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「政党本位」体制の下での司法的救済について

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(1)法 科 大 学 読 論 集 第 3号. 「政党本位」体制の下での司法的救済について. 松. 本. 哲. z 台. はじめに 日本薪党繰上当選無効訴訟は,参議 i 完(詑到代表選出)議員選挙において次 点の地位にあった松崎哲久氏(その後,民主党衆議院議員。平成 1 7 年. a月の稔. 選挙で落選〉が,当該選挙当時所属していた名簿届出致党である日本新党から 除名され,その旨の法定の届出が選挙長に対してなされた結果,繰上当選の対 象とならなかったために提起した当選訴訟(1)であった。 上告審判決∞は,公職選挙法の関採規定について,次のような解釈を示した。 「法は,選挙会が名簿岩出政党等による i 徐名を理由として名簿登載者を当選 入となり得るものから強外するための要件として…除名届出書,除名手続書及 び宣誓書が提出されることだけを要求しており,それ以外には荷らの要件をも 設けていない。したがって,選挙会が当選入を定めるに当たって当該誌名の存 否ないし効力を審査することは予定されておらず,法は,たとい客観的には当 該除名が不存在又辻蕪効であったとしても,名簿届出致党等による除名届に. (1)なお,本件の調査官解説である近藤崇晴・最高裁判所判例解説民事編平或 7年度〈上) 488 頁 , 508頁注(1)によれば,員集での本件の事件名は「選挙禁効J請求事件となってい るが,本件は「当選無効訴訟j であり,訴状にも「当選無勢Jとあり, I 選挙無効」は原審 が記録の表紙に付けた事件名に由来するとのことである。実務上辻,内容の当否にかかわら ず,訴状記載のまま事件名とするのが一般的だとされている(参照,加藤新太郎[証券取引 法1 6 4 条の趣旨と合憲性(干成 1 4 . 2 . 1 3最高大判) <車引法判例研究235>JNBL775 号6 3頁 ( 2 0 0 3 )6 5 6 6頁)。 (2)最ー判平成 7年 5月258民集 4 9 巻 5号 1 2 7 9頁 。 円. i. p o.

(2) 「政党本位j 体 制 の 下 で の 司 法 的 救 済 に つ い て. 従って当選人を定めるべきこととしているのである J ( 3 ) 。. r 政党等の政治結社の内部的自律権をできるだけ尊 選挙会 重すべきものとしたことによるものであると解されfへしたがって, r 判決によれば,これは,. 等の判断に誤りがないにもかかわらず,当選訴訟において裁判所がその他の事 由を原因として当選を無効とすることは,実定法上の根拠がないのに裁判所が 独自の当選無効事由を設定することにほかならず,法の予定するところではな (5) ということになる O かくして原告の請求は棄却 いといわなければならない J. された。 この判決〈以下,. r 日本新党最判 j という)の判断については,相当数の判. 例評釈が公表されており. )学説の多くは批判的で、ある(7)。論点は多岐にわ. (6. たるが,①選挙会の審査の範囲を除名届出の有無という形式的な審査に限定し ている点 ω,争比例代表制の下で政党が果たしている機能の公的性質を軽視し ている点(古う③選挙会の審査の範囲についての限定が,そのまま当選訴訟の審. (3)民集 4 9 巻 5号 1 2 8 5夏。 (4) 向上。 (5)民集4 9巻 5号 1 2 8 6 7頁。 (6)吉村辰弥・法政研究6 2 巻 2号 1 1 1頁 ( 1 9 9 5 ),小林武・南山法学 9巻 3号 1 4 1頁(19 9 5 ),中 8 2 号8 2 頁 ( 1 9 9 5 ),山元一・判例セレクト 9 5 (丹刊法学教室 1 8 6 関冊付録〕 答実・法学教室1 1 5頁 ( 1 9 9 6 ),植村勝慶・平成 7年夏重要暫例解説 1 8頁 ( 1 9 9 6 ),高橋和之・ジ、ユリスト 1 0 9 2 号5 2頁 ( 1 9 9 6 ),毛剥透・法学協会雑誌 1 1 3 巻 8号 1 2 4 7 頁(19 9 6 ),高田篤・憲法判例百選 E 〔 第 4版 J3 3 6頁 ( 2 0 0 0 )0 (7)前注掲記の評釈のうち,小林,山元,植村,高構,毛利,高田の各教授は判旨に否定的 6 )3 5 0頁も,原審の理解を全面的に否定するわけでない。ただし, である。菖村・前出注 ( 3 頁詰[活力ある政党政治を求める観点からは,本暫決は妥当 j と評する。 中谷・前出注 ( 6 )8 (8) こ の 点 に 関 連 し て , 興 味 深 い の は , 絵 名 患 に 添 え ら れ た 党 の 代 表 者 の 宣 誓 書 が 虚 鋳 で あった場合の那覇の適用が,中央選挙管理会の告発を待って論ずるとされている(公職選挙 法2 3 8条の 2第 2項)点である。毛利・荷出注 ( 6 )1 2 5 3頁は, I 少なくとも,選挙事務当局全 体としては,絵名の真実性の判断をする権謀を有していると解さなければ,この告発は永久 に仔われないことになってしまう j と指摘する。 (9) 高 橋 ・ 蘭 出 注 ( 6 )5 5頁 , 原 審 判 決 評 釈 で あ る 高 橋 和 之 ・ 平 或 6年 度 重 要 判 例 解 説 1 9 真 ( 1 9 9 5 )2 1頁,小持・前出注 ( 6 )1 5 4 頁等。だからこそ公職選挙法2 2 4 条の 3は名簿登載者の 選定権限を有する者に受託収賄罪を設けているのである。. -68-.

(3) 法 科 大 学 院 論 集 第 3号. 査の範囲を決定している点凶等が主として批暫の対象となっている O また, そもそも,選挙後の名簿からの除名を認めている制度が違憲であるとの指摘も ある(へさらに,政党所属を議員の資搭に直結させることについては憲法43条. 1項 , 5 1条,さらには 2 1条 1環に反し違憲である ω と解すべきと思われるが, そうだとすれば,そのこととの均禽{凶を考えても,繰←上当選前であれば,政 党所属を「藍結j させても問題ないというのはいかにも形式的である. G. 加えて,. ま 判部の論理でほ,政党による名簿からの違法な除名が行われでも救済の余地 i. ないということになりかねず〈そうならないためにはどうするべきかというこ とを本積は考えようとするものであるが),もしそうだとすれば,あまりにも 本合理である。以上のような日本新党最判への批判はすでに出尽くしている観. ( 10 ) 毛利・前出注 ( 6 )1 2 5 6頁は次のようにいう。 f およそ行政訴訟は行政庁の行為の適法性を. Tの主観的な判離の是非ではなく,その判断 めぐって争われるのである O だがその際,行政1 が後から客観的に見て適法といえるどうかを審理すべきであるというのは,当然の前提であ ろうふ「実質的審査権援が行政庁に存在しない場合,当該1T~ま自ら責任を負いようのない行. 為について被告需に座らされることになるが,このこと自体は法律の執行につき違憲性が争 われる訴訟で常に生じる」。 ( 1 1 ) 高橋・薦出注 ( 9 ) 20頁。 ( 1 2 ) 佐藤幸治・憲法〔第 3鼓 J(青林書院, 1 9 9 5 )1 2 8頁 。 ( 13 ) 小林・薦出注 ( 6 )1 5 6 頁 。 ( 14 ) 高田・前出注 ( 6 )3 3 7頁。 ( 15 ) なお, B本新党事件で問題となった比例代表制は,参議院議員についての拘束名簿式辻 例代表制であったが,その後,小選挙区との重複立訣剥を拝う衆議院の拘束名簿式比例代表 1年 1 1月1 0日民集 53 巻 8号 1 5 7 7頁は, I 致党等にあらかじめ侯請者 制について,最大判平成 1 の氏名及び当選人となるべき順位を定めた名簿を嵩け出させた上,選挙人が政党等を選択し て投票し,各政党等の得票数の多寡に応じて当該名簿の頼位に従って当選人を決定する方式 は,投票の結果すなわち選挙人の総意により当選人が決定される点において,選挙人が候補 者留人を直接選択して投票する方式と異なるところはない。複数の重複立候樟者の比例代表 選挙における当選人となるべき頗位が名簿において再ーのものとされた場合には,その者の 間では当選入となるべき順位が小選挙区選挙の結果を待たないと確定しないことになるが, I J 買位は投票の結果によって決定されるのであるから,このこ 結局のところ当選人とまるべき J 3条 1項 , 1 5 条 とをもって比前代表選挙が直接選挙に当たらないということはできず,憲法4 1項 3項に違反するとはいえない j と判示している。この判示について, I 裏返していえ ば,投票の結果によって決定されるべき候補者の頼{立が致党の恋意によって事後的に決定さ 論理は疹正さ れれば,藍接選挙の原揺に反すると評倍されうる Jとして,日本新党最特の f 0 0 4 ) れる可能性があると考えられる Jとの指揮〈長谷部恭男・憲法〔第 3版) (新世社, 2. -69-.

