教育における美の研究-J.ラカンの精神分析理論を手がかりとして-
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(2) [財]を越え、苦痛に1陥り、羨望に導かれ、<死の欲. 原初に、自我が生成した偏呈と同じ過程をたどり、. 動〉へ向かうとき、自我は緩和され、自我の目も緩. 自我の存在と、欲望と、自我の目と、知性が創造さ. 和される。そのとき、〈もの>に見られている眼差. れることになる。この過程が、美術による昇華とし. し[視線コは顕現する。そして、欲動は対象aの一. ての創造である。そして、美術の機能とは、一つめ. つである眼差し[視線コを捉えて動転し、欲望は、. は、人間の決して向かってはならない〈死の欲動>. その原因を失うことになる。これが美による昇華で. を制止することであり、二つめは、自我が生成した. ある。そして、自我は<死の欲動>へ向かうことは. ときの原初の姿の再生と、原初の減退のない人間の. できなくなる。次に、欲望は反転し、〈もの>から. カの再生であり、三つめは、作品という意味の創造. の眼差し[視線]への応答として、<もの>を覆う. である。. イマージュとして、意味として対象を創造すること になる。このとき、「無からの創造の意志、再出発の. 1V.結語. 意志」として、意味を生成し、欲望を生成し、知を. 美術教育は、美術の核心である美(的経験)から. 生成し、私の存在の創造が行われる。これが美によ. 捉えられるべきであるとして、ラカンの精神分析理. る創造である。. 論による美と美術の考察を行った。この美と美術の. 図① く死の欲か。。山・;{d;㎜・・〕と央t』6・皿1. 機能とは、人間の存在の根源に関わり、人間の生と. 團E垂田. 匿ヨ 墜聾舳. 死に関わっている。また、ラカンによる美と美術の 機能の考察は、r人は美をいつ、どのように理解した. @’ut祀 ●・一・ ・ 』藺11.In−1田虫水. のか」、という間いに答えるものであり、美(的経験). 誰さ鵜鎧1 ㍑出一仙ω 〃. めに必要なのか」という問いに答えるものであった。. 確認‘” 7 〃. #’フ岬”」, ! ‘1山O㎜ {o吐11棚.蜆帖・ .皿Io・■・皿. この美と美術の理論は、美術教育の理論に基礎・基. 貨日 ・血叩1川・1“. i肥■肋凹工一〕. 盤を与えるものであると考える。. 〃. 一帖’1’瞭副. 一里山。^苫}山一. 肪’、肥功尚硅, 10一●皿イ”’リ』. とは「何であり」、「何のためにあるのか」、「何のた. 現在の日本の美術教育において美と美術の機能は. 吐㎜凹 苗岨 型 剖血。品舳一. 隻 X. 充分に発揮されているとは言い難い。美と美術の機. 快’; 出続. ”hol●,.皿世 昇雌として. 能はいかにして、教育と折り合いを付けられるのだ ろうか。欲望の世界と、要求の世界ξこまたがる美や. 鶉舳X鋤嚇.鮎m. 一口I1町ω叩h岨山 “‘皿倣黎 映推服咄』. 回 匡函田 匝. 図. 美術は、誰かの欲望としての教育の領野を越えてい るのではないか。また、現在の教育の多くの問題点 の一つは、この美や美術と、教育の次元の違いによ って教育が美や美術を内包できないことにあるので はないか。しかし、この矛盾こそが、これからの教. 第三章では、美術の考察を行った。美の機能と同. 育を考えるときの着眼点であるとも考えられる。つ. 様の機能を持つ美術(絵画)の機能は、祝の羨望と、. まり、真の美や美術の機能を内包する教育とは、ど. 祝の欲動に導かれ、タッチという身振りを介して、. のような教育になるのか。また、教育が美や美術の. 自我と自我の目の機能を緩和させる。そのとき、対. 機能を内包できないのならば、教育を、美や美術の. 象aとしての眼差し[視線]は現れ、自我の欲動は. 機能から捉えることはできないだろうか。現在の日. 動転し、自我の欲望は原因を失い、反転する。この. 本の教育を根源から考えるとき、美や美術と、教育. とき、対象は、まず、意味を無効にされた<もの>. の関係を考えていくことが重要な課題になるのでは. となり、その<もの>への応答として、意味として. ないかと考える。. の作品を創造することになる。また、自我の目の視. 主任指導教員 杉尾 宏. 覚においても無くなりはしない眼差し[視線]は、. 指導教員大関達也. どんなものからでもやって来るため、絵は、どんな 対象でも美にすることができる。この美術の行程は、. 一33一.
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