• 検索結果がありません。

「特別支援教育」の授業に関する実践的研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "「特別支援教育」の授業に関する実践的研究"

Copied!
17
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)Title. 「特別支援教育」の授業に関する実践的研究. Author(s). 若菜, 順; 後藤, 守; 加藤, 敏之; 奥山, 洌. Citation. 釧路論集 : 北海道教育大学釧路校研究紀要, 第37号: 7-22. Issue Date. 2005-10. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/1363. Rights. 本文ファイルはNIIから提供されたものである。. Hokkaido University of Education.

(2) 釧路論集一北海道教育大学釧路校研究紀要一第37号(平成17年) KushiroRonshu,−JournalofHokkaidoUniversityofEducationat Kushiro−No.37(2005):7−22.. 「特別支援教育」の授業に関する実践的研究 若 菜 順1・後 藤 守2・加 藤 敏 之3・奥 山 例3 1帯広市公立校スクールカウンセラー 2北海道教育大学札幌校. 3北海道教育大学釧路校. Practicalstudy ofteaching“specialsupport education” 1Jun WAKANA,2Mamoru GOTO,3ToshiyukiKATO,3KiyoshiOKUYAMA. SchooIcounselorofCompalsoryEducation,ObihiroI Hokkaido University ofEducation,Sapporo Campas2 Hokkaido UniversityofEducation,Kushiro Campas3. 要 旨. 軽度発達障害を持つ子どもをも対象とした特別支援教育の体制が整備されつつある。しかし軽度発達障害、 あるいは特別支援教育についての一般の理解は十分ではない。そこでわれわれは個別の障害についての説明、 軽度発達障害という概念の説明、および特別支援教育という体制についての説明からなる教材を準備し、こ れを用いて教育大学の学生に対する実験的な授業を行った。そしてその前後に、学習障害(LD)、注意欠陥/ 多動性障害(ADHD)、高機能自閉症、アスペルガー症候群、特別支援教育コーディネーター、および個別の 教育支援計画という6個のキーワードに対する認知、ならびに関心の程度を測定した。その結果、授業後の 認知、ならびに関心の程度は、授業前のそれらを比べて肯定的に変化したことが確認された。別に実施した 現職教員に対する質問紙調査の結果と比べると、授業前の学生は全般的に認知や関心の程度で教員より劣っ ていたが、授業後はいくつかの項目で教員を凌駕するまでに至った。 自由記述を分析した結果、特別な支援を必要とする子どもと触れ合う経験が、認知や関心の内容に影響す ることが示唆された。. 2)事前ならびに事後の学生の結果を、別に実施する現職 教員の軽度発達障害、特別支援教育に関する認知、なら びに関心の程度の調査結果と比較し、実験授業による量 的効果を確認する。. はじめに. 特殊教育から特別支援教育への転換がうたわれ、LD、ADHD、 高機能自閉症等の通常学級に在籍する軽度発達障害を持つ. 子どもに対して、特別な教育的支援を積極的に行う体制が 整備されようとしている。教育大学においても事態の進行 に対応した準備を急がなければならない。 本研究は、北海道教育大学釧路校の学生に対して軽度発 達障害、ならびに特別支援教育についての実験授業を試み、. 3)学生に対して事後に行う質問紙調査の自由記述を分析. し、実験授業の質的効果を確認する。 方 法. かを見ようとするものである。 本研究の具体的な目的は以下のとおりである。. 対象者 北海道教育大学釧路校の1年生56名(うち男子26 名)、2年生以上36名(うち男子12名)、計92名(うち男子 38名)の学生を実験授業の被験者、ならびに質問紙調査の 対象者とした。また釧路管内の小学校で学級を担任してい. 1)実験授業前(以下事前)と実験授業後(以下事後)の. る教員110名(うち釧路市内39名)を質問紙調査の対象者と. 授業により学生の認知と関心の程度がどのように変化する. 学生の軽度発達障害、特別支援教育に関する認知、なら びに関心の程度を比較し、実験授業による量的効果を確. 路市内330名)に郵送した質問紙への回答者であった(回収. 認する。. 率17.4%)。. した。これらの教員は釧路管内の小学校教員633名(うち釧. ー7−.

(3) 若菜 順 他. 質問紙 学生に対する質問紙は、(1)特別な支援を必要とす る子どもに出会った経験を訊く部分、(2)認知の程度を訊く. た。③はその障害を持つ子どもの母親の手記という体裁を とり、特徴的な行動と社会的適応の困難さが描写された。. 部分、(3)関心の程度を訊く部分、および(4)自由記述からなっ. ④はその障害を持つ子どもが学校入学以来示した特徴的な. ていた。(1)では、今までかかわりを持った子どもの中で知. 行動と、特別支援教育の先取りという形で養護学校におい. 的な遅れはないものの、学習面で特別な支援が必要な子ど. て指導を受ける経過が紹介された。ここでは特認校制度(通. も(以下要学習支援児童)、行動面で特別な支援が必要な子 ども(以下要行動支援児童)、および学習面と行動面で特別. 学区域外の学校にも通学を可能とする制度)の説明も行っ. な支援が必要な子ども(以下要学習・行動支援児童)の存. という概念を改めて定義した。そして一自治体を例として. た。(2)では(1)で述べた個別の障害を全て含む軽度発達障害. 否を訊いた。またそれぞれについてそのような子どもとの. この障害を持つ子どもの公認された数と推定される数の大. かかわりの場面が、家族・親戚、ボランティア、家庭教師、 教育実習、およびその他のいずれであるかを訊いた。なお、. きな違いに触れ、軽度であること自体の困難さ、保護者に 転嫁されがちな責任、周囲の理解不ノ引こよる二次障害の可. 学習面での特別な支援については「『聞く』『話す』『読む』. 能性などの問題点を説明した。(3)では従来の特殊教育と特. 『書く』『計算する』『推論する』の一つあるいは複数に関. 別支援教育の違いを述べ、個別の教育支援計画と特別支援. わる特別な支援のこと」、行動面の支援については「『注意 を集中すること』、『じっとしていること』、あるいは『対人. 教育コーディネーターという二つのキー概念を説明した。. 関係やこだわり等』の一つか複数に関わる特別な支援のこ. を背景とした国レベルの対応の現状と今後の見通し、北海. と」という文言をそれぞれ補足した。(2)では、学習障害(LD)、 注意欠陥/多動性障害(ADHD)、高機能自閉症、アスペル ガー症候群、特別支援教育コーディネーター、および個別. 道における対応の現状と今後の見通しを述べた。最後に(1). の教育支援計画という6個のキーワードのそれぞれについ. 状に触れ、具体的な対応が早期に必要であることを述べて. ついで支援を必要とする子どもの増大と多様化ということ. の④で紹介した特認校に再び戻り、少人数の普通学級にき わめて高い比率で軽度発達障害を持つ子どもが在籍する現. 一て、「そのことばと内容を知っている」、「そのことばを聞い. 終わった。. たことはある」、および「無記入」のいずれかの選択を求め. 授業は執筆者のうちの1名が担当する一般学生向け講義. の中で行った。開始から終了までの時間はおよそ60分であっ. た。(3)では同じく6個のキーワードのそれぞれについて、「か なり関心がある」、「まあまあ関心がある」、および「無記入」. た。学生個々人にあらかじめ配布した資料(別表参照)を. のいずれかの選択を求めた。(4)では「特別支援教育、軽度. 読み上げる形で基本的に行ったので、部分ごとの所要時間. 発達障害(LD、ADHD、高機能自閉症など)などについて. はそれぞれの資料の長さにほぼ比例しており、(1)の個別の. 感じたことや考えたことがありましたら教えてください」. 障害の説明には38分、(2)の軽度発達障害の説明には7分、(3. という教示のもとで記述を求めた。. の)特別支援教育の説明には15分を費やした。. 教員に対する質問紙では、(1)の部分の「今までかかわり. なお、資料の読み上捌こ際しては原文の「である」調を. を持った子どもの中」という表現を「現在担任している学. 「です・ます」調に変えた。また(1)の(9の具体例に「トム・. 級の中」に変え、「子ども」を「児童生徒」に変えた以外は. クルーズやロビン・ウィリアムズもそうだと言われていま. 学生に対するものと同じであった。. す」という趣旨の文言を補足した。. 実験授業 学生に対する実験授業ははじめに具体的な障害. を紹介し、ついでそれらに対して従来とは異なる対応が必. 手続き 学生に対しては、実験授業開始前の10分間に質問 紙の(1)特別な支援を必要とする子どもに出会った経験、(2). 要であることを述べ、最後に具体的な施策を説明するとい. 認知の程度、(3)関心の程度、および(くり自由記述についての. う展開を意図した。具体的には(1)個別の障害についての説 明、(2)軽度発達障害という概念の説明、および(3)特別支援 教育という体制の説明の3部から構成した。(1)では、(彰学 習障害(LD)、②注意欠陥/多動性障害(ADHD)、③高機 能自閉症、および④アスペルガー症候群の4種類の障害に. 回答を求めた。続いて60分の実験授業を行い、終了後の10 分間に質問紙の(2)(3)(4)についての回答を求めた。 教員に対しては、学生に用いたものの一部を改変した質 問紙を用いた調査を1回だけ行った。. ついて説明したが、いずれもはじめに障害の定義を述べ、. 実施時期 学生に対する実験授業、ならびに.質問紙調査は. 次に具体例1例を描写し、最後に数項目からなる状態像を 列記する点で同一の形式であった。(∋の具体例はその障害 (読字障害)を持つ養護学校教諭が、自身の障害にともな う特異な体験を内省する一人称の手記という体裁であった。. 2003年12月18日に行った。教員に対する質問紙調査は2003 年9月10日に調査用紙を発送し10月10日までに回収した。. ②の具体例はその障害を持つ子どもが小学校入学以来示し. 別な支援を必要とする子どもに出会った経験を訊く部分に. た特徴的な行動と、持続的な指導による肯定的な変化を描. ついては、かかわる場面(家族・親戚、ボランティアなど). 写したものであった。ここでは薬物治療の功罪も示唆され. の分析を省略した。(2)認知の程度については、「そのことば. データの処理 学生から侍られた結果のうち、事前の(1)特. −8−.

