開弦の場の理論における閉弦の対称性
新潟大教育A, 奈良女子大理B
岸本功A, 北出智巳B,高橋智彦B
Closed String Symmetries in Open String Field Theories
A
Faculty of Education Niigata Univ., BDept. of Phys Nara Women's Univ.
I. KishimotoA, T. KitadeB and T. TakahashiB
D ブレーン上のボソニックな開弦の場の理論には、タキオン場が凝縮し、D ブレーン が消滅する安定な真空が存在する。このタキオン真空では、開弦が物理的自由度として存 在しないことが示されており、時空のバルクには閉弦が見つかると信じられている。また、 オンシェルの閉弦のスペクトラムが、摂動真空上の開弦の場の理論の散乱振幅から得られ るのと同様に、タキオン真空上でも閉弦の存在を明らかにするような観測量が、開弦の場 で作られると考えることは妥当である。これが実現すれば、純粋な閉弦の理論が、開弦の 場を用いて定式化可能である。 2009 年、Gendiar、 Krcmar、西野は、凝縮系物理での 1 次元離散量子系のハミルトニ アンに関して重要な発見を行なった。彼らは、近接するサイトに対し、座標によらず一定 の大きさの相互作用をもつような系のハミルトニアンを考え、この相互作用の強さに、重 み付け関数としてサイン 2 乗をかけると(サイン 2 乗変形と呼ばれる)、この系の基底状 態は、同じ系の閉じた系の基底状態と一致する、ということを基底状態と相関関数の数値 計算によって示した。つまり、端点で相互作用がなめらかに消えるような境界条件に変え ると、周期的境界条件と基底状態が等価、ということになる。この結果は、離散的な閉じ た系が、離散的な開いた系の自由度で記述され得ることを示唆している。連続極限を考え れば、これは、1 次元フェルミオン系で実現される。また、SSD の系と、開弦の場の理論 の間には、密接な関係があることが示唆されてきた。弦の場の理論では、identity-based タ キオン真空解のひとつが、タキオン真空における弦のハミルトニアンに対応する kinetic operator を 与 え る と き 、 サ イ ン 2 乗 の フ ァ ク タ ー が 現 れ る こ と が 知 ら れ て い る 。 identity-based タキオン真空解のまわりで展開した理論には、変形された BRST 演算子が 含まれており、対応する真空を調べることができる。我々は、変形された BRST 演算子 と可換であるような、正則と反正則の連続ビラソロ代数を発見した。こうしたビラソロ演 算子の存在は、identity-based タキオン真空上での開弦の理論が、境界のない世界面での観 測量、つまり閉弦の理論での観測量を与えることを示唆している。
日本物理学会 2018 年秋季大会 概要集 Web版 ISSN 2189-0803 DVD版 ISSN 2189-079X
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2018/9/14 〜 17 信州大学
2018/9/9 〜 12 同志社大学 26