知っておきたい! 身近なカラダの不調に対する漢方薬治療 薬局を訪れると店頭に様々な漢方薬を目にすることができる。また市販薬の中には一般的 な名称がついているものでは実は中身が漢方薬であることも少なくない。一般には現代医 療は西洋医学に基本を根ざしているが、西洋医学の特徴は何かと聞かれると結構即答しに くい。西洋医学は検査と診察で病名をつける。特徴的な症候と検査所見で病名がつけばそれ に対応する治療が施される。この場合、検査とは大まかに言うと「画像」と「数字」である。 医者として日常臨床を行っていると、患者さんの訴えにもかかわらずこうした「検査データ」 に異常を認めないことがしばしばある。西洋医学では「検査データ」に異常がなければ、病 名がつかず、結果として対応する治療がなされない。こうした場合にはどうなるかというと、 「検査に異常はなさそうだから、しばらく様子をみましょう」とか「原因はわかりませんが、 とりあえず症状を和らげる薬をだします(対症療法)」といった具合になる。昨今、専門科 が多種多様に存在しているため、時には、「我々の診療科では異常がなさそうなので他の科 の先生に診てもらいましょう」といったような場面もよくある。一通り診療科を一巡した結 果、「精神的なものかもしれませんね」などということも珍しくない。一方で漢方医療には、 特徴的な検査データは必要なく、むしろ体質を重視する。「病名」もあってもよいが、必ず しも必要ない。症状が同じでも、体質が違えば違った薬を選択することもある。西洋医学が、 緻密な研究のデータに基づく医療であるが、漢方医学は過去約2000 年間に人間が蓄積した 膨大な臨床経験に根ざした医学である。現代は生活習慣の乱れやストレスの蓄積によって 原因がよくわからず慢性的な不調を持っている人が少なくない。こうした場面に漢方医療 が一役を担うことがある。本講演では、「風邪」、「全身倦怠感と食欲不振」、「お腹のトラブ ル」、「水の異常」、「イライラ精神不安」に対する漢方薬に焦点をあてつつ、身近な体の不調 に対する漢方薬を紹介したい。
知っておきたい!身近なカラダの不調に対する漢方薬治療
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