(4) 「特別支援教育」の授業に関する実践的研究. と内容を知っている」に2点、「そのことばを聞いたことは. 名(31.8%)、要学習支援児童と要学習・行動支援児童のい. ある」に1点、「無記入」に0点を与えて処理した。(3)関心. あ関心がある」に1点、「無記入」に0点を与えて処理した。. ずれもいる者は23名(20.9%)、要行動支援児童と要学習・ 行動支援児童のいずれもいる者は23名(20.9%)だった。 3者のいずれもいる者は23名(20.9%)、3者のいずれもい. 事前の(4)自由記述の分析はここでの報告を省略する。. ない者は47名(42.7%)だった。. の程度については、「かなり関心がある」に2点、「まあま. 事後の(2)認知の程度、(3)関心の程度については事前と同. 認知、および関心の程度についての事前と事後の比較. じ配点をし、処理した。事後の(4)自由記述については、KJ 法による分類を行った。. 授業による認知の程度の変化を見るために学生の事前と. 事後の平均値を比較した(表1のBとC)。その結果、学習障 害(LD)(t(91)=5.58,p<.01)、注意欠陥/多動性障害(ADHD) (t(91)=4.33,p<.01)、高機能自閉症(t(91)=9.92,p<.01)、 アスペルガー症候群(t(91)=8.08,pく.01)、特別支援教育. 教員から待られた結果のうち、自由記述についての分析 はここでの報告を省略する。(2)認知の程度、(3)関心の程度 については学生と同じ配点をし、処理した。. コーディネーター(t(91)=11.6,pく.01)、個別の教育支援. 結 果. 計画(t(91)=11.3,pく.01)の全てにおいて有意差が見ら れ、いずれも事前より事後の値が高かった。 次に、授業による関心の程度の変化を見るために事前と 事後の平均値を比較した(表2のBとC)。その結果、学習障 害(LD)(t(91)=4.81,p<.01)、注意欠陥/多動性障害(ADHD) (t(91)=3.01,p<.01)、高機能自閉症(t(91)=4.46,p<.01)、 アスペルガー症候群(t(91)=4.66,pく.01)、特別支援教育 コーディネーター(t(91)=5.07,pく.01)、個別の教育支援 計画(t(91)=4.46,pく.01)の全てにおいて有意差が見ら れ、いずれも事前より事後の値が高かった。. 該当する児童との遭遇. 学生の場合、要学習支援児童に出会った者は35名(38.0%)、 要行動支援児童に出会った者は42名(45.7%)、要学習・行 動支援児童に出会った者は26名(28.3%)だった。また要 学習支援児童と要行動支援児童のいずれにも出会った者は. 28名(30.4%)、要学習支援児童と要学習・行動支援児童の いずれにも出会った者は24名(26.1%)、要行動支援児童と 要学習・行動支援児童のいずれにも出会った者は25名(27.2%) だった。3者のいずれにも出会った者は24名(26.1%)、3 者のいずれにも出会わなかった者は42名(45.7%)だった。 なお、この後行う自由記述の分析では、3者のいずれに も出会わなかった者42名を未経験者、それ以外の者50名を 経験者とした。 教員の場合、現在の学級に要学習支援児童のいる者は55 名(50.0%)、要行動支援児童のいる者は42名(38.2%)、要 学習・行動支援児童のいる者は23名(20.9%)だった。ま. したがって授業を受けることにより、学生の認知と関心. の程度は、すべての項目について肯定的に変化したという ことができる。. 教員と比較した学生の認知. 学生の認知の程度を教員と比較した。事前の認知(表1 のAとB)についての分散分析では交互作用が有意であった. (F(5,1000)=3.15、pく.05)。そこで各水準ごとに単純効. た要学習支援児童と要行動支援児童のいずれもいる者は35 表1認知の程度 平均(標準偏差) (心. 侶). 教員. (C). 学生(事後). 学生(事前). n=110. 11=92. 検定結果 洋間の比較). ① 学習障害(LD). 1.77わ.4亜. 1.40わ.51). 1.72め.5㊥ A>B柚. B<C油. ② 注意欠陥/多勤性障害(ADHD). 1.75わ.47). 1.41(0.57). 1.72わ.54) A>B☆★. B<C柚. ③ 高機能自閉症. 1.02め.77) 0.70め.66). 1.57(0.65) A>B** A<C** B<C☆☆. ④ アスペルガー症候群. 0.84め.7㊥ 0.79(0.62). 1.46仙65). ⑤ 特別支援教育コーディネーター. 0.44わ.61) 0.15の.3Q. 1.17わ.75) A>B** A<C** B<C**. 信)個別の教育支援計画. O.55(b.6由. 1.16ぬ.74) A>B** A<C** B<C**. 検定結果(項目間の比較)教員. 0.18め.4カ. A<C抽 B<C☆☆. :(王)9>③甜、③>脚、④>⑤⑤☆ 学生(事前):①②>③甜、③④>(訣萱)☆ 牛J卜一息後):(丁魚ヽ・焉璃56 仔汀)ニ>信一●わ)☆. 注1:☆p<.肪、柚1−<.0]. 注2:「そのことばと内容を知っている」に2点、「そのことばを聞いたことがある」に1点を与え、無記入は0点と した。. 一9一.