(4) f 政党本金」体制の下での司法的救済について があるとともに基本的に正当であり,本稿も「判例変更は不可避で、ある J ( [ 4 ) との評価に賛同するものである(ヘ さて,前置きが長くなったが,本稿は以上を前提とした上で,次の 3点につ いて検討を行うものである。 まず,日本新党最判を先例とした上で,同種の事態について適切な解決があ りうるのかについて検討を行う(一)。判例が変更されるべきであると説くこ とが理論的に正当であるとしても,先例の下で,可能な妥当な解決を見いだす 努力が一概に否定されるべきではなかろう O なお,その際,行政事件訴訟法が 改正(民)されたことにも注意を払う O ところで γ 最高裁の判斬が不合理で,かつ,判例が変更される見込みがない. 3 3 1 3 3 2 頁)があることが注目される。 ただ,参議院については,いわゆる複選制辻許されないとしつつも,直接選挙を憲法上の J 6本国憲法{日本評論社, 1 9 7 8 )3 5 5頁) 要求とみない立場〈宮津俊義〔芦部信喜諦訂〕・全言: があることに留意が必要であろう(大石員・憲法講義 1 (有斐関, 2 0 0 4 )7 8 7 9 頁も参罷)。 2 年法律 1 1 8 号による非拘束名簿式比前代表制導入後の参議院議員選挙に もっとも,平成 1 関する最大軒平成 1 6 年1 月1 4日民集5 8 巻 1号 I頁は, 政党等にあらかじめ候補者の氏名を記 載した参議院名簿を届け出させた上,選挙人が参議院名薄登載者の氏名又は参議読名簿話出 政党等の名祢等を記載して投票し,各参議院名簿届出政党等の得票数(当該参議読名簿岩出 政党等に孫る参議院名簿登載者の得票数を含む。〉の多寡に応、じて各参議院名簿届出致党等 の当選人数を定めた後,参議院名簿登載者の鐸票数の多寡に応じて各参議院名簿届出政党等 の岩出に係る参議院名簿登載者の閣における当選人となるべき順位を定め,この顕{立に従っ て当選人を決定する方式は,投票の結果すなわち選挙人の総意により当選入が決定される点 において,選挙人が候補者個人を直接選択して投票する方式と異なるところはない。…上記 の点をもって本件非拘束名簿式比例代表制による比間代表選挙が直接選挙に当たらないとい 3条 I項に違反するとはいえない」と判示しており,参議院について うことはできず,憲法4 も r 4 3 条により直長選挙が要請されていることを暗黙の前提にしているようにみえる J (藤井 謝也「参議院非拘束名簿式比部代表制及び議員定数配分規定の合憲性j 判例セレクト 2 0 0 4 〈法学教室2 9 4 号別冊付諒)4頁 ( 2 0 0 5 )。 ) ( 1 6 ) 平成 1 6 年法律第 8 4 号。行政事件訴訟法の改正については,多数の解説が公刊されている が,ここでは小林久起・行政事件訴訟法(商事法務, 2 0 0 4 ),最高裁判所事務総馬行政局・改 0 0 4 ),構本博之・解説改正行致事件訴訟法〈弘文堂, 正行政事件訴訟法執務資料(法曹会, 2 2 0 0 4 ) (以下, r 解説J ),同・要説行政訴訟法(弘文堂, 2 0 0 6 ),小早 J I I光部編・改正行致事件 訴訟法研究〈有斐関, 2 0 0 5 ),福井秀夫他・新行政事件訴訟法ー逐条解説と Q&A- (新日本法 規 , 2 0 0 4 ) を掲げるにとどめる。. r. i. 司. AV.

(5) 法 科 大 学 涜 論 集 第 3号. というのであれば,法律の改正によって対応するという方法が,京理的にはあ りうるところである c 吉本新党事件で問題となった規定について,. I 除名雇出. に対しては政党を被告に争うこととし,除名を舞効とする鴇決があった場合に は,除名居出を前提に行った繰上補充は自動的に無効となり,改めて繰上補充 を行う旨の規定Jを整構する必要性が主張されている mG ところが,現実はいわばその逆であって,日本新党事件の前後を通じて選 挙・国会法制上の政党の地位は強化され,いわゆる f 政党本位 j の体制整繕が 進展している O 日本新党事件は,平成 5年 7月の総選挙に先立つ同党の細川護 照参議説議員・小池百合子参議院議員〔現在は自由民主党衆議院議員・環境大 臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び地方対策))の辞職に端を発するものであっ たが,この総選挙後に細川内閣が成立し,その内関の下で平成 6年にいわゆる 政治改革関連 4法案が成立した。この結果,衆議誌にも比例代表制が導入さ 8 ) 選挙運動が f 設党本位 j で行われることになり(ベ政党助成制度(闘が れ ( 1. 導入された凶。そして,. I 政党本位J制をさらに誰し進めたのが,政党間での. ( 17 ) 高橋・前出注 ( 9 )2 1頁 。 ) 参照。 仕掛この制震の合憲牲については前出注(15 ) 最大判平成立年 1 1丹1 0日民集 5 3巻 8号 1 7 0 4 頁は,衆議院小選挙亙において,候補者届出 ( 19 政党に所属する候補者とこれに所屠しない候措者との関に設けられた選挙運動上の差異を憲 4 条 1項に違反するとはいえないと判断している O この特決で直接問題にされたのは, 法1 f自動車,拡声接,文書図画等を用いた選挙運動や薪需広告,演説会等についてみられる選 立候補者届出政党にのみ致見放送を認め候補者 挙運動上の差異」と「小選挙区選挙について i を含むそれ以外の者には設見放送を認めないものとしたこと j であったが,河合・遠藤・元 軍・梶谷の各裁判官の反対意見は, 政党交村金の使途について辻制限がなく (政党助成法 4 条 1項),選挙運動にも使用することができることが留意されるべきである j と指指する。 この点に関しては,さらに,選挙運動資金の規制については,小選挙区の候補者については 9 4 条〉が,独自の選挙運動を行える錠捕者福出政党に 制援が設けられている(公職選挙法 1 ついては,政治資金規正法の適用対象としてしか規制を受けていないという点{参黒,高橋 0 0 5 ) 288頁〉にも留意すべきであろう G 和之・立憲主義と日本国憲法(有斐謂, 2 ( 2 0 ) 大寂高判平成 1 0 年 6月 19B訟務月報4 5 巻 3号 6 4 6頁〈確定) ~j:,政党劫成金交N の差止・ 違憲確認を求める訴えを民衆訴訟であるとして却下し,国家賠積法上保護されるべき法拝上 の利益の侵害とはみられないとして毘家建韻語求を棄却している。. r. i. ヴ. 11.

(6) 「政党本位j 体 制 の 下 で の 司 法 的 救 済 に つ い て. r. 国会議員の移動に伴う「失諮J 失職 j 制度の導入である. r c 失格Jr 失職Jの. 意義については後述こしの冒頭部分参照)。. r. 再び前置きが長くなったが,そこで,本稿では,第 2に,この「失格J 失. 職j 制度の憲法上の評倍について簡単に検討し(ニ入その上で,ーでの検討 も踏まえ,最後に,この制度の下での救済のあり方について検討を行う. ( 三 )ω 。. ー. いかなる訴訟で争えばよいのか 現時点(平成 1 8 年 8月現在)で,ヨ本新党事件と同じように国会議員(却. の比例代表選挙凶で次点となった候補者について,選挙後の除名と繰上当選. ( 21)以上につき,参照,毛利透「致党法制 j ジュリスト 1 1 9 2 号1 6 4頁 ( 2 0 01 ),高 E篤 f 憲法 1 9 9 8 )2 2 頁林知更「致党の{立量づけ」小山閥 と政党j 高構租之勉編・憲法の争点〔第 3瓶 J( 0 0 5 )2 5 7頁参照。また,毘「故治過程の統合と邑由 =駒村圭吾編・論点探究憲法(弘文堂, 2 5 ・完) J 国家学会雑誌 1 1 5 巻 5= 一政党への公的資金助成に関する憲法学的考案(1) - ( 6号 1頁 , 1 1 6 巻 3=4号3 3 頁 , 5=6号6 6 頁 , 1 11=12 号 1真 , 1 1 7 巻 5=6号 1頁 ( 2 0 0 2 2 0 0 4 ) も参照。改正法の内容については, 特集政治改革関連法成立j 法律のひろば1 9 9 4. r. 年 6丹号 4頁以下参照。 ( 2 2 ) 本請は,本法科大学院において筆者が担当している憲法演習 B (憲法訴訟) (必修・ 2年 0 0 5 年度の設業の派生物である。 次後期〕の 2 ( 2 3 ) 前出注 ( 1 8 ) 本文で触れた政治改革関連 4法の成立により,現在では,衆議院でも比例 代表選挙が行われている。 ( 2 4 ) 巌密にいうと,現行制度の下では,除名と議上当選が問題になるのは,上七夕日代表選挙に 隈られない。「政党本位Jの選挙運動が導入された結果,衆議院小選挙亙選挙であっても,個 人ではなく候補者届出政党が立候福の居出を行うことができ,その場合,当選人の繰上横充 7 条 1項または 3項〉に捺して,除名届出が先行していると,その者を当選入 (公職選挙法9 8 条 2項)し,小選挙区選出の衆議提議員が欠けたことによ と定めることができない(詞法9 1 2 条 1項)でも,同様である(同条 7項は 9 8条 2項を準用)。もっ る繰上諸充の場合(同法 1 5条 2項の適用を受けた得票者で当選 とも,このような事態が生じるのは,いずれも,同法9 入とならなかった者,すなわち当選人または議員と同じ得票数でくじに敗れた者がいる場合 に限られるので,現実にこれらの規定の合憲性が問題にされることはほとんど考えがたいと ころではある O しかし, 政党本泣j の選挙制度の下,政党等が小選挙区の立候補者の届出 を行っている場合に諜つてのこととはいえ,完全に個人名で、の投票が行われる小選挙区につ いてまで,以上のような諌上補充からの排除が現実に行われるとしたら,その違和感は,比 例代表選挙の場合の比ではなかろう. r. O. s. ヴ ,. ワ ー “.

