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幼児教育との連携

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Academic year: 2021

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(1)

参照:幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の在り方について(報告) 平成22年11月/幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の在り方に関する調査研究協力者会議 文中では「報告」 小学校に入学した子どもたちが、授業中に座っていられない、話を聞け ない、集団行動をとれない等、学校生活への適応を図ることが難しい、 また適応までの時間が以前に比べて長くなっていることは、1990年代より社会的な問題となってい ました。実際に担任をして実感した方も多いのではないでしょうか。 こうしたことなどを受け、子どもの発達や学びの連続性を保障するため、幼児期の 教育幼稚園、保育所、認定こども園における教育)と児童期の教育(小学校における教育)が円滑に接 続し、体系的な教育が組織的に行われることの重要性が示唆され、幼稚園教育要領、保育所保育指針、 小学校学習指導要領において、幼小接続に関して相互に留意する旨が規定されました。 幼児と児童の交流活動や幼小の教職員の意見交換等の取組はある程度行 われてきていますが、円滑な接続のための取組は十分実施されているとは言えない状況です。そのため、 まず何よりも子どもの発達や学びの連続性を踏まえた幼児期から児童期に かけての教育のつながりを 理解するための道筋を明らかにすることが必要です。

子どもの発達や学びの連続性を保障するということが大切です

平成 20 年の中教審答申において、生活科の課題の一つとして、「小1プロブレムなど、学校生活への適応を 図ることが難しい児童の実態があることを受け、幼児教育と小学校教育との具体的な連携を図ること」が挙げ られています。その課題解決のために次のことが示されています。 生 活 科 の 改 善 の 基 本 方 針( 平 成 2 0 年 中 教 審 答 申 ) 解 説 p . 4

小学校における教科学習への円滑な接続のための指導を一層充実するととも

に、幼児教育との連携を図り、異年齢での教育活動を一層推進する。

生 活 科 の 改 善 の 具 体 的 事 項( 平 成 2 0 年 中 教 審 答 申 ) 解 説 p . 5

幼児教育から小学校への円滑な接続を図る観点から、入学当初をはじめとし

て、生活科が中心的な役割を担いつつ、他教科等の内容を合わせて生活科を核

とした単元を構成したり、他教科においても、生活科と関連する内容を取り扱

ったりする合科的・関連的な指導の一層の充実を図る。また、児童が自らの成

長を実感できるよう低学年の児童が幼児と一緒に学習活動を行うことなどに配

慮するとともに、教師の相互交流を通じて、指導内容や指導方法について理解

を深めることも重要である。

生活科を核とした、合科的・関連的な指導を一層充実させること

幼児と一緒に学習活動を行うことなどに配慮すること

教師の相互交流を通じて、指導内容や指導方法について理解を深めること

この3 つ の点 につ いて 進 めて い くこと が求 められ て います 。

(2)

ここからは、幼小連携を進める上で大切なポイントについて解説します。

ポイント1

「発達や学びの連続性」

ポイント2

「合科的指導・関連的指導」

ポイント1

どんな連続性が見られるのですか?

■1

教育基本法

報告p.7-8 我が国の教育は、教育基本法に基づき、 人格の完成、すなわち個人として、また社 会の構成員としての理想の姿を追究するこ とを目的としています。 こうした考え方のもとで、幼児期の教育 と児童期の教育(義務教育)の表現ぶりに 違いはあるものの、両者は個人と社会の構 成員としての理想の姿を目指す教育の一環 として位置付けられています。

■2

学校教育法

報告p.8 教育基本法と同様、幼児期と児童期において次のような連続性・一貫性をもって構成されています。

■3

教育課程

報告p.9 幼児期の教育と児童期の教育には、次のような違いがあります。

これらの違いは、発達の段階に配慮した違いです

しかし、子ども一人一人の発達や学びは幼児期と児童期ではっきりと分かれるものではなく、つながって います。上記のような違いの理解・実践は、あくまで幼児期と児童期両者の教育の目的・目標が連続性・ 一貫性をもって構成されているとの前提に立って行われなければならないことになります。

(3)

例えば、右のような活動(指導)、教育課 程の編成・実施等が考えられます。 報告p.10 子どもの発達に合わせて、これまでの教育 課程に工夫を加えるということですなんですね。 では、教育活動について、どうとらえていけばよいでしょうか。