(5) 若菜 順 他. 2 関心の程度 平均(標準偏差) 仏). 杷). 但). 学生(事前) 学生(事後). 教員 1ュ=110. 検定結果 (群間の比較). 】ュ=92. ① 学習障害(LD). 1.60わ.54). 1.15わ.62). 1.51め.62). A>B柚. ② 注意欠陥/多動性障害(ADHD). 1.62わ.54) 1.03め.78). 1.20(0.65) 1.03め.68) 0.92わ.7亜. 1.41め.63) 1.38わ.67). A>B** A>C* B<C**. 1.30わ.6¢ 1.16α袖 1.20ぬ.76). A<C柚 B<C☆☆. ③ 高機能自閉症. ④ アスペルガー症候群 ⑤ 特別支援教育コーディネーター の 個別の教育書揺計画 検定結果(項目間の比較) 教員. 0β1わ.77) 0.77わ.76) 0.85(b.75). 0.78わ.72) 0.85わ.7白). B<C柚. A<C柚 B<C抽. A<C抽 B<C抽 A<C柚■ B<C柚. :(王X∋>③喀喧堰)☆、③>⑤餅 学生(事前):②>③盲信堰)、①>④⑤⑥☆、③>①◎☆. 学生(事後)∵の>叡舗☆、馴⑥☆、命>⑤☆ 注1:旬<.肪、衷旬<.01. 注2:「かなり関心がある」に2点、「まあまあ関心がある」に1点を与え、無記入は0点とした。. 表:ミ・1 自由記述の分類一自己の認識についての内省− _. 知らないことへの反省(5人)今まで軽度発達障害の子どもというのに出合ったことがないと思う。でも、今日の講義を聞い て、もしかしたら自分が気づかないうちに、そういった子供たちに出会っていたのかもしれないと思った(No.3)。 自分だ ったら、ADHDの子供のことを、ただ騒がしい子だと思って、ADHDであるということに気づかないかもしれないと思っ た 仇あ.飢 知識としては理解できたが、実際に現場に立ったときにそれに気づいてあげたり理解してあげられるか淀酒己だ (No.20)。 意味や障害の内容等分からなかったことが多く、言葉も聞いたことがあるという状況だったので、今回の講義 はとてもためになりました伽現 今までは障害名は聞いたことがあったが、その障害がどのようなものなの錮焉草しく. 知らなかった』陥成説. 経験の想起(10人)私が′」、学生のクラスメイトにADHDの子がいた。私はその子は頭がよいのになぜこんなに落ち着きがな いんだろうと不思議に思っていたが、今日の授業で解決された気がする 仇ら.銑 話を聞いてみるともしかしたら小中学校. の友達にもそういった人がいたかもしれないと思えた。しかしそれに対しちやんとした対応ができていなかったように思える [No.37]。高機能自閉症のプリントの例の子とほとんど同じ子が小中学校にいたのを思い出しました他1紗。キャンプ の引率をしたのですが、私のグループにADHDと思われる児童がいた(胞J彷)。小学校や中学校で、LDやADHDの人 たちがいたが、少しいじめられているぽかった他フ砂。私の友達にも、もしかしたら軽度発達障害だったかも‥・と思 う子がいます。(思い出しました)その子は教室で授業を受けられないし、三封ま焼けるし…つて思われて、友達が少なかった ですもでも今思えばその子は障害を持っていたのではないかと思われますも私はひどいことをしてしまったと反省したJ私刀ノ。. よくよく考えてみれば、私が小学生のころクラスにこういう子がいたなあと思い出す肌0.叫)。 自分が今までにLDの人た ちに会った∠胞戚貌 自分の考えとあわないと怒り出すや、興味を持ったことについてとことん追及するといった児童は自 分の周りにいたような気がした。そのころは自分も子どもだったということもあり、そういう性格の人だと思っていたが、大 学において軽度発達障害について学び、本当に障害であるのかわからないものだと思ったノ九b.成規 説明を聞いてみると、 私の親のいとこが、失書症(?)(文字の形がうまく認識できず、逆に書いたりする、といっていました)だと言っていた(No.92)。. 自己への適用(3人)自分にも当てはまるところがないかと話を聞いてしまった(No.49)。 症例を見ていて、「もしかした ら私もそうじやないかしら」と不安になった部分があった。特別なことではなく、どこにでもありえるものだとわかり、この. 間題の大きさを思い知った感じがした肌0.81)。自分にも当てはまるものが多いと思われ、ちょっと複雑な感じだ/入ら.β現 計18人:うち男子6人、2年生以上9人、紐験者11人 注:文末の番号は被験者番号で、[]は男子、太割ま2年生以上、斜体は経験者を表わすも. −10−.

(6) 「特別支援教育」の授業に関する実践的研究. 奉. 一般的な理解や関心短.り 内容が理解しやすかった/弛.之た 視野が広く話を聞けたと思う。またレジュメもわかりやす く、よいものだった[No.釦。今日の講義で、さわりだけでも理解できた気がする 仇あ.見れ 今回こういった講義を受け. て以前までにあった不安が一掃されたわけではないが、軽減または解消法を知ることができとても有意義なものになった. [No.28]。 今回の授業でまた、関心がもてるようになりました伽.封ヱ ある程度はあるが、知識を得られたし、説明 するくらいできるようになった[No.55]。 障害を持った人たちは意外に多いのだなと思った 他御。 親は、少人数の. 学校へ行かすことで何を求めているのだろうと思った飽.占砂。少し理解したことによって興味の幅が広まった/入あ.β鋭 症例についての理解や関心度3人) あの有名なトム・クルーズがLDだとは、とても驚いた 仇あ.飢 この講義を受け、 LD、ADHD以外の軽度発達障害について知ることができた。特に高機能自閉症には興味を持った鎚.7k アスペルガ ー症候群などの言葉を初めて聞いた。説明がわかりやすく、理解することができた(No.12)。 「軽度発達障害」とされる ものはかなり特殊でかかわることは極めて稀であると考えていたが、ごく身近に存在する事柄であると知ったことは大きな収 穫だと思う[恥,19]。 今回の講義で、発達障害のことについて詳しく知ることができよかった(No.20)。 LDやADH Dなどの障害を持っている子どもがこんなに学校の中にいるとは思わなかった/入あ.β現 今回お話を聞いて、いろいろな. 障害についてはまあまあ理解できた[No.33]。 詳しい説明のおかげで、LD、ADHDをはじめ他の障害のこともよくわ かった[No.錮]。 具体例があることで理解しやすかった。ただLDなど症状にいろいろな種類があるのであれば、もうい くつか例を教えてほしかった[No.37]。 障害の事例などがあり、わかりやすかった 仇あ.劇。 高機能自閉症がどんなも のなのか知らなかったが、今日知ることができた 仇あ.亜払 今まであいまいな知識しかなかったが、具体例などを交えた 説明でとても理解しやすかった。LDのところの「文字が読めない」など、普段普通に行えていることができないのだとわか. った 仇ら.劇。 今日の講義を聞いて、障害の定義を知ることができた。さまざまな事例を読んで、こんなケースもあるの かと驚いた 仇b.4釘。 一応それぞれが、どんなものなのかは、紙の上ではわかったが、実際接してみないと意味ないと思 った即0.欝]。学習障害のことが多少なりともよくわかったように思う 即0.糾)。 LDの人にとって文字を読み、意味を 理解することがこんなにも大変なことだったなんて知らなかった 飽.甥ノ。 LDが、トム・クルーズやロビン・ウィリアム ズなどぜんぜんいわれないと判らないような人たちが持っていて、そのような人たちが大勢いるというのに驚いた[lh印]。. この講義を受ける前は、周りの環境や親の対応によって軽度発達障害が出てくると思っていたけれども要因はそれだけではな いということをはじめて知った(胞J砂。軽度発達障害がどのような状態なのかよくわかった.J胞j砂。 障害があること がわかりにくいが、実は障害があるという子が多くいるのがわかった。軽度発適障害児を見つけるためには何かテストなどが. 必要なのでしょうか7(恥.抑)。 大変勉強になりました。−一つ一一っの;軌、、特徴、対応策、現状等がはっきりしていてわか りやすかったですβ陥砂。 私の知らない障害もあり、勉強になった(No.86)。 LD、ADHD以外は、言葉すら知ら なかったが、今回の説明を聞き理解した。その中でも高機能自閉症について興味を持った/入あ.戌娩 支援体制についての理解や関心(13人)今、学校現場で軽度発達障害が問題となっていて、特別支援教育が進んでいることを 知った/入あ.克 特男l抜こ援教育とその計画に関して興味がわいた動J拡 大変興味深く、またわかりやすく今まであい まいだった知識が明確となった授業だった。今回「特別支援教育コーディネーター」と「個別の教育意支援計画」という今ま で知らなかった言葉についても知ることができた 仇ら.14)。 自分が知らないところで、LD、ADHDなどいろいろな問 題を抱える人の教育問題が発生していることに気がついた。そして項代ではそれに対する国や地方自治体の対策も行われつつ あることを知った/入ら.成規 軽度発達障害であっても、行政的、法的支援が受けられないということに驚いた 伽摘軌 軽度発達障害が明らかになる以前はそれに当てはまる人はどのような教育方法で学習や生活を送ってきたのかに関心を持っ. た/入あ.射ユ 各障害の具体例を見て新しくわかったことも多かった。現状は障害児教育に対する環境が整っていないこと もわかった飽.功。 今回の講義で始めてこれらの事を知り、学習することができた。どの障害も「様には理解されにく く、特に指導する側は教育方法を模索しながらの学習になっていることがよく理解できた(恥.欝)。障害の中にもいろいろ な種類があってその人にあった対応が必要なのを知った即0.甜]。軽度発達障害について、今までは障害とされなかったと いうのは衝撃的であった即0.72)。今日の講義を聴くまで、特別支援教育という言葉さえ聞いたことがなかったが、今日の. 話や資料を読んでみて、特別支援教育というものにとても興味を引かれ、もっと詳しく知りたいと思った。これからいろいろ なことが決定していくことであるので、今後の動きにぜひ注目してみたい肌0.了軋 講義の前から感じていたとおり、まだ まだ教育の場での対応が充分でないことがわかった臓成規 晋高機能自閉症=アスペルガー症侯群というのを初めて. 知って驚いた(No.91)。. 計45人:うち男子21人、2年生以上15人、経験者謀;人 注:文末の番号は被験者番号で、[]古ま男子、太字は2年生以上、斜体は経験者を表わ丸. −11−.