(7) 法 科 大 学 説 論 集 第 3号. が開題になる事案が生じたと{反定しよう G この候福者(以下,. Xとする)はど. のような訴訟で争えばよいのであろうか。当選訴訟,抗告訴訟,当事者訴訟, 民事訴訟の穎に検討する O. 1.当選訴訟 選挙会が, Xの次にランクされている候補者(以下,仮に A とする〉を当選 入とする決定をし中央選挙管理会がその旨の告示を行えば, X は,中央選挙. 0日以内に当選の 管理会を被告として Aの当選の無効を求めて,告示の日から 3 効力に関する訴訟を提起することができる(公職選挙法208条 ) 0 しかし,この 方法では,日本新党最判が変更されない限り,. xについての法定の除名届出が. なされてさえいれば, Aの当選の効力試否定されないことになるので, X とし ては,意味のある救済を得ることができない。. 2 . 抗告訴訟 そこで次に,抗告訴訟の有用可龍性について検討するむ ただ,ここで,抗告訴訟について検討することには,説明が必要であろう C というのは,鴇例は,. I 選挙又は当選の効力に関する争訟は,同法〔公職選挙. 法 J202条以下に規定する所定の手続をもってのみこれを行うべきもの J ( 2 5 ) と しており,たとえば,. I 立候補雇出の不受理が違法であるというのであれば,. 知事選挙終了後公職選挙法202条以下の規定により右不受理の違法を理由に選 挙無効の判決を求むべきであって,右不受理という個々の行為の違法を主張し て,これが取消を求めることは許されない J ( 2 6 ) としているからである G このような判例の考え方を前提にする限りでは,当選人の決定処分について. ( 2 5 ) 最一朝昭和 3 2 年 8月88民 集 1 1巻 8号 1 4 4 6 頁 。 ( 2 6 ) 最ー蒋昭和 38年 9月26日員集 17 巻 8号 1060頁 。 向くり. 門. i.

(8) 「政党本位j 体 棋 の 下 で の 司 法 的 救 済 に つ い て. の取泊訴訟・無効等確認訴訟であろうと,あるいは詮名届出の受理を処分と捉 えての受理処分の取沼訴訟・無効等確認訴訟であろうと,いずれも許されない ということになるはずである O たしかに,そのような制度構築の方法も,およそありえないとは,車ちには いえないかもしれない。しかし,まず問題なのは,当選訴訟について,. B本新. 党最暫が先例として存在しているということである 9 当選訴訟で適切な救済が なされるのであれば,抗告訴訟をもいわば集約して,当選訴訟に一本化するこ とも許されないわけではなかろうが,その当選訴訟がく不当にも)機能不全に 揺っているのでは,話はそう簡単にはすまない。 日本新党最判の青後には,あるいは,当選訴訟.選挙訴訟については,客観 訴訟でで、あるとして (幻 2 ペ 7 があるのかもしれない O しかし,この点については,. r 選挙に関する争いは原. 則として法の規定する選挙無効訴訟と当選無効訴訟によるものとする」のであ れば,. r 憲法の保障する『裁判を受ける権利 iを実質的に保護するために,柔. 軟な対応が要求される j織と考えるのが正当である O というのは,すでに指 揺があるように捌,当選訴訟,とくに国会議員の当選訴訟は,むしろ主観訴訟 としての性質をもつものであって,実効的な救済を得ることが可能なものと なっていなければならない詰ずだからである O そして,いわばこのことから逆 に,客観訴訟であるとの理解を背景に当選訴訟の審理の内容が限定されてし まったのであれば,それとは別に,抗告訴訟が柔軟に許容されなければ,憲法. ( 2 7 ) 田中宗孝=谷合靖夫・逐条解説公職選挙法(政経書 j 完 , 1 9 8 9 )1 1 1 3頁は,当選訴訟は民衆 訴訟であるとの理解を示す。 ( 2 8 ) 高橋・前出注 ( 6 ) 57頁 。 ( 2 9 ) 近藤・前出注(1) 510 頁注 ( 1 4 ),毛利・蔀出注 ( 6 )1 2 6 2 頁注 ( 1 1 )。最三判昭和 23 年6 月1 5 民集 2巻 7号 1 3 4 頁も,衆議院議員選挙法8 3 条第 1項本文〈当時)の当選訴訟辻「主た る自的が当選を失うた者の権利の主張である j との理解を示していたところである。 ヴ ,a. A吐.

(9) 法 科 大 学 院 論 集 第 3号. の要求を満たさないというべきではなかろうか倒。 また,裁判を受ける権初の実質的保護の観点から辻,時間の要素が重要だと いうことも考憲する必要がある。当選蕪効判決の効力辻遡及しない包1) とされ ているため,当選訴訟によった場合,一旦は A が議員となってしまう O この 点は,寂諮訴訟や葉効等確認訴訟によったとしても同様で、あろう O 当選決定に ついて執行停止が可能だと考えても,. Xが議員として活動できるわけではない。. しかし,冨会議員の国会での一票は,有権者の一票より軽いとはいえない以上,. f 選挙権は,これを行使することができなければ意味がないものといわざるを 得ず,侵害を受けた後に争うことによっては権利行使の実質を回復することが できない性質のものである J ( 3 2 ) との論理は,本来ここでも少をくとも同等の強 さで妥当するはずであ号,事前の救済の必要性は高いはずである O そうだとすれば,当選訴訟と同様に事後的な救済となる取消訴訟・無効等確 認訴訟にとどまらず,今冨の改正で規定が量かれた抗告訴訟の検討がなされる べきだろう O すなわち, X としては,国を被告として, A を当選人とする決定 の差止めの訴え(行政事件訴訟法 3条 7項 , 3 7 条の 4) あるいは X を当選人 とする決定の義務付けの訴え(同法3条 6要 1号 , 3 7条の 2)を提起し,それ ぞれについて仮の差止め・義務付けの措置を講じておく(罰法 3 7条の 5)とい うことが考えられる倒。 以上のように抗告訴訟を認め,張の救済にまで途を開くことは,もちろん,. ( 3 0 ) 本文のように述べたからといって,国会議員の選挙に関する当選訴訟は抗告訴訟である a s e s という理解を排除する意園はない。なお,以上の点に関連して,初詣正典地著・憲法 C andν 1 a t e r i a l s訴訟編(有斐罷,近f l j ) 第 8章 f 客観訴訟j 参燕。 ( 31)傍論であるが最二判暗和 24 年 3月四日民集 3巻 3号 74 頁。日本新党事件の第一審判決た 1月2 9日判時 1 5 1 3 号6 0 頁も i 弓旨。 る東京高半日平成 6年 1 ( 3 2 ) 在外邦人の投票権に関する最大半日平成 1 7年 9~14 日員集59巻 7 号2087頁。 ( 3 3 ) 本文のような訴訟が可能なのであれば, A等 i こ対して,訴訟告知(民事訴訟法5 3 条)あ 条 , 22 条)の方策を議じておくことが,時間と るいは第三者の訴訟参加(行政事件訴訟法38 1 6 ) 頁参照。 いう観点、からも存用であろう O 小林・前出詮 ( h 戸u. ウi.