■4

教育活動

報告p.10-12 円滑な移行をいかに図るか 幼児期から児童期にかけては、学びの芽生 えの時期から自覚的な学びの時期への円滑な 移行をいかに図るかが重要となります。

学びの芽生え

学ぶということを意識しているわけではないが、楽しいことや好きなことに集中することを 通じて、様々なことを学んでいくことであり、幼児期における遊びの中での学びがこれに当たります。

自覚的な学び

学ぶということについての意識があり、集中する時間とそうでない時間(休憩

の時間等)の区別がつき、与えられた課題を自分の課題として受け止め、計画的に学習を進

めることであり、小学校における各教科等の授業を通した学習がこれに当たります。

このため、幼児期から児童期にかけては、学びの芽生えと自覚的な学びの両者の調和のとれた 教育を展開することが必要です。

例えば

【幼児期の教育】

調べる、比べる、尋ねる、協同するなどの手法を組み合わせて楽しみながら課題を 見出し解決する取組を通じて、学びの芽生えから自覚的に学ぶ意識へとつながってい くよう、学びの芽生えのための活動を展開することが求められます。

【児童期の教育】

自覚的な学びの確立を図るとともに、楽しいことや好きなことに没頭する中で生じた 驚きや発見を大切にし、学ぶ意欲を育てるといった活動を適宜取入れることが大切です。 また、幼児期の教育と児童期(低学年)の教育は共に、 直接的・具体的な対象との関わりを重視している点で共 点が見られます。 「人との関わり」「ものとの関わり」を通して、認識を 深めていけるようにしたいものです。 幼児期の教育と児童期の教育は、それぞれの発達の段階を踏まえて充実させることが重要であり、 一方が他方に合わせるものではないことに留意する必要があります。 ※幼小接続における教育課程編成・指導計画作成上の留意点については、報告p.13-24をお読みください。

(4)

ポイント2

「合科的指導」・「関連的指導」とは何ですか? 解説p.43-44

【合科的指導】

各教科のねらいをより効果的に実現するための指導方法の一つで、単元又は1コマの時間 の中で、複数の教科の目標や内容を組み合わせて、学習活動を展開するものです。

【関連的指導】

教科等別に指導するに当たって、各教科等の指導内容の関連を検討し、指導の時期や指導 の方法などについて相互の関連を考慮して指導するものです。 生活科の学習は、教科の性格上、国語科、音楽科、図画工作科等他教科等との関連が深く、その指導に当 たっては、低学年教育全体を視野に入れて、他教科等と関連を図りながら進めていくことが求められています。

◆生活科の「内容及び

内容の取扱いの改善」では、「特に、学校への 適応が図られるよう、合科的な指導を行うこと などの工夫により第1学年入学当初のカリキュ ラムをスタートカリキュラムとして改善するこ ととした」(解説 p.43)、「入学直後は合科的な 指導などを展開することが適切である」(解説 p.45)とあります。

【事例】「なかよしいっぱいつくろう」

第1学年入学当初をイメージ

「なかよしいっぱいつくろう」という大 単元で、生活科を核として、児童の実態に合 わせて音楽、国語、図工、算数の目標や内容 を組み合わせて学習内容を展開します。

自らの思いや願いの実現に向けて

右上図のように、児童の思いや願いの実現に向けた活動を、ゆったりとした時間の中で進めていくことが 大切です。それは、総合的に学ぶ幼児教育の成果を小学校教育に生かすことが、小1プロブレムなどの問題を 解決し、学校生活への適応を進めることになるものと期待されるからです。このことはまた、主体的な活動を 重視した低学年教育をこれまで以上に充実させるだけでなく、第3学年以降の総合的な学習の時間において、 さらに発展させられることにも配慮する必要があります。 入学当初は忙しくて、「ゆったりとした時間の中で進める」というのは難しいのですが…。 確かに入学当初は気ぜわしいですね。だからこそ、考え方をちょっと変え、次のような点に 留意して教育課程に工夫を加えてみましょう。

学習時間に

小学校での授業は「1時間=45分」が一般的です。しかし、就学前の子どもたちの生活時

配慮する

間は大まかなものであるので、その点に配慮しましょう。 例えば、1単位時間を15分とし、 子どもたちの実態に合わせ、30分、45分、60分と柔軟に対応することが考えられます。 その際、計画立案→柔軟な対応→事後のチェック→次時の計画というPDCAサイクルを十分 に機能させることがポイントです。 キーワードは「モジュール(単位)」