(7) 若菜 順 他. 表3.3 自由記述の分類−一要望や意見−. 一般的な要望や意見(6人)特別支援教育はいいと思った仇あ.軌 支援してあげられる体制をつくることが重要だ(No.20)。 これらの障害で苦しんでいる子ども達を見つけ支援していく必要がある 仇あ,ゴ刃。 国も福祉援助の面で早急な対策が必要. であると思う 伽.タ駕 広い理解の普及と対応の仕方や設備を整えなければならないと思った恥.61)。 国としての対 応をもっと進めてほしい 〃肋砂。. 周囲の理解他人)このような障害にいち早く気づき理解し対応していかなくてはならない重要性を感じた仇b.〟。しっか りとした知識の一般化とそれを支援できる社会的システムの確立が必要だと思う[No.51]。 軽度発達障害の研修などが増 えればよいのではと思った仇あ.∂抄。 軽度の障害の理解を得るのは大変だと思うので、支援するシステムが早く整えばよ. いと思う(胞紗。理角緒による支援のもとで社会に適応できる人間になっていけることがこれから求められていけばよい と思うβ陥砂。軽度発達障害という障害を持った子の教育法や支援の仕方をたくさんの人に理解していただきたいβ払〝ノ。 問題を捉えることができても解決への道のりは遠いようなので、一人でも多くの人がこのような間男卦こ対する意識を高めてい ければいいのだなと考えた(帆81)。周囲の理解が得られるようになれば、状況はずいぶんよくなるだろうと思う(Nb.92)。. 個別の事情に応じた支援(9人) 子ども一人一人発達にあわせた教育をすることがもっとも大切なことだと感じた鎚.成 障害児教育はその多様性とニーズに十分にこたえてこなかったと思うし、こういった対策は早急に整備されてしかるべき. 動/(視 障害を持つ子どもを指導する人の数が明らかに足りないと改めて感じた。一人一人しっかりと指導できる環境を 整えるべきだと考える[No.11]。 軽度発達障害の子ども達は、他の人が持っていない特別なすばらしい能力がある。その 部分をどうやって伸ばしていくかが考えなければならない飽.J劇。 障害を持った子ども一人一人にあったその子の教育 的ニーズに対応した支援が必要だと思ったβ払佗ノ。 障害の疑いがある子どもは検査したほうがよし㌔特別支援教育には教. 師が複数の子どもを担当するのではなく、子ども一人に一人の教師がつくくらいが望ましい他丘銑 Ⅰ.D、A〕DHD等の 障害に応じた指導ができる環境を整えることが早くできるようになってほしいと思う(恥.了2)。障害のある人にも長所があ ると思うから、短所を見ずに長所を伸ばしていく教育もよいのではないかと考えた剖b&現 その子にあった指導(けじめ をつけさせる指導など)をすることでその子の成長に貢献できると思う。ほかの子どもに対しても差別等を感じさせない指導 が大切だと思った即0.糾)。. 具休的、総合的な支援体制(10人)軽度発達障害の子どもは福祉的援助が受けられず障害者でありながら普通教育を受け、 また子どもの中で遊ぶことができない二重の不利益さを持ち合わせているので、そういったことは周りが支援していかなけれ ばならない 仇あ.ノ釘。 しっかりと向き合っていくことが大切だと思った。また障害を持つ子どもや両親の支援もしっかり やっていく必要がある 仇あ.2ノノ。 軽度発達障害の子どもを持っ親は子どもの将来などいろいろな面でかなり悩むと思う。. そのような悩みをどのように軽械するかということがこれからの課題であり教師や地域もこのことに協力すべきだ(No,42)。 障害に精通した専門家をもっと増やし学校に最低一人配置するような体制にしていかなければならないよ肋碓え 教師も障. 害を理解し得ない状況であるから、各学校に数名専門家が配置される日が一日も早く来るとよい卵0.67)。国の対応はまだ まだこれからだけど、期待できそうだと思った。子どものころから軽度発達障害に対する教育も進めるべきではないかと思っ. た。そして少しでも早く教育支援が進めばよいと思う 畑山砂。今後の教育面、福祉面から見ても障害児およて傭緒に関し てサポートは抜本的な改革が必要だと思う 他j砂。更なる理解と研究機関と教育現場との連携も必要になってくると思わ れた動孤 メリットの多い教育方法を探していかなければと改めて思った/入ら.虎視 少人数の中で、先生がそうい. った子供たちを見ることができる環境作りをどんどん推進していってほしし㌔教育のあり方、重要さなどを分析して、特別教 育支援コーディネーターを多く生み出し、教育支援計画を見直していってほしいと思う[No.91]。 計㍊人:うち男子10{、2年生以上17人∴経演者盟人 柱:文末の番号は被験者番号で、[】は男子、大串ま2年生以上、斜体は経験者を表わう㌔. ー12−.

(8) 「特別支援教育」の授業に関する実践的研究. 表 学習への意欲(19.心 もっとちやんとした知識をもって、実践できるように学びたいと思う/入ら.先 陣害があるのかな いのかと言う判断は普通の人にはとても難しいことだっやはりこの授業をきっかけに将来のためにも詳しく知っておく必要が. あると感じた(軋16)。 今日の講義で、さわりだけでも理解できた。頭でわかっているけど、苦手とならないようになりた い 飽.盟。 今日の授業で学んだような軽度発達機能障害の内容と、そういう子ども達の存在は、教育に携わるものにと. って知っておくべき大切なものだ(No.24)。 まだ1年生、あと3年間よく勉強しなければという気持ちにならざるを得な かった[No.嘉]。 もっとよく知るためにはやはり自分次第かと思う[No.㍊]。 これからもこのような障害について学ぶ 時は自らインターネットで調べたりして多くの知識を身につけていきたいと思った[No.錮]。 教師になったときこのよう な子ども達にどのように対応していけばよいのか困らないようにある程度知っておいた方がいいと思った(Nb.47)。 アス ペルガー症候群と少年犯罪についてもっと知りたいと思うム陥弧 軽度発達障害についてもっと学びたいという気持ちが. 強まった。また、それだけではなく、特別支援教育についてもよく知っておきたいと思った/入あ.52L LD、ADHD、 高機能自閉症などは、同じ症状に聞こえてしまう。これらの障害のちがいがはっきりとあるのなら、それを知りたいと思った. /入ら.J7え.これからもっと学んでいきたいと思う 紬.と紗。 子ども一人一人によって異なる障害に対応するためにはさ らに知識が必要だと思った[恥.60]。 LDやADHDという障害の内容を、子供たちにかかわる人はもちろんかかわらない 人も理解する必要があると感じた 他‘砂。 将来教師になったときに生徒の中にこのような障害を持っている子がいたら. 理解して上げられるように、今日のプリントをもう一度読みなおしてみたり新聞などの関連記事を読もうと思う‘陥一砂。軽 度発達障害に当たる生徒の教育方法をこれからは教員になろうとする人は、必ず知識を身につけ実際に教員になったとき、対 応できるようにしたほうがいいと強く感じたβ仏ノ砂。軽度発達障害を持つ子どもと接するときがこれからあるかもしれな. いので、少し勉強してみようと思った,ためになる指導をしていかなければならないと思います(恥.76)。 特別支援教育 が行われると、今までの学校分類が変わってくるし、児童生徒の状況も一段と多様イヒするように思うが、これから教員を目指. すものとしては、そのようなことが大学で行われないことに不安を感じるβb月払 私たち市民ももっと現状を知るべきだ. と強く思う。これからももっと興味深く学習していきたい(私畝 行動への意欲(7人) 何か自分にできることはないかなあと考えてしまう 鈍劇。 障害児が生き生きと成長できる環境 をつくりたい(No.17)。 何か特定のことがずば抜けて優れていたりする場合もあるから、そういうところを伸ばしていく. 教育をしていきたい(No.25)。 自分が先生になったとき、そのような生徒をどのように指導していけばよいのかを考えよ うと思った/フ嶋,27h やはりADHDという問題が、これから教師としてやっていく上でつきあたる物の一つだろうと思 った[No.29]。 将来教師を目指すのなら、こういう問題を考えなくてはならない(No,49)。 自分がもし教師になった 場合、どのような教育をすればいいのだろうと思った(No.86)。. 計26人:うち女子11人、2年生以上9人、経験者13人. 注:文末の番号は被験者番号で、【]は男子、太字は2年生以上、斜体は経験者を表わすも. 一13−.