(10) 「致党本位」体制の下での司法的救済について. 当選訴訟・選挙訴訟に選挙訴訟を集約しようとする上述の判例(却に違反するこ とになる O ただ,それらの判部は,ある程度古いものであって,執行停止制度 は死文化し,差止訴訟・義務付け訴訟は無名抗告訴訟として彰だけ存在してい ただけで、あった時伎のものであることに程意が必要である O 今後,行致事件訴 訟法の改正を契機として,仮の救済まで含めて,義務付け訴訟・差止め訴訟が 活吊されることが常識となった場合側,その常識と隔絶した当選訴訟のみによ る扱いが許されるべきものであろうか。 ただ,以上のように考えるとしても,日本新党最判の採用した,必要なのは 有効な除名届出であって有効な除名処分ではないという法解釈を前提にする限 りは,義務付けであろうが,差止めであろうが,. Xの請求は認められないとい. うことにならざるをえない。その意味で,結局,抗告訴訟による救済も, B本 新党最判が変更されない限札実効性をもたないことにをろうかと思われる。 もっとも,日本新党最判が実質的に最も懸念したのが,事後的な当選訴訟に おいて除名処分の有効性にまで判断が及ぶとすることによって,選挙会の審査 の範毘が拡大し,行政が政党の内部開題に干渉しうることになり,政党の結社 の自由が脅かされるという事態であったとも考えられないではない。そうだと すれば,上述の場合に詰,裁判所による審理が当選決定の前の時点で行われる のであって,行政による政党の自治への干渉は発生する余地がないということ は指請できょう O 日本新党最半日の論理とは抵触する可詑性があるが,同最判に. ( 3 4 ) 前出注 ( 2 5 )および ( 2 6 ) 参問。 ( 3 5 ) 大内室「改正行政事件訴訟法雄行後 I年の回顧と今後の課題j法津のひろば2 0 0 6 年 5月 号 4頁 ( 2 0 0 6 )9 1 0 頁によると,平成 1 7 年 4月から 1 2丹までに板の義務付け及び伎の差止め の申立が,それぞれ 1 0 件前後あったとのことである O 叡の差止めについては,大阪地決平成 1 7 年 7月2 5司判例地方自治275 号1 7頁,東京地決平成立年 1 1月25司(大門・ 1 0真による)と いった却下事到しか知られていないが,仮の義務付けについては, 1:呆育園・幼誰菌への入量・ 競園について,嬉島地決平成 1 7 年 6月 7日判剖地方自治2 70 号4 8 頁,東京地決平成 1 8 年 1月 258 (大門・ 10頁による)といった認容事例がある。 ヴ t. p o.

(11) 法 務 大 学 院 議 集 第 3号. ついては,このような実質的観点から,先部としての射程を隈定する余地もあ るように思われる。. 3廻当事者訴訟. 当選訴訟でも,抗告訴訟でも救済されないとした場合,行政事件訴訟法の改 正の趣旨にしたがって,屈を被告とする公法上の当事者訴訟,とくに確認訴 訟{誠による救済を検討する必要があろう(到。なお,当事者訴訟については公. 4 権力の行費との爵係では仮処分の適用は排除されている(行政事件訴訟法4 条)が,この排除は及ばないと解することができれ廷,仮処分も活沼できるこ. ( 3 6 ) この点について,故 U J鯖溝手目事は次のように述べていた(答弁当時は司法制震改革推進. 0I 抗告訴訟の対象とならないような行設の行為を契機として争いが生じた公 本部事務高長) 法上の法律詩諜につきまして確認の剥益が認められる場合には,現行法でも当事者訴訟の類 型として確認訴訟を起こすことができると解釈されているわけでございますが,これがそう 吏われることがなかった。こ はっきり条文に書いていなかったわけでございますので,余り f ういう点が検討会等を経まして浮かび上がってきたというこ左でございまして,通達あるい は行致指導,こういうことが変わることによって自分の権利義務関係に影響があるという場 合には,それについての無効確認の訴訟を起こすとか,自分に義務のない確認を起こすとか, こういうことが可能で、ございまして,現にそういう判例もあるわけでございます。したがい まして,そういう罵係で救済をしていこうとム「それにしても,この現在の 4条の条文につ いては,公法上の法律関係に関する確認の訴えができるかどうか必ずしも明確ではないとい うことで,これが活用をされていくようにということから,その一類型として明示をしよう ということでこの条文を震かせていただいた,こういう経緯にあるわけでございますム「こ れを今度量くことによって,やはり今後は,公法上の法律関係に関して確認の利益が認めら れる場合について,国民と行政との閤の多様な爵採に応じた実効的な権利救済のために,こ の当事者訴訟としての確認の訴え,これの活用が函られるということを大いに期待してこの 明示的な条文を置かせていただいた,こういうことでございます J(衆議院法務委員会・平 成1 6 年 4月2 7 8 ) 0 まお,内需総理大臣答弁書{内閣衆質 1 5 9第 6 9 号)は,確認訴訟が詞題と 行政立法,行設計画,行政指導等j を挙げていたところであ なりうる行設の行為として, I 5頁 。 るO 参黒,議本・解説8 1 6 ) 掲記の各文献の他,とくに,中 1 1 1丈久「行設 確認訴訟の活用論に関しては,前出注 ( 訴訟としての「確認訴訟j の可能性一一改正行致事件訴訟法の理論的インパク七民藷法雑 誌1 3 0 巻 6号 1頁 ( 2 0 0 4 ) が参照されるべきである O ( 3 7 ) 薦出注 ( 3 2 ) の本文で引用した在外邦人の投票権に関する大法廷持決の文章は,公法上 の当事者訴訟としての確認訴訟を適法と認める文援で述べられたものである G. -77-.

(12) 「致党本位j 体制の下での奇法的救済について. とになる(刻。 この場合の最初の問題は,なにを確認の対象とするかである O 最も端的な確 認の対象は,. Xの議員としての地位であろうが,それが無理であるとすれば,. X が名簿上で次点の地位にあることの確認を求める訴えを提起することが考え られる a しかし,次の間題は,名簿上での地位をいつの時点で確認するかである。も しそれが,除名届の提出詰なら届出で顕位は覆るし,提出後だとすると,判例 の論理によれば,有効な除名岩出がある以上,名簿上で次点の地金にあること を,冒との罰で確認することはできないことになりそうである. G. そうだとすると,詮名の届出岳体が無効であること,あるいは,除名処分が 無効であることを,確認の対象として取ち上げざるをえなくなるが,国と X の間でこの確認することが適当であろうか。かりに適当だとしても,自本新党 最判の論理により,. I 必要なのは有効な除名届出であって有効な除名処分では. ない」のであれば,除名処分の無効を確認しても意味がないし,除名君出の無 効を確認しようとしても無理だということにな与はしないか。. 4 . 民事訴訟 ( 1)訴訟方法. このように考えてくると,結局,有効な救済は,. Xと致党との関で、の民事訴. 訟に求める必要がありそうである制。. ( 3 8 ) 参照,橋本・解説86頁 。 ( 3 9 ) ちなみに, 8本新党事件について,本来,政党と候補者との詞の訴訟で需題にすべきも のだとするのは,日本新党測の主張でもあった (8本新党最判の京審判決の評釈である田島 優子・法律のひろば1995 年 4月号48頁参罷〉。国島氏は司本新党事件における参加入 E本新党 及び円よち子〔本名出荷額子,当選の無効が求められた当選人。現在は民主党参議院議員〕 の訴訟代理人であった(近譲・前出注(1) 508頁注 ( 2 ) ) 0. 00 巧 i.

(13) 法 科 大 学 説 議 集 第 3号. 自本新党事件諸判決の評釈のうち,高講和之教授によるもの (40) だけが,こ の点についての立ち入った検言を行っている。そこで想定されているのは,政 党を相手取った除名居出の差止訴訟である (4九そこでは,高語教授によれば, 「除名届出に結びついてくる浪乃においては,除名行為も…公的行為としての 性格をもつから,この訴訟において除名の手続的・実体的問題の憲法による直 接的評価を争うことが許される J ( 4 2 ) ことになる。政党の行為について,憲法に よる直接的評倍を可龍と考えるかどうかは意見の分かれうるところではあろ うω が,その点をおくとすれば,. r この訴訟方法は,開題の性質に最も適合的. 高値がある」との指摘は,とくに現に日本 であり,今後その可能性を追求する f 新党最判が先併となってしまった今日,とりわけ正当であろう側。吉本新党最 判の論理を前提にする以上,すでにみたように,除名属出の有効性自体を正面 から問題にする必要があるのであって,除名処分の有効性ないしは党員として の地栓はその前提問題として審理されるということになる O この訴訟方法について,高構教授が自ら指摘する難点が(実体的審査基準の 暖味さということを別にしても) 2つある c 一つは,. r 届出が受理される前に出訴するという迅速さが要求されること j. 閣. である O たしかに,日本新党事杵では,原告が日本新党の事務局長から除名の. ( 4 0 ) 高矯・前出注 ( 6 ) 55頁以下。 ( 41)同・ 56 頁。なお, I 按名届出は国籍離脱の届出等と類鉱するいわ中る「私人の公法行為 j と して検討の対象となっているが,その場合,除名届出の差止や蕪鶏確認を求める訴訟は民事 訴訟なのであろうか,公法上の当事者訴訟なのであろうか。公法上の当事者訴訟から一律に 仮処分が排除されているわけではなく,以下の検討との関採では実益のある論点とは思われ ないので,ここでは民事訴訟として話を進める ( 4 2 ) 再上。 ( 4 3 ) 毛和・前出注 ( 6 )1 2 6 0 頁は f これもまた極端な主張である」と評する ( 4 4 ) 高橋・前出注 ( 6 ) 56 頁。もちろん,高橋教授は本来は当選訴訟で除名の有効性を審査す 7 8 頁 。 べきであるとの立場である。同.5 ( 4 5 ) 再・ 56 頁 。 O. O. 司 t. Qd.

