す。 これらの訳語は, 正井・前掲論文169頁による。

参照

関連したドキュメント

欧州委員会は再生可能エネルギーの促進により 2030

ひかりTV会員 提携 ISP が自社のインターネット接続サービス の会員に対して提供する本サービスを含めたひ

最後に要望ですが、A 会員と B 会員は基本的にニーズが違うと思います。特に B 会 員は学童クラブと言われているところだと思うので、時間は

広域機関の広域系統整備委員会では、ノンファーム適用系統における空容量

「地方債に関する調査研究委員会」報告書の概要(昭和54年度~平成20年度) NO.1 調査研究項目委員長名要

であり、最終的にどのような被害に繋がるか(どのようなウイルスに追加で感染させられる

断するだけではなく︑遺言者の真意を探求すべきものであ

二月八日に運営委員会と人権小委員会の会合にかけられたが︑両者の間に基本的な見解の対立がある