(9) 若菜 順 他. 表. _____ 育て方しだいで、普通の子どもと同じ何の障害もなく暮らしていける気がした 仇あ.〟。 授業の中で、「普通の‥・」 という言葉が少し気になりました「一般の‥・」とかの表現の方がいいと思いました/入あ.ヱた 障害の位置づけ、定義づ けがわかりにくかった[No.4]。 このような細やかな対応のシステム論は、通常の学校教育にも応用できると思う剖b〟祝 中には一見して普通の人にしか見えない人でも実はそのような障害になっているかもしれないので、もっと深く人と接してい くべきだと思った(No.15)。障害があるのかないのかと言う判断は普通の人にはとても難しいことだなあと感じた(lb.16)。. 特別支援教育の話を聞いて、児童生徒の自立や社会参加に向けての支援だと知り、とてもよいものだと思った。しかし障害児 の増加に伴って、対応に因っていると知りたくさんの課題があるのだと思った(No.17)。 軽度発適障害の人または関係者 が特別支援を待ち望んでいる状況はとても深刻だと思った[No.18]。 高機能自閉症に該当する子どもは、あるいは世間の 矛盾や妥協をついているのではないかとも感じた[恥.19]。 自分が今まで思っていたものよりも違っていた紬.2Jノ。 本 当に子どものことを考えているのならば特殊学級等に通わせるべきなのである。そしてそれは義務でもある(No.23)。 子 ども達は、そんな自分達を理解してくれる人を待っているように思う 伽.以上 逆に障害ではないのに、そうみなされて しまう人もいるのではないだろうかと考えフ㌔個人差や僻性もあるため、あまり細かいことに関してはとやかく言うこともな いのではないだろうかと考えた[No.32]。 軽度であっても、何も障害のない人に比べたら大人になったとき社会で通用す るのは難しいことだと思う 仇あ.∠現ノ。 行政などいろいろ工夫を凝らし、政策(?)を実施しようとしているけれど現実は あまり進んでいないと思った(No.42)。 人手も足りなさそうで具体的に早急な対策というのを立てるのが難しいと感じた (恥.61)。脳の障害によるらしいですが、数学的な能力ー弱虫特ですばらしい才能でもあるように感じる。しかし人間関係面 ではその純粋な考え方によって、うまくいかず傷ついてしまうこともあると思う β肋‘砂。 少子化が進んでいるのに、障害 を持つ子が増えているというのは不思議な現象だ。教育、福祉というのはお金、時間をかけるのは当たり前だと思っている 他ノ砂。 特別なことではなく、どこにでもありえるものだとわかった。この間題の大きさを思い知った感じがし7㌔ しか し、問題を捉えることができても解敵への道のりは遠いよう 椚0.81)。 このような障害の子どもはまず、見分けるのが難し いと感じた。(恥.糾)障害のある人は他の障害を持つ人と一緒に活動、生活することが一番大切かも、とも思った仇♭.βZえ 現在教育に対する価値基準が低いように思う[No月1]。. 言:望人:うち 子9人 2 生以上8人、経験者9人 注:文末の番号は被験者番号で、【]は男子、太字は2年生以上、斜体は経験者を表わすこ. 果を分析したところ、学習障害(LD)(F(1,200)=30.28,. は交互作用が有意であった(F(5,1000)=こ】4.87,p<.01)。. p<.01)、注意欠陥/多動性障害(ADHD)(F(1,200)=21.37, p<.01)、高機能自閉症(F(1,200)=9.89,pく.01)、特別支. そこで各水準ごとに単純効果を分析したところ、学習障害. 援教育コーディネーター(F(1,200)=15.29,pく.01)、個別. 意差が見られなかった。高機能自閉症(F(].,200)=28.67,. (LD)と注意欠陥/多動性障害(ADHD)の2項目では有. の教育支援計画(F(1,200)=18.85,p<.01)の5項目で有. pく.01)、アスペルガー症候群(F(】.,200)=36.40,pく.01)、. 意差が見られ、いずれも学生より教員の値が高かった。ア. 特別支援教育コーディネーター(F(二L,200)‥=59.07,p<.01)、. スペルガー症候群では有意差が見られなかった。. 個別の教育支援計画(F(1,200)=37.53,pく.01)の4項目. LSD法による多重比較の結果、教員では学習障害(LD) と注意欠陥/多動性障害(ADHD)の値が最も高く、高機 能自閉症、アスペルガー症候群の順に続き、特別支援教育. で有意差が見られ、いずれも教員より学生の値が高かった。. コーディネーターと個別の教育支援計画が低かった(MSe=. p<.05)。学生(事後)の項目間の関係も同様であった(MSe=. 0.24,pく.05)。. 0.22,p<.05)。. LSD法による多重比較の結果では、教員の項目間の関係 は事前の分析結果で得られたものと同じであった(MSe=0.22,. 学生(事前)では学習障害(LD)と注意欠陥/多動性障. 害(ADHD)の値が最も高く、高機能自閉症とアスペルガー 症候群がそれに続き、特別支援教育コーディネーターと個. 教員と比較した学生の関心. 別の教育支援計画が低かった(MSe=0.24,p<.05)。. のAとB)についての分散分析では交互作用が有意であった. 学生の関心の程度を教員と比較した。事前の関心(表2. 事後の認知(表1のAとC)についての分散分析の結果で. (F(5,1000)=9.99、pく.01)。そこで各水準ごとに単純. −14一.