(14) 「政党本位j 体制の下での司法的救誇について. 事実を知らされたの辻,除名届出が受理された日の夜であり{必差止訴訟の提 起の現実的可龍性はなかったと評さざるを得ない G この点についての,高構教授の解決方法は,. r 届出がなされた場合に選挙長. が受理する前に被除名者に出訴するかどうかを確認する慣行にするか,あるい は,受理された後でも,届出の無効確認訴訟を行いうるとする〈無効とされれ ば,受理も当然禁効となる )J 羽というものである O この提案の前半は実現す るのは困難としても,後半の確認訴訟を否定すること詰,判例の立場からも国 難であろうかと一応は考えられる悩む ただ,手続についてさらによく考えてみると,差止訴訟について,仮処分を 申請すればよいので誌ないだろうかむそして,もし関に合えばそれでよし。も し,日本新党事件の場合にそうであったように,すでに除名届出がされてし まったのであれば,除名届出を取り下げる意思表示を命ずる叡娃分決定を求め, 意思表示を命じる確定判決の強制執行に準じて〈民事保全法52条,民事執行法. 1 7 3条 1項),仮処分の発効により債務者の意思表示があったものと擬挺する制 という方法が,事態が複雑化することを回避でき有効であると思われる. G. 意思. 表示の仮処分については,間接強制によるべきであるとの批判側もあり,そ. ( 4 6 ) 東京高特平成 6年 1 1丹298民 集49巻 5号 1384 頁 , 1403-4頁 。. ( 4 7 ) 高橋・前出注 ( 6 ) 56 頁 。 ( 4 8 ) もっとも,前注本文話弧内のように, I 当然に蕪効j となるか否かについては,異論もあ るかもしれない。 ところで,かりに効力が否定されると考えた場合, X が当選訴訟も提起するものとし無 効確認判決が出るのを待って当選訴訟の判決が出るような場合であればともかく,そうでは なくて,当選訴訟の出訴期間の経過後あるいは当選訴訟の判決後に除名届出の無効確認判決 が出,選挙会の舗で告発的に対応がなされない場合, X はどうすればよいのであろうか。当 選訴訟とは別に抗告訴訟で A の当選決定の無効等確認を求めることを許すのか,公法上の 当事者訴訟で, A の国会議員としての地位の不存在の確認を許すのか,訴訟告知を活用する のか,調らかの途が畏かれている必要があることになりはしないであろうか。 以上のような訴訟の許容性を考えることは,当選訴訟が設けられている趣旨に反すること はいうまでもない。ここでの議論が不吾、要に混乱したものになっているとすれば,それは, 判例が当選訴訟の守寵範囲を不当に限定したことに起因するものである。. -80-.

(15) 法 科 大 学 院 論 集 第 3号. の批判自体は正当かとも思われるが,有効な i 桧名届出と有効な除名処分とを切 断する日本新党最判を前提に,限られた時間の中での対応を考えるのであれ ば,まさにこのような方法がこそが,この場合 Xの救済のために実効的であろ. つ. O. 高橋教授が指摘するもう一つの難点は,. r 原告が訴訟で勝利しても,政党が. 法の定める書類を構えて届け出れば,選挙長としては法律上受理せざるをえな いではないかJ<日というものであるが,以上のように考えるとすれば,とくに 取り下げの意思表示の仮処分が利用耳龍であることによって,この難点は回避 できるであろう C また,この方法が実効性をもつためには,仮処分についての 決定は,選挙会の決定までに下される必要があるが倒,日本新党事件では,欠 員の通知から選挙会の開雀までに 108を要しており,一概に辻言えないものの, 訟名の違法性が顕著な場合であれば,仮処分が間に合わないということまでは, 考えなくてもよさそうである。このように考えると,仮処分手続で,国会議員 の身分が左右されることになり,若干の違和感を覚えないで誌ないが,裁判所 をとりまく最近の情勢に鑑みれば(部,とくに指題視することもないであろう. G. ( 4 9 ) 中野貞一部・民事訴訟法の論点 E判倒タイムズ社, 2 0 0 1 ) (以下, 1"論点 I IJ )( 2 9 4 頁は, 意思表示を命じる仮処分について,本文で述べた見解を「行き渡った見解j とする O 具体的 には, 1"意思表示の相手方が第三者(とくに官公庁)である場合には,債権者が裁判や和解 等の積務名義の正本なり謄本(意思表示の援制はすでに完了しており,あえて正本に譲る必 要はない)を第三者に送付または提示すれば足号,その到達または提示の持に擬制された意 版 J(青林書 思表示が語達して法律効果が発生することになる J(同・民事執行法〔増補新訂5 i 見 2 0 0 6 )7 8 8 7 8 9頁〉。 ( 5 0 ) 中野・論点豆 308頁 。 ( 5 1 ) 高構ー前出注 ( 6 ) 59頁注 ( 1 2 )0 高構教援は,裁判所f 毎辱罪がない司本では命令の事実上 の効果に期待するしかないとする(詞〉。 ( 5 2 ) 間に合わなければ,上述の,当選訴訟の出訴期間の経過後あるいは当選訴訟の判決後に i 按名届出の無効確認鴇決が出た場合と同議の開題になる。前出注 ( 4 8 ) 参照。 おおむFJグループの経営統合をめぐる仮処分事件についての,東京地決平成 16年 7月27日商 7 0 8 号 22 頁,東京高決平或 1 6 年 8月 118高事法務 1 7 0 8 号2 3頁,最三決平成 1 6 年 8月3 0 事 法 務1 自民集58 巻 6号 1 7 6 3頁や,ニッポン放送新株予約権発行差止事件についての東京地決平成 1 7 年 3月 1 1日朝夕 1 1 7 3 号1 4 3頁,東京高決平成 1 7 年 3月238判タ 1 1 7 3号 1 2 5頁等参照。 1 守. 00.

(16) 「致党本位」体制の下での可法的救済について. なお,参議院議員選挙での公認をめぐり民主党を離党した元同党副代表の笹 野貞子・元参議院議員が,その後も同党京都府参議院選挙区第 1総支部代表と して活動していることについて,民主党が新たに選任した同支部の代表らが原 告となって,再支部及び笹野元議員らに対して元議員が同支部代表等の地位に ないことの確認を求めた訴訟で, 1審判決出は原告らの請求を認容した制。こ のような問題が発生するのは,政治資金規正法上,政党の支部が独立の団体と して扱われている国)ことによるものである。この判決が確定しでもあくまで も被告が政治資金規正法上の手続をとらない場合,意思表示を命じる判決を求. 7 年法律 1 0 5 号による改正後 める途も検討に値するはずである制。なお,平成 1 8条 4項では,政治団体の本部が,支部の解散の手続を行え の政治資金規正法 1 るようになった {580. ( 5 4 ) 京都地暫平成 1 8 年 3丹30百判例集未登載。 ( 5 5 ) 判決は,元議員の離党届が常在幹事会によって承認され,その後元議員が同党の公認候 補者に選出されていないことから,元議員が党員でも公認候補者でもないとし,新役員の選 任については,党の規約等に従った適正なものであると認定 Lている。なお,党員・公認候 補者ではないということについては,元議員自身そのことを認識していたというのが判決の 認定事実である O ( 5 6 ) 平成 1 7 年法需 105号による改正〔後述〕蔚の政治資金規正法 1 8 条。同条 1項 i , ま 政治団 体(政治資金団体を詮く。)が支部を有する場合には,当該政治団体の本部及び支部は,そ れぞれーの政治団体とみなしてこの章の規定(これに係る罰殿を含む。)を連用する」と規 定する O 同項詰,平或 1 7 年改正でも改正されていない。 ( 5 7 ) それにしても,政党自体の規期では,支部の役員の選任を本部が行いうることを定めて いる(原告らを本件総支部の役員に選任した当時の民主党規約 27 条 7項は「県連および総支 部等の設置および廃止,ならびに総支部長の選任には,幹事長が認め,投員会の議を経て常 任幹事会が承認することを要する。幹事長は,とくに必要と判断する場合は,役員会の議を 経て常任幹事会の承認にもとづき,県連および総支部等の支部嘉止に必要な措置を議ずるこ とができる j と規定する)のに,政治資金規正法上の定めが原医で, 元j 支部長の居座り を許すという事態は,支部の連合体として元々構成されているような致党についてであれば ともかく,一般的には,法律による政党の自律権に対する干渉として,開題があるのではな いかとの疑問があちうる。 ( 5 8 ) 前注の疑爵とは逆方向のことを述べることになるが,今次の改正の結果,致党の本部が. r. r. ワ 白. 。 。.

