JAIST Repository: 高活性低温プロテアーゼの探索と特性評価
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(2) 高活性低温プロテアーゼの探索と特性評価 山村 昌平. (民谷研究室). 【目的】 低温環境に適応した低温菌は、低温域で高い活性を持つ酵素を産生することが知られて いる。すでに当研究室において、低温プロテアーゼが単離されているが、低温酵素の低温 適応機構は解明されておらず、温度不安定性や低温での高活性に関する十分な知見も得ら れていない。そこで本研究では、低温でさらに活性の高いプロテアーゼを探索することに より、低温適応機構を考察した。 【実験】 寒冷地の土壌から 4 ℃で低温菌のスクリーニングを行い、培養後、寒天培地上にタン パク質変性剤であるトリクロロ酢酸を噴霧することによって、菌体周囲のハロを確認し、 プロテアーゼを菌体外に産生している菌株をスクリーニングした。そして、これらの菌株 を 4 ℃で液体培養し、基質としてアゾカゼインを用いて、プロテアーゼ活性を測定した。 そのうち、最も高いプロテアーゼ活性を示した菌体である 3A08 株を選択し、菌体の同定 を行い、温度特性などを調べた。また、ジャーファーメンターを用いて大量培養を行い、 菌体外に産生されたプロテアーゼを限外濾過、ゲル濾過等により精製した。精製されたプ ロテアーゼについて、分子量、等電点、温度特性、pH 特性、阻害剤による影響などの特 性を調べた。 【結果および考察】 スクリーニングの結果、4 ℃の培養条件下において、低温菌と考えられる菌体が 950 株 得られ、そのうちハロの確認によりプロテアーゼ活性を示した菌は 165 株であった。そし て、最も高いプロテアーゼ活性を示した 3A08 株について研究を進めた。3A08 株は、グ ラム陰性の桿菌で極鞭毛をもち、Pseudomonas 属であることがわかった。また、至適増 殖温度が 10 ℃であり、0 ℃の寒天培地上でも増殖することが確認されたことから、3A08 は低温菌であることがわかった。菌体外に産生されたプロテアーゼは、温度による増殖に 伴って活性の増大が見られ、15 ℃の培養条件下で、最も高いプロテアーゼ活性を示した。 大量培養後、精製されたプロテアーゼは、分子量が約 50 kDa であり、等電点は 6.5 ある ことが確認され、pH 5∼6.5 において高活性を示した。また、最大活性温度は 40 ℃であ り、常温酵素に比べて低温側にシフトしており、低温域で高いプロテアーゼ活性を示し、 温度不安定性であることも確認された。これらの結果から、この酵素は低温酵素であるこ とがわかった。さらに、低温域における比活性が既往の低温プロテアーゼの 3 倍以上であ り、従来にない高活性低温プロテアーゼが得られた。また、EDTA 、1,10-phenanthroline によって活性が阻害されたことから、金属プロテアーゼであることが示唆された。 発表状況: 日本化学会第 3 回バイオテクノロジー部会(平成 10 年 9 月)、日本化学会北陸支部大会 、1999 年度日本農芸化学会(発表予定) (平成 11 年 3 月) (平成 10 年 11 月) keywords Copyright. c. 低温菌、低温活性プロテアーゼ、Pseudomonas 1999 by Syohei Yamamura. sp..
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