(10) 「特別支援教育」の授業に関する実践的研究. 効果を分析したところ、学習障害(LD)(F(1,200)=29.43, p<.01)、注意欠陥/多動性障害(ADHD)(F(1,200)=25.39, pく.01)の2項目で有意差が見られ、いずれも学生より教員 の値が高かった。高機能自閉症、アスペルガー症候群、特 別支援教育コーディネーター、個別の教育支援計画の4項 目では有意差が見られなかった。 LSD法による多重比較の結果、教員では学習障害(LD) と注意欠陥/多動性障害(ADHD)の値が最も高く、高機 能自閉症、アスペルガー症候群の順に続き、特別支援教育. 単位、合計148単位に分解された。これらを執筆者のうちの 2人がそれぞれ独立してKJ法による分類を行った。不一致 の部分は協議によりいずれかに決し、以下の分類結果を得 た。一致率は86.9%であった。 自己の認識についての内省 自己の認識を内省した結果を. 述べる者が19人いた。これらには「今までは障害名は聞い たことがあったが、その障害がどのようなものなのかは詳 しく知らなかった」のように知らないことへの反省を述べ. コーディネーターと個別の教育支援計画が低かった(MSe=. た者6人、「キャンプの引率をしたのですが、私のグループ. 0.26,pく.05)。. にADHDと思われる児童がいた」のように経験の想起を述. 学生(事前)では、注意欠陥/多動性障害(ADHD)の 値が最も高く、学習障害(LD)、高機能自閉症、アスペルガー 症候群の順に続き、特別支援教育コーディネーターと個別 の教育支援計画が低かった(MSe=0.26,P<.05)。. べた者10人、「自分にも当てはまるところがないかと話を聞 いてしまった」のように自己への適用を述べた者3人が含. まれた(表3.1)。 理解や関心 理解や関心について述べた者が45人いた。こ. 事後の関心(表2のAとC)についての分散分析の結果で. は交互作用が有意であった(F(5,1000)=15.26,pく.01)。 そこで各水準ごとに単純効果を分析したところ、学習障害 (LD)では有意差は見られなかった。注意欠陥/多動性障 害(ADHI刀では教員の値が学生より有意に高かった鮮(1,200)= 6.18,pく.05)。高機能自閉症(F(1,200)=11.51,pく.01)、 アスペルガー症候群(F(1,200)=14.97,p<.01)、特別支援. 解や関心について述べた者9人、「あの有名なトム・クルー ズがLDだとは、とても驚いた」のように症例についての 理解や関心について述べた者23人、「今、学校現場で軽度発 達障害が問題となっていて、特別支援教育が進んでいるこ. 教育コーディネーター(F(1,200)=13.41,pく.01)、個別の. いて述べた者13人が含まれた(表3.2)こ. 教育支援計画(F(1,200)=10.21,pく.01)の4項目で有意 差が見られ、いずれも教員より学生の値が高かった。すな わち全ての項目で学生の関心に肯定的な変化が生じた結果、 注意欠陥/多動性障害(ADHD)1項目を除いて教員の関. れらには「内容が理解しやすかった」のように一般的な理. とを知った」のように支援体制についての理解や関心につ. 要望や意見 要望や意見についてのべた者が33人いた。こ れらには「特別支援教育はいいと思った」のように一般的. な要望や意見について述べた者6人、「このような障害にい. 心と同レベル、ないしそれを超えるレベルに達したといえ. ち早く気づき理解し対応していかなくてはならない重要性. る。. を感じた」のように周囲の理解について述べた者8人、「子. LSD法による多重比較の結果では、教員の項目間の関係 は事前の分析結果で得られたものと同じであった(MSeカ.24, p<.05)。これに対して学生(事後)の項目間の関係は学生 (事前)の結果と異なり、学習障害(LD)の値が最も高く、 注意欠陥/多動性障害(ADHD)と高機能自閉症が次に高 く、アスペルガー症候群、個別の教育支援計画の順に続き、. ども一人一人発達にあわせた教育をすることがもっとも大 切なことだと感じた」のように個別の事情に応じた支援に. ついて述べた者9人、「障害に精通した専門家をもっと増や し学校に最低一人配置するような体制にしていかなければ. ならない」のように具体的、総合的な支援体制について述 べた者10人が含まれた(表3.3)。. 特別支援教育コーディネーターが低かった(MSe=0.24,p<.05)。 学習や行動への意欲 学習や行動への意欲について述べた. 者が26人いた。これらには「もっとちゃんとした知識をもっ て、実践できるように学びたいと思う」のように学習への 意欲について述べた者19人、「何か自分にできることはない. 認知と関心の関係. 認知の程度と関心の程度の間の相関係数は、学生(事前) の場合、学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(ADHD)、 高機能自閉症、アスペルガー症候群、特別支援教育コーディ ネーター、および個別の教育支援計画の順に、.2&.37、.34、.37、.34、 および.34であった(いずれもp<.01)。学生(事後)の場合、. かなあと考えてしまう」のように行動への意欲にって述べ. た者7人が含まれた(表3.4)。. 同じ順序で、.47、.38、.33、.44、.34、および.39であっ その他 上のいずれにも分類しがたい者が22人いた。これ. た(いずれもpく.01)。教員の場合も同じ順序で、.38、.42、 .59、.58、.49、および.49であった(いずれもpく.01)。. らをその他とした(表3.5)。 性、学年、経験による自由記述の違い 自己の認識についての内省、理解や関心、要望や意見、 学習や行動への意欲、およびその他の5個のカテゴリーの. 自由記述の分類. 92名の自由記述は単文から成る106単位、複文から成る42. 一15一.

(11) 若菜 順 他. 頻度を、性(男、女)、学年(1年、2年以上)、出会った. 間を比べた場合にも現れ、認知の程度の高い項目は関心の. 経験(経験者、未経験者)のそれぞれについて比較した。. 程度も高かった。その中で、個別の障害に関する4項目(学 習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(AD]EID)、高機能自 閉症、およびアスペルガー症候群)は、支援のシステムに 関する2項目(特別支援教育コーディネーター、および個 別の教育支援計画)に比べ、認知の程度と関心の程度の両 面で常に高かった。また個別の障害に関する4項目のうち、 学習障害(LD)と注意欠陥/多動性障害(ADHD)は、高 機能自閉症とアスペルガー症候群に比べ、認知の程度と関. 性については、5個のカテゴリーのいずれでも有意な差 は見られなかった。 学年については、要望や意見のカテゴリーで有意傾向が. 見られ、2年生以上における頻度が傾向として多かった(2 年生以上36人中17人(47.2%)、1年生56人中16人(28.6%)、 x2(1)=3.31,pく.10)。. 出会った経験については、理解や関JL、のカテゴリーで有 意差が見られ、経験者における頻度が有意に多かった(経. 心の程度の両面で常に高かった。これらの関係は教員と学. 験者50人中36人(72.0%)、未経験者42人中19人(45.2%)、. 生、授業前と授業後という状況の違いにかかわらず維持さ. x2(1)=6.79,p<.01)。また要望や意見のカテゴリーで有意. れ、今回実践した実験授業で変えることはできなかった。. 傾向が見られ、経験者における頻度が傾向として多かった. その一端は、授業後の自由記述の中で理解や関心の対象と. して個別の症例に言及する者の方が、支援体制に言及する. (経験者50人中22人(44.0%)、未経験者42人中11人(26.2%)、 x2(1)=3.14,pく.10)。. 者に比べてはるかに多いことにも現れているようである。. 個別の障害の中の違いは、主としてそうした事態への遭 遇の頻度とかかわるものだろう。それに対して個別の障害 に関する項目と支援のシステムに関する項目の違いは、二 つの項目群における質的な違いの反映と思われる。支援シ. 終わりに 知的な遅れがないにもかかわらず特別な支援を必要とす. る子どもに出会ったことのある学生の比率は5割を越えて. ステムについての教授には、個別の障害についての教授と. いた。本研究では統制群の位置にある教員の場合もほぼ同 じ5割を越える数値が得られた。学生にはこれまでの経験 を訊き、教員には現状を訊くなどの違いがあるので、両者 を比較して議論することは慎重であるべきだが、子どもに. は異なる特別な工夫が必要が必要なのだが、今回の実践で. 入るものだが、そこでは今回の実験授業に対する肯定的な. ついての3つのカテゴリーごとの結果も両者にそれほどの. 評価が直接述べられていた。その他の要望や意見、学習や. 違いがなかったことは興味深い。文部科学省が2002年に行っ. 行動への意欲、自己の認識についての反省などのカテゴリー. はそれを見出すまでには至らなかった。 自由記述で最も多かったのは理解や関心のカテゴリーに. た全国調査では、該当する子どもの割合が6%を越えていた。. も、実験授業の積極的な効果を表わすものとして理解でき. このことは40人学級に2、3人の該当する子どもがおり、. るものが多かった。少数ではあるが、「自分もそうかもしれ. したがって学級を担任すると常時こうした子どもと接する. ない」という趣旨の記述があった。軽度発達障害という概. 可能性があることを意味する。本研究の場合、こうした予 想からすると控えめな結果といえる。. 念が容易に自分自身に適用でき、また事実そうである可能 性を含むということは、今後新たな授業内容を検討する際 に重視すべきことがらであろう。自由記述の内容には子ど もと出会った経験が影響を与えていた。このこともあるべ き授業を検討する際に考慮すべき点であろう。. 学生(事前)の認知の程度を教員と比べると6項目中5. 項目で学生(事前)の方が低かった。学生(事後)を教員 と比べると4項目で学生(事後)の方が高かった。学生(事 前)と学生(事後)を比べると6項目全てで学生(事後). の方が高かった。これらは実験授業以前には教員よりも全 参考文献. 般的に低かった学生の認知に、実験授業によって肯定的な. 変化が生じ、いくつかの項目では教員の程度を越えるに至っ. (1)独立行政法人国立特殊教育総合研究所(2002).学習障. たことを示唆する。. 害ハイリスク児の教育的・心理的・医学的評価と継続的. 支援のあり方に関する研究,研究成果報告書. 学生(事前)の関心の程度を教員と比べると6項目中2. 項目で学生(事前)の方が低かった。学生(事後)を教員 と比べると、1項目で学生(事後)の方が低く、4項目で 学生(事後)の方が高かった。学生(事前)と学生(事後) を比べると6項目全てで学生(事後)の方が高かった。こ. (2)学習障害及びこれに類似する学習上の困難を有する児. 童生徒の指導方法に関する調査研究協力者会議(1999). 学習障害児に対する指導について(報告),文部科学省 (3)北海道立特殊教育センター(2003).通常の学級に在籍. れらもまた学生の関心に教員の程度を越えるほどの肯定的. する特別な教育的支援を必要とする児童の教育に関する. な変化が生じたことを示唆する。. 研究−LD児、ADHD児及び高機能自閉症児等の支援の充 実を図る校内体制等について−,研究紀要(平成14年度),65−. 認知の程度と関心の程度の間には、学生(事前)、学生(事 後)、あるいは教員のいずれの場合にも、また6個の項目の いずれの場合にも正の相関が認められた。この関係は項目. 125. (4)釧路市教育委員会(2003).釧路市の教育(平成15年度),. ー16−.