(17) 法 科 大 学 院 論 集 第 3号. ( 2 )本 案 民事訴訟が認められるということになれば,そこでの先例は呂本共産党袴田 事件最高裁判決捌である O 同判決では,. r 政党が組議内の自律的運営として党員に対してした除名その. 他の処分の当否については,家賠として自律的な解決に委ねるのを相当とし, したがって,政党が党員に対しでした処分が一般市民法秩序と直接の関係を有 しない内部的な問題にとどまる張り,裁暫所の審判権辻及ばない」とされてい るO しかし,彊会議員の当選を左右する除名届出の有効性に関採を有している ということは,袴田事件で問題となった建物明渡請求権のような私法上の請求. r 一殻市民としての権利利益を侵害する場 したがって,除名延分が, r 当該政党の自律. 権の場合とは多少異なるとしても, 合j であることは明らかである O. 的に定めた規範が公序良俗に反するなどの特段の事情のない限り右規範に照ら し,右規範を有しないときは条理に基づき,適正な手続に則ってされたか否. 支部を,一方的に,解散したものとして届出を行うこともありうることになった{もちろん, 支部の解散ということはそれぞれの党の党問や規約によって行われるわけで…も 本来は, I (鳩山邦夫 し内部で本当にもめるようなことがあれば…それ辻当熱法廷でということになる J 7 年1 0月2 1 衆議院議員・政治論理の確立及び公職選挙法改正に関する詩刻委員長代理・平成 1 日付参議院政治論理の確立及び選挙髄度に関する特別委員会 ) ) 0 地域的な匝体の連合体とし て存在する政党も考えられない訳ではないところ,設党の支部をどのような存在として扱う か,その設置・解散について誰が居出の主体となるかという問題を,各政党内部の規範の内 容を離れて,政治資金規正法のような法律で画一的に規律しようとすることに,若干の無理 があるようにも思われる。 今回の総選挙に関して自由民主党の中で郵政をめ なお,周知の通り,今次の改正は, I (再)であった訳である ぐっていろいろあったということ」が少なくとも「一つのきっかけ J 収支報告書を が,改正法施行後は,致党本部による解散届出があった後に, (元)支部が, I 出さないと罰則の適用も受けるし,そのままお金集めたら規正法 8条違反(届出前の寄附又 3 条に罰期がある〕になる J(大門実紀史委員・同。( J内は松 は支出の禁止。これも同法2 本)点、には注意が必要である。大門委員の質問に対し,鳩山特別委員長代理は?それはそう いうことになります」と忠じている(同九政治資金規正法について「容易にいわゆる治安 9 7 8 )6 2 0頁〔註藤幸治執筆J ) 立法化する危験J(芦部信喜編・憲法 E人 権 行 ) (有斐罷, 1 あるいは「清諜さを求めての全体主義 J(毛利・前出注 ( 21 )1 6 5 頁)との指掃があることを 想起せざるを得ない。 ( 5 9 ) 最三判昭和 6 3 年1 2月2 0日事jタ694 号9 2頁 。 00. ο q.

(18) f 政 党 本 位j 棒 軒 の 下 で の 司 法 的 救 済 に つ い て か」制)について裁判所による審理が及ぶ場合であると解すべきことになる刷。. 「失格Jおよび「失職J制度 1. 概 説 次に日本新党事件当時よりも,さらに「政党本位 j 体制を誰し進めることと なった,政党間での国会議員の移動に伴う「失棒j および「失職Jの制度(そ の意味についてはすぐ述べる)について検討する. まず,ここで開題となる制度の内容の確認から始めよう. G. 衆議院の比例代表選出議員の選挙における当選入が,その選挙の期自以後続} において,その選挙における他の衆議院名簿届出政党等制に所属する者と なったときは,当選を失う〈公職選挙法的条の 2第 1項〉。この規定は,参議 院の比例代表選出議員にも準用される(同条 6項)(以下,これらを「失格j 制 度と呼ぶ〉。 衆議院の辻例代表選出議員が,議員となった日以後において,その選挙にお ける他の衆議院名簿届出政党等に所属する者となったとき(議員となった日に. 0 9 条の 2第 おいて所嘉する者である場合を含む。〉辻,退職者となる(国会法 1 括的この基準は,異論もあるが,純粋に手続的なものと理解されている O 渡辺康行・憲法判部 百選豆〔第 4抜 J(2000) 406頁参照。 ( 61)日本新党事件の原審判決は,袴 E事件の最高裁判決に依拠し,請求を認容しているので あるが,この点については,袴国事件の枠組みを「実質的に拡張J (日本新党事件原審判決の 評釈である常本摂携・法学セミナー 485号 77頁 ( 1 9 9 5 ) 78頁)したとの評価もあった。 ( 6 2 ) 繰上祷充の場合は, 当選人となった日 J(同条 5項)である。 ( 6 3 ) 当該当選人が衆議院名簿登載者であった衆議読名簿届出政党等以外の政党その飽の政治 団体で,当該選挙における衆議院名簿届出政党等であるもの〈当該当選人が衆議読名簿登載 者で、あった衆議提名簿届出政党等(当該衆議院名簿届出政党等に係る合併又は分割(二以上 の政党その弛の政治団体の設立を E的としてーの政党その也の政治団体が解散し,当該二以 上の政党その地の政治団体が設立されることをいう。〉が行われた場合における当該合詐後 に存続する政党その弛の政治団体若しくは当該合併により設立された政党その飽の致治団体 又は当該分割により設立された政党その他の政治団体を含む。)を含む二以上の政党その他 の政治団体の合許により当該合許後に存続するものを除く。 ) J のこと(公職選挙法的条の2 第 1項 〉 。. r. r. -84-.

(19) 法 科 大 学 院 論 集 第 3号. 1項 ) 0 参議院の比例代表選出議員についても同様の規定がある(同条 2項) (以下,これらを. f 失職 j 制度と呼ぶ)。. これらの「失格j および「失職j 制度は,議員立法である国会法及び公職選. 2 年法律6 3号)によって導入されたものであ 挙法の一部を改正する法律(平成 1 るが,この法律は,両院において全く議論されることなく成立制しており, その理解の手がかりとしては,法案の提出者からなされた次のような提案理由 の説明があるだけである O 「現行法においては,衆議院議員及び参議院議員とも,当選後,選挙のとき に所嘉していた政党から他の政党に移動することには持らの制援も加えられて おりません。しかしながら,政党への投票をもとに選出された持束名簿式の比 例代表選出議員が当選後他の政党に移動することについては,選挙に示された 有権者の意思と全国民を代表する議員の地位をめぐって,国会を初め学界,マ スコミ等各方面で種々論議のあったところであります j。. f これらの論議を踏まえ慎重に検討した結果,本案は,衆議院及び参議院の 比例代表選出議員が当選後,当該選挙で、争った他の政党等に移動することは, 有権者の意思に明らかに背くものであることから,これを禁止することといた しております。選挙時の所属政党等を離れて蕪所属になることや,選挙時にな かった新たな政党等に所属すること,また,選挙時に所属していた政党等が他 の政党等と合許した場合また辻分割後に飽の政党等と合併した場合に当該合併 後の政党等に所属することは,禁止いたしておりません J ( 制 。. ( 6 4 ) 衆議誌では委員会は「起立総員 J(政治倫理の確立及び、公職選挙法改正に関する特別委員. 8司〉で通過している。参議院では, 会・平成立年 4月比呂),本会議も「異議なし J(同月 1 委員会は[全会一致 J(地方行政・警察委員会・平成立年 4月27日),本会議は反対1 票であっ 8由。詳細辻,上競博之・政党国家論と毘民代表論の憲法問題(日本評論社, た(関月 2 2 0 0 5 )2 1 6 7頁参照。 ( 6 5 ) 衆議院政治信理の確立及び公職選挙法改正に関する特問委員会・平成 1 2 年 4月 1 3日および 参議院地方行致・警察委員会・平成 1 2年 4月27日O 説明者は鈴木宗男衆議院議員である c F h 1 . u. o o.