学習内容に

「~したい」という思いや願いを実現できるような学習活動を組み合わせていきます。

配慮する

「歌」「自己紹介」「ひらがなを書く」と項目を単純に並べるのではなく、「幼稚園・保育所で 楽しんだ『じゃんけん列車』をみんなでしよう」「じゃんけん列車でなかよくなったみんなと 『どうぞよろしくねゲーム』をしよう」「名前が分からなくなった友達がいるから、名刺を作 ろうか」等、ストーリー性をもたせながら、子どもの思いや願いの実現に向けた活動を行って いくことが大切です。 キーワードは「ストーリー性」 ストーリー性をもたせ時間の工夫をすることで、これまでの学習活動が整理され、 ゆったりとした時間で進めることが可能になるのですね。

(5)

他教科等との関連を図った指導の在り

方として、解説 p.43-45 には次の3点が

挙げられています。

1 生活科の学習成果を他教科等の学習に 生かすこと 2 他教科等の学習成果を生活科の学習に 生かすこと 3 教科の目標や内容の一部について、これ を合科的に扱うことによって指導の効果を 高めること

右上の図をごらんください。

「1 生活科の学習成果を他教科等の学習に生かすこと」 「なかよしいっぱいつくろう」という単元で、児童の思いや願いを生かしながら「みんなでたのしく」「どう ぞよろしく」等の生活科の学習活動を行います。同時期に、例えば「みんなでたのしく」では、就学前に親しん できた「じゃんけん列車」を学級のみんなで楽しむとともに、音楽科で歌や身体表現を楽しむ学習活動へ、体育 科でかけっこやおにごっこ等の学習活動へ派生させます。 ■(音楽科)「みんなでじゃんけん列車をしたけれど、もっと他にも歌ったり踊ったりしてなかよしつくろう」 ■(体育科)「じゃんけん列車した場所よりもっと広い場所で、かけっこやおにごっこして、もっとなかよくなろう」 他教科での学習活動の導入で、生活科と関連させた流れをつくります。そうすることで、児童にはより一層の 学習意欲が生まれ、生活科の目標だけでなく、音楽科や体育科の目標が効果的に達成されることが可能になり ます。 「2 他教科等の学習成果を生活科の学習に生かすこと」 例えば、国語科では、相手に応じて話す事柄を順序立てて話すこと、互いの話を集中して聞き話題に沿って話 し合うこと等の能力を育てるということがあります。上の「なかよしいっぱいつくろう」では、「めいしをつく ってわたそう」という生活科の活動を核としながら、国語科では「書き方」「話し方」、図画工作科では「描き方」 等について教科の目標に沿って学習活動を行います。 ■(国語科)「今度、名刺交換をするんだけれど、どんな名刺が喜ばれるかな」 授業の導入でこのような発問をすることによって、児童は丁寧に字を書くことの大切さに気付き、国語科における学習意欲の向 上や目標・内容の効果的な実現が期待されます。また、「どうやって名刺を渡すといいかな。もらうときはどうかな」という発 問は、児童にとって相手の目を見て話したり聞いたりすること、順序よく話すこと等の大切さの実感に結び付き、国語科としての目 標・内容の実現にも向かいやすくなります。 ■(図画工作科)単元「すきなもの いっぱい」で、自分のすきなものの絵(イラスト)を描く活動から ■(生活科)図画工作科で描いたイラストを生かして、名刺を作る活動へ 生活科から他教科等へ、他教科等から生活科へ、相互に関連させていくことが大切なんですね。 「3 教科の目標や内容の一部について、これを合科的に扱うことによって指導の効果を高めること」 このことは、前で述べた「合科的な指導」が当たります。 生活科では、合科的な指導の推進とともに、前述の第1、第2の扱いも取り入れた合科的・関連的な指導を 展開することが求められています。そのことにより、児童の思いや願いを生かし、主体的な活動を重視した低学 年教育をこれまで以上に充実させていくことが実現できるからです。なお、こうした学習が第3学年以降の総合 的な学習の時間において、さらに発展させられることにも配慮する必要があります。(解説 p.45)

参照

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