(12) 「特別支援教育」の授業に関する実践的研究. 釧路市. (5)文部科学省(2003).学習障害(LD)への教育的支援一 全国モデル事業の実際−,ぎょうせい. (6)日本特殊教育学会 特殊教育システム検討委員会 自 治体研究班 編(2003).「特別支援教育」への転換一自 治体の模索と試み,クリエイツかもがわ. (7)21世紀の特殊教育の在り方に関する調査研究協力者会 議(2002).21世紀の特殊教育の在り方について(最終報 告),文部科学省 (8)杉山登志郎(2000).軽度発達障害,発達障害研究21(4),24ト 251. (9)高橋三郎・大野裕・染矢俊幸 訳(2002).DSM−Ⅳ−TR 精神疾患の分類と診断の手引き、医学書院. ㈹ 東京都教育庁(2003).これからの東京都の特別支援教 育の在り方について(最終報告),東京都. −17−.

(13) 若菜 順 他. 別表 実験授業の際に受講者に配布した資料. 200−3.12.18. 軽 度 発 達 障 害 と 特 別 支 援 教 育. 北海道教育大学大学院 学校臨床心理専攻 学校臨床心理専修. 若 菜 順. 1.近年明らかになってきた障害 ① 学習障害(Ⅰ_血). 基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算するまたは、推論する能力のうち特定のもの の習得と使用に著しい困難を示すさまざまな状態を指すものである。. 学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情 緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではなし\ 【LDの具体例】. ◆ ある養護学校教師の場合. 私は、文字を読むことが苦手ですもでも、何らかの援助、方策を取れば理解することができます。今回、この研修に参加し、 初めて人にこのことを公表しました。公表することに対し大変な葛藤が伴いました。しかし、今、心から公表して良かったと 感じています。私が、小学校から今に至るまで、どのような経過をたどってきたのか、どのようなバイパスを自分で使って意. 味を理解してきたかまとめてみました。 後で述べますが、私が、教員になろうと決意したのは、「分かってもらえる先生がいたら」という思いからです)借越では ありますが、先生方が、今後出会うかも知れない私のようなタイプの子の指導に参考として頂ければと思っていますも 『今日は天気がいいので外で体育をします。』. このような文章があった場合、私は、拾い読みではありますが、音声にすることは可能ですムしかし、意味は分かりません つまり、一つ一一つの文字は音の記号であり、意味を持つものと捉えることができませÅん「自分で読んだ音声を耳で聞いて理. 解すれば」と思われますが、それができないのです。自分でも仕組みはよく分かりませんが、推測すると、文字を目で追うこ とに、神経が集中しますこそれに加え、目で追った文字を声に変換するのに必死になっていますもその状態で、自分の声を聞. くことは困難です云ましてヤ聞いた音声をもとに頭の中でイメージヤヒすることは不可能です云多くの方の情報処理方法は、頭 の中に映像化しないで理解するのですね。イメージイヒは自閉症の人達がするパターンなのですね私は、自分がイメージ化す るように、すべての人が聞いたり、読んだりした情報を頭の中でイメージ化して理解していると思っていました。何度も読ん. で、文章を暗記し、目で追わなくてもよくなり、自分の声を聞く余裕が出てきてから、やっと頭でイメージ化でき、そこで初 めて意味が理解できるのですここの読み方は、時間がかかりますもまた、イメージできない抽象的な言葉の理解はアバウトに なりますと 【u)の状態像例】. ○ 聞き間違いや聞き漏らしがあり、集団への指示や説明を聞き取りにくし\ ○ 筋道の通った話をするのが難しV㌔ ○ 文章の語句や行を抜かしたり繰り返し読んだりする。 ○ 漢字の細かい部分を書き間違える。 ○ 暗算が難しくこ計算に時間がかかる。 ○ 早合点や、飛躍した考えをする。. ∋ 注意欠陥多動性障害(ADfⅡ)). ADHDとは、年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及てル/又は衝掛性、多動性を特徴とする行動の障害で.社会的な 活動や学業の機能に支障をきたすものである。 また、7■歳以前に現れその状態が継続し、中枢神経科こ何らか呼野矧こよ各機能不全があると推定さわ握 【瓜)Ⅰ廿の具体例】. ◆ ある小学校に入学したA君の場合 A君は、入学当時から、教室にははじめの10分ほどしかいることができず、友達の鉛筆などを取って、それを投明舎てな がら学校中を走り回ったり、壁にいたずら書きをしたりと、教師達をかなりてこずらせていた。教室では、紙切れや、プリン ト類の真に人気アニメ『ポケモン』に出てくるキャラクターの絵を黙々と描いていることが多かった。気に入らないことがあ ると、すぐにその紙をちぎって、床に巻いたりすることもよくあった。興味がそそられる国語の授業では、ユニークな答えを. 次々に発表し教師を驚かせる場面もあった。筆入れには、母親が毎日きちんと削った鉛筆を4,5本持たせていたが、.それを毎 日なくしていた。A君専任の補助教師も配置されていたが、その役回りは、Aを1日中退いかけては教室に連れ戻すという繰. −18−.