(20) 「政党本金」体棋の下での司法的救済について. 2. 批 判 政党所震を議員の資諸に宣結させることが憲法4 3条 1項 , 5 1条,さらには 2 1 条 1項に反し違憲である婦とすれば, とも. r 失搭」および. f 失職Jの制変,少なく. f 失職 j の制度は違憲であると解すべきであろう(制。いずれの制度にも,. たしかに,無所属になる,あるいは新党を結成する等の余地誌残されているも のの,とくに「失職 j 制震は,現に国会議員である者についての問題なので あって,そのような抜け道があることによって違憲性が治議されるという開題 で誌なく, B本新党事件で問題になった除名と繰上祷充の場合と比較しでも, そのま畏蓮は重大であると患われる。そもそも, ょうが自由 j である以上,. r 有権者がどんな理由で投票し. r 各々の議員が『なぜ』当選したのかを法的に確定. することも不可能であるし,当然そのような偽装を行うことも許されない J ( 掘 との鋭い指摘があるところであるし,かりに, 否定しないとしても,一呈選出された. r 民意Jの原理的確定可能性を. f 全国民の代表j を,画定的に理解され. た「民意」によって拘束することは,いわば棋度的な思考停止要求を憲法に読. ( 6 6 ) 佐藤・前出注(12 )1 2 8頁。イ左藤教授は続けて f 比剖代表選出議員についても同様である j と念を押し,自発的党籍離脱の場合でも,議員の身分を奮うことは「疑問 j であるとする。 ( 6 7 ) 長谷部・前出注 ( 1 5 ) 322頁は,命令委任禁止の趣旨を強調する立場からすれば,比部代 表選出議員の党籍変更による退職制度は「開題を含む j と指摘する 松井茂記・百本昌憲法 0 0 2 ) も,上七例代表選出議員が選挙当時あった別の政党に移動すること 〔 第 2版) (有斐罷, 2 の禁止は「開題を含んでいる j とする(もっとも,松井教授はそもそも比関代表制を違憲と 9 9 頁) 0 考えている。民喜3 これに対して,大在員・蘭出注(15 ) 104 頁は, 議員は,事実上,政党の媒介によって真 致党菌家的代表観』によれば違憲とはならない の毘民代表たりうるとするもの j とする であろうし,政党本位制の選挙制度を認める限り,そうした制度をとることが重ちに違憲に なるとは考えがたいj とする O f 失格J 失職j 制度の, 最も慎重に考え抜かれた J(毛利・前出注 ( 2 1 )1 7 0頁注(17 )) 提唱者辻,上騒博之教授である G 上脇教授の見解およびは実体的問題への関心が限定されて いる本稿では取り扱われない飽の学説について詰,上協・薦出注 ( 6 4 )1 4 7 2 5 2夏参照。 ( 6 8 ) 毛科・前出詮 ( 21 )1 6 9頁 。 O. r. r. r. -86-. r.

(21) 法 科 大 学 院 論 集 第 3号. み込むものであって,日本国憲法の代表観と相容れるものとは思われない G さ らにかりにこのような制度的思考停止要求が憲法の要請であるとしても,民 意から離れたのが政党であって議員ではない場合にも,議員を「失職」させる というの誌,背理であろう{倒。. 三救済方法 続いて,. I 失格j および「失職 j の制度が憲法に違反すると考える場合,そ. のことをどのような手続の中で主張すればよいのかについて検討する O. 1 .I 失格Jt こ関する当選訴訟 ( 1 )I 失格Jt こ関するき選訴訟 まず,公職選挙法の「失格j 制度については,当選訴訟が利用できる. G. 公職. 条の 2第 1項の規定によち,衆議院(比例代表選出)議員の選挙の当 選挙法99 選入が当選を失った場合,繰上補充による当選入の決定が行われる(同法97 条 の 2第 1項)が,この選挙において,. r 当選しなかった者」は公職選挙法208条. 1項で当選訴訟を提起できるのであるむこの「当選しなかった者」には,. I 選. 挙会において当選人と決定された後荷らかの事由で、当選を失ったもの」が含ま れると解されている(問。この訴訟において,公職選挙法的条の 2の違憲性を主 張することは,当黙ながら,排除されない。. ( 6 9 ) 平成 6年 7月20日 , B本社会党の村山首相は自禽撲を合憲とする所信表明譲説を行い, 再年 9月 3Bの同党大会は路藤転換を承認したが,もしこの時,司本社会党の詑例代表選出 国会議員が,自衛隊を違憲とする政党に移籍したと仮定した場合,その議員が「退職者とな る」という不合理は,自衛隊を合憲性についての見解に関わらず,甘受されるべきものでは なかろう。なお,社会民主党(平成 8年 1月日本社会党が大会で党名変更〉は,平成 1 8 年2 月の党大会で採択した社会民主党宣言において,再ぴ f 明らかに違憲状態にある告衛藤」と 述べている。 ( 7 0 ) 田中=谷合・前出 j 主 ( 2 7 )1 1 1 4 頁 。. -87-.

(22) 「致党本位」体制の下での司法的救済について. もっとも,以上の方法が利用できる期間は誤られている O この点で参考にな るのは,地方議会議員選挙に関する事案において,最高裁判所が,公職選挙法. 97条の繰上補充についての示した次のような暫断である o r 公選法的条は,当 選人辻,その選挙の期百後に被選挙権を手干しなくなったときは,当選を失うも のとし,公選法97 条 1項は,当選入が9 9条等の規定により当選を失ったときは, 直ちに選挙会を開き,法定得票数以上の得票者で当選入とならなかったものの 中から当選入を定めなければならないとしている。しかし,当選人としての地 位は,議員としての身分を取得した持をもって終了するから,その者がいった ん議員としての身分を取得した後においては,被選挙権を有しなくなったこと を理岳として公選法97 条 1項の規定による繰上補充を行うこと辻できず,右の. 2 7条 者の被選挙権の有無については,議員の失職について定める地方自治法 1. ( 問 。 により,議会がこれを決定すべきことになる J 条の 2の操上補充にも妥当するものと考 この判示は,基本的に公職選挙法97. 9条の 2第 1項 えられる O だとすれば,公職選挙法9. c r 失格J ) →9 7 条の 2第 1. 項(繰上補充)→2 0 8条 1項〈当選訴訟〉というルートが利用できるのは,当 選入が議員としての身分を取得するまで(72)ということになる持。. ( 71)最二半日平成 9年 8月2 5日判詩 1 6 1 6 号5 2頁。なお関連する事件の判決として東京高暫平成 1 1年 1月28日判待 1 7 0 8 号6 4 夏(確定〈上告不受理))がある。後者の評釈として赤坂正浩・民 事法情報 1 5 6 号75頁(19 9 9 ) 参照。 ( 7 2 ) 衆議院の解散による総選挙の場合(公職選挙法256 条本文),任期満了による総選挙が任 期満了の日以降に行われた場合(開法2 56条f 亘書, 3 1条 2項),参議院議員の通常選挙が任期 満了の日の翌日後に行われたとき(同法2 57 条イ亘書, 3 2条 2項〉は, したがって,この訴訟 の活用の余地はないことになろう。 ( 7 3 ) もっとも,実際には, I 失格」を議提とする綾上横充が当選入が議員の身分を取得するま でになされても,当選訴訟が提起され,それについての判決が下されるのは,通常,当該当 選人が議員の身分を取得してからということになろう O この場合の開題については,後述の 注 ( 9 2 )-( 9 4 ) も参照。. -88-.

(23) 法 科 大 学 説 論 集 第 3号. ( 2 ) 地方議会議員の資格争訟の場合 なお,上に引用した最高裁判決では,地方議会議員が,被選挙権を宥しなく なった場合(当該事件では居住要件が需題になっていた)については,地方自 治法 1 2 7条によって議会が決定すべきであるとされていた仰が,その場合,議 会において具体的にどのように取り扱われるのかを,参考までにここで確認し ておこう O 地方自治法 1 2 7 条 1項は,. I 普通地方公共団体の議会の議員が被選挙権を有し. 2条の 2の規定に該当するときは,その職を失う O そ ない者であるとき又は第9 の被選挙権の有無又は再条の規定に該当するかどうかは,議員が公職選挙法第. 1 1条 , 第 1 1条の 2若しくは第 2 5 2条又は政治資金規正法 (昭和 2 3 年法律第 1 9 4 号)第2 8条の規定に該当するため被選挙権を有しない場合を除くほか,議会 がこれを決定する O この場合においては,出露議員の 3分の 2以上の多数によ りこれを決定しなければならない j と規定する。 このうち地方自治法9 2条の 2は議員の請負禁止に関する規定である O 次の 「公職選挙法第 1 1条 , 第 1 1条の 2若しくは第2 5 2条又は政治資金規正法(昭和 2 3 年法律第 1 9 4 号)第2 8条j というのは,或年被後見人であることまたは各種の 刑罰に関連して被選挙権が失われている場合の規定で、あって,これらが議会の 決定の対象から除外されている理由は,. I 裁判所の判決等により,被選挙権の. ( 7 5 ) と説明されて 有無が明らかとされるので,あえて認定を加える必要はない J. いる。そして,議会の決定がなされる場合は,捻務大臣あるいは都道府果知事 への審査申し立てを経て,その裁決に不振がある場合に辻裁判所に出訴できる. 2 7 項 4項が準用する同法 1 1 8 条 5項)。議員が失職すれば,地方自 (地方自治法 1 治法 1 1 1条 1項 3号に従って,議長から選挙管理委員会に通知がなされ,繰土. ( 7 4 ) 最二判平成 9年 8月258判 時 1 6 1 6 号5 2夏。 ( 7 5 ) 松本英昭・新版逐条地方自治法〈第 3次改言張) (学陽書嘉, 2 0 0 5 )4 1 5 頁 。. -89-.

(24) f 政党本{立j 体 制 の 下 で の 司 法 的 救 済 に つ い て 捕充(同法 1 1 2条)あるいは補欠選挙(開法 1 1 3条〉が行われることになる C し たがって,地方議会議員の被選挙権の喪失に関しては,当事者が争えば,司法 裁判所の手目撃去が示されるようになっている O. 2 .r 失職j の場合 作)資轄の問題か さて,話を国政レベルに戻して,当選入が議員としての身分を取得した後は どうなるのであろうか。つまり,国会法の「失職 j 規定の場合である O 上でにみたように,国会法は 1 0 9条の 2は「退職者となる j との表現を用い ている. G. 国会法では,この「退職者となる j という表現は,再議院の議員に国. 0 8 条。憲法4 8 持になることはできないとする兼職禁止に触れた場合(国会法 1 条に由来)と「法律に定めた被選の資格j を失った場合〈国会法 1 0 9条。憲法. 4 4 条の「再議院の議員…の資格は,法律でこれを定める j に由来〉にのみ用い られている O 従来,憲法5 5 条によって,議院の裁判権;こ服せしめられる議員の資格に関す. 4 条の資格と再ーであって, る争訟にいう「資格j とは,憲法4. r 被選挙権があ. ること(公職選挙法 1 0 条・ 1 1条),兼職が禁止される公職についていないこと ([憲法J4 8 条,国会法3 9条・ 1 0 8条・ 1 0 9条)が要求される j と説かれてきた倒。. 0 9条の 2の条文上の{立置(再条は上 以上のことを考え合わせると,国会法 1 0 8条 , 1 0 9 条に次ぐものであり,同法 1 1 0条は欠員の通知, 1 1 1条弘下 述の同法 1 は資格争訟に関する規定である)ともあいまって,法は,国会法 1 0 9 条の 2の. ( 7 6 ) 佐藤・前出注 ( 1 2 )1 9 1頁。ただし,国会法 1 0 9条の 2が挿入される蔀の記述である。 (77) 加えて,当選を無効とすることに関わる連座制(公職選挙法251 条の 2~ じについては,. 訴訟手続についての定めがある(罰法210条 , 2 1 1条)が,国会法が, I 退職者となる j 場 合 について訴訟手続についての定めを量いていないことも,民法がこの開題を「資務j の需題 と考えていることをうかがわせる。. -90-.

(25) 法 科 大 学 院 論 集 第 3号. 問題を,国会議員の資措の開題として扱っているとの誰測が成り立ちうる(77J. ( 2 ) 資格の問題であると考えることへの疑問. 5条にいう「資格j の範屈を拡大すること しかしながら,以上のように憲法5 には疑問もある O 髄憲議会の議論をみても,議員の資格の問題として念頭に置 かれているのは,期罰を科されている,あるいは科されたことがあるという履 涯の問題と年齢の問題に過ぎない憾。もし,被選挙権があることと兼職が禁止 される公職についていないことを超えて,. 1比例代表選挙で当選後に敵対政党. に移籍していないこと j をも憲法5 5条にいう f 資格」と捉えるのであれば,た とえば「当選後に所属政党を離党していないこと j も同誌に「資格」と捉えう ることになるのではないか。この論理を認めれば,設党所屠を議員の資格に直 結させる立法についても,司法裁判所による審査の機会が,存在しないという. ( 7 8 ) 清水伸・逐条日本昌憲法審議録〔増訂販〕第 3巻(原書房, 1 9 7 6 )2 0 3 2 0 6 頁。政府原案 4 0 条〔現行4 4条〕についても,参議読議員の被選資格の制隈について否定的な答弁がなされ 6 2 1 6 8 頁)。政府東案5 1条〔現行5 5条〕では資替のみならず選挙に ているにとどまる(同書 1 ついても議院が裁判権をもつことになっていたが,衆議院で修正された(生藤達夫著/佐藤 功補訂・百本国憲法成立史第 4巻(宥斐関, 1 9 9 4 )8 0 9 8 1 1頁 , 8 6 9 頁 , 8 7 4 頁参黒)のである が,この修正に関する実質的な審議の舞台となったいわゆる芦田小委員会の審議(大左翼・ 9 8 8 )2 8 7 2 8 8 頁参燕〉でも,当然ながら,選挙についての裁 議提自律権の構造(成文堂, 1 0毘帝属 判を裁判所に任せるか,議院で行うかに焦点が当たっている(衆議誼事務局羅・第9 議曾衆議院帝園憲法改正小委員曾速記録(衆栄会, 1 9 9 5 )1 6 4 -1 6 5,2 1 8 2 1 9,2 3 7 2 3 8,2 6 7 頁 ) 。 政府提出の原案の規定はマッカーサー草案。条およびさらにその震案である畏致毘長のた めの覚え書き〔国家の章についての小委員会案) 1 0条に由来する(高柳賢三組編著・百本匡 憲法髄定の過程嘉文と語訳{有斐閣, 1 9 7 2 )1 5 9 1 6 0,2 8 4 2 8 5頁〉。懲罰による除名と異 なり,退半数で資格の暫定ができる点を含めて, 各議院はその議員の選挙,得票結果及び 条5館 I 項の強い影響 資格に寵する争訟について裁判する j と規定するアメリカ合衆冨憲法 1 8 6貰参照〉。なお,資格の判定についても特別多数 が信われるところである(大石・前掲書2 決が要求されるようになるのは, 3月 2日案5 6条以降である(佐藤・前掲書第 3巻 9 8頁) 0 なお,帝国議会では貴族院のみが選挙についても争訟の裁判を行い(貴族院令 9条),衆議 院の権醸は,資搭に関するものに限定されていた〈議院法7 8条) (大:ti.前掲書2 6 1 2 6 3頁参 照 ) 。. r. -91-.

(26) 「政党本位j 体制の下での司法的救済について. ことになりかねない制。これは,選挙の時点までに明ちかになっている事象以 外を資格として定めることに共通する問題(選挙の時点で明らかな事象なら当 選訴訟で問題になる〉去のであるが,安易に「資搭Jを拡張して考えるのは問 題であろう C. ( 3 ) 資格の問題と考えない場合 かりに,以上の論理によって,国会法 1 0 9 条の 2の問題が,国会議員の資格 の問題でないと考えることができるとした場合,司法裁判所で争うことが可龍 になる O その場合,まず抗告訴訟が考えられないではないが,. r 退職者となる j とい. う仕組みが取られている以上,それは国難であろうし,また,後述の当事者訴 訟としての確認訴訟が可能であればその必要があるとも患われない。 次に,繰上補充に関する当選訴訟はどうか。当該議員が「失職」したという ことになると,院の議長から内関総理大臣(国会法 1 1 0条),内閣稔理大臣から 総務大臣,総務大臣から中央選挙管理会に通知が行われ(公職選挙法 1 1 1条 1 項 2号入繰上横充による当選人の決定が行われることになる〈公職選挙法1 1 2 条 2項)のである. しかし,この決定に対して,. G. r 失職j した議員が当選訴訟. ヘ. を提起できるかというと疑問である (8. むしろ,第 3に,ここでも公法上の当事者訴訟として確認訴訟の活用を考え る余地と必要がありそうである制。 素朴な方法としては,月号罵政党を移動した後に議員としての地位確認訴訟を. ( 7 9 ) 後述 ( 4 ) 参額。 ( 8 0 ) 失職した議員を,. I 選挙会において当選人と決定された後何らかの事由で、当選を失ったも. のJ(田中=谷合・前出注 ( 2 7 )1 1 1 4頁〉とはいえないだろう O ( 8 1 ) 前出注 ( 3 6 ) 参照。 QU. ワ 山.

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論に対する批判的なまなざしに因るものであると考えられるのである︒

リカ民主主義の諸制度を転覆する﹂ために働く党員の除名を定めていた︒かかる共産党に対して︑最高裁判所も一九

「分離の壁」論と呼ばれる理解と,関連する判 例における具体的な事案の判断について分析す る。次に, Everson 判決から Lemon

について最高裁として初めての判断を示した。事案の特殊性から射程範囲は狭い、と考えられる。三「運行」に関する学説・判例

当該不開示について株主の救済手段は差止請求のみにより、効力発生後は無 効の訴えを提起できないとするのは問題があるのではないか

つの表が報告されているが︑その表題を示すと次のとおりである︒ 森秀雄 ︵北海道大学 ・当時︶によって発表されている ︒そこでは ︑五

  支払の完了していない株式についての配当はその買手にとって非課税とされるべ きである。