(14) 「特別支援教育」の授業に関する実践的研究. り返しであった。担任も含め、教師たちは、誰もが、普通学級の児童に対する指導と同じやり方でAを指導しようとしたが、 一向に改善しない態度を見て、指導はいっそう厳しさを増す場面もあった。また反対に、あきらめられて放任されているとき もあったっAにとっては、追いかけてくるのを楽しみにしているところもあったようだっAのいたずらは金魚の入っている水 槽にズックを入れたりと徐々にその程度を増して行った。運動会の練習では、グランドには出るものの、ほとんど参加せず、 初めの15分ぐらいは、隅のほうで座って見学してそれから校舎内に入り、自分の好きなことをやっている。お遊戯は苦手で あったので、ますます参加意欲をなくしたようだった。それでも、運動会当日は、家族も見に来ていることもあり、みんなと 一緒にすべての競技に参加して何事もなく終わった。休み時間は、他の子ども達と遊ぶということはなく、一人で絵を書いて いるか、パソコンでゲームに熱中していたっ家でもテレビゲームはかなりやっているということだった。下校してからの近所 の子ども達との交流も、テレビゲームを介したものが多いようだ。家では母親が勉強を見てやっていた。学習の遅れはなかっ たが、テストをしているときに、何か気に入らないことがあると、テスト用紙に落書きしたり破ったりすることがよくあった。 Aはとても人懐こいところがあって、特に女の先生には自分からよって行っていたや2年生になるとき、学校側も指導に苦 慮していることもありAの両親に通級指導教室がある学校の普通学級に籍を置き、そこから通級指導教室に通ったほうがよい のではないかと提案した。が、両親は、通学地域の地元の学校に入れたいと言う強い希望は変わらなかった。このころから、 リタリンという薬(中枢神経利敵彩を服用し始める。登校前に服用してくると、3時間目あたりまでは、薬がよく効いてい ると見えて、静かに授業に参加している。むしろおとなしすぎるほどである。Aの目が死んでいるように思うと感じる教師も いた。薬が切れてくると、また勝手に動き回ったり、いたずらを始めるのである。2学期からは、出産のため担任がかわった。 しかし、Aのことをよく理解し、けじめのある指導を続けていくうちに、以前よりも積極的に学習に取り組む姿勢が多く見ら れるようになった。 【ADHDの状態像例】. ○ 学校での勉強で、細かいところまで注意を払わなかったり、不注意な間違いをしたりする。 ○ 手足をそわそわ動かしたり、着席していてもじもじしたりする。 ○ 話を最後まで聞くことが難しし㌔. ○ 気が散りやすく、学習などの課題や活動に必要な物をなくしてしまうことが多心㌔ ○ 質問が終わらないうちに出し抜けに答えてしまう。 ○ ルーノレ剖順番を守ることが難しい。 ○ 整理整頓が苦手である。. ③ 高機能自閉症(Ⅰ弧). 高機能自閉症とは、3歳位までに現れ、他人との社会的関係の形成の困難さ、言葉の発達の遅れ、興味や関心が狭く特定の ものにこだわることを特徴とする行動の障害である自閉症のうち、知的発達の遅れを伴わないものをいう。 また、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。 【高機能自閉症の具体例】. ◆ ユウ君の母さんの日記 (抜粋). 以前はカレンダーをけっこう記憶してました。前後1ケ月(合計3ケ月)は 何日が何曜日で・∼‥つて言えたんじやない かな∼?. ユウの話では カレンダーの1枚1枚が写真のように頭に焼き付いていて「それが見えるんやて∼」と言っていた。ちなみ に 足し算や引き算も 彼はカレンダーで計算していると言ってた。聞いた当初 なんのことかわからなかったのだけど 良 く聞けば「足す2はあさって 引く1は昨日 足す7は十週間」だそうです㌔(カレンダーの映像を頭に浮かゾミて それを利 用しているらしい。)「7」以上の増減はどうしているのか不明だが、かなり ユニークだと思いました。ユウの場合 数字に こだわりがあって 数字は大好きなので別に教えたわけではないのに 4才のころから九九が言えちゃったりします;(この 障害 数字や記号にこだわる子は多いようです。) 「雨の確率00%」とか「最高気温が○度」とか数字が出てくるので天気予報も大好きで 天気予報に出てくるから日本地 図も大好きで‥・天気予報を見るたびに「ここを封可県?」「ここは?」とうるさいので 日本地図を部屋に貼っておいたら それ見て 今度は県名と県庁所在地も覚えちゃったこともあります;. 「いや∼ だから‥・別に教えたわけじやなくて∼ 覚えたんです‥・」と言っても なかなか理解していただけなく て‥・ユクの考え方自体は正しい場合が多いのだけど、そのやり方が大きく間違っていたり、あまりに極端で他人を不快に させる場合が多いので、それについての注意や叱りを先生から(あるいは私から)受けることが多し\そういう場合 最近は すぐに、「そうやって すぐにオレを悪者にする・‥」とか「先生は(ままっちは)オレの味方じやないのか?」とかいう. ー19−.

(15) 若菜 順 他. 発想をする。(オレの)敵、味方 どちらか一方にすべての人々を極端に振り分けてしまうのだっ 自己言判西についてもそうり「オレは正しい!!」「オレはすごいっ!!」ってな調子で かなり自信過剰だなと思っていると、 私の「ユウは我慢することが苦手で 他の人に比べて できないんだよ。」という言葉に敏感に反応し、「オレは人より出来な い人間なんだあ。」「生きていく自信をなくした。」と号泣する。何もない時は そうでもないのだけど、自分の基準で何か少 しでもできないことがわかると 人間失格だと落ち込む。一時期 悪いであろうと思われる行動をするお友達に再意しまくる ことがあって、よくトラブルになったことがあった。注意しているだけなら 良いのだが、相手がそれについて 謝らないと 謝らせることにこだわってしまい、最後には 手が出る 足が出る。ここ最近はこのパターンではすべて相手に対し、攻撃的 になってしまうのだ。 ユウにしてみれば、先生の見ていないところで悪いことをする子が・‥あるいは 悪いことをしても 要領よく うまく 言い逃れをしたり、嘘をついたりする子が、何の制裁も受けず 悪いことを繰り返すのがどうしても許せないの乾. この世の中 残念ながら 悪いことをしている人が得をしてしまう場合もある。ささいな悪いことは黙認した方が、人間関係 がうまくいくことがある。間違いを指摘することが良いことだとは限らない。このあたりがなかなか説明しずらし㌔ユウには 悪いことはしてはいけない、という。だけど、(悪いことを)する人間はいる。ユウには 人から注意されたら 謝りなさい、 という。だけど、謝らない人もいる。まあ いろんな人がいるからなあ。で処理できる私はいいが、ユウにはそれができない。. 【高機能自閉症の状態像例】. ○ 一瑚如勺に興味をもたれないようなことに興味があり、独特の「自分の世界」を持っている。 ○ その場の状況や、相手の気持ちを理解することが難しV㌔ ○ 社交辞令が通じず、ことばを額面どおりに受け取ってしまうことが多心㌔. ④ アスペルガー症険群(AS). 高機能自閉症から、言語発達遅滞や言語による意思伝達の障害を除いたもの。現状では、高機能自閉症とアスペルガー症候 群の区別は、質的な差異というより知能段階のより高度な高機能自閉症がアスペルガー症候群と理解できる。「超」高機能自 閉症がアス/勺レガー症侯群であろうと考える研究者もいる。 ◆ 特認校1に入学したB君の場合 B君は3人兄弟の一番上で、通学区域外から、母親が約20分かけて送り迎えをしている。入学当初から、ほかの児童と一緒 に「朝の会」に参加することはほとんどなく、グランドで虫探しをしたり、教室の外で虫や車の本を読んでいる。虫と車につ いては非常に詳しし㌔教室からすぐ出て行ってしまうB君を、いつも担任や他に手の空いている教師が連れ戻しているとい うのが塀状である。休み時間も、一人グランドに出て行って、始業の時間になっても戻らなV㌔塾に通っていることもあり、 漢字や算数の勉強は得意であるが、運動面に関してはぎこちなく、手先も不器用である。 母親が、希望して、2学期からは、糊り支援教育の先取りということで、週に何度か、市内の養護学校で指導を受けること になった。. 【アスノ勺レガー症侯群の状態像例】. ○ 表出性・受容性言語や認知能力の発達において、臨床的に明らかな創如勺遅延はなし㌔ 0 2歳までに単語の使用ができており、3歳までに意思の伝達のために2語文を使えている。 ○ 運動面での発達は多少遅延することがある。 ○ 社会的相互関係における質的異常がある。(自閉症と同様) ○ 度外れて限定された興味、もしくは、限定的・反復的・情動的な行動・関心・活動性のパターンがある。. 1特認佼. Ⅹ市の公立小中学校は、居住地によって学区が決まっている。しかし特別な場合は、学区外からの通学を認める場合が ある。 そのひとつとして Ⅹ市教育委員会では,市の周辺部に位置する豊かな自然に恵まれた小規模な学校で,心身の 健廉増進,体力づくりと,少人数の学習指導による学力の基踏基本の定着を願うとともに,のびのびと学校生活を送らせ たいとする保護者がある場合は,一定の条件を付して通学区域外の学校(「特認校」)への通学を認めている。. −20−.

参照

関連したドキュメント

いしかわ医療的 ケア 児支援 センターで たいせつにしていること.

 支援活動を行った学生に対し何らかの支援を行ったか(問 2-2)を尋ねた(図 8 参照)ところ, 「ボランティア保険への加入」が 42.3 % と最も多く,

平成 支援法 へのき 制度改 ービス 児支援 供する 対する 環境整 設等が ービス また 及び市 類ごと 義務付 計画的 の見込 く障害 障害児 な量の るよう

私たちは、行政や企業だけではできない新しい価値観にもとづいた行動や新しい社会的取り

⑤ 

● 生徒のキリスト教に関する理解の向上を目的とした活動を今年度も引き続き

● 生徒のキリスト教に関する理解の向上を目的とした活動を今年度も引き続き

意思決定支援とは、自 ら意思を 決定 すること に困難を抱える障害者が、日常生活や 社会生